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1965-07-21 第48回国会 参議院 運輸委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年七月二十一日(水曜日)    午後一時十三分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         松平 勇雄君     理 事                 江藤  智君                 前田佳都男君                 吉田忠三郎君     委 員                 木暮武太夫君                 平島 敏夫君                 相澤 重明君                 小酒井義男君                 中村 正雄君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    説明員        運輸大臣官房長  深草 克巳君        運輸省鉄道監督        局国有鉄道部長  原山 亮三君        運輸省鉄道監督        局民営鉄道部長  蜂須賀国雄君        海上保安庁警備        救難部長     猪口 猛夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○運輸事情等に関する調査  (海上保安に関する件)  (日本国有鉄道運営に関する件)  (民営鉄道運営に関する件)     —————————————
  2. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  運輸事情等に関する調査を議題といたします。  海上保安に関する件について、運輸省当局から発言を求められておりますので、これを許します。
  3. 猪口猛夫

    説明員猪口猛夫君) 去る五月二十三日朝室蘭港におきまして起こりましたノールウエー・タンカーヘイムバード号」の火災事件のその後につきまして御報告申し上げたいと思います。  一応、事件概要あるいは被害その他海上保安庁でとりました措置等につきまして、項を追って御報告申し上げたいと思います。  事件概要につきましては、先般も御報告申し上げましたが、昭和四十年五月二十三日朝、室蘭港のノールウエー・タンカーヘイムバード号」三万五千三百五十五トン、三十八名乗り組み、原油二万六千八百五十二キロリットル積載した船が桟橋に衝突いたしまして、原油が海面に流出し、その流出いたしました原油に、網取り船港隆丸」が作業せんとして近寄りましたとき、「ヘイムバード号」の流出原油に引火いたしまして、「ヘイムバード号」は爆発炎上した事件でございます。  本火災は、その後数回の爆発を重ね、一時は地元民を恐怖のどん底におとしいれるような大きな火災になったのでございますが、六月三日に至りまして切めて火勢も衰えまして、五、六番タンク付近のみの火災に焦点がしぼられ、また該船に乗船いたしまして船状をつぶさに調査することができましたので、初めて消防対策というものが現実に即したものになったわけでございます。その結果、中央の四番タンクは満載のままで油が残っておると——約五千トンばかりの油が燃えずに一ぱい残っておりまして、火元の一、二番から、四番を飛び越えまして、五、六番に引火して爆発し、五月の二十三日以来約二十八日間にわたりまして五、六番のタンクが炎上し続けたという経過になっておる次第でございます。六月三日の乗船調査以来、初めてそういうことがわかりまして、なぜ一番、二番から五、六番に飛び火して延々として二十八日間にわたり燃え続けたかということにつきまして専門家等で協議いたしました結果、結局、船底から約二メートル半ぐらいのところに油送パイプがあるのでございますが、そのパイプ爆発によりまして破れ、その四番の満載された油が五、六番にあたかも油を補給するような状況で、五、六番を延焼したという状況専門家の間で判断されたわけでございます。そこで初めて、消火対策といたしましては、その五、六番に四番から油が行かないように注水を開始いたしまして、補給そのものただ水ばかりというような状況にいたしましたので、ようやく六月十九日、二十八日間にわたり燃え続けました該船火災も鎮火いたした次第でございます。  この被害につきましては、「ヘイムバード号」の乗り組み員八名が死亡いたしまして、重軽傷十名、それから先ほど申しました綱取り船港隆丸」は爆発炎上し、かつ沈没いたしました。そして乗り組みの二名も死亡いたした次第でございます。そのほか船体は「ヘイムバード号」が二十一億円、その積載油は価格にいたしまして一億一千万円の被害となっております。その他の被害額を申し上げますと、付近の漁船あるいはノリシビ等に相当の被害があります。また港湾等の若干の被害もございますし、「港隆丸」の被害額、そういうのを合わせますと大体二百十万円ぐらいのものがそのほかあるようでございます。  海上保安庁のとりました措置といたしましては、五月二十三日「ヘイムバード号」が火災を起こしますと、ほとんど同時に、現場付近を港内巡視しておりました巡視船同船に派遣いたしまして消火に当たらしめ、自後新聞紙上等でも御承知のような消防活動に入った次第でございます。なお、室蘭市にはさっそく消防対策本部というものが設けられまして、市長を対策本部長として、関係民間者による対策本部活動をした次第でございます。  現在「ヘイムバード号」はその残骸を日本石油埠頭の沖合いに鎮火したままでございますが、これに対しまして、室蘭港長は、六月二十一日、港則法に基づきまして、同船船長に対し船体の除去を命じたのでございますが、これによりまして、船主側はそれを引き受けまして、まず船固め、それから現在残っております残油の積み取り作業を行なっておる次第でございます。残油の積み取り作業が終わりまして、危険が皆無になりました後に、船体調査を行ない、適当な個所に——港外に引き出しまして、そこで撤去作業を行なう計画になっておる次第でございます。  また、この事件に関連いたしまして、私のほうで捜査いたしておりましたが、六月二十八日に札幌地検室蘭支部に対しまして業務上過失艦船破壊罪及び同致死傷罪の容疑によりまして水先人岩井良作船長のトウレスウエイエを送致して現在に至っておる次第でございます。  以上簡単でございますが、その後の経過につきまして報告申し上げた次第でございます。
  4. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 御質疑のおありの方は順次御発言願います。
  5. 相澤重明

    相澤重明君 質疑というよりは、私はきょうの委員会事故報告をしろということで要望しておいたのですが、いま口頭報告なんですね。もちろんあと会議録を見ればわかることですが、しかし会議録でわかるということであっては相ならぬので、従来から私は事故報告文書をもって報告しろ、こういうことを当委員会で常に申し上げておいたわけです。したがって、今回は選挙も終わったあとだし、急に事故報告と言われたから準備もできなかった点もあったかと思うのですが、今後はそういうことはやめてもらいたい。当委員会としてそういうことをいままで申し上げておったのですから、そのことは守ってもらいたい、こういうことをまず委員長要望しておきまして、きょうは報告を聞く、こういうことで私は終わりたいと思います。——聞いてください、政府から。
  6. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) ただいまの相澤委員からの御発言、今後書類をもって報告をするようにお願いしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  7. 深草克巳

    説明員深草克巳君) ただいまの相津先生の御要望でございますが、確かにたびたびそういう御忠告を受けました経緯もございます。本日は時間の関係もございまして至らない点がございまして、今後十分気をつけたいと思います。
  8. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 官房長は時間がないと言っていますが、常識の問題だよ。いままで運輸委員会が何回となく開かれて、事故報告に、いまあなたが言ったようなことで時間がないから口頭でやりましたということはないのです。問題は心がまえの問題だと思うのですよ。そういうあなたが答弁するならば、少なくともこういう事故があった場合に、選挙後の初めて開かれる委員会ですから役人として当然だ、これはわれわれから事故報告しなさいという要求がなくったって、当然あなた行政監督官として報告しなければならない任務があるのですよ。そういう義務があるのだ、君たちには。それが時間がありませんから今回は口頭だと、そういう詭弁を弄することはいかぬですよ。すなおに、今回できなかったらできなかったということで、次回からはそういうことのないようにしますということをなぜ言えないのだ。もう一回君に聞くよ。
  9. 深草克巳

    説明員深草克巳君) 御注意の点十分体しまして、今後このようなことのないように準備いたしたいと思います。     —————————————
  10. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 次に、最近の国鉄事故等に関し当局から報告発言を求められておりますので、これを許します。
  11. 原山亮三

    説明員原山亮三君) 最近二カ月の国鉄運転事故概況を御説明申し上げます。  五月の事故件数は、一応昨年新幹線が年度途中に開業いたしました関係で、新幹線を除きまして五月分の事故件数が千四百七十九件ございまして、前年同期に比べますと二百十件の減少、約一二%の減少を示しております。  それから六月分につきましては、千四百三十件ございまして、同じく前年同期に比べまして百二十三件、約八%の減少を示しております。  それで、新幹線を含めました事故件数でございますが、五月分におきましては、新幹線運転事故が二十三件ございますので、先ほどのそれを除いた千四百七十九件と合わせまして千五百二件ということになっております。  それから六月分の新幹線事故は二十一件ございまして、先ほどの件数と合わせますと、六月分としまして合計千四百五十一件となっております。  そのおもな内容でございますが、五月分の千五百二件の一番おもな数字といたしましては、列車妨害によります事故が二百六十二件、それから踏切障害によります事故が百六十七件ございます。それから六月分の千四百五十一件のうちの内訳として、大きなものといたしまして、列車妨害が二百八件、踏切障害が百七十五件。なお、災害の発生によります事故でございますが、五月に六十二件、六月に八十二件発生しております。新幹線事故が、五月二十三件、六月二十一件ございますが、このおもなものは、ちょうど豪雨によりまして線路故障による事故が多発しておるのでございまして、その築堤部分につきまして、築堤なりのり面崩壊等事故が発生する機会が多く、今後これについては、それらの擁壁の強化、路盤の補強を行なっていきたいと考えておる次第でございます。  それから、先ほど申し上げました五月、六月分の事故の中で特に重大な事故と思われます事故は、この六月三日に津軽線で起きました踏切障害事故でございますが、ダンプカーが衝突いたしまして、旅客十二名負傷者を出したというような事故でございます。  それから、最近七月十六日に関西線の桑名の駅で衝突事故がございまして、待避しておった貨物列車旅客列車衝突したという事故がございまして、乗客九名、車掌一名が負傷したような事故でございます。これは当務駅長信号機取り扱い誤りによるものでございまして、非常に性格としては悪質な事故でございます。  以上のような最近の国鉄運転事故概況でございます。
  12. 蜂須賀国雄

    説明員蜂須賀国雄君) 五月、六月の民営鉄道事故でございますが、この事故につきまして、列車事故とその他の事故につきましては、死傷者のあった事故及び列車を三時間以上停留した事故でございますが、甲種事故といっておりますが、甲種事故について御説明申し上げます。事故全体の数は二百四十一件ございまして、五月、六月二カ月でございますが、その中の内訳を申し上げますと、列車事故が、列車衝突二件、列車脱線が二十三件ございまして、列車事故は二十五件でございます。それから取り扱い事故といたしまして異線侵入というのが一件ございまして、なお車両脱線が一件ございまして、計二件ございます。それから外的事故でございますが、列車妨害が一件ございまして、あと踏切障害が百六十件ございまして、車馬接触が三十四件、計百九十五件ございます。火災事故といたしまして一件ございます。それから故障事故としまして、線路故障が十件と、電線路故障が二件ございまして、十二件ございます。その他六件ございまして、合計で二百四十一件でございます。  この事故のうちでおもなるものを申し上げますと、五月の二十一日に京王帝都電鉄株式会社事故がございますが、これは踏切障害でありまして、京王線におきまして、レッカー車が踏切道の上にエンストいたしまして、踏切警手が赤旗を振っているのでございますが、運転士はこれを見まして非常制動手配をとりましたが、間に合わなくて生じた事故でございます。これは死傷者が、重傷二名、軽傷八名、計十名出ております。  次に、広島電鉄の事故でございますが、これも踏切障害でございまして、五月二十三日でございます。宮島線でございますが、これにつきましては、三輪トラック踏切直前横断をいたしまして、安全不確認によりまして、そのために線路上に入りまして、非常制動手配をとったわけでありますが、及ばなくって生じた事故でございます。これにつきましては、重傷二、軽傷三、計五名を出しております。  次に、京阪神急行電鉄株式会社列車火災でございますが、これは六月三日にございまして、宝塚線の豊中駅の構内でございますが、これにつきましては、パンタグラフ付近から火が出まして、取りつけ部の木材とパンタグラフワク組みとの間に雨水なりほこりがたまっておりまして、これが原因いたしましてなったものでございます。それにつきましては、やけどの二名、その他九名ございまして、十一名負傷しております。  次に、札幌市の交通局事故でございますが、これは車両の追突でございます。六月十四日にありました事故でございますが、これにつきましては軽傷内名出しております。これは運転士制動操作誤りでございます。  次に、松本電鉄のやはり踏切事故でございますが、四十年の六月二十一日でございます。これは上高地線でございますが、これにつきましては重傷一名を出しております。これにつきましては、列車を増結いたしまして、このときのホースの締め切りコックを開放しなかったために起きた事故でございます。  それから次の北陸鉄道株式会社でございますが、これは車両脱線でございます。六月二十四日でございますが、兼六園の停留場のところで起きた事故でございます。これにつきましては、死亡一、重傷七、軽傷十二、計二十名であります。これはブレーキロッドが折損していることを運転士が気がついておりながら、非常ブレーキ電気ブレーキをたよりにして運転を開始しましたが、なお途中で車がとまらないために、レバーシングハンドルを抜き取って車外に飛びおり、車輪とレールの間に挿入したが、電車はこれを乗り越えまして、そのためにレバーシングハンドルが折れまして、したがいまして電気ブレーキ操作もできなくなりまして、これによって起きた事故でございます。これに対して、直ちに陸運局に命じまして現地の調査をいたさせまして、その後全国の陸運局に対しましては同種の事故を起こさないように通達を出しております。なお、来たる二十七日に金沢市に参りまして特別監査をやる予定になっております。  次は、名古屋市の交通局事故でありますが、これは運転車両接触であります。これは七月六日でございますが、これにつきましては、軽傷五名ございまして、これは運転士交通信号機に併設されておりますところの軌道信号確認しなかったために起きた事故であります。  以上がおもな事故概要であります。
  13. 相澤重明

    相澤重明君 事故報告はこれだけですか。
  14. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) あと、航空局がいまこちらに来る途中だそうでありますから……。
  15. 相澤重明

    相澤重明君 それでは事故報告についての報告わかりました。  そこで、まだ私ども中村運輸大臣の所信も聞いておらないし、この臨時国会が始まってからおそらく最初に出てくるだろうと思います。きょうの事故報告を聞いたわけでありますが、これに対する対策政府はどう考えているかということを次の委員会に提出してもらいたい。  それといま一つ、内閣が改造された後の臨時国会になるわけでございますが、人事の入れかえも多く行なわれたと思います。私どもにもわからないので、名簿を提出していただきたい。あわせて、できるならば職員録も提出していただきたいということを委員長要望しておきます。
  16. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 承知いたしました。官房長、いまの相澤先生の御要望、できるだけ早く出していただきたい。
  17. 深草克巳

    説明員深草克巳君) 承知いたしました。
  18. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 速記をとめて。   〔速記中止
  19. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 速記をつけて。
  20. 相澤重明

    相澤重明君 運輸省の三宅島における飛行場建設についての新聞発表等が行なわれておるんですが、これに対して、当運輸委員会としては、いろいろな点でその計画なり建設の中においてどう政府が対処をしておったのか、それの報告を受ける義務があると思いますので、それについて文書をもって報告を求めたいということを委員長要望しておきます。委員長から政府確認をしていただきたいと思います。
  21. 深草克巳

    説明員深草克巳君) ただいまの三宅島飛行場の問題につきまして、その経緯につきまして、文書をもって当委員会報告をいたしたいと思います。
  22. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 本件に関する調査は、本日はこの程度にいたします。  次回は、追って御連絡することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十一分散会