○森(義)委員 それではいまの御答弁ですと、スーパー林道の場合においても、この法の第一条の目的に合っておる、こういう御答弁だと思うのですが、議事録を読んでみますと、井出委員の
質問に対して、長官はこのような答弁をしておられます。井出委員は、熊野、剣山地区にしぼった理由について
質問をしておられるわけです。他にもそういう地区があるのではないか。それに対して長官は、こういう答弁をしておる。「そこで未利用地域二万町歩くらいの森林を持っております個所というものがどれくらいあるかと申しますると、」「十五カ所くらいあるわけでありますが、これらの森林はおおむね現在の森林
内容が非常に貧弱であるといったようなことなり、あるいは特に治山治水上の面を考慮いたしますと、必ずしもそれを伐採した跡地に造林をするような適地というものは非常に少い、」「いわば地域開発的な
考え方をもちましての公団機能の活用ということにつきましては、私どもといたしまして、必ずしも将来に対する期待というものは持てないと思うわけでございます。」こういう答弁をしておられる。そうしますと、この法案ができたときのいわゆる熊野、剣山二地域にしぼった理由というのは、はっきりと、他の地域ではとうてい森林資源が豊富でない、あるいは針葉樹の用材が非常に少ない、あるいは造林の可能性、条件がない、こういうことから、熊野、剣山にしぼられた。そのときの用材林の基準というものが、一ヘクタール百四十四立米ですね。こういう豊富な森林資源、しかも針葉樹の用材資源というものを基準にして、こういう特定の地域だから、熊野、剣山二地域にしぼったんだ、いわゆる二万町歩くらいのところは十五カ所くらいあるけれども、今度の森林開発公団の施行するあれに適合する地域はこれだけしかないんだ、こういうふうに言っておられるわけです。それにもかかわらず、今度はもっと大きな地域開発の目的を含めたものをここに持ってこようとされる、私はあの法の審議過程の議事録を読んでみますと、すでに森林開発公団の任務は、熊野、剣山の開発で終わっておる、こういうふうに
考えるわけです。したがって、先ほど申しましたように、森林開発公団の延命策じゃないかというふうな疑いを持たざるを得ないわけであります。しかも、それが今度は法を一部改正して、森林開発公団の延命策を
考える場合に、いままでの目的とは大きく違った公共的な任務を持たしておられるわけです。そういうことならば、きわめて一貫性がないと思うわけであります。その点について、重ねて長官に、この法立法当初の
考え方について、この点間違いないとすれば、当然今度はこういう大きな改正をする場合においては、法の目的それ自体を改正し、
整備しなければならないと思うのですが、いかがでしょうか。