運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1965-02-06 第48回国会 衆議院 予算委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年二月六日(土曜日)    午前十時十六分開議  出席委員    委員長 青木  正君    理事 赤澤 正道君 理事 稻葉  修君    理事 小川 半次君 理事 二階堂 進君    理事 加藤 清二君 理事 川俣 清音君    理事 辻原 弘市君 理事 今澄  勇君       井出一太郎君    今松 治郎君       植木庚子郎君    江崎 真澄君       大橋 武夫君    上林山榮吉君       仮谷 忠男君    川崎 秀二君       小坂善太郎君    重政 誠之君       正示啓次郎君    田澤 吉郎君       登坂重次郎君    中曽根康弘君       中野 四郎君    灘尾 弘吉君       西岡 武夫君    西村 直己君       古井 喜實君    水田三喜男君       石野 久男君    石橋 政嗣君       大原  亨君    岡田 春夫君       田中織之進君    高田 富之君       滝井 義高君    中井徳次郎君       中澤 茂一君    永井勝次郎君       野原  覺君    八木 一男君       横路 節雄君    永末 英一君  出席国務大臣         内閣総理大臣  佐藤 榮作君         法 務 大 臣 高橋  等君         大 蔵 大 臣 田中 角榮君         文 部 大 臣 愛知 揆一君         厚 生 大 臣 神田  博君         農 林 大 臣 赤城 宗徳君         通商産業大臣  櫻内 義雄君         運 輸 大 臣 松浦周太郎君         郵 政 大 臣 徳安 實藏君         労 働 大 臣 石田 博英君         建 設 大 臣 小山 長規君         自 治 大 臣 吉武 恵市君         国 務 大 臣 小泉 純也君         国 務 大 臣 高橋  衛君         国 務 大 臣 増原 恵吉君  出席政府委員         内閣官房長官 橋本登美三郎君         内閣官房長官 竹下  登君         内閣法制局長官 高辻 正巳君         総理府総務長官 臼井 莊一君         総理府事務官         (行政管理庁行         政監察局長)  山口 一夫君         防衛庁参事官  麻生  茂君         防衛庁参事官         (長官官房長) 小幡 久男君         防衛庁参事官         (防衛局長)  海原  治君         防衛庁参事官         (教育局長)  島田  豊君         総理府事務官         (経済企画庁総         合計画局長)  向坂 正男君         総理府事務官         (科学技術庁長         官官房長)   小林 貞雄君         総理府技官         (科学技術庁研         究調整局長)  高橋 正春君         大蔵事務官         (主計局長)  佐藤 一郎君         文部事務官         (大学学術局         長)      杉江  清君         厚生事務官         (大臣官房長) 梅本 純正君         厚生事務官         (大臣官房会計         課長)     戸澤 政方君         厚 生 技 官         (医務局長)  尾崎 嘉篤君         厚生事務官         (薬務局長)  熊崎 正夫君         厚生事務官         (保険局長)  小山進次郎君         厚生事務官         (年金局長)  山本 正淑君         社会保険庁長官 大山  正君         厚生事務官         (社会保険庁医         療保険部長)  坂元貞一郎君         厚生事務官         (社会保険庁年         金保険部長)  実本 博次君         労働事務官         (職業安定局         長)      有馬 元治君         建設事務官         (都市局長)  鮎川 幸雄君         建 設 技 官         (住宅局長)  尚   明君         自治事務官         (行政局長)  佐久間 彊君  委員外出席者         専  門  員 大沢  実君     ————————————— 二月六日  委員相川勝六君、石田宥全君小松幹君、野原  覺君、山花秀雄君及び稲富稜人君辞任につき、  その補欠として西岡武夫君、滝井義高君、岡田  春夫君、石野久男君、八木一男君及び佐々木良  作君が議長指名委員に選任された。 同日  委員西岡武夫君、石野久男君、岡田春夫君、滝  井義高君及び八木一男辞任につき、その補欠  として相川勝六君、野原覺君、小松幹君、石田  宥全君及び山花秀雄君が議長指名委員に選  任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十年度一般会計予算  昭和四十年度特別会計予算  昭和四十年度政府関係機関予算      ————◇—————
  2. 青木正

    青木委員長 これより会議を開きます。  昭和四十年度一般会計予算昭和四十年度特別会計予算昭和四十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行ないます。  大原亨
  3. 大原亨

    大原委員 私は、ただいまから、医療問題を中心といたしまして総理大臣ほか各関係閣僚質問いたしたいと存じます。  まず最初に佐藤総理大臣にお尋ねいたしますが、現在、御承知のように、中央医療協社会保険審議会社会保障制度審議会、あるいは健保連の行政訴訟その他、それぞれの場面を通じまして提起されておりますように、九千万の国民の生命と健康を守るところの医療保険の問題が非常に大きな政治問題となっておるのでございますが、私は、この問題を解決をするにあたって、総理大臣としてのこれらの諸問題に対する基本的な考え方につきまして質問をいたしたいと思うのであります。  私は、まず第一に、中医協をめぐる問題の中で神田厚生大臣政府代表してとられた措置について、日本の医療保険の上から申し上げまして、非常に見のがすことのできない問題があると思うのであります。その一つは、中央医療協診療報酬の問題について、社会保障制度審議会はそれらの配分問題等をめぐって表裏一体の関係にあるわけでございまするし、特に中央医療協は、支払い側診療、そうして歴史的に幾多の変遷を経てまいりましたが、公益委員、この三者構成をもって国民医療保険についての共通の土俵をつくろうとしておりました。この問題に対しまして、政府、特に神田厚生大臣の今日までとられたそういう医療協に対する態度について一つは大きな問題があるのではないか。この中央医療協というのは、単なる同じ協議会審議会という名前がついておる諮問機関とは違うのではないか、この点に対する認識が非常に誤っておるのではないか、この問題が一つであります。もう一つは、今日の九・五%の医療費値上げ、そうして保険財政赤字、そういう問題と結びついて、健康保険制度保険料その他の改善という、国民立場から考えてみますと、その権利義務に非常に大きな関係のある一大改革を中央医療協においては議論されておった、こういう点から考えてみますと、神田厚生大臣中央医療協に対してとられた態度というものには非常に大きな問題があるのではないか。  そこで、佐藤総理大臣に、この二点を踏まえながら、この問題となった医療問題に対する解決について、中医協やあるいは社会保障制度審議会に対して、総理大臣としてどのような態度で臨むのか、どのような態度総理大臣としてはこれに対処しようとしているのか、こういう点につきまして、まず総理大臣考え方を明らかにしていただきたいと思うのであります。
  4. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 大原君にお答えいたします。  ただいまお話しのように、中央医療協議会、これは支払い側受け取り側、同時に公益委員、この三者の構成でこの協議会が形成されておる、これはお説のとおりであります。しかも、この公益委員国会の承認も経て協議会が形成されておる、かように非常に大事な機関だ、かように考えております。この協議会答申、これは私ども尊重していかなければならない。ただいま申し上げるように、この構成に各界を代表したというか、それより以上に、対立する立場にあるもので構成しておる、その中をとる公益代表、こういう方もあるわけでありまして、したがって、協議会構成そのものは、双方、並びに中正な立場に立つ者も意見が述べられるというわけで、たいへんけっこうな組織、制度だと思います。  いままで中央医療協議会におきまして、それぞれ答申を得てまいりましたことは、これは御承知のとおりであります。しかし、今回の問題は九・五%という、いかにも大きい改定である、そういう意味から、この協議会十分審議はしていただいたが、なかなか最終的な結論に達することができなかった、かように思うのでありまして、ただいまお話しのように、さらにそれに引き続いて社会保障制度審議会等も開催しておるようでございますが、私は、こういう審議会がそれぞれその権限に基づいての答申をされるように心から望んでおる次第であります。
  5. 大原亨

    大原委員 総理大臣の御答弁ですが、もう一回重ねて簡単に質問いたします。  中央医療協は、申し上げましたように、三者構成ですし、支払い側といいましても、これはいつも一完全に一致するものではないのであります。たとえば、労働団体でも総評や同盟もありますし、あるいは保険団体もあれば、国民健康保険のような自治体に関係深いところもあるし、事業主団体もある、こういう構成団体支払い側をやはり良識のある公益委員やあるいは良識のある厚生大臣がこれを領導するならば、これは、医師会中央医療協土俵にのぼったのでありますし、支払い側もこの土俵を尊重しようというのでありますから、問題の解決ができないという見通しはないと私は思うのであります。そういう点で、社会保険審議会中央医療協議会は今後も尊重する、法律権限に基づいて尊重するということにつきまして、総理大臣の所信を明らかにしてもらいたい。
  6. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 もちろん、こういう制度審議会等を設けております以上、これを尊重するのは当然のことであります。尊重しないようなら、こういう制度は全然必要ございません。
  7. 大原亨

    大原委員 それでは、総理大臣に、大きな問題点につきまして、むずかしい質問はいたしませんが、総括的な質問をいたします。  なぜこの医療費問題がこんなに重要な問題として提起をされておるのか、こういう点について、私は、総理大臣以下政府皆さん方認識が足りないのではないか、こう思うのであります。一つ、ここに政府管掌健康保険、これは一千二百十二万人の被保険者を持っておるのですが、平均給与は大体二万一千三百円であります。法改正によりますと、総報酬制をとりますと保険料が一五%上がるわけであります。一五%上がりますと、これが三百十八億円であります。それから薬の本人半額負担頭打ち二千円ということになりますると、薬代で二百五十三億円要るのであります。そうすると、この二つを合計いたしますと五百七十一億円、給付保険関係で五百七十一億円の負担がかかってくるのであります。そこで、一方、佐藤内閣が非常に大宣伝をされておりますけれども、大幅減税、この大幅減税個人所得税減税額をとってみますと、ちょうどぴたり五百七十一億円であります。社会開発人間尊重大幅減税、こういうことを主張いたしておられる政府施策減税が五百七十一億円ですが、一方においては、たくさんの健康保険があるのだが、千二百十二万人の被保険者を対象とする政管健保において、薬代負担増保険料の総報酬制による支出増というものが五百七十一億円です。減税にちょうど匹敵するようなそういう金額を、平均給与が二万一千三百円ですから、最低生活を割るようなそういう人々中小企業に多いわけですけれども、この改悪はですね、そういうところからごっそり取っていくというのであります。社会開発とか大幅減税とか人間尊重と言われる総理大臣は、これについて真剣に考えなければならぬと思うのですが、これに対するあなたの考えをひとつ聞かせてもらいたい。
  8. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 ただいま政府管掌保険についてのお話でございます。金額はいろいろの計算があろうかと思いますが、私は、その計算よりも、今回の政府管掌健康保険についてとったような態度をもしとらないとすると、さようにいたしますと、国民負担の均衡の面からも問題があると思います。組合健保あるいは共済健保、そういうところも同じような扱い方をしなければならないのじゃないか、かように私は考えます。
  9. 大原亨

    大原委員 これは答弁になりませんけれども、あと逐次こまかな質問はいたしますが、保険料の一五%値上げ一緒薬価負担本人半額と二千円の頭打ちで課すると、つまり、いままでの十割給付というものが八割三分の給付になるのです。つまり、十割保険に対しまして八割保険になるわけであります。これは医療保険後退ではないですか。社会保障の大後退ではないですか。この点は総理大臣はどう考えられますか。
  10. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 これは、ただいま社会保障と一言に言われますが、ただいま健康保険の問題が議題になっておるわけであります。私は、この保険財政基礎を強固にしない限り、この種の施策は続いていかなくなる。それこそこの基礎を強固にすることが本来の筋であって、その意味後退、かように言ってしまうことは独断ではないか。私は、この制度を強固にしたい、こういう立場でいろいろ考えておるわけであります。
  11. 大原亨

    大原委員 財政問題を総理大臣は言われておりますが、この財政問題は、財政問題と薬務行政の問題について私が事実をもって徹底的に明らかにしますから、これはひとつあとでお答えいただくといたしまして、もう一つ私は例をあげて総理大臣見解をお聞きしたいのであります。  総報酬制政府管掌健保によってとりますると、これは漸次他の制度にも及ぶのでありますが、しかし、総報酬制によりますると、月給五万円の場合をとってみますと、その保険料は一千六百三十八円から二千六百六十九円、月に大体千円上がって、一年間に一万二千円の保険料の増大になるのです。しかし、一方では、この人は所得税減税が幾らになるかといいますると、これは大体年額七千円なんであります。年額一万二千円を保険料で取っておいて、所得税減税は一人について七千円なんですね。こんな政策がありますか。保険料というのは、これは事業主か、あるいは国民健康保険でしたら保険税というのですから、被保険者本人、それに対しまして強制徴収、差し押えをやるのですよ。だから、これは何が減税なんですか。そういう政策、しかもひずみ拡大、最低生活へ食い入るようなそういう悪税、そういうふうな改悪というものが、簡単に厚生大臣あるいは田中大蔵大臣その他関係諸君覚え書きやその他メモによってきまるというふうな、そういう政治というものが一体どこにありますか。実際に保険料はこういうふうにふえている。そして、税金はこれだけしか減っていない。これじゃ何がひずみの是正なんですか。人間尊重なんですか、人命尊重なんですか、歩行者優先なんですか。私は、総理大臣、もう一回これは国民の前に見解を明らかにしてもらいたい。
  12. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 話がだんだんほかへそれるようですが、医療制度医療保険、その立場について私は申し上げたいと思います。すべての国民が病苦と戦う、その場合においてこの保険制度、これが今日まで役立っておることは私も認めますし、また力を入れなければならない。それがただいま御指摘のように人間尊重の問題であり、これこそ私どもが力を入れるべきことだ、この点については私も同一の見解を持っております。  しかしながら、ただいまの総合所得に対する保険料、このことが、他の税と比較してこの改正は行き過ぎじゃないか、こういう御批判がございましたが、やはり保険料という立場に立てば、総合所得、その観点に立って保険料を支払うのが本来の筋だと私は思います。この点はただいまの保険料支払いのその基準そのものについて、御意見一緒ではございませんけれども、私は今回の改正は筋がある、かように考えております。
  13. 大原亨

    大原委員 全然了解できませんが、もう一つ実例を示しましょう。  皆保険といいますけれども、九千万の国民医療が今日完全に保障されておるのじゃありませんよ。総理大臣、誤解ないようにしてください。つまり保険料の料率の引き上げその他改定によって最低生活費を割る。つまり大蔵大臣所得税減税のときに言われる標準家族の五十四万四千、そういうのを割ったところまで保険料がかかっておるのに、保険料が増大される。実際にいろいろ調査してみると、現在医者にかかりたくてもかかれない、そういう潜在疾病といいますが、潜在疾病人々がどのくらいおるか御承知でありますか。そういう低所得階層貧困階層、特に長期の療養者に対しましても、薬の負担の二千円を課するのですよ。潜在疾病の人が長野県、秋田県では  自分が医者にかかりたくてもかかれない、医者はかかりなさいと言っても、生活その他の問題でかかれない、そういう人々が調査によると七〇%いる。東京でも四〇%はそういう該当者である。だから、皆保険といいましても、完全に医者に健康の相談をして、安んじて働いていけるというふうな、そういう条件の人はいないのです。それに対しまして薬代を二千円まで負担をさせる、こういうことは後退ではないのですか。後退ではないのですか。これをひとつ国民の前に明らかにしてください。
  14. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 金額、その負担の点だけで指摘なさると、今度は負担がふえた、これは後退ではないか、こういう御批判が当たろうかと思います。しかしながら、この保険制度を維持していく、こういう意味で、これが基礎が強固になる、こういう意味から見れば、私は、前進だ、かように考えております。
  15. 大原亨

    大原委員 逐次核心に進んでまいりますが、その前に、一つ問題点といたしまして、中央医療協をめぐる問題を私はこれから厚生大臣質問いたしますが、中央医療協をめぐる問題の中で、議事録やその他を中心といたしまして、私が事実について問いただしたい点につきまして、簡潔に厚生大臣質問いたしますから、てきぱきとノーかイエスかを答弁してください。  第一は、十二月二十二日に、中央医療協支払い委員が十一月二十日のいわゆる神田田中メモ、この覚え書きを読み上げて確認したというけれども、このことは事実ですか、神田厚生大臣
  16. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。いまお述べになられたことは、大蔵大臣と党の三役とかわしたメモのことの意味ということでございますれば、そのとおりであります。
  17. 大原亨

    大原委員 これは、十二月の二十二日の中医協で確認したということを神田厚生大臣はいま答弁されました。これに関連してけしからぬことがあるのですが、これはあとで申し上げます。  第二の問題は、十二月二十八日の閣議決定直後、中医協にかけつけた神田厚生大臣は、神田田中、自民党三役の覚え書きどおり閣議決定いたしました、つまり九・五%の医療費値上げ保険料値上げ薬代負担でありますが、そういう赤字財政対策も含めてですが、そういう報告をしたのが議事録に出ておりますが、間違いありませんか。
  18. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。  これは、そういうお聞き方をされますと、少し事情を申し上げないと真意が尽くさないのじゃないかと思いますが、いま総理との応答にもございましたように、保険財政が非常に悪化してまいっておりますので保険財政を確立したいということでございまして、医療費値上げしたからそれをやるのだという直接の関係ではないのでございまして、健保財政全般を検討いたしまして、そうしてそういう処置をとらざるを得ない、こういうことでございます。
  19. 大原亨

    大原委員 第三、十二月二十八日、二十九日の徹夜の中央医療協におきまして、大臣秘密会を要求をいたしまして、薬の半額負担は与党内にも反対があるから、発表については、この点は取り消します。こういうことを言ったといいますが、事実ですか。
  20. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。  秘密会をお願いしたことも事実でございますが、事が秘密会でございますから申し上げないことにします。
  21. 大原亨

    大原委員 第四番目、十二月三十日、厚生大臣支払い側に会談を求めまして、中医協再開について協力を求め、公益委員辞任引きとめ方を年末に要請した。最後厚生大臣は、支払い側磁力要請一緒に、つまり国会再開になると与野党の議員がうるさいから、一月二十日までに答申をしてきてください、また九・五%にこだわるものではございません、こういうことを支払い側代表に話をしたということは事実ですか。
  22. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。  三十日の日でございますか、支払い側においでいただきまして懇談いたしたことも事実でございます。また、その際、公益委員辞任の申し出を許すにつきまして、弾力性を持とうというお話をしたことも事実でございます。同時にまた、支払い側につきましても、弾力性を持ってもらいたい、お互いにひとつ歩み寄って、そして三者の納得いくようにしていただきたい、公益委員をそういうことでひとつ御説得して留任していただこう、こういうことで両者意見が一致したことは事実でございます。
  23. 大原亨

    大原委員 第五の質問ですが、一月九日の午後十時過ぎに、支払い側代表公益委員に対し、九・五%案は機関にそれぞれ持ち帰って討議をしたい、十日は日曜日であるから十一日に機関招集をして十二日回答ということで申し出た。そのとき公益委員は、十一日までは待ちましょう、と返事をした、ということを厚生大臣は聞いておるはずでありますが、聞いておりますかどうですか。
  24. 神田博

    神田国務大臣 そのような報告をいただいております。同時にまた、そのときあわせまして、そういう十二日までお待ち願いたいという御返事のあったことも聞きましたが、十二日まで待って話がまとまるかということについての裏づけがなかったので、と、こういうことをあわせて聞いております。
  25. 大原亨

    大原委員 第五の質問ですが、一月十二日の最後中医協で、一月一日遡及のため一月十日を過ぎると法律上の疑義が出るという公益委員見解が示され、これは厚生省見解でもあると公益委員が発言したというのは事実でありますか。
  26. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。  その会合には私が出ておりませんので、これは私のほうの小山政府委員が出ておりましたので、そちらから答弁させたほうがよろしいかと思います。
  27. 大山正

    小山政府委員 ただいまの問題は、一月の九日を過ぎて遡及実施するということは、従来の慣例上から見ても、また法律を適用する態度から見てもとるべきじゃない、そういう意味で一月の九日を過ぎた遡及適用というのは厚生省としては考えたくないということを言っております。
  28. 大原亨

    大原委員 第六の質問公益委員報告、つまり、これは中央医療協答申ではない、が出されたのは、一月十日の午前零時二十分、印刷ができ上がったのは十三日、これは間違いありませんね。
  29. 神田博

    神田国務大臣 この点も、正確を期するため政府委員から答弁させたいと思います。
  30. 大山正

    小山政府委員 決定をいたしましたのは一月の九日の十一時五十分でございます。それから官報に掲載をして配布されましたのは一月の十三日でございます。
  31. 大原亨

    大原委員 これは、十一時五十分と私の零時二十分との差がありますが、この点につきましては、私はちゃんと証人がありますから、あとでまた資料を出します。   〔発言する者あり〕
  32. 青木正

    青木委員長 静粛に願います。
  33. 大原亨

    大原委員 その次は第七、一月十二日の最後中医協の席上において、支払い側の追及に対して、九日に公益委員報告を出した理由については、磯部会長の発言によると、医療上の混乱のほか、一部に不必要と思われる機関検査などをやり医療費の増収をはかるという不当行為があると考え云々、という発言があったというのは事実ですか。これは非常なことですよ。
  34. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。  当日も私は中医協に出席しておりませんので、出席しておりました小山政府委員から……。   〔発言する者多し〕
  35. 青木正

    青木委員長 静粛に願います。
  36. 大山正

    小山政府委員 十二日の中医協で会長がそういうふうな説明をした事実はございます。後ほど、これについて医療側の委員から、そういうふうなうわさがあるということで会長がそういわれたと思うけれども、それでよろしいかという質問がありまして、会長は、そうですと答えております。これは十二日の中医協のことでございます。
  37. 大原亨

    大原委員 これで、中医協をめぐります問題点に対し、非常にこれは重要な問題ですから、私がこれから質問をいたしまする前提となる事実について、見解についての一致点を私は明らかにしたいと思って質問いたしました。  もう一つ、私は総理大臣意見を聞きたいのですが、私は総理大臣の率直な中医協に対する答弁については賛成ですけれども、しかし中医協は、たとえば会長に、末広会長とか、あるいは有沢会長とか、中山会長とかいうふうな人はなかなか期待できないにしても、私はいろいろ問題があったと思う。せっかく支払い側診療側も共通の土俵に上がってこの問題を審議しよう、こういうことであったのですが、しかし、公益委員に対する信頼関係、相互の人間関係立場考え方の相違はあっても、そういう場がくずれた。これは、厚生大臣の行動に非常に深い関係がある。それと一緒に、総理大臣に私はこの点はお聞きいただいて、別な機会に御答弁をいただきますが、このように問題を紛糾さした原因の一つに、厚生省の事務次官の某君があって、そうして支払い側にいろいろな疑義を振りまいておるけれども、この方は、近く某県の地方区で参議院に出られる方であるけれども、なお現在現職にある。これは、新聞によるとそういうふうにきまっておる。そういうことで政治的な問題とからまっていろいろな疑惑が発生した。このことが一つ。  それから、公益委員の中に、これはかつて労働事務次官をした人でありますが、労災関係理事長をつとめた人があって、そしてみんなが真剣に審議をいたしておりまする一月九日、職権告示などということを口走って、非常に軽率な動きをした人がある。これらの行動についていろいろな揣摩憶測がなされておって、これは不当に問題をこじらしておるのであります。高級官僚の地位を利用しての選挙運動その他は相当議論になっておるし、あるいはそういう該当者はどんどん事前に退職をいたしましていろいろやっておるけれども、しかし、このことは、事少なくともこの一千億の医療費の増大その他赤字対策について議論をする、そういう場所においてそういう疑惑が発生するということは、まことに遺憾である。これは規律の問題にも関係いたしますが、この問題を私は指摘をいたしておきます。総理見解はどうですか。
  38. 佐藤榮作

    佐藤内閣総理大臣 いろいろ例をあげて、そうして御批判、御意見を立てられましたが、私は、どうもお説には賛成をいたしません。今日の事務官僚も十分その職責に熱心だ、かように私は考えております。
  39. 大原亨

    大原委員 それでは、いよいよ本論に入ります。  まず厚生大臣にお尋ねいたしますが、先般の二月一日の予算委員会の審議におきましても、横路質問に対しまして質疑応答があったわけでございますけれども、これに対しましては、法制局長官見解の表明もありました。そこで私は、この行政上の責任者である神田厚生大臣にお尋ねをいたしますが、中央医療協の立法の趣旨、これは健康保険法四十三条と、そして中央医療協と表裏一体の関係にある社会保険審議会権限等を規定をいたしておりまする健康保険法二十四条ノ二、この立法の趣旨、そして「諮問スルモノトス」という、そういう法律の解釈、この点につきまして先般議論がありましたが、今度は責任者の厚生大臣に、法律について知らぬということはないから、厚生大臣見解をお聞きいたします。
  40. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。  中医協の問題につきましては、法律はいまお述べになられたような趣旨でございまして、支払い側診療側、さらに公益委員というような三者構成になっておりまして、しかも、この公益委員につきましては両院の議に付するということになっていることは、御承知のとおりでございます。私は、この中医協の存在というものについては、その性格を十分承知いたしておりまして、そのお考え方というものは尊重してまいりたい、こういうふうに考えております。支払い側診療側の両者は相互の利益が相反する場合がございますので、公益委員がその中でお働き願っております。  しかし、今回の場合は緊急是正でございまして、一般的最終的な是正ではなく、昭和三十六年以来、物件費、人件費の上がった緊急是正をしたいということが主体でございまして、昨年の四月にすでに答申を終えておりまして、その配分をお願いする、その答申をさらに検討を加えまして、その後の物件費あるいは人件費、米価等の値上げに伴う分の一・五が加えられて、そして自動的に計算された数字をお願いしたわけでございます。  そこで、その両者の一号議員、二号議員、いわゆる支払い側診療側との意見がなかなか一致したかった。そこで、一致させるのはなかなかむずかしい。究極は、公益委員としてはこういうふうに考えているから、大臣がそういうふうにおやりになるのがしかるべきだという答申を受けて、そしてまあ踏み切った、こういうことでございます。  それから、あと社会保険審議会答申の問題でございますが、いま大原さんがおっしゃったとおりでございまして、諮問することになっておりますので、いま健保法の改正を諮問しておる、こういう実情でございます。
  41. 大原亨

    大原委員 中央医療協議会は、九・五%値上げ診療報酬と薬価基準引き下げに伴う総医療費三%分の分配について諮問があったわけですが、それとうらはらの関係にあるのが社会保険審議会であります。その規定は、それぞれ同じような原則の上に立って規定をされて、そして実体規定を受けて組織上の規定をしている、社会保険審議会医療協議会に関する法律がある。そういう関係において不離一体の関係にあるという点については、厚生大臣は認めておりますか。
  42. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。そのとおり考えております。
  43. 大原亨

    大原委員 それでは、質問の時間を効果的にするために、先般の横路質問に対しまして問題となりました点を、厚生大臣にもう一回お聞きします。  それは、社会保険審議会の所掌事項を決定いたしております健康保険法の二十四条ノ二でありますが、二十四条ノ二は「企画、立法又ハ実施ノ大綱ニ関スルモノハ予メ社会保険審議会二諮問スルモノトス」と、こういうふうになっておるわけでございますが、「諮問スルモノトス」というのは、諮問をして答申を受ける、こういうことが当然のことであるというふうに法制局長官は解釈をいたしております。その点につきまして、あなたの見解を明らかにしてもらいたい。
  44. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。いまお述べになったとおりに私も考えております。
  45. 大原亨

    大原委員 そこで、十一月二十日の、田中神田、自民党三役と交換をいたしました覚え書きによりますと、九・五%の医療費値上げの問題と、そして薬剤費の患者の一部負担保険料値上げについての取りきめをいたしておりますが、十一月二十日に、そういう覚え書きをもって政府と与党間が決定をするということは、中央医療協並びに社会保障制度審議会の立法の趣旨や法律の規定を無視するものではありませんか。
  46. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。  いままで社会保険審議会あるいは社会保障制度審議会等に諮問をいたす際に、政府が案を考えないで、こういうことをしたいというような包括的な諮問の方法もあると思いますが、同時にまた、政府態度を一応考えまして、政府はこういうふうに考えておる、ここで諮問をいたしたい、こういうような出し方があるようでございます。おおむね後者の出し方が前例によりますと多いようでございます。
  47. 大原亨

    大原委員 この法律は、申し上げましたように、「厚生大臣」は、途中を飛ばしまして、「企画、立法又ハ実施ノ大綱二関スルモノハ予メ社会保険審議会二諮問スルモノトス」と、こういうふうに書いてある。これは十二月二十二日に中央医療協に諮問をした。それから一月三十日に社会保険審議会に諮問をした。そうして、その前に十一月二十日に政府と党の間に覚え書きを交換して決定をした。これは大蔵大臣答弁されたとおり。そして二十八日に、私が先ほど質問をいたしましたように、閣議決定をしたということを、審議の過程の中央医療協で軽率だといって、すべての人々から批判をされたらしいが、神田厚生大臣が記録に残すような発言をしておる。このことは、企画、立法、または実施の大綱に関するこのような重要なことを中央医療協の場面に、社会保障制度審議会の場面に、そして重要な内容——その問題については申し上げましたけれども、議論は一致いたしましたけれども、そういう大綱に関するものはあらかじめそういう三者構成の場において政府考え方を述べて諮問をするという、そういう手続をとらないということは明らかに二十四条ノ二の違反である、厚生大臣、いかがですか。
  48. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。  政府の考えがきまりましたら、すぐ諮問をするのが一番ベターだと思いますが、しかし、やはりそれにはいろいろ準備がございます。またほかの仕事もございますので、なかなかそれだけにかかっておるというわけにもまいりませんので、今回とられたような処置になったわけでございます。
  49. 大原亨

    大原委員 私が尋ねておるのはこういうことですよ、厚生大臣。あなたは大綱について、こういうふうな考えについて諮問をする、こういうことで、この問題は非常に大きな利害関係や立法上の問題を伴うのであるから、大綱について事前にあらかじめ関係者の意見を聞く、こういうのが法律の趣旨なんです。立法の精神なんです。であるのに、既成事実をどんどんつくって、そして閣議決定の後に、予算編成の後に中央医療協社会保障制度審議会を開く、こういうふうなことは、企画、立法その他の大綱についてあらかじめ付議するという二十四条ノ二の違反ではないか。いかがです。それが一つの大きな問題ですよ。
  50. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。  いまいろいろお尋ねでございましたが、政府が最終決定するということは、答申をちょうだいいたしまして、そして閣議にかけてきめるのが最終決定でございまして、まだその段階でなくて、諮問している段階と御了承願いたいと思います。
  51. 大原亨

    大原委員 あなたは、中央医療協議会や、あるいは十二月四日の本予算委員会の一般質問においてもそうですか、この一月の社労の委員会においてもそうですか、この決定はあなたが言うた。その諮問案の事項は政府決定ではない、こういうふうなことをあなたは言っているのですね。大蔵大臣は、先般の横路質問に対しましては、これは政府・与党できめたんだ、こういうことを言っているのです。そうして、予算案を閣議で一括決定した後に医療協の審議の席上に臨みまして、その決定を軽率にも報告しておるわけです。ですから、全然、この申し上げました大綱についでは、医療費値上げとその分配負担の問題については既成事実をつくった上で押しつけて、しかも職権告示という方法をもってこのことをやったということは、明らかに、いまあなたがお話しになりましたけれども、この二十四条ノ二の精神に違反をするのじゃないか。二つの違反をおかしているのじゃないか。あらかじめやれなかったことが一つと、職権告示でこのことを強行するというふうなことは、これは明らかに法律違反ではないか。
  52. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。  問題が二つあると思います。いわゆる職権告示をしたという問題ですね。これは、一昨年以来中医協に諮問をいたしておりまして、昨年の四月に答申をちょうだいいたしております。昨年の四日の答申は、いわゆる点数割合等を、あるいは技術配分をするようにということでございまして、その手続に手間どった、配分は中医協にまたかけなさいということでございまして、その後の物価変動等を加えたものを諮問した。御承知のように答申についてはいろいろ議論もございますが、おおむね八%というようなことを言っております。(大原委員「そんなことは聞いていない」と呼ぶ)一〇%をこえないというようなことも言っておりますが、これは別といたしまして、自動的に計算いたしました九・五というものを中医協に審議をお願いいたした。中医協の審議が一号側、二号側の御意見がまとまらなかった。まとまらないと緊急是正でございまして、初めから、一昨年の暮れから緊急是正をしたいということが延び延びになっておったわけでございます。答申も四月に出ていまして、学識経験者のいわゆる公益委員が一致いたしまして、そうして答申にかわる報告をしてきた。その中には、私どもの提案したものに対して修正を加えて持ってまいっております。公益委員のおっしゃることは、これはやはり一つ答申にかわるものというような、重大な尊重すべきものだ、私はこう考えておりまして、そうして、緊急是正でございますから、これを行政的な処置をした、こういうことでございます。  それからもう一つの、あとの、いま法案を国会に出したい、いわゆる健保財政の健全化のためにとられている処置、方法等については社会保険審議会にいまお願いしております。一月の三十日に提案いたしております。それから社会保障制度審議会には一月一日でございますか、それぞれお願いしております。これらの問題は、政府の考えているところを明らかにして、そうして審議がそのほうがやりやすく願える。審議会は独自の見解でおやりになるのでございますから、これはどういうふうな結論を出されますか、それはいま私がとやかく申し上げる筋ではございません。政府がこうなんだから何でもこうせいというような、そういう横着な考えは持っておりません。法律にきめた審議会でございますから、そこで十分ひとつ御検討願いたい、こういうことでございます。そうして法案の最終にきまるのは、政府の最終意思決定は、それが御報告を受けて、そうして最終法案として国会に提案をすると閣議できめたときに政府の意思が固まった、こういうことでございまして、いま政府の意思は、こういうものを出したいと思うがどうだ、こういうことをしたいと思うがどうだという腹案を出しておる段階だ、こういうふうに私申し上げておる次第であります。
  53. 青木正

    青木委員長 滝井義高君から関連質問の申し出があります。大原亨君の持ち時間の範囲内においてこれを許します。滝井義高君。
  54. 滝井義高

    滝井委員 いま神田厚生大臣答弁を聞いておりますと、十一月二十日に田中大蔵大臣と取りかわした覚え書きというものは、これは全く政府内部で覚え書きを取りかわしただけであって、それは、別に社会保険審議会その他を拘束するようなものでないようなお話をしておるわけです。そうではないわけです。どうしてそうではないかというと、昨年の臨時国会ですでに九・五%をあなた方は決定して予算を出してしまっておる。このことはすでに政府の意思が先行し、予算を確定しておることを意味するのですよ。去年の臨時国会で九・五を出しておる。したがって、これはもう明らかにあなたが手続を違反してしまっておる、法律違反を。去年の暮れに出してしまっておる。(発言する者あり)二重人格ではないのです。法律違反はだめなんです。そうでしょう。田中さん、臨時国会できめたんでしょう、九・五%を。生活保護その他全部きめておるのです。だから九・五を……。   〔「そのほうが先決だ」と呼び、その他発言する者多し〕
  55. 青木正

    青木委員長 静粛に願います。
  56. 滝井義高

    滝井委員 九・五をきわめてしまっておる。九・五を去年の臨時国会できめて、生活保護その他は全部九・五で予算を組んでしまったのですよ。だから、あなた方は間違っておることは間違っておったということを言うことがほんとうだと私はあなたに何回か忠告している。これは私の手続の誤りであったと、やはり政治家は間違ったことをやったら間違ったということをあやまらぬから、こんなに問題が拡大してくるのです。あなた自身の問題じゃない。だんだん佐藤さんの政治生命に関係してきつつあるんですよ。だから、私はこの前から言ったんです。事務当局その他がいろいろ言っておるけれども、これは早くものごとをきちっとやらなければいかぬのだ、サルカニ合戦の握りめしとカキの種があって、あなたが握りめしを食うことにあわててカキの種があることを忘れておったのだ。だから、すみやかにこれはあやまちを改めなければいかぬということを私は指摘をしておったはずなんです。九・五は去年の臨時国会できめてしまった。予算をきめたんですよ。どうするのです。
  57. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。  九・五を臨時国会できめたじゃないかということ、これは私どもから申しますれば、用意をした、こういうことでございます。審議会にかける、そういう考えでございます。予算上の処置をした、心がまえをした、こういうことでございまして……。
  58. 滝井義高

    滝井委員 ひとつそのメモを、あなたと田中さんとやったメモを出してもらいたいと思うのです。
  59. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。  これは内輪のメモでございますから、ここで差し上げるということはいかがかと思いますが、いずれ御相談いたしまして、またあらためてお返事申し上げたいと思います。
  60. 滝井義高

    滝井委員 あなた方の意思の決定の時期というものが非常に重要なんですよ。去年の十一月の初めに始まって十二月の十八日に終わった国会では九・五を決定してしまっておるのです。しかもあなた方が、田中さんとあなたと三役との間にきめたメモは一体いっその意思が決定されたかということなんです。同時に、それは国会でも議決をしている。そうしますと、審議会というものは諮問機関ですから、もはやかけたって国会の意思をひるがえすことはできないのです。国会で九・五をきめてしまっておるのですから、できないのですよ。そうすると諮問というものは諮問にならないのです。
  61. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。  予算をきめたということは、当時も申し上げましたように用意をしたということでございまして、そのとおり支出が可能かどうかは、それぞれのやはり手続を経なければならない、こういうことじゃなかろうかと思っております。予算をきめたから、何でもかんでも予算どおり出すというものではない、こういうふうに私ども考えております。
  62. 滝井義高

    滝井委員 そうはいかないんですよ。予算をきめた前提が、九・五%を予算はきめておる。予算はもうかちっときまったんですよ。そうして、その九・五のきまる前提は何であったかというと、覚え書きが必要になってくるんですよ。覚え書き基礎になっておるんですよ。この前、私、十二月にはちゃんと質問しておるんだから、質問をした結果、もはやこの二つというものは、代案がないからにはよう改正せぬという答弁田中さんがしておるんだから、覚え書きを出してもらわなければ——いつ一体しておるんですか。
  63. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。  いまの大蔵大臣厚生大臣自民党の党の三役の申し合わせのメモをお出しするようにということでございましたが、これはよく相談いたしまして、これは内輪のメモでございますから、出すものかどうか、ひとつ私だけで……。
  64. 大原亨

    大原委員 いまの質問で事態はますますはっきりしたと思うのですが、臨時国会で予算をきめて、その直後十一月の二十日に、田中神田、自民党三役の覚え書きをつくった。その覚え書きについては、横路質問に対しましてはっきりとここに議事録に出ておる。田中大蔵大臣は、そのとおりきめましたと言っている。その中には二つのことが言われておるのであるけれども、私どもが資料要求をいたしました。国会でも論議になっておるし、田中大蔵大臣もきめました、そのとおりです、こう言っておる。だから、九・五%値上げ赤字対策に伴うて、保険者負担関係のある事項の薬価と保険料値上げについて、大蔵大臣が言うように決定をした覚え書きを出してもらいたい、そのことを当然出して私どもは審議を進めていくことが、これが今日の混迷を打開をする道である。出してもらいたい。   〔発言する者あり〕
  65. 青木正

    青木委員長 ちょっとお待ちください。ちょっとお待ちください。   〔「議事進行」と呼び、その他発言する者多し〕
  66. 青木正

    青木委員長 ちょっとお待ちください。ちょっとお待ちください。  その前に、法制上の見解を高辻法制局長官から答弁があるそうでありますから、ちょっとお聞きください。——ちょっとお聞きください。
  67. 高辻正巳

    ○高辻政府委員 ちょっと申し上げます。  ただいま御質問にありました諮問をするということについては、むろん健康保険法の審議会の二十四条ノ二にありますように、企画についても諮問する道はございます。ございますが、予算についてそのもとがきまったときには諮問すべきであるというお話でございますが、予算は、この場合立法がないと実は執行ができないことでございます。したがって、立法があって初めてその予算の執行ができるわけでございます。したがって、予算を生かすのは立法の段階においてでありますので、その立法の段階において諮問をするということは、その予算の段階において企画と仰せられるわけでございますが、それについて諮問をしなくても、立法によって初めてその予算の執行ができるわけでございますから、その立法の段階で御諮問があればあえて法律違反ということはないと思います。
  68. 青木正

    青木委員長 議事進行について辻原弘市君から発言を求められております。これを許します。辻原弘市君。
  69. 辻原弘市

    ○辻原委員 高辻さんの法律見解をわれわれは聞かないと言っているのではない。しかし、いまここで私たちが一番問題にしていることは、それは先ほどから両委員から逐次質疑をいたしておりますように、今日の事態はどういう次元から問題が発生したかということをわれわれは追及しておるのであります。その一番の根源というものは、昨年の十一月二十日、あなたと大蔵大臣と自民党の三役の間で取りかわされたいわゆる神田田中メモなるものが今日の事態を招いておるということを私どもは指摘している。しかも、そのメモに重要な二つのことを定めてある。一つ医療費値上げであり、一つは薬価半額負担である。しかもそれを前提にして九・五%の予算化をした。それを前提にして諮問をした。こういう事態が、中央医療協を完全に無視して、あなた方があらかじめ答申なきことを前提にしてこれを強行したという事態になっておるから、まず問題の追及は、われわれはそのメモの内容をしさいに知らなければならない。あなたは先ほど、それは内輪の問題だから云々ということを言われたが、そうではなくて、これは、臨時国会でもこの予算委員会において明らかに答弁をしておる。どう言っているか。この二つの条項については、代案がなければ変更できませんということをここで公言をしている。代案がなければ変更できないということは、医療協答申は無意味だということをこれは雄弁に物語っておる。だから私どもは、そのメモの内容というもの、メモの効果というものは一体どういうものであるかということをさだかに知らなければならぬという意味において、先刻からそのメモの提出を求めておる。あらためて委員長、われわれはこの神田田中メモを当委員会に提出されんことを要求いたします。
  70. 神田博

    神田国務大臣 お答えいたします。  いわゆる田中大蔵大臣また私、党の三役の取りかわしたメモをここへ出せということでございますが、これは、私どもの申し合わせと申しますか、大蔵大臣がここにおりますが、党の三役にもこれははからなければどうかと思います。私文書でございますから。私の考えからいえば、これはもう政府与党の申し合わした事項でございますから、皆さんに文書としてあらためてごらん願うというほどのこともなかろう、こう思っておるのでございます。そういう意味もございますが……。   〔「出すべきだ」「出さなければだめだ」と呼び、その他発言する者多し〕
  71. 青木正

    青木委員長 ただいまの辻原弘市君の議事進行に関連いたしまして、政府側におきましても協議の必要もあろうかと存じますので、三十分間休憩いたします。その間理事会を開きます。    午前十一時二十五分休憩      ————◇—————    午後二時二十一分開議
  72. 青木正

    青木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  昭和四十年度総予算について審議を進めます。  先ほどの辻原君の議事進行の発言に関しまして、理事会における協議の結果に基づき、神田厚生大臣から説明を求めることにいたします。厚生大臣神田博君。
  73. 神田博

    神田国務大臣 午前中御要望がございました、党の三役と大蔵大臣厚生大臣との間に申し合わせをいたしました事項を申し上げたいと思います。  医療問題はきわめて重要でございますので、昨年十一月二十日、大蔵大臣厚生大臣、党三役の間に慎重な検討をした結果、次のように申し合わせをいたしました。  一、医療費の根本解決をはかるため、党に医療問題懇談会(仮称)を設ける。  二といたしまして、昭和四十年一月一日から、緊急是正として診療報酬を九・五%引き上げる。  三といたしまして、前記の措置を行なうに伴い、昭和四十年度から薬剤費の患者一部負担保険料の引き上げ、薬価基準算定方式の改定を行なう。  以上のとおりであります。
  74. 青木正

    青木委員長 大原享君の残余の質疑は次会に行なうことにいたします。  次会は来たる八日午前十時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十三分散会