○松浦(定)委員 どうも
局長はなかなかむずかしいような答弁をしておられますけれ
ども、私は、先ほど言った前提としては、これからは、この
開拓行政なんというのは、一般
農協にやっておるような一本の農政で日本の農業をやってほしいということを中心として言っておるわけです。そこへもってきて、今度の八郎潟が別であると言われるから、これだけはまた認めるのかなと思ったのですけれ
ども、これは
融資を受けるためにそういうものが必要であれば、つくることを拒否するということは私はできないと思うのです。そうしますと、いまの
開拓三法というものは、当然私はつくると思うのです。もし、これをつくりますと、そうすると、やはりいまのような問題については、またこれは別な意味での議論がずいぶん出てくる。たとえば、先ほど申し上げましたような北海道の根釧パイロットは、一戸五百万もかけて、そしてこの三法ができてなおそれで守れないような
経営をやっておるわけなんです。ところが、今度は、総額百万とか二百万、三百万というような金を用意しなければいかぬ、八郎潟でそう言っておりますけれ
ども、かりにこれができまして、そしてこの三法ができても、依然としてその三法にたよることによってそこの
経営が十分でないといったようなことではいけないと私は思うので、この三法というものは、私は、終戦後に入った
開拓者を救うことが、極端に言えば、できなかったと極言してもいいと思うのです、実際問題としては。こういう段階になって、たとえば北海道で今年六千戸も離農したいというものがある限りにおいては、私は、
政府の政策としてりっぱであったということは言えないのではないか、こういうように言うわけなんです。そこへもってきて、その
法律を今度の八郎潟へ適用させないということはできない。必ずします。それは少しでも、今度通る一部修正でも
拡大されて、その恩恵に浴するということになれば、
農家は苦しいから、これはだれだって、よかれあしかれ飛びつくわけなんです。それがもし、十年後に、そのことによって自分の運営が非常に悪くなると思っても、とりあえず非常に苦しいということで飛びつくと思うのですが、そういうものに対する見解がはっきりできない中でこの八郎潟というものがやられるということについては、私は、農地の
拡大ということであの広大な面積を経め立ててやることについては、これはなるほどいいと思うのです。東京湾を埋め立ててやるようなそういうものは、別な意味で工業
振興なり何なりでやっておりますけれ
ども、農業をやるのにそれだけの金をかけてやらなければならぬほど、たとえば農地においても、農業者の希望の
条件でも、わが国では全然ないというふうには私は考えないわけなんです。むしろ八郎潟でそれだけの希望があるなら、北海道の六千戸の
農家が出ていかなくてもいいようなそういう
状態を——はっきりこれは北海道だからできないとおっしゃるなら別でありますけれ
ども、そういう点は、当時あの
法律を
審議するときには、やはり世銀の金を借りてやったということで、ずいぶん時の農林大臣なんかはりっぱな
意見を出しておられましたけれ
ども、結果はこうなってしまった。そういうことでありますから、この八郎潟の問題につきましても、この
開拓三法が適用されることを一応やはり希望して——必ずこれはできると思うのです。できた後において、さらにこの地帯における農業
振興のためにならないような結果になるおそれがあるとするならば、まあ、通ったあとから文句を言うのはおかしいのでありますけれ
ども、この八郎潟の問題について、私は、
ほんとうに
農林省としても重大な責任があるのではないか、こういうふうに思うわけであります。ですから、
開拓行政というものが、そういう形でなしに、何らかの形でもっと生きられるような
法律をつくらなければならぬのじゃないかというふうに私は考えるわけですが、これからの
開拓行政について、八郎潟の問題についてはその程度にしておきますが、現に入っておる、困っておる、そういう
農家がどうしたら救われるのか。負債の数理は午前中にも御答弁がありましたが、そのことは、ずいぶん農林大臣も何回となく繰り返しておられる
ことばでありますが、そういうことでなしに、何かここにひとつはっきりした線を出してもらわなければ、
開拓者というものは浮かばれないのではないか、私はこういうふうに考えますが、この点についてどのようにお考えになっておりますか、これは政務次官もあとからひとつ御答弁願いたいと思います。