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帆足分科員 そこで最近の英国、ソ連、アメリカでは、どちらかといえばビールスに重点を置いてガンを追跡しておりまして、人工衛星においてモスクワとワシントンとどちらが勝つかというような競争が、いまやソ連とアメリカとの間において行なわれている状況でございます。光学機械の発達した
日本におきましては、この問題について
一つの
役割りを果たし得る条件を持っておりまして、
日本の電子顕微鏡学界におきましてはこの問題について、ガンに対してほぼビールスと見当をつけて、そうして追跡しつつある状況でございます。私はこの際
主査のお許しを得て結論を述べたいのですが、ビールスの研究について、その追跡について予算を取る措置を厚生
大臣、
考えていただきたい。もう九九%までガンの病源菌はビールスであろうということは、国際的にほぼ決定に近づきつつある方向でございます。同時にまたビールスを追及することによって小児麻痺、インフルエンザその他のろ過性病源菌を、次々とこれを把握し、つかまえるということが、同時にそれから免疫、
治療の道を発見することでございますから、ビールスの研究について適当な研究機関があるならばそれを助け、不十分であるならばこれを補い、ビールス研究において
日本が、ソ連、アメリカに対してひけをとらないように、この光学機械、精密機械工業においてすぐれた民族が、これにおいて
一つの
役割りを演じ得るようにしていただきたい。これは
医学の問題と原子物理学と光学機械の学者との連合によって、解決し得る問題でございますから、直接厚生
大臣が指揮されて適切な措置をとっていただきたい。
第二には、同時に残っておるのが心臓と血管の
病気でございます。これにつきまして榊原教授のようなすぐれた心臓外科の練達の学者を持っておることは御承知のとおりです。榊原博士を
中心として、心臓及び血管に関する研究所をつくろうという創立の準備がいまなされております。しかも資金に困っておりまして、一部は財界に援助を求めておりまして、私もこの相談を受けました。こいねがわくは、財界の援助だけでは足りませんから、政府におきましては、これに対しましても相当の資金を準備していただきたい。また榊原博士お一人だけのそのグループだけの御努力だけでは不十分だといたしますれば、それを助けるような方法とか、その学界の連合の方法だとかに、お力を添えていただきたい。自衛隊のジェット機の翼
一つあるならば、どれだけ多くの貢献がなされるか。
人間の生命を救うことが安全保障であるならば、もはや剣だけが無限の安全保障だけではなくして、学問の力もまた
医学の力もまた安全保障であるということを知っていただきたい。
今日の課題は三十年前に私
どもが結核を問題とし、結核によって有為な青年の大部分が死んでしまって、われわれ鈍才だけがこうして生き残りましたが、今日はガンと心臓と血管の
病気によりまして、有為の人が働き盛りに倒れております。中国、ソ連に対して一定の国防計画を立てることも、保守党としては一応必要であるかもわかりませんけれ
ども、それは適当な常識の範囲でいいのでありまして、こいねがわくは自衛自衛ということが命を守るということであるとするならば、ダレスが中共兵に狙撃されたのでもなく、池田さんがベトコンにねらわれたのでもなく、われわれ人類の共通の敵は、いまやビールスである。同時に心臓の病だということを御理解くださいまして、そういう点、
大臣も私もこの二つの敵に対して対決する日が来るでしょう。そのための共同戦線です。したがって自衛隊の資金の半分を減らしてでも
——これは極端な表現は心なき人を怒らして、問題が困難になると思いますから、これは取り消しますけれ
ども、自衛隊の経費のみのことを
考えずに、この心臓との戦い、ビールスとの戦い、心臓を守る戦い、この二つに全力をそそいでいただきたい。
また
主査がもう時間がきたと言って、私の発言をとめる危険性のあるような御表情をなさっていますから、もう
一つ一括してお尋ねしておきますが、最近の人工流産、妊娠中絶の問題は、非常に深刻な問題であります。私は国土狭小なこの国において、これはやむを得ないことだと思います。思いますが、人工流産という
ものは母体に非常な障害があるのです。男は楽しんでそれで済むでしょうけれ
ども、女性もまた楽しむかどうかは存じませんけれ
ども、とにかくその重荷はすべて女性にかかる。しかも人工流産の場合は、せめて三日間入院しておれば、そしてすぐれた医者にかかれば、それほど大きな弊害はありませんけれ
ども、人生の現実はそれを許さず、一晩泊まらないで家へ帰る人が大部分である。そして
あとの手当ても怠りますために、母体に非常な障害を与えております。この数はどのくらいでしょうか、それもあわせて御発表願います。
それと私はその障害、そのばく大な経費、その精神的及び肉体に与える苦痛、その後にくる後遺症から見るならば、やはり事前の産児調節が必要だと思います。しかし産児調節につきましては、いろいろな方法がありますけれ
ども、
人間が最も安心した状況のときに起こる現象でありますから、武装することはきわめて困難でございます。したがいまして最も簡易なる方法が必要であろうと思いますが、私はいままで書物を読み、多くの人の経験を聞いた範囲においては、リングの方法が一番いいと承知しております。なぜよいかと申しますと、リングはかつては金でつくるために非常に値段も高く、重量も重く、刺激も強かった。最近は化学ビニール製品等の
進歩、合成樹脂の
進歩その他によりまして、たん白質を刺激しない、軽く、やわらかな、ぜんまい状の
ものをつくることが可能になってまいりまして、しかも子宮内部においてはガンができること少なく、子宮の外部のほうにガンができることが多いというような諸
事情もあり、同時に化学薬品がありますから、異常体質のときはすぐとりまして、そして適当に雑菌を防ぐ方法を講ずれば、弊害がなくて済みますから、これはひとつ政府としても研究を助長すべき問題である。しかるに薬事審議会という
ものがありまして、この薬万能の審議会の背後にはいろいろな問題があることは、もう
皆さん御承知のとおりでしょう。私は薬事審議会に絶対に反省を促したいと思います。反省の実があがらなければ、この次の来年の
分科会におきましては、私はいろいろの実例をもって反省を求めねばならぬと思っております。しかし
医学の
進歩のことは、しろうとがちょうちょうすべき問題ではありませんから、時としてはかったるいくらいの慎重な審議が必要でございますけれ
ども、私としてはいままでこの問題を研究し、一、二の本も書きましたけれ
ども、その範囲ではこのリングの方法は、大いに研究すべき問題であると思います。できますことならば諸般の化学薬品の
進歩などを
考えまして、婦人科の専門医に対してはこのリングはすでに許可してよい段階が来ておるのではあるまいかと思います。これもひとつあわせて御研究を願いたい。ただいま御回答を得て、不十分でありましたならば、一言だけこれに対して要望を申し上げる自由をお許し願っておきます。