○芳賀
委員 両局長の
答弁はまことに不満足です。われわれとしては納得できないわけですが、しかし、本日ここで決着をつけるほど性急に私は
考えていないが、いままでこういう重要な問題をことさらに避けてきたということに対して、これは特に農地局においても反省する必要があると思うのです。一般農協の場合には、これは歴史的には、農協の再建整備あるいは農協の整備促進とか、あるいは農協の合併の促進とか、そういうような適切な
法律がこの時点に制度化されて、
相当前進しておることは事実ですが、開拓農協に関しては、こういう特別の
措置というものは全然講ぜられていないわけです。ただ、農地局の所管でこれを何とか庇護するということだけで日を送ってきたにすぎないわけでありまして、これはいつまでも放任しておくことはできない。ただ、これをどうするかということになると、現在の開拓農協というものは、
相当脱農しなければならないような気の毒な組合員をかかえておる。二十年近くにわたって、やはり開拓農協は、
政府の開拓行政の
補助的な役割りという面については
相当強力に貢献してきておるわけであります。こういう点が一般農協と非常に違う点であります。それからまた、いまここで開拓農協というものを債務の上からもこれを整備するということになれば、これは
相当債務的な面で解決しなければならない問題が生じてくると思うわけです。ですから、その問題は、これは当然
政府の責任で、
農林省として、十分その場合にはどうするという具体的な整備方針というものをいまから検討してもらわないと、単にこれは議論だけの問題ではないと思うわけです。その問題が解決つかなければ、一般の農協との間における合体の問題とか、今後農協を経済
地域における広域なものに発展させるというような場合においても、当然、この開拓農協の持っておる残存債務とか、国との間における行政的ないろんな未解決の問題をどうするかということを国の責任で解決して、それから
地域における農協の整備拡大の方向に進むということでなければ、これは解決にならないと私は
考えておるわけです。
それからもう
一つ、法案についてでありますが、先日、私は局長に対して、現行法においても、
北海道においては一般農協が開拓保証協会の
地方協会の会員として保証業務を行なっておることになっておるが、その現況はどうであるかということを尋ねたわけでありますが、それに対しては、よくわからない、そういうことは
法律の改正上重要な問題でないというような態度を示されたわけでございますが、その後、こちらから
資料の要求をしました結果、こういう点があらわれてきておるわけです。
北海道において一般農協に対して保証協会の会員となるべきであるという
政令に基づく指定を行なった組合の数は二十三であります。実際はまだ多くなければならないわけです。
政令の規定は、一般農協における組合員のうち七〇%以上が開拓者であるということ、さらに三十人以上がその一般農協の中における構成員であることということが、指定の条件になっておるわけですからして、
北海道の場合には、どのような町村における総合農協であっても、開拓者が三十人にいかないというようなところはないのです。そうすると、少なくとも二百くらいの農協というものは指定組合にならなければならないわけですが、これが二十八年に二十二、二十九年に一組合で終わっておるわけです。そうしてそのうち、指定された組合が二十三であるけれども、実際にその農協が会員となるための条件を獲得したものは、わずかに十四組合しかないわけです。そのうち、八組合がまた脱退しまして、現在においては、昭和三十九年度は、
北海道全体で三つの農協だけが債務保証行為を組合員である開拓者に行なっておるにすぎないわけです。これは非常に重要な問題です。一片の
法律改正だけを行なって、一般の農協が
融資保証業務に協力できる道を講じても、その指定を行なっても、その組合が進んで出資をして
地方保証協会の会員となって、組合員である開拓者に対してできるだけの協力援助をする、そういう体制が、残念ながら
北海道においてもとられていないのです。このことは、単にこれを全国的に拡大した場合においても、内地府県はそうでないということにはならぬと思うわけです。ですから、
法律を改正する場合には、このように改正した場合において、これだけの成果があがるという確実な見通しの上に立たなければ、軽々と
法律改正等は行なうべきでないと思うのです。単に
北海道関係から出された
資料だけによっても、昭和二十八年から現在まで十数年間における経過と
実態というものは明らかになっておるわけです。ですから、今回
法律の改正が行なわれて拡大される場合においても、従来単にその道だけを開いて、
あとは親切な行政的な誘導をやっていないところに、
農林省あるいは農地局の欠陥があったわけでございますから、こういう点については、十分これを機会にして反省すべきであると思いますが、その点についての見解を明らかにしてもらいたいわけです。
もう
一つ、われわれとして理解に苦しむ点は、
先ほど申し上げました全国四千の開拓農協のうちで、
地方協会に加入している組合の数は、そのうちの七〇%の二千八百三十六組合であるが、実際にこの制度を利用しておる組合の数は幾つかというと、四千組合のうちの三〇%の千百七十四組合しかこの制度というものを利用していないのです。こういう制度を利用していなくても、十分営農資材等は再生産の準備ができるというのであればはなはだけっこうでありますけれども、残り七〇%が利用していないというところには、やはりそれと違った理由というものが内蔵されておるのではないかというふうに
考えられるわけであります。こういうような点についても、せっかく
融資保証の制度というものが確立されて、
政府も
相当額の出資をして、中央保証協会あるいは
地方保証協会と分かれて、今回の場合には、一般の
農業協同組合あるいは
地方の公共団体もこの会員になれるというような道が開かれておるわけでございますから、従来の実績とか経過というものを十分判断して、今回
法律が改正された場合においては、十分この制度というものが
活用されて、少なくとも開拓者が再生産の準備をする場合の短期の営農資金等については、有利な条件であるこの保証制度というものを
活用してやっていくべきである。そういうような
政府の啓蒙指導、あるいは開拓農協それ自身または開拓者自身におかれても、こういう点については十分自覚の上に立って前進すべきであるというふうに
考えるわけでございますが、以上三点について、
農地局長あるいは
農政局長、
考えがあれば、政務次官からも御
答弁を願いたいと思うわけです。