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1965-03-02 第48回国会 衆議院 法務委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月二日(火曜日)    午前十時四十二分開議  出席委員    委員長 加藤 精三君    理事 上村千一郎君 理事 大竹 太郎君    理事 小金 義照君 理事 小島 徹三君    理事 田村 良平君 理事 細迫 兼光君    理事 横山 利秋君       四宮 久吉君    中垣 國男君       濱野 清吾君    藤枝 泉介君       森下 元晴君    山手 滿男君       井伊 誠一君    長谷川正三君  出席政府委員         法務政務次官  大坪 保雄君         検     事         (大臣官房司法         法制調査部長) 鹽野 宜慶君  委員外出席者         判     事         (最高裁判所事         務総局民事局         長)      菅野 啓藏君         専  門  員 高橋 勝好君     ————————————— 本日の会議に付した案件  訴訟費用等臨時措置法等の一部を改正する法律  案(内閣提出第六四号)      ————◇—————
  2. 加藤精三

    加藤委員長 これより会議を開きます。  訴訟費用等臨時措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。大竹太郎君。
  3. 大竹太郎

    大竹委員 この間上村さんのほうからかなり詳細に御質問がありましたので、私、それらに関連して二、三お聞きしたいと思うのであります。  第一に、この手数料を総体的にお上げになって、そして全体として大体執行史手数料が三割五分増加することをめどにしてお上げになったということでございますが、私は、やはりこの手数料というものは字が示すように、率直にいえば、手数がかかるかかからぬかによってきめるべきものだと思うのでありますが、そういう面からいって、上げたものを比較してみますと、二割ぐらい上がったもの、それから四倍ぐらいになったものというようなことからいたしますと、どうも手数料という、いま私が申し上げましたものの考え方の標準からいうと、何か不合理なように思うのですが、その点はいかがですか。
  4. 鹽野宜慶

    鹽野政委員 御指摘のように、執行吏手数料というものは両面の性格がございまして、一つの面は、個々的に申しますと、国家執行行為に対する対価ないしは執行吏勤労に対する対価的な性格を持つという面があるわけでございますが、また他面、執行吏収入は基本的には手数料に依存しておりますので、この面から申しますと、手数料執行吏に対する給与的な性格を持っているわけでございます。  そこで、最初に申しました面から申しますと、この対価的な評価の上に立ちますと、どの程度手数料相当する行為であるかということを個々の執行行為について判断して、その手数料の額をきめていくという面が一つあるわけでございます。しかしながら、全体としての手数料というものは、給料制をとっておりません執行吏給与全体になるという面から申しますと、手数料全体を総合して執行吏収入というようなものがどの程度の額になるのが相当かという面がございまして、この二つの面を両々検討いたしまして、今回はそのうちの執行吏給与相当するという面を主として取り上げました。昭和三十七年から四十年までの一般勤労者収入というものが大体三割七、八分見当上がっているのじゃなかろうかというような推計に基づきまして、そういう給与面を中心として考えるわけでありまして、今回の改定は全体として三割五分相当上げるということを頭に置いて各項手数料増額というものを計算いたしたわけでございます。
  5. 大竹太郎

    大竹委員 それで、この前のたしか上村さんの御質問では、不動産等引き渡し手数料が四倍にも上がったのはどういう理由かという御質問について、最近こういう引き渡し案件は非常に手数がかかるようになったから、特にこれは四倍にしたのだというお答えがあったと思うのでありますが、現在の手数料をおきめになったのはたしか昭和三十八年かと思うのでありますが、わずか二、三年の間にそういうように手数がかかるようになったとは思われないのでありまして、むしろそういう面から見ますと、三十八年に現在の金額におきめになったのが間違っていたと言えば語弊があるかもしれませんが、その基礎が間違っていたのじゃないかと思うのでありますが、その点はどうなんですか。
  6. 鹽野宜慶

    鹽野政委員 御指摘の点につきましては、前回改正が間違っていたのではないかということでございますが、私どもとして必ずしも間違っていたとは考えておりませんが、十分でなかった点があったということは認めざるを得ないと存じます。前回改正の際には、この引き渡し手数料につきましては、特に引き渡し手数料金額幾らというふうになっておりませんで、各項について金額をきめたもの以外は二百五十倍ということで、その基本手数料が二百五十円という額が出ていたわけでございます。それを今回は、その改正の当時からすでにこの引き渡し手数料についてはさらに特段の考慮を加えるべきじゃないかという御意見もございましたので、その後の事情等を加味いたしまして、今回は何倍とするというふうな取り扱いでなく、この分につきましても特に金額を明示して増額をする、こういう措置をとった次第でございます。
  7. 大竹太郎

    大竹委員 次にお聞きしたいのでありますが、いただきました資料を見ますと、昭和二年から十年までの執達吏の数は六百三十人ということになっておりまして、昭和三十八年を見ますと三百四十五人、非常に減っておるわけでありますが、この執行吏定員というものは別にないのでありますか。それから、この表と同時に出ております件数を見ますと、戦前件数が非常に多いように思うのでありますが、最近は執行吏取り扱い件数が非常に少なくなっている。これは一体どういう理由によるのでありますか。
  8. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 御指摘のように戦前は非常に事件が多かったのでございますが、戦争中急激にこれが減少いたしまして、これは戦争民事事件というものが減少いたしたということによるのでございますが、その後社会が安定いたしますと同時に漸次事件はふえてまいったのではございますが、しかしながら、その事件数というものが、三十四年、五年あたりを契機といたしましてまた漸減の傾向にございます。これはどういう理由によるかというお尋ねでございますが、ただいま私どもの調査いたしております程度によりますと、やはり一番減っておりますのが動産競売事件執行でございますが、この動産競売というものが、必ずしも権利を執行する上において、今日の社会の実情として、もはやだんだん適しないものになりつつあるというふうに見ておるのでございます。
  9. 大竹太郎

    大竹委員 執行吏定員はどうなんですか。
  10. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 執行吏につきましては定員制度はないのでございます。
  11. 大竹太郎

    大竹委員 定員制度はないということでございますが、それならうんとへんぴな裁判所等において、執行吏がいないというようなことで非常に不便を感じているというようなところは、現在あるのですか、ないのですか。
  12. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 そういうところもございます。そこは現在の制度といたしましては職務代行書記官制度がございますので、それをもって補っておるわけでございます。
  13. 大竹太郎

    大竹委員 いま一つ執行吏についてお聞きしたいのは、この表を見ますと、大体一人の平均手数料による収入は六十六万となっておって、たしかこの説明では、この半分くらいはやはりいろいろな経費にかかるから、この半分くらいがいわゆる収入になるだろうという御説明だったと思うのでありますが、そういたしますと、相当いやな仕事をしておる人の収入としては少ないように思うのでありますが、執達吏は、兼業といいますか、ほかに商売を持ってもいいということになっているのでありますか。どうですか、その点。
  14. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 執行吏公務員でございまして、兼業ということは許されておりません。
  15. 大竹太郎

    大竹委員 それから続いて、この間上村委員のほうから執行吏代理のことについていろいろ御質問がございましたが、この表を見ますと、執行吏職務代行者というもので出ておるのでありますが、この任命の方法並びに権限その他執行吏職務代行者について御説明いただきたい。
  16. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 お手元に差し出してございます。執行吏職務代行者と申しますのは、先ほど私が申しました代行書記官でございまして、これは執達吏規則におきまして、執行吏の充員ができないという場合に書記官をもって執行吏職務を代行させるという制度で、これは主として地方において執行吏を補充できないという場合にやむを得ずとっておる措置で、これが全国におきまして二十九名おるわけでございます。その権限といたしましては執行吏と同じでございます。
  17. 大竹太郎

    大竹委員 それではこの職務代行者書記官でありますので、給与その他の面はいわゆる書記官としての給料をもらっているので、別にやった仕事そのものについて手数料はもらわないということになるのでありますか、その点はどうですか。
  18. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 この代行書記官収入の面から申しますると、書記官という身分で給料をもらうわけでございます。  ただ当事者の面からいたしますると、これはやはり執行吏執行を委任する場合と同じ手数料のものを払うことになっておりまして、これは国庫に入ることになっております。
  19. 大竹太郎

    大竹委員 次に、これもやはりこの間ちょっと御質問があったのでございますが、合同役場制度であります。これについて御説明をされたのには、ただ受付だけ一緒にしておる合同役場のやり方と、経理の面までも合同にやっている役場があるという御説明があったと思うのでありますが、東京あたり相当執達吏がおられると思いますが、全部合同役場でやっていられるのでございますか、それとも合同役場に入らない人もあるのかどうか、その点はどうですか。
  20. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 複数の執行吏がおりまするところでは、ほとんど合同役場という形をとっておりますが、その合同役場の内容につきましては、前回お答え申しましたようにいろいろのニュアンスがあるようでございます。
  21. 大竹太郎

    大竹委員 それで、この前もちょっとお話があったと思うのでありますが、これはことしの一月の新聞によりますと、大阪執達吏自分のほうへ、一口に言えば、いい事件を回してもらうために裁判所のほうといろいろいかがわしい関係ができたということが書いてありまして、やはり大阪にも合同役場があるのだけれども、その合同役場を捜索したというような新聞記事になっておるのであります。この新聞記事を見まして、この間の御説明からいいますと、大阪では、ただ受け付けだけを一緒にやっているのであって、経理関係一緒にやっておらないから、同じ合同役場にいる執達吏の中で、自分のほうにいい事件をくれということでいろいろこういうような問題が起きたのだろうと思うのでありますが、やはりこの合同役場をやるからには、経理までも一緒にやり、事務の能率をあげ、勉強するというように御指導になったほうがいい、そう御指導されるべきだと思うのでありますが、その点はどういうふうにお考えでありましょうか。
  22. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 合同役場をなるべく完全な形の合同役場にしたらどうかというお話でございますが、私どもも、その点は原則としてそうあるべきだと考えております。そうして特に大阪のような相当人数のおります場合におきましては、特にそういう必要があるというふうに私ども考えておりまして、このたびのこともございましたので、特に大阪については東京式合同役場をつくるようにという指導をしております。そうして大阪役場におきましても、その方針に従った合同役場をつくることを企画しております。
  23. 大竹太郎

    大竹委員 最後に言だけお尋ねしておきたいのでありますが、記録を見ますと、この前の手数料上げました三十八国会でございますか、そのときにこの法務委員会において附帯決議をしておるのでありまして、執行制度の根本的な改善を要望しておるわけでありますが、それについて、その後司法制度調査会等におきましていろいろと御意見があったわけでありますけれども当局としてはこれらの改善についてどのようにお考えになり、進んでおりますか。それを最後に伺いたい。
  24. 鹽野宜慶

    鹽野政委員 執行吏制度の根本的な改革につきましては、ただいま御指摘のとおり、法務省におきまして従前から検討を続けてきているわけでございます。現在問題になっておりますのは、根本的な考え方といたしましては、現在の手数料制執行吏俸給制執行官に切りかえまして、純粋の国家公務員といたしまして、執行官執行関係事務をすべて取り扱わせるという考え方で進んできているわけでございます。しかしながら、現在検討中でございますが、こまかく検討してまいりますと、一元的に執行事務を取り扱う執行官にどの程度までの権限を与えたらいいのか、現在執行裁判所が取り扱っている権限、持っている権限をすべてこの執行官のほうに移して、それでスムーズにまかなっていくことができるのかどうか、あるいはまた一部は執行裁判所権限として残しておかなければならないものがあるのではなかろうかという根本的な問題がまだ完全に割り切れていないわけでございます。  それからもう一つは、そういうふうな執行官制度をつくりました際に、その執行官地位とか格づけというようなものをどういうふうに考えていったらいいか、これはきわめて重要な問題でございまして、かりに現在執行裁判所で取り扱っているような事務まで、新しくできます執行官ですべてまかなうということでございますと、ここに新しく出てきます執行官というものは相当高い地位のものでなければならない。こういうことに相なりますし、それから執行裁判所仕事というものを一部残していくということになりますれば、新しくできる執行官というものは、それよりは仕事重要性と申しますか、地位もおのずから多少下に格づけされてもそれでまかなっていけるのじゃなかろうかというふうな問題があるわけでございます。そこでそういうような問題を現在検討中でございますが、あわせて、前回も御説明申し上げましたように、昨年の臨時司法制度調査会簡易裁判所事物管轄の拡張という問題が出てまいりましたので、これと関連して考えますと、現在の執行制度というものは裁判所のどの分野で担当するのが相当かということをあらためて検討しなければならないという問題が出てまいったわけでございます。それからさらに、先ほど申しましたように、執行官地位というものが、現在の執行裁判所の行なっている事務までやるということになりますと、かなり高い地位のものであることが要求されることになります。そこでその地位をどの程度に格づけするかということは非常に大きな問題だと思いますが、同時に、一元の執行官制度に切りかえます際に、全国執行事務を処理するにははたしてどの程度の人間が必要であるかということを実態について踏んでみなければならないわけでございます。現在、先ほど裁判所からもお話のありましたように、執行吏執行吏代理とでまかなっております執行事務、合計しますと約六百人の人数になると思います。これを有給の国家公務員ですべてをまかなうということになりますと、とても同じ数ではやれないということが考えられるわけでございます。いろいろ外国でもこの点議論されているようでございますが、まず三倍かというふうな数がいわれているわけでございます。そういたしますと、全国的に見まして、千五百人ないし二千人というような人員をこの執行官に充員することがはたしてできるであろうか。これは、御承知のとおり執行吏の現在やっております事務は、必ずしも人に喜ばれない、いわばいやな事務とでもいうべきものでございます。しかしながら、これを担当する立場に立ってみますと、相当法律知識も必要でございますし、それから適正にこれを執行していくというだけの力を持っていなければならない。また同時に、債権者債務者の間に立ってトラブルの起こらないように円滑に仕事をしていくというためには、それに相当する人柄でなければならないというようなことも考えられますので、その格づけされるところのものと、はたしてこれだけの人員全国的に円滑に充足し得るかどうかということも非常に大きな問題となって残ってくるわけでございます。現在の段階では、さような諸点につきまして鋭意検討を続けているわけでございまして、最高裁判所とも協力いたしまして、執行事務実態調査ども進めているという段階でございます。
  25. 加藤精三

    加藤委員長 横山利秋君、御質問を願います。
  26. 横山利秋

    横山委員 先ほど理事会で私見を述べたわけでありますが、いま質疑応答を伺っておりましても、私は、今日の執行吏制度についての政府及び最高裁判所のきわめて因循こそくな、不徹底な、問題の積極的解決にきわめて不親切な態度を痛感をするのであります。  本件は、いまやこの執行吏制度理論的矛盾、現実的な弊害というものについては、天の声、地の声、人の声である。もちろん、私は約三百人と称せられる執行吏人々が、いわゆるいやがられる仕事を誠実にやっていらっしゃることを疑うものではない。しかしながら、そのよって立つ基盤である手数料制度、この手数料制度が、国家権力行使についてその金を債権者からもらって、債権者の代理的な立場国家権力執行が行なわれておるという手数料制度、この手数料制度を是なりと信ずるものは、私はほとんどいないだろうと思う。   〔委員長退席上村委員長代理着席〕 まずやむを得ないという理論か、あるいは暫定的に根本的研究をするまでという理論かであって、今日の手数料制度及びそれに伴う収入をもって執行が行なわれているという現状を正しいと明言できるものは一人もないのじゃないか、こう思うわけであります。それからまた、債権者が自由に選べる執行吏自由職業的性格、このことについても問題の第二ではなかろうかと思うのです。したがって、そういう自由に選べる結果、大都市においては執行吏が集中し、小都市においては職業の本職のかたわらやっておるという、執行吏人員というものが非常に偏在化しておること、勤務地が固定化していること、並びにこの教育研修ということが行なわれていないこと。それから国家執行吏についていろいろな注文をしながら、何らの財政的援助をしていないことということが第二の焦点だと思います。第三番目は、一体裁判所監督権行使は行なわれているのかいないのか、ほとんど行なわれていないのではないか。なぜ行なわれてないか。それは手数料をもらい、債権者が自由に選べる仕事であり、そして独立して仕事をしておるという実態からいって、裁判所監督権行使が事実上できないということが第三の欠陥である。第四番目は、この執行をめぐって債権者立ち会い屋競売ブローカー、これらの結びつきは何としても断ち切れないところに問題の第四がある。  これらのことは、もういまここでどんなに質疑応答をかわそうが、あなた方からいろんな御説明を受けようが、おそらくあなた方も身にしみて知っておるはずである。しかも年々歳々まさに数十年をけみしておって、この執行吏制度は明治二十一年七月二十五日法第五十一号執達吏規則にその基盤をなしておる。七十年にわたるこの根本的な理論矛盾現実的矛盾が、今日もなおかつ同じようにその根本的矛盾国会において議論をするというばかばかしさ、私はあえて申し上げるのですが、そのことについてまたここでこの法案を審議する過程で、検討をいたします、今後十分に検討いたしますということについて、法律提案者たるあなた方は心中じくじたる気持ちがないのかどうか。なるほど、自分は七十年はやっておらぬ、おれはこの間からこの職についたばかりだ、おれは一生懸命にやっているということでこれは済まない問題である。したがって、私はこの法案にも言っておきますが、こういう因循こそくな法律案提出については差し控えるべきである。三百人の執行吏について、恩恵を受けるというか適用を受けるのは、まさに十人内外ではないか。一体この法案に何の法益があるか、これによって執行吏制度改善に何の法益をもたらそうとするのであるか。もしそれ、今日の執行吏制度についての欠陥を是正するというのであれば、三百人のうちの十人——山の中や漁村において執行吏を片手間にやっていらっしゃる人のためにこの法案を出すというのであれば、何の意味があるかと私は痛感をするわけであります。きょうは大臣がお見えになっておりませんから、私は冒頭この法案提出理由について政務次官に伺いたい。
  27. 大坪保雄

    大坪政府委員 かねて当委員会において、執行吏現状に対する深い御検討の結果、附帯決議等おつけになりまして政府の善処を要望されておるようなことでございますし、私どもも、いま横山先生がお述べになりましたようないろいろの欠陥を現行の執達吏制度には内包いたしておるということは十分認識しておる次第でございます。ただ、附帯決議の御趣旨も十分尊重いたしまして改正の方向に進めねばならぬということで準備はいたしておりますが、先ほど調査部長がお答え申し上げましたように、非常に古い制度であるだけに、根本的な改正にはそれだけの多くの整理をしなければならぬ事項というものがありまして、今日まで進んでおりませんことはまことに遺憾に存ずる次第でございます。ただ、そういう根本的な措置を講ずることなくして一部の措置をすることは、ますますその根本的改正を遷延せしめることになるから適当ではないじゃないかという御意見でありますが、その点もまことに私どもはごもっともに存じます。でありまするが、御承知のように今日の社会情勢動き、特に経済界の大きな動きというものは、各方面に国民の所得を増大せしめておりまするし、執行吏のみがこの点に非常におくれてしまう、取り残されてしまうということは、これまた執行吏の方々の生活を見てあげるという上からいたしましても、いかがなものであろうかと考えられるわけでございます。そういうように、今回の措置は一種のびほう的措置のようにも思われるのでございますけれども、これをいま申し上げますように放置して取り残しておくというわけにもまいりませんので、その点は十分ひとつ御理解をいただきたい。いずれ当局といたしましても、この制度の根本的な改正ということについては一そう馬力をかけていくつもりでございますが、その措置をとるに至った趣旨については、どうぞひとつ御了解をいただきたい、かように考えます。
  28. 横山利秋

    横山委員 納得できません。こんな法案と言っては恐縮でありますが、この法案についても、準備をなさるからには数ヵ月が必要なんでしょう。これが国会を通過して実施に移すにも数ヵ月かかるでしょう。この数ヵ月というものは、あなた方がこのびほう策について一生懸命にやって、根本的な検討作業というものがおくれることはあたりまえのことであります。私が言うのは、この法案を出すことによってどういう法益があるかということです。恩恵を受けるのは三百人のうちの十人ですよ。十人の人たち、十九万円に到達をしないのだから。十九万円というと月に幾らですか。一万二、三千円から、一万五千円ぐらいですか。そのくらいの収入しかない人に対して恩恵を施すことだ。その人たちはもう執行吏仕事をほとんどやっておらぬということになるわけですね。やっておらぬ人は、いまのわれわれが問題にしていることについてほとんど関係がないのですよ。われわれが問題にしているのはこの十九万円の恩恵を受けない人、二百数十人の人です。三百数十人の人でない人たちのことをわれわれは議論しているわけじゃない。その人々は一万九千円の月の収入生活ができないとおっしゃる。そんならその十数人の恩恵を受けておる人の生活状態職業状態収入状態を出しなさい。それだけ事業であるのか、ほかに何か収入があるのかないのか、どうしてもそれによって困っておるのかどうか、それが緊急性があるかどうかを証拠として本委員会提出をしたらどうですか。   〔上村委員長代理退席、委員長着席〕  もう一つの問題がある。手数料上げるという問題がある。二百五十円やあるいは五百円の一件当たりの手数料上げるとおっしゃる。わずか二割や三割の手数料上げて何になるか。それによってその人たち収入が確保され、財政状態がよくなって執行吏のあれが円滑に運営し得るという確証が一体あるのであるかどうか、それによってわれわれが問題にしている汚職は根絶できるという確証があるのかどうか、ないでしょう。この根本的問題を解決しなければならぬけれども、しかしいまそれがなかなかできぬから、できぬということは決心がないとできないから、何となくこれをちょっと出して事態をまるくおさめる、そういう考えがあると私は思うのであります。この手数料上げることによって汚職が解決され、いまの矛盾が解決され、執行吏収入がふえるというわけですか。
  29. 大坪保雄

    大坪政府委員 これはあくまでも一時のびほう策としていたしているわけではございません。御承知のように公務員に関する一つ制度でございまして、これはかりにその適用を受ける者がいかに少なくても、制度自体の欠陥からして待遇が非常にへんぱな状態になっているというようなことになるものがあれば、それはやはり拾い上げて救っていかなければならぬ、そういう気持ちでいたしておるわけでございます。だんだんのおしかりでございますけれども、先刻法務省の調査部長が申し上げましたように、根本的な改正ということはなかなか一朝にしてでき上がるものではございません。しかしながら、その点については十分附帯決議趣旨も尊重して改正する努力をいたしておるわけでございます。その段階であるから、取り残された者もしばらく放置しておいてもいいというように私ども考え得ない。そういう考え方に基づいていたしておるわけでございまして、この点は決して一時のびほう策、少しほころびをつくろっておいて大修繕をやめようという趣旨ではないのでありますから、そこのところはひとつ御了解をいただかなければならぬと思います。
  30. 横山利秋

    横山委員 一歩譲って——一歩どころではない、百歩譲ってあなたの言うことをそうだと考えても、それでは根本的解決とは一体何を考えているのですか。どうしようというのですか。東京へ行く列車か大阪へ行く列車かわからぬ、名古屋におって根本的解決をするとおっしゃるのだけれども、一体どこへ持っていこうというのですか。あなた方の話を聞いておりますと、手数料制度をなくするようにも思える。しかし、そうでないようにも思える。何とかせなあかんということだけは言っておる。したがって、私はますますびほう策だと言うのです。将来東京へ行くというはっきりした大方針があって、そのためにはいろいろ問題があるから検討しておるのだというのならわかる。何らの根本的方針の大道が明示されてないじゃないですか。行く先もわからぬ列車にわれわれは乗るわけにいかぬ。この法案に先立って行く先を明示しなさいよ。執行吏制度は将来かくするという根本方針を明示して、そのために、われわれは時間がかかるからしばらくの間はこれでかんべんをしてもらいたいというのならまだ恕すべき点はあるけれども、どっち向いておるやらわからぬじゃないですか。
  31. 鹽野宜慶

    鹽野政委員 いろいろ重要な問題点を御指摘いただきましてまことに恐縮に存じておりますが、ただいま仰せられましたように、法務省の考え方が右往左往して帰するところを知らぬという状況ではないのでございまして、向かうべき方向が有給の国家公務員である、すなわち執行官という制度にすべきだという基本方針はきまっているわけでございます。ただ、先ほども申しましたように、執行官にどの程度権限を与えるのが妥当であるか、また、最終的にはすべての執行に関する権限を与えるにいたしましても、すぐそこまで到達できるのかどうか、中間段階という制度考える必要があるのじゃなかろうか、そうしなければ円滑に制度の切りかえができないのではなかろうかというようなことが問題になっているわけでございまして、決して向かうべき方向がきまっていない、まだそれを検討中だというわけではないのであります。  それからこの機会に、別の問題でございますが、ちょっとつけ加えて御説明させていただきます。私どもの御説明が非常に不備であったためと存じますが、先ほど三百数十名のうちから十名程度を救うようなこそくなことでは意味がないというふうな御指摘がございましたが、今回の法案は、手数料のすべての点につきましてこれを増額しよう、こういうことでございまして、その結果救われる者が十名とか十五名とかいうものでは決してないのでございまして、執行吏三百数十名全体の収入が上がる、こういうことでございます。先ほど最高裁判所からも御説明がございましたように、現在全国で平均いたしますと、執行吏一人の平均手数料が年額六十六万円ほどになっております。三十八年の統計であったと思います。したがいまして、今回全体として三割五分の増額ということになりますと、年額にいたしまして約百万円の収入ということになるのでございます。これはもちろん執行吏制度をどういうふうに見るかということによりまして、必ずしもこういうものでは足りないのだという御意見があることは承知しておりますが、現在の段階といたしましては、従来六十六万円程度のものが、今回の改正によって年額百万円ぐらいの収入になるということになりますれば、かなりの待遇改善になるというふうに考えているわけでございます。  それからもう一点の、先ほど三百人のうちの十人ぐらいと仰せになりましたのは国庫補助基準額の問題であると存じますが、今回の法律改正しようといたしますのは、退職者の恩給の点でございまして、国庫補助基準額自体の問題ではないのでございます。私ども説明が不十分でございましたので十分御理解いただけなかったと存じますが、今回の法案の内容とするところ、またねらいとするところはさような次第でございますので御了承いただきたいと思います。
  32. 横山利秋

    横山委員 第一の問題の、この方向を明示するということについてはわかりました。一体それはいつごろまでを目標に考えておられるのですか。また七十年待てということではないのでしょうね。ここで大体の目標の期日を置いて、そしてそれに向かって全力をあげて今日の欠陥を是正するという、国会提出すべき法案の大体の時期を明示してください。
  33. 鹽野宜慶

    鹽野政委員 執行吏に関する根本的な制度の変革を志しているわけでございますが、御承知のとおり現在まで相当の年月を使っているわけでございます。そこで現在の作業の進行状況を考えますと、今後どれだけの日数があれば確実に成案を得ることができるかということをここで申し上げることは非常に困難なことでございます。それは決して顧みて他を言うわけではないのでございますが、この執行吏制度の問題は、戦前におきましても検討を続けられてきた問題でございまして、私ども古い資料を見ますと、戦前におきまして、昭和二年に、当時の司法省に強制執行並びに競売改正調査委員会というものが設けられまして、執行吏制度並びに強制執行制度全般について本格的な改正作業が計画されたのでございますが、これが昭和十八年、戦争が起こるに至って中断されるという状況でございまして、昭和二年から十八年まで続けられまして、なおかつ法案にまとめるだけの成案を得られなかったというふうな経緯があるのでございます。かるがゆえに私どもの現在の作業が将来に向かって見通しがつかないのだということを申し上げるわけではございません。私どもとしては、できる限りの努力を尽くしまして、今後できるだけ早い機会に成案を得たいと思っておりますが、さような状況でございまして、現在のところで一半年や一年で国会提出するだけの法案をまとめるという自信はないのでございます。  それから、さらにこの執行吏制度が一応まとまりますと、それに合わせて民事訴訟法の手続法令の整理ということが当然必要になってくるわけでございまして、制度の確立と手続法の改正、この二つができましてこの強制執行制度改善ということができるわけでございます。その暁に初めていまいろいろ問題になっておりますブローカーその他の問題がかなりな程度に整理できるのではないかというふうに考えております。したがいまして、制度を整理して訴訟法の手当てをするというためには、事務当局として申し上げますと、まず三年ぐらいはどうしても必要じゃなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
  34. 横山利秋

    横山委員 おそらくそういうことは、あなた以外に昭和二年から屡次の国会で同じことをだれでも言っていらっしゃったと思う。同じことをいつの時代にも言っておって、これはまた三年を過ぎたら同じことをおっしゃるに違いない。議論はし尽くされているではないか。何をこれから検討するのですか、何をこれから実情調査するのですか。承知しますところによると、昭和二十八年の法務事務次官の照会の際にも、いろいろと問題点が提起された。ずっと歴史的なというと大げさでありますが、書類を整理すれば問題点の提起はいつもいつも出ておるじゃないか。そうして数十年をけみしてまた同じことを説明をなさって、これこれの法律改正せんならぬのはあたりまえのことなんです。したがって、私はもう、言うては恐縮だけれども、判断の問題、努力の問題に尽きるのではないか。またこの法律が通ったら、やれやれ一服しょまいか、おれの在任中はまあまあだ、後任者が来たら、また国会にしかられて、それならちょっとやってみようじゃないか、そのうちにまた手数料の引き上げでもして、また同じことを言うことは目に見えていると私は判断する。おそらく国会の議事録でも、あなたのいまおっしゃったことはいつも言っているではないか。どうなんです大坪さん、そう思いませんか。
  35. 大坪保雄

    大坪政府委員 いま鹽野調査部長が申し上げたところで従来の経過及び現在の段階のことは一応御了解いただいたと思います。そこで、いつするかということは結局最高責任者の判断と決意だ、こういうことでございます。この決意は法務大臣がやるわけでございますから、御質問趣旨はよく法務大臣にも伝えまして、御期待に沿うように決意をしてもらうようにまた進言もいたしたい、そういうふうにひとつ御了承をいただきたいと思います。
  36. 横山利秋

    横山委員 納得できませんが、次へ少し問題を移します。  先ほどお話が出ておりましたが、執行吏代理というやつですね。あれは何ですか。執行吏が適当に選んで裁判所の認可を受けてやるということで、別に試験制度はないわけですね。
  37. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 執行吏代理の資格といたしましては、執達吏規則の十一条にございまして、執行吏の登用試験に及第した者というのがございます。でありますから、そういう規定によって執行吏代理になる者は試験を受ける。それから第二には執行吏職務修習者にして三ヵ月以上その職務を修習した者、それから第三には裁判所書記官の登用試験に及第した者、それから地方裁判所執行吏代理として職務を行なうに適当と認めた者という四種類がございますので、特に執行吏代理特有の試験というものはございません。ただ執行吏としての登用試験に合格した者とか、あるいは裁判所書記官の試験に合格した者というような、別の試験で資格を得るというような制度になっております。
  38. 横山利秋

    横山委員 あなたの言うように、第二の「執達吏職務修習者ニシテ三箇月以上其職務ヲ修習シタル者」ならばだれでもなれる。それから「区裁判所ノ一人ノ判事若クハ監督判事ニ於テ臨時執達吏職務ヲ行フニ適当ト認メタル者。」これは自由裁量ですね。この執行吏代理がほぼ執行吏と同数ある。同数あって、その委任を受けた限りにおいては、全権をもって国家権力行使する、そうですね。どこかに問題がないですか。何もこの制度について問題はないと認めますか。
  39. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 お尋ねのように、確かに執行吏代理制度というものは、一定の資格を有する者ということではございまするけれども、はっきりした試験というような制度もございません。そういうものを、しかも執行吏が採用するという、いわば私人間の契約みたいなもので雇われた人が、その行なうところはすなわち執行吏執行行為と異ならない国家の権力行為行使するということは、確かに変則的な制度でございます。この点は、先ほど法務省のほうから申し上げました根本的な改革を考えるその中間において、暫定的な措置を講ずるという際にも考えなければならない点ではないかというふうに私ども考えておりまして、真剣に研究中でございます。
  40. 横山利秋

    横山委員 執行吏は常に強制執行する場合には身の危険を感ずる。これは債権者並びに債務者及び競売人、立ち会いブローカー全部が強制執行している場合の雰囲気はおのずからお互い承知のとおり。執行吏がその途中において死傷事故があった場合、これは何法によって救済されますか。国家権力行使すべき代行者が、それによって身体に死傷を及ぼした場合には何法によって適用されますか。
  41. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 執行吏がその職務執行中災害を受けましたときにおきましては、国家公務員と同様の国家公務員災害補償法の適用を受けます。ただその際に、基準となる俸給額の基準というものが補助基準額を基準とされておりますので非常に低い。そうして、そういう点についても将来改むべき点があるのではないかということは、私どもも真剣に考えておるのでございます。執行吏代理につきましては、遺憾ながらそういう制度すらないのでございます。
  42. 横山利秋

    横山委員 あなたが問わず語りに言うように、根本的制度考える前にだってやらなければならぬことがあるとおっしゃっているとおりだ。私は、警察官だってあるいは国家公務員だって、災害補償というものは完全とはいえないけれども、法制上は一応体をなしておる。ところが、執行するという場合における債務者との関係、あるいは労働関係の強制執行等から考えましても、執行吏が常に身辺に精神的な苦痛を感じ、危険を感じ、そしてそれをあえてからだを張ってやらざるを得ないという状況にあるのにかかわらず、その国家公務員災害補償法の適用の基準額が全く低い。なぜ一体今日まで放置されておるのであるか。その執行吏自分が雇用する雇用関係にある人間が、国家権力を全的に行使するということもおかしいなら、その代理は全権を委任されてやるのであるから、全く同等の立場において国家権力行使するのに、それに対して一文も法の補償のないということが、どうして一体いままで放てきされているのであるか。放てきされているにはされるだけの理由があったと思うから、それを伺いたい。
  43. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 根本的な改革に至りますまでに相当の時間を要するとすれば、間、われわれはただいま申されました執行吏代理制度のみならず、監督の制度その他につきましても、前向きに暫定的な措置をとらなければならないということを、いま真剣に考えておりまして、そうしてこれは暫定的なものではありまするが、しかし、暫定的なものでありますがゆえに、根本的な改革に要するほどの時間を要しないで、そういうお説のような改革に向かって努力してまいりたいと思っております。
  44. 横山利秋

    横山委員 意地の悪い質問ではありまするけれども、あえて言いますが、そんなことはすぐできるじゃないですか。執行吏代理を、国家公務員災害補償法のように特別な法律をつくれば。それは法律をつくったらどんな矛盾が起こるのですか。いま現に執行をしておるのです。そして常に身辺に精神的な危険、それから肉体的な危険というものは現に存在しておる。緊急性は私はこれが最も緊急性だと思う。なるほどおまんまも食えないかもしれない。しかし、おまんまの前に生命の、また精神的な苦痛、危険というものが現に存在しておるということを、あなた方は積極的に理解しておるのかと私は聞いておる。だから、やろうと思えばすぐにだってできるじゃないか、なぜできないのかと聞いておる。
  45. 鹽野宜慶

    鹽野政委員 御指摘の点まことにごもっともでございます。私どもといたしましては、基本的な根本的な制度の改革ということが、さらに円滑に進むという見通しでいままで努力を続けてきたわけでございます。そこで、その間先ほど指摘のとおり手数料等につきましても、そのつど当面の手当てを重ねてきたわけでございます。この根本的な制度改正ということが、なお年月を要するということになってまいりますと、いまのような諸問題につきましても この段階でさらに早急に手当てを考えていくということが必要と考えているわけでございます。
  46. 横山利秋

    横山委員 そんなまやかしではなく、大坪さんはっきりしてくださいよ。これは最も緊急性があるとするならば、私が言うのはそれだけだ。そのような事態を糊塗するよりも、最も緊急性があるとするならば、私が考えるのにはそのことだけだ。それをすぐ立案してくださいよ。
  47. 大坪保雄

    大坪政府委員 いま横山さんの御指摘になった点は、申さばこれは立法の不備ではなかろうか、私も不勉強でよく存じ上げなかったのですが、しかし、執行吏の代行をする者に対して災害補償法の道が公に講ぜられていないということは、これはやはり一つ欠陥だと思いますから、法務省といたしましても急速にその点に対する手当てをするように努力いたしたいと思います。
  48. 横山利秋

    横山委員 私はわからないのでありますが、一体執行吏はどのくらいの報酬があるのですか。あなた方も御存じなんでありましょうか。今度執行吏の方がいらっしゃったら遠慮なく私は聞きたいと思っておるのですけれども、こんな少額の手数料で、合同役場がつくられて、あれだけの人がよう生活をしていらっしゃると思う。一体東京における執行吏は月平均どういう収入がどのくらいあって、そしてその職員たちの給料は何人がどのくらいもらっておるか、東京における合同役場の決算の内容、それを承知したいと思うのでありますが、間違いのない事実というものはわれわれが承知することができますか。あなた方はよく事実をつかんでいらっしゃるのですか。
  49. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 執行吏収入と申しますのは、手数料と立てかえ金、それが一応いわば荒収入でございます。それから経費、立てかえ金というものを差っ引いたものが純収入となっております。そこで執行吏役場人員が非常に多い東京のようなところでございますと、いわゆる荒収入は非常に多いわけでございます。ただいままで調べました資料によりますると、一人当たり年間約四百万円でございますが、東京は何ぶんにも大きな合同役場を持っておりまして、そうして職員の数も多いわけでございますので、そのための経費というものが、ほかの役場、まあ平均半分ぐらいということを前回申し上げましたけれども、東京は四分の三ぐらいが経費に食われております。結局、執行吏の純収入の平均というものは一人十万円ぐらいというところでございます。今回の手数料増額ということがもし実現いたしますれば、これが十三万五千円ぐらいになろうかと存じます。  それから執行吏役場事務員の収入と申しまするものは、これは東京で申しますると、まあ事務員はいろいろ等級もあるのでございますが、たとえば執行吏代理でいいますると、昨年度の収入の状況で、執行吏代理の多いところは月五万円、少ないところで三万円程度になっております。
  50. 横山利秋

    横山委員 私の言っておるのは——あなたのごらんになっているのは、おそらく合同役場から公式に出ておる数字じゃないかと思う。実際はほんとうにそうかといって聞いているのです。実際そのとおりかといって聞いているのです。
  51. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 御指摘のとおり、私がただいま申し上げましたのは、執行吏役場から報告を徴しましての数字でございます。ただ、それが正確なものかどうかという点になりますると、これは非常に正確なものであるということが実は申し上げられないのであります。と申しますのは、手数料それから立てかえ金の収入ということは、これは何件あって、どういう事件をやったということではっきり出てくる数字でございまするけれども、経費のほうとして、たとえば合同役場を維持するための経費、それから人件費というようなものは比較的はっきり出てくるのでありますけれども、いわゆる立てかえ金の計算という点が、これはわれわれが出張に参りますときに出張旅費をもらいますが、これは収入になるわけではございませんで、それだけの出張に行く費用が要るわけでございます。そのいわば差額というものを執行吏においては収入と見ているわけでございまするが、その差額の計算は、この出張について、この事件に出かけていったがためにどれだけの金がかかったというところの計算はなかなかこまかくは出てまいらない数字がありまして、そこの辺が多少不正確な点はあるというふうは私どもは見ておりまするが、大体におきまして、この報告というものは一応そのとおりであろうかというふうに思っております。
  52. 横山利秋

    横山委員 それまた私は納得できないのであります。あなた方が合同役場から出された表向きの数字を見て、ああ、これでは食えぬから何とか二割、三割上げてやろうということだけで本法案を出していらっしゃるとするならば、笑うべきことだと私は思う。少なくともわれわれが今回これを取り上げるゆえんのものは、なぜ一体執行吏関係していろんな問題があるのだろうか、なぜ執行吏の中から犯罪があるのだろうか、そういうことが議論の焦点であるわけですよ。あなたが公的に出てきた数字だけで、大体間違いないと腹の中では思っていらっしゃるわけはないと私は思う。われわれが暫定的にしろ、あなた方のベースに立って手数料上げようとするゆえんのものは、これによっていささかなりとも執行吏制度が適法に行なわれ、そして問題がなくなり、一部にあるような汚職が根絶をされる方向へ一歩進むかどうかということが、われわれの判断のものさしでなければならぬと思う。ただ普通の公務員のベースアップの問題とは違うと私は思っている。その判断はないのですか。ただその公的に出てきた数字だけでは食えなかろうから少し上げてやる、ベースアップに沿って上げてやるということだけなんですか。執行吏制度を、これによって現在の諸矛盾を少しでも解決しよう。諸矛盾とは何だ、債権者の代理みたいなかっこうでやっているようなことによって、自動車賃もただなら、めし代もただなら、あれもこれももらっておるというようなことについて、若干でもメスを入れて、そのかわりこれを上げてやるということでなくてはならぬと私は思っている。そういう気持ちはないのですか。
  53. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 私どもも、執行吏役場から出された報告を、そのまま全く正確なものとして信じてよろしいというふうには考えておりません。したがいまして、昨年来、大阪であるとか、熊本であるとか、あるいは静岡の沼津であるとか、そういう方面におきまして、法務省と共同いたしまして、その収入の状況であるとか、実際の執行吏の勤務状況であるとか、そういうものにつきまして事こまかな実態の調査を行なっているわけであります。そういうことも、執行吏収入実態をよくつかみたいという努力の一つなのでございます。
  54. 横山利秋

    横山委員 どうも御答弁があいまいなんですが、一体執行吏に対する監督責任というのは、何法の何条によってだれがこれを常時監督をし、そして最高裁としてはどこの局が執行吏制度についての監督責任を負っているのですか。
  55. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 執行吏に対する監督の根拠と申しますれば、一番根本的な規定は、裁判所法八十条によって、地方裁判所がその職員を監督する、こういう規定になっておりますので、地方裁判所に属しております執行吏は地方裁判所の監督を受けるということになります。そのことは、さらに執達吏規則の四条に「執達吏ハ所属区裁判所ノ一人ノ判事若クハ監督判事ノ監督ヲ受ク」こうございますが、これが昭和二十二年の政令二十八号の、裁判所法施行法に基づく執達吏規則及び執達吏手数料規則の変更適用に関する政令第一条第二号によりまして、地方裁判所と読みかえられ、結局、地方裁判所の監督を受けるということに規定されておるわけでございます。具体的には、それじゃどういう監督をするかということにつきましては、昭和二十八年の最高裁判所規程第十号によって執行吏監督規程というものがございまして、これによりまして地方裁判所が査察官というものを指名することになっておりまして、その査察官が毎年少なくとも二回以上執行吏役場の査察をするということになっておるわけでございます。  御指摘がありましたように、執行吏役場に対する監督というものがはなはだ不徹底ではないか、それはまことに仰せられるとおりでございまして、この点につきまして私どもは不徹底なゆえんというものが、一つには地方裁判所の監督、申しますと、地方裁判所の裁判官会議によって監督されるという形になっておりますので、そういたしますと、やはり合議体による監督というものは、その迅速性におきまして、あるいは責任の帰属におきましてどうしても不明確になりやすい、そういう点をこの際は改むべきではないか。たとえば監督者を所長という一人の人に持っていくべきではないかというふうに考えまして、そこを改める裁判所規則というものをただいま立案中でございます。  それから年二回の査察ということではとうてい監督の実をあげにくい、そういうことを従来の査察の結果われわれは痛感いたしておりますので、常時監督ができるというような監督補佐官というものを設ける規定をやはりこの監督規程の改正として立案中でございます。
  56. 横山利秋

    横山委員 ほんとうに聞けば聞くほど問題点が続出をしてまいりますし、それらの問題点についてはあなた方が百も承知しておることばかりなんですね。私はしろうとではありますけれども、ここまで言う以上、名古屋へ行きまして合同役場も訪れまして、その執行吏並びに代理者並びに担当者の諸君の意見を、しろうとながらいろいろと聞いてきました。まことにこれは何たることかという考えを強くするばかりなのであります。裁判所の地下の物置きみたいなところで十数人が固まっていろいろ仕事をしている。そこへやってきた人が、小さい窓口をあけて、ものものしい小さな窓から首を出してやっておる。中に入ってどういうふうに仕事をおやりになっているのですかといっていろいろ聞いた。一体皆さんはどういうふうに法規、通達について御勉強していらっしゃるのですか。裁判所は皆さんに対して新しい法規、通達なり、研修について何かしてくれますか。何にもしておらないのであります。その執行吏がこれを読んでくださいといって私にくれました膨大な執行判決通達決議実例集、これを見ますと、二十三号まで自費で刊行しております。その人の自費でこういうことをやっているということは、私はまことに見上げたものだと思う。本来こういうことは執行吏連盟が全国的にあるのでありますから、全国的にみずからの研修制度がなされなければならぬと痛感をします。しかし、それと同様に、これは国家公務員なんですから、国家公務員であれば、裁判所がなぜこういう研修制度をやらぬのか、執行吏がまじめな人で、自分の研究のためにもみんなのためにも、判例を全部ここへ引用してみんなに配っております。こういうようなことは、一般の労働組合なら、最近はやりのことで自分たちでやりますけれども執行吏という立場にある人が自費でこういうことをやらなければならぬということは、御本人は実に見上げたものだと私は思いますけれども、役所として一体どうしているのだということを痛感するわけであります。私が聞いているのは監督権の問題であるけれども監督権というものは、ただ執行吏が悪いことをやったらしかってやるという意味の監督権ではなくて、その事前の研修なり、それらをやるための援助なり、そうして法規、令達、判決の内容なりの知悉をするなり、それらの研修制度が先行しなければだめなんです。研修制度についてあなた方が責任を持ってやらせるようにしなければだめなんです。そのことについてはどうなっておりますか。
  57. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 ただいま御質疑のありました点はすべてごもっともなのでございまして、監督の制度にいたしましても、監督をする以上、それにうらはらをなすところの研修であるとか、あるいは人的、物的な国家的な補助であるとかいう面を考えませんと、監督だけを強化するということはとうてい不可能でございます。なぜいままでそういう点が、考えてはおりながら実現されておらなかったかという点になりますと、率直に申しまして、これは根本的な制度待ち、その際には一挙によくするのだというような気持ちがあったかと思います。しかしながら、いまや根本的な制度というものもそう早急には実現困難であるということになりますれば、少しでも前向きで前進的な態度をとらなければならないということになりますと、一つにおいて監督制度の強化、他方においてそういう研修であるとか、あるいは人的、物的な補助ができるような制度の暫定的な案というものを、近いうちに成案を得なければならないものであると考えております。
  58. 横山利秋

    横山委員 一体執行吏は、私の承知するところによりますと、執行吏事務処理規則、これが二十八年制定、執行吏執行等手続規則、二十八年、執達吏規則は明治二十三年、それからいまお話のあった裁判所、これは基礎法だから例外にいたしましても、執行吏任命規則、執行吏監督規程、それから手数料に関する規則等々、少なくとも最初あげた二つ、三つの規則というものは、何が上位にあって何が下位にあるか、またどういう分野をそれぞれ規定しておるのかという点については、私はずっと一応読んでみたけれども同じようなことが書いてある。こちらにも書いてあるし、あちらにも書いてあるという気がするのです。なぜこういうような規則を幾つも幾つもつくらなければならぬのか、なぜ暫定的——暫定的という話になってきたけれども、暫定的でも一本で簡単明瞭に執行吏に関するすべての問題を列挙し得るようなことをしないのか。何を見ても何が書いてあるかということがわからぬじゃないか。私みたいなしろうとが執行吏を勉強し執達吏を勉強しようと思ってずっと見たけれども、この規則にもこの規則にも同じようなことが書いてある。必ずしも片一方が手続だとは考えられない。この法規についてなぜ今日まで統一をしなかったのか、それを伺います。
  59. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘の点も全くそのとおりなのでございますが、現行の制度といたしまして、一応組織関係権限事務処理等に関しましては裁判所法あるいは執達吏規則というものが根本の規定でございまして、これは法律でございます。そのもとに裁判所の規則としての執行吏任命規則であるとか、先ほど申しました執行吏の監督規程であるとか、執行吏事務処理規則というようなものが組織の面を規定しておるのでございます。それから給与関係につきましても、その基本は裁判所法あるいは法律である執達吏規則に一応規定しておるのでございますが、それをさらに詳細には執達吏手数料規則あるいは執行吏国庫補助基準という政令で規定しております。それから手続の面は、これは基本法は民事訴訟法あるいは競売法でありまして、その細則的なものが執行吏執行等手続規則というふうに、各規律いたします面を異にいたしまして別系統の法律、法令の系統が成り立っているわけでございます。  ただしかしながら、御指摘になりましたように、ただいま裁判所法六十二条と執達吏規則第一条には同じようなことが、すなわち地方裁判所執行吏を置く、それから執行吏がどういう権限を持つか、どういう職務を有するかというようなことが裁判所法にも書いてあり、執達吏規則にも書いてあるというような、はなはだふていさいな状態になっておる。それから執達吏規則を改めないで、変更適用に関する政令というようなもので読みかえていくというようなふていさいな形になっていることは、これを認めざるを得ないのであります。なぜそういう状態に放置されておったかということになりますと、これもやはり基本的な改革をやるんだという前提のもとに、その際には一挙にしてこういうふていさい、不合理をすべてなくしてしまおう、その際になくするのだという態度であったからであります。しかしながら、根本的な改革というものが必ずしも近い時期に実現できないということになりますれば、暫定的な措置も講じなければならないということになって、その際に裁判所法あるいは執達吏規則改正するということになりますれば、先ほど申しました変更適用に関する政令などというふていさいな形の法令は、これをその際に改めたいと思っております。
  60. 横山利秋

    横山委員 ちょっとお伺いしますが、執達吏規則十九条「執達吏一年間ニ収入セシ手数料六百円ニ充タザルトキハ国庫ヨリ其不足額ヲ支給ス」これは生きておるのですか。
  61. 加藤精三

    加藤委員長 ちょっと調査中でございますからお待ちいただきます。
  62. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 この御指摘になりました執達吏規則十九条というものは、形式的には生きているわけでありまするが、この生き方というものが、臨時措置法の第五条によりまして、政令の定むるところによって実際の額はきまるんだというふうな、法律は死んでいるということではございません、基本法としては残っているのだが、その適用がしばらくの間、臨時措置法によって、政令の定むるところによって額が定まってくるわけです。
  63. 横山利秋

    横山委員 臨時措置法を読んでください。
  64. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 「第五条 執行吏一年間ニ収入シタル手数料が政令ノ定ムル額ニ満タザルトキハ国庫ヨリ其ノ不足額ヲ支給ス」
  65. 横山利秋

    横山委員 それは少し法理論としてはおかしいじゃないですか。特別措置法ですか、それをつくるときに、執達吏規則第十九条の執行を停止をする条文が附則かどこかに掲げておらなければ、十九条は生きておるじゃないですか。別に私は実質論を言うのじゃなくて、法理論としてそんなことはおかしいです。
  66. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 そのときには、つまり経過的措置と申しますか、前の法律との関係趣旨は、臨時措置法の第一条によりまして、「民事訴訟費用、刑事訴訟費用、執行吏手数料等ニ関スル特例ハ当分ノ内本法ノ定ムル所ニ依ル」こう後法によって前法を改めた関係になると思うのであります。
  67. 横山利秋

    横山委員 どうもよくわからぬが、なぜそれでは執達吏規則第十九条は当分の間効力を中絶するとかなんとか、そういう附則がその中にないのですか。あなたはほんとうに法理論的に、この明治二十三年の執達吏規則と何ら矛盾しないと言い切れるか。法理論的に手続上欠けたる点があると思わないか。
  68. 菅野啓藏

    菅野最高裁判所長官代理者 臨時措置法自体がいわゆる臨時でございまして、これが附則的性格を持っておると言っては語弊があるかもしれませんが、大体そういう性格法律であって、執達吏規則は、この臨時措置法ができましたおりには、根本的に改めるということが前提になっておって、その臨時の措置を、いわば附則でやるべきところを独立のものでやったという形になっておると思います。
  69. 横山利秋

    横山委員 その臨時措置法の中に執達史規則十九条にかかわらずという文句を入れるべきではなかったか。
  70. 鹽野宜慶

    鹽野政委員 いまの点は確かに立法技術から見ると、御指摘のような問題があると思いますが、そのかかわらずという趣旨が、臨時措置法の第一条に関する特例は「当分ノ内」ということで読ましているのだという考え方であります。
  71. 横山利秋

    横山委員 私は、この問題は単に手続論として、先ほど言いました執行史に関する諸法規が不統一であるという一つの例証としてあげたわけでありますが、実際問題として、だからといって十九条が生きておるから六百円やれというつもりはない。つもりはないが、とにかくあなた方の考えの根本にこういう考えがある。最初指摘したように、根本的改正根本的改正といってじんぜん日をむなしゅうしておるだけであって、当面緊急にやらなければならぬことまで延ばしておる。そして思い余って暫定的にかかる糊塗的な法案を出して、一時のがれをやって、また延ばす。そしてわれら存命中には執行吏根本的改正は行なわれ得ないであろう、こう私は考える。だから、その意味の例証としてあげたわけであります。委員長にも申し上げたのでありますが、私が指摘をしたい点はまさにたくさんありますので、いささか私も復が立ってきて、復も減ってきましたので、本日はこの辺で終わって、ただ資料の提出だけ次回のためにお願いしておきたいのであります。  第一は、執行吏に関する刑事事件及び行政上の処分事件、それらの概要を出していただきたい。  それから第二番目には、先ほど菅野さんからお話があったが、その執行吏は一体どのくらいの収入を持っておるのか。私は公式的な数字はもらってもあまり意味がないと思うんだけれども、しかし、どうしてもそれよりないとおっしゃるなら、公式的な執行吏収入、地域的な分布等をもらいたい、できれば実体収入がどういう問題があるかということも含めて、実体収入をもらいたいと思うのです。  第三番目には、執行吏の今日の組織の状況、それから代理職員、それから組合等、執行吏及びそれらに関するそこに働いておる人々の組織現状人員構成、職名区分等というようなものの一覧表をいただきたい。  それから先ほどお話がありました執行制度改正の経過につきましては、もらうとあまりたくさんになって御迷惑もかかると思うわけでありますから、その中で、私も見ましたところで一番問題点を指摘しておると思われるのですが、昭和二十八年の法務事務次官の照会の際に添付されたと称する執行吏制度改善に関する問題点、それらをわれわれに配付を願いたい。しかし、そのほかであっても、これでなくてもよろしいのです。要するに、政府が今日まで執行制度について問題点して検討をしたもので一番適当と思われるものがあるならば、それでけっこうでありますから、われわれに配付を願いたい。  以上であります。
  72. 加藤精三

    加藤委員長 本日の議事はこの程度にとどめます。  次会は来たる四日、午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十八分散会