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足鹿委員 一年、二年のあと先は私は論じませんが、完全通算でないということははっきりしています。そこで去年の
農林年金法の
改正の際にも、
先ほど申し上げたように更新
組合員について新旧合算ということではなくして、全
期間に新法を完全
適用すべきであるということで、これは与野党ともにそういう
意見でした。この点については衆参両院の
農林水産
委員会で満場一致の
附帯決議が付されております。
私学共済法においてもこの点はぜひ実現をされてしかるべき問題だと私は思うのです。にもかかわらず三十六年の十二月三十一日以前のものにはいわゆる通算
適用ができないということは、結局
農林年金のあとを、同じことを繰り返しておられるにすぎないのじゃないかと思うのです。
そこで、
大臣にいまさら申し上げるまでもなく、これは
農林年金の際にも問題にしたのですが、ILOの立て役者の
愛知さんですから御存じでしょうが、ILO百二号の問題につきましても、老齢
年金額の問題についてはちゃんとした勧告がございます、規定もございます、まだ
政府はこれを批准しておられません。
老齢保障の
給付水準として百分の四十という率であります。更新
組合員について言えば、
法律の表向きの支給率にもかかわらず、新旧合算という経過措置によって大幅に下回ってしまう、これは矛盾であります。やはり老後の
保障という点で、いまILOの問題が脚光を浴びておりますが、このようなじみな問題についても私はやはりILOの精神というものを
日本政府もすみやかにくんで、少なくともその線に近いものを出されていくことが妥当ではないか、かように思うのであります。そして進んでILO百二号の点についても対処されなければならぬ責任があると私は思います。今回五年が三年となるわけでありますが、従来と同じく新旧合算という経過措置がとられるならば、今日まで長い間私立
学校に勤務しておる者にとりましては、三年に改めた意義というものが薄れてきてしまう、ぼけてしまうと思うのです。期待はずれという結果になろうかと思います。
一例を申し上げて注意を喚起しておきますが、
年金給付率が百分の四十となったといっても、これが完全に
適用されるのは
昭和三十七年一月一日から二十年先の五十七年でなければ、今度の
改正の意義というものは、恩恵を受けることができないことになるわけであります。あるいはこの策定基礎
期間が三年となったといいましても、その完全な形で恩恵を受ける
退職年金受給権者が出るのは
昭和六十年であります。こういう形は多くの
組合員の熱望を裏切る結果になりはしないか。私は、少なくとも為政者とし、また
国会としても、それらの問題を
考えたときに、やはりこの全
期間の完全通算の問題はきわめて大きな問題であり、この
制度の
改正のほんとうの裏づけになる点だと思うわけでありまして、その点について特に御善処願いたいと思っております。
申し上げるまでもなくこの
年金がほんとうに年をとってからの
生活保障に役立つようにいたしますには、やはりこの新旧合算を改めるという決意に立たれていかなければならぬと私は思います。特にこれはおくれて発足しておるわけでありますから、おくれたものの
一つとしての
農林年金のあとを追うというような思想や
考え方では私は困ると思います。私立
学校の
教職員のうちに高齢
組合員が多いだろうと推測したことは、
先ほど申し上げましたが、公立
学校教職員に比べて待遇の面でもあまり恵まれておらぬ場合も多いのではなかろうかと思います。したがって、これはどうしても強い御意思によって踏み切って、全
期間の完全
適用に対して
大臣の政治的な
判断と御決意をわずらわしたいと思っておりますが、いま直ちにこうするということもむつかしいと思いますけれ
ども、その点についての御
所見をこの際——あまり事務当局だけの
気持ちでなしに、
大臣としてこれは根幹をなすものであるからこうしたい、すみやかにこれを実現していきたい、そういったことについての御
所見がありましたら承りたいと思います。