○大橋説明員 概括的なことを私から申し上げて、さらに詳しいことは
局長から御説明申し上げます。
御
承知のように、公社ができましたのは
昭和二十七年であります。二十八年から三十二年にわたり第一次の五カ年
計画というものがありまして、このときの
計画としては毎年十四万個ずつ新規の電話を架設、合計五カ年間に七十万の電話を架設するという
計画でございました。しかし、いよいよ実行するにあたりましては、十四万個のところ
相当多くの申し込みがございましたのと、とき、たまたま、わりあいに収入状態もよろしくございましたので弾力条項を入れまして、この五カ年間に百九万からの電話を架設いたしました。大体初めの
計画に比べて約五割だけよけいつけた勘定でございます。しかしながら、これだけつけた五年後の実態を見ますと、
計画の初めにあたっては二十七年までに約三十九万、申し込んでつかない、いわゆる積滞数があったわけでございますが、五年間これだけ
努力した結果減るかと思っておったのでありますが、実は減らない。ますます増加したわけであります。三十二年度末には五十八万というふうに増加いたしております。そこで第一次の
計画に引き続きまして、三十三年から三十七年に至る第二次の五カ年
計画というものを設定いたしたわけであります。この
計画を立てるときに、大体三つの目標を実は立てたのであります。
一つは、できるだけ早く自動交換にするということ。いま
一つは、積滞をできるだけ
解消して、その年度に申し込んだものはその年度に片づけてしまう、翌年度に持ち越すことのないようにする。いま
一つは、従来のように時間をかけて、場合によっては一時間、二時間、三時間も待たなければ通じないということではなしに、即時通話で大体やることにしたい。この三つの目標を立てた。そこでこの三つの目標完成の時期を十五カ年
計画といいますか、十五年の間、四十七年度までにこの三つの目標を達成したいというのが当時の私どもの目標でございました。ところがいよいよ実行にあたりますと——その前に第二次五カ年
計画で毎年二十七万個ずつ新しくつけよう、そういたしますと五カ年間に百三十五万加入が新規に加入されることになります。そのときは大体一年二十四一万ぐらいの申し込みがあるのではないかという想定のもとに、二十七万ずつかければほそぼそながら毎年三万なり四万なりの架設積滞数が減っていくだろう、こういう当時の
考え方であったわけであります。
ところがいよいよ実行してみますと、なかなか初めの予想と違いまして、年々二十四万ぐらいの申し込みではない、三十万、三十五万というような申し込みが実は殺倒する
状況でありましたので、五カ年
計画の途中ではありましたけれども、五カ年
計画の一年、二年は前の
計画どおりになりましたけれども、三年目から四年、五年、
あとの三年間については拡大修正を行なうことにいたしました。この
あとの三年間に平均四十三万個ずつつける。しかも一時に平均四十三万個というのではないので、第一年目が四十万、第二年目が四十三万、第三年目が四十六万、こういうふうにつけていきますと平均四十三万つけるということになるわけであります。この改正によりまして
あとの三年間に百三十万の電話をつける、こういうことに改定をいたしました。このときの改定をするにあたって
国民需要をどうやるかというのが一番根本の問題でありまして、第二の
計画を立てたときには、大体電話の申し込みは
国民経済の発達に大体リンクしていく、こういう
考え方のもとに実はそれだけの
計画を立てたのでありますが、さらにいろいろこまかく計算をして、外国等の例を見ますと、電話の申し込みは
国民経済の発達以上に多い。そこで拡大修正のときには
国民所得の伸び率の一・二倍ぐらいの数がくるものと一応推定いたしましてただいまの平均四十三万という
計画をいたしたわけでございます。ところがその後その
計画を一年やっているうちに、御
承知の
池田内閣ができまして、所得倍増
計画というものが打ち出されまして、世の中の経済
状況もだんだん変わってくるということで、さらに実行の上におきましては三十五年度においては五十万加入、三十七年度においては六十万加入というふうにさらに現実の
計画を拡大いたしまして、第二次の終わりにおいて全体を総括いたしまして二百十二万個の増設をいたしたわけであります。大体第一次の
計画に比べて約倍の架設をいたしたことになっているわけであります。しかしながら積滞数は必ずしも減らないのでありまして、第二次五カ年
計画の終わりにおいては百一万の積滞がありました。
そこで、第三次拡充
計画をつくるときに、第三次五カ年
計画の五カ年間には一躍して五百万の施設をいたしたい、かような目標のもとに現在第三次五カ年
計画は進行中でございます。これも一時に百万ずつやるのではなくて、最初から少しずつ増していく。それで第三次五カ年
計画の初年度は七十万、第二年度はさらに十五万増しで八十五万、第三年度が百万、第四年度が百十五万、第五年度百二十万、こういうことにだんだん増していって、全体を通じて五カ年間に五百万やる。こういうことでありまして、第三年目には百万個の電話をつけるということでいま予算を提出しているわけでございます。しかし実際問題でさらに申し込みの
状況を見ますと、これでも実は積滞数がますます増加の傾向にある。第三次五カ年
計画におきましては、初年度の初めには百一万の積滞があるのだが、五百万つければその終わりにおいて四十二年度末において、実は積滞が七十万ぐらいに減るだろうという見込みで今日までやってきております。ところが、なかなかそうはいきません。今日の状態では百一万であったものが百五十万前後の積滞がすでにたまっておるような
状況でございます。このままで進みましては、最初の目標である四十二年度末までに積滞を一掃するというのはとても困難だ。どうしてもこれは、最初の目的を達するためにはもう一度
計画を再
検討いたしまして、
計画の拡大修正をやらなければならぬという状態にあるんじゃないかというのが現在の私どもの心持ちでございます。そこで御
承知の、昨年から電信電話
調査会というものをつくりまして、有識者にお集まりを願って、これらの点をも十分に御
意見を聞いて今後の拡充
計画をどうするかということをただいま
検討中でございます。