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野原(覺)
委員 私は、前の文部次官でございました内藤誉三郎君のことについて、実は二月九日の
予算委員会で幾多の問題点がございましたので
質問をいたしたのであります。ところが二月九日の時点におきましては、法務当局は私の指摘いたしました事例については、まだ的確に
調査をしていないからということでございましたので、当日私は予算
委員長に、
予算委員会の終了するまでに私の指摘いたしました事実
調査について、間違っておるか間違っていないか、法務当局の所見をもあわせて御
報告を願いたい、このことが予算
委員長の承認するところとなりまして、
予算委員会の終了いたしました三月三日に
高橋法務大臣が
発言を求めて、次のように言われておるのであります。「先般
野原委員から内藤誉三郎君の行動につきまして、いろいろと御
質問がありました。その
内容につきまして直ちに
調査に着手をいたしました。まだ現在
調査中でございまして、最終的の
報告がまいって、おりません。」云々、二月九日から二十数日たった三月三日現在に至っては
調査に着手をした、最終的の
報告はまだできる段階ではないということでございましたから、私は一応それでは最終的の
報告ができたならば、ぜひこれをやっていただきたいということで終わっておるのであります。
ところで本日をもってこの国会も終わりますので、まことに法務
委員の皆さんに御迷惑であったかと思いますけれ
ども、やはりこの国会において取り上げた問題でもございますから、私はここで的確に決着をつけておきたい考えもございまして、特に皆さん方にお願いをしてここに
質問に立ったような次第であります。
そこで、私が内藤譽三郎君の問題についてどういうことを
予算委員会で指摘いたしまして
お尋ねしたかと申しますと、まず第一点は、昭和三十九年の六月に文部次官をおやめになられましてから、直ちに私学振興会の常任監事に就職をされたのであります。私学振興会というのは特殊法人であります。この特殊法人の常任監事に彼は就職をした。ところが、常任監事に就職した彼の勤務状況という
ものはきわめてよろしくない。これが
一つ。この点については、実は文部
大臣の所見をただしたのであります。
第二点は、私学振興会の常任監事になった内藤譽三郎君が、すでに文部次官をやめたときから全国区の参議院に立候補することを声明いたしておりまして、昨年の九月十八日伊豆の長岡温泉の伊豆ホテルで教科書発行合同契約
会議というのが持たれまして、その
会議には全国の教科書の特約業者、有力な発行業者、特約業者は私が数を指摘いたしました社長五十八名、それから有力な発行業者は社長が十四名。この有力な教科書販売
関係の実力を持った人
たちが、この伊豆ホテルに集まりました席に内藤君が参りまして、立候補の宣言をした、あいさつをいたしたのであります。そうして彼がその立候補のあいさつの中で、もし私が当選いたしますならば、この教科書の特約業者に対しては、業界の安定と教科書供給手数料の値上げをしてやりましょう。教科書が無償供与になりまして、漸次手数料が減っていく傾向にあるわけである。だから私が当選したら供給手数料の値上げをしてやりましょう。同時に発行業者に対してはこういうことを公約した。定価の引き上げを考えましょう、物価は上がるのでございますから、教科書の定価については引き上げなければならぬと思うから、私はそのために努力をいたします。こういうことを彼は伊豆長岡の温泉に参りまして、そこではかなり財的にも力のある諸君でありますから、かなりな散財もあったようでありますが、そういうようなことを彼が言った。私はこのことは実は非常に重大なことだと考えたのであります。私が一内藤個人の問題をどうしてここまで追及するかと申しますと、彼は文部次官であったのです。文部省はえ抜きの官僚なんですが、初中
局長をいたしておりますときに、この教科書の特約業者も発行業者も、彼の監督のもとにあったのです。しかも監督のもとにあったこれらの諸君を集めて、立候補のあいさつをして、そして利益誘導的な
発言をするということは、これは確かに公職選挙法上も問題があるのではないか、これが
一つ。
もう一点は、文教の府にありながら、文教の実力者といわれました内藤君が、かつては教員の勤務状況をもっとよくしなければならぬというので、教育界の反対を押し切って勤評を強行いたしました。同時にまた道徳教育
——道徳教育は私
ども反対ではございませんけれ
ども、昔の修身科を復活するがごとき、そういう道徳教育の押しつけを推進してきた人物。それからまた、教育は
政治に中立でなければならぬといって、教員の
政治的中立というあの法律を十年前に企画し、推進したところの人物が内藤君であります。このような内藤君でございますから、彼が選挙に立つならば、およそ私は清廉潔白な選挙運動がなされる
ものと期待し、教育界は、すべての者がそのように見えておったのでございますけれ
ども、彼のなすことをやること、私はこれから一々具体的に事例を指摘して
お尋ねしてまいりますが、なっていないのであります。したがって私は、この高級官僚が次官をやめて、そしてこれらの特殊法人の役員になる。そしてしかも役員になって常任監事の勤務状況という
ものはきわめてよろしくない。この点はすでに文部
大臣もお認めになられまして、きょうは文部
大臣の出席を
要求いたしましたが、
大臣不在でございまして、
管理局長に来ていただいておりますが、三月三日に愛知文部
大臣は、私に対して、これは速記録に載っておりますが、勤務状況はよくありません。御指摘のとおりであります。だから私は注意いたしました。こういうことを言っておる。勤評を強行した人物がかくのごとき
状態、
政治活動の中立をやかましく言った者が、おのれの選挙になるとかくのごときけしからぬことをやっておる。こういうことでございまして、私はこれはひとつ徹底的に追及しなければ
政治はよくならない。綱紀の粛正はできない。綱紀の粛正とは何も
政治家だけの粛正ではない。高級官僚も粛正しなければ、ほんとうの意味の粛正にならぬではないか。綱紀粛正の府は法務省である。だから私は法務当局の見解をただしましたら、
先ほど申し上げましたような経過で、目下
調査中だからしばらく待ってくれということなんです。
そこで私は
お尋ねをいたします。まず
刑事局長に
お尋ねをいたしますが、昨年九月十八日に教科書発行合同契約
会議があって、ここに内藤譽三郎君が出席した事実があるかないか。私が
質問してから今日まで四カ月経過いたしておりますから、いままで
調査中とは私は本日は言わせないつもりであります。もしいまだに
調査中であるならば、三月三日の
法務大臣の答弁は私を愚弄する
ものである。
予算委員会を愚弄し、国会を愚弄する
ものでありますから、私はそのようなごまかしの答弁は本日はないだろうと確信をいたします。そこで、このような事実があったかなかったか。
先ほど申しました伊豆長岡温泉の一件はいかがでございますか、御
報告を願いたい。