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1965-04-07 第48回国会 衆議院 文教委員会学校警備員小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員会昭和四十年三月二十六日(金曜日)委 員会において設置することに決した。 三月二十六日  本小委員委員会において、次の通り選任され  た。       上村千一郎君    大石 八治君       熊谷 義雄君    松山千惠子君       南  好雄君    八木 徹雄君       川崎 寛治君    長谷川正三君       三木 喜夫君    鈴木  一君 三月二十六日  南好雄君が委員会において、小委員長に選任さ  れた。 ————————————————————— 昭和四十年四月七日(水曜日)    午後零時九分開議  出席小委員    小委員長代理 八木 徹雄君       上村千一郎君    大石 八治君       熊谷 義雄君    松山千惠子君       川崎 寛治君    二宮 武夫君       三木 喜夫君    鈴木  一君  出席政府委員         文部事務官         (大臣官房長) 西田  剛君  小委員外出席者         文教委員長   渡海元三郎君         文部事務官         (初等中等教育         局審議官)   安嶋  弥君         自治事務官         (財政局財政課         長)      岡田 純夫君         専  門  員 田中  彰君     ————————————— 四月七日  小委員大石八治君三月三十日委員辞任につき、  その補欠として大石八治君が委員長指名で小  委員に選任された。 同日  小委員熊谷義雄君三月三十一日委員辞任につ  き、その補欠として熊谷義雄君が委員長指名  で小委員に選任された。 同日  小委員長谷川正三君同日小委員辞任につき、そ  の補欠として二宮武夫君が委員長指名で小委  員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  学校警備員に関する件      ————◇—————
  2. 八木徹雄

    八木(徹)小委員長代理 これより会議を開きます。  小委員長指名により、私が小委員長の職務を行ないます。  学校警備員に関する件について調査を進めます。  まず、学校警備員状況等について、説明を聴取いたします。安嶋初中教育局審議官
  3. 安嶋弥

    ○安嶋説明員 学校警備員設置状況でございますが、昭和三十八年十二月一日現在の調査によりますと、全町村三千四百三十三市町村のうち、学校警備員設置いたしておりますのが、百三十五市町村でございます。この市町村の中には、東京都の特別区も含めて計算をいたしております。このほかに実は調査関係上、市町村の数ということでなくて、学校数であがっておりますのが、ほかに百十八校ございます。学校警備員の人数でございますが、四千六百九十二名ということになっております。実施都道府県の数は二十六都道府県でございまして、市町村全体に対する学校警備員設置比率は三・九%ということになっております。  それから学校警備員は四千六百九十二名おるということを申し上げたわけでございますが、このうち大体七五%程度常勤でございまして、他の二五%程度が非常勤ということになっております。  それから警備員身分につきましては、これはいろいろのようでございますが、大体設置市町村職員ということになっておりますけれども、中には特定業者学校警備事務を委託しておる、いわゆる委託契約によっておるようなものも含まれておるような状況でございます。  それから、百三十五の市区町村におきまして警備員制度実施されておると申しましたが、東京都の特別区を除く大部分の市町村におきましては、この警備員制度教職員による宿日直とを併用しておるという状況でございます。東京都の特別区だけが警備員制度によってのみ学校警備を行なっておる、こういう大体の状況でございます。
  4. 八木徹雄

    八木(徹)小委員長代理 質疑の通告がありますのでこれを許します。川崎君。
  5. 川崎寛治

    川崎(寛)小委員 いま説明のありましたその警備員給与体系はどうなっていますか。
  6. 安嶋弥

    ○安嶋説明員 実はその給与体系につきましては、全国的な調査はまだ行なっておりませんが、東京都の例でございますと、職員身分はそれぞれ設置する団体職員ということでございまして、職員の職種といたしましてはいわゆる単純な労務に服する職員ということで、地方公営企業労働関係法適用になっております。それで、この身分は都に属するものと区その他の市町村に属するものとがあるわけでございますが、いずれにいたしましても警備員として設置されておるものにつきましては、単純な労務に服する者ということで地方公営企業労働関係法適用になっておるということでございます。  それから給与につきましては、したがいまして職員給与に関する条例に準拠をいたしまして、特別な俸給の表が用意されておるようでございます。詳細につきましてはまだ私ども十分調査をしていないという状況でございます。
  7. 八木徹雄

    八木(徹)小委員長代理 三木君。
  8. 三木喜夫

    三木(喜)小委員 それでは私のほうから伺います。  最初文部省実態調査資料をお出しいただきたいと思うのです。これは自治省のほうにもお願いしたいと思っておりますが、まず宿日直実態予算関係、これは自治省のほうに関係があろうと思いますけれども関連して文部省のほうでこれを調べていただいて、この次のときに出していただきたいと思います。  それから、いま警備員実態を大体文部省のほうから出していただいたのですが、これを文書にして出していただきたい。  それから、われわれとしては、この学校警備員法を出しました大きな目的は、一つ施設設備の保全、いわゆる守衛の人たちの任務、これが一つのねらいですけれども、もう一つのねらいとしましては、教職員勤務実態というものから宿日直本務に影響を非常に及ぼしておる、これを非常に心配しておるわけです。ですから本務がこのために低下してくるということをおそれているわけです。  三番目といたしまして、教職員労働時間の実態、これをごく最近のものでいいですから出してもらいたいと思います。  それから、警備員の問題を論議するのには、どうしても火災それから盗難その他の事故実態というものを統計的にも明らかにしておく必要があると思う。この四つについて文部省のほうでできるだけ資料を集めていただきたい。一昨年この警備員法案を出したときに、私らのほうとしましても消防庁と連絡をとってその実態をいただいたわけですけれども、最近非常に頻度数が多くなってきているように思うのです。それと火災の様子が変わってきたんですね。そういうところからこの実態を調べてもういたい、こう思うのです。それも資料として出してもういたいと思います。  文部省のほうにそれだけ要求しておきたいと思います。  それから、私はこの前の懇談会のときにはおりませんでしたが、当委員会としてはたいへんな御配慮で、私が不在中にこうした小委員会設置していただきまして、非常にありがたいと思います。つきましては、この小委員会調査し、そしていろいろきめていただきましたことが、行政面とよくマッチして実るように、最初にひとつお願いをいたしておきたい、こういうように思うわけです。そのためには、一つにはいまおっしゃったような実態を明らかにしていただくことと、それからなお調査等いたしまして、こうしたことを明らかにしていく方向で実りをもたらしていただきたい、こういうように思いますので、その点は小委員各位にひとつよろしくお願い申し上げたいと存じます。  そこで、これから質問になるわけなんですが、文部省にひとつお聞きしたいのです。学校火災とかあるいは学校事故というようなものが、最近非常に変わった形態を持ってきておりますし、頻度数も多うなったと思うのですが、それはどういうように見ておられるか、それをお聞きしたいと思います。
  9. 安嶋弥

    ○安嶋説明員 最初資料についての御要求でございますが、十分御満足のいけるものが早期につくれるかどうか、多少自信がない点もございますが、極力御趣旨に沿う資料を作成して、提出いたしたいと考えております。  なお、資料の中に、予算関係資料というお話がございましたが、実は警備員関係予算というものは、これは国の予算はもとよりでありますが、地方交付税等にも、積算がございません。で、国の関係といたしまして関連のあるものを申しますれば宿日直予算ということだけでございます。  それから、最近の事故傾向並びにそれについての文部省考え方ということでございますが、実は私その点まだ十分よく研究いたしておりませんので、お答えはひとつ次会にさせていただきたいと思います。
  10. 三木喜夫

    三木(喜)小委員 私は姫路市なんですが、最近相次ぎまして、市立高校ですけれども高等学校火災がありました。それから続いて小学校火災がありました。高等学校火災のほうは原因が明らかになっていないようです。しかし、小学校のほうの事故は、火災放火によるのですね。しかも四年生の子供放火した。精神的に非常におくれておる子供学校に火をつけて、自分の劣等感というものをそれによって吹っ飛ばすといいますか、そういうことで学校を焼いておるわけです。そういう実態がございますので、これはもう文部省のほうにも報告があっておるだろうと思います。初中局長においで願ってお聞きするのがほんとうかあるいは管理局長がいいのか、その辺はわかりませんけれども官房長のほうとしては、そういうごく限られた一部分のところの問題ですけれども、これを全般的に及ぼすと、放火というような様相を持ってきたことが非常に多い。私のところであらわれておるのは精神病的な子供なんですけれども、しかしながら、そうでない正常な子供が、学校に対して、主として入学試験あるいは学力の劣っておるとかいうようなことから、非常に自暴自棄になって、ついに罪も何もないところの学校に報復する。しかも建物に報復するというような、そういう形態が非常に多いと思うのです。これは全国的な傾向になっておるかどうかは別にいたしまして、いままでと変わった様相を呈してきた一つ原因と私は思うのですが、これは一体どうです。
  11. 西田剛

    西田政府委員 学校火災原因につきましては、ただいま三木先生からお話のありましたように、いろいろの原因があるようでございますが、その中にも放火というような事情も相当あるようでございますので、それらの点につきましては、なお関係役所等とも連絡いたしまして、さらに事情を検討いたしてみたい、かように考えます。
  12. 三木喜夫

    三木(喜)小委員 そこで安嶋さんにお伺いし、ことによれば、大臣とかあるいは担当局長においでいただいて、ひとつ腹がまえを聞いておきたいのですが、われわれ社会党といたしましてもこの問題は非常に重要視しておる。重点的な議員提出法案として考えております。それから与党の理事でも、すでに学校警備員に対しての御賛成をいただいておる議員が多数おるわけです。ことによれば、私は社会党、自民党、与野党一致の形でこれを進めていただきたい、こういう非常な熱望を持っておりますが、小委員会設置そうして調査推進というような形になってあらわれてきたことを非常に喜んでいるわけです。さて、文部省としますと、これは相当な予算が要るわけですね。自治省との折衝大蔵省との折衝も非常な決意を持ってやっていただかなければ、これはできない問題だと思いますので、あなたとしてはどういう覚悟でやっていただくか。調査せいと言うたから調査する、資料出せと言うたから資料を出すというだけでは、せっかく小委員会設置していただいてやっていただいたのですが、それが実らぬと思いますから、その辺の決意のほどを伺っておきたい。追って大臣にも聞きたいと思います。
  13. 安嶋弥

    ○安嶋説明員 警備員制度の問題につきましては、大臣からもすでに何回か御答弁申し上げておるわけでございますが、方向といたしましては、もちろん私ども望ましい方向だと考えております。ただ、国の制度として一律にこの制度を取り上げていくということにつきましては、いろいろ検討すべき問題も多かろうというふうに考えております。  問題点はいろいろあるわけでございますが、警備員を置きました場合のその身分の問題あるいは処遇の問題あるいは一律に置くかどうかというような問題、あるいは最近のような労働力不足の状況下におきまして適当な者が得られるかどうかというような点、あるいは財源、そういった非常に広範な、しかもかなりむずかしい問題が多いように私ども考えるわけでございます。その辺を十分検討した上で対処していくべきものかというふうに考えておる次第でございます。
  14. 三木喜夫

    三木(喜)小委員 国の制度として取り上げていく場合には、問題点が多いことは私たちも重々承知しておるわけなんです。そういう点があるからいままで延び延びになっておったので、これは教育行政の上では非常な盲点になってきておるわけなんで、私たちはそういう点を改正しながら進もう、こういう覚悟なんですから、文部省としても問題が多いだけでは困るので、ひとつこれを打開していくという努力をする覚悟を持っていただかなければならないと思う。その点をお聞きしておるわけです。問題点があるからできないということで逡巡しておってもらっては困りますので、せっかく小委員会をつくったことが意味なさぬことになります。  そこでお聞きしようと思ったのですが、ちょっとあなたの口から言いにくいかと思います。これは後日大臣なり局長にもよく伺いたいと思いますから、できるだけ熱意を持って、いろいろな調査をお願いしましたことやら、そのほか今後各地の調査に参りたいという私たちも希望を持っておりますから、そういうことに対しての便宜をはかっていただきたい、こういうように思います。  そこで、話を進めまして、まず私たちとしましては現地調査考えておりますが、そのうちで東京都の実態ですね、いまお話がありましたけれども、何年ぐらいから置いて、そして現在どういう状況になっておるか、それをひとつお聞かせいただきたいと思います。
  15. 安嶋弥

    ○安嶋説明員 東京都におきます警備員制度と申しますのは、昭和二十六年四月一日から、まず都立学校にこの制度がしかれたわけでございまして、同時に区立学校もその線に沿って警備員設置したという状況でございます。しかし、三多摩地区あるいは八丈市町村等におきましては実施の時期が若干おくれまして、昭和三十六年度になってようやく警備員制度をしくことになったそうでございますが、八丈以外の島嶼におきましてはまだこの制度実施していないで、教員日宿直しているところも若干はあるようでございます。  現況を数字的に申し上げますと、都立学校につきましては百七十校に対しまして三百四十四名の警備員が配備されております。それから区立学校につきましては千百六十六校に対しまして二千四百七十六名の警備員が配備されておるということでございます。  年齢構成等を若干調べてみますと、都立学校の三百四十四名の学校警備員のうち百二十四名、約三分の一強でございますが、これが六十歳以上ということになっております。それから区立学校の二千四百七十六名のうち、これもやはり三分の一以上の九百九十六名が六十歳以上ということになっております。七十歳以上というものが百三十三名含まれておるという状況でございます。  それから一週間の勤務の時間でございますが、これは四十四時間でございます。勤務時間の振り割り学校長にまかされておるわけでございます。が、大体の公立学校における勤務の態様といたしましては、午後四時四十分に出勤をいたしまして、八時まで勤務する、それから一時間休憩をいたしまして、九時から午前一時までさらに勤務する、それから、午前一時から午前五時までは四時間の睡眠時間を与える、それから午前五時から八時半まで勤務に服して八時半に帰宅する。これは大体二百制をとっておるようでございますので、日によりまして多少勤務時間等が相違するようでございますが、大体の形を申しますと、いま申し上げましたような形でございます。  身分取り扱いの経過につきましても、発足いたしました二十六年から今日に至るまでの間におきましてはいろいろ変化があったようでございます。最初常勤臨時職員というような形で発足しておるのでございますが、最近におきましては大体正規の職員というような扱いを受けることになっておるようでございます。
  16. 三木喜夫

    三木(喜)小委員 ここにも問題があろうと思うのですが、非常に年齢構成が高年齢になっておるようでございますね。これはやはり文部省それから自治省あたりの力を入れていただく度合いが少ないために地方で苦しい財政の中から無理をしておるということが出ておりますが、それだけに、こういう年齢層であってもあえて置かなければならないというところに私はその必然性があると思うのですね。そういうように私は考えるわけなんですが、この年齢構成は、東京都のことだから文部省としては知らないというわけにもいかぬと思うのです。そこで、こういう構成状況を見られて、文部省としてはどう考えておられるかという点もこれは重要な問題だと思いますので、こういう点もひとつ検討していただいて、財政的に裏づけをするという方向に持っていっていただきたい、こう思います。  それから警備員の問題で、いままで非常にやかましく言われ、地域でも盛り上がってきているところは、私は広島県があると思うのです。かつて広島県では女教師が襲われるというような不祥事がありまして、それからこれは教員だけがやかましく言っているのではなくて、育友会とかその他教育を取り巻くところの団体のところからも非常に要請があったわけです。そうした広島県、大阪あたりに、他に見られないような事故が多いと思うのです。この点はどういうように見ておられ、どういうように実態を把握しておられるか、こういう点もお聞きしておきたいと思います。
  17. 安嶋弥

    ○安嶋説明員 先ほどの御説明の中におきまして、警備員年齢構成が高いという点、この点は私どもも確かに御指摘のように問題であるというふうに考えております。  なお、ただいま御質問広島あるいは大阪等で起こりました事故の点でございますが、これの理解につきましては、いろいろ考え方もあろうかと思いますが、私はもちろんはなはだ遺憾な事柄だと考えてはおりますが、この問題と学校警備員の問題との関連ということになりますと、これはいろいろ問題もあろうかと思います。学校警備員制度がしかれましても、事故というものは起こり得るわけかと思いますが、そういったような点につきましては、原因その他を十分研究をいたしまして対策等には積極的に対処すべきであるというふうに考えます。
  18. 二宮武夫

    二宮小委員 先ほどいただきました、警備員制度実施状況調査資料ですが、自治省のお方にお尋ねしますが、この市町村の中で地方交付税の不交付団体というのはどのくらいありますか。交付団体と不交付団体とに分けて、いますぐでなくても、わかりますか。
  19. 岡田純夫

    岡田説明員 県で申し上げますと、東京、神奈川、愛知、大阪、この四都府県だけが不交付団体でございます。市町村のほうはすぐわかりかねます。この資料文部省のほうで調査されたものと思いますので、文部省のほうから関係市町村名を聞いてもらえば、私どもでそのときにお答え申し上げます。
  20. 二宮武夫

    二宮小委員 そうかた苦しく言わずに、不交付団体都道府県分はわかりますけれども市町村の中で不交付団体というのは、文部省自治省のほうで一応内容を調べればわかるのじゃないですか。わかりませんか。
  21. 岡田純夫

    岡田説明員 いま直ちには……。
  22. 二宮武夫

    二宮小委員 いまでなくていいですよ。
  23. 岡田純夫

    岡田説明員 それはわかります。
  24. 三木喜夫

    三木(喜)小委員 いま財政関係の問題に話がちょっと横に寄りましたから、ちょうど自治省岡田財政課長も見えておりますから、関連してこのほうをひとつ先に話を進めていきたいと思います。  こういうように文部省に対しまして私のほうからいろいろ要請をいたしました。自治省といたしましても、これにはやはり財政的な裏づけがなされなければこのことができないと思うのです。それについてはどういうふうにいまお考えになっておるか、その考えを聞かせておいていただきたいと思います。これは全国的に実施をするといたしますと、かなりの決意を持ってやっていただかなければできない問題だと思います。そういう意味合いできょうは来ていただいたのであります。
  25. 岡田純夫

    岡田説明員 御承知のとおり現在地方団体財政的に非常に悩んでおりまして、昭和四十年度から地方交付税率を〇・六%引き上げ二九・五%にすることにしましたが、これでも四十年度見通しはなかなか容易であるまい、かように考えております。  この警備員の問題でございますが、これも文部省のほうからいま説明のありましたように、どういうふうな地域にどういうふうなあり方かということも問題になろうと思います。取り上げ方によりますと非常な地方財政上の負担問題になってきます。したがって、現在の地方団体の現状からしては、容易なことではないというふうに考えております。  いま一つは、学校先生にもお願いして、日宿直料を支給いたしております。これにつきましても、地方負担といたしまして四十億足らずの負担が現にございます。そういうふうな制度のもとに日宿直料を支給しているということとの関連も検討いたさなければなりません。全般的にやはり慎重に検討すべき問題であるというふうに考えております。
  26. 三木喜夫

    三木(喜)小委員 これは文部省自治省にお伺いしておきたいと思うのですが、事故頻度数が非常に多くなってきた。そうして教職員勤務量がこれだけ多くなってきて、ここへ財政的な貧困ということのしわ寄せをすることも、文部省としては考えてもらわなければならぬ。したがって、それを受けて自治省として、さらに大蔵省としては、財政的にやはり広げていかなければならない問題だと思うのです。大阪広島には今度は事故頻度数が多いわけです。そういう点特にこの二地区については問題が起こっておると思うのです。こちらのほうへもそういうことは伝わっておると思うのですが、広島県におきましては人事委員会で一昨年三月ですか、勧告しておりますね。当然日宿直にかわって警備員を置くべきだ、こういう勧告が出ておるわけです。そういうことを知っておられるだろうと思うのですが、まずそのことが一つと、それからどういうように考えられますかということですね、この二つをお聞きしたいと思います。
  27. 安嶋弥

    ○安嶋説明員 学校における事故が非常に多いということ、ないしは教員負担が過重になる、これは文部省としてももちろん重視すべき事柄でございまして、それに対する対策は当然考えなければならないことかと思いますが、ただ宿日直についてあるいは警備員の問題について申しますならば、実は年度を追った資料というのがまだないわけでございまして、三十八年の十二月一日現在におきまして、任意抽出によりまして各都道府県ごとに行ないました調査でございますが、都道府県におきまする抽出町村は二十カ町村でございまして、その二十カ町村の小中学校の全部につきまして調査をいたしました資料は、単年度のものとしてはあるのでございます。その内容をちょっと御参考までに申し上げますと、約一万二千ばかりの学校について調査をいたしておるわけでございますが、そのうち過去一年間に事故がありましたものが二千四百四十入校でございまして、一九・八%の学校におきまして火災盗難その他の事故が発生しておるという資料が出ております。他の九千八百九十一校、全体の比率にいたしまして八〇・二%でございますが、これは事故がなかったというような状態であります。この事故発生の最近における傾向値というものは、ただいま申し上げましたようにつかめていないのでございます。  それから広島県の人事委員会におきまして、警備員制度をしいたほうが望ましいというお話があったということは私ども承知をいたしておりますが、先ほど申し上げましたように、もちろん方向といたしましては望ましい方向であるというふうに考えておるわけでございますが、何ぶんにもこれを制度として実施するということになりますと、先ほど申し上げましたような点にいろいろ問題がございまして、それを解決と申しますか、ある程度めどをつけた上でないと、国としては実施しがたいのではないかというふうに考えております。
  28. 三木喜夫

    三木(喜)小委員 その他神奈川、群馬等にもいろいろ問題が出ておりますが、勤務量ということになってきますと、財政的にこれを論議するというのはおかしいのです。教育的に論議しなければならないのですけれども、大規模学校、小規模学校勤務の上に非常なアンバランスがある。私はこの前のときにもそれを言ったと思うのですが、一週に二日宿直をしたり、さらに日直等も月のうちに何回もしなければならぬ。これはやはり労働法の立場から考えても、非常に問題があるのですね。これは問題の点はカバーしてやっておりますけれども、法的にはどのようにそれをカバーして解釈しましても、問題の実態はそれだけ教師の勤務量が多くなって負担がかかってきている、こういうことですね。そういう点をどういうふうに文部省として考えておられるか、その点もお伺いしておきたいと思います。
  29. 安嶋弥

    ○安嶋説明員 公立学校教職員につきましては、御承知のとおり労働基準法が適用されているわけでございますが、労働基準法におきましては、宿日直はいわゆる断続的な勤務、断続的な労働ということになっておるわけでございます。これは裁判所の判決にもございますし、かつ労働省の行政実例にもあるのでございますが、教職員に対する正規の勤務時間外の宿日直の問題につきましては、過重にならない限度においてであれば差しつかえないという判決並びに行政実例があるわけでございます。実際上の手続といたしましては、宿日直をさせるためには人事委員会あるいは市町村長の許可を必要とするわけでございまして、労働省の基準といたしましては、宿直については週一回、日直については月一回程度を基準とすべきだという基準がございますが、ただ宿日直要員が不足しているような場合には、過重にならない範囲において、実態に応じてこの基準をこえて許可して差しつかえないということになっておるわけでございます。したがいまして、これは労働関係の許認可を行ないます人事委員会なり、あるいは市町村市町村長が適当と認めて宿日直の許可を与えているはずでございますから、そう過重な宿直あるいは日直が行なわれているというふうにはなっていないと私ども考えております。  なお僻地学校には、御承知のとおり付属の教員住宅がございまして、先生がそこに住んでおるわけでございますが、これはいわゆる常直といわれるものでございまして、これは毎日でございましても宿日直として取り扱う必要がないというふうに労働省の行政実例ではなっておるわけでございます。
  30. 三木喜夫

    三木(喜)小委員 これは法的に非常に問題点がございまして、いままではなるほど行政的な実例も出、あるいは判決も出ておりますけれども勤務の密度というものが、法的に数的にそうでありましても、情勢が変わっておると思うのです。宿日直いたしましても、こういうような子供から火をつけられたり、あるいはまた町のそうした人々の不満のはけ口にされたり、あるいは失意の子供放火があったり、こういうことで事故頻度数が非常に多くなった。行政実例がありましても、ここに一つ問題点があります。それから教師の一日の勤務の密度、勤務量、これは後ほどあなたのほうからその実態調査資料が出ますが、それだけやっておってなお夜そういう勤務をやることが、あなたのほうの判断では過重でないという見方をする、こういうことはどこまでも形式的な形になってしまうと思う。これは文部省として人つくりということを言ったり、あるいはまた最近におき直しては人間性を尊重するという立場から考えますと、子供の人間性を尊重するととはもちろんですけれども、教師の人間性もやはり尊重していくというたてまえからすると、密度が非常に高くなってきておるわけです。単にこれは市町村長が許可をしたということは、市町村長が、責任のある学校管理を教職員に託しておいて、法的に解釈して、それを託しておけば事足れりということでは済まされぬときにきておると思うのです。それが実態調査あるいはまた教育的に教職員勤務量という立場から考え、能率を上げるという立場から考えた場合、問題だということになるわけです。この点は今後論議を進めていこうと思いますけれども、そういう点であなたがおっしゃった通り一ぺんの、いままでの行政実例や判決や、あるいは市町村長がそれについて適当と思っておるから許可を与えておるのだという解釈に、ちょっと私はふに落ちぬところがあるわけです。  それから次に話を進めまして、福島県の県議会が地方自治法九十九条によって全会一致で学校警備員を置くべきだという意見書を文部省に出しておるわけですが、それは御存じですかということは悪いですけれども、把握されておりますか。あるいはそういう意見書が出てきた理由というものをどこに置いておるかということも、ひとつあわせてお伺いしておきたいと思います。
  31. 安嶋弥

    ○安嶋説明員 福島県議会からの文書でございますが、実は私ただいま記憶がないのでございまして、調べまして次回にお答えをいたしたいと思います。
  32. 三木喜夫

    三木(喜)小委員 これは昭和三十九年の十二月ですから、ごく最近のことです。福島県議会議長の佐川幸一さんから、内閣総理大臣、文部大臣、大蔵大臣、衆参両院議長にあてまして、「公立学校における警備員設置について法制化の促進に関する意見書」が出ております。これもよく御検討いただくために読み上げてみたいと思います。「近年公立学校における火災盗難の発生が逐年増加していることは、誠に憂慮にたえないところであり、これら公有財産の保全管理については抜本的施策の確立こそ現下の急務であるといわざるをえない。このため数年来、公立学校における警備員の配置についての法制化がつよく望まれてきたところであるが、まだ法制化の実現に至らず、地方団体は各期間のみ臨時職員を採用する等きわめてこ息な手段によらざるを得ない現状はきわめて遺憾である。よって、政府および国会は第四十六通常国会において提案され、目下継続審議中の「学校警備員設置に関する法律案」のすみやかな成立を期するとともに、高等学校に対しても同趣旨の法律の制定を図り、これらの学校に対し国庫負担による警備員の配置を実現されるようつよく要望する。以上地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。昭和三十九年十二月」こうなっています。  これは要するに公有財産を保全管理するという立場に立っています。しかし文部省はどこまでも教育的に、それから勤務の質を上げるという立場から把握していただかなかったらいけないと私は思います。自治省の立場は、財政的に、さらに公共の建物を保全するという立場に立っていただかなければならぬと思います。公共の建物が焼失したりするところの財政的なロス、それから精神的なロス、こういうものもあわせ考えていただかなかったらいけないのではないかと思います。そういう意味合いで、福島県のこの問題は十分考えに入れていただいて、今後文部省としても真剣に考えていただきたいと思います。  そこで、今後ずっと論議を進めていく上で、当小委員会にお願いをしておきたいと思うのです。これは委員長にお聞きいただきたいのですが、現地調査をするならば、手っとり早いところは東京都があると思います。それから広島県、いま県議会が本気でこうした問題と取り組んでいただいておる福島県、こうしたところに手分けして現地調査をしていただくならば、この問題がさらに盛り上がって、教育的にあるいは行政的に実りをもたらすのではないかと思いますので、その点を一応お願いしておきまして、私の質問を終わりたいと思います。
  33. 八木徹雄

    八木(徹)小委員長代理 調査については後刻相談することにいたします。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十八分散会