○久宗
政府委員 損害評価の問題につきましては、この
制度の一番ポイントになりますので、私どもといたしましても一番気をつかっておりますし、また悩んでおる問題でございますが、ただ、傾向的に申しますと、実は私、十年ほど前にこれを担当しておったのでございます。当時中央まで出ております係争問題が非常に多かったわけでございます。最近になりまして、やや体をなしたと申しますか、だいぶ改善されたものと一応
考えておるわけでございます。仕組みで申し上げますと、御存じのとおり、単位組合で全筆の検見をいたしまして、もちろん、組合といたしましても、特別な評価員がおりまして抜き取り
調査をいたしまして、単位組合の計数を固めます。連合会といたしまして、バランスをとる
関係もございますので、一組合当たりにおきまして約十八筆の実測
調査をいたしまして、組合間のバランスをとって全体の
数字をまとめてくるわけであります。国のほうに関連してまいりますのは、再保険につながるかどうかという問題でございます。県単位の
数字につきまして、全体の被害量を先ほど御指摘のございました統計
調査部の被害
調査によりましてめどをつけまして、全体の仕組みをきめる。こういうやり方になっております。そこで、根本的には、このやり方といたしまして、全部第三者評価にしてしまうかという問題もあり得るわけでございますけれども、これは
経費その他の点から見まして、とうてい
考えられないことでございますし、また、この
制度が実質的な組合におきます共済
制度というものを根幹にして組み立てられておりますので、組合が評価し、連合会が評価し、再保険が評価するという、この三段階制をとりながら、調整をとっていかざるを得ないわけでございます。そこで、御指摘のございました統計
調査部の
数字でございますが、それは
設計といたしましては、やはり県単位の損害額を推定いたしますたてまえの
調査でございますので、これが個別の
農家の個々の筆までを直接規制するものではないわけでございます。単位組合の評価なり連合会の評価が妥当かどうかという
一つの検証をいたします
数字になるわけでございます。さような点で、若干全筆の
調査でもございませんし、目的もやや違いますので、これを適用いたします場合には、いろいろの統計を利用いたします場合に許容限度の最高と申しますか、三種類の
数字を使いまして、その中に入るか入らないかで一応のめどをつけて、具体的な損害の認定に使っておるわけでございます。さような
意味から申しますと、統計の
数字そのものずばりでやっているわけではございません。相当大きな統計の許される限りの許容限度を見まして、県単位の
数字の妥当性を判断させるやり方をとっておりますので、一応こういう形をとらざるを得ないというふうに
考えておるわけでございます。なお、今日まで損害評価が多く問題を生じたわけでございますが、御
承知のとおり、昨年
制度改正をしていただきまして、従来は、単位組合の責任というのは、やや形式的と申しますか、そう言うと語弊がございますけれども、全体の保険の仕組みの中ではほんの一部の保険責任しか持っておりません。したがいまして、むしろ、連合会なり国のほうに問題が多くしわが寄ってきたわけでございますが、前回の
改正におきまして、仕組みを変えまして、単位組合の手持ちの保険料が相当多くありましたものが、保険
経営者としての
考え方として、損害の評価ができるような組み立てに直したわけでございます。さような点から、損害評価におきましても、
数字の適正化が
制度上もはかられるような仕組みになったわけでございます。もしこれが非常に過大評価されました場合には、当然組合単位に保険料率の改定の際に直接はね返ってまいりますので、
制度自体といたしましては、損害の評価が適正になる
方向に動いてきているというふうに
考えております。