○野原(覺)
委員 そうならば、その真相の報告は、
予算委員会における問題でございますから、本
委員会の開会中に御報告を願いたい。
委員長にこれは
要望いたしておきます。そこで、立候補の宣言をするということは、公職
選挙法の事前運動に抵触するし、それから、
一つの利益供与の約束をするということは、利益誘導罪になるんじゃないかと私は思います。そこで、その内藤君が月にたまたま何日しか出勤をしないということなので、いろいろ調査をしてみますと、昨年の十一月二十一日、大阪府の農林会館に行きまして、そこで教科書の特約業者、教科書の取り次ぎ、小売り店、発行業者——発行業者は、大阪には大阪書籍という会社があります。新興出版というのがあります。それから、大阪に支社を持っておるところの教科書出版会社の諸君を集めて、教科書の定価
値上げと供給手数料の引き
上げを、自分の
選挙と結びつけて話をしておる。その足で四国に入りまして、十一月下旬、松山では
東京書籍の四国担当の課長待遇をしておる長棟という人を連れて
東京書籍です。かつて
初等中等教育局長をしたときに、
東京書籍、学校図書、たくさんの教科書会社を監督しておったのです。その
東京書籍の長棟というのを連れて県の教育
委員会、市の教育
委員会、校長会の幹部、県教育
委員会の職員を一堂に集めて一席ぶちました。高知、高松においても同様であります。ついで九州に入りますと、長崎で
東京書籍の九州支社の中島という課長を連れて、これまた県の教育
委員会、市の教育
委員会、校長会を集めて一席ぶっておるのであります。このような事実がだんだんと明らかになってきたのであります。そこで、私は、
東京書籍との
関係が怪しいじゃないか、
東京書籍だけがこうしてついていってやるわけでございますから、いろいろ調べてみますと、内藤君の自宅——十二月二十日から転宅をされたようでございますが、これは、
東京書籍株式会社の寮だ。百坪に建坪五十坪、電話がついて、人に聞きますと、何でもあの人は女中さんまで会社からつけてもらっておるやに世間ではうわさが広まっておる。文京区駒込林町三十五番地。これは、電話帳を調べたら
東京書籍の寮であります。そこに十二月二十日から入っておる。自宅の提供を
東京書籍がしたのか、内藤君が買ったのかは知りません。知りませんけれ
ども、全国方々を、自分が常任監事でありながら、その常勤しなければならぬことを彼は放棄して、そうして
選挙運動に回って、
東京書籍を連れていってはたくさんの者を集めて、
東京書籍の採択の宣伝、販売の宣伝をしたかどうかはさだかでありませんけれ
ども、内藤君は前文部次官です。前文部次官といえば、教育
委員会では非常に尊敬をしておる教育界の実力者なんです。この人が
東京書籍を連れていけば、はあ内藤さんは
東京書籍を推薦しておるんだなぐらいのことは感づくでありましょう。こういうことをしておるわけです。
法務大臣、あなたは真相を調査してみなければわからぬと言いましたが、私は、ただいま
委員長に、その真相の調査報告はこの
委員会においてぜひ取り
上げてもらいたいということを要求いたしておきました。これはぜひとも調べていただきたい。なぜ私がこのことを取り
上げたかと言えば、内藤君は——私は、ここで
国会に籍を置くこと十何年になりますが、私も文教
関係にはタッチをしてきたのであります。内藤君は道義の退廃を嘆いて、そうして、小学校には道徳科を持っていかなけばれならぬという推進運動をした一人なんです。教員の勤務成績がよくないじゃないか、サボっておるじゃないか。これをたたくには勤評をやらにゃいかぬじゃないかと言って勤評をやった人なんです。よろしいですか。ところが御自分はいかがですか。私は、こういう
事態というものは、全くこれは許すことができない。
総理大臣、許すことができないのです。私は、先ほどこの人間像のところで
総理に聞きました。主査の高坂さんが、いまの指導者が一番悪い、こう言っておる。そのことをあなたにもいかがですかという所見を問いましたが、勤評強行、道徳教育の強行、そうして、政治活動の禁止二法の立案、企画、作成にあたっては、大達文部大臣のときに、彼は課長であったか
局長であったかは忘れましたが、非常な実は力を入れた。それが今日いかがですか。今日公職
選挙法に違反しておるような疑いを犯しておる。勤評どころの騒ぎではない。私は、こういうことではこれは全くもう
お話にならぬと実は
考えて、ここで綱紀
粛正の問題を提起する意味で、私があえて出したのです。個人のことを私はとやかく言うのは好みませんけれ
ども、やむにやまれず私は出したのであります。
総理の御所見を承っておきたい。