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1965-02-22 第48回国会 衆議院 予算委員会第五分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科会昭和四十年二月十九日(金曜日)委員会 において設置することに決した。 二月二十日  本分科員委員長指名で次の通り選任され  た。       荒舩清十郎君    今松 治郎君       上林榮吉君    正示啓次郎君       二階堂 進君    水田三喜男君       片島  港君    中井徳次郎君       山花 秀雄君 同日  今松治郎君が委員長指名主査に選任され  た。 ————————————————————— 昭和四十年二月二十二日(月曜日)    午前十時二十分開議  出席分科員    主査 今松 治郎君       上林榮吉君    正示啓次郎君       二階堂 進君    水田三喜男君       片島  港君    田口 誠治君       中井徳次郎君    山花 秀雄君    兼務 加藤 清二君 兼務 川俣 清音君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 松浦周太郎君         郵 政 大 臣 徳安 實藏君         建 設 大 臣 小山 長規君  出席政府委員         文部事務官         (管理局長)  齋藤  正君         通商産業事務官         (公益事業局         長)      宮本  惇君         建設事務官         (大臣官房会計         課長)     多治見高雄君         建設事務官         (計画局長)  志村 清一君         建設事務官         (都市局長)  鮎川 幸雄君         建設技官         (河川局長)  上田  稔君         建設技官         (道路局長) 尾之内由紀夫君         建設技官         (住宅局長)  尚   明君         建設技官         (営善局長)  小場 晴夫君         自治事務官         (財政局長)  柴田  護君  分科員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   長岡  実君         日本国有鉄道総         裁       石田 礼助君     ————————————— 二月二十二日  分科員中井徳次郎委員辞任につき、その補欠  として田口誠治君が委員長指名分科員に選  任された。 同日  分科員田口誠治委員辞任につき、その補欠と  して中井徳次郎君が委員長指名分科員に選  任された。 同日  第三分科員加藤清二君及び第四分科員川俣清音  君が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十年度一般会計予算運輸省郵政省及  び建設省所管  昭和四十年度特別会計予算運輸省郵政省及  び建設省所管  昭和四十年度政府関係機関予算運輸省及び郵  政省所管      ————◇—————
  2. 今松治郎

    ○今松主査 それでは、これから予算委員会第五分科会を開会いたします。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  私が本分科会主査の職務を行なうことになりました。分科員各位の御協力によりまして円満なる分科会の運営をはかってまいりたいと存じますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。  簡単ではございますが、右、ごあいさつを申し上げます。(拍手)  本分科会は、昭和四十年度一般会計予算中、運輸省郵政省及び建設省所管昭和四十年度特別会計予算中、運輸省郵政省及び建設省所管、並びに昭和四十年度政府関係機関予算中、日本国有鉄道関係及び日本電信電話公社関係につきまして審査を行なうことになっております。審査の順序は、お手元に配付いたしました日程によりまして進めたいと存じますが、あらかじめ御了承をお願い申し上げます。  それでは、昭和四十年度一般会計予算中、運輸省郵政省及び建設省所管昭和四十年度特別会計予算中、運輸省郵政省及び建設省所管、並びに昭和四十年度政府関係機関予算中、日本国有鉄道関係及び日本電信電話公社関係を議題として順次説明を求めます。  まず運輸省及び日本国有鉄道関係予算について説明を求めます。松浦運輸大臣
  3. 松浦周太郎

    松浦国務大臣 昭和四十年度運輸省関係予算について御説明申し上げます。  まず一般会計規模について申し上げます。  歳入予算総額は十八億三千五百八十二万九千円、歳出予算総額は、他省所管計上分八十八億九千七百十五万七千円を含み、一千十五億三千四万一千円でありまして、この歳出予算総額を前年度予算額と比較いたしますと、百四十億六千六十五万三千円の増加となっており、約一六%の増加率を示しております。この増加額内訳を見ますと、行政費では六十一億九千七百七十九万円、公共事業費では七十八億六千二百八十六万三千円の増加となっております。  次に、特別会計について申し上げます。  まず、木船保険特別会計歳入歳出予算額は四億二千四百五十二万一千円で、前年度に比較して約七千万円の増加となっております。  自動車損害賠償責任保険特別会計につきましては、歳入歳出予算額を前年度予算額の約二倍に当たる六百二十八億五千百八十二万九千円といたしております。  港湾整備特別会計歳入歳出予算額は、昭和四十年度を初年度とする新港湾整備五ヵ年計画に基づいて港湾整備を推進するため、前年度より約七十八億円増額して、五百五十億九千七百三十二万三千円といたしております。  自動車検査登録特別会計歳入歳出予算額は十七億八千五百八十万二千円で、前年度に比較して約二億木千五百万円の増加となっております。  なお、以上の経費のうちには、一般会計特別会計を通じ、定員二百五十九名の純増に伴う経費が含まれております。  このほか、昭和四十年度財政投融資計画中には、当省関係分といたしまして約三千三百七十三億円が予定されております。  次に、日本国有鉄道予算について申し上げますと、昭和四十年度の予算の編成にあたりましては、まず、四十年度におけるわが国経済の見通し及び国鉄輸送需要の動向を考慮して収入を見積もり、損益勘定において収入支出予算六千九百三十一億円を計上し、資本勘定において収入支出予算三千五百六十七億円を、工事勘定において収入支出予算三千億円を計上いたしまして、新長期計画実施初年度として大都市通勤輸送改善及び重要幹線輸送力増強並びに保安対策強化等を推進してまいりたいと考えております。  運輸省関係予算部門別重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります「昭和四十年度運輸省予算大綱」及び「昭和四十年度日本国有鉄道予算説明」によりまして御承知を願いたいと存じます。  何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。  なお、お手元に配付してあります予算説明につきましては、主査におかれまして、会議録に掲載していただくよう御配慮をお願いいたします。
  4. 今松治郎

    ○今松主査 それではお手元に配付してあります昭和四十年度運輸省関係予算、同日本国有鉄道関係予算の説明は、便宜これを会議録に掲載することといたしますので、御了承をお願い申し上げます。     —————————————   昭和四十年度運輸省予算の大綱  昭和四十年度の運輸省関係の予算について御説明申し上げます。  はじめに、予算の規模について申し上げます。  まず一般会計について申し上げますと、歳入予算総額は十八億三千五百八十二万九千円、歳出予算総額は、他省所管計上分八十八億九千七百十五万七千円を含み、一千十五億三千四万一千円でありまして、この歳出予算総額を前年度予算額と比較いたしますと、百四十億六千六十五万三千円の増加となっており、約十六パーセントの増加率を示しております。  この増加額の内訳をみますと、行政費では六十一億九千七百七十九万円、公共事業費では七十八億六千二百八十六万三千円の増加となっております。  次に特別会計について申し上げます。  まず木船再保険特別会計歳入歳出予算額は四億二千四百五十二万一千円で、前年度に比較して約七千万円の増加となっております。自動車損害賠償責任保険特別会計につきましては、歳入歳出予算額を前年度予算額の約二倍に当る六百二十八億五千百八十二万九千円といたしております。港湾整備特別会計歳入歳出予算額は、昭和四十年度を初年度とする新港湾整備五ヵ年計画に基づいて港湾の整備を推進するため、前年度より約七十八億円増額して五百五十億九千七百三十二万三千円といたしております。自動車検査登録特別会計歳入歳出予算額は十七億八千五百八十万二千円で、前年度に比較して約二億六千五百万円の増加となっております。なお、以上の経費のうちには一般会計特別会計を通じ、定員二百五十九名の純増に伴う経費が含まれております。  このほか、昭和四十年度財政投融資計画中には、当省関係分といたしまして約三千三百七十三億円が予定されております。  昭和四十年度予算におきましては、当省は、本格的な開放経済体制下にはいり、きびしい国際競争にさらされることとなったわが国の国際収支の均衡を図るとともに、高度成長により生じたひずみを是正して経済の安定成長に寄与するため、貿易外収支の改善と輸出の振興、輸送施設整備増強運輸事業における中小企業の基盤の強化、交通安全対策並びに防災対策の強化、科学技術振興等に重点をおき、次に申し述べる諸施策を積極的に推進する所存であります。  以下部門別重点施策の要旨を御説明申し上げます。  まず海運関係では、第一に、外航船舶の建造に必要な資金として日本開発銀行からの融資五百六十一億円を予定しております。これによりまして昭和三十九年度の百二十万総トンに引き続き四十年度において百五十万総トンの外航船舶を建造し、邦船の積取比率を高めて、近年赤字の増大しつつある貿易外収支の改善に貢献いたしたいと考えております。  第二、外航船舶建造融資にかかる海運企業金利負担を軽減して、わが国海運国際競争力を強化するため、利子補給に必要な経費として、市中金融機関分十一億四千五百八十四万九千円、日本開発銀行分二十三億二千五十一万七千円を計上しております。  なお、二十一次船の利子補給についての国庫債務負担行為限度額として、市中金融機関分三十三億九千八百七十九万五千円、日本開発銀行分百三十一億七千九百七十八万五千円を計上いたしております。  第三に、海運の国際競争力強化対策の一環として外航船腹船質改善を進めることとし、これに必要な資金として日本開発銀行からの融資十億円を予定しております。これによりまして老朽化経済化の著しい船舶の代替建造及び改装を行なう予定であります。  第四に、三国間輸送を促進して外貨の獲得と海運市場の拡大を図るため三国間輸送助成金八億三千四百万円を計上しております。  第五に、移住船の運航の安定と移住者輸送合理化を図るために、必要な経費として、昭和三十九年度における移住船の運航により生じた欠損に対する補助金二億三千八百五十七万三千円と、移住船五隻のうち三隻を貨物船に転用するに伴い、船舶所有者に対して交付する助成金二億二千百三十九万六千円を計上いたしております。また移住船の残る二隻につきましては、移住者席を改装し、一般旅客も誘致することによって採算の向上を図ることとし、このための改装に必要な資金として日本開発銀行からの融資二億円を予定いたしております。  第六に、内航海運の近代化に必要な資金として財政融資五十一億三千六百万円を予定しております。これは三十九年度に引き続き老朽船運炭機帆船沿岸木造タンク船を解撤して専用船の建造を推進するため、これに要する財政資金特定船舶整備公団に対し融資しようとするものであります。  第七に、離島航路の整備に必要な経費として七千三百十四万五千円を計上いたしております。これは離島住民の交通を確保するため、航路の性質上経営の困難な離島航路事業者に対して、その航路を維持させるため補助金を交付しようとするものであります。  第八に、国内旅客船の整備に必要な資金として、特定船舶整備公団に対する財政融資九億円を予定し、老朽旅客船代替建造離島航路における小型船大型化等を推進して海上旅客の安全と利便の増進を図りたいと考えております。  次に船舶関係につきましては、第一に、造船技術の振興に必要な経費として六百五十二万八千円を計上しております。これによりまして、新技術の実船への適用を促進するために必要な海上実験船の建造に関する調査と新たな内航輸送方式の開発に関する調査を行なうこととしております。  第二に、中小型造船業及び造船関連工業対策として七百七十九万一千円を計上しております。これによりまして中小造船業及び造船関連工業等中小企業に対する指導並びに調査を行なおうとするものであります。  次に船員関係につきましては、第一に、船員需給対策の強化と船員教育機関の整備に必要な経費として二千七百六十七万四千円を計上しております。これによりまして、船員の需給計画を策定してこれに基づく必要労働力の確保を図るとともに、海技大学校、海員学校等当省の所管に属する船員の教育施設の整備を行なうことといたしております。  第二に、船員の福祉厚生を増進するため船員厚生施設を整備する者に対して施設費の一部を補助することとし、二千五百万円を計上いたしております。  次に港湾関係について申しあげます。  最近の港湾取扱貨物量の急速な増大、船舶のふくそうによる海難事故の増加、さらに新産業都市の建設をはじめとする地域開発諸施策の進展といった情勢に対処し港湾の整備を緊急に推進する必要がありますため、今回昭和四十年度を初年度とし総事業費五千五百億円に上る新たな五ヵ年計画を策定することといたしました。  このため、計画の初年度たる昭和四十年度におきましては、港湾整備事業費として当省所管一般会計予算に三百二十二億六百三十八万九千円、総理府並び労働省所管予算に七十四億九千五百十万円を計上し、これに対応いたしまして港湾整備特別会計の規模を五百五十億九千七百三十二万三千円といたしております。これによりまして外国貿易港、主要航路並びに新産業都市及び工業整備特別地域の中核となる港湾の整備に重点をおき、横浜港ほか三百三十一港の整備を行なうとともに、石油港湾として堺港ほか二港、鉄鋼港湾として名古屋港ほか四港及び石炭港湾として苫小牧港について特定港湾施設の整備を行なう予定であります。  第二に、港湾の整備に併行して公共の用に供せられる上屋、荷役機械、引船等の港湾機能施設を五ヵ年間に総事業費一千億円をもって整備することといたしました。  このため、四十年度においては、これらの港湾機能施設の整備を行なう港湾管理者に対し地方債の起債のあっ旋百十億円を予定しております。なおこのほかに特定船舶整備公団港湾運送事業者との共有方式によるはしけ、引船、荷役機械の整備のため、同公団に対する融資四億一千二百万円を予定しております。  第三に、港湾管理者の行なう臨海工業用地及び都市再開発用地等の造成を促進するため、地方債の起債のあっ旋四百三十億円を予定しております。  第四に、港湾都市防災事業の推進に必要な経費として、当省所管予算に百二億八千五万六千円、総理府並び労働省所管予算に二億八千九十万円を計上しております。これによりまして東京港、大阪港その他主要港湾都市における高潮、地盤沈下等の災害を防止するため海岸事業を計画的に進めるとともに、災害復旧を強力に推進する所存であります。  次に鉄道関係につきまして申し上げます。  第一に、国鉄につきましては四十年度より新たに総投資額約三兆円に上る新長期設備投資計画を発足させ、大都市通勤輸送の改善、過密ダイヤの緩和及び保安対策の強化を図ることといたしました。このために必要な経費として四十年度は財政融資一千六百億円を予定しております。なお国鉄関係予算につきましては後程別途御説明させていただきたいと思います。  第二に、日本鉄道建設公団による鉄道新線の建設を推進するため、同公団に対し産業投資特別会計からの政府出資十億円を計上し、財政融資として四十億円を予定しております。さらに同公団の発行する鉄道建設債券の金利と資金運用部資金等からの借入金利との差等を勘案して交付する補給金二億円と、同公団の経営の健全化を図るため、公団が無償で貸し付ける鉄道施設に対する貸付料相当額の一部を補助するために必要な経費六千百万円を計上しております。  第三に、大都市における地下高速鉄道網の整備を促進するため、建設所要資金として財政融資及び地方債の起債のあっ旋四百五十億円を予定するとともに、三十九年度における地下鉄道建設費の一部を補助するために必要な経費三億三千八百十三万六千円を計上しております。  第四に、大都市における輸送力増強保安対策の強化を図るため、日本開発銀行からの融資五十五億円を予定しております。これによりまして郊外私鉄の都心乗入れ、踏切道の立体交差化等を促進することとしております。  第五に、中小私鉄の助成に必要な経費として七千八百四十八万一千円を計上しております。これによりまして地方鉄道軌道の新線建設又は欠損に対して補助するとともに、豪雪地帯における防雪設備の整備を促進して地方住民のための交通を確保し、民生の安定に寄与することとしております。  次に自動車関係につきましては、第一に、自動車事故対策の強化に必要な経費として二千百十四万円を計上いたしております。これによりまして自動車重大事故の原因を徹底的に調査し、これに基づき自動車運送事業者に対する指導監督を強化するとともに、自動車損害賠償保障制度の充実を図ることといたしております。  第二に、自動車の激増に対処し、自動車検査登録事務を円滑に処理するため、自動車検査登録特別会計において十七億八千五百八十万二千円を計上いたしまして、検査場十一ヵ所十七コースを整備するほか、検査登録要員を百五名増員して業務体制を強化することといたしました。  第三に、日本自動車ターミナル株式会社(仮称)に対する政府出資五千万円を計上するとともに、同社に対する日本開発銀行からの融資五億円を予定しております。この会社は大都市及びその周辺の地域における大規模な自動車ターミナルを整備して、都市の再開発、道路交通円滑化並びに自動車輸送合理化を図ることを目的としており、四十年度においては、東京郊外総合流通センターにおけるトラックターミナルの建設に着手することにいたしております。  次に航空関係につきましては、第一に、日本航空株式会社に対する助成策として産業投資特別会計からの出資十五億円を計上し、同社の発行する社債五億円について債務保証を行なうこととしております。これによりまして激化する国際競争に備え、日本航空国際航空路線を増強するとともに、同社の資本構成健全化を図ろうとするものであります。さらに国際航空路線の充実のためには、乗員の増強が急務であることにかんがみ、三十九年度に引き続き国際線の乗員訓練費の一部を補助することとして三億五千万円を計上いたしております。  第二に、新東京国際空港の建設のため必要な経費として、大蔵省所管予算に新東京国際空港公団(仮称)に対する出資五億円を計上いたしております。新東京国際空港は昭和四十五年度までに建設することを目途としておりますが、候補地が決まり次第、測量、用地買収又は補償に着手することといたしております。  第三に、国際及び国内空港の整備に必要な経費として、当省所管予算に四十九億六千二百八十万円、総理府所管予算に四億二千百十万円を計上いたしております。これによりまして東京国際空港の第二期整備工事、大阪国際空港の拡張工事を行なうとともに、福井ほか七空港の継続整備南紀空港新規整備、名古屋ほか十八空港の改良工事を行なう予定であります。  第四に、航空の安全強化に必要な経費として四億九千五百十九万五千円、国庫債務負担行為額十五億八千百二十四万四千円を計上しております。これによりまして航空交通管制業務自動化に着手するとともに、航空無線標識施設の整備を行ない、さらに航空保安施設の増加に対処し、これらの施設を検査する航空機一機を増強することといたしております。  第五に、航空大学校における教育の充実をはかるため、教育用航空機を購入するほか、教育用諸施設を整備するため一億三千七百五十万七千円を計上しております。  次に観光関係につきましては、第一に、国際観光振興会に対する助成策として、政府出資一億四千万円、補助金七億百六十五万二千円を計上しております。これにより海外事務所一ヵ所の新設、海外宣伝資料充実等国際観光振興会の業務の拡充強化を行なって国際観光の振興を図るとともに、振興会の事業を効率的かつ強力に実施するための本部事務所を整備することといたしております。  第二に、ユースホステルの整備に必要な経費として五千二百八十六万四千円を計上いたしております。これは内外青少年の交歓による国際親善の促進と健全な国民旅行の発展を図るため、十ヵ所の公営ユースホステルの建設を行なうこととし、その整備費の一部を地方公共団体に対して補助するものであります。  次に海上保安関係について申し上げます。  第一に、海上における安全の確保と治安の維持を図るため、巡視船艇十隻の代替建造、航空機一機の増強を行なうほか千歳に航空基地を新設することとし、十億八千六百五十九万七千円、国庫債務負担行為額三億五千四十四万円を計上しております。  第二に、海上警察力の強化のため必要な経費として九千二百二十九万八千円を計上しております。これは最近における領海侵犯等の悪質な海上犯罪の発生に対処し、レーダー、武器等を整備して国境警備体制を強化するとともに、警備用自動車及び高速機動艇を増強して、警察力の機動性の強化を図るためのものであります。  第三に、航路標識の整備に必要な経費として十四億四百十五万円、国庫債務負担行為額一億四千四百九十七万八千円を計上しております。これによりまして港湾標識沿岸標識電波標識等を新設するとともに、既存の航路標識について改良改修集約管理体制強化等を推進し、その機能の向上を図ることといたしております。  次に気象関係につきましては、第一に、予報、観測及び通信施設整備強化を図るため二億一千百八十四万三千円、国庫債務負担行為額五千二百六十二万三千円を計上しております。これによりまして高性能の電子計算機を導入して予報精度の向上を図るほか、観測測器の近代化及び通信施設の整備を図ることといたしております。  第二に、防災気象業務の整備に必要な経費として三億五千三百七十三万六千円を計上しております。これによりまして松江に気象用レーダーを設置して豪雨雪の実況を適確に把握するほか、河川、地震及び火山の観測施設を整備して、水害、地震火山等による災害を防止する体制を充実強化するとともに、農業気象業務対象地域を拡張して天然現象による農作物の被害を防止軽減することに努めたいと考えております。  第三に、海洋並びに海上気象の観測の充実強化を図るため老朽観測船代替建造を行なうこととし、二億三千五百三十七万一千円、国庫債務負担行為額六億四十八万五千円を計上しております。  最後に科学技術関係について申し上げます。  これ迄に申し述べた諸施策を推進するに当り、これらの基礎として運輸関係科学技術を一層振興する必要があると考えられますので、所轄試験研究機関を整備拡充して研究を推進するとともに、民間の行なう試験研究についてもその助成に努めることといたしました。このため試験研究機関の整備に必要な経費として、当省所管予算に十六億八千六百六十万六千円、総理府所管予算に九千九百七十万四千円、民間の試験研究補助に必要な経費として七千八百万円をそれぞれ計上いたしました。  これにより自然災害及び公害の防止に関する問題の解明に努めるとともに、高経済性船舶原子力船の開発、電子航法技術の開発及び港湾建設技術の近代化等を図る所存であります。  以上をもちまして昭和四十年度の運輸省関係の予算についての御説明を終りますが、何卒充分御審議のうえ、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。     …………………………………   昭和四十年度日本国有鉄道予算説明  昭和四十年度日本国有鉄道予算の概況につきまして御説明申し上げます。  昭和四十年度の予算の編成にあたりましては、まず、四十年度におけるわが国経済の見通し及び国鉄輸送需要の動向を考慮して、収入を見積るとともに、設備投資としては、新長期計画の初年度として大都市通勤輸送の改善及び重要幹線輸送力増強並びに保安対策の強化に重点をおいて支出予算を組んだ次第であります。  以下収入支出予算について、損益、資本及び工事の各勘定別に御説明申し上げます。  まず、損益勘定について申し上げます。収入といたしましては、鉄道旅客輸送人員を六十八億七千九百万人、輸送人キロを一千七百八十六億人キロと想定いたしまして、旅客収入を対前年度十五%増の四千三百九十九億円と見込み、また、鉄道貨物輸送トン数を二億一千八百万トン、輸送トンキロを六百三十一億トンキロと想定いたしまして、貨物収入を対前年度一・四%増の二千二百五十二億円と見込んでおります。以上の旅客及び貨物収入のほかに、雑収入等を見込みまして、収入合計六千九百三十一億円を計上いたしております。  他方、支出といたしましては、経営費のうち人件費につきましては、四十年度の昇給と期末手当、奨励手当四か月分を見込みまして、二千六百三十一億円を計上いたしております。なお、給与の総額は、ほかの勘定の分を加えまして、三千八十六億円といたしております。物件費につきましては、節約に特段の努力を払わせることにいたしておりますが、おもなものといたしまして動力費四百九十一億円、修繕費八百七十四億円等を見込んでおります。これらをあわせまして経営費総額は五千百七十五億円となっております。以上の経営費のほかに、受託工事費四十億円、利子及債務取扱諸費六百四十一億円、減価償却費八百三十億円、資本勘定へ繰入百八十億円、予備費六十五億円を見込みまして、支出合計六千九百三十一億円を計上いたしております。  次に資本勘定について申し上げます。  収入といたしましては、さきほど申し上げました減価償却引当金八百三十億円、損益勘定からの受入百八十億円に、資産充当三十九億円、資金運用部からの借入金等一千六百億円、利用債、縁故債二百三十億円、特別債券六百八十八億円を加えまして、収入合計三千五百六十七億円を計上いたしております。  他方、支出といたしましては、このうち三千億円を工事勘定に繰り入れるほか、借入金等の償還に四百七十八億円、日本鉄道建設公団等への出資に八十九億円を予定いたしております。  最後に工事勘定について申し上げます。  昭和四十年度は、新長期計画に基づいて、大都市通勤輸送の改善及び重要幹線の輸送力の増強並びに保安対策の強化に重点をおき、通勤輸送の混雑緩和、重要幹線の複線化、電化・電車化、ディーゼル化、さらに踏切及び保安施設の改善等を図るために三千億円を計上いたしております。  以下工事勘定の内容について御説明申し上げます。  まず、通勤輸送対策につきましては、東京附近四百一億円、大阪附近八十四億円、電車増備五百五十九両百二十六億円、計六百十一億円を計上し、輸送需要の増大に対処するとともに混雑緩和を図ることにいたしました。  次に幹線輸送力増強につきましては、前年度より四百六十八億円と大幅に増額いたしまして一千六十六億円を計上し、函館本線、東北本線、常磐線、羽越本線、奥羽本線、上信越線、中央本線、北陸本線、鹿児島本線等輸送能力の限界近くまで利用されている諸幹線の輸送力の増強を図り、これらの線区における輸送のあい路をできるだけすみやかに解消することにいたしました。  次に電化・電車化につきましては、工事費七十七億円、車両費八十八億円、計百六十五億円を計上し、現在工事中の東北本線、常磐線、北陸本線、中央本線及び鹿児島本線の電化を促進いたしますとともに、既電化区間の電車化を積極的に行ないまして、列車回数の増加等輸送力の増強を図るとともに、サービスの改善と経営の合理化に資することにいたしました。  次にディーゼル化につきましては、施設費十九億円、車両費百八億円、計百二十七億円を計上し、電化されない区間のディーゼル化を促進することにいたしました。  次に諸施設の取替及び改良につきましては、八百八十四億円を計上し、緊急に整備を要する踏切及び信号保安施設の大幅な改良をはじめとして諸施設の取替及び改良を図るとともに、車両の増備等を行なうことにいたしました。  以上のほかに、総係費百四十七億円を加えまして、支出合計三千億円を計上いたしております。これらに要する財源といたしましては、資本勘定から受け入れます三千億円を充てることにいたしております。  以上御説明申し上げました日本国有鉄道の予算につきましては、予定されました収入をあげ、予定されました工事計画を完遂するために特段の努力が必要であろうと考えられますので、公共企業体として今一層の経営合理化を図り、もってわが国経済の発展に資するよう指導監督してまいる考えであります。  以上、昭和四十年度日本国有鉄道の予算につきまして御説明申し上げましたが、よろしく御審議のほどをお願いいたします。     —————————————
  5. 今松治郎

    ○今松主査 次に、郵政省及日本電信電話公社関係について説明を求めます。徳安郵政大臣。
  6. 徳安實藏

    徳安国務大臣 当省所管各会計の昭和四十年度予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、郵政事業特別会計予算でありますが、この会計の歳入予定額は三千六百二十四億七千七百万円でありまして、前年度の予算額に比べて四百九十六億五千五百万円、すなわち一六%の増加であります。  このうちには、収入印紙、失業保険印紙等のいわゆる通り抜けとなる業務収入が八百九十六億八千百万円含まれておりますので、これを差し引いた郵政事業の実体的予算、すなわち郵政事業運営に必要な経費の財源となる歳入は二千七百二十七億九千六百万円であります。これを前年度の予算額に比べますと三百四十二億四百万円、一四%の増加となっております。  この収入内訳は、郵便、為替、振替の業務収入が一千二百二十六億八千四百万円、他会計等から委託された業務を運営する経費の財源に充てるために受け入れる受託業務収入が一千三百五十三億二千九百万円、収入印紙等売りさばき手数料などの雑収入が四十九億二千九百万円、郵便局舎等の建設財源に充てるための借入金等の資本収入が九十八億五千四百万円となっております。  次に歳出予定額は三千六百八十一億一千五百万円でありまして、さきの歳入予定額に比較し、五十六億三千八百万円の歳出超過となっておりますが、これについては持ち越し資金を充当する予定であります。  また、歳出予定額から業務外支出を除いた実体予算額は二千七百八十四億三千四百万円でありまして、前年度予算額に比べ三百九十八億四千二百万円、すなわち一七%の増加となっております。この増加のおもなものは、業務運営費の三百七十五億二千九百万円、郵便局舎等建設費の十五億四百万円等であります。  次に四十年度予算に盛り込まれております重要施策事項について申し上げます。  業務量の増加等に対応しまして六千七百五十一人の定員増員を行ないますほか、職員の雇用難を緩和し、その定着率を高めるため職員住宅、被服の改善等の諸施策を講ずる所存であります。  また、事業面におきましては、建設予算百十五億七百万円をもって郵便局舎等の改善を行ない、二十三億一千六百万円の経費を作業環境の整備改善に充てるほか、郵便物の処理方式につきましても、引き続き集配運送施設改善を行ない、新たに郵便番号制度を実施し、あるいは郵便作業の機械化を促進するなど、その近代化につとめることといたしております。  窓口機関の設置につきましては、無集配特定郵便局三百局、簡易郵便局五百局を増置いたしまして利用者の利便をはかりますとともに、簡易郵便局手数料を実情に沿うよう引き上げることといたしております。  貯蓄の増強につきましては、新年度における郵便貯金の純増目標額を三千八百億円、簡易保険の新規募集目標を四十三億円、郵便年金十億円とし、その達成につとめることといたしております。  次に郵便貯金特別会計予算について申し上げます。  この会計の歳入予定額は一千六百六十七億一千万円で、前年度予算額一千二百七十五億三千九百万円に比べ、三百九十一億七千百万円の増加であります。この増加は主として郵便貯金の増強に伴います資金運用部への預託利子収入によるものであります。  また、歳出予定額は一千四百六十三億五千三百万円でありまして、前年度に比べ、二百七十二億六千六百万円の増加となっております。この増加のおもなものは、郵便貯金預入者への支払い利子及び業務委託費としての郵政事業特別会計への繰り入れであります。  簡易生命保険及び郵便年金特別会計予算について申し上げますと、との会計におきます歳入予定額は三千百八十六億三千三百万円で、前年度に比べ四百五十億四百万円の増加であります。歳出予定額は二千三百三十一億三千七百万円で、前年度に比べ九十五億七千三百万円の減少となっております。この減少は満期契約の減少に伴い、保険金、分配金の支払いが減少することによるものであります。  なお、四十年度の財政投融資原資のうち簡保年金資金は一千百億円を予定いたしております。  次に一般会計予算について申し上げますと、当省所管一般会計の歳出予定額は三十七億三百万円で、前年度予算額に比べ一億四百万円の増加となっております。  この予算の中には、当省の重要施策としております宇宙空間の開発研究に必要な電波施設整備費八千万円、電波標準施設整備強化に必要な経費七千五百万円、電波監視体制整備強化と受信障害防止対策の推進に要する経費三千五百万円が含まれております。  次に日本電信電話公社の予算案について申し上げます。  この予算損益勘定におきましては、収入四千八百十四億円を見込み、前年度に比べ六百五十八億円の増加となっております。また、支出は四千三百八十二億円でありまして、施設及び要員の増加等により、前年度に比べ七百三十一億円の増加となっております。以上の結果、収支差額は四百三十二億円となり、前年度に比べ七十三億円の減少となっておりますが、この収支差額は建設財源、債務償還等に充てられることになっております。  建設勘定におきましては、総額三千三百六十九億円で、前年度に比べ五百六十億円の増加となっております。その財源は、内部資金一千七百五十億円、外部資金一千六百十九億円を予定しております。外部資金の調達は加入者債券、設備料一千二百三十一億円、財政投融資等三百八十八億円を予定しております。  この支出の内訳は、一般工事計画として三千三百七億円、農山漁村電話普及計画として六十二億円となっております。  以上をもちまして私の説明を終わりますが、なお詳細な点につきましては、御質問をいただきまして、お答え申し上げたいと存じます。  何とぞすみやかに御審議くださいますようお願い申し上げます。     —————————————
  7. 今松治郎

    ○今松主査 建設省関係予算について説明を求めます。小山建設大臣。
  8. 小山長規

    ○小山国務大臣 建設省関係の昭和四十年度歳入歳出予算につきまして、その概要を御説明いたします。  まず、総額について申しますと、建設省所管一般会計歳入歳出予算といたしましては、歳入は二十二億三千二百余万円、歳出は四千五百四十二億八百余万円であります。歳出におきましては、このほかに、総理府及び労働省の所管予算として計上されますが、実質上建設省所管事業として実施される予定経費等がありますので、これらを合わせますと、昭和四十年度の建設省関係予算は、五千二百五十四億七千二百余万円となり、前年度の当初予算に比べ六百九十一億七千百余万円、また、前年度の補正後の予算に比べ六百二億二千六百余万円の増加となっております。なお、このほかに国庫債務負担行為として官庁営繕に三十億八千百余万円、国立国際会館建設に一億七千七百万円を予定いたしております。  次に、特別会計予算の概略を御説明いたします。  道路整備特別会計昭和四十年度の予算総額は、歳入歳出とも三千四百八十三億七千九百余万円で、前年度の当初予算に比べ四百四十億五百余万円の増でありまして、うち一般会計より受け入れとして三千百三十八億九千七百万円、地方公共団体工事費負担金収入として二百六十九億二千三百万円、前年度剰余金受け入れとして六億円を予定いたしております。  なお、このほかに国庫債務負担行為として直轄道路改築事業に百七十五億円、葛飾跨道橋架設付帯工事に四億八千七百万円、街路事業費補助に三十三億六千万円、首都圏街路事業費補助に二十億円を予定いたしております。  次に、治水特別会計でありますが、本特別会計昭和四十年度の予算総額は、歳入歳出とも一千百四十七億六千九百余万円で、前年度の当初予算に比べ百二十九億五千五百余万円の増となっております。  これを勘定別にいたしますと、まず、治水勘定につきましては、総額九百八十四億二千六百余万円で、前年度の当初予算に比べ百四十五億六千四百余万円の増でありまして、うち一般会計より受け入れとして八百九億四千六百余万円、地方公共団体工事費負担金収入として百十七億七千八百余万円、前年度剰余金の受け入れとして一億九千九百余万円を予定いたしております。  また、特定多目的ダム建設工事勘定につきましては総額百六十三億四千二百余万円で、前年度の当初予算に比べ十六億八百余万円の減でありまして、うち一般会計より受け入れとして百五億四千百余万円、地方公共団体工事費負担金収入として十九億三百余万円、電気事業者等工事費負担金収入として二十億余万円、前年度剰余金の受け入れとして三億二千八百万円を予定いたしております。  なお、このほかに国庫債務負担行為として直轄河川改修事業に十八億六千八百万円、多目的ダム建設事業に四十四億円を予定いたしております。  次に、個々の事業予算重点について御説明いたします。  第一に住宅及び宅地対策について申し上げます。  政府といたしましては、国民生活の安定向上と社会福祉の充実をはかるため、現下の住宅事情を改善して昭和四十五年度までに、すべての世帯が安定した住生活を営むことができる一世帯一住宅を実現することを目標として、住宅対策を強力に推進してまいる所存であります。このため、昭和三十九年度以降七ヵ年間に政府施策による住宅三百万戸以上を供給することとし、また、昭和三十九年度から四十一年度までの三ヵ年に公営住宅二十万戸を建設する第五期公営住宅建設三ヵ年計画の決定を見ている次第であります。  これらに基づきまして、昭和四十年度においては、政府施策住宅約三十四万戸の建設計画しております。これは、戸数において、前年度より約二万戸の増加でありますが、このほか、特に昭和四十年度におきましては、住宅の質の向上をはかるため不燃堅牢構造の住宅の増加等を行ない、また、建設単価の是正をはかることといたしております。  次に、最近における宅地の入手難及び地価の高騰に対処するため、宅地供給の大幅な増加をはかることとし、このため日本住宅公団における宅地開発事業及び住宅金融公庫における宅地の取得、造成に対する融資についてその資金量の増大をはかるとともに、地方公共団体及び土地区画整理組合が実施する土地区画整理事業方式による宅地造成につきましても資金の融通をはかり、これを推進してまいる考えであります。  政府施策住宅に対する予算措置としては、公営住宅に対しましては、一般会計予算において三百二十七億八千三百余万円を予定し、第一種住宅二万六千戸、第二種住宅三万九千戸、計六万五千戸と、過年発生災害によるもの五百五十五戸の建設に対し、補助することとしております。  住宅地区改良事業に対しましては、一般会計予算において三十一億一千九百九十余万円を予定し、劣悪な居住環境を改善するとともに、市街地の合理的利用をはかるため、不良住宅の除却、一時収容施設の設置及び改良住宅四千五百戸の建設に対し、補助することとしております。  次に、住宅金融公庫につきましては、産業投資特別会計からの出資金四十億円のほか、借り入れ金等を合わせて一千四十四億二千九百万円の資金のほか、新たに貸し付け金利と資金運用部資金等借り入れ金利との金利差につき二億四千七百万円の補給を行なうこととして、これにより十三万七千戸の住宅の建設、五百万坪の宅地の取得、三百六十万坪の宅地の造成等に要する資金の貸し付けを行なうこととしており、特に分譲住宅戸数を八千戸増の二万五千戸と大幅に増加し、融資率も五%増の八〇%としております。さらに中堅勤労者に対する持ち家の供給を強力に推進していくために、都道府県及び大都市に新たに住宅供給公社を設立して、計画的な資金の積み立てを行なうようにすることとしております。また、公共住宅用の足貸しの融資率を引き上げ、新たに、土地を所有する者が建設する中高層住宅についての高率貸し付け、住宅改良資金の貸し付け及び大規模宅地開発に伴なう学校施設建設資金の貸し付けを行なうことといたしております。  なお、宅地債券については、昭和四十年度におきましては二十五億円を発行することとしております。  次に、日本住宅公団につきましては、借り入れ金等一千百二十七億四千八百万円の資金のほか、新たに賃貸住宅建設事業の算定金利と資金運用部資金等借り入れ金利との金利差につき三億三百万円の補給を行なうこととしており、これにより賃貸住宅二万六千戸、分譲住宅一万四千戸計四五戸及び市街地施設建設を行なうとともに、宅地については、継続一千七百二十五万坪、新規四百五十万坪の住宅用地及び継続四百九十万坪、新規百万坪の工業用地の開発事業を行なうほか、研究学園都市建設用地を取得するため、五十八億円を限度として債務負担を行ない得ることといたしております。  また、宅地債券三十八億円を発行することとしているほか、前年度から設けられた住宅債券については、昭和四十年度におきましては九億円を発行することといたしております。  以上のほか、都市における火災その他の災害を防止し、あわせて土地の合理的利用の促進及び環境の整備をはかるため、防災街区造成に対する補助金として、一般会計予算において三億円を予定いたしております。  第二に、道路整備事業について御説明いたします。  道路整備事業につきましては、道路交通需要の増大に即応するとともに、国土の総合的な開発と利用をはかるため、新道路整備五ヵ年計画の第二年度として、東名高速道路、中央高速道路をはじめとする高速自動車国道等の建設の促進、一般国道及び地方道の整備、特に一般国道の管理体制強化と奥地等産業開発道路の整備、首都高速道路、阪神高速道路及び幹線街路の建設都市内の主要な交差点の立体化、雪寒道路事業の拡大並びに交通安全施設整備等に重点を置いて、積極的に事業の推進をはかることといたしております。  なお、国道については、道路法の改正により従来の一級国道、二級国道の区別が廃止され、一般国道として取り扱うこととなりましたが、昭和四十年度から元二級国道の一部についても直轄で改築及び維持修繕を行なうことといたしております。  昭和四十年度における一般道路事業予算のおもなものとしては、一般国道に一千九百七十六億五千余万円、主要地方道に四百六十四億五千六百余万円、一般地方道に四百五十八億四千三百余万円、市町村道に二百四十一億二千三百余万円を予定し、これにより約三千キロメートルの改良工事と約四千九百キロメートルの舗装工事を実施することといたしております。  次に、国道の直轄管理体制強化するため、昭和四十年度においては、総計約一万一千キロメートルの区間について直轄で維持管理を行なう予定であります。  また、奥地等産業開発道路として十六億円を計上し、その整備を飛躍的に促進することといたしております。  なお、高速自動車国道等の調査費として二億四千万円を計上し、これにより自動車道の調査の促進をはかるとともに、本州四国連絡架橋調査費として六億四千五百万円を計上して、おおむねの結論を得ることといたしております。  さらに、積雪寒冷特別地域における道路交通を確保するため、これに必要な道路事業費及び機械費として六十六億一千八百余万円を計上したほか、交通安全対策事業として特に防護さくの設置を促進することといたしております。  また、街路事業予算につきましては、前述の道路関係予算に六百九十六億一千八百万円が含まれておりますが、これによりまして、道路改良、橋梁整備及び舗装新設の街路事業を実施して、都市交通円滑化をはかるほか、人家の密集した地区で、幹線街路の整備とともに市街地の合理的利用をも必要とする地区において、都市改造土地区画整理事業と市街地改造事業を実施することといたしております。  次に、有料道路について御説明いたします。  まず、日本道路公団につきましては、道路整備特別会計からの出資金百二十億円のほか、借入金等をあわせて一千二百二十九億五千六百万円の資金をもって事業を行なうこととしており、高速自動車国道については、東名高速道路及び中央高速道路東京−富士吉田間の建設の促進をはかるとともに、新たに国土開発縦貫自動車道については、予定路線が決定している東北、中国、九州、北陸及び中央自動車道富士吉田−小牧間の五路線の自動車道のうち、緊急を要する区間の建設に着手する予定であります。また、一般有料道路については、第三京浜道路等六路線を完成するとともに、大阪天理道路、北九州道路等の工事を進め、明石バイパス等の新規の事業にも着手する予定であります。  次に、首都高速道路公団につきましては、道路整備特別会計から出資金十五億円、地方公共団体からの出資金十五億円のほか、借入金等をあわせて四百四十億五千四百万円の資金により事業を行なうこととしており、すでに実施している七路線の建設をさらに促進し、このうち、二号線環状部分、二号分岐線及び三号線を完成する予定であります。  次に、阪神高速道路公団につきましては、道路整備特別会計からの出資金十億円、地方公共団体からの出資金十億円のほか、借入金等をあわせて二百三十二億八千三百万円の資金により事業を実施することとしており、前年度に引き続き大阪一号線及び神戸一号線の建設を促進し、このうち、大阪一号線の梅田−上大和橋間を完成するほか、新規に大阪二号線の一部の建設に着手する予定であります。  第三に、治水事業について御説明いたします。  政府におきましては、国土の保全と民生の安定を期する見地から、治水事業の格段の促進につとめてきたところでありますが、近年の災害の発生の状況及び河川流域の開発の進展並びに水資源開発の急務にかんがみ、現行の治水事業十ヵ年計画の後期五ヵ年計画を廃止し、新たに、昭和四十年度を初年度とする総投資規模一兆一千億円の新治水事業五ヵ年計画を策定し、治水事業の一そうの推進をはかることといたしております。  昭和四十年度の事業につきましては、新河川法が本年四月一日から施行されることに伴い、一級水系として利根川外十四水系を指定する予定のもとに、新治水事業五ヵ年計画初年度として、河川、多目的ダム、砂防及び水資源開発の各事業について、緊急施行を要する事業の促進をはかることといたしております。  昭和四十年度の治水事業関係予算のおもなものとしては、治水特別会計において河川事業に六百十五億六千三百余万円、多目的ダム建設事業に二百一億七千三百余万円、砂防事業に二百五億八千三百万円、水資源開発公団交付金に五十二億五千余万円、一般会計において、海岸事業に三十六億二千四百余万円、チリ地震津波災害地域津波対策事業に二億九千万円を予定いたしております。  次に、そのおもな内容について申し上げます。  まず、河川事業につきましては、経済効果の大きい重要な河川、放水路工事、東京湾、大阪湾等重要地域における高潮対策、大規模な引堤工事、捷水路工事及び低地地域における内水排除施設整備並びに地域開発、水害の発生状況等から緊急に改修を要する河川等に重点をおいて事業の促進をはかる方針であります。  すなわち、直轄河川については、一級水系十五水系二十五河川、二級水系七十五河川及び北海道特殊河川として十六河川の改修事業を継続して施行し、さらに、新規に野洲川外一河川の改修に着手する予定であります。  補助事業について、中小河川改修事業として継続施行中の四百二十河川のほか、緊急に改修を要する三十河川を新規に採択するとともに、小規模河川改修事業として継続施行中の三百六十三河川のほか、新規に七十三河川の着工を予定いたしております。  高潮対策事業については、東京地区は緊急三ヵ年計画に基づき事業を進め、大阪地区は前年度をもって完了した緊急三ヵ年計画事業に引き続き大阪、兵庫地区の事業を実施する予定であります。  次に、多目的ダム建設事業につきましては、治水効果及び諸用水需要の増大を考慮して事業の促進をはかることといたしております。  すなわち、直轄事業では十ダムを継続して施行するほか、新規に矢作川矢作ダム外三ダムを施行することとし、また、実施計画調査としては二ダムの調査を継続するほか、新規に石狩川の豊平峡ダム及び大雪ダムの調査に着手することといたしております。  補助事業としては、二十二のダムを継続して施行するほか、新規に雲出川君ヶ野ダム等二ダムに着手することとし、また、実施計画調査としては五つのダムの調査を継続するほか、新規に増田川樽水ダム等六ダムの調査を実施する予定であります。  また、水資源開発公団において行なう利根川及び淀川の水資源開発事業については、継続施行中の利根川矢木沢ダム等四ダムのほか、新規に利根川河口堰等三ダムの建設事業に着手することとし、これらのダムの建設費の治水負担分として交付金を交付し、その促進をはかることといたしております。  次に、砂防事業につきましては、直轄砂防事業として継続施行中の二十六河川及び直轄地すべり対策事業として継続施行中の四河川について事業を実施することといたしております。  補助事業としては、近年災害発生の著しい河川及び土砂による被害の著しい河川に重点を置いて施行するとともに、都市周辺及び重要地域における予防砂防を実施することといたしております。  次に、海岸事業につきましては、近年頻発する海岸災害の被害状況にかんがみ、重要な地域における海岸保全施設整備重点を置き、直轄事業として継続施行中の十海岸の事業の促進をはかる予定であります。  補助事業についても、同様の方針のもとに、高潮対策事業、侵食対策事業として継続施行中の百七海岸のほか、新規に四十二海岸を予定いたしております。  第四に、災害復旧対策関係予算について御説明いたします。  災害復旧対策関係予算の総額は、一般会計よりの歳出として四百四十五億九千余万円でありまして、その内訳は、災害復旧事業費三百九十五億七千八百余万円、災害関連事業費四十七億五千七百余万円、鉱害復旧事業費二億五千四百余万円であります。  そのおもな内容を申し上げますと、まず、災害復旧事業費につきましては、直轄災害は内地二ヵ年、北海道三ヵ年復旧の方針に基づき、三十八年災は完了し、三十九年災は内地分は完了し、北海道分は八〇%の進捗をはかることといたしております。  補助災害については、緊要事業は三ヵ年、全体として四ヵ年で復旧する方針のもとに事業の進捗をはかることといたしております。  また、災害関連事業につきましては、災害復旧事業とあわせて適切な実施をはかり、再度の災害を防止するため効果をあげることといたしております。  第五に、都市計画事業について御説明いたします。  昭和四十年度における都市計画事業関係予算は八百四十三億五千八百万円であります。  このうち、街路関係事業予算額は、首都高速道路公団及び阪神高速道路公団に対する出資金を含め、七百二十一億一千八百万円でありまして、これにつきましては、すでに申し述べました道路整備特別会計に計上されております。  次に、一般会計に計上されております都市計画事業予算額は百二十二億四千万円でありまして、これにより下水道及び公園の整備をはかることといたしております。下水道関係の予算額は、百十六億九千万円で、前年度の当初予算に比べ二十八億七千万円の増でありますが、事業の緊要性にかんがみ、下水道整備五ヵ年計画に基づき事業を促進し、都市施設中最もおくれている下水道の整備につとめる所存であります。また、公園関係の予算額五億五千万円で、前年度の当初予算に比べ七千二百万円の増であり、これによりまして国営公園、都市公園及び墓園の整備をはかることといたしておりますが、特に児童公園の整備につきましては意を用いる考えであります。  第六に、官庁営繕について御説明いたします。  建設省で実施いたします国費支弁の営繕のうち、建設省所管予算として計上されておりますのは百四億二百余万円でありまして、前年度予算に比べ二十一億二千四百余万円の増となっております。  これによりまして中央・地方及び港湾合同庁舎の建設、その他一般官署の建てかえ、国立国際会館の完成等をはかることといたしております。  以上が昭和四十年度の予算の概要でありますが、なお、組織関係のおもなものといたしましては、本省においては、宅地行政の総合的かつ効率的な推進をはかるため計画局に宅地部を置き、その下に宅地政策課を設け、宅地開発課を住宅局から移しかえる等所要の措置を講じるとともに、付属機関においては、建設研修所を改組して建設大学校を設置し、地方建設局においては、本省からの事務の大幅な委譲に伴い各地方建設局に計画部を、また、直轄事業の増大に伴い中部地方建設局に用地部を新設する等、所要の整備を行なうことといたしております。  定員につきましては、当省関係のアタッシェが外務省定員に計上されることとなったための振りかえ減一人のほか、すべて既定定員内の振りかえにより所要の整備を行なうこととし、全体としては昭和四十年度における建設省の定員は三万五千七百十九人となります。  以上をもちまして、昭和四十年度の建設省関係の一般会計予算及び特別会計予算説明を終わります。  よろしく御審議のほどをお願いいたします。(拍手)
  9. 今松治郎

    ○今松主査 以上をもちまして全所管につきましての説明は終了いたしました。  午後は一時より再開いたしまして、建設省所管につき質疑を行なうことといたします。  暫時休憩をいたします。    午前十一時六分休憩      ————◇—————    午後一時六分開議
  10. 今松治郎

    ○今松主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  昭和四十年度一般会計予算及び昭和四十年度特別会計予算中、建設省所管を議題として質疑を行ないます。  質疑に先立ちまして念のため申し上げたいと思いますが、議事進行の円滑をはかるために、質疑をされまする方はあらかじめ政府委員等を指定をされまして、主査に質疑の通告をしていただきたいと存じます。また、質疑者が多数おられますので、持ち時間を、慣例によりまして一応本務員は一時間程度、兼務員もしくは交代して分科員となられた方々は三十分程度にしていただきたいと存じます。  なお、開会時間につきましては、特に質疑応答を十分にやっていただきますために、時間を厳守してくださるようお願い申し上げます。  それでは質疑の通告がありますから、順次これを許します。中井徳次郎君。
  11. 中井徳次郎

    ○中井分科員 時間の点、なるべく簡単に早う済ませますが、ちょっと見当がつきかねるのですけれども、大体一時間で済むと思いますが、その辺のところもあらかじめ御容赦を願っておきたいと思います。  建設省関係の予算、個人としては久しぶりにお尋ねをするわけであります。私はおもに道路予算につきまして小山さんにお尋ねをいたしまして、それに関連をいたしまして、必要がありましたら自治省関係の政府委員の諸君、大蔵省はお見えでありませんか。——お見えでなければ、それはまた日をあらためましてお尋ねをいたしてみたい、かように考える次第であります。  まず第一にお尋ねをいたしますが、道路予算につきましては、ここ十年ばかり道路のことが日本全体として非常にやかましく取り上げられまして、日本においては道路の敷地はあるけれども道路らしい道路はないのだという、十年ほど前のみんなの批判等を受けて、政府も精一ぱいやっておられるというふうな印象を受けながら、この予算を調べてみたわけでございますが、ことしは予算の総計におきまして三千百七十億でございますか、これくらいの財源を計上した、こういうことになっておりまするが、その財源の内訳といいますか、そういったものにつきましては大体どんなふうになっておりますか、お尋ねをいたします。
  12. 小山長規

    ○小山国務大臣 お答えいたします。道路財源の内容を申し上げますと、揮発油税の収入が二千六百四十一億一千二百万、交付公債の元金収入の加算額が五億一千百万、石油ガス税の収入が三億九千四百万、前年度の剰余金が六億、一般財源が五百二十億、それに直轄事業の地方負担金が二百六十九億二千三百万、合計して三千四百四十五億四千万に相なります。
  13. 中井徳次郎

    ○中井分科員 ちょっと私のこの予算説明書と金額が違っております。もう一度お尋ねいたしますが、一般財源は幾らでございますか。
  14. 小山長規

    ○小山国務大臣 一般財源の合計は五百二十億円です。
  15. 中井徳次郎

    ○中井分科員 この一般財源が、ここ十年ばかり、どういうふうな経過をたどっておりますか。十年前からの資料がありましたら、概算でけっこうですが、いま、ちょっと説明をしてもらいたいと思います。
  16. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 ちょっと手元に最近十年間の一般財源の統計を持ってまいっておりませんので、三ヵ年くらいでよろしゅうございますか。
  17. 中井徳次郎

    ○中井分科員 私が十年ばかりと申し上げたことには意味がありますので、三ヵ年では困ります。それでは明日までにひとつ資料を出していただきたいと思います。よろしゅうございますか。
  18. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 直ちに用意いたします。
  19. 中井徳次郎

    ○中井分科員 先ほど大臣の御答弁では、ことしの道路に関する一般財源は五百二十億といいますが、いまから十年ほど前の道路に関する一般財源はどれくらいのものであろうか。私も実は正確なことは知らない。正確なことを知らないからいま資料のお願いをしたのでありますけれども、いまから十年ほど前といいますると、ちょうどガソリン税を目的税にするかどうかでずいぶんもめたことを私は記憶をいたしておるのであります。当時大蔵省の国税局長は渡邊喜久造君でございましたが、大蔵省あげてこれに反対をされました。日本の税体系の中で目的税なんというものはないというので最後まで反対をされましたけれども、自民党ではいまの大蔵大臣の田中角榮君、社会党では私どもがみんな共同いたしまして、日本の道路をよくするためにというので目的税にした記憶があるのでございます。その当時の一般財源の額が今日の五百二十億とあまり変わらないような数字じゃなかったと私は思います。その点が非常に問題なのでありまして、幾ら目的税をつくったからといって、日本の道路の悪いことは、これはもう天下周知というよりか、地球上の各国はだれでも知っておるというような有名な事実であります。これを何とかしなければならぬというので、いわゆる朝野をあげて協力、野党も協力をして大きくしろといっておるのですが、これは調べてみますと、ガソリン税は自動車の数がふえていくからどんどん自然増収です。ところが政府は何も努力しておらぬ。そういうふうな感じを私は持つものですから、お尋ねしたのです。十年前には一兆円予算だったと思う。池田氏が大蔵大臣であります。その当時の道路予算はたしか国家予算の四%、大体四百億。その当時はほかに財源がないのでありますから、一般財源だった。いま三兆何千億、四兆になんなんとして、一般財源も何倍にもなっておって、道路に対する予算が五百二十億。どうも私はその辺のところでひとつ大きな穴があるのじゃないかと思います。道路については、ガソリン税をとらなければ十年前と同じ財源しか与えてないということになりはせぬか、こう思いますので、念のためにお尋ねをしたのでありまして、お調べをいただいて、その当時道路に対する財源は百億とか百五十億とか二百億ということなら私はおじぎをいたしますが、どうもそうじゃなさそうですよ。でございますから、こういう安易なことでやっておるのでは、いつまでたっても道路というものはよくならぬ。イギリスでは九八%舗装されているというのだが、どうもこれはあんまりひどいと思いますので、まず冒頭にそれをひとつ申し上げたわけでありますが、大臣、いかがでございますか。私の見通しがあるいは間違っておるかもしれません。調べてみたら百八十億であったというのかもしれませんけれども、どうも五百二十億の一般財源というようなことでは、三兆円以上あろうかというその中に、もちろんガソリン税も入っておりますけれども、非常に少ないのですね、とにかく道路の何が、一%で三百億ですから二%以内。その目的税がなかったら、道路は予算の二%、こんなのはだめですよ、そう思いますので申し上げたわけですが、これは大臣の所感を伺っておきたいと思います。
  20. 小山長規

    ○小山国務大臣 私もたしか中井さんの御記憶のとおりではないかと思います。ただガソリン税を目的財源にしました年の一般財源はごくわずかであったと思います。それがこの辺まできたわけでありますが、国家財政からいいますと、ガソリン税と一般財源を加えた数字が国家予算のほぼ八%くらいまでなっておりますか、そのようになっておると思います。むろん、これは道路をよくしたいというお互いの要望からいえば、まことに少ない金額でありますが、しかし、御承知のように四兆一千億円予算、四兆一千億円という計画も、この間の中期経済計画によれば、公共投資は十七兆八千億円でなければならぬというようなことをいわれておる現在、中期経済計画のちょうど一ぱい一ぱいのところで道路予算も組んで、道路の計画も組んでおるわけでありますが、それの一環として四十年度の予算を組んだ、こういうふうに御理解願いたいと思います。
  21. 中井徳次郎

    ○中井分科員 私は時間がありませんから、ことばを省きまするけれども、もし目的税だけで道路の予算を組むというなら、これは別に国家の行政を必要としないで、そういう公団でもつくって、全部それが収入、支出というのでやったらいいのでありまするが、道路なんというものはそんなものじゃありません。私は、もっともっと一般財源から当然、五百億ではとっても足りないので、少なくともいまの段階においては千億以上のものは回してもらわなければいかぬ、筋が通らぬじゃないか、そういうふうに考える次第でありまするので、申し上げておるのであります。  次に、そういうものに沿うたことでありまするが、具体的にいわゆる高速道路に関連をいたしまして、少し日本の道路の夢でありますか、大いに実現性のある希望と申しまするか、そういうことについていろいろなことがいわれておりまするから、それに関連をいたしましてお尋ねをいたしたいと思うのであります。  東名道路というのは、これは一体いつごろでき上がるのか、中央道路というのがいつごろ、どこまでできるのか、これが第一であります。  それから、それに関連をいたしまして、この間建設大臣がなかなか思い切ったことを言うて、けっこうだなと思って私は新聞を拝見しておったのだが、そういう将来の高速道路の建設について、大都市の内部におきましては、用地買収が済んだらもう事は八割できたものだということさえいわれておる今日、少し先を見越して用地を確保しておくというふうな構想をお出しになったのでありまするが、この問題についてどういうふうな構想で現に進んでおられるのかどうか、あるいはその場合に予算との関連において、これまでとかく政府が計画をされます予算については、確実なものでないといけないとかなんとかいうふうなことから、とかく見込み買いなんということについては、政府の過去の予算においては、計上するということについては非常な抵抗があったように私どもは伺っておるのでありまするが、その辺の事情を伺っておきたいと思う次第であります。
  22. 小山長規

    ○小山国務大臣 中央高速道路は、昭和四十二年に完成の予定で、ただいま用地の買収あるいはトンネル工事の、あるいは橋梁の契約などをいまいたしておるわけであります。東名道路は四十三年完成の予定で、ただいま同じような方法でやっております。  なお、少し申し上げてみますと、中央道路のほうは、いま用地の取得状況は、全線の予定に対しまして三二%、三分の一であります。本年度中にはこれは六〇%までいく予定であります。そのほかに小仏トンネルと多摩川の橋梁の下部工事と都留工区をいましております。それから東名のほうが先ほど申しましたように、四十三年の完成の予定で、現在のところは用地の取得状況は一四%でありますが、本年度中には二〇%くらいまでいく予定であります。現在工事は長大橋を五つばかりと、それから国鉄の新幹線との交差、構造物などをいまやっている最中でありますが、四十三年度にはでき上がる見込みであります。  それから一般的な用地の取得状況について申し上げますと、乏しい予算ではありますが、先買いをぜひやりたいというので、昭和三十九年度では用地費として二百億二千五百万のうちで、翌年度以降に使いますもの八十九億九千万買っております。大体用地費の中で四五%を使ったのでありますが、四十年度では百四十三億六千万円、用地費のうちで七十四億七千万、五二%は先買いといいますか、四十年度以降のものを買おうということでいまやっておるわけであります。  それから縦貫道路につきましては、御承知のように四十年度の二十億の予算をいまお願いしておるわけでありますが、これは全部最初準備費と用地費に充てたい、こう考えておりまするし、来年度以降いわゆる計画予算の中で残っております部分も用地費の取得に充てたい、こういう考え方で進めておるわけであります。
  23. 中井徳次郎

    ○中井分科員 その先買いなさる用地といいますると、どういう路線でございますか。
  24. 小山長規

    ○小山国務大臣 直轄道路でございます。先ほど申し上げましたのは、一級国道の直轄部分のことを申し上げたわけであります。そのほかに地方道につきましても、地方との間の話し合いによりまして、一定の条件のもとに地方の二級国道あるいは府県道に対しましても府県との話し合いで用地の先買いを認めております。
  25. 中井徳次郎

    ○中井分科員 私、お尋ねいたしておりまするのは具体的なことでありまして、あるいは中国縦貫道路とか九州縦貫道路とか東北道路とか、そういうところで用地買収へもう手がけておるか、こういうことをお尋ねしたのです。けちな、各部分的なことじゃないのです。
  26. 小山長規

    ○小山国務大臣 いや、先ほど申し上げました先買いのことは、一級国道のすでにきまったやつです。それから、あとで申し上げました二十億のほうは、これはまだ予算も通っておりませんし、まだどこからどこを買うかということは、予算が通ってからでございます。
  27. 中井徳次郎

    ○中井分科員 予算が通ってからとはおっしゃるが、しかし御計画はあるのでございましょう。それはどういうことでございますか。私は、小山さんがいつか新聞に発表されたことを非常にいいと思いまするのでお尋ねするので、もっと積極的に大いに東北から北海道のほうまで、あるいは九州の先まで、いまのうちに手を打っておかれると非常に安く買われて、地元の人たちも大いに希望を持たれるであろう、ひょっとしたら、場合によりましては、ただでみな出すかもしれませんよ。そういうことを申しておるのですが、いかがですか。
  28. 小山長規

    ○小山国務大臣 いまお話しの焦点は、縦貫道路の用地のことのようでありますが、これはこういうふうに考えております。御承知と思いますが、高速縦貫道路は五ヵ年間で一兆一千億を使う予定であります。そのうち東名道路やあるいは名四道路とか中央道、そのほか高速道路等ですでに予定しておりますものを一兆一千億の中から引いてみますと、大よそ七百八十億くらいというのが高速縦貫道路に使用し得る金額であろうというふうに推定されるのであります。これをいま法律上予定しております五本の路線に割りますと、一本当たりがせいぜい百七十億くらいにしかなりません。その百七十億という金は、道路の築造に充てますと、せいぜい二十キロか二十五キロぐらいしかできないだろう。それでは効用価値もありませんから、一本当たり百七、八十億という金は、用地の買収に充てたら、おそらく二百キロ以上の土地を買えるだろう、こういうことで、一本当たり二百キロぐらいのものは買えるはずだというふうに考えてきたわけであります。それじゃ、それは具体的にどうするのかといいますと、たとえば九州なら九州で二百キロ買うか、中国で二百キロ買うか、あるいは東北で二百キロ買うのかというところまではまだきまっておりませんのは、なぜかというと、いろいろな手続上の問題がありますから、その手続を経る段階でいろいろ考えていかなければならぬ、こう思っておるわけであります。
  29. 中井徳次郎

    ○中井分科員 縦貫道路の問題や全国の道路網の問題で、くどくどお尋ねいたしまするのは、政府は何か新産都市だとか、過密都市の分散だとか、上水道、下水道とか、いろいろなことを、ぽんぽこぽんぽこ施策をたくさん御発表になるけれども、私は一番肝心なことは、こんな狭い国でございますから、道路じゃないかと思うのであります。しかも、明治の初期のわれわれの先輩たちは、その当時、いまの道路にかわる鉄道を、わずか三年で東海道線を建設いたしておる。明治の終わりころにはもう一わずかあの間四十年であります。鉄道がかかったのは十年ごろから、五年に新橋からちょっと行ったというのですから、わずか三十年くらいの間に、あれだけのものを完成いたしておる。道路は、われわれがやかましく言いましてから、もう十五年になる。半分です。いまだに、道路らしい道路というものは名神国道しかない。まことに私はふがいないと思うのであります。政府のお考えは、あっちもやらなければならぬ、こっちもやらなければならぬ、みんなにごきげんをとっておるから、何もできない。道路でもAの県に十キロやれば、Bの県にも十キロやれば、Cの県にも十五キロ、Dも三キロくらい、何ぼ小さくてもやらなければならぬということで、つぎはぎだらけの道ばかりつくって、効果はそれが全部つながらないとあがらない、そういうようなことをいつまでやってもしようがないじゃないか。ですから、やはり一番最初からいわれておることでありますから、これを思い切ってやっていったらどうか。交通関係とか、そういうものもほとんど解決がつく。そうして道路公団などに何かやらしていますけれども、これもけっこうですが、有料道路の金の取り方なんかも、ずいぶんずさんでないかと私は思う。毎日国会へ来るのですが、新宿から国会まで百五十円なんて、実際、貧乏の社会党議員はかないませんよ。羽田まで行ったって百五十円、これはずさんで、心おごってなまいきな公団の諸君のものの考え方だと私は思うのです。何もあなた、うどん屋のむすこだって、そば屋のむすこだって、このごろはみんな車に乗るのです。車に乗るのは金持ちばかりじゃありゃしない。何か非常に不親切です。いま鉄道など十円区間が二十円区間になるといったら大問題になるのでしょう。ずっと羽田までできた、みんな一律百五十円。だれがきめたのか知りませんが、あなた判を押されたのだろうが、そんなこまかいことまで、実におかしいですね。だからほとんど国会の車に乗りませんよ。使ってない。これはちょっと脱線ではありまするけれども、非常に不親切のような感じがいたします。それから償還が終わったらすぐ開放する、それもなかなか開放しない。そんなところも無料で通すなんということを、そういう国民との約束をやはり守ってもらいたいというようなことで、私は道路の問題について、このごろだいぶようなったと言って安心をせずに、もっとこの辺でふんどしを締め直して、政府もやってもらわなければいかぬと思います。それで、それじゃできないのかといったら、私はできると思うから言うのであります。この間もどこかの新聞を見ましたら、私は愉快になったのですけれども、いまの東海道から山陽を通ってずっと行く、それもいいけれども、静岡あたりから伊勢湾の上を通って、すぐ出て紀伊半島を通って、今度は淡路島を通って、四国に渡って、豊後水道を通って九州に行くというような構想です。これは非常に近いようですな。大分や熊本に行くのには、おそらく数百キロくらい近いのじゃないかと思います。三百キロは違うのじゃないかと思いますが、そういう構想も出ておるという今日、そういうものにも大胆にどうして皆さんが飛びつかないか。特に一番ひどいのは、淡路島を通って四国に行く道だ。これは神戸の市長は十数年前からやかましく言っておる。さっきちょっと私調べてみたら、調査費五億とか六億とかいって、それも計上したと言って鬼の首をとったようにしておるが、こんなものにどうしてそう時間をかけておるのか。先ほど申しましたような日本の鉄道網の完成のときの状況なんか見まして、それは道路は無料だからというふうな議論がこれまでありましたけれども、道路公団その他ができて、有料道路がどんどんできてきますと、そういうことも理由にはならない今日でありますから、私は、どうも政府がもたもたいたしておるのがちょっとわかりかねるので、お尋ねしておるわけでありますが、どうですか。その一例としまして、明石海峡を渡って四国に行きます計画ですが、これはいつごろ完成をさすというふうな建設省当局としてのお見込みでありますか。これをひとつ伺ってみたいと思います。
  30. 小山長規

    ○小山国務大臣 いまのお尋ねは、本土から四国に渡ります架橋の問題と思いますが、これは御承知のように、四十年度に六億四千五百万円調査予算を計上してあります。これでおおよそ橋の設計あるいは地盤のぐあいというものは調査を終わる予定でおります。  あとどうするかということでありますが、むろん四国と山陽との間に橋をかけることは望ましいことなんです。同時に、しかしながら、日本全国至るところに望ましい道路、橋梁がたくさんございます。そこで全体の計画として、一体どことどこを選ぶのかというようなことは、これは現在の五ヵ年計画では、まだいま新規のものをどことどこをやるというようなことまでは、確信を持って言えないのでありますけれどもいずれにいたしましても、四十二年ころになりますと、次の新五ヵ年計画を当然つくらなければ間に合わないと思うのでありますが、そういう際には当然こういう調査を終わっておるところは、むろんせっかく調査したことでありますから、やることになると思いますが、やる方向で、次の五ヵ年計画を組むことになるだろう、こういうふうに思うわけであります。
  31. 中井徳次郎

    ○中井分科員 これは道路局長にお尋ねしたほうがいいと思うのですが、明石海峡、徳島ですかどこですかよく知りませんが、あそこまで行くのに、いまのところで予算としてはどれくらいの経費がかかるのですか。それから、さきにぼくは夢のようなことを言ったが、伊勢湾を通って紀伊半島から豊後水道を渡っていくような、南日本を横に渡るというふうな道路ということを考えると、大体、専門家の君ら、大ざっぱにどのくらいのものがかかるか、ちょっと見解を伺いたい。
  32. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 明石−鳴門海峡につきましては、ただいま調査中でございまして、その調査の一番重要になりますのは、ああいう海峡でございますから千五百メートル以上のつり橋になるわけでございます。つり橋の例は諸外国にはございますが、日本の場合に一番問題になりますのは、地震と台風の耐風設計でございます。そのためにただいま調査費を組みまして、地震の震動台をつくりまして、それから大きな風洞の建設をいたしておるわけでございます。そういうことの調査が出ませんと、ほんとうの数字が出てまいらないわけでございます。と申しますのは、風速の影響でおそらく橋だけの構造費が簡単に二割、三割すぐ違うものだと思います。それからもう一つは、アメリカでかけておりますつり橋の考え方とヨーロッパでやっておりますつり橋の考え方には、両者を簡単に比較しましてもおそらく五割以上、私ども七、八割違うという推定をいたしておりますが、そういうような差がございます。そういうことで非常に大まかな推定をすることも危険でございますけれども、かりに数字を申し上げますと、千億という数字が下限であるならば、上は千五百億か二千億、こういうような数字しかわからないのでございます。それをはっきりさせるために、ただいま多額の調査費をつけて調査研究いたしておる次第でございます。  それから第二点の南日本の構想につきましては、実はまだ何も地図の上に図面を入れてみたこともございませんし、お話のように伊勢湾あるいは紀伊水道、そういった大きな海上を横切るわけでございますから、これの架橋あるいはトンネルというものにつきましては、いままでの常識では直ちにやれるような技術的の問題ではないと思いますので、そういうところをどうするかという問題を除外いたしますと、あとは延長が非常に大じかけの道路ならば六億、七億のものをかける。一級国道並みのものですと、二、三億の金をかける、こういうことでできるわけでありますが、どこを起点とし、どこを終点とするかということをまだ十分調べておりませんので、これについてはただいま申し上げる用意がございません。
  33. 中井徳次郎

    ○中井分科員 どうも夢のような話を申し上げて、あれかもしれませんけれども、日本が都市とか農村とか、あるいは府県とか市町村とか何とかいいますけれども、東京から西、北九州一帯は、私は、大きな一体となった地球上でも数の少ない生産地帯としてものを考えていくべき時代にもう来ているのじゃないかと思いますので、そういう意味からちょっとお尋ねした次第であります。  自治省の財政局長が第四分科会か何かに行かなければならぬというふうなことでありますので、ちょっと財政局長に一、二伺って…。  いま議論しています道路に、私もつまびらかにしないのだけれども、地元負担というものがかかるものとかからぬものとありますね。たとえば一級国道にかかるのか、かからぬのか、二級にかかるのかかからないのか、あるいは縦貫道路のようなものにどうなるのか、この辺のところを一応御説明を願いたいと思います。
  34. 柴田護

    ○柴田政府委員 お尋ねは個人の受益者負担金のことでございましょうか。
  35. 中井徳次郎

    ○中井分科員 いやいや、県、市町村だ。
  36. 柴田護

    ○柴田政府委員 府県、市町村の負担につきましては、国道にすべてございます。この負担分、特に直轄工事として行なわれます負担分が、最近非常にふえてまいっておりますので、これの財源措置にいろいろ苦心をしておるような現状でございます。
  37. 中井徳次郎

    ○中井分科員 たとえばいま一級国道、二級国道の区別はなくなったはずだが、国道新設の場合にどれだけ地元負担——四分の一とか三分の一とか八分の一とかあると思うのでございますが、それを説明を願いたい。
  38. 柴田護

    ○柴田政府委員 現在国の直轄でいたしておりますものについて地元負担のかかってまいりますのは、普通改築の場合、新設の場合、府県が負担いたしますのは四分の一でございます。
  39. 中井徳次郎

    ○中井分科員 府県によっては八分の一のところもあるように聞いておるのだが…。
  40. 柴田護

    ○柴田政府委員 国道の場合にそういうのはございません。原則は四分の一でございますが、後進地域につきましては後進地域のかさ上げ補正があります。これが最高九割ございます。したがって県によりましては、貧弱県によりましては、四分の一の負担が非常に縮まって一割になるところがございます。
  41. 中井徳次郎

    ○中井分科員 そういうふうになりますと、国道は府県、市町村区別なしにまっすぐ走るわけでありますが、その間に非常に負担の相違ができまして、実は建設省が百億使う、そうすると二十五億地方が負担しなきゃならぬ、そういう財源はさっぱりないという場合に、いまの財政措置としてはどういう手が打たれておるのでございますか。
  42. 柴田護

    ○柴田政府委員 現在の道路に関連いたします地方負担、これは補助事業も直轄事業も地方の単独事業も含めまして、大体基準財政需要の中に算入をする。それから地方の目的財源でございますが、軽油引取税、都市計画税等のものは、それぞれ単位費用の積算の基礎に特定財源として差し引くわけでございます。そして財源措置をしておる。ただ単位費用に補正計数をかけて出す基準財政需要の計算のしかたでは、実際に沿わない場合がありますので、その補正をいたします場合に事業費補正という項目を立てまして、現実の地方負担にそぐうような補正を若干いたしております。しかしこの補正のしかたは、交付税のたてまえからいいますと異例でございますので、それでなおかつはみ出してしまう分がある。その部分について年来問題でございましたので、昭和四十年度から、そういう部分につきましても、極端な需要のあるものにつきましては、直轄事業の負担分については地方債を認めて一種の分割払い的な負担の考え方をとっていこう、こういう措置をいたす予定でございます。
  43. 中井徳次郎

    ○中井分科員 私、そういうことを聞きますと、最後にいま地方債というお話があったが、その地方債は何か地元でもって調達をせよというようなことで、政府は一向世話をせぬというようなことも聞くのですが、いかがですか。それは場合によるかもしれませんが……。
  44. 柴田護

    ○柴田政府委員 直轄事業債につきましては、適当に地元でということはございません。
  45. 中井徳次郎

    ○中井分科員 たいへんこの問題はくどく聞いたようでありますけれども、実は道路の建設に非常に影響がございまして、御案内のとおり、日本は四十六も都道府県がありますが、いま全国的に道路の悪いのはどこかというと、必ず県境とかなんとかいうことになってくる。ところが、道路はどんどんできる。その道路は、たとえば東京名古屋ということになりますと、例の中央道路などは、最初の計画は非常にすばらしくて、富士山の北を通って、赤石山脈をぶち抜いてまっすぐ行くのだと、こういう計画でありました。建設省の皆さんが、技術的か何か知りませんが、反対されて、とうとう何か諏訪湖のほうに回られたという話を聞いておるのですが、そういう場合に、いろいろな技術的な抵抗以外に、おれの県にはあまり関係がないのだ、影響はないのだということになると、地元負担が多いからちっとも積極的にならない。東京名古屋は熱心でも、途中の地域によりましては、そんなところを通るならおれはいやだ、こういうふうなことが国家的に見て非常な影響があるというふうなことを、私は一つだけつかんでおることがありますので、それで申し上げるのですが、どうなんです。この地元負担も確かに必要でありましょう。考えようによっては十分必要でございましょうけれども、縦貫道路とか一級国道とか、いわゆる国道ということになれば、なるべく四分の一などというふうなことはやめて——最近金額は非常にかさばるのです。昔の道路でしたらなんですが、いま道路局長言われたように、いわゆる名神国道みたいなものなら一キロ六億とか七億とかということになれば、地元負担一キロ二億というようなものが出てきまして、それが二十キロということになると四十億なんということになって、その県は、その年はほかの仕事は一切できないというふうなことになりますので、この辺のところについて、私は建設省としてもっと思い切った考え方をされてはどうかと思います。その気持ちを大臣お持ちになっておるかどうか、伺っておきたいのであります。
  46. 小山長規

    ○小山国務大臣 国道は国で全部やれという御主張のようでありますが、それはそれにこしたことはないのであります。国家予算が限定されますから、そういうことをやれば、道路の延長が延びていきません。地元の要求にこたえるわけにいかないわけであります。そういうようなことをいろいろいたしまして、いままで三分の二が四分の三になったりしまして、財政上許し得る範囲内で国の負担をだんだんふやしておることは、中井さんも御承知のとおりであります。また道路は、自分のところの道路でなしに、やはり自分の県を道路が通れば、そこから今度はよその県がまた、おれのところはいやだと言い出したり、自分のところはせっかく通りましても、今度はよその県が通れないということになってくるわけでありますから、これはお互い、やはり国の道路であると同時に国民の道路であるという観念で、あとの負担の問題は、それぞれの県の特殊事情を考えて、一般的な財政の援助ではできない場合には特別な財政援助を講ずる。ただいま自治省のほうから申しましたように、特別な財政援助を講ずるというふうな方法をとりつつやっていく以外には、現状ではこの程度ではなかろうかというふうに思うわけです。
  47. 中井徳次郎

    ○中井分科員 私は、そんな甘いことでは、なかなか道路の建設というものは建設省の言うとおりにはいかない。私自身が過去におきまして経験をいたし、いまでも経験しております一つの事例を申しますが、名阪国道というのがあります。名阪国道というのは名古屋から大阪へ行くのだ。だから、まっすぐにつなげばいいと思うんだが、どうもまっすぐつながない。あれは昭和十六年ですか十七年ですか、時の東條内閣、戦時内閣でも、これは輸送するんだ、輸送はまっすぐのほうがいいというて、まっすぐ計画したらしいんですけれども、戦後になりましてから、道路をつくる。ちっともまっすぐにしない。名神国道は京都という町があるからというので、だいぶ北に寄りまして、名古屋の北のほうから出発して、北陸の貨物輸送なり——理屈は何とでもつく。今度は名阪国道というものができた。これは大体半分まではまっすぐであります。名古屋から三重県のはずれのほうまではまっすぐ。それから西は、今度はずっと南に寄りまして、堺の臨海都市とか和歌山のほうにも連絡する。これはけっこうなんです。それで、奈良県が、どうしてもおれのところのまん中を通らなければ承知ならぬというので天理市という天理教の本部を回る。けっこうでございまして、ことしじゅうにできるのでありますが、しかし、一番近いところはいまだにできないのであります。非常にこっけいなことでございますけれども、三重県の境から大阪に行く。いまの国鉄でいいますと、関西線に沿いまして新大阪駅のところを通り、北の守口というところに出まして、神戸の裏山に出るというのが、昭和十七年ごろの軍人さんさえ計画した案でございますが、それができない。どうしてできないのか。山が深くてできないのかと思いましたけれども、今度通る名阪国道は、三重県の境から堺のほうに行くのは、もっとひどい山の中を通るのであります。技術的にできないかといえば、四十年も前にちゃんと鉄道ができている。ちっともむずかしいことはない。どこがむずかしいかとよく考えましたら、その道は、三重県から西へ行きますときに、京都府の一番南の端をかすめる。京都府の人口は百七、八十万あるとして、三万か四万のところを通る。京都府からすぐ大阪府に入るならまだいいんですけれども、途中で奈良県という県を四キロ通る。奈良のずっと北の端でありまして、これは北山村とかいう人口八千ぐらいの村のところを四キロ通り、それから大阪へ行く、こういうことであります。したがいまして、その道路を三十年前からやかましく言っておる。伊勢湾と大阪湾を結ぶとかなんとか、いろいろなことを言っておりますが、会合をしますときには、愛知県、三重県、京都府、奈良県、大阪府と、五つの府県の知事が集まるんだが、熱心なのは大阪府と三重県ぐらいのもので、あとの三つは、なるべく北へ行ったほうがいい、南部はだめだ。それから、ちっとも反対はしないのですね、けっこうでございますというけれども、予算がないとかなんとかいって——私もよくその道は通るのですが、六十五キロぐらいでしょうかのところで、三キロ、四キロ通るのに一、二時間かかりますので、非常に時間がかかる。その道を通りますと、名古屋−大阪間は大体百五十キロぐらい。いまの名神国道はおおかた百九十キロぐらいあると思う。四十キロ近い。十里近い。自動車二万台走るとして、どうなんですか、国家的見地から見ればたいへんな節約。これは東京−九州ですか、東京−下関ですか、大幹線の一環だと思うのです。いまだに二級国道とかいいまして、がたがたやっておる。私は国家的見地から、こういうことは不届きである、まことにどうも残念であるというふうに思うのであります。それはやはり各府県の割拠思想、これが非常に大きな影響をする。それから次は、したがって地元負担、ですから、ほんとうの道路は——私は専門家とあえて言います。そういう人たちは、話をすればすぐわかるのですけれども、実施はやらない。やれないというふうなところに、私は何か日本の取り残された一つの盲点のようなものがあるように思います。こういう点を解決するためにも、国道は国がやるのでありますから、これは全部国が持つというふうな考え方から、そういう府県市町村のエゴイズムといいますか、かってといいますか、そういうものをやはり排除していくべきである。そういうふうに非常に感じております。特に財政難の貧弱府県の皆さんですね。やはり何といっても、道路をやってほしいけれども、そういう点でひっかかる。東京までは陳情に来るが、現地へ今度帰って聞くと、逆に県庁のほうではいやだというふうなことが非常に多いと私は思いまするので、この地元負担の問題につきまして、単に財政上の見地からだけでなしに、道路行政本来の考え方から、ひとつこの際さらに——ゼロということはいかぬにしましても、四分の一だとか二割五分といったら相当なものであります。やはり国道ということになれば、一割以内というようなところで、ゼロが理想でありまするが、そういうふうにぜひとも政府としてもがんばるべきである。そうでなければ、国道たるの値打ちはないじゃないか。非常にしろうとのような意見を私はさっきから申し上げておるのですが、しかし、それはそこへ入っていくのです。どう考えてもそこへ帰っていきますので、あえて申し上げて、大臣の見解を伺っておきたいと思います。
  48. 小山長規

    ○小山国務大臣 先ほど申しますように、理想は確かに中井さんのおっしゃるとおりかもしれません。ただ、いま国民が一番要望しているのは何かといいますと、道路を早く自分のところに通してくれ。延長を伸ばしてくれということと、改修してくれということだろうと思うのであります。舗装してくれということだろうと思うのであります。そういう要望にこたえていくためには、国の限られた予算の範囲内で全額やろうとすれば、どうしても延長も、あるいは補修もおくれがちになる。舗装もおくれがちになる。こういうことで、地方にも応分の負担をしてもらいながらやっていこうという現状の考え方を取らざるを得ないのであります。しかし、同時にまたいまおっしゃいましたように、数府県にまたがる路線を選定しにくいという事情もありますが、これは御承知のように、今度は一級国道、二級国道の区別がなくなりまして、国のほうでこの路線を今度は重点的にやるぞということがきめられるような法制上の措置もできておるわけでありまするし、また場合によっては、府県にいままで工事をまかしておりましたものを国みずから工事をやるぞということもできるようになっておりますから、その面は逐次改正されていくと思います。  残りますのは、相変わらず、中井さんの意見と私の意見と違いますが、やはり地元負担というものは伴ってくる。それは、それぞれの府県の財政事情に応じて考えていくよりほかないだろう、こういうことになってくると思います。
  49. 中井徳次郎

    ○中井分科員 大体一時間たちましたからこの程度にしまして、先ほどの地元負担の自治省の関係のものは、また日がありましたらお尋ねいたしますが、いまのお話でございまするけれども、小山さん、いまの地方自治体はあなた方がお考えになっている以上に非常に窮迫をいたしておりまして、現在の情勢でいきますと、どうしても貧弱府県のほうには、貧弱府県であればあるほど国道は早くつけてやりたい、そうして地域開発といいますか、総合的な開発というものを盛り上げていきたい、こういうことが現実に地元負担のために逆な形になってくる。このことは政府においてぜひとも十分認識してもらわなければいかぬと思う。そうでありませんことには、あらゆる施策をあっちこっち飛び飛びやりましても効果はない。早く幹線道路を思い切ってやる。そのための障害はほんとうに切り払って進んでいく。そういう思い切った施策を最後にもう一度特に私は希望いたしまして、質問を終わりますが、何かありましたら……。
  50. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 最初にお尋ねがございました一般財源の経緯をちょっと申し上げます。  三十年度から申し上げます。三十年度は、国の財源二百六十一億のうち、一般財源が六億四百万でございます。三十一年度は、国の財源三百五十一億一千八百万のうち、一般財源が七億九千七百万でございます。三十二年度は……。
  51. 中井徳次郎

    ○中井分科員 ちょっと、途中ですが、いまのそれはもうガソリン税ができてからのことですね。それ以前のことを……。それからガソリン税を目的税にしたのですか。
  52. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 いまから十年前の二十九年からガソリン税がなっていましたけれども、その前のことは、十年前とおっしゃったので用意しておりません。それでは、その前のことは別に資料を調べまして差し上げたいと思います。
  53. 今松治郎

    ○今松主査 それでは中井分科員、書類で差し上げるそうです。  それでは、田口誠治君。
  54. 田口誠治

    田口(誠)分科員 時間が制限をされておりますが、私のほうは質問するだけですから、長たらしい話になるかもしれませんが、大体質問の内容は通告してありますから、要領ようひとつ御答弁をいただきたいと思います。  まず第一にお聞きいたしたいと思いますことは、昨年河川法の改正が成立をいたしました。そこで、この河川法の改正を行なうときに、全国の知事会等は非常に強力な反対をいたしておったわけでございますけれども、いずれにいたしましても、国会を通過して成立をいたしておる。そこで、全国の知事会が反対をいたしておりました理由の一つには、現地の実情を十分に把握せずに、中央集権的な行政で、相当実情に合わない指導、指示が、行政が行なわれるのではないか、こういうような点を心配して反対をいたしておったわけです。ちょうど法案は会期末に成立いたしましたけれども、審議のさなかに、これは河川局長ですか、全国の部長会議の席上で、河川の管理指導要綱というような内容のものを配って、そうして政府の考えておるところを徹底をしたわけなんです。これは河川法の改正の前でありましたけれども、したがって、この会議で決定をされた内容が各都道府県の部長の頭の中には強くしみ込んでおりまして、そうしてその後、河川の占用許可、また河川の管理、そういう面について非常にかた苦しくなっておるわけなんです。したがって、私は、四月七日に河川局長から全国の土木部長会議で徹定をされたその内容の概要を御説明いただきたいと思います。
  55. 上田稔

    ○上田政府委員 お答え申し上げます。  ただいまのものでございますが、四月の七日に出ております。これは土木部長会議において、河川局から基本的な構想を示して、全国の土木部長の意見を徴した上で、あらためて正式に通達する予定ということで、説明をいたしたものでございます。  その内容につきましては、砂利の採取について、と、河川敷の占用について、の二つに分かれております。  砂利の採取につきましては、砂利の採取に起因いたしまして、河川の付属物その他の施設、工作物に相当の被害が発生をして放置できない実情にありますので、河川における土地の掘さく、盛り土及び切り土の規制に関する政令を制定し、砂利の採取に起因して河川に危害を及ぼすことのないような必要な規制措置を講じたのであるが、指定河川以外の河川についても、同令の施行通達において指示したように、計画個所、砂利の採取区域、砂利採取許可量、砂利採取許容期間及び年次許可計画を内容とする、砂利採取許可に関する基本計画を作成し、これに基づいて規制するとともに、砂利の採取業者の自主的規制の推進、砕石への需要供給の転換等の総合的な対策を樹立すること、ということを言っております。  それから、河川敷の占用につきまして、河川敷の不法占用につきましては、河川管理上放置することのできないものであるので、すみやかに不法占用の実情を把握し、適切な対策を考慮して是正措置を講じ、必要がある場合には、代執行による積極的な是正措置をとられたい。また河川敷の占用については、一たん占用の許可を与えたため、工事を施行しようとする場合、あるいは他の公益を実現しようとする場合に、著しい支障を生じている事例が多く見受けられるところであるので、今後占用の許可の取り扱いについては追って指示する予定であるが、さしあたり今年度においては、次の事項に留意すること。公共性の強いものを優先させること。工事計画の決定している個所については一切認めないこと。営利性の強いものは認めないこと。条件を付し、保留条項を設ける場合には、その内容について慎重に検討し、いやしくも条件を付し、または保留条項を設けたときは、必ずその義務内容が確実に励行されるように措置すること。  以上のようであります。
  56. 田口誠治

    田口(誠)分科員 そこで、大臣にお聞きしたいのでありますが、ただいま読み上げられたものが、四月七日の日に全国の土木部長会議で、河川局長から、河川管理適正化要綱というようなものを配って指示をされたわけなんです。そこで砂利採取の関係は、これは私は、いままで中央の管理というものが十分でなかったので、これは中央で管理をしてもらうことがいいのではないか、特に地方自治体において利益関係で業者といろいろなつながりがあって、そして私どもが考えましても、非常に不当な個所で不当な砂利の採取をやって、それがために水害が起きたり、いろいろと災害をかもし出しているという実例があるわけなんです。私は、この問題につきましては何ら問題はないと思いますが、ただ占用許可の問題につきましては、いま長々と読んでいただきましたけれども、一口に申し上げますると、公共性のある公共事業に対してのものは優先的に許可をするのだが、その他は許可をしないのだ、こういう原則があの文書の中に入っておるわけです。したがって、そうなりますると、いままで河川の場合には、河川といっても、河川敷というのは多種多様ありまして、その河川の中に工作をしておるところもあれば、あるいは夏場は、それぞれ川原にバラックを建てて、そして水泳をする人たちにサービスのできるような許可を願って、業者の人がそれぞれ建てておったわけなのであります。それから川原で花火をやるというようなことも入っておりますが、公共性以外のものは一切認めないのだというようなことになりますと、私は、そうした問題が幾つか出てきまして、どこに線を引いたらいいかということに、これは実際問題として困ると思うのです。したがって、原則は原則であろうと思いますが、この占用許可というものについては、ああいう一つの指導要領というようなものが出ておりまするけれども、大臣としては今後どういうように取り扱われるか、ひとつお聞きをしておかないと、この夏場から全国で相当に困られるわけですから、ひとつ統一的な見解を承っておきたいと思います。
  57. 小山長規

    ○小山国務大臣 河川の管理の必要上、ある程度の基準を本省で立てることは、これは必要だと思います。これはもう河川の問題は、万が一の洪水の場合に、いろいろな災害が起こらないことを念願としてやるわけでありますから、そこに工作物などができたら、これはもうたとえ一時のバラックであっても、あぶないことはわかり切っているわけです。ですからそういうものを設けてはいけないという一つの基準をつくることは必要であろうと思います。ただ長い習慣その他によって、河川の管理上障害にならないようなことに使わせることは、これは別に差しつかえないことでありますから、一定の基準を設けて指示をいたしますが、それについて疑義があったり、あるいはこれは許可してもらっていいんじゃないかというようなことが地方から出てくる場合はあるでありましょうから、その場合はひとつ個々に取り扱ったらどうであろうというふうに考えておるわけであります。
  58. 田口誠治

    田口(誠)分科員 わかりました。ただいまの答弁でいきますと、原則的なものは指導要綱として出されて徹底されておりますけれども、各都道府県では非常にこれをかたく考え過ぎて、現在まで占用許可してあるものは、期限が来れば全部取り上げてしまって一切貸さないのだ、そういうかた苦しい考え方の上に立って行政を行なおうとしておるところもあるわけです。それでただいま大臣からお話のありましたのは、ケース・バイ・ケースで、実際に水害等に支障を来たさない、こういう点の確認がされれば占用許可は、原則としてはああいう指示を与えておるけれども、許可する場合もある、こういうように受け取ったのですが、それで間違いございませんですね。
  59. 小山長規

    ○小山国務大臣 ただ公益優先とかいうようなことを言っておりますのは、許可をしまして、公共団体とか、あるいは公益的なものは、たとえば河川管理上ある種の工作物をしなければならぬからどいてくれというときには、わりあいに容易にどけるのでありますけれども、しかし恒久的な営利企業などやっておりますと、補償の問題が起こるとか、いろいろな問題が起こるかと思うのであります。ですから、そういうようなことを勘案しながらやれというのが趣旨でありますから、この方針について疑義があったり、あるいは具体的にこれは許可をしたいということがあれば、禁止事項でない限りは本省と打ち合わせをしておやりになればいいことだと思います。
  60. 田口誠治

    田口(誠)分科員 時間がありませんので次に移りますが、去年の改正の第四条でいきますと、河川審議会を設けて、そして関係の都道府県の知事の意見も聞いて、最も民主的な行政を行なっていくのだという内容になっておるのですが、この河川審議会の進捗状況を簡単にひとつ御説明願いたい。
  61. 上田稔

    ○上田政府委員 お答え申し上げます。  河川審議会は、昨年の十月ごろだったと思うのでございますが、ちょっと日にちを覚えておりませんが、任命をしていただきまして、そして現在まで三回開いてもらっております。いままでにやっていただいた内容は、審議会においてどういう部会をつくるかというその部会の内容をやるとか、それのメンバーをきめていただくとか、それから第三回目には、一級水系並びに一級河川につきまして大臣から諮問を出していただいております。  以上であります。
  62. 田口誠治

    田口(誠)分科員 そうなりますと、昨年、相当反対はあったけれども、強引にこの河川法の改正がなされた。ところが、審議会を設けていろいろ検討し、その結果、関係の都道府県の知事の意見も聞いて民主的に行政を行なう、こういうことでございますので、いまの答弁からいきますと、三回は開いていただいておりますけれども、これから幾つの部会に分けて、そしてどういう点を検討して、こういうことでございますから、河川法は通りましたが、昨年は建設省の設置法の改正が廃案になりまして、また本年出されておるわけでございますので、そういうような経過からいきますと、昨年改正はなりましたけれども、政府の考えておることをそのまま実施に移すということは、審議会等の問題もございますし、相当遠い年月という——年まで入れていいかどうかわかりませんけれども、年月がたたなければ、建設省の考えておられる改正案に基づいて行政を行なうことができないというように受け取れるのですが、その辺のところはどうなんですか。
  63. 上田稔

    ○上田政府委員 お答え申し上げます。  河川審議会につきましては、新河川法はことしの四月一日から全面的に施行されるのでございますが、それに先立ちまして、第五章関係のそういう準備関係につきましては、法律の施行の日からすぐに有効のものになったわけでございます。したがいまして、さっそく結成をしていただいて、そして部会も、もうすでに現在一回開かれたわけでございますが、そういうふうにして四月一日からの新河川法の施行に十分間に合いますように現在準備をしてもらっておるわけでございます。したがいまして、四月一日からの新河川法の施行には全然心配はないというふうに考えております。
  64. 田口誠治

    田口(誠)分科員 その点については、私は私なりにまだ突っ込んでお聞きしたい点がございますけれども、ちょうど内閣委員会のほうで設置法の改正のときにゆっくり質問する時期があると思いますので、その時期にお伺いをいたしたい。時間がございませんので、走ってお聞きいたしたいと思います。  そこで、佐藤総理の施政演説を聞いてみましても、人間尊重というような面から、災害対策、人間の災害対策、特に学校児童の交通事故の防止等には大きく心を砕いた施政演説がなされておるわけであります。それで建設省といたしましても、今までは一級国道、二級国道というような一つのこだわりを持って改良したり舗装したりしておりましたけれども、路面の飽和状態になっている今日、それだけではいけないから、それはそれとして、また別に道路網の拡充強化ということを検討しなければならない、こういう考え方をいま建設省は持っておられるわけなんです。  そこで、私のほうからひとつ具体的なことでお聞きをして確認しておきたいと思いますことは、二十一号線の岐阜県の垂井町です。関ヶ原へ行く途中ですが、綾戸という部落から表佐という小学校へ通う子供たちが百五十名ばかりあるのですが、二十一号線は御承知のとおりの幅員を持っておりますけれども、小さな相川橋というのがかかっておりますが、相川橋は狭くなっておるのですから、そこへ上り下りの自動車が激しく込み合っている。そこを子供が通らなければならない。こういうことになっておりまして、ときおり事故があるわけなんですが、三年ぐらい前から橋の横に歩道橋をつくってもらいたいという運動、陳情がなされて、今日まできておるわけなんです。したがって、いろいろ岐阜の建設省の道路管理事務所のほうから調査をしたところが、これはやはり早急にやらなければならないというので、今年度はそれを取り上げて、そしてヒヤリングももう終わっておりますし、けさの電話でいきますと、本省のほうで、現在そうした方面へ充ててある予算をそのほうに充ててもらえば工事にかかれるのだ、こういうことになっておる。したがって、本省としてはやはり事業計画の中には入っておるのですから、この問題はおそらく本省のほうで十分にお聞きになっておられると思いますが、ちょっとその点を念を押しておきたいと思います。
  65. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 文通安全対策ということにつきましては、私どもでも、非常に積極的にやろうと思っております。ただいまお話しのような地点、地方建設局のほうからも話は伺っておりますので、四十年度予算で措置するように、まだ個所をどこもきめておるわけではございませんから、そういう要望も非常に強いようでございますので、御要望に沿うように努力いたしたいと思っております。
  66. 田口誠治

    田口(誠)分科員 それで、名古屋建設局なり岐阜の道路出張所は了解をして、中央のほうへあげてあるから、中央で計画には入っておるのだが、それを予算の面で取り上げてもらえるかもらえぬかということが残っておるのです。したがって、おそらくあの実態を見ていただければ、そんなにたくさん費用のかかるものでもございませんし、取り上げていただけると思いますが、ぜひ、ここ三、四年前からの強い地元の要望であり、子供がそこを通らなければ学校へ行けないわけなんです。それで実際に歩行してその橋を渡ろうと思いましても、次から次へと自動車が上り下りが来たり、なかなかもってそういう時期を失う。時期を失うからちょっと無理をして通れば、やはり車に触れるというようなことが、特に子供の場合であるからあり得るのです。ただいまの答弁によりますと、そういう点の了承もしておるし、まだ決定的なきめはしておらぬけれども、配慮をするというおことばでございますので、ひとつその点を強くお願いをしておきたいと思います。  この点はこの程度の念を押して次に移りたいと思いますが、時間もありませんから急スピードでいきます。  岐阜−高岡線の二級国道の改良工事の問題ですが、これは御承知のとおりに、今年の十月に岐阜に国体がありまして、郡上八幡というところで相撲があるわけなんです。したがって、いままでの予算委員会等の答弁では、改良工事、舗装工事まで完全に行なう、こういうような答弁をいただいておるのですが、私どもしろうとがずっといま車で歩いてみますと、十月までにこれで完全にできるかどうかという点に心配をされる面もございますので、その進捗状況をお示しいただきたいし、郡上八幡だけでなし、高岡までの進捗状況もあわせて報告を願いたいと思います。これは簡単に、数字と、こうなっておるという点で答弁をしていただきたいと思います。
  67. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 岐阜−高岡線の三十九年度末の整備状況は、改良五五・四%、舗装二九・六%ということになっておりまして、特に岐阜−八幡町間、高岡−庄川町間を重点的にやっております。岐阜−八幡町間につきましては、昭和三十九年度末の改良率八六・七%、舗装率が六一・三%ということになっておりまして、残事業は九億ほどございます。国体の開催も予定されておりますので、できるだけそれに間に合わせるように努力いたしたいと思っております。
  68. 田口誠治

    田口(誠)分科員 大体御答弁で了解できますが、ただいまもお話しになりました、私のほうからもお願いをいたしましたように、国体を目標にしておりますので、せっかく改良舗装していただくなら、それに間に合うようにしていただきたい、この点を強く要望申し上げておきます。  それから次に、これも長い間懸案になっておりまするが、岐阜−木之本間の二級国道に昇格の問題は、なかなか進まないわけなんですが、御承知のとおりいま地域開発というのが政府の施策の重要な柱にもなっておりますので、こういう点が、相当強く関係府県から陳情があり、また調査をしていただいておっても、なぜ進捗しないのか、この点をお伺いをいたしたいと思います。もちろん二級国道に昇格をする場合には、いままでの法律でいきますと、何キロの間にどの程度の人口の町がなければぐあいが悪いという、こういう一つの規制はあったと思いますけれども、やはり岐阜−木之本間といえば、木之本まで通すということになりますと、その通りには町が点々としてあるわけじゃございません。しかし、ないだけに、地域開発として非常に重要でないか、かように考えておりますので、その点のむずかしさ、また、それに対するお考え方をお聞かせをいただきたいと思います。
  69. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 岐阜−木之本線につきましては、重要な路線であるということで、御承知のように、主要地方道に指定されておるわけでございます。ただいま主要地方道として整備を促進しておるのでございます。  国道に対する昇格の問題でございますが、これは資格があるからする、こういうものでは必ずしもございませんで、御承知のように、過去二回にわたって国道指定を行なっておりますが、全国的にいろいろ昇格についての要望が他にもございます。そこで、ただいまのところは、この四月からいままでの一級国道、二級国道が一緒になりまして、一般国道になるわけでございますが、まずこれが第一の段階であろうということで、国道昇格の問題は、また他の機会に、そういうやはり全国的に考えなければならぬという時期がまいる、そういう際に、道路審議会等の意見も聞きまして追加の指定をする、こういうことになろうかと思います。さしあたりましては、主要地方道として岐阜−木之本線を整備していく、こういう方針でやっていきたいと考えております。
  70. 田口誠治

    田口(誠)分科員 四月後の関係は、ただいま御答弁のありましたようなことになりますので、私は特にこの機会にお聞きをしたいと思っていま質問をしておるわけなんですが、岐阜県の範囲、区域は相当に県道として現在も改良舗装が進捗しておるわけなんです。ただ、ここで国のほうからてこ入れしていただかなければ、部分的に民家がありまして、それを改良することが困難なところがあるわけなんです。しかし、これも大きな町があるとかどうとかいうものではありません。なかなか交渉してもうんと言わないという家がどれだけかあるために、部分的にそうした狭いところがありまして、その狭いところに事故が起きたり、自動車に乗っていきますと、せっかく半分ぐらい来たのに、またバックをして広いところまで戻らなければならないというようなことが往々にしてあるわけなんで、あの県道も、住友セメントの会社ができてから、貨物自動車なんかも非常にひんぱんに通るようになりましたので、乗用車等であそこを通る場合には、非常に不便を感ずる場合があるわけです。したがって、これから一般道ということになりました場合には、そうした個所を国のてこ入れによって解消をしてもらわなければなかなか困難性があるということを申し上げておきたいと思うのですが、一応この道路の内容というのは把握されているのでしょうね。
  71. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 岐阜−木之本線につきましては、大体の状況を把握いたしておりまして、私どもといたしましては、特にこの五ヵ年計画におきましては、岐阜から揖斐川町に至る区間に重点を置いて整備したい、これらの改良舗装を促進するというふうに考えております。滋賀県におきましては、木之本町付近でございますが、揖斐川町から木之本町に至りまする県界にかかわりまする部分につきましては、まだかなり延長もございますし、改良も全面的にはまいらぬかと思いますが、非常に交通の支障になります個所につきましては、特殊改良事業を入れまして、そういう交通の支障のないようにいたしたい、こういうふうに考えております。
  72. 田口誠治

    田口(誠)分科員 予算書の内容も見せていただきましたが、ただいま答弁のありましたように、当面やっていただかなくてはならないのが岐阜−揖斐川町間ですが、先ほど来私の申し上げておる難所もその区間にあるわけなんです。これはそんなに長い距離でもございませんし、少し国のほうでてこ入れをしていただければ、県の助成と両方で十分に改良工事ができると思いますので、どうかそういうようなことを十分に建設省のほうでは内容を知っておいていただいて、これからの推進方をお願いをいたしたいと思うわけなんですが、その点よろしゅうございますか。
  73. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 地元関係県と相談いたしまして、できるだけ御要望の趣旨に沿うよう努力いたす所存でございます。
  74. 田口誠治

    田口(誠)分科員 それでは、まだいろいろお聞きしたいことがございますけれども、また内閣委員会でも機会もありますので、いただいた時間で終わらせていただきます。
  75. 今松治郎

    ○今松主査 午後三時三十分から再開することといたし、この際暫時休憩をいたします。    午後二時四十三分休憩      ————◇—————    午後三時四十八分開議
  76. 正示啓次郎

    ○正示主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  建設省所管について質疑を続行いたします。加藤清二君。
  77. 加藤清二

    加藤(清)分科員 私は、この際建設省に、緑地帯の設定基準、これを承りたいと存じます。
  78. 鮎川幸雄

    ○鮎川政府委員 いま緑地帯というお話がございましたが、いま御指摘の緑地帯というのは、首都圏整備委員会等で計画されております緑地帯であるか、あるいは都市公園法の中に含まれる緑地であるか、ちょっとはっきりいたしませんが、都市公園法による緑地帯でございますと、都市公園法によりましてそれぞれ規定があるわけでございます。
  79. 加藤清二

    加藤(清)分科員 首都圏整備ではございません。大都市の周辺に設けられまする緑地帯の設定基準は何々であるか、お尋ねしておるのでございます。
  80. 鮎川幸雄

    ○鮎川政府委員 先ほど申し上げましたように、緑地帯という独立したものについての基準はございませんが、公園緑地の中に含まれるものといたしましては、ただいま建設省におきましては、一人当たり二・一平方メートル程度の公園の面積しかないわけでございますが、これを将来一人当たり六平方メートル程度に上げたいということで計画をいたしているわけでございます。
  81. 加藤清二

    加藤(清)分科員 人口当たりの坪数はよくわかりましたが、これを設定するにあたって、その結果は地主の土地を束縛する結果になりますね。その束縛の程度を御説明願いたい。
  82. 鮎川幸雄

    ○鮎川政府委員 都市公園法で実施いたします場合には、原則として土地を取得いたすわけでございますから、この場合には地主に束縛といいますか、制限を加えることはないわけでございます。ただ、いまお話しの点は、おそらく風致地区その他の都市計画上の規制が働きまして制限がかかった場合、それによって公用制限と申しますか、制限のある場合の御指摘かと思いますが、こういう点は若干あるわけでございます。
  83. 加藤清二

    加藤(清)分科員 かりに所有権は移転しないといたしましても、その土地が緑地帯に設定されることによって——緑地帯とは何かといえば、膨大な面積でございます。したがいまして、その面積の周辺ないしは特に中央部に位するその土地の所有者は、これを売ることも転売することもできない。なお、この土地はほとんど売買の対象にならない、こういうことがあるわけでございます。したがって、これを承諾させ、設定する場合に、その地主に承諾をさせてから設定すべきものか、それとも、事前通知もあるいは契約も何もせずに、天下り的に設定してよろしいものか、この点をお尋ねいたします。
  84. 鮎川幸雄

    ○鮎川政府委員 いまの緑地帯で御指摘になっているのは、緑地地域の問題かと思いますが、緑地地域の指定に際しましては、前の特別都市計画法に基づいて実施いたしておったかと思いますが、これにつきましては、都市計画地方審議会の意見を聞いて各個々人の意見は聞いていないわけであります。
  85. 加藤清二

    加藤(清)分科員 個人の所有権の侵害ないしは個人の所有土地の価値、それを侵害することにはなりませんか、緑地帯にすることは。
  86. 鮎川幸雄

    ○鮎川政府委員 緑地帯のみならず、河川の関係で申しましても、一定の公用の目的を果たすためには公用制限がかかってくるわけでございますが、そういう場合には受忍義務があるというふうに私どもは考えているわけでございまして、これは私ども法律において定められている手続により国会で承認を受けた法律に基づいてやっているわけでございまして、こういう点は受忍の義務があるものというふうに考えております。
  87. 加藤清二

    加藤(清)分科員 所有者の承認とか承諾を得ずに、かってにそれを設定することができるとおっしゃるのですか。
  88. 鮎川幸雄

    ○鮎川政府委員 現在の法制の定め、手続に従ってやればよろしいというふうに考えているわけでございます。
  89. 加藤清二

    加藤(清)分科員 無断でやるということは、明らかに個人の所有権の侵害になりますね。
  90. 鮎川幸雄

    ○鮎川政府委員 都市計画は、先ほど申し上げましたように、緑地帯のみならず、いろいろな場合に、個人と申しますか、土地所有権の関係者に対して制限をいたしているわけでございますが、地域、地区制度などを設けまして建築物に対する規制等をいろいろやっているわけでございます。こういうものは、それぞれの法規の定めるところによってやっているわけでございまして、これは公共の福祉のためにやっておるわけでございまして、その場合においては、各個人については受忍の義務があるというふうに考えているわけでございます。
  91. 加藤清二

    加藤(清)分科員 ここで私が具体的な事例を申し上げて、はたしてあなたがおっしゃるように公共優先であるのか、ゴルフ場優先であるのかということをお尋ねすると、あなたは前言を取り消したり、立ち往生せねばならぬ。したがって私は、主査と約束をしたのだから、ここから先には触れませんが、私が申し上げたいことは、公共のためだという美名に隠れて、とんでもないことが行なわれているということを言いたい。個人の所有権の侵害、それでとどまればいいが、それが知らぬ間に転売、転用されて、ゴルフ場になったり、宮内庁の土地が蒸発したり、しかも五万坪も。そういう個々のケースがございます。したがって、監督官庁としては、慎重にこれを御検討をわずらわしたい、こういうことでございます。時間さえあれば私はケース、ケースについて質問をしたいと思いますが、約束したんだからこれは避けます。  次は、多目的ダム、これを入札なさいます場合の基準ですね。ちゃんと法律及び施行令にうたわれておることでございまするが、あらためて確認したいので、この点についてお尋ねいたします。
  92. 上田稔

    ○上田政府委員 御質問の趣旨は、多目的ダム法によって建設省が多目的ダムを施行する、請負に出す場合に、どういう基準によっておるかという御質問であると思います。それにつきましては、建設省といたしましては、その金額によって違うわけでございますが、その金額に応じてその工事の種類、多目的ダム本体でございましたら、ダムについての経験の有無とか、そういうものを十分に調査をいたしまして、そうしてその請負金額の額に応じたランクのものを指名いたします。
  93. 加藤清二

    加藤(清)分科員 私は、決して建設省を責めようとは思ってないんですから、気を楽にして答えていただけばけっこうです。  指名競争入札を行ないますね。経験者を指名して指名競争入札をされますね。その際に、一体、値段が高いところへ落とされますか、低いところへ落とされますか。
  94. 上田稔

    ○上田政府委員 建設省といたしましては、入札の規定に、国家財政法でございますか、それに基づいて実施をいたします。
  95. 加藤清二

    加藤(清)分科員 国家財政法によりまするとどうなっていますか。高いほうへ落とすとなっていますか、指名競争の場合に、競争者が五名なり十名あった場合に、低いほうへ落とすということになっていますか、いずれでございますか。
  96. 上田稔

    ○上田政府委員 最低のものに落としております。
  97. 加藤清二

    加藤(清)分科員 そのとおりでございます。まことにけっこうな御答弁です。またそうあってしかるべきでございます。ところが、もし一、事誤って間違ったところへ入札した、そういうような例があったならば、監督官庁としてはどのような措置をおとりになりましょうか。
  98. 上田稔

    ○上田政府委員 誤った例といいますと、何か金額を取り間違えて高いところへ落としたという例かと思います。国家財政法によりましてやっております限り、正しいものに落とすようにいたします。
  99. 加藤清二

    加藤(清)分科員 もし間違いというものがあったら、その間違いを是正して正しいもの、すなわち、低いところへ落とす、こうおっしゃるのでございますか、そう指導するとおっしゃられるのですか。
  100. 上田稔

    ○上田政府委員 ちょっと意味がはっきりわからないのでございますが、たとえば入札札を出させまして、そして相手が、たとえば百億と書こうと思っておったやつを百十億と書き誤った。片方は百一億であった。入札札が間違っておりましたということを申し出た。その場合は、入札においてもうすでに公表をいたしておる場合には、それは無効でございます。
  101. 加藤清二

    加藤(清)分科員 それはそのとおりでございます。入学試験の答案も同じですね。あとで気がついて訂正しようたって、これは無理にきまっておる。ところが、五人ないし十人が指名を受けました。そこで入札をいたしました。開封をいたしました。その結果、一番高いところへ落として、低いところは全部落第させた、こういう事件があったら、指導の立場にあらせられるあなたとしては、どういうふうな措置に出られますか。
  102. 上田稔

    ○上田政府委員 建設省としては、数字を見間違えるということはございません。高いところへ落とすということはございません。
  103. 加藤清二

    加藤(清)分科員 おそらくそうでしょう。東大を出なさったりっぱな方々が、そんな数字をお間違えになるはずはございません。ところが、現実にあったとしたら、どのような指導をなさいますかと聞いておる。現実にあったらどう指導されますか。たとえば、それでもけっこうだとしてそれを遂行させられますか。それとも、明らかに間違いだから、白紙還元ということになさいますか。この指導方針を承っておるわけでございます。
  104. 上田稔

    ○上田政府委員 入札に際しましては、その入札の金額を読み上げるわけでございます。したがいまして、最低でありますから、どこどこに落としますということを言明をいたしますので、そういうことはあり得ないのであります。
  105. 加藤清二

    加藤(清)分科員 あり得ない。それでけっこうですよ。あっちゃたいへんですから。しかし、もしあったとしたら、どのような指導をされますかと聞いておるのです。ないにきまっておるのです。あったらどう指導されますか。たとえば、それは間違いであるから白紙還元にするとか、いや、間違いでないから一番高いところに工事をやらせる、こうおきめになりますか、いずれでございますか。
  106. 上田稔

    ○上田政府委員 会計法上は、誤りがあった場合には訂正をさせるわけです。
  107. 加藤清二

    加藤(清)分科員 この答弁に対して大臣はどうお考えでございますか。
  108. 小山長規

    ○小山国務大臣 いま河川局長が答えたとおりであります。
  109. 加藤清二

    加藤(清)分科員 そのとおりでございます。ところが、局長さん、まことにふしぎなことなのです。そういう具体的事実が現に行なわれているのでございます。そうしてこれは問題になりました。なったればこそ、世銀借款をいたす場合に、まことにふかしぎ、けしからぬからというので、これは除外をされたのでございます、その点だけは。称して九頭竜川事件という。こんなにでかでかと出ておる。(「何新聞かね」と呼ぶ者あり)いや、何新聞でも全部出ておる。全部出ておる。(発言する者あり)自民党の新聞ですよ。そこで、いよいよ具体的事実だからしょうがない。現に大蔵大臣は、違法であるとお答えになっていらっしゃる。建設大臣は、これについてそのようなことは建設省ではやりませんとお答えになっておる。そのとおりです。りっぱな答弁、名答弁です。そうあってしかるべきなんだ。りっぱな大臣とりっぱな局長がおそろいでございまするから、まことにけっこうなことです。しかし、事実はまことに奇なものでございまして、金を出しておるほうの通産大臣はまことにふしぎだと、こう言っておられる。それで、しまいにはわからぬと、こう言っておられる。しかし合法だと、こう言っておられる。大蔵大臣は違法だと答えているんです、同じ予算委員会で。したがって、本件は本予算が通過するまで——ここをよく聞いてくださいよ、建設大臣。通過するまでに、何らかの結論を出していただかなければならぬ。二階堂先生も御存じのとおり、いまこれは理事会でお預けになっておる問題でございます。それで、もし建設大臣だったら、これに対してはどう対処されようとなさるのでございますか。いずれ近いうちにお答えを出してもらわなければならぬ。
  110. 小山長規

    ○小山国務大臣 具体的な名前が出てまいりましたから申し上げますが、九頭竜川の入札は、御承知のように、電源開発株式会社が入札に付したものであります。これは財政法によってやっているのかどうか、私は存じません。そして、この九頭竜川の発電は、御承知のように、治水事業の一部としまして委託をしております。電源開発株式会社がダムをつくる、その場所がちょうど、われわれのほうでもあとで調査してみると、そこに治水のダムをつくったほうがよろしいということになりまして、建設省と電源開発会社とで協議の上で、堤防を、かさ上げといいますか、予定より高くしまして、その分だけは治水費で受け持つことになりまして、それをやりましたことは御承知のとおりであります。しかし、そのダムの本体を入札に付しましたのは、電源会社がやっておるわけでありますから、その部分、その入札方法については、会社の内規でやったものかどうかは、私まだ承知いたしておりません。
  111. 加藤清二

    加藤(清)分科員 本件については、御承知のとおり、資本が二分の一以上政府から出資されておりまするし、なおかつ、そこで使われておりまする資金は九割の余、これは政府出資でございますし、なおかつ世銀借款にたよっているわけでございます。したがって、これの工事計画を変更なさる場合には、主務大臣のみならず、建設大臣も御承知になって御決定のはずでございます。したがって、あれは建設省の目的も加味されて、かさ上げされたはずでございます。これはけっこうです。私は、そこは大賛成です。が、あなたの、つまり建設省の計画に参加されたその入札が、このようなことになっているということについて、大臣としてはどうお考えでございましょうか。いずれ総括質問でお答え願わなければならぬところです。
  112. 小山長規

    ○小山国務大臣 お答えいたします。  この入札のやり方が適法であったかどうかという点が、いま国会側といいますか、野党側といいますか、と通産省の間に争いになっていると思っております。まだ結論は出ないのじゃないかと思っております。ですから、その結論の出たところに従うつもりであります。
  113. 加藤清二

    加藤(清)分科員 野党側だけではないのです。(小山国務大臣「国会側と申しました」と呼ぶ)ここで言うておるのは、与党の某ベテラン決算委員が、承知して、詳細にこれを検討する、こういう発表をしておられるのですよ。だからこの問題は、やがて本分科会だけではなくして、決算、通産ともに一斉に調査が始まると思います。しかもそれは、野党側だけで行なうなどとお考えになったら、たいへんなお間違いでございます。むしろ積極的なのは与党側でございます。(「そうかしら」と呼ぶ者あり)そうですよ。そこで、そういう見地に立って、私はこれは御参考に申し上げおおきますが、ただいま会計検査院の事務総長を呼びまして、一体この件についてどうするかということを尋ねました。当然のことながら、会計検査院としては、調査の義務をしょっておられるわけでございます。もうすでに調査が始まっておるのでございます。したがって、私はこの問題は、ポイントは一つだと思う。それは合法であるか、違法であるかという問題よりは、早く解決するためには白紙に還元するしかないかという問題なんです。まだ事前ですから、白紙に還元したらもう既成事実じゃないのだから、白紙に還元してしまえば、問題は元へ戻るわけなんです。しかし、もし一、会計検査院の結果報告として、これが報告されるようになりますと、ただではおさまらぬわけに相なります。なぜかならば、先ほどあなたがおっしゃったように、同じ事件でありながら、こまかい入札、道路のつけかえその他、あなたのほうがおつくりになった原案に従ったあのつけかえ工事、水底に埋没するところの山林、田地、田畑あるいは川下で水路をつくるために壊滅するところの農地、これなどは最も安い値で協力をさせておるわけでございます。したがいまして、片や中小零細企業や農民に対しては、最も過酷な値で召し上げておきながら、片や大企業に対しては、四十億そこそこのものに六億余のかさ上げをして——堤のかさ上げじゃありませんよ、値段のかさ上げですよ、それを許しているということは、地元にとっては承服できぬ問題です。こんなばかな、冷たい仕打ちがあるかというので、村会では協力せず、県会でもまた協力せず、県知事、副知事、県会議長その他、全部協力できないという立場に立っておる。きのう、きょう、吉田総裁は、国会で問題になったので、あわてふためいて、三億何がしの金を持って、これを補償費にあげるから、頼むから賛成してくれ。今度は金を持っていかれた。どうもふしぎだ。しかしそれにしてからが、この問題は、世銀はすでに除外しておるのです。かかる入札の方法はアメリカにもありませんといっておる。おかしいといっておる。したがって、これについての借款について努力された田中大蔵大臣は、困ってしまったわけです。佐藤総理は、渡米されたおりに、これの調印についてませをかまされてきたわけです。こういう問題でございまするので、(「ませをかまされた、そんなことはないだろう」と呼ぶ者あり)除外というませをかまされた。含まれていない。見てごらんなさい。大蔵大臣はちゃんとそう答えておる。現にそうだ。一億五千万ドルのうちの二千二百万ドルは除外になっておる。私は絶対うそを言いません。私は、佐藤総理のおっしゃる、税金は国民の膏血であるということばはりっぱなことばだと思う。それは大切に使わなければならぬ。それが六億もわざと高値のところへさされる。それが専売特許でも持っておるとか、そこでなければならぬとか、先ほど局長さんのおっしゃいましたように、経験の有無ですね、経験が非常に豊かであるとかいうならば、一割五分高もまたやむを得ぬでしょう。特別注文の洋服ということになれば、同じ生地でも高うなるのですから、これはやむを得ません。しかし、いまだかつてロックフィルダムについては経験のないところに落とされておる。しかも経験のある安いところは除外された。通産大臣ならずともふしぎだと言わざるを得ない。そこで、やがて決算委員会、会計検査院等々でごたごたして、そのあとで手直しということになれば、これは後手後手となる。あなたは通産省の指示に従うとおっしゃられましたが、計画のときはその指示に従わずに、わが計画を出してかさ上げを要求されて、それが通っておるのです。本件も地元の皆さんがほんとうに協力するような措置、あるいは決算委員会とか会計検査院とかにうしろ指をさされないような措置、それは一にかかって白紙還元というところにあると思います。これについて大臣はいかがお考えでございますか。
  114. 小山長規

    ○小山国務大臣 加藤さんの言われる点は、個人としての私にお聞きになっておるのじゃなくして、建設大臣としてお聞きになっておると思うのであります。そういたしますと、主管の、責任を持っておる大臣が是なりとしてやった行為は、それがくつがえるまでは是なんです。ですから、そのくつがえるかくつがえらないかは、私のほうでは判断できないわけでありますから、その一ぺんなされた行為を戻すとか戻さないとかいうことは、主管の大臣が責任を持ってやるべきことなんです。われわれ主管でない者がくちばしをいれるところではない、こう思っています。
  115. 加藤清二

    加藤(清)分科員 いずれ主管大臣、総理、大蔵大臣御列席の席でお尋ねする予定でございます。  そこで私は、こういう問題について過去に経験をしておりまするが、大臣のおっしゃるとおりでございまして、それは越権行為と思われてはいけないが、しかしあなた自身はこの間こう答えておる。建設省についてはそのような前例はございません、そういうことはやりませんとお答えになっている。私は正しいと思う。これこそ国民を思う答弁だと思います。そういう立場からした場合に、もし通産省のほうで、わからぬ、ふしぎだと目下のところは言っているのですから、これが司直の手の入らない先に——もう一度はっきり申し上げます。司直の手の入らない先に、白紙還元という声が通産省のほうから出たら、大臣はそれを是となさいますか、それも非となさいますか、いかがでございましょう。
  116. 小山長規

    ○小山国務大臣 私のほうは決定しました工事額のうちで幾らを持つ、こういうふうになっておるわけでありますから、その決定した工事額が幾らになるかということは、もうおそらくいま問題になる前であればきまっておったのでありましょうが、国会側からそういう話が出まして、通産省がいまどういうふうなことをやっておるのか、私のほうにはまだ連絡がないのであります。したがって、ここで責任あるお答えができないのはまことに残念であります。
  117. 加藤清二

    加藤(清)分科員 わかりました。あなたに責任をとらせようとは思いません。ただ、前例もなければ、いまだかつて建設省でとったことのないような例、それはたいへんな悪例、地元の反撃、国民の反撃を食っている問題、そういう問題について、それでは通産省とか大蔵省とかは別個に、建設省の大臣としてはこれがよいとのお考えですか、悪いとお考えですか。
  118. 小山長規

    ○小山国務大臣 これはいま個人的な意見を申せとおっしゃれば、いろいろな意見があるのです。しかし、建設省をあずかる者として、いいとか悪いとか言えない立場にいまあるわけなんです。その点は御了承願います。
  119. 加藤清二

    加藤(清)分科員 これは了承できない。是非善悪の識別ができないような建設大臣とは心得ません。圧力がかかって、閣議決定以前には発表できない、こういうことに圧力がかかっておれば別でございます。しからばお尋ねいたします。閣議決定でそのようなことが行なわれましたか、いなか。
  120. 小山長規

    ○小山国務大臣 閣議の席上では何らそういうものはございません。
  121. 加藤清二

    加藤(清)分科員 それではあなたの良識でもって答えられない、こういうことですね。
  122. 小山長規

    ○小山国務大臣 お答えいたします。結論が出ましたところに従います。
  123. 加藤清二

    加藤(清)分科員 結論が出たところに従う、是非善悪によらない……。
  124. 小山長規

    ○小山国務大臣 善でもって結論が出ると考えておりますので、その結論に従います。
  125. 加藤清二

    加藤(清)分科員 善という結論が出ることを期待していらっしゃるわけですね。ごもっともでございます。  もう一点だけ。それほどあなたがこの答弁を遠慮なさるという点についてですが、もしかしたら、そんなに御遠慮なさるならば、あなたも一枚加わっていらっしゃるのではないかと、こう聞きたくなる。私はそういうことはないだろうと思います。もし加わっていれば、それはいけないことであると発言なさったんではないかと推定をいたします。  そこで結論。あなたはその高額入札の計画に参加していらっしゃいますか、いらっしゃいませんか。その当時某々氏たちから、いわゆる力のある方々から、こうせいああせいと指図があったようでございまするが、その指図はあなたのところにありましたか、ありませんか。決算委員会においては、もっと詳細に質問が行なわれるだろうと思います。
  126. 小山長規

    ○小山国務大臣 全然関知しないところであります。
  127. 正示啓次郎

    ○正示主査代理 続いて川俣清音君。
  128. 川俣清音

    川俣分科員 時間の都合もあるようでございまするので、問題を提起すると同時に、検討されて御回答を得たいと思います。また、本年度予算の終結に近づいたこの際、明らかにしておきたい点がございますので、その点に限ってきょうはお尋ねし、あとの点は保留いたしておきたいと存じます。  一つは、道路予算を見ますと、地方の事業に非常に関係の深い二級国道の予算がございますが、この積算の基礎が明らかでございません。毎年のことでございますが、予算がきまってから配分をするという方式を取っておられるようでございますが、国会審議の上からいうと、予算ができてから配分をするということは、予算審議を制約するものでございますし、会計法からいっても、この点を明らかにする必要があるのではないか、要求があれば当然明らかにしなければならぬのじゃないかと思います。従来は、予算がきまってから配分計画をしておられますから、いますぐの時代にあなたがこれをやらなければならぬということは、非常に苦痛だと思いますけれども、そういう姿勢が正しいのではないか、こう思う。あなた、大蔵省出身ですからね、正しいのではないか、これには、そうだといわざるを得ないと思います。しかし、建設省はそういうやり方をしていなかったことも、私どもは知らないわけではございませんが、二級国道の積算の基礎を明らかにしてほしい。いま答弁は要らない。資料として出してほしい。  もう一つは、いわゆる一級国道という重要国道に特定の占用権を与えるというようなことは、今日の国の財政から見て不適当ではないか、こういうふうに思うのであります。路線には、軌道路線としての占用権、あるいはバス運送としての道路占用権等がございます。いわゆるバス路線と称される占用権の設定みたいなものもございます。最近のように観光バスが盛んになってまいりますと、特定の占用バス路線に入ってくるということで、ごたごたも起きておる。先般も、実はそういう現場を見て仲裁をしたわけでございますが、小学校の生徒多数が観光バスに乗って、それが他県のバス会社の路線に入ったということで通行どめを食わされた。これは小学校の生徒が、バス路線というものを知らぬから、バスが行けなくなったということで騒ぎになった。こういう事態もある。  そうすると、一つの営業権を持っておるということで、一般の国民の交通を妨げるということにもなる。一級国道に特定の権利を与えるということはいかがなものでしょうか。国民全体の税金でやっている。もちろん、中にはガソリン税の目的税の費用も入ってはおりますものの、そういうことをいっても、バス会社だけの道路ではないわけです。一般の交通全体のガソリン税でやっておるわけですから、そういう意味からいっても、特定な権利を与える、あまり強い権利を与えるということは、一級国道としては好ましくないのじゃないか。また、市街地等におきまして軌道に一定の権限を与えるということも、今日の交通緩和の上からいって、必ずしも好ましいことではないのではないかということも、いつも問題が出てくるでしょう。すなわち、一級国道の管理についてはあらためて検討する必要があるのではないかと思いますが、この点についての大臣の見解を伺いたい。従来の大臣ですと、なかなか惰性でできないのですよ。そこに、私はあなたに期待をしてお尋ねをしているわけです。従来の建設省ではなかなかこれはできない。そこでひとつあなたの時代にこれを明確にしておいてほしいということで特に質問するわけですから、そのつもりで御答弁願いたいと思います。
  129. 小山長規

    ○小山国務大臣 一級国道に限らず、国の管理するもの、府県でも同じだと思いますが、その道路の幅員その他交通量に応じて、差しつかえない限り路線のバスとか、あるいは観光バスは許可しておるはずであります。  そこで、いまおっしゃいました観光バスを通行どめしたとかいう話は、実は私は聞いていないのでありますが、もしありとすれば、道路交通運送法によるものであろうと思います。建設省としては、道路について、これをバス会社で運行してよろしいかどうかという協議があれば、その協議に応じまして、バス路線で差しつかえないかどうかを返事をすることになっております。したがって、運行をとめるのについては、私のほうの権限ではありません。許可したのは通すことになっておるわけであります。それが一つ。  それから、国道の上に電車の軌道などがあるが、まことにおっしゃるとおりに交通上非常に好ましくありません。そこで、私も就任以来、何とか方法はないのかということを、いろいろいままでも聞いておったわけでありますが、何しろ既設の権利がありますのと、それから、そこだけをたとえば撤去しました場合に、それが終点と起点との中間である場合には、今度は、乗りかえをしなければならぬとか、一般の交通に非常な迷惑をかけますから、それはできません。私、この間ある町へ行きましたときに、私道のところだけが全然石だたみになっておって、しかも、それが一つも修理されておらぬ、そのために自動車が通れない、こういうところがありましたので、これはむしろ国費で修繕して、それから軌道会社から借り賃でも取ったらどうだということを言ったことがありますが、そういうような方法でも講じないと、一方が大量輸送の軌道ですから、途中をやめてしまって、その間徒歩連絡というわけにもいきませんので、その点はやむを得ない点があると存じます。
  130. 川俣清音

    川俣分科員 前段の点について。県内のバス営業路線の中に他の営業会社が入ってくることを阻止する、それも実力阻止なんです。それで問題になった。バス会社の人夫がいろいろな道具を持って阻止しておった。そこで、その学校の引率者がたまたま電話で、われわれは何も知らないでやってきた、バス会社を信用して行けると思ってやってきたが、とめられて困っておるというので、実は地元のバス会社へ交渉して通すことにしたのですが、輸送の営業権を派生させるというようなことが——一級国道を整備するのは、営業権を派生させるためのものじゃないと思う。一級国道というものは、国民全体が平等にと申しますか、お互いに利用するというのが一級国道本来のたてまえだと思う。占用路線ではないわけです。あたかも占用路線のごとく主張するならば、それらの一級国道の修理から維持から、全部バス会社が持つなら別ですよ。国民全体に持たしておいて、おれは営業権があるんだということで阻止することは行き過ぎじゃないか。そういうためにも、一級国道については一つの規制が必要じゃないか、こういうふうにお尋ねをしたわけですが、これは従来からもいろいろ問題を提起しておるのです。従来の建設省は、いろいろバス会社との関係もありまして、あるいはバス会社の構成員の中には、かつての運輸省の陸運事務所の者がおりまして——私、いま資料を持っておりますが、そういう人を入れてバス路線を設定しておるわけですから、これは補助金にも関係してくることですから、ひとつ建設省は、一級国道の管理の上から、大いに発言があってしかるべきじゃないか、こういう意味でお尋ねをしておるわけです。  時間がないからあまり申し上げませんけれども、そういう意味で検討した結果をまた申しますが、こういう問題を提起して質問を続行していきたい、こう思っております。御研究を願ってこの次に御答弁願ってもけっこうです。
  131. 小山長規

    ○小山国務大臣 このバスの路線の認可は、御承知のように、運輸省が認可をいたしますが、私のほうは道路の関係で、道路の状態さえ差しつかえなければ、何社来てもいいわけです。国道でありますから、何社来てもいいわけです。ただ、それを一社に限り、あるいは二社に限るのは、運輸省のほうの道路交通といいますか、業者の共倒れを防ぐといいますか、そういう一般行政の観点から、あるいは一社にし、あるいは二社にし、三社にする、こういうことになるのだろうと思います。私のほうは、差しつかえありません。道路の容量さえ差しつかえなければ、私のほうは、差しつかえありません。
  132. 川俣清音

    川俣分科員 しかし、道路を管理しておるのは建設省でしょう。運輸省というのは商売みたいなもので、管理者の立場で一級国道がどうあるべきかということは考えないのです。全く業者本位に考える傾きがあって、一級国道本来の使命を乱すおそれがありまするから、管理者である建設大臣が大いに発言してしかるべきじゃないか、いままであんまり無視しておったのではないか、こういうことを指摘したかったのです。今後バス路線等についても、これは一体——バス会社が路線の修理等を受け持つならば、これはまたいい。そういう条件を出してもいいじゃないか。ただ、許可が運輸省だということで、まかせ切りにするべきじゃないではないか、そうすると一級国道の管理者としての責任を果たせないのではないか、こういう点を指摘したかったのであります。十分御検討願いたいと思います。
  133. 正示啓次郎

    ○正示主査代理 次会は、明二十三日午前十時に開会し、建設省所管について質疑を続行することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十二分散会