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田原分科員 これは議論ですから、それはその
程度として、しばらくおきましょう。
ただ問題は、国会で問題になったときだけ、模様を見ますとか、対策を講じますと言うのですが、あなたの
郵政大臣古池さんも、やはり分科会で私が聞いたら、ご
もっともな
質問でございます、番組
委員会もつくりますし、御趣旨全く御同感ですと言って、ぱっとやめてしまった。
徳安さんもおそらくこの次はやめられて、大蔵
大臣か何かになるかもしらぬ、あるいは政務調査会長になるかもしれませんが、あなたがおる間にひとつきちっとやってもらいたいと思う。これは党派心で言っておるのじゃない。国民の大
部分が最近のかっぱらいから人殺し、あるいは誘拐なんというものが、間接にはテレビの番組から影響されておるわけです。これはみんな認めておるのです。それは結局許可するときの開設
基準が整っておるからそれ以上はできませんとか、教育内容が五〇%であればそれでもいいですとか、あまり内容に干渉できませんと言って逃げておるのは、無責任きわまると思う。ここに私は時間の
関係で自分の思いつきの案を言います。そういうふうに行なえばだいぶ弊害がなくなるという案を言います。いままでのテレビは乱戦状態なんですね。たとえば相撲放送にしても、NHKもあれば、TBSもある。夜十一時から十チャンネルもやっておるわけです。同じ相撲を二組も三組もでやることはない。解説者が違うのだけれ
ども、相撲自身は同じです。そういうふうに内容についての指導性がない。したがっていま私が私案を申しますから、この私案に対する御
検討を願いたい。即答はどうでもいいです。私は、縦割りにやってもらいたいと思う。特色別縦割りに民放、官放とともに協力してやってもらいたいと思うのです。その点を番組向上
委員会に
お話ししたいと思う。所有権の廃止とかそういうことではない、設備の廃止や改良ではない。問題は、プログラムに対して、総合的企画性を持たせていただきたい。その
意味で縦割り案を持っているのです。
第一は、NHKという名でもいいし、
日本放送テレビでもいいけれ
ども、とにかく従来の
日本教育テレビとNHKを一本にします、可能か不可能かは別にしまして。そしてニュース、ドキュメンタリーなもの、それからサイエンスあるいはいわゆる公序良俗に反しないものであって、一切劇ものはやらぬ。アメリカのテレビで、コロンビアの例を見ますと、いつ見てもニュースをやっていますよ。毎日、毎時間です。ところがNHKのいまの放送でも「うず潮」なんというドラマを朝八時半ごろにやっておる。これは評判はいいに違いない。しかし八時半だと、七時から出勤しておる人は見ることができない。昼間また再放送をしますが、しかし、これも工場におる者は見ることができない。そんなに劇ものをNHKがやる必要はない。これは民放にやらせたらいい。それが第一放送です。第一放送はNHKが二本合わせて、そうしてもっぱら事実に基づいたものを報道する。政府声明もよろしい、社会党の意見もよろしい。そういうもの入れる。
それから第二は、これは外国放送と名をつけたいと思うのです。いままで一番から七番までのテレビでやっております外国もの一切をこに持ち込む。しかもこれは原語でやる。翻訳しておるのは、私が英語ができるから言うわけではありませんけれ
ども、ほんとうのニュアンスが出てこないのです。原語でなければ出ないものをへたくそな
日本語に直したり何かして味がわからない。また
日本には外国人も相当おるのですから、彼らはなまのまま聞きたいのが聞けない。ですから、吹きかえをせずになまでやる、そのかわりアメリカのものばかじゃありません。英米独仏露あるいは中国、イタリア、ブラジル、メキシコ、各国のものを集めて——それは具体的には交換放送でもいい、
日本のものを三十分売るのに対して向こうからも三十分買うというふうにして、そしていま
帆足さんの言ったように名曲ものをやるとか、それから語学も、この外国放送の中で毎朝十分なら十分ずつ、たとえば五時から七時までやれば十二回やれますから、英独仏露、スペイン、ポルトガルあるいはアラビア、イスラエル、ユダヤ語等できるでしょう。早朝にはそういう語学の練習をやらせる。そしてあとはその国のニュース、あるいはその国の名曲、その国の各画、あるいはその国からの声明等同時交換等の放送でやらせれば設備費はかからぬと思うのです。そして、いながらにしてわれわれは世界各国のものを聞ける。アメリカのものだけじゃないということになります。それを引き受ける民間放送が出てくればいい。私は第一だけはNHKで、あとは民間ということにしておるのです。
それから第三放送は、名前を少年少女テレビと初めからきめてしまう。小学校、中学校、幼稚園
程度のものだけを専門に放送する。そのためには、二階に小さなテレビを子供用にやっておいてもよろしい。おとなの時間に子供の漫画が食い込んだり、それからよろめき映画なんかを子供に見せたりすることはもってのほかだ。したがって少年少女に、それこそよい
日本人になるような誇り高き、かおり高き番組をつくってやったらどうか。それは民間でやらせてよろしい。
それから第四は、婦人家庭放送とでも名をつけますか、これは料理の時間とか生け花の時間とか、この時間には、夜十時ごろから先の子供が寝たあとは、多少ドラマをやってもいいと思います。奥さん方の教養になるならいいと思います。婦人、家庭専門のものにする。それをどこかの民間放送にやらせる。
それから第五は、科学技術放送、いまの十二チャンネルは少し墜落しております。見たい、聞きたいと思っておることが半分になっておりまして。これは経営上やむを得ないのです。いまのようにばらばらにギャング映画から西部劇からやるものだから、十二チャンネルもあわてて経営上コマーシャルを入れております。これは惜しいことだと思うのです。したがって科学技術、大学、高等学校の科学
関係の科目あるいはまた工場、鉱山等の技術、発明発見等のものを、多少は興味のものを入れてもいいけれ
ども、科学技術を専門にすることによってやっていくような引き受け者があれば、それをやらせる。
最後はスポーツ放送です。これは朝から晩までスポーツをやってもよろしい。相撲もよろしい。プロ野球もよろしい。あるいはボクシング、レスリング何でもよろしい。
こうなりますと六つになりますが、一般的なNHKのもの、二番目は外国放送、三番目は少年少女放送、四番は婦人家庭放送、五番は科学技術放送、六番はスポーツ放送というように、縦割りに整理をするようなことを勧告してはどうか。これは放送法を
改正する必要もございません。それから業界は乱戦状態です。したがってこういうふうに縦割りにしますというと、富裕の家庭では三台ぐらい買って、奥さん用と高等学校に行く子供のスポーツ用と、それから小中学生用を分けることができる。こういう勧告ぐらいしたいと思うのです。したがって、私が最初に聞きましたように番組向上
委員会は渋沢さんほかりっぱな方が七名なっております。それを逓信
委員会に特別に一日を設けるか、あなたの在職中に——五月改造でどうなるかわかりませんが、あなたのようないい
郵政大臣を持っておることを私
どもは誇りに思っておりますけれ
ども、しかし佐藤内閣もまだ後任に
大臣候補がたくさんいるから、この際思い切ってテレビ番組に対する国会の声を聞く。国会と言ったって、われわれだけの意見ではありません。みんながこれは困ったなという国民の声をぼくらが集約して、
帆足さんなり私が申し上げているのだから、それを生かしていただく。縦割り専門にするような方向に持っていくことによって幾らか弊害が軽減される。そしてコマーシャルもいいから、コマーシャルそのものを否定するわけではないので、ただコマーシャルもどぎついものがないように、コマーシャルの文句、あるいは企画に対する、これも番組向上
委員会の中にコマーシャル部会をつくって、これこそ事前審査でもして、三菱がコマーシャルを入れることはよろしい、あるいは資生堂が入れることはよろしいけれ
ども、ことばには気をつけてもらいたい。われわれはそこの品物を買いますよ。そういうことを含めて、こういうりっぱなおだんな衆のお上品な会合ではどの
程度できるかわかりませんから、われわれ野人を入れて、そうしてテレビのプログラム編成
委員を呼んで、もっとよくしようじゃないか、しなければおまえたちの免許を取り消すぞという、最後の断を
郵政大臣持っているのだから、やれると思うのです。
だいぶ私の意見を申し上げたけれ
ども、この意見に対する即答があれば即答をしてもらいたい。そうして具体的にこれがどこかで実を結ぶような機会を与えていただきたい。こういうことをつけ加えて、
質問を終わります。