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1965-04-01 第48回国会 衆議院 本会議 第26号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十年四月一日(木曜日)
—————————————
議事日程
第二十四号
昭和
四十年四月一日 午後二時
開議
第一
航空業務
に関する
日本国政府
とマレイシ
ア政府
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求 めるの件 第二
財政法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提
出)
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
日程
第一
航空業務
に関する
日本国政府
とマレ
イシア政府
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件
日程
第二
財政法
の一部を
改正
する
法律案
(内 閣
提出
)
下請代金支払遅延等防止法
の一部を
改正
する法
律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
及び
質疑
午後二時七分
開議
船田中
1
○
議長
(
船田
中君) これより
会議
を開きます。
————◇—————
日程
第一
航空業務
に関する
日本国政府
と
マレイシア政府
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件
船田中
2
○
議長
(
船田
中君)
日程
第一、
航空業務
に関する
日本国政府
と
マレイシア政府
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件を
議題
といたします。
船田中
3
○
議長
(
船田
中君)
委員長
の
報告
を求めます。
外務委員長安藤覺
君。
—————————————
〔
報告書
は
本号末尾
に
掲載
〕
—————————————
〔
安藤覺
君
登壇
〕
安藤覺
4
○
安藤覺
君 ただいま
議題
となりました
航空業務
に関する
日本国政府
と
マレイシア政府
との間の
協定
の
締結
について
承認
を求めるの件につきまして、
外務委員会
における
審議
の
経過
並びに結果を御
報告
申し上げます。
わが国
は、英国との
航空協定
により、
昭和
三十三年以来
シンガポール
に
航空路
を開設しておりましたが、
昭和
三十八年に
シンガポール
が
マレイシア
に併合されましたので、新たに
マレイシア政府
との間に
航空協定
を
締結
する必要が生じました。よって、
政府
は、
昭和
三十九年に
協定締結
の
交渉
を行ないましたところ、
意見
の一致を見ましたので、本年二月十一日クアラ・ランプールにおいて本
協定
の署名を行なったのであります。 本
協定
は、
わが国
と
マレイシア
との間に
民間航空業務
を開設することを目的として、
業務
の
開始
及び
運営
についての
手続
及び
条件
を
規定
し、
附表
において両国の
指定航空企業
が
業務
を行なうことができる路線を定めております。
本件
は、三月三
日本委員会
に付託されましたので、
政府
から
提案理由
の
説明
を聞き、
質疑
を行ないましたが、詳細は
会議録
により御了承を願います。 かくて、三月三十一日、
本件
についての
質疑
を終了し、
討論
を省略して採決を行ないましたところ、
本件
は多数をもって
承認
すべきものと議決いたしました。 右、御
報告
申し上げます。(
拍手
)
—————————————
船田中
5
○
議長
(
船田
中君) 採決いたします。
本件
は
委員長報告
のとおり
承認
するに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
船田中
6
○
議長
(
船田
中君)
起立
多数。よって、
本件
は
委員長報告
のとおり
承認
するに決しました。
————◇—————
日程
第二
財政法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)
船田中
7
○
議長
(
船田
中君)
日程
第二、
財政法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。
船田中
8
○
議長
(
船田
中君)
委員長
の
報告
を求めます。
大蔵委員長吉田重延
君。
—————————————
〔
報告書
は
本号末尾
に
掲載
〕
—————————————
〔
吉田重延
君
登壇
〕
吉田重延
9
○
吉田重延
君 ただいま
議題
となりました
財政法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、
大蔵委員会
における
審査
の
経過
並びに結果を御
報告
申し上げます。 本
法律案
は、国の
財政
の効率的な
運営
をはかるため、
財政法
第六条に
規定
する
公債
または
借入金
の
償還財源
に
決算
上の
剰余金
を繰り入れる
措置
について
特例
を設けることとし、あわせて
財政制度審議会
の
構成
について
所要
の
改正
を行なおうとするもので、
改正
の
内容
は次のとおりであります。 第一に、
歳入歳出
の
決算
上の
剰余金
のうち、
公債
または
借入金
の
償還財源
に充てる額は、
財政法
第六条の
規定
により、現在その二分の一を下らない
金額
とされているのを、
昭和
三十八年度及び
昭和
三十九年度の二カ年
度分
の
剰余金
については、暫定的な
特例措置
として、その五分の一を下らない
金額
とすることとしております。 第二に、
財政会計制度全般
にわたって本格的な
検討
を進めるため、
委員
の定数を十二人から二十五人に増員するとともに、
所要
の
規定
の整備を行なうこととしております。 なお、
本案
に対しましては、
岩動道行
君外二十三名より
修正案
が
提出
されました。
修正案
の
内容
は、
施行期日
を改めまして、「この
法律
は、公布の日から
施行
し、
改正
後の附則第七条の
規定
は、
昭和
四十年
度分
の
予算
から適用する」ことにいたそうとするものであります。
本案
並びに
修正案
につきましては、
審査
の結果、昨三月三十一日、
質疑
を終了し、直ちに
討論
に入りましたところ、
日本社会党
を代表して
野口忠夫
君より、
財政政策
の
根本的転換
の
検討
を抜きにして
剰余金
の
繰り入れ率
を減らすことは、
明年度
以降に影響を及ぼすのみならず、
国債減少
を
理由
に、国の
財政
の
健全均衡
を守る
制度
をくずすがごときは厳に慎むべきであり、また、
財政制度審議会
の
構成
は非民主的であるとして、
修正案
及び
修正部分
を除く
原案
に
反対
、自由民主党を代表して
小山省二
君より、今回の
改正
は、
財政運営
の
効率化
のための
暫定措置
であり、
国債償還
の
現状
にかんがみ、
国債償還
に支障を来たさないこと、また、
審議会
が
国債償還制度
、
剰余金
の
処理等
の問題を含め、
財政会計制度全般
につき
本格的検討
をすることは適切であるとして、
修正案
及び
修正部分
を除く
原案
に
賛成
、
民主社会党
を代表して
竹本孫一
君より、
財政
の
健全均衡主義
を著しく後退せしめるばかりでなく、
予算編成
の
基本的姿勢そのもの
がはなはだ遺憾であり、長期的かつ合理的な
減債基金制度
の確立の要望も顧みられていないとして、
修正案
及び
修正部分
を除く
原案
に
反対
の旨の
意見
がそれぞれ述べられました。 次いで、採決いたしましたところ、
修正案
及び
修正部分
を除く
原案
は多数をもってそれぞれ可決され、よって、
本案
は
修正
議決いたされました。 以上、御
報告
申し上げます。(
拍手
)
—————————————
船田中
10
○
議長
(
船田
中君) 採決いたします。
本案
の
委員長
の
報告
は
修正
であります。
本案
を
委員長報告
のとおり決するに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
船田中
11
○
議長
(
船田
中君)
起立
多数。よって、
本案
は
委員長報告
のとおり決しました。
————◇—————
下請代金支払遅延等防止法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
船田中
12
○
議長
(
船田
中君)
議院運営委員会
の
決定
により、
内閣提出
、
下請代金支払遅延等防止法
の一部を
改正
する
法律案
の
趣旨
の
説明
を求めます。
総理府総務長官臼井莊一君
。 〔
政府委員臼井莊一君登壇
〕
臼井莊一
13
○
政府委員
(
臼井莊一君
)
下請代金支払遅延等防止法
の一部を
改正
する
法律案
について、その
趣旨
を御
説明
いたします。 本
改正案
の
内容
は、第一に、
下請代金
の
支払い期日
は、
給付
の
内容
について
検査
をするかどうかを問わず、その
給付
を受領した日から起算すべきものである旨を明確にし、第二に、
親事業者
が
下請事業者
に対し交付すべき書面の
記載事項
として、
下請代金
の
支払い方法
その他の
事項
を追加し、かつ、
記載事項
については、
公正取引委員会規則
で定めることとし、第三に、
親事業者
が
下請事業者
に対し有償支給した
原材料等
の対価を、
下請代金
の
支払い期日
より早い時期に、その
下請代金
と相殺し、または支払わせることにより、
下請事業者
の
利益
を不当に害することとなる
親事業者
の
行為
を
規制
し、第四に、
下請代金
の
支払い
につき、
一般
の
金融機関
による割引を受けることが困難と認められる
手形
を交付することにより、
下請事業者
の
利益
を不当に害することとなる
親事業者
の
行為
を
規制
し、第五に、
下請代金
の
支払い
を遅延している
親事業者
に対し、
下請代金
の
支払い
とあわせて
遅延利息
の
支払い
について勧告することができることとしようとするものであります。 これらは、
本法施行
後の経験と
中小企業政策審議会
における
本法改正
に関する
意見
の
内容
に照らし、また、第四十七回国会における
中小企業
の
危機打開
に関する決議の
趣旨
を尊重して、
親事業者
の
下請事業者
に対する
取引
を公正ならしめることにより、
下請事業者
の
利益
を
保護
するための
措置
を講じようとするものであります。 以上が、
下請代金支払遅延等防止法
の一部を
改正
する
法律案
の
趣旨
でございます。(
拍手
)
————◇—————
下請代金支払遅延等防止法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
)の
趣旨説明
に対する
質疑
船田中
14
○
議長
(
船田
中君) ただいまの
趣旨
の
説明
に対して
質疑
の通告があります。これを許します。
中村重光
君。 〔
中村重光
君
登壇
〕
中村重光
15
○
中村重光
君 私は、ただいま提案されました
下請代金支払遅延等防止法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、
日本社会党
を代表いたしまして、
佐藤総理
並びに
関係大臣
の
所見
をたださんとするものであります。 私は、まず
総理
に、
下請企業
に対する基本的な
姿勢
についてお
伺い
をいたしたいのであります。 申すまでもなく、
中小企業
問題は、
わが国産業経済
の最も重要な
課題
の一つであり、最近における
中小企業
の
危機的様相
は、まことに憂慮にたえないところであります。こうした
中小企業
の困難な
状況
を端的に表現し、
中小企業
が直面している各種の問題を最も集約的にあらわしているのが
下請企業
であります。
わが国
の
下請関係
の特徴は、
経済
の二重
構造
のもとで、
親企業
が、
資本節約
、
景気変動
の安全弁として、また、
労働条件
を切り下げるために、
下請企業
を収奪しやすいようにしているものであります。現在の
親企業
と
下請企業
の
関係
は、単なる
経済関係
だけではありません。まさに
封建時代
さながらの
身分的支配従属
の
関係
に置かれているのであります。最近、
開放体制
に対処して、
国際競争力
の
強化
、
産業構造高度化
の
見地
から、
経済界
においては
企業系列化
の動きが顕著にあらわれております。しかし、この
企業系列化
の実体は、身分的な
支配従属関係
というこれまでの本質を何ら変えるものではないのであります。こうした
下請企業
の
従属性
は、平常
取引
において常に犠牲をしいられているだけではありません。
親企業
が
倒産
するその日まで製品を納品させられているような事実を、
総理
はどう見ておられるのでありましょうか。 今日、
政府
のとっている
下請対策
は、きわめて消極的な
法律
である
下請代金支払遅延等防止法
のほか、事あるごとに骨抜きにされている独禁法と、お
ざなり中小企業施策
があるにすぎません。しかも、驚くべきことには、
下請代金支払遅延等防止法
は、
昭和
三十一年制定以来今日まですでに九年の年月を経ているのでありますが、この間、
遅延利息
を支払わせた
事例
は一件もなく、
本法違反
の公表も全然行なわれていない
運用状況
であります。このように従属的な
下請関係
をそのまま放置している
下請対策
で、一体
政府
のいう
開放体制
に対処する
国際競争力
の
強化
が果たされるでありましょうか。
産業構造
の
高度化
、
中小企業
の
近代化
が実現するでありましょうか。特に、最近の
経済情勢
は、誤った
高度経済成長政策
の当然の帰結として、記録的な
企業倒産
が相次いで起こっておるのであります。さきには
東発
、
日本特殊鋼
、
サンウエーブ等
、また、近くは山陽特殊製鋼のごとき
相当規模
の
企業
であります。これらの
企業
まで次次と例産している
状況
のもとで、その
下請企業
の窮状は、まさに悲惨の一語に尽きるといわざるを得ません。一将功成りて万卒枯れてはならないのであります。私が
総理
に対して
下請企業
に対する
基本的姿勢
をただしておきたい
理由
は、まさにこの点にあるのであります。 次に、私は、今日最も深刻な事態にある
倒産関連下請企業
の
緊急対策
について、
関係
各
大臣
の
所信
を
伺い
たいと思うのであります。 私が最も問題といたしたいのは、
親企業
の
倒産
は
会社更生法
によって再建の道があるが、
下請企業者
、
労働者
、
物品納入業者等
の
関係下請企業
は、自滅する以外に
方法
がないという点であります。一体、このようなことが許されてよいでありましょうか。これはもはや
経済
上の問題ではなく、
社会正義
の問題というべきであります。
政府
は、
倒産関係下請企業
に対し、しばしば
金融
その他適切な
措置
を講ずると称しております。しかし、
金融機関
は
商業ベース
を離れて融資するわけではないのであります。しかも、
災害並み
の税の
軽減措置
もない
実態
であり、
政府
の
金融的裏づけ
はないにひとしいと言っても過言ではないのであります。(
拍手
) 私は、この際、
一定期間
内に納入した
下請代金
は
共益債権
とする等、
会社更生法
を抜本的に
改正
して、その
不合理性
を除去するよう主張いたします。(
拍手
)また、税については、
災害
時と同様の
減免措置
を行ない、
不渡り手形
は
全額損金扱い
とするなど、実効ある
対策
を早急に講ずる必要があると思うのでありますが、
大蔵
、
通産
、法務各
大臣
の
所見
を
伺い
たいのであります。 第二に、私は、
下請関係
の
特殊性並び
に最近の深刻な
経済情勢
にかんがみて、いまこそ大
企業中心
の
産業政策
を根本的に改めるとともに、
中小企業政策
を充実して、
下請関係
の
特殊性
に立脚した統一的な
下請法制
を確立すべきときであると
考え
るものであります。 現在、
下請代金支払遅延等防止法
が
ざる法
であるといわれておる
理由
も、根本的には
産業構造
の二重性、その中で
一般
的に弱体化されている
下請企業
の
実態
と、
親企業
の横暴を監視すべき
公正取引委員会
のあまりにも貧弱な
体制等
にあると思うのであります。私は、
下請関係全般
に関する抜本的な
規制
があって初めて
下請代金支払い遅延防止
の実効を期することができると確信いたします。 こうした
見地
から、私は、統一的な
下請法制
として、
中小企業等協同組合法
、
中小企業団体法
による
団結権
、
団体交渉権
をより明確かつ強力なものにするとともに、中央、地方に
紛争調整機関
を整備して、
締結
された
協定
は
法的拘束力
を認め、
業種別
、
地域別
に
協定
の
基準
が
一般
化されるような
制度
を確立すべきだと思うのであります。こうした体系によってこそ初めて近代的な
下請企業
として大
企業
、
親企業
との
並存的協力関係
が確立されると思うのでありますが、
通産大臣
並びに
公正取引委員長
はいかなる
考え
を持っておられるか、お尋ねいたしたいのであります。 私がお
伺い
いたしたい第三点は、今回の
改正案
の
内容
についてであります。 問題の
重要性並び
に最近の
経済情勢
に照らしましても、本
改正案
が各方面の期待と注目を集めていることは申すまでもありません。しかるに、その
内容
はまことに微温的であり、重要な点はすべて回避したお粗末きわまる
改正案
となっているのであります。(
拍手
)本
改正案提出
にあたって、
総理
は、
手形サイト
の
法定化
の
必要性
を
指摘
し、異例の再
検討
を命じたと伝えられておるのであります。さすがに一国の
総理
であると
内心敬意
を表していたのでありますが、結局周囲に言いくるめられて、
原案どおり
のまま
提出
に至りましたことはまことに遺憾であります。(
拍手
) 御承知のとおり、
手形サイト
の問題は従来
下請問題論議
の焦点であります。世上いろいろと
意見
はありますけれども、私は、今日、緊急の
措置
としても、真に
下請代金
の
支払い
を確保するためには、
手形サイト
を
法定化
すべきであり、しかも、六十日以内という
期間
を明定すべきであると主張いたしたいのであります。私はこの点について
総理
から確信ある答弁をお聞きいたしたいのであります。 本
改正案
は、わずかに
下請代金
の
支払い期日
までに割引困難と認められる
手形
を発行してはならないと
規定
するにすぎませんが、これは
親企業
に対する
禁止規定
であり、割引困難かいなかの認定は
親企業
の判断にしかかかっていないのであります。このような
規定
では結局
訓示規定
に終わり、無
意味
な空文となることは明らかでありますが、
大蔵
、
通産
各
大臣
並びに
公正取引委員長
はいかなる
見解
を持っておられるのであるか、お聞きいたしたいのであります。 次にお尋ねいたしたいのは、
現行法
の
適用範囲
についてであります。現在のように、
下請取引関係
でありながら、
資本
の額によって
適用除外
になることは、
本法
の効用を著しく減殺するものであります。現に、この間隙をねらう
脱法行為
といたしまして、大
企業
、
親企業
の
トンネル会社
が発生しておりますことは、私が
指摘
するまでもないのであります。また、
原材料等
のいわゆる
物品納入業者
は
本法
による
保護
を受けられないのでありますが、現実には
下請企業
と全く同様に取り扱われる
事例
が多いのであります。したがって、
物品納入業者
であっても
下請
的な
支配従属関係
にあるものは
本法
の
適用対象
とすべきであると私は
考え
るのでありますが、
通産大臣
並びに
公正取引委員長
の
見解
をただしたいのであります。 その三は、
下請単価
の問題であります。
親企業
が
下請企業
を支配する
あり方
は、
親企業
の身がってな発注の
停止
、
単価
の切り下げにあります。もちろん
業種
、
業態等
によって
下請単価
の
基準
を
決定
するということは、技術的にかなりの困難はあると思うのでありますけれども、
下請関係
の
正常化
のためには、ぜひとも
単価
の適正な
決定
が必要であると
考え
るのであります。私はこの際、
家内工業
における
最低工賃
のように、
部分
的、漸進的にでも
決定
してはどうかと思いますが、
通産大臣
並びに
公正取引委員長
の
所見
を
伺い
たいのであります。
最後
に、私は、
本法
の
施行機関
である
公正取引委員会
のあまりにも貧弱な
体制
について問題にいたしたいと思うのであります。
公正取引委員会
は、
下請
問題ばかりではなく、広範な使命を持つ重要な
機関
であることは、私がここに申し上げるまでもないところであります。こうした立場から、わが党は再三再四その
拡充強化
を要求してきたのでありますけれども、いまだに十分な
体制
になっていないことは、まことに遺憾とせざるを得ません。現在のような
公正取引委員会
の陣容では、
下請代金支払遅延等防止法
による
立ち入り検査
にしましても、親
事業
を一わたり実施するのに、驚くなかれ二十年かかるといわれておるのであります。
中小企業
庁の
立ち入り検査
を加えましても、やっと十年に一回というお粗末な
状態
にあるのであります。
公正取引委員会
の
下請関係業務
を
考え
ただけでも、かくのごとき
体制
では、
本法
の効果的な
施行
は不可能に近いといわなければなりますまい。この際、
公正取引委員会
の画期的な
拡充強化
をはかるために
総理
はいかなる
所信
を持っておられるのであるかお
伺い
をいたしまして、私の質問を終わる次第であります。(
拍手
) 〔
内閣総理大臣佐藤榮作
君
登壇
〕
佐藤榮作
16
○
内閣総理大臣
(
佐藤榮作
君)
親企業
と
下請中小企業
との
関係
について、
中村
さんは特別な見方をしていらっしゃるようでございますが、最近の
経済情勢
から申しますと、必ずしもただいまのようなお説のとおりではないと思うのです。ことに、
下請産業
と一口に申しますが、いわゆる
部品加工工業
、こういうようなものになりますと、これはりっぱな
経済的分業体制
だと、かように私は
考え
ます。したがいまして、こういう事柄も望ましいものでありますので、全体についていかなる
状態
が一番望ましいのか、こういうことを
考え
て
経済
を指導することが必要だと思います。ただ、ただいま申しますように、
経済的分業体制
だと、かように申しましても、力の
関係
がそこにあるのだということを
考え
ますと、われわれは、その
下請中小企業
が大
企業
とりっぱに太刀打ちできるような、やはり
近代化
あるいは
適正化
、同時に
組合化等
をはかってこの
振興策
をとってまいりたい、かように思います。これがいわゆる
中小企業基本法
十八条の示すところであり、これを忠実にやっていけば、ただいまのような点は改善されるだろうと私は期待するのであります。 その次は、
下請
に支払われる
手形サイト
の問題。これは御
指摘
のとおり、私も本来現金で支払われるべきものだ、それが
手形
になる、そうして
長期サイト
になるということは、いかにも
中小企業
に対してお気の毒ではないか、かような
意味
で、これは真剣にひとつ取り組んで、この
サイト
を
法定化
するようなことはできないか、これはひとつ
研究課題
だということで
指摘
いたしだのでございます。しかしながら、まことに残念ながら、現在の
手形法
その他からいたしますと、これは必ずしも適正なやり方だとは言えない。また、
経済
の実情に合った
方法
だとも言えない。今回の
改正
によりまして、長期化するものを短期に効果あらしめるような
実質的規制
をしようということにただいま落ちついたのであります。しかしながら、私は、この
手形支払い
あるいはまた
長期サイト
、こういうような問題を、今回の
改正
には間に合いませんけれども、今後引き続いて、
中小企業
でいろいろ
研究
しております
審議会
がございますから、その
審議会
を通じまして、この
手形
の
あり方
についても十分
検討
してまいるつもりでございます。
最後
に、
公正取引委員会
の
強化
について
お話
がございました。
公正取引委員会
がただいま
中小企業
の
保護
の面においても必要だということが
指摘
されるのであります。こういう
意味
におきまして、
政府
も特段に
強化方法
について考慮してまいるつもりでございます。(
拍手
) 〔
国務大臣櫻内義雄
君
登壇
〕
櫻内義雄
17
○
国務大臣
(
櫻内義雄
君) 私に対するお尋ねは四点でございました。
下請代金
を
共益債権
にするようにという御
意見
でございましたが、これは
関係各省
で
検討
してまいりたいと思います。 次に、
下請
問題に関する
統一的立法
についての
お話
でございましたが、
現行関係
三法で効果をあげ得ると思いますが、御
意見
については
研究
をしてみたいと思います。 次に、
一般物品納入業者
の
扱い
についての御
意見
がございましたが、これらの
業者
の扱う商品は
下請
とは違いまして、
市場性
があり、また、
取引先
の任意の選択がし得ると思いますので、
本法
の
対象
にする
考え
はございません。 次に、
最低加工賃制度
についての御
意見
でございましたが、
現行法
で
下請単価
の
不当引き下げ
については取り締まりが可能でございまして、また、
加工賃制度
を設けるについては、千差万別多種多様でございまして、
現状
では困難であろうと思います。(
拍手
) 〔
国務大臣田中角榮
君
登壇
〕
田中角榮
18
○
国務大臣
(
田中角榮
君) 私がお答えしますものは二点でございます。 その一点は、いま
通産大臣
からお答えがありましたが、
会社更生法
の
改正
につきまして、
一定期間
に納入した
下請代金
は
共益債権
とすべし、こういうことでございます。
更生手続
前に生じました
下請代金
は、その他
一般
の
債権
との
均衡
もありますので、現に慎重に
検討
いたしております。 第二点目は、
関連倒産
は
災害
と同様にして税の
減免
を行なうべしということでございます。また、
下請代金
の
不渡り手形
は全面的に
損金扱い
にしてはどうかということでございます。
災害
と
同一
にするという点につきましては、いろいろ議論もありますが、これは
債権
の多寡とか、担保の有無とか、こういうものが
災害
とは違うのでありましで、
災害
と一律にこれを扱うということはむずかしいと思います。現在におきましては、
債務者
が
手形交換所
におきまして
取引停止処分
になった場合と、それから
会社更生法
が
開始
になりましたときに
債権者
が持っておるものの二分の一を
損金
に扱うようにいたしております。二分の一以上にわたる
部分
につきましても、
債務者
の財産の
状況等
によりまして、
国税局長
が
承認
したものにつきましては
損金扱い
にできるように現在取り計らっておるわけでございます。なお、その上に
納税
に困難を生じておるというような場合には、一年間に限りまして
納税
の猶予もいたしておるわけでございます。でありますから、現在の
状態
といたしまして、
災害
とこれを
同一
に取り扱うということは
法制
上むずかしいことでございますが、元請の
倒産
によりまして
下請
が
関連倒産
をするという問題は、大きく社会問題でもありますので、これらの問題に対しましてはより前向きに
検討
すべきだと
考え
ております。(
拍手
) 〔
国務大臣高橋等
君
登壇
〕
高橋等
19
○
国務大臣
(
高橋等
君)
会社更生法
につきましては、
関係省
と打ち合わせの上、現在
検討
中でありますが、御
指摘
の
下請代金
を
共益債権
とすることにつきましては、ただいま
大蔵
大臣
が申し述べましたようなわけでございまして、慎重に
検討
いたしたいと存じます。(
拍手
) 〔
政府委員
渡邊喜久造君
登壇
〕
渡邊喜久造
20
○
政府委員
(渡邊喜久造君) お答えいたします。
下請関係
の
特殊性
に立脚した統一的な
下請法制
を確立すべきではないかという御質問でございました。
公正取引委員会
といたしましては、独占禁止政策にかかわる問題が生起した場合に、積極的にこれが
対策
を講ずるよう
検討
してまいっているわけでございまして、今回の
下請
法の
改正
も、まさにそうした観点に立っているものと思っております。 それから第二に、
手形サイト
の問題について、これの
法定化
についてはわれわれもずいぶん苦労してみましたが、いろいろな点がありまして今度の提案のようにしたわけであります。御質問の甲で、六十日の
支払い期日
までに
一般
の
金融機関
で割引が困難であるかどうかという判断は
親企業
にまかされているというふうに御発言があったよりに思いますが、われわれは、これは客観的に判断さるべきものであり、したがって、そうした判断から見まして、
下請
業者
に不当な不
利益
が与えられている場合には、当然
公正取引委員会
としまして勧告の
対象
となすべきものであるというふうに
考え
ております。 それから、
現行法
の
適用範囲
が一千万円以下の
親企業
に及んでいない、したがって、その点を利用しまして、一千万円をこえる
親企業
者が購買事務を実質的に代行させるために系列会社、系列商社あるいは
トンネル会社
をつくって、それがしかも一千万円以下の
資本
である、これによって
法律
の適用を免れているという事態があるのではないかという点でございますが、
現状
においてはそういったような事態が多少ないとも言い切れませんが、まだそう数多いと思いませんし、この点については今後さらに十分
実態
を調査しまして、さしあたっては行政指導を行なう、なお要すれば
法律
の
改正
についても
検討
を進めていきたい、かように
考え
ております。 それから、現在の
下請代金支払遅延等防止法
は物品の納入
業者
に及ばない、したがって、もっと
保護
対象
を広げるべきではないかという御
意見
でございましたが、もともと
本法
律は、他に転売のきかないような物品の
取引
を行なう
下請
業者
について特にこれを
保護
するという必要から制定されたものでありまして、したがいまして、その範囲を広げるということにつきましてはいろいろ問題が多いので、今後の
検討
の問題というふうに
考え
ております。
最後
に、
下請代金
の
下請単価
の切り下げ等によって
下請事業者
が困っている場合があるので、最低賃金
制度
のような適正な
単価
の
決定
をすることについて
考え
るべきではないかという
お話
でございますが、現行
下請
法におきましても、第四条第五号の
規定
によりまして不当な買いたたきは禁止されております。
公正取引委員会
としましては、この
規定
の運用を一そう
強化
することによりまして不当な
単価
切り下げに対処したいと
考え
ております。(
拍手
)
船田中
21
○
議長
(
船田
中君) これにて
質疑
は終了いたしました。
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船田中
22
○
議長
(
船田
中君) 本日は、これにて散会いたします。 午後二時四十三分散会
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出席
国務大臣
内閣総理大臣
佐藤 榮作君 法 務 大 臣 高橋 等君 外 務 大 臣 椎名悦三郎君 大 蔵 大 臣 田中 角榮君 通商産業
大臣
櫻内 義雄君 出席
政府委員
内閣
法制
局長官 高辻 正巳君
総理
府総務長官 臼井 莊一君
公正取引委員会
委員長
渡邊喜久造君
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