○松浦(定)委員 どうも
説明を聞いたからといって、すぐ頭数がふえるわけじゃございませんから、議論にならない議論はあまりする必要はないかと思いますけれ
ども、少なくともこの
酪農というものは、
農業基本法での
選択的拡大をする
一つの大きな柱になっておる。
農林省、特に
畜産局においては、もっぱらこの問題について精力的な
努力をされておる。この点については私も
敬意を表するわけであります。しかし、いかに
努力されても、いかにおやりになりましても、この
程度ではどうにもならぬと言っても過言でないくらいの進歩率であろうと思います。そこで、画期的なやり方をしなければいけないと思うのですが、今度の
改正によってこういう問題が明確になって
発展するというふうには私は考えられないのであります。私が一番心配しておりますのは、この
説明の中にもありますように、この
酪農がある
程度発展しなかった裏には、経済の
高度成長のひずみの中に置かれ、あるいはまた
開放経済体制の伸展、現政府がそういう方策をおやりになっているのでありますから、その中において、この
農業というものはどうあるべきかということで
努力されたことはわかるわけであります。したがって、そういうような
高度成長とかあるいは
開放経済体制とかいったような、原料
生産あるいは
国内の非常に低い限度の中における産業に携わっているものにとっては、非常に不利なそういう諸
情勢というものが、現在の政府のとっている方策の中にあるわけであります。だから、私は、できなかったのはこういうものであるというふうな御
説明をされましても、それではなぜそういう点をそうしなかったといえば、また別ないろいろな答弁があろうかと思いますけれ
ども、少なくとも今度の
改正によってこういう点が気づかれて、そうしてこれから何とか善処しようといいますならば、少なくともこの
農業構造
改善——きのうも吉川さんがずいぶんやっておりましたが、与党の吉川さんですら、これは失敗であったとさえ極論されているのでありますから、やはりこういうものだけと取り組んでいるだけでは、この
酪農というものは
発展しないのではないか、こういうふうに私は思いますので、何かここにひとつ画期的な
制度をとるべきである。
先ほども申しましたように、画期的な
制度が今度提案されております新
乳価制度だ、こういうふうな御
説明があるかもしれないけれ
ども、私は、そういうものでなしに、やはり
農家、
酪農生産者が、たとえばいまお話しになりましたように、三頭平均のものが五頭、十頭になるためにはどうあるべきか、こういう点をひとつ十分計算に入れておやりにならないと、一頭でも二頭でも飼えばいい
——農林省としてはやはり多
頭飼育が将来の
目標であるけれ
ども、現実に困るならば一頭でも二頭でもということで、ある
程度貸し付けなんかをやっておられるわけであります。しかし、そのことによって、やめるにもやめられないという
農家も中にあります。あるいはそれが基準になって成功している者もときたまあるわけであります。しかし、そうでなしに、やはりある
程度、今度の
改正のねらいというものは、
土地改良法の一部
改正もやるということは、牧
草地、つまり大放牧地あるいはまた大採
草地をつくるということも加味していると思うのですが、そういう点にもやはりこれはほんとうに熱意を持ってやっていただかなければならぬと思うわけでありますが、これからますます、この
高度成長とかあるいは
開放経済体制というものは、弱い
農業に対しては決して私は安閑としておられない、こういうことであります。そういう
変化の中で今度の
改正をして
酪農を
振興しよう、こういうのでありますが、今度の
改正の一番のねらいというものがどこにあるのか。いろいろ条文の中には出ておりますけれ
ども、
先ほどもお話しておりますように、全国平均が三頭ぐらいで、しかもこれが急速になかなか伸びないであろう、十頭、十五頭は適正な多
頭飼育だけれ
どもということで、
局長自身、それがいつまでにやれるのか、ちょっとやれるのかどうかということで、首をひねっておられるのじゃないか。こういうことで、また
酪農家としては、この
改正によって安心して最大の
努力をするということにはちょっとならないのじゃないか、私はこういうふうに思うのですが、こういう点、ひとつ
局長から、この
改正によってどういう方向にいくのだ、こういう
方針についての
考え方を一応明らかにしておいていただきたいと思います。