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1965-03-17 第48回国会 衆議院 文教委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月十七日(水曜日)    午前十時五十六分開議  出席委員   委員長 渡海 元三郎君    理事 上村千一郎君 理事 小澤佐重喜君    理事 南  好雄君 理事 八木 徹雄君    理事 二宮 武夫君 理事 三木 喜夫君       大石 八治君    木村 武雄君       久野 忠治君    熊谷 義雄君       谷川 和穗君    床次 徳二君       中村庸一郎君    橋本龍太郎君       松山千惠子君    落合 寛茂君       川崎 寛治君    高橋 重信君       前田榮之助君    鈴木  一君  出席国務大臣         文 部 大 臣 愛知 揆一君  出席政府委員         文部政務次官  押谷 富三君         文部事務官         (大臣官房長) 西田  剛君         文部事務官         (初等中等教育 福田  繁君         局長)         文部事務官         (大学学術局         長)      杉江  清君         文部事務官         (体育局長)  前田 充明君         文部事務官         (管理局長)  齋藤  正君  委員外出席者         専  門  員 田中  彰君     ————————————— 三月十六日  委員大石八治君辞任につき、その補欠として馬  場元治君が議長指名委員に選任された。 同日  委員馬場元治辞任につき、その補欠として大  石八治君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 三月十五日  学校警備員設置に関する法律案成立促進に関  する請願受田新吉紹介)(第一四二九号)  同(吉川兼光紹介)(第一四三〇号)  同(二宮武夫紹介)(第一四五五号)  同(茜ケ久保重光紹介)(第一六七九号)  同(岡本隆一紹介)(第一六八〇号)  同(前田榮之助君紹介)(第一六八一号)  学校給食法の一部を改正する法律案等成立促進  に関する請願吉川兼光紹介)(第一四三一号)  同(鈴木一紹介)(第一四三二号)  同(二宮武夫紹介)(第一四五八号)  高等学校父母負担軽減等に関する請願二宮  武夫紹介)(第一四五四号)  同外一件(成田知巳紹介)(第一七六五号)  教育予算確保に関する請願二宮武夫紹介)  (第一四五六号)  同(足鹿覺紹介)(第一四九二号)  同(井伊誠一紹介)(第一四九三号)  同(井手以誠君紹介)(第一四九四号)  同(石田宥全君紹介)(第一四九五号)  同(稻村隆一君紹介)(第一四九六号)  同(卜部政巳紹介)(第一四九七号)  同(江田三郎紹介)(第一四九八号)  同(小川三男紹介)(第一四九九号)  同(大村邦夫紹介)(第一五〇〇号)  同(岡田春夫紹介)(第一五〇一号)  同(岡本隆一紹介)(第一五〇二号)  同(加藤清二紹介)(第一五〇三号)  同(角屋堅次郎紹介)(第一五〇四号)  同(金丸徳重紹介)(第一五〇五号)  同(川俣清音紹介)(第一五〇六号)  同(久保三郎紹介)(第一五〇七号)  同(栗林三郎紹介)(第一五〇八号)  同(黒田寿男紹介)(第一五〇九号)  同(五島虎雄紹介)(第一五一〇号)  同(佐野憲治紹介)(第一五一一号)  同(坂本泰良紹介)(第一五一二号)  同(實川清之紹介)(第一五一三号)  同(田中武夫紹介)(第一五一四号)  同(千葉七郎紹介)(第一五一五号)  同(辻原弘市君紹介)(第一五一六号)  同(堂森芳夫紹介)(第一五一七号)  同(中井徳次郎紹介)(第一五一八号)  同(中澤茂一紹介)(第一五一九号)  同(中村重光紹介)(第一五二〇号)  同(永井勝次郎紹介)(第一五二一号)  同(西宮弘紹介)(第一五二二号)  同(野口忠夫紹介)(第一五二三号)  同(長谷川保紹介)(第一五二四号)  同外二件(華山親義紹介)(第一五二五号)  同(原茂紹介)(第一五二六号)  同(日野吉夫紹介)(第一五二七号)  同(平岡忠次郎紹介)(第一五二八号)  同(細迫兼光紹介)(第一五二九号)  同外一件(前田榮之助君紹介)(第一五三〇号)  同外一件(松井政吉紹介)(第一五三一号)  同(松井誠紹介)(第一五三二号)  同(松平忠久紹介)(第一五三三号)  同(松原喜之次紹介)(第一五三四号)  同(森義視紹介)(第一五三五号)  同(八木一男紹介)(第一五三六号)  同(八木昇紹介)(第一五三七号)  同(矢尾喜三郎紹介)(第一五三八号)  同(山内広紹介)(第一五三九号)  同(山口丈太郎紹介)(第一五四〇号)  同(山崎始男紹介)(第一五四一号)  同(山田耻目君紹介)(第一五四二号)  同(山中日露史紹介)(第一五四三号)  同(吉村吉雄紹介)(第一五四四号)  同(和田博雄紹介)(第一五四五号)  同(受田新吉紹介)(第一七〇四号)  同(鈴木一紹介)(第一七〇五号)  産炭地公立義務教育学校学級編制及び教職  員定数等に関する請願二宮武夫紹介)(第一  四五七号)  同(井伊誠一紹介)(第一五六〇号)  同(石田宥全君紹介)(第一五六一号)  同(石野久男紹介)(第一五六二号)  同(稻村隆一君紹介)(第一五六三号)  同(卜部政巳紹介)(第一五六四号)  同(江田三郎紹介)(第一五六五号)  同(大村邦夫紹介)(第一五六六号)  同(岡良一紹介)(第一五六七号)  同(岡田春夫紹介)(第一五六八号)  同(岡本隆一紹介)(第一五六九号)  同(加藤清二紹介)(第一五七〇号)  同(角屋堅次郎紹介)(第一五七一号)  同(金丸徳重紹介)(第一五七二号)  同(川俣清音紹介)(第一五七三号)  同(久保三郎紹介)(第一五七四号)  同(栗林三郎紹介)(第一五七五号)  同(黒田寿男紹介)(第一五七六号)  同(佐野憲治紹介)(第一五七七号)  同(坂本泰良紹介)(第一五七八号)  同(田中織之進君紹介)(第一五七九号)  同(千葉七郎紹介)(第一五八〇号)  同(辻原弘市君紹介)(第一五八一号)  同(堂森芳夫紹介)(第一五八二号)  同(中井徳次郎紹介)(第一五八三号)  同(中澤茂一紹介)(第一五八四号)  同(中村重光紹介)(第一五八五号)  同(永井勝次郎紹介)(第一五八六号)  同(西宮弘紹介)(第一五八七号)  同(長谷川保紹介)(第一五八八号)  同外二件(華山親義紹介)(第一五八九号)  同(原茂紹介)(第一五九〇号)  同(日野吉夫紹介)(第一五九一号)  同(平岡忠次郎紹介)(第一五九二号)  同(細迫兼光紹介)(第一五九三号)  同(前田榮之助君紹介)(第一五九四号)  同(松井誠紹介)(第一五九五号)  同(松平忠久紹介)(第一五九六号)  同(森義視紹介)(第一五九七号)  同(八木一男紹介)(第一五九八号)  同(矢尾喜三郎紹介)(第一五九九号)  同(山内広紹介)(第一六〇〇号)  同(山崎始男紹介)(第一六〇一号)  同(山田耻目君紹介)(第一六〇二号)  同(山中日露史紹介)(第一六〇三号)  同(吉村吉雄紹介)(第一六〇四号)  同(和田博雄紹介)(第一六〇五号)  同(鈴木一紹介)(第一七〇六号)  同(竹本孫一紹介)(第一七〇七号)  国立商船高等学校商船高等専門学校に昇格に  関する請願藤田高敏紹介)(第一四六九号)  義務教育費国庫負担法の一部改正に関する請願  (井伊誠一紹介)(第一五四六号)  同(石田宥全君紹介)(第一五四七号)  同(稻村隆一君紹介)(第一五四八号)  同(岡良一紹介)(第一五四九号)  同(小林進紹介)(第一五五〇号)  同(原茂紹介)(第一五五一号)  同(平岡忠次郎紹介)(第一五五二号)  同外一件(前田榮之助君紹介)(第一五五三号)  同外一件(松井政吉紹介)(第一五五四号)  同(松井誠紹介)(第一五五五号)  同(松平忠久紹介)(第一五五六号)  同(松原喜之次紹介)(第一五五七号)  同(足鹿覺紹介)(第一六〇六号)  同(井手以誠君紹介)(第一六〇七号)  同(石野久男紹介)(第一六〇八号)  同(石橋政嗣君紹介)(第一六〇九号)  同(卜部政巳紹介)(第一六一〇号)  同(江田三郎紹介)(第一六一一号)  同(小川三男紹介)(第一六一二号)  同(大村邦夫紹介)(第一六一三号)  同(岡田春夫紹介)(第一六一四号)  同(岡本隆一紹介)(第一六一五号)  同(加藤清二紹介)(第一六一六号)  同(角屋堅次郎紹介)(第一六一七号)  同(金丸徳重紹介)(第一六一八号)  同(川俣清音紹介)(第一六一九号)  同(川村継義紹介)(第一六二〇号)  同(久保三郎紹介)(第一六二一号)  同(栗林三郎紹介)(第一六二二号)  同(黒田寿男紹介)(第一六二三号)  同(五島虎雄紹介)(第一六二四号)  同(佐野憲治紹介)(第一六二五号)  同(坂本泰良紹介)(第一六二六号)  同(實川清之紹介)(第一六二七号)  同(下平正一紹介)(第一六二八号)  同(田中織之進君紹介)(第一六二九号)  同(田中武夫紹介)(第一六三〇号)  同(千葉七郎紹介)(第一六三一号)  同(辻原弘市君紹介)(第一六三二号)  同(堂森芳夫紹介)(第一六三三号)  同(中井徳次郎紹介)(第一六三四号)  同(中澤茂一紹介)(第一六三五号)  同(永井勝次郎紹介)(第一六三六号)  同(西宮弘紹介)(第一六三七号)  同(西村関一紹介)(第一六三八号)  同(芳賀貢紹介)(第一六三九号)  同外二件(華山親義紹介)(第一六四〇号)  同(日野吉夫紹介)(第一六四一号)  同(細迫兼光紹介)(第一六四二号)  同(森義視紹介)(第一六四三号)  同外一件(八木一男紹介)(第一六四四号)  同(八木昇紹介)(第一六四五号)  同(山内広紹介)(第一六四六号)  同(山口丈太郎紹介)(第一六四七号)  同(山崎始男紹介)(第一六四八号)  同(山田耻目君紹介)(第一六四九号)  同(山中吾郎紹介)(第一六五〇号)  同(山中日露史紹介)(第一六五一号)  同(吉村吉雄紹介)(第一六五二号)  同(和田博雄紹介)(第一六五三号)  同(平岡忠次郎紹介)(第一六六五号)  同外一件(成田知巳紹介)(第一七六四号)  宮城教育大学設置反対に関する請願山中吾郎  君紹介)(第一六六六号)  同外三十五件(三木喜夫紹介)(第一七〇八号)  学校図書館法の一部改正に関する請願井出一  太郎君紹介)(第一七〇三号)  地方財政法改正に伴う高等学校施設拡充の財  源措置に関する請願川野芳滿紹介)(第一七  五一号)  高等学校定時制教育及び通信制教育振興等に  関する請願外一件(成田知巳紹介)(第一七六  二号)  高等学校産業教育手当実習助手に対する支給  制限撤廃等に関する請願外一件(成田知巳君紹  介)(第一七六三号)  養護教諭を各学校に必置等に関する請願外一件  (成田知巳紹介)(第一七六六号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国立学校設置法等の一部を改正する法律案(内  閣提出第三二号)  国立養護教諭養成所設置法案内閣提出第四〇  号)  文教行政基本施策に関する件      ————◇—————
  2. 渡海元三郎

    渡海委員長 これより会議を開きます。  文教行政基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますのでこれを許します。三木喜夫君。
  3. 三木喜夫

    三木(喜)委員 文部大臣に最初にお聞きしておきたいのですが、昨年のオリンピックというものの評価、これは文部省としても体育局としてもかなりの評価をされておると思うのです。これをどのようにお考えになって、将来の体育というものに対する国民考え方あるいは青少年考え方というものを——すでにその方向は私はよくわかっておるわけなんですが、先般体育局長のほうからオリンピック映画につきましての意見が出ておりましたので、ちょっとそこからお聞きしなければ、疑問が出てきたわけです。
  4. 愛知揆一

    愛知国務大臣 東京オリンピックにつきましては、前々から申し上げておりますように、われわれとしても予想以上の成果をあげた、かように考えておるわけでございます。そしてこれをむしろ契機にし、スタートにして、今後国民体位向上はもちろんでございますが、ことに若い人たちに伸び伸びとした精神を養っていくスタートにしたい、かように考えまして、この成果というものをできるだけ長く後世にも残し、またいろいろの意味心身ともに盛り上げて若い人たちのこれからの教育に大いに参考にしていきたい、かように考えておる次第であります。
  5. 三木喜夫

    三木(喜)委員 非常に抽象的なことばで表現があったわけですが、一口に言って大臣のお考えは、将来の体育振興に役立てたい、こういうことに尽きると思うのです。  そこで体育振興、特にこの文教委員会で取り扱う場合は学校体育ということに限られるわけですから、私は学校体育立場からお聞きしたいのですが、どのような方策——選手だけつくってみたってだめなんです。全体の体育振興しなければならない。それに対する方策としてのオリンピックをどう考えるか、これをひとつお聞きしておきたいと思います。
  6. 愛知揆一

    愛知国務大臣 まことに御説のとおりでございまして、選手だけを養成するのではなくて、広く深く国民全体の体位向上に役立てたい、かような考え方でございますが、特に学校教育のみならずたとえば残りました施設も広く国民的に大いに活用してまいりたい。また青少年については特にこういった施設を将来長く役立つようにしていきたいと考えておるわけでございます。具体的の施策につきましても、法律案あるいは予算案等におきましても、四十年度にいろいろの計画をいたしておりますことは御承知いただいておるかと思うわけでございます。
  7. 三木喜夫

    三木(喜)委員 体育局長にお伺いしますが、一般的な体育振興ということは、これは仕事ですから、文部省としてはお考えになっておるだろうと思うのです。しかしながら、オリンピックを通じての一般体育振興方策はどういう方策考えておられますか。
  8. 前田充明

    前田政府委員 オリンピックと直接関連しての学校体育振興ということでございますが、オリンピックというものは、御承知のとおり、もちろん体育でございます。これは最終的には国際平和、そういう問題もございますが、体育立場から申しますと、やはりオリンピックで外国から世界的な大選手が来る、そういうものを見ることによって、あるいは新聞なりラジオなりテレビなり、そういうもので知ることによって、また自分たちもこうなろうという、いわゆる青少年の体力、体位、そういう意味での士気を鼓舞することができる、それに非常に役立つであろうということで、文部省としてはオリンピックに際しましても集団的な観覧をすすめたようなわけでございます。
  9. 三木喜夫

    三木(喜)委員 こだわるのではないのですけれども、どうもせっかく日本に世紀の大行事であるオリンピックを招致して、それが結果的に、文部省あたりはこれを検討して、どのように持っていくかという方策が立っていなければならないのに、士気を鼓舞するということだけでは、私は意味がないと思うのです。  そこで具体的に少し申し上げたいのですが、水連の方から、水泳選手あたりはもう小学校ぐらいから養成せねばならぬという話が出てきておるし、体協のほうでは、学校対抗試合は、いま次官通達によって禁じられておって、全然やれないけれども、オリンピックで陸上はかなり成績がよくなかったから、小学校から対抗競技をやったらどうか、あるいは大臣談話あたりでも、そういうぐあいにすべきがよかろう、こういうように簡単にその場その場でものを考えてもらったら、私は困ると思うのです。これにはこれのわけがあると思いますし、それならそれでやる方策があると思うのです。それを根本的にやらないで、長い間それを守ってきたのですから、朝令暮改ということでもないでしょうけれども、またここで変えて、現場に混乱を起こさせるようなことは困ると思うので私はお聞きしているわけです。ただあなたがオリンピック映画に対して発言をされておったことだけを私は取り上げておるのではありません。これは後に申し上げますけれども、根本的な方針をここで聞いておかなかったら、何のためにオリンピックをやったかわからないし、オリンピック成果というものは現場に生きてこない。体育局長士気を鼓舞することができると言われたけれども、士気を鼓舞するくらいのことはもうほとんどできておりますよ。根本的にどうするかということです。
  10. 前田充明

    前田政府委員 具体的な学校体育においての方策と申しますか、そういう点についてのお話でございまして、それについて申し上げたいと思うのですが、根本的に申しますと、学校体育というのは、もちろん選手を養成することではなくて、一般全体の体育を奨励するということにございます。そこでそれをどうしてやるかという問題でございますが、それにはやはり正科体育におきまして、従来どうしても施設設備ということが足りないというようなことから、体育の時間中においての授業のしかたが、学科的と申しますか、そういう面に流れるきらいがございました。したがって、そういう点をどうするかという問題は、何としても施設設備をよくしなくてはならぬ、これが第一の問題だと思います。同時に、今度は、先生の質の問題と申しますか、指導力の問題と思うのでございます。そういう問題につきましては、現在も現職教育をやっておりますが、これをさらに将来は拡充をする、そういうことだと思います。  その次に問題になりますことは、正科の時間のみならず、いわゆるクラブ活動と申しますか、そういう問題があると思うのですが、クラブ活動の問題につきましても、これはもちろん従来にも増してやるように、振興について教育委員会の格段の努力をお願いするとともに、さらにクラブ活動落ちこぼれと申しますか、そういうものは相当数があって、それがなかなか体育をやる機会がない、こういう問題があると思います。それにつきましては、いま体育協会が中心になりましてスポーツ少年団組織化をはかっております。これには文部省といたしましてできるだけ応援をいたしまして、そのスポーツ少年団がさらに充実をされて、いわゆるクラブ活動落ちこぼれ生徒児童体育をやらせる機会を与えたい、かように考えております。  それから対策競技の問題が出ましたので、一言申し上げたいのでございますが、実は新聞等にも私の談話が出たのでございますが、オリンピック水泳が負けて、その翌日、文部省対外競技について取り締まっておるから負けたのだというお話がございました。私は、水泳が負けるということがすでにわかっておるのだったら、いままでにおいてももっと考究すべき問題であったし、今後においてもそれは考えられると思うのですが、オリンピックにおいて水泳が負けた話につきましては、これはもっと原因を追及しまして、それに対する対策を立てて、それからこの対外競技の問題にするならわかるのでございますが、水泳が負けた翌日に直ちにそういうことが言えるのかどうか、私ははなはだ疑問に思っております。そういうことが新聞に載りまして、一時はいろいろ問題も出たのでございますが、各方面の意見は、現在におきましては、対外競技をゆるめたら直ちに水泳が盛んになり、日本じゅう子供が泳ぐようになるというようなことは考えられないのじゃないかということであります。また大臣談話で、この対外競技基準については弾力的に運営をするということを申し上げたこともございます。それは、この基準をたてにとって、場合によってはかえって逆に、やらないための理由にするような場合が地方の中にはないでもないというようなお話も伺いまして、そういうことを言われたものと思うのでございますが、対外競技基準をよく教育委員会で読んでいただけば、決してそういう金縛りで何にもできないというようなことではないと思うのでございます。したがって、これを十分によく読んで正しく解釈していただければ、子供試合等についても相当にできる範囲のものがあると私ども考えておる次第でございます。
  11. 三木喜夫

    三木(喜)委員 どうも一般的な話になって、特別な話としては対外的な競技の問題に入りましたので、私はそれが聞きたかったわけであります。要するにオリンピックとそれから体育振興という二つを結びたかったわけですが、どういうことをします、どういうことをしますという体育一般的なやり方は立てられておるでしょうし、各地でもみな立てております。学校でも立てております。これを聞くのでなくて、対外試合をやらなかったから負けたという、こういうような率直な意見オリンピック終了後に出ましたね。そこであなたはそういう見解を述べられた。これはけっこうだと思うのです。こういうようにオリンピックと関係してひとつ話をしぼって答弁してもらいたいと思うのです。  そこであなたは、この対外競技基準を見れば金縛りのものでないからやれるのだということですね。そうすると、まあ中学校はやっています。小学校の問題です。小学校くらいからやっておらなかったから——現実の話としてはオリンピック選手を見ても、アメリカあたりはもう中学生、高校生くらいの者が出てきて、そしてあのすばらしい記録を立てたのでしょう。だからそういう目的的に考えれば、私はそれにはちょっと問題があるのですけれども、話の順序として、小学校くらいから対外競技をやっておいて、わざを競うておかなければいかぬ、とこういう立場をとってああいう発言があったのだろうと思うのです。そうじゃないですか。私はそうだと思うのです。だから、小学校も、あなたはこの基準金縛りのものでないからできる、こういう解釈ですか。これからやれるのですね。
  12. 愛知揆一

    愛知国務大臣 ただいま体育局長からお答えをしたことで尽きていると私思いますけれども、私といたしましては、ただいまも体育局長が申しましたとおり、あの当時特に水連等から申し入れがございました。これは事実なんであります。しかし結論として、いま文部省としては小学校水泳対抗試合を、前の文部次官通牒を直して特に修正する必要はない、かような結論でございます。負けたから小学校対抗試合水泳でも認めるというような考えはございません。
  13. 三木喜夫

    三木(喜)委員 局長のほうはどうですか。これで対外試合はできるのですか。いままでも金縛りでないからやっているということですか。
  14. 前田充明

    前田政府委員 小学校については、「小学校では対外競技は行なわないものとするが、親睦目的とする隣接学校間の連合運動会は行なってもさしつかえない。」こう書いてございます。いわゆる対外競技ということばの問題もあると思うのでございますが、対外競技というものを、国際オリンピック大会において行なうように、五十三秒四とか十三秒五を競ってやるような対外競技をこれは意味していると思うのですが、そういうような競技でなくて、親睦目的とするような隣接学校間の連合運動会はやってもよい。連合運動会というのはパン食い競争ばかりをさす必要はないのであって、秋の運動会であれば百メートルのかけっこをしてもよろしいし、それから夏の連合運動会でしたらプールで泳いで競争してもよろしい。ただそれを極度にオリンピック対外競技のような仕組みで考えられてやれば、これは小学校子供——小学校と申しましても一年生まで小学校でございまして、あるいは三年生といってもいいかもしれませんが、そういう者にまできつい試合をやらして、そのために非常な練習をやらせるということは、かえって子供の心身発達に弊害があるのじゃないか。それがこの対外競技基準の出た根本的な原因ではないかと思っておりますが、そういう意味から申しまして問題がある。しかし、一等賞はこの子供である、二等賞はこの子供であるというようなことは、この運動会だってできることではないかと私は思っております。したがって私は、金縛りというふうではございませんと申し上げた次第であります。
  15. 三木喜夫

    三木(喜)委員 とにかく体育振興あるいは親善、こういうことならいいのであって、これで文部省考え方ははっきりしました。しかしながら陸連、体協、水連の言っておることは、いまあなたの言われるように、とにかく一秒を争うようなことを小学校の間からやらせておかないから、ああいうぶざまな負け方をしたのだということですね。そうですね。だがそういうものはやらさないわけですね。そういう一秒を争うような競技の場にほうり込んでいくというようなことは文部省としては絶対にやらせない、こういう態度ですね。
  16. 前田充明

    前田政府委員 いまの水泳お話もございますし、水連の方とも私は何度も話をいたしております。古橋さんのごときは、アメリカでも初めからこの子は自由型であって、自由型の短距離をやらせるなんていうのは絶対にない、最初は個人メドレー、自由型それから背泳、ブレストというようないわゆる個人メドレー式なことの泳ぎをやらせるのが当然であって、小学校子供のころから特殊な競技に専念させて、それで競争させるようなことはないということを言っております。古橋さん自身、私もそうすべきであるということを強く主張されております。したがって、水連で言っておるということばもこれはいろいろな意味がございまして、一がいに、先ほど来のお話のような、一秒の十分の一を争うような競技をやるということを主張しておる人が全部ということは言えないのではないかというふうに私は受け取っておる次第でございます。
  17. 三木喜夫

    三木(喜)委員 私は文部省考えておられるその態度がいいと思います。そこで、オリンピックというものは、日本国民として考えた場合、われわれが負けたということについては残念に思いますね。私も残念に思います。そこであなたは、どこに負けた原因があるかということは追求されておることと思います。それによって足らざるところを補わなければならない。そこでどういう点が原因であるかということをひとつ文部省としてオリンピックを通じて——体育一般的な話はいいとして、一方では競技をやれやれと言っているが、それはだめだと言っているのだから、この方法でやりますという方法をわれわれとしては立てなければならぬ。あなたとしても考えなければならぬ。いまのお話の中で一つだけ出たのですが、こういうことはあとで記録に残りますから間違いないだろうと思いますが、体育が学科のほうに流れた、こうおっしゃる。私はそう聞いたのです。体育の時間が学科のほうに流れておる。私もその弊害を一つ思っているわけですが、オリンピック競技に負けたほかの原因をあげてみてください。
  18. 前田充明

    前田政府委員 最初に、学科に流れたという言い方が誤解をもし招くといけませんので、ちょっとお断わりいたしたいのですが、学科に流れたというのは、他の学科に体育の科目が流れたという意味ではなくて、体育の学科のやり方がいわゆる知的と申しますか、そういう点などに流れやすいというふうに思っておりますので、そこら辺をひとつお含みいただきたいと思いますが、オリンピックに負けた原因がどこにあるかということ、これはなかなかむずかしい問題で、各競技それぞれ違うようでございまして、私は、体協の幹部なり各体育団体とそういう点については常に交わっていろいろ話をしておるわけでありますが、根本的に全体を通じて言えることばは、日本人の基礎体力が足りないということが基本的な問題であり、それと関連して、いわゆる層が薄い、やる人の数が少ないということ、その二つがすべてに共通した問題点と申しますか、理由の一つである、そういうふうに言えるのではないかと思っております。
  19. 三木喜夫

    三木(喜)委員 それなら、体育というものが学科のほうに流れたということは、体育的な知識の問題が主体になってきた、こういうようにおっしゃって、実技的な体育をわりとやらないでいる、そういうように偏重していった、こういうように言われましたが、その原因はどこにあるかというと、私は、やはり体育の試験を、実技をやらさなくて、入学試験に学科の試験で体育が足りるというようなことになっておる傾向があるのですね。これは入学試験からきておるのだと思うのです。そういうようにお考えになりませんか。それは体育の理届も知らなければならぬ。ただ実技だけではこれはいけませんから、両方並んでやらなければならないのですけれども、一方知的に片寄った、こういうように言われるわけなんですか。
  20. 前田充明

    前田政府委員 知的に流れたということでございますが、その問題は、これは文部省として大いにやらなくちゃならぬことでございますが、試験という問題も一つの原因でございましょうと思いますし、なおまた、先生の考え方と申しますか、そういう点も一つの問題であろうと私は思います。これはやはり私は全部確実に調べたわけではございませんので、こういう理由でそうなったんだろうということを申し上げかねますが、しかし現実としてそういうようなことをあげられて、一般的によく言われておる問題でございます。
  21. 三木喜夫

    三木(喜)委員 大臣、ひとつ地元の問題でも調べてもらいたいと思うのです。私は現実に三十何年小学校の教師をやってきまして、いまから二十年、三十年前は、海岸の近くでしたから、子供とともに夏は特に水泳の練習期間といいますか、合宿じゃなくて、短縮授業になったときに、子供を連れて行ってどんどん泳いだもんなんです。だから六年生ともなれば、金づちの子供はなかった。もうほとんど全部泳いだのですよ。いま小学校の六年生の子供で、実際泳げる者は何ぼあるか。私は、この間修学旅行に来ておりましたので、中学校子供をつかまえて聞いてみた。君、十メートル泳げるかどうかと言うて聞いてみたら、半分は泳げない。何という情けないことになったんでしょうね。それは自然から離れ、人間が文明的になったのかもしれません。それだけ利口になったのかもしれませんけれども、オリンピックに負けるところの根本原因がそこにある。泳げないのですよ。こういう状況の中に置いておるということが一つ。それからもう一つ、鍛練主義というのは悪いかもしれませんけれども、千メートル、二千メートル、三千メートルくらいですね。子供をどんどん遠泳をやらした。それでも平気だったんですよ。六年生ぐらいの子供——高等はありました、いまでいったら、中学一、二年からどんどん泳いだ、私はその当時、はち巻きに線をつけた。千泳げば黒い線が一本。二千泳げば二本。三千泳げば三本というふうにしてやったもんです。そういうことで子供がやっていって、体力が増強できますし、泳ぐということそれ自体でも、みんな自分でこなしていったわけなんです。いまはそういうものがないのですよ。それは体育局長がいま言われた中に問題があると思うのです。非常に答えをぼかして、すっきり言われなかった。一方からは、大体競技をやらぬからこんなことになったんだ。もうオリンピックの済んだ当時にそう言われたでしょう。私はあれに反発を感じておりました。もっと根本的なことをやらぬでおいて、根本的なところに問題があるにもかかわらず、それを放置しておいて、という考えは持っておりました。いつかこの話を私はしたがったのですが、いま体育局長が言われた知的に流れる傾向がある、こういうことなんですよ。傾向どころじゃないですよ。もう入学試験に間に合わすためにやるのですよ。  それが一つと、もう一つは、体育の時間は、ほかのほうへ流用されてしまっておりますよ。あなた方愛媛県へ行ってみましたか。愛媛県はテストのために体育の時間が非常にとられておる。私は実情を見てきましたが、これはよその県のことですが、いい例として、全般的にテストと入学試験のためにそういうものまで犠牲になっておる。だからいじけてしまいよるわけですね、子供が、体育的に考えたら。その教育のあり方というところにひとつ問題を合わして考えてもらいたと思うのです。局長よろしいか、あなた責任を持ってこれに答弁してくださいよ。  それからもう一つは、なるほど私はいまから十年、二十年前に海で泳ぎました。その海に行ってみました。あれではとても泳げませんね。公害で茶色の水が流れ込んできているのですから、あんな中へ子供をつけたらたいへんなことですよ。硫酸や塩酸やそういう廃棄されたところの工場の廃液が流れてきていますから、問題です。そこでオリンピックの二、三年前から、プールをつくることに文部省は力を入れられた。これもけっこうです。一つの方法だなと思いますけれども、二年や三年じゃ間に合わなかったわけです、水泳一つ見ましても。そこで私は意見も交えますけれども、これは厚生省もやりよりますけれども、文部省が力を入れていただきたいことは、自由に子供が遊べる公園ですね。これを建設省と力を合わせてやってもらいたい。建設省は公団住宅の建ったところに、何ぽかの人口によって公園をつくらなければならぬ。こういう立場からやって、子供体育とか、あるいは遊びとかいうものを指導するという考え方ではやっていません。その地方一般人のことも考え、あるいは空気だとか、衛生とか保健とかいうことを考えてやるわけですね。教育的な立場ではないのです。文部省教育的な立場でプールをつくることもけっこうですけれども、私は公園に力を入れて考えてもらいたいのが一つ。  もう一つ大きな問題は、各県に一つずつくらい自然の海水で、各校がそこへ行けば自由に泳げるという自然公園のようなもの、しかもそこで水泳ができる——プールじゃないですよ。水泳ができるようなものを各県に一つずつくらいつくる。高度経済成長政策をとって産業基盤を育成して、日本の産業を盛んにするという考え方が国の大きな方針としてある一方、子供が公害を受けて、そうしておくれていっておるところの体育というものを、どこでとり返すかという場所くらい文部省は率先してやっていいではないかと思うのです。そういうところを一つつくってもらいたい。あなたのおっしゃった教育が偏重しておる問題も考える。しかしながら子供が自由に泳げる、自然性を取り返す、自然に返る、そういう場所をどこで取り返すかということを、工業国として、あるいは高度経済成長政策の中でだんだん押し込められてしまいよる現実を見たときに、抜本的な思い切った、こういう政策を私はとるべきではないかと思うのですが、これは大臣にもお聞きしておきたいし、体育局長にもお聞きしておきたい。どうですか。
  22. 愛知揆一

    愛知国務大臣 御趣旨におきましては、私も全く私も御同感でございます。いま四十年度の当面のところといたしましても、いろいろの措置を講じておりますが、ただいまお述べになりましたようなことは十分考慮に入れまして、今後の計画を進めたいと思います。
  23. 前田充明

    前田政府委員 いま大臣のおっしゃった御趣旨に沿いまして、具体的な措置は、ただいま保健体育審議会におきましても同じような問題をやっておりますので、そういう意見も十分お聞きしまして努力いたしたいと思います。
  24. 三木喜夫

    三木(喜)委員 私は大臣のお考えになっておるのは、体育だけでなくて青少年の非行の問題も込めてのお考えで言われておると思うのですが、とにかく最近の子供を見ましても、私は学校におった当時から思っていたのですが、特にひどくなってきましたことはかぎっ子というのですね。家庭へ帰りましても一親がいない子供があるのです。私は千二百ほどの学校でしたけれども、かぎっ子が五百人ほどおりました。それらが全部とは言いませんけれども、帰りましてからよくない遊びをやるわけなんです。たとえて申しますと、瀬戸内海の沿岸ですから建設工事がどんどん行なわれております。トロッコというのでしょう、ああいうものを押して行くのです。そして工事が終わって、子供がそれに乗ったりしたらいかぬということで、よそにのけてひっくり返しているわけです。それをもう一ぺん起こしてきて、そして断崖のところへ押し込んで落としてしまって、今度上げるときにはたいへん困るということで苦情を受けたわけです。それをストップさせて、そんなことをするな、するなといって禁止することはやすいのです。しかりつけることもやすいのです。しかしそれにかわる遊びを与えなければいかぬと思いまして、私はかぎっ子を放課後残して、そして何がいいか。運動場の非常にあいたところがありましたから、そこにローラースケート場をつくって、そして先生がかわりあって、学年は六学年ありますから、一週間に一日ずつそういうローラースケートをやって、道でやらぬようにするスケート場をつくって、先生が当番でそれを番して、それらの子供を見ておる。あとの五学級は、宿題がありますね。その宿題を先生が指導してやってもらう。こういうふうにしていけば、そういう悪い遊びになじまないで済むのじゃないかということを考えて、それを実行しかけた。それで国会に出てしまいましたけれども、そういうことを考えたことがあるのですが、非行青少年の問題なんかも、そういう補導の問題と遊び場の問題と、自然に帰えさぬからです。こういうことを含めて、あなたが大臣をやっておられる期間はどうかわかりませんけれども、それはそれとして考えてもらいたいと思うのです。これはいまからあなたがやられるならそれはけっこうです。大いに私はやってもらいたいと思いますけれども、次の大臣はその次に受け継いでもらいたい。そういう意味において文部省もひとつよく腹をきめてもらいたいと思うのです。ただ一片の答弁だけでなくてですね。  それからその次、オリンピック映画の問題です。この映画は国威宣揚のためにつくったものでもなければ、商売用のためにつくったものでもないと思うのです。市川さんがこれは芸術的な映画をつくろうという意欲もあって多少芸術的になったかもしれません。だからといって、せっかくつくったものを、体育局長がこんなものは小学校に見せるべきではない、むずかしい——あなたが言わなくても先生は見たらそれは解釈しますよ。なぜこんなことを言われるのですか。あのオリンピック映画なんかそれを大いに体育振興するということに使うことこそ大事なのに、あなたはこれを見せないほうがよいというようなことを地方教育委員会に言われておる。河野さんがあんなことを言ったということで、かなりセンセーションを起こしておりますが、そこへしり馬に乗るようにして、なぜ文部省がそんなことを言わなければならぬのですか。オリンピック国民体育ということをあなた方十分考えておられる、こうおっしゃるのですが、ああいう通達というのですか、ああいうものを出されておるのは何ですか、そのお考えをひとつ聞きたい。
  25. 愛知揆一

    愛知国務大臣 私から御答弁を申し上げたほうが適切かと思いますので申し上げますが、オリンピック映画というものは、そもそもいわゆるドキュメンタリとでも申しましょうか、客観的なものであって、そしてあの世紀の祭典というような、ただいまもお話がございましたが、それをすなおに伝えるものであってほしいと私どもは考えておったわけでございます。そしてそういうものができるであろうことを期待して、あらかじめ今年の一月に体育局長から都道府県の教育委員会等にも、これは委頼状でございます。委頼状を出しまして、実は私もそういうものであることを期待しながら、たとえばできれば小学校の児童あたりには無料で見せるというくらいにまで、積極的に考えておったわけでございます。ところででき上がりましたものについては、御承知のようにいろいろの世評もございます。それから私自身も十日の日に見たわけでございますが、いわゆる客観的なすなおに実情をとらえるということとはだいぶ違いまして、相当主観的な、これは芸術映画としては高く評価されてしかるべきかと思いますけれども、私としては、すなおな、いわゆるドキュメンタリとして大いに推奨したいと思っていた気持から申しますと、率直に申しますが、実はディスアポインティングと申しますか、私としてはがっかりいたしたわけであります。したがって同時にまた組織委員会においても、いろいろの世評にもかんがみまして、IOCに対して提供する映画をつくり直そう、あるいはいわゆるドキュメンタリとしてのものを別個につくったほうがいいではないかという説も出てきておりますし、そういうことになるのではないかと思いますので、前に体育局長名で出しました委頼状につけて補足的に文部省でこれを積極的に御推奨するというわけにはいかない。それから別に記録映画というものが追ってできるはずであるからということを申したのでございまして、これを見てはいけないとか、小学生に適当ではないとかいうような措置をとったわけではございません。
  26. 三木喜夫

    三木(喜)委員 体育局長はどういう通達を出したのですか。
  27. 前田充明

    前田政府委員 大臣のいまお話になりましたとおりでございますが、新聞は各社の新聞がそれぞれいろいろな言い方をしているようでございますが、私は小学校の下級学年では少しむずかしいじゃないかということは申し上げたのですが、これは見るべからずというようなことを私は申し上げてないということを、特に言っている新聞もございますが、見るなというようなことを申しているつもりはありません。
  28. 三木喜夫

    三木(喜)委員 新聞はどうこうというのではないのです。あなたはどういう通達を出したのですか、談話を発表したのですか、それだけ言ってください。
  29. 前田充明

    前田政府委員 昨月談話は発表しておりません。ただきのう大臣お話がございましたあとで、記者クラブからちょっと説明してくれぬだろうかというお話がありましたものですから、記録映画についていままでの作製に関する経過を申しまして、大臣お話になったこと、私、直接大臣から伺っておりませんので、ふえんすることは差し控えました。したがって私の単なる想像になるようなことは一部申しましたが、それは何と申しますか、いわゆるいままでの経過との関連においての説明をいたしたわけでございます。
  30. 三木喜夫

    三木(喜)委員 どないおっしゃったのですか。一部想像になるかもしれぬことで私は言いましたと、どういうことをおっしゃったのですか。
  31. 前田充明

    前田政府委員 大臣の記者会見があったわけでありますが、その記者会見でお話しになったことを、新聞記者のほうから、文部省推薦でないというようなことはどういうことかとか、それから主として一月二十六日に私のほうで出しました通牒との関係はどういうふうになるのであろうかというようなことを聞きましたので、私は一月二十六日の通牒の説明をし、それから今度通牒を出すか出さぬか、こういう話でございましたが、それは大臣の御意見も伺って、これからよく研究する。そういうことを話しまして、雑談の中に、たとえば、あの映画はむずかしいんじゃないだろうかとかいうような話がございまして、私も低学年の子供では理解しにくいようなところがもちろんあるという立場での話はいたしました。
  32. 三木喜夫

    三木(喜)委員 すんなりとひとつ言うてください。さっきの通牒はどんな通牒を出されたかと私は聞いておるのに、あなたはずっと長いこと持って回って、返事にも何にもなっていないのです。どんな通牒を出したか、それを聞いて、その次は、あなたは具体的に、いまおっしゃったように、これは低学年にはむずかしいんじゃないか、そういうぐあいに二回目の談話をした、こういうことでしたね。一回目はどういうことですか。
  33. 前田充明

    前田政府委員 組織委員会におきましてこの映画はつくったわけでございますが、三十七年以来の、組織委員会がこの記録映画をつくる今日までの経過についてお話をいたしました。それから文部省から出した通牒の説明をいたしました。
  34. 三木喜夫

    三木(喜)委員 どういう通牒を出したのですか、それを言うてください。
  35. 前田充明

    前田政府委員 これは要約して申しますと、オリンピックが済んで、近くその記録映画ができることになった、これに対して、まあたいへん有意義なことと思いますので、団体観覧の便宜をおけかりいたします、ということを申し、その団体観覧の内容は、観覧させる対象は小、中学校高等学校、それから養護学校等でございます。それから料金は五十円以内ということで当初一月二十六日に出しましたが、その後において、先ほど文部大臣が申し上げましたように、できるだけ安くということで四十円にいたしまして——これはまあ会社との折衝の結果四十円になったのでございます。高等学校は八十円、そういう内容のものでございます。
  36. 三木喜夫

    三木(喜)委員 そこが私は問題だと思います。それくらいまで太鼓をたたいておいて、その内容を知らなかったのですか。組織委員会が三十七年以来この問題をやっておる。いま、あのオリンピック映画はあなた方の御希望によって急遽だいぶん編成がえをやりよるようですね。私は、これはどうなるのか、各映画館ではかなり宣伝しておりますし、時間的に間に合うのかどうか心配するのですが、私は会社側でも何でもありません、だれから言われたのでもありませんが、あなたの談話新聞でみて、これはたいへんなことだ、オリンピックをあのくらいあなた方は待望されて、それの準備を整えられて、そして今日そのできた映画の中身を知らなかった。一方では団体の割引料まできめて、望ましいことだという通知を出しておいて——それは大臣が言われたように、中身は期待はずれだとしておられますが、私はそう思っおりません。私は十日に見て、私は私なりにあれはよかったと思っておるのですけれども、それだけに私はちょっと文句言いたいわけなんです。それでとにかく大臣のおっしゃったように、できておるものはいけなかったということで、前のことを取り消したということになれば、オリンピックというものに対するところの取り組み方が、その後において全然それは見もせずに、意見も言わぬと、そうしてできたものはだめだからと、こういうことでは、私は文部省としては無責任じゃないかと思うのですよ。そういう通知まで出しておいて、これはぶざまな話ですよ。  そこで、それはいたし方がないとして、さてあの問題ですが、体育振興の特別委員会がありますので、そこでも話が出るだろうと思いますけれども、ここの問題としては、文部省として事前にいろんなオリンピックの問題で、われわれ委員会のほうにいろいろお話もありました。あるいは協力せいとかいうことで予算の面からいろいろ協力させられました。私は世紀の祭典だということで、これは大いに国をあげてやらなければならぬと思って、私は私なりに取り組んでおったわけです。しかしながら、その後は特別委員会がありましたから、そちらで取り組みました。しかしその後オリンピックが済んだら、ことしの委員会はこれは初めての委員会ですよ。オリンピックのオの字も言わないじゃないですか。何々に使いますところの施設だけを私たちがもらいました、これをどないかしてくださいというだけであって、教育的にオリンピックというものを評価し、体育的にオリンピックというものを考えるなら、こういうぶざまなことは、オリンピックのアフターケアといいますか、そういうものに対する取り組み方が足らないと思うのですよ。ひいては国民体育といいながら、小学校、中学校体育振興の方法を体協や水連から突っ込まれるだけ突っ込まれておって、それを防御しただけで、それをどうして打開するかという打開策もないじゃないですか。それで体育の責任にある立場だと私は言えぬと思うのです。国会に対しましても何にもオリンピックの話がないのですよ。ただ外部の新聞社に対してはあんなことだけぽんぽん話をして、しかもぶざまなやり方じゃないですか、四十円というのをきめておいて、その結果、また取り消しました——これは大臣が言われるような立場もあります。これは見方があるのですから。記録映画的でなかった、それならなぜ三十七年からこっち、あなた方は意見を言って——文部省意見をもう少し強く反映してもらわなかったら、だんだん子供は公害の中から体育的にも教育的にも片すみへ押しやられてしまいよるわけなんです。青少年のうちで犯罪青少年が三十六年は三十一万、その次は三十二万、三十三万になって、そして非行青少年は二百万になったのです。二千万の中の十分の一が非行青少年です。うちの子供だけはそんなことはありません、うちの子供だけはという間に、みな病気にかかってしまいよるわけです。それは体育的にも、教育的にも子供の広場がなくなっていきよるからですよ。公害にどんどん押し寄せられてしまって、テレビにでもかじりついておらなかったら、あぶのうて外へも出られない。一方試験勉強を子供に押しつけるから、みないじけてしまうわけです。それでところを得なかった者は劣等感を持って非行のほうに走る。それは原因はいろいろあるのでしょう。家庭にもあり、社会にもあり、不良文化財にもあり、おとなの生活のやり方にもあるでしょう。あるいは役人の汚職にもあるでしょう。いろんな方面にあるでしょうけれども、教育的に真剣に取り組んだら、私はそういうものではないと思うのです。体育局長、どうですか。私は大臣をかばうわけじゃありませんけれでも、大臣文部大臣となられて日も浅いです、しかし体育局長としては、子供を守るという立場から、腹をきめてやってもらわなければ私は困ると思うのです。それが大臣に反映するのですよ。ただセンターをもらいましたからよろしい、こんな法律案だけ出してきたって、こんなものはありませんよ。私はそういう意味合いで、技葉の問題に走り過ぎておると思うのです。どうですか、体育局長
  37. 愛知揆一

    愛知国務大臣 私からお答えいたします。  まずこの具体的なオリンピック映画の問題につきましては、先ほどから率直に私申し上げておるのでありますが、要するに客観的な、いわゆるドキュメンタリーな映画ができることを期待したわけでございまして、私はすなおにそういう気持ちで、ある意味においては早手回しに一月に都道府県の教育委員会に御依頼をいたしましたことも十分承知の上でございます。ところができたものを見まして、これは見る人によっていろいろな評価があろうと思いますけれども、ただで見せたい。それから特に十六ミリに複製をして、そうしてたとえば僻地の場合などにおいてはオリンピックの放送、テレビも見れなかった子供さんがある。そのためにわざわざ先生が見れるところへ出かけていって、見て、その感激を子供たちに伝えたというようなことも私は直接に聞いておりますので、せめて十六ミリの複製をつくって、もう津々浦々の子供たちにただで見せたい、こういう意欲を持っておったわけでございますが、そのときの前提としては、この映画というものが、私のいわゆる客観的なドキュメンタリーであるのだろうということを一人ぎめにしておりましたことについては、私にも大いに責任があると思います。したがって今回こういったような映画を見られることは大いにけっこうでございます。しかし文部省が特に推奨をして、そうして子供たちを総動員をしてというところまで張り切ったのは張り切り過ぎだということは、率直に教育委員会にもできるだけすみやかにわれわれの意図というものを通達すべきである、私としてはそのままの気持ちを、一月の体育局長名の依頼状を修正というわけではございませんが、こういった成り行きになっておる。それから組織委員会においてもドキュメンタリーなものを別個につくる。場合によってはそっちのほうをIOCにも提供するのだというふうな議が持ち上がっておりますから、そのことも念のためにありのままを御通知をすることが正直な率直な態度であると思いましたので、さような措置をとりましたわけであります。これは体育局長の責任ではございませんで、私のそういうとりました態度、これにも御批判がたくさんあるということを承知しておりますけれども、私は以上申しましたような考え方でこういう措置をとったわけでございます。
  38. 三木喜夫

    三木(喜)委員 あと質問がありますから、私はこの質問だけで終えて、まだ午後も続行されるようですから、午後この問題を討議いたしましょう。  文部省推薦としてどうこうとおっしゃられますが、過去の文部省推薦がどんなものであったかということ、それからそういうような措置までとっておいて、それをとめたことは——私は東宝か大映かどこか知りません。東宝だったと思うのですが、その会社は関係ない。しかしながら会社のそういう企業として経営する立場としては、あんなことをやられたらこれはつや消しですよ。また逆にいえば、それでまた行く人もあるかもしれません。しかしながら文部省としておよそとるべき態度じゃないですね。そういうことをやっておいて、そういうことをすすめておいて、そうしてあとでだめだ。それも河野オリンピック担当相、現在の無住所相ですか、あの実力者がああいう発表をしなければいいんですよ。発表したことに、またあの人はなかなか強引で個性も強い、考えもしっかりしておりますから、それはそれなりに考えはある。その意見も聞いてみたいと私は思いますが、しかしながら文部省教育的に取り扱うのだから、河野さんのような、あれは政治的な発言もあると思うのです。そういう立場と違って文部省推薦という考え方でいくのにはどうするか、過去の文部省推薦はどんなものであったか、そしてそれがどう影響を及ぼすか、考えていただきたいと思います。私はあの中身を見せてもらいましたが、体育局長あれを見ましたか。見ての御判断ですか。午後そのどこが悪いかということを聞きましょう。そういう問題はもっと分析してやってもらわなかったら、営業的に大きいんですよ。私はそういうこともここであわせて言っておきまして、二時半からやるそうですからそのときにひとつ質問を続けたいと思います。
  39. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 ちょっと関連して……。文部大臣が記録性がない、こういうことで、すでに試写会でわれわれが見た東京オリンピックという映画が不適当だ、こういう御判断のようでありますが、ただいま三木委員からも言われましたように、このことの経過には、やはり実力者の河野前オリピック担当国務大臣発言をして変更になっておる、その過程がきわめて不愉快であります。また問題の本質をかえってゆがめてしまうのではないか、こういう意味で、せっかくのオリンピックにとっても大きな汚点を残すと思います。それだけに、文部省としてはこの際定見を持って事に処してもらわなければならないわけでありますが、私は戦争中高等学校の学生として「民族の祭典」あるいは「美の祭典」等も見て、今回の東京オリンピックと比較をして見るわけでありますが、今回の市川崑監督の「東京オリンピック」が、当初の平和を追求しよう、さらにはそれでは抽象的過ぎるので人間を追求しようということで描かれておるわけであります。どこにも創作はないわけでありまして、すべて今回のオリンピックの事実をつなぎ合わせてでき上がったものであります。そういう意味で、あの人間を追求しておる姿勢それ自体に問題があるのかどうか、まず文部大臣にお尋ねしたいと思います。
  40. 愛知揆一

    愛知国務大臣 そうなると芸術観の議論になるような気がいたしますので、私はそれにはあえてお答えしないことが適当かと思います。しかし私は先ほど来率直に申し上げておりますように、だれがどう言うか、これがこう言うかということは別にして、私としては先ほど申しましたように、客観的ないわゆるドキュメンタリーであることだろうという期待を持ったわけでございまして、そういう期待から申しますれば、一番最初からオリンピックにはあまり関係もなさそうなことが登場してくるというようなことから、私としては抵抗を感ぜざるを得なかったということを申し上げたいと思います。しかしこれは見るなと言ったりあるいはこれを差しとめたと言っていることでは毛頭ございません。積極的に御推奨するほどのことはない、ことにいわんや記録映画というものは別につくられるということでありますから、そのことを念のために申し添えるということは、私のとるべき当然の措置ではないかと考えているわけであります。
  41. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 価値観については避けよう、こういうことでありますので、大臣自身が避けられれば当然これは平行線になりますので、その点はなかなか議論が進まないわけでありますけれども、ただ民族の祭典等をいま振り返って見ますときに、ヒットラーがナチドイツを強調するその姿勢というのが非常にあれには出ておったわけであります。記録性という形の中で、私はいま強い発言がなされて変えられていくというその方向にきわめて不自然なものを予想せざるを得ないわけであります。でありますから、そういった点については、これは私は要望で終わりますが、人間性を追求した市川監督のその姿勢は私は正しい、またその点を大いに進められなければならないと思いますし、そういう意味においては決してオリンピックを少しも冒読もゆがめもしない、こういうふうに確信をいたします。そういう意味で、あの「民族の祭典」のような国家を強調し、民族意識をただあおるというふうな方向に持っていかれないように、すなおな姿勢で出してもらいますように、文部省としても、その点については十分に、今回の編集については、あとになってどうこうという指摘を受けないように、定見を持って臨んでもらいますことを一言お願いしておきたいと思います。
  42. 愛知揆一

    愛知国務大臣 それは先ほど来申し上げておりますことで御理解いただけるかと思いますけれども、全くその点は御同感でございます。私は「民族の祭典」とかなんとかいうような、何か積極的な意図というものは、よかれあしかれ出ないで、純粋な客観的なものであってほしい、こういうふうに考えているわけでございます。
  43. 渡海元三郎

    渡海委員長 落合寛茂君。
  44. 落合寛茂

    ○落合委員 私、ちょうど大臣がお見えになっておりますから、いい機会ですから、筑波山ろくの研究学園都市の問題についてお尋ねいたしたいと思います。  先ごろ大臣がテレビにお出になりまして、そのときのお話に、筑波研究都市問題について言及さされまして、たいへん進行状態もよく、また成果があがっておるように伺ったわけでありますが、実は私地元におりまして、よく事情をわかっておる者なんですが、非常に心配になることがありますので、それについてひとつ大臣のお考えを伺いたい。このことは、私個人としてではなしに、たくさんの地元民が非常にいろいろ危惧を持っておりまして、今日にしてなお迷いに迷っておるよううな状態でありますので、こういう人たちの危惧に対する一つの大きな解決ともなると考えるのでありまするから、ひとつ率直にお答えを願いたいと思っております。  実は、こういう事実が起きてしまったのであります。と申しますのは、御承知のように新聞紙上でたいへん騒がれました筑波町長の汚職問題、これがやはり学園都市の土地問題にからんだ汚職でありますが、先ごろ辞職をいたして一応ケリはついたわけでありますが、ああした問題が、摘発はされておりませんが、所々方々にたくさんいま起きつつあるのであります。その中で筑波町長の問題は一番顕著な問題として世の中の人たちもすっかり知るような結果になったのでありますが、先ごろ学園都市の予定地でありますところに、東京の大きな財閥等が集まりまして、ゴルフ場をつくる計画を立てたのであります。ごたすたしている間にゴルフ場の設備をすっかり始めてしまったわけです。地元の人たちもわれわれはじめ非常に驚いたのであります。自分たちはもう権利があるのだから当然こういうことをやってもいいという主張のもとにいろいろな設備を始めてしまった。これに対しまして政府はどういう処置をおとりになるか、それをひとつ伺いたいと思います。
  45. 愛知揆一

    愛知国務大臣 筑波山ろくの研究学園都市につきましては、前にも申し上げましたように、政府としても一大決心で当たることになりまして、閣議決定をやって、四十年度からスタートして十カ年間で完成をしたい。そして、それぞれ担当をきめまして、首都圏整備委員会委員長である立場の建設大臣が本部長と申しますか中心になりまして、関係閣僚の会議とそれから事務当局の会議をつくっておるわけでございます。そして、土地の計画あるいは用地の買収にあたりましては、首都圏整備委員会が中心になり、実施担当としては住宅公団がこの四十年度にも五十数億でございましたかの予算をもちまして買収に当たることになっておるわけでございます。そういうような状態でございますので、私といたしましては文部省と科学技術庁の関係がございますので、大学の移転といいますか設置、それから国立研究所の移転あるいは増設というようなことについて計画を担当いたしておりますので、ただいまお尋ねの点につきまして、ゴルフ場の問題についてどういうふうに処置をするか、どうなっておるかということは、たいへん申しわけございませんが、いまこの場ですぐにお答えできませんので、担当のほうの意見あるいは経過を徴しまして、後刻御説明申し上げたいと存じます。
  46. 落合寛茂

    ○落合委員 そういたしますと、まだ政府のほうには、そういう予定地にゴルフ会社がいろんな設備をどんどん始めていま強行しているというようなことは耳に入らないのでございますか。
  47. 愛知揆一

    愛知国務大臣 ただいま申し上げましたように私はちょっとその点をつまびらかにいたしておりません。したがって、その点をあわせて後刻御報告申し上げたいと存じます。  実は先月の十一日に研究学園都市の推進本部としては四つの部会を設けまして、そのうちに用地その他の部会が当然あるわけでございますが、文部省、科学技術庁、いずれもその用地関係の部会には入っておりませんものでありますから、ここに詳細な経過を申し上げるだけの用意をしておりませんでしたので、用地部会のほうの担当の向きに聞きまして、あるいは直接に御説明なりお答えをすることにさせていただきたいと思います。
  48. 落合寛茂

    ○落合委員 この問題は小さな問題のようでありますけれども、実はこれが波及するところが非常に多くて、見るところによりますと、自分の荒れ地にわざわざ苗木を植えまして、そして買収にかかる場合に用地を高く売ろうとしたり、いろいろな実に手の込んだ方法で土地の価格を上げようとしているいま状態なんであります。でありますから、こういう際には、政府といたしまして緊急に処置をされることが必要だ、こう考えます。  それからもう一つ、県のほうにもいろいろな設備に対する問題を国のほうから依頼されているようでありますが、その範囲をちょっとお聞きしたい。
  49. 渡海元三郎

    渡海委員長 速記停止。  〔速記中止〕
  50. 渡海元三郎

    渡海委員長 速記を始めて。
  51. 落合寛茂

    ○落合委員 いままで学園都市の問題につきまして、地元のいろいろな関係者が参りまして、陳情したりするものですから、この委員会でも再三質問を申し上げたのですが、きょうは幸い大臣がおいでになっていまして、はっきりした御答弁をいただけると思っておりますから……。計画とかそういうことばかりでもうすでに一年か二年たってしまって、その点非常に心配になるものですから、質問をするようなわけであります。午後また引き続いてお願いをいたします。      ————◇—————
  52. 渡海元三郎

    渡海委員長 国立学校設置法等の一部を改正する法律案及び国立養護教諭養成所設置法案の両案を一括して議題といたします。  質疑の通告がありますので、これを許します。川崎寛治君。
  53. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 最初に国立養護教諭養成所の問題について、こまかい技術的な質問でありますけれども、お尋ねいたしたいと思います。  それは現在一級免許状、それから二級免許状を持たないで養護教員の仕事をやっておる、つまりこれは県によって呼び方がいろいろ違います。鹿児島の場合ですと、養護婦、こういうふうになっておりますが、このいわゆる一級免許状、二級免許状を持たない養護婦が現在全国で何ぼおるかお尋ねいたします。
  54. 杉江清

    ○杉江政府委員 三千九百八十四人でございます。
  55. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 それで、前に法改正がありました場合に、三十六年の六月の八日でありますが、このときの法改正で、養護婦の職にあった者が二級免許状を取得できるようになる。それまでの在職の期間、あるいはそれまでの間にとった単位が十分に計算に入るというつもりで措置した県が相当にあったわけでありますが、これは文部省のほうから非常にきびしい達しがあって、法そのものの解釈を進められたために、鹿児島の場合ですと、約百五十人の養護婦が、二級免許状を取得する基礎資格というものが得られなかったわけであります。この点について、今回の国立養護教諭養成所の設置に伴いまして、免許法の改正も当然に行なわれてまいっているわけでありますが、ここの出されました資料に新旧の対照表がございますが、この中で教職員免許法の別表六の二の二、ここに新しく「二級普通免許状の項に掲げる基礎資格を有する者には、当分の間、これに相当する者として文部省令で定めるものを含むものとする。」というふうな改正が予定されておるようでありますけれども、この「文部省令で定めるもの」というものの内容を御説明願いたいと思います。
  56. 杉江清

    ○杉江政府委員 いままでのたてまえからいいますと、臨時免許状を取った日以後の期間が認められるわけでありますけれども、今回の改正によりまして、それ以前実質的に養護教諭の仕事を行なっていた期間を新たに基礎資格の中に算入する。そういうことでいままでの懸案をこれによって解決をしたい、かように考えておるわけであります。
  57. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 それで大体救済されるのは全国でどのくらいありますか。
  58. 杉江清

    ○杉江政府委員 養護職員の相当部分はその恩典を受けるわけでありますが、ただそれによって資格をとることになるかどうかという実際問題になりますると、勤務地の関係とか、本人の希望とか、いろいろなことがありまして、実際に資格をとるかどうかという問題はまた別なんですけれども、一応四千人の中の大多数がその特典を受けるわけであります。
  59. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 それでは次に、国立学校設置法等の一部を改正する法律案についてお尋ねしたいと思います。  大臣の提案理由の中に、「昭和四十一年度以降の大学入学志願者の急増に対処する国立大学の拡充計画の一環」こういうふうになっておるわけでありますが、今回の国立学校設置法等の一部改正で、具体的に何ぼ定員増になるわけでありますか。
  60. 杉江清

    ○杉江政府委員 国立について申し上げますと、三千三百九十四人でございます。
  61. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 そういたしますと、それはこの設置法そのものですか。そうじゃなくて、設置法そのものに関係なくて、定員増になるところもあるんじゃないですか。
  62. 杉江清

    ○杉江政府委員 入学定員は設置法とは直接関係がございません。関係ございませんという言い方は適切でないかもしれません、設置法におきましては、大学学部等の設置が規定されておりますが、教官定員または事務職員の定員等については、文部省設置法の中で規定されることになりまして、それを見て、どれだけ生徒を増募するかということは、予算上の措置によって実施するわけであります。
  63. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 当初の大学急増計画については、大学で四千、それから短大で四百、計四千四百であったと思うのであります。しかしいまの局長の答弁では三千三百九十四、こういうふうに非常に減っておるわけでありますが、この中で法文系と理工系の急増はどうなりますか。
  64. 杉江清

    ○杉江政府委員 概数で申し上げますと、国立につきましては理工系が約四割、人文、社会系その他が約四割でございます。
  65. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 数字で言ってください。三千三百九十四がどうなるか……。
  66. 杉江清

    ○杉江政府委員 国立について言いますと、少しこまかくなりますが詳細に申し上げます。  人文系と社会系に一応分けますと、人文系が六十五人、社会系が千二百八十五人、理工系が千九百七十四人、その他が七十人、合計三千三百九十四人、こういうことになります。
  67. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 教員養成大学関係はどうなりますか。
  68. 杉江清

    ○杉江政府委員 教員養成につきましては、実は四十年度においては入学定員の減の措置をいたしたのであります。これはいままで将来の需要を見越して控え目に実際学生を採用しておったという実態に即して、それに合わせることが必要と考えて千百名程度の入学定員の減をいたしたのであります。いわば形式的な定員減ではありますけれども、そのような措置を実施したのであります。そういうことと関連いたしまして、四十年度のいわゆる志願者急増に対処する対策の数字から一応はずして措置いたしておるのでございます。
  69. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 教員養成関係の分につきましては、ただいま局長から答弁のように減になっておるわけでありますが、これは昨年の九月でありましたか、十月でしたか、学生定員並びに教官定員減の計画が各大学に通達をされておる。その需給計画に見合った児童生徒の数とそれに見合った教員並びに学生定員の減ですね。それについてのその通達をされたこまかい資料をひとつ、これからあと教員養成の大学関係の議論をいたしますのにぜひ必要だと思いますから、ひとつ資料として提出をしていただきたいと思います。杉江政府委員 承知いたしました。通達として正式に出しておるわけじゃございません。ただ明年度予算実施に関連いたしまして減になった数字で、各大学別に予定しております入学定員はございますから、その資料は提出いたしたいと思います。
  70. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 当初短大を含めまして四千四百の学生定員の増を予定いたしておりましたのが、先ほどの答弁で明らかなように、三千三百九十四、こういうふうに減っておるわけであります。さらに公立大学のほうでも千六百の予定が四百七十に減っておると思いますが、その点はいかがでありますか。
  71. 杉江清

    ○杉江政府委員 減っておるわけでございます。
  72. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 そういたしますと、昨年の春文部省が大学急増として十万の計画を出したわけであります。昨年の通常国会で本委員会におきましても、大学急増は四十年、四十一年、こうなってくればたいへんな社会問題になるから、この点については具体的な資料を出して委員会で討議ができるようにせよ、こういうことを前の灘尾文部大臣に私は要求したわけであります。そしてこの委員会の審議について、そのときに私は疑問を出したわけであります。この国会全体を通じてでありますが、委員会の審議が最終的に固まった政府の案を出してきて事後承認をしてくれ、こういうかっこうになっておるのが今日までの委員会の審議の実際の姿であります。  そこで、十万名増募の計画が六万七千五百に減り、さらには先ほど局長が答弁されたように、国立大学で減り、公立大学でがた減りをし、私立大学が減る。そういたしますと、四十年、四十一年含めまして六万七千五百の大学急増の計画というのがすでにがたがたにくずれておるわけであります。その実態をひとつ示していただきたいと思います。
  73. 杉江清

    ○杉江政府委員 六万七千五百の四十年、四十一年度のこの計画は、私はまだ全面的に崩壊したとは考えておりません。この計画は、もちろん今後の四十年度におきます入学志願状況、収容状況等を勘案してこの計画も一再検討する数字ではございますけれども、しかし一応立てました六万七千人の計画が大幅に崩壊したということは必ずしもいえないと思います。と申しますのは、ことし四十年度は四千四百という計画を一応立てましたが、それは諸般の事情でこの四千四百が相当減るわけでございます。しかし四十年度の入学志願者の実際の伸びとそれから四十一年度における入学志願者の伸び、これは予想でございますけれども、その比率からいいますと大体本年度程度で、ほぼその比率からいうと適当な数字だということもいえるわけであります。と申しますのは、いままでの計画では、四十年度、四十一年度のこの六万七千を消化する比率を四、六の割合で考えていたのであります。しかし実際の志願者の伸び率は三、七に大体考えられるのであります。今回の実際増募する数字は、その三、七という考え方に立てばほぼ適当な数字でございまして、その意味で、当初考えました四十年度にある程度前向きでやるという考え方はとり得なかったのでありますけれども、この六万七千という全体を消化するやり方としては、必ずしも私は不適当だともいいがたいと考えております。そういう意味におきまして、なお今後全体の計画は十分再検討し、適切な計画を立てなければなりませんけれども、六万七千という当初見込みについては、不十分ながらまあまあというところへいっていると考えております。
  74. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 頭が悪いのでさっぱりのみ込めないのでありますけれども、それでは具体的にお尋ねします。六万七千五百のうち今年度が予定は二万六千幾らですね。ところがそれが国立と公立と両方でもうくずれておる、私立でもくずれておる。そして現実には一万八千程度しか増にならない、こういうふうに私は見ておるわけであります。その点いかがでありますか。
  75. 愛知揆一

    愛知国務大臣 御質問の点につきまして私からもちょっとお答えしたいのであります。そもそもいまお示しありましたように、最初十万というようなことで、これはいわば腰だめ的な一つの数字が出ましたことは事実でございます。しかし大学の志願については実に捕捉しにくい人間の自主的な志願ということでございますし、それから中身にわたりましても、高校の新しい卒業生は的確につかめますけれども、たとえば浪人が一体どのくらい志願するかということも、これはなかなか捕捉しがたいわけでございます。そこで私も就任以来いろいろの角度から検討いたしてみまして、ほぼ六万七千というようなところが大体従来からのいろいろの傾向値、趨勢等を勘考し、そしてそれに実数をかけ合わせてみますと、まず六万七千というくらいのところが最大限の計画の可能の限度ではなかろうかと考えたわけでございます。しかし、今度は逆に大学の資質の向上ということもあり、それから教職員の充実ということもございますし、それから、当然予算の関係もあり、また私学のいろいろの計画もあるということをだんだん詰めてまいりまして、現状のような計画に落ちつかざるを得なかったわけであります。それをただいま局長が申しましたように、その六万七千を基点にして考えた場合に、大体四十年度に四、四十一年度六というくらいの大ざっぱな比率で当時考えましたが、これは現状をもっていたしますと、三対七くらいの割合で、四十年度は三、四十一年度を七という比率で処理せざるを得ない、そこで、四十一年度の問題というものがまあ率直にいってこれはたいへんな問題であると考えております。そこで、いろいろの御批評はございますけれども、実は私も、この大学の問題、特にその中に包蔵されておる私学の問題というのは非常に大事な問題であり、かつ緊急を要する問題でもございますので、各方面の権威者の御意見も十分伺って本質的な問題も究明しなければならぬ、また暫定的、当面の措置も講じなければならないというので調査会の設置をお願いいたしておるようなわけでございます。しかもこれについては、たとえば財政上の問題にいたしましても、ただ単に補助、助成だけではなく、税制上の問題なんかにも私としてはこうありたいと思うことが一ぱいあるわけでございますが、そういう点もいままでまだ解決のできなかったこともたくさんありますが、それらを総合的に四十年、本年のできれば上半期から秋くらいにかけて何とか一つの線をまとめてまいりたい、同時に、四十一年度の定員増については、四十年度の実績がもう少しいたしますと正確につかめるわけでございますし、志願者に対して入学者の比率が一体どのくらいになっているか、これも正確につかめるわけでございますから、これを十分頭におきまして四十一年度に対処していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  76. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 四十年度がくずれていったその経過についてはいま大臣並びに局長のほうから御答弁があったわけでありますが、そういう状態で大学に押し寄せる。しかも、ことしは高等学校の在学者数は史上最大であろう、こういうふうにいわれておるわけであります。ここまでくずれてしまった状態の中で、ただいま大臣は浪人の把握がなかなか困難である、こういうふうに言われたわけでありますけれども、たいへんな、おそらく十五万をこす浪人集団が生まれると思うわけでありますが、この中で四十一年度は何とかする、何とかしたい、こういうお気持ちを言われて、その点はわかるのであります。しかし根本的に今日政府を構成しております自民党の委員の方が少なくなりましたので、この点審議をしていきますについても残念でありますが、自民党の文教部会が、大学生の急増は教育の質的低下を招く、こういうことで自民党文教部会あるいは文教調査会から申し入れがあって、十万の線が七万五千にくずれ、さらには、具体的には四十年度予算の中で消化をしなければならない四千四百という線も三千四百程度でとまらざるを得なかった、こういうふうになってまいったと思うのでありまけれども、その文部省に対して申し入れをしてまいりました自民党文部会が結論から言いますならば、今日の大学急増はあまりやるべきでない、そういった申し入れを文部大臣としてはどう受けとめ、どう消化されたのでありますか、その点の具体的な方針をお示し願いたいと思います。
  77. 愛知揆一

    愛知国務大臣 この問題につきましては、いろいろの意見がございますことは世上いろいろ伝わっているとおりでございまして、たとえば雇用者側からのいろいろの意見というものも出ております。たとえばその中には何も一大学急増、急増といって粗製乱造の大学生をつくるばかりが能ではないかというような、平たくいえばそういう御議論もございます。文教調査会あるいは文教部会でもいろいろな点から真剣に検討していただいたわけでございます。しかし、あらためて与党のそういった会議から文部大臣に対して、こういうふうにせよという、ようなお申し入れを数字をあげていただいているというような事実はございません。十分にわれわれとの意見も開陳し、あるいは各方面からのいろいろの意見を総合いたしまして落ちつきましたのが現在の四十年度の計画でございます。四十一年度については、先ほどるる申し上げましたような考え方について、与党の文教関係の方々には全面的な御賛成を得ている、これが真相でございます。
  78. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 ただいま労働力の問題を言われましたが、この点については私は委員長にお願いをしまして、後ほど、これは国立学校設置法の審議と関連をいたしますきわめて重大な問題でありますので、労働省側もおいでを願って、所得倍増計画の中におけるマンパワーポリシーとしてのこの点については、昨年の九月労働省と文部省との間でいろいろと議論があったわけでありますが、その点についてはさらに審議を願いたい。それでなければ今回の大学急増の問題についても、あるいは国立学校設置法の問題についても、簡単に了承できない点があるわけであります。  そこで、ただいま大臣のほうからは、自民党文教部会からはあまりふやす必要はない、こういう申し入ればなかった、こういうふうに受け取れたのでありますが、自民党文教部会あるいは調査会のほうから、大学急増を、つまり十万を七万五千にとめる、さらにはそれが国立関係あるいは公立関係において減ってくるという過程の中において、自民党の文教部会が了承した、こういうことになりますと、大学急増という今日の大きな社会問題についても、今回の状態に落ちつかざるを得なかったという点については、与党側と意思が全く一致している、こういうふうに受け取ってよろしいですか。
  79. 愛知揆一

    愛知国務大臣 そういうふうに御理解いただいて間違いないと思います。  それから、実は十万人ということにつきましては、就任と同時に私自身も非常にこの点については疑問を持ちましたわけでございます。先ほど、率直に申しまして、従来のいろいろの傾向値等から見て十万ということが出ていたことは事実であるし、これはいわば、率直にいえば腰だめの研究の結論であった、こういうふうにお考えいただくと、より正確かと思います。
  80. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 それでは、昨年の九月法文系と理工系の問題についてのいろいろなやりとりがあるわけです。この点も少しこまかに審議してもらいたい。委員長のほうであらためてそういう機会をつくっていただけるかどうかということを、委員長にお尋ねいたします。
  81. 渡海元三郎

    渡海委員長 理事会で談合の上善処いたします。
  82. 川崎寛治

    ○川崎(寛)委員 では質問はあとに……。
  83. 渡海元三郎

    渡海委員長 午後二時より再開することとし、この際暫時休憩いたします。    午後零時三十九分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕