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1965-02-04 第48回国会 衆議院 農林水産委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年二月四日(木曜日)    午前十時三十分開議  出席委員    委員長 濱地 文平君    理事 仮谷 忠男君 理事 坂田 英一君    理事 谷垣 專一君 理事 長谷川四郎君    理事 本名  武君 理事 赤路 友藏君    理事 東海林 稔君 理事 芳賀  貢君       池田 清志君    宇野 宗佑君       亀岡 高夫君    吉川 久衛君       倉成  正君    小枝 一雄君       田邉 國男君    高見 三郎君       中川 一郎君    中山 榮一君       野原 正勝君    八田 貞義君       細田 吉藏君    亘  四郎君       卜部 政巳君    兒玉 末男君       松井  誠君    松浦 定義君       森  義視君    山田 長司君       湯山  勇君    小平  忠君       中村 時雄君  出席国務大臣         農 林 大 臣 赤城 宗徳君  出席政府委員         農林政務次官  舘林三喜男君         農林事務官         (大臣官房長) 中西 一郎君         農林事務官         (農林経済局         長)      久宗  高君         農林事務官         (農政局長)  昌谷  孝君         農林事務官         (農地局長)  丹羽雅次郎君         農林事務官         (畜産局長)  桧垣徳太郎君         農林事務官         (蚕糸局長)  大口 駿一君         農林事務官         (園芸局長)  林田悠紀夫君         食糧庁長官   齋藤  誠君         林野庁長官   田中 重五君         水産庁長官   松岡  亮君  委員外出席者        専  門  員 松任谷健太郎君     ————————————— 本日の会議に付した案件  農林水産業基本施策及び昭和四十年度農林省  関係予算等に関する説明聴取      ————◇—————
  2. 濱地文平

    濱地委員長 これより会議を開きます。  農林水水産業振興に関する件について調査を進めます。  まず、赤城農林大臣より、農林水産業基本政策につきまして説明を聴取いたします。赤城農林大臣
  3. 赤城宗徳

    赤城国務大臣 今国会に提出いたします農林省関係予算案及び法律案につき、各位の御協力を得て御審議をいただくにあたりまして、農林水産業に対する施策について所信を申し述べたいと存じます。  まず、最近における農業動向について申し上げます。三十八年度を中心とする農業動向につきましては、さきに、「昭和三十九年度農業動向に関する年次報告」として国会に提出いたしました。いまその大要を申し上げますと。農業生産は、三十八年には気象災害などもあって前年に比べ二%ほど減少しましたが、三十九年には前年に比べ相当増加したものと思われます。  農業生産性及び農業従事者生活水準につきましては、まず就業者一人当たり実質国民所得農業と非農業生産性を比較いたしますと、三十八年度には農業は非農業の二九%であり、前年度と同程度であります。なお、一町五反以上の専業的農家だけを取り上げて農業の非農業に対する比較生産性を見ますと、おおむね四〇ないし五〇%とやや高い水準になっております。  次に、世帯員一人当たり家計費農家勤務者世帯生活水準を比較いたしますと、農家は全国の勤労者世帯の七七%となっており、前年度に比べて、数字としてはごくわずか改善されておりますが、おおむね横ばいと申してよかろうと存じます。なお、専業的農家所得及び家計費水準について、生活環壊の類似した地方小都市町村在住勤労者世帯と比較いたしますと、世帯員一人当たりにいたしまして経営耕地一町五反以上層ではおおむね九割に相当いたしております。  農業と非農業との生産性格差がほぼ現状を維持いたしました背景としては、三十八年度において、農業労働力減少が五%に及んだというように従前にも増して激しかったことや、農産物価格が他物価に比べて上昇の度合いが大きかったこと等による面が大きいものと考えられます。したがって、格差是正が本格化したとは言いがたい状況であります。さらに、農家生活向上は、兼業所得増加に負うところが大きく、三十八年度には、農家所得の中で農外所得の占める比率は五一%にも達しております。  農業に専念する上層農家では、経営改善が行なわれ、生産性生活水準もかなり高いものがあります。農家経済調査によれば、農業所得の高い農家が年々着実に増加を続けております。しかし、他方農業経営発展を困難としている種々の事情が見られることも事実であります。また、生産性の低い第二種兼業農家が総農家数の四二%を占める等、今後の農業生産が順当に行なわれることについては、必ずしも楽観を許さないものがあると考えられます。  したがって、今後、国民食糧の安定的な供給及び農業と他産業との格差是正をはかるためには、農業生産選択的拡大を促進するとともに、零細経営を特徴とするわが国農業構造改善をはかることを根幹として、農業近代化を一そう強力に推し進めなければならないと考えるのであります。なかんずく、生産性が高く、農業で自立できる農家を農村の中核としてできる限り数多く育成するよう、農業経営改善拡大を積極的に進めるための諸条件を整えることが肝要であると考えます。さらに、農業に主力を注ぐことができず、さりとて農業から容易に離れがたいという兼業農家が多数存在している実態に即応して、これら兼業農家を含めて農業の協業化を助長し、生産性向上生産維持増強をはかる必要があると存じます。  一方、わが国農業をめぐる国際情勢を見ますと、開放経済体制への移行に伴って、今後農産物輸入数量制限の撤廃、輸入ワク増大、関税の引き下げ、国際商品協定締結等国際的要請が漸次強まるものと思われます。これに対し、わが国農業特殊性について諸外国の理解を求め、わが国農業に急激な影響が及ぶことのないよう慎重に措置すべきことは申すまでもありませんが、農業構造改善生産性向上をはかり、国際競争力強化することが、長期的に見て国際情勢の推移にも対処し、日本の農業発展させるための本格的な道であると考えるのであります。  次に、林業動向について申し上げます。近年経済高度成長を背景として木材需要は著しい増大を示しておりますが、これに対し国内産木材供給量は、わずかな増加にとどまり、需要に対して弾力的に対応できないため、次第に外材依存度を高めております。また、木材の価格は、需要増大にもかかわらず、外材の輸入による供給量増大等により、ここ両年は安定的に推移しております。  他面、林業生産は、機械化促進等労働節約的傾向を強めております。これは、林業労働に従事する者が近年若年層中心に引き続き他産業に転職し、林業労働力が量の不足とともに質的にも低下の傾向を示し、また林業労働の賃金も上昇を続けていることにその原因の一つがあると存じます。  このような、わが国林業をめぐる内外の動向が示しますように、今日その直面する課題はきわめて多いのであります。今後林業の安定的な発展を期するためには、林業生産基盤整備経営近代化等推進し、増大が予想される木材需要に対応して国内総生産増大生産性向上をはかるとともに、あわせて林業従事者の地位の向上を期する必要があると考えます。  さらに、水産業動向について申し上げます。漁業生産量は、三十八年には前年より二%余り減少しましたが、これは異常冷水による影響等によるものと考えられます。  漁業生産性及び漁業就業者生活水準について申しますと、一人当たり付加価値額増加いたしましたが、絶対額におきましてはまだかなり低く、特に沿岸漁業就業者のそれは第二次、第三次産業就業者に比べて六〇%にすぎないのであります。また生活水準につきましては、沿岸漁家は全都市の勤労者世帯の七〇%程度となっております。  漁業就業者数経営体数は、引き続き減少度合いを強めております。  水産物に対する需要は、国民経済の成長に伴って今後も増大していくと思われ、また労働力の不足も深刻化する傾向にありますので、今後は一そう資源の維持増大につとめ、沿岸漁場や海外未利用漁場開発を積極的に行なうとともに、漁業近代化を推し進め、水産物安定的供給及び漁業と他産業との格差是正をはかっていく必要があると考えます。  以上申し述べましたように、農林漁業をめぐる内外のきびしい諸情勢のもとにおいて、農林漁業近代化して、これを国民経済の健全な一環として育成することは、単に農林漁業従事者福祉向上観点からのみでなく、国民生活向上国民経済安定的発展という観点からもきわめて大切であると存じます。  このような考え方に立って、農林漁業近代化を一段と強力に進めるためには、従来から講じてまいりました諸施策を一そう拡充することはもとより、新しい構想による施薬を講ずる必要があると存じ、鋭意検討を進めてまいりましたが、四十年度予算案におきましても、このような方針を織り込むべく努力いたしたのであります。  次に、四十年度において講じようとする農林水産施策の重点について、その概要を申し上げます。  まず第一に農林漁業近代化の基礎である生産基盤整備を強力に推進する所存であります。  農業につきましては、労働力減少に対処し、機械化推進などにより生産性向上をはかる上に重要な役割りを果たすべき圃場整備農道整備基幹かんがい排水施設整備の諸事業を強力に推進することにいたしております。特に、農道整備につきましては、従来から実施している事業拡充実施するほか、新たに地域農林漁業振興をはかる観点から、農林漁業用揮発油税財源身がわり事業として、林道事業漁港関連道整備事業実施とあわせて、農業用道路整備を大規模推進する所存であります。また、農業生産選択的拡大農業経営規模拡大に資するよう、開拓、干拓、草地改良等事業拡充し、農用地の成造につとめたいと存じます。  さらに、八郎潟干拓地に、わが国農業モデルたるにふさわしい新農村を建設する構想のもとに、八郎潟農村建設事業団を設立して所要の事業を行なわせる考えであります。  林業につきましては、新たに森林資源開発等地域開発としての意義の大きい林道の開設をパイロット的に森林開発公団実施させる等、林道網整備を積極的に進めるとともに、治山事業については新治山五カ年計画を樹立して、これに基づいてその拡充実施をはかり、また、造林事業を計画的に推進いたしたいと存じます。  漁業につきましては、漁港の計画的整備を積極的に推進することとし、第一種及び第二種漁港についての補助率引き上げをはかることといたしました。さらに、大型魚礁の設置を推進するほか、新たに浅海漁場開発するための調査に着手する考えであります。  第二に、農業経営規模拡大することが望ましいことでありますので、開拓等農用地の造成がこのために役立つことはもちろんでありますが、さらに農地取得あっせん農地取得に必要な資金貸し付け農地売買等業務を行なう農地管理事業団を設立し、農地移動経営規模拡大へ方向づける事業に着手することといたしたいと存じます。このことは、農業構造改善に関する基本的問題の解決を推進するものでもあります。  生産性が高く、農業所得水準も高い自立経営農家を育成するためには、自立経営を目ざす農家経営耕地規模拡大がはかられるよう、移動する農地経営規模拡大へ方向づけることが最も大切であります。このような観点から、農地取得及びそのあっせん取得資金貸し付け農地売買等業務を行なう農地管理事業団を設立して、当面農業近代化の機運の高まっている市町村から、パイロット的に事業を展開することとし、四十年度には百市町村において農地取得あっせん及び取得資金貸し付け業務実施したいと考えております。農地管理事業団貸し付け取得資金償還条件は、年利三分、償還期間三十年以内の元利均等償還とすることといたしております。  また、草地の造成改良につきましても、新たに国営事業及び農地開発機械公団によるいわゆる建て売り牧場事業実施をはかる等、これを強力に推進し、飼料自給基盤の確立につとめるとともに、経営規模拡大に資せんとするものであります。  第三に、酪農振興のための対策強化する所存であります。畜産、特に酪農安定的発展をはかることが農業所得増大及び国民食生活向上のために重要であることは、御承知のとおりであります。そこで、牛乳乳製品の需給の安定及び酪農経営安定向上をはかる観点に立ち、飲用乳の比重を高めるよう考慮しつつ、生産から処理、加工、販売にわたる対策を総合的に講じてまいる所存であります。  草地改良事業を強力に推進して飼料自給基盤を確立しようとする施策につきましては、さきに述べたとおりであります。草地改良事業推進とあわせて、乳牛を大規模に育成するため国の種畜牧場を活用し、また地方公共団体による育成事業を充実すること等によって多頭飼養推進による生産性の高い酪農経営を育成してまいりたいと存ます。また、生乳の学校給食を計画的に増大する等により市乳化の促進をはかり、さらに原料乳価格支持に対する新しい構想を実現する方向で検討を進める等、各般にわたり面目を新たにして施策を進めてまいりたいと考えております。  第四に、農林漁業近代化に必要な資金確保し、その円滑な融通をはかってまいることといたしております。  農林漁業近代化には多額の投資を必要といたしますが、近代化農林漁業者自主性に基づいて進められるべきことから、金融について十分の配慮が必要であろうと存じます。  このため、長期低利資金確保につきましては、四十年度には農林漁業金融公庫融資ワクを一千二百四十億円、農業近代化資金融資ワクを七百億円と大幅に拡充するとともに、資金融通が円滑かつ迅速に行なわれるよう貨し付け手続等改善をはかる考えであります。また、無利子で貸し付けを行なう農業改良資金につきましても、貸し付けワクを五十七億円に増額することといたしております。  このほか、開拓者及び中小漁業者に対する金融円滑化をはかるため、開拓融資保証制度及び中小漁業融資保証制度の充実をはかる所存であります。  第五に、農林漁業構造改善に関する事業を強力に推進することといたしております。  まず、全国各地実施されている農業構造改善事業につきましては、事業実施地域の数を拡充するとともに、パイロット地区展示的効果の発現を期することとし、地域の実情に即して円滑かつ効果的な事業推進をはかりたいと存じます。また、補助事業を終了する地域において事業成果を一そう高めるため、経営管理面についての指導強化につとめる考えであります。  さらに、林業につきましては、林業構造改善事業事業実施の段階に入ることに伴い、指導助成措置強化し、また漁業につきましては、沿岸漁業構造改善事業拡充強化することといたしております。  第六には、農業後継者育成確保に一そうの努力を払いたいと存じます。  農業近代化推進するためには、そのにない手としてすぐれた農業後継者育成確保することが肝要であります。このため、農業近代化のための諸施策を講ずることにより、農業青少年にとって魅力ある産業として確立するよう努力することとあわせて、農業後継者たるべき青少年の意欲と能力を自由に発揮させるため、農業後継者育成資金及び農家生活改善資金拡充教育研修施設整備充実、民間の農業教育研修活動の助長を強化することといたしております。  第七には、需要動向に見合って農業生産選択的拡大と総生産維持増強をはかる所存であります。  今後も国民所得増大国民生活向上に伴って、食糧需要高度化増大が見込まれますので、需要動向に即応して生産安定的拡大をはかることとし、畜産についてさきに述べましたように酪農中心対策を講ずるほか、野菜の指定産地制度及び生産安定事業拡充強化、合理的な果樹園経営の育成、養蚕経営近代化等の諸施策を講じてまいる考えであります。また、米麦につきましては、農協等に助成して高性能の農業機械を導入、活用して高度の集団栽培を促進し、協業の助長を進めつつ生産性向上を期したいと存じます。  第八には、農林水産物価格の安定と流通改善合理化を積極的に推進してまいる所存であります。  農林漁業所得増大国民消費生活安定向上をはかるため、農林水産物価格の安定と流通改善合理化をはかるための諸施策を充実することといたしております。すなわち、主要食糧管理につきましては現行制度の適切な運営に一そうの努力を払うとともに、畜産物価格安定と流通改善、青果物の生産及び価格の安定、繭糸価格及び糖価の安定、水産物流通加工改善合理化等推進してまいりたいと存じます。  また、生鮮食料品流通機構につきましては、その中核をなす中央卸売り市場について施設の計画的整備及び取引の改善合理化推進するとともに、前国会において継続審査となっている食料品総合小売市場管理会法案の成立を待って、食料品総合小売り市場の設置を進める等小売り段階近代化推進する考えであります。  第九には、農林水産業に関する試験研究整備強化技術普及等をはかってまいることといたしております。  農林水産業近代化のためには、機械化をはじめ技術の革新を着実に推し進めることが重要であります。新しい技術開発をはかるため、国及び都道府県等試験研究機関における試験研究を一そう充実するとともに、普及事業強化し、農林漁業者の要望にこたえ得る普及指導体制の確立をはかる所存であります。  また、農林水産行政効果的推進に必要な各種統計につきまして、その整備充実をはかることといたしております。  なお、農林水産物について、貿易拡大国際的要請が強まることに適切に対処すべきことはさきに申し上げました。農業保護政策として必要なものを今後とも維持することはもとよりでありますが、農林水産物輸入自由化等に関連し、財政負担をもって措置すべきものについては、予算確保につとめるとともに、生産流通加工の各段階にわたりさきに申し上げた諸施策を講ずることにより、農林漁業国際競争力強化をはかってまいる所存であります。  以上のほか、なお特に林業及び水産業に関する施策について若干申し上げます。  まず、林業につきましては、林業基本法の趣旨に沿って、生産構造流通加工等各般にわたる施策を総合的に実施するとともに、森林資源確保、国土の保全等施策についてもその拡充をはかる所存であります。なお、国有林野の活用につきましては、国有林野事業使命達成との調整をはかりつつ、その所在する地域農林業構造改善、その他産業振興及び住民の福祉の向上に資するよう積極的かつ適正な運用を期してまいりたいと考えております。  次に、水産業につきましては、まず、沿岸漁業等振興法の趣旨に沿って沿岸漁業及び中小漁業近代化を進めることといたしております。さらに、国際協調に配意しつつ、海外漁場開発を積極的に推進し、また水産物価格の安定、流通加工合理化及び水産資源保護培養につとめる等、総合的な水産施策を講じてまいる所存であります。  これらのほか、農林水産業災害対策について、一そうの努力を払いたいと存じます。  一昨年は西日本における長雨などによって約二千三百億円、昨年は西日本の長雨、新潟地震、北海道における冷害、台風二十号などによって約二千五百億円と、ここ両三年多額の被害が発生し、そのつど農林水産業施設早期復旧のための特別措置、必要な資金の融通のための立法措置種苗等確保のための助成措置などによる経営の再建につとめてまいりました。  これらの貴重な体験をもとにして、今後の災害に対しまして、遺憾のない措置を固めてまいる所存であります。特に災害予報周知徹底技術改良普及試験研究土地基盤整備など防災対策に力をいたし、従来講じております応急対策とあわせて総合的に災害対策を進めてまいりたいと存じます。  また、かねて研究をいたしております果樹などの新しい農業共済実施について準備を一段と強化充実したいと考えます。  なお、第四十七回臨時国会におきましては、貸し付け限度引き上げ中心とする天災融資法の一部改正を御可決願いましたが、さらに同法に規定するその他の貸し付け条件についても検討を深め、改正法案を今国会に提出するよう諸般の準備を進めております。  以上、最近の農林漁業動向及び四十年度の農林水産業施策の重点について申し述べたのでありますが、各位の御協力を得まして、農林関係予算案及び法律案の御審議が円滑に行なわれ、すみやかに御賛同を得られますようお願いいたす次第であります。(拍手)     —————————————
  4. 濱地文平

    濱地委員長 次に、昭和四十年度農林省関係予算について説明を聴取いたします。舘林農林政務次官
  5. 舘林三喜男

    ○舘林(三)政府委員 昭和四十年度農林関係予算についてその概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計における農林関係予算の総体について申し上げます。  農林省所管合計といたしましては、三千三百六億円となっておりますが、これに総理府、大蔵省、文部省、労働省及び建設省所管を加えた農林関係予算合計は、三千七百億円となり、これを昭和三十九年度補正後の予算三千四百八十五億円に比較すると二百十五億円の増加、また昭和三十九年度当初予算三千三百六十億円に比較すると三百三十九億円の増加となっております。  さらに、これを予算編成変動要因の多い食糧管理特別会計繰り入れ農業近代化助成資金繰り入れ及び災害復旧等を控除した金額で比較すると、昭和四十年度は二千四百三十七億円、昭和三十九年度補正後は二千八十一億円で、三百五十六億円の増加となっております。  この予算の編成にあたりましては、農林漁業生産性農林漁家生活水準について他産業との格差の是正をはかり、豊かな福祉国家の形成に寄与することが農政に与えられている基本的命題であり、また経済のひずみ是正、社会開発等の見地から農林漁業近代化を強力に推進することがきわめて重要である点に留意いたしまして、各般の施策の拡充をはかることとしたのであります。  以下本予算編成重点事項について申し上げます。  まず最初に、農業関係予算について御説明いたします。  第一に、農業生産性の向上と総生産維持増大をはかるための予算について申し上げます。  一、農業生産基盤整備につきましては、農業生産性を向上し、生産選択的拡大の方向に沿って総生産維持増大をはかるとともに、農業構造改善に資するため、これを強力に推進することとしまして、総額九百二十三億二千七百万円を計上いたしております。  (1) まず土地改良事業につきましては、総額五百七十七億八百万円を計上しております。そのおもな点について申し上げますと、特定土地改良工事特別会計で行なう事業については、その計画的推進をはかることとして一般会計から七十二億八千九百万円の繰り入れを行ない、これに借り入れ金等を加え百十六億九千二百万円の事業を実施することとし、また、一般会計国営事業については、事業効果早期発現を旨として事業の推進をはかることとし、百十八億九千七百万円を計上しております。  一般都道府県営事業については、進度促進早期完成につとめるとともに、国営付帯都道府県営事業については、国営事業の進度を考慮して事業の推進をはかることとし、九十三億六千六百万円を計上しております。  団体営事業については、八十六億二千四百万円を計上しておりますが、機械化農業の推進等に資するため、特に農道事業について、補助率引き上げを行なうとともに、農林漁業用揮発油税財源身がわり事業として行なうものをあわせ農道の整備を大幅に拡充推進することといたしております。なお、非補助小団地等土地改良事業については、農林漁業金融公庫の三分五厘資金の融資ワクを百五十四億五千万円と計画しております。  さらに、圃場整備事業については、未端圃場条件の整備を通じ機械化農業を強力に推進するため、その事業量を増大するほか、補助率引き上げを行なうこととし、四十六億四千六百万円を計上しております。  また、愛知用水公団事業については愛知用水の管理と豊川用水事業の推進をはかることとし、篠津泥炭地開発事業についてもその事業を促進することとしており、水資源開発公団事業については、群馬用水事業及び印旛沼干拓関連土地改良事業を継続実施するほか、新たに利根導水路及び埼玉合口連絡水路の事業を推進することといたしております。  (2) 次に干拓事業につきましては、事業計画的推進をはかることとし、特定土地改良工事特別会計においては一般会計からの繰り入れ百二十二億二千百万円に、借り入れ金等を加え百六十億六千三百万円の事業を行なうこととしており、また、一般会計事業については十二億五千九百万円を計上しております。  (3) 農用地開発事業につきましては、草地改良事業を含め、総額二百三億五千七百万円を計上しておりますが、既入植地について新振興対策関連の建設工事と開墾作業の促進に重点を置いて事業を実施するとともに、一般農家経営規模の拡大、成長農産物を主体とする営農の伸長をはかる等の見地に立って開拓パイロット事業及び草地改良事業を推進することといたしております。  特に、草地改良事業につきましては、飼料生産基盤整備し飼料自給度の向上をはかるため、事業量を拡大するほか、補助対象の拡大等補助内容の充実をはかるとともに、新たに国営草地改良事業を実施することとしており、また、農地開発機械公団に建て売り方式による共同利用模範牧場の設置事業を行なわせることとしまして、これらに要する経費二十一億八千万円を計上しております。  (4) さらに、農地開発機械公団に対しましては、建設機械の更新等のため一億円の出資を予定いたしております。  (5) また、八郎潟中央干拓地にモデル的な新農村を建設するため、新たに八郎潟農村建設事業団を設立し、農地整備、入植施設、公共施設の造成、入植者に対する営農訓練等を実施させることとしまして、出資、補助金等六億八千百万円を計上しております。  二、次に、農業生産性を向上しその近代化を達成するために必要な技術的基盤を確立するための試験研究事業及び技術の普及指導事業等に関する予算について申し上げます。  (1) 試験研究事業につきましては、七十七億七千三百万円を計上し、各試験研究機関の研究員の人当研究費の増額、機械器具の充実等を行なうこととするほか、北海道における冷害対策に資するため北海道農業試験場に冷害実験施設を新設するとともに、年次計画に基づき農業試験場等の移転整備を実施して、また、新たに一般作物及び園芸作物の種苗の保存導入に必要な施設を設置することとしております。  さらに、試験研究の助成につきましては、指定試験事業及び総合助成試験事業について改善を加えることといたしております。  (2) 技術の改良普及に関する経費のうち、農業改良普及事業につきましては、生活改善普及事業も含め四十一億七千二百万円を計上し、農業改良普及所の管轄区域の広域化、農業改良普及員の市町村担当制の確立、機動力の増強、普及員研修施設の整備等をはかるほか、省力技術特別事業を実施することといたしております。生活改善普及事業につきましては、普及員の増員と広域普及所における広域担当普及員の配置を行なうとともに、生活近代化センターの増設と生活改善技術館の運営強化をはかるほか、農業者健康管理特別事業を実施することといたしております。  畜産経営技術の指導事業につきましては、引き続き、畜産技術研修事業の強化、畜産コンサルタントによる効率的集団指導事業の推進、畜産新技術開発実験施設と畜産経営モデル施設に対する助成を行なうこととし、これらに対し一億円を計上しております。  一方、蚕業技術改良事業につきましても、引き続き、蚕業改良指導員及び嘱託蚕業普及員の設置を助成するとともに、その資質の向上と普及活動の効率化をはかるため、研修の拡充強化をはかることとし、これらに要する経費として六億円を計上しております。  (3) 農業改良資金制度につきましては、技術導入資金のワクを拡大するほか、農家生活改善資金及び農業後継者育成資金については、農林漁業用揮発油税財源身がわり事業として、これに必要な資金を補助することとし、特に貸し付けワクの大幅な拡大をはかることとしまして、これら資金の貸し付けワクを五十七億円と予定いたしております。  三、以上に関連して開拓地の営農振興対策について申し上げますと、既入植者の営農の安定向上と生活環境の整備に重点を置き、営農振興対策資金を五十億円に拡大し、また離農援助措置を充実するとともに、営農指導事業及びトラクター導入事業の助成を引き続き行なうほか、新たに集乳冷却施設の助成、中央開拓融資保証協会に対する出資を行なうこととし、これらに要する経費として二十一億五千三百万円を計上しております。  第二に、農業生産選択的拡大を推進し、食糧需要の動向に対応して成長農産物の伸長とその合理化をはかるための予算について申し上げます。  一、まず畜産の生産振興につきましては、畜産経営の基盤となる飼料自給度の向上をはかるため、すでに述べましたように草地改良事業を大幅に拡充実施するほか、乳用牛の飼料自給度を向上させるため、引き続き既耕地における飼料作物の作付の強化のためのトラクター等の共同施設の設置の助成を行ない、地方公共団体が造成管理する草地を対象とする草地管理用機械の設置等について助成し、新たに乾草の流通による飼料の地域内自給体制の確立をはかるため乾草生産事業促進モデル施設の設置を助成することとし、これらに要する経費六億四千三百万円を計上しております。  このほか、酪農の安定的発展をはかるため、新たに国の定める指針に即し都道府県及び市町村に酪農近代化計画を樹立させるための調査等を行なうこととし、乳用雌子牛の集団育成事業に対する助成を拡充強化するほか、新たに国の種畜牧場の一部を活用し優良雌子牛の育成を大規模に実施することとし、これらの経費として一億七千三百万円を計上しております。  さらに、家畜導入、家畜改良増殖等の事業につきましては、引き続き寒冷地等特殊地帯に対する県有家畜貸し付け事業、肉用素畜導入事業、肉用牛改良増殖基地、凍結精液利用施設及び鶏後代検定施設に対して助成するほか、新たに雑種利用による養豚の生産性の向上をはかるため種豚改良センターの設置を助成することとしており、また、各県の家畜保健衛生所の整備統合、家畜集衛生事業の助成等家畜の衛生対策を推進し、国の種畜牧場の施設整備等所要の措置を講ずることとして二十五億八千四百万円を計上しております。なお、農林漁業金融公庫の畜産経営拡大資金及び豚鶏資金については、その融資ワクを五十億円に拡充することといたしております。  二、次に、園芸の振興について申し上げます。  まず、果樹農業生産振興につきましては、果樹園経営の集団化を促進し、果樹農業生産性の向上をはかるため、農林漁業金融公庫の果樹植裁育成資金の融資ワクを五十億円に拡大するほか、果樹園経営計画の実施促進、果樹裁哉適地調果、果樹園造成用ブルドーザーの導入、果樹病害虫発生予察事業等を継続実施するとともに、新たに、国内ブドウ作農家の経営合理化をはかるための醸造用ブドウ生産合理化パイロット事業及びリンゴ品種更新のための苗木共同養成事業を助成し、果樹農業の総合機械化研修施設を設置するための調査、苗木の養成等を行なうこととし、これらに必要な経費として一億三千九万円を許上いたしております。  三、次に野菜花卉の生産振興につきましては、野菜指定産地制度について、その対象品目に白菜を、対象地域に北九州地域を加えることとし、追加指定産地に自動灌水施設及び広幅散布機の導入を助成するほか、加工用トマト対策として共同育苗圃の設置等を助成する等、今後需要が増大すると見込まれる野菜の生産の安定的増大とその生産性の向上をはかることとし、二千五百万円を計上いたしております。  四、甘味資源作物の生産振興につきましては、甘味資源特別措置法に基づきてん菜及びサトウキビの生産振興をはかるとともに、でん粉原料用カンショ及びバレイショの生産合理化を推進することとし、十二億三千万円を計上しております。  まず、てん菜につきましては、引き続き土壌改良促進のためのトラクターの導入、集団省力裁哉推進のための裁培用機械の導入、ペーパーポットによる共同育苗圃の設置等を助成するほか、新たに奨励品種決定調査を助成するとともに、日本てん菜振興会の運営費を補助することとし、これらに要する経費として七億三千六百万円を計上しております。  なお、北海道につきましては、てん菜生産振興のための土地改良事業を拡充することとし、十四億六百万円を予定しております。  次に、サトウキビにつきましては、引き続き土壌改良のためのトラクターの導入等を助成するほか、新たにわい化病対策として国立サトウキビ原原種農場を設立して健苗の供給確保をはかることとし、これらにつき九千八百万円を計上しております。なお、別に土地改良事業として三千二百万円を予定しております。  以上のほか、でん粉原料用カンショ、バレイショにつきましても、その生産合理化をはかるため、引き続きカンショ、バレイショ種苗対策事業及びカンショ裁塔の合理化推進実験集落の設置を助成するほか、新たに省力機械化栽培の普及等をはかるための原料用バレイショ裁培合理化実験集落の設置等を助成することとし、これらに要する経費として三億九千七百万円を計上しております。  五、米麦等の生産合理化につきましては、引き続き優良種子確保、地力保全、植物防疫事業等の諸事業を実施するほか、新たに耕種農業を中心とする農業生産近代化を促進するため、圃場条件の整備された地区における大型機械を中心とした高度の集団栽培の促進事業を助成するとともに、畑地麦作の合理化モデル事業を助成することとし、これらに要する経費として十億二千七百万円を計上しております。  六、以上のほか、特用作物の振興については、亜麻およびハッカ生産改善パイロット地区、畑作なたね生産改善推進地区の設置の助成等に要する経費として七千万円を計上し、養蚕生産合理化については、桑園作業の機械化と蚕作向上のための機械化実験組合の設置のための助成等に対して二千三百万円を計上しております。  第三に、農業構造改善農業近代化をはかるための予算措置について申し上げます。  一、まず、自立経営農家の育成対策につきましては、自立経営を志向する農家経営規模の拡大を促進するため、農地取得あっせん農地取得に要する資金の融通、農地の買い入れ、売り渡し等を業務とする農地管理事業団を新たに設立することとしております。  同事業団は、当面パイロット的に事業を実施するものとし、昭和四十年度においては百市町村において農地取得あっせん、資金の融通等を実施することとし、同事業団に対する出資等を行なうほか、地方公共団体に対し農家の土地取得に関する指導等を助成することとし、これらに必要な経費として四億六千七百万円を計上するとともに、財政投融資二十億円を予定いたしております。  二、次に農業構造改善事業につきましては、総額百六十億百万円の予算を計上しますとともに、農林漁業金融公庫の融資を百二十五億五千万円と予定いたしております。  昭和四十年度におきましては、昭和三十七年度に専業を開始した地域の残事業等の助成と、昭和三十八年度及び昭和三十九年度に事業を開始した地域の事業実施の助成を行なうとともに、新たに四百五十地域につき初年度の事業実施の助成を行なうほか、五百市町村において農業構造改善事業計画の樹立を促進することといたしております。  また、本年度は、事業完了地域の出現に伴い、経営管理上の指導を強化するほか、新たに高度の技術を要する調査設計の事業を助成することとしており、また今後の対策に備えて、農業経済圏育成事業計画の樹立に着手することといたしております。  三、農業機械化関係の経費につきましては、農業近代化の根幹となる農業機械化を強力に推進するため、引き続き、土層改良用、重粘土土層改良用の大型トラクター並びにコンバイン、ドライヤー等の導入につき助成するほか、新たに農業機械による作業の安全対策として講習事業等を助成することとし、また農林水産航空事業については、利用調整事業、乗員養成事業等に対し引き続き助成するとともに、新たに農林水産航空協会のヘリコプター設置を助成することとし、これらに必要な経費として五億二千七百万円を計上するほか、農業機械化研究所に対する出資等二億六千三百万円を計上しております。  四、次に農業近代化資金融通制度につきましては、資金ワクを七百億円に拡大するとともに、すでに造成した農業近代化助成資金の運用益を財源として利子補給の助成を行なうこととし、農業近代化助成資金への追加繰り入れば行なわないこととしております。このほか、都道府県農業信用基金協会に対する出資の助成を含め、これらに要する経費として三十二億百万円を計上しております。  第四に、農産物の流通合理化、加工及び需要の増進並びに輸出振興に必要な予算について申し上げます。  一、農産物流通改善につきましては、まず家畜及び畜産物のうち、食肉について、産地の食肉センター、消費地の食肉共同処理施設、食鶏共同処理保管施設、食鶏出荷合理化施設の設置並びに家畜市場の再編整備を引き続き助成するとともに、新たに鶏卵取引の合理化に資するため鶏卵規格取引促進施設の設置を助成することとしております。また、生乳については、その流通の改善合理化をはかるため、集送乳路線の整備を計画的に行なうこととし、引き続きクラーステーション及び集乳所の整備を助成するほか、国内産牛乳の消費の安定的拡大をはかる等のため、国内産牛乳の学校給食の計画的増大を推進することとし、その供給量を七十万石に拡大することとして、これらに要する経費として合計三十七億八千九百万円を計上しております。  また、青果物の流通改善については引き続き出荷調整対策協議会等に助成するほか、大都市への野菜の安定的供給の確保をはかるための指定産地制度については、対象品目に白菜を、対象地域に北九州地域を加えるとともに、新たに野菜の需給見通し及び指定産地経営改善計画の樹立を行なうこととし、また、カンラン及びタマネギ生産安定資金制度を維持するため必要な追加資金の造成を助成する等、流通改善を推進することとし、一億五千八百万円を計上しております。  なお、生鮮食料品の適正円滑な流通を確保するため、中央卸売り市場の施設整備についての助成を引き続き行なうこととし、四億三千万円を計上するほか、新たに地方卸売り市場の配置等に関する基本的方向づけのための調査を行なうこととし、二百万円を計上しており、また、生鮮食料品の価格形成の合理化を促進するため、生鮮食料品総合小売市場を設置することとし、食料品総合小売市場管理会に対する出資等として二億七千四百万円を計上しております。  二、農産物の加工及び需要を増進するための予算としては、農林関係企業の経営の合理化、日本農林規格の普及推進等の助成並びにパンの学校給食の実施について総額で十七億四千万円を計上しております。  三、農産物の輸出振興のための予算としては、輸出品検査所及び生糸検査所の運営費並びに生糸の海外需要増進をはかるための日本絹業協会に対する助成として総額十億千二百万円を計上しております。  第五に、農産物の価格安定と農業所得の確保に必要な予算について申し上げます。  一、食糧管理特別会計における食糧管理事業につきましては、国内産米麦及び輸入食糧の管理を現行方式により実施することとし、食糧管理特別会計の調整勘定に対して、一般会計から千五十五億円の繰り入れを行なうことといたしております。  また、カンショでん粉及びバレイショでん粉、てん菜糖などの砂糖類については、それぞれ必要に応じ政府買い入れ措置を講ずることにより、その原料作物の価格の安定をはかることとしております。  二、次に、畜産物については、畜産振興事業団の行なう価格安定業務の円滑な実施をはかるため、三億円の追加出資を行なうとともに、酪農経営の安定と牛乳の生産、消費の円滑な拡大をはかるため、生乳の価格安定制度の改正をはかることとし、所要の検討を行なうこととしております。  三、国内産大豆及びなたねの保護措置としては、引き続き生産者団体に対する交付金八億円を計上しており、また、糸価安定特別会計においても、引き続き繭糸価格の安定をはかるための措置を講ずることといたしております。  第六に、農業資材の生産流通の合理化及び価格の安定に必要な措置といたしましては、肥料及び指定飼料の検査、農薬検査、動物医薬品検査等の事業を継続実施することとしており、また、流通飼料につきましては、その需給及び価格の安定をはかるため、従来の品目のほか、新たにトウモロコシを加え、これら輸入飼料の買い入れ、保管及び売り渡しを行なうこととし、これに伴う損失を補てんするため、食糧管理特別会計輸入飼料勘定へ四十一億円の繰り入れを行なうこととし、これを含め以上の諸事業に必要な経費として四十三億九千三百万円を計上しております。  第七に、農業経営掛当者の養成確保と農業従事者の就業促進及び福祉の向上に関する予算について申し上げます。  一、農業近代化推進のにない手となる農業経営者の養成につきましては、経営伝習農場等の研修施設の整備拡充をはかるほか、新たに在村青少年のための農業専修学園及び他県研修生も受け入れる営農研修施設の設置につき助成することとし、また、民間の農業教育機関の研修教育、農業実習生の海外派遣等の活動を引き続き助成することとし、これらについて四億三千六百万円を計上しております。  二、農業従事者の就業機会の増大については、農業委員会組織による相談、調査、啓蒙等の事業及び協議会の開催に対して一億四百万円の助成を行なうほか、農業移住促進事業に対する助成として七千二百万円を計上しております。  三、次に、農業従事者福祉向上に関する予算といたしまして、すでに述べました開拓地の振興対策及び生活改善普及事業のほか、離島振興対策、僻地農山漁村電気導入、農山漁村同和対策等の経費について申し上げます。  離島振興法に基づく離島の振興対策事業につきまして、さきに述べました農業基盤整備事業のほか、治山、造林、林道、漁港、海岸事業等の公共事業を合わせ、農林関係予算として四十八億二百万円を計上し、計画的に聖業の推進をはかることといたしております。  また、僻地農山漁村における未点灯農山漁家の解消のための電気導入事業及び北海道における老朽化した共同自家用電気施設の改修事業につきましては、補助対象事業費の引き上げを行なう等その事業を推進することとして三億三千万円を計上しております。また、農山漁村同和対策といたしましては、政府の同和対策の一環として同和地区内の農山漁家の振興に必要な土地整備事業及び共同利用施設の設置に対し一億二千五百万円の助成を行なうこととしております。なお、山村振興につきましては、新たに三千万円を計上し、基本調査を行なうこととしております。  第八に、農業団体の整備強化に関する予算について申し上げます。  まず、農業委員会による農家台帳の再整備を引き続き実施するほか、農業協同組合の合併を積極的に推進し、また農林漁業団体職員共済の給付内容を充実し、開拓農協の事務処理の適正を期するための指導を強化するほか、土地改良区の合併等の推進を行なうこととし、これら団体関係の予算として二十三億三百万円を計上しております。  次に、林業関係の予算について御説明いたします。  第二に、林業関係公共事業について申し上げます。  一、まず林道事業につきましては、林業生殖基盤の整備森林資源の開発利用を推進するため、一般林道の開設事業拡充実施するとともに、山村振興林道の補助率引き上げを行ない、山村の振興に資することとするほか、新たに森林資源開発等地域開発としての意義の大きい林道の開設を森林開発公団に実施させることとし、農林漁業用揮発油税財源身がわり事業として、これに必要な事業費を補助することとしております。これらに要する経費として、六十二億二千六百万円を計上しております。  二、治山事業につきましては、新治山事業五カ年計画に基づき事業の推進をはかることとし、国有林野事業特別会計治山勘定において民有林治山事業を計画的に実施するため、一般会計から同勘定に百四十一億六千五百万円を繰り入れることとしており、また、水源林造成事業については、森林開発公団によりその事業拡充実施するため必要経費三十二億円を同公団に出資することとしております。これらを合わせて治山関係で総額百七十三億六千五百万円を計上しております。  三、造林事業につきましては、五十七億八千七百万円を計上しておりますが、引き続き拡大造林に重点を置いて人工造林計画を推進することとし、補助単価の改訂を行なうほか、融資造林の拡充をはかるため、農林漁業金融公庫融資ワクを五十七億円に拡大することとしております。  第二に、公共事業以外の林業振興及び林業構造改善対策等に関する予算について申し上げます。  一、まず、林業の基本対策の推進の一環として、林業の生産性の向上と林業従事者の所得の増大をはかるため、林業構造改善対策事業を推進することとし、これに必要な林道整備及び近代的林業施設の導入等の事業を総合的、計画的に推進するため、昭和四十年度においては、新たに百市町村の計画樹立等に対し助成を行なうとともに、前年度に指定された九十二地域における第一年度目の事業実施について助成等を行なうこととして、十億二千万円を計上しております。また、林業労働力対策について一千三百万円、入り会い林野整備促進対策事業にについて二千万円を計上しております。  なお、林産物の流通を円滑化し、需給及び価格の安定をはかるため、主要林産物の生産、流通、価格等の動向を把握するための調査を行なうほか、木炭、干しシイタケ等の自主的出荷調整事業を助長することとし、これらに必要な経費六千万円を計上いたしております。このほか、森林組合の合併促進のための経費を含め、森林組合の育成対策費としては三千八百万円を計上しております。  二、次に森林資源維持増強に関する予算につきましては、森林計画制度の適切な運用をはかるとともに、保安林整備計画の適確な実行を期することとし、このほか、優良種苗の確保、森林病害虫等防除、鳥獣行政の運営等に必要な経費を合わせ、九億三千百万円を計上しております。  第三に、林業試験研究及び普及事業の強化に関する予算について申し上げます。  林業経営の合理化を推進するため林業普及指導職員の活動を強化するとともに、国及び都道府県の試験指導機関による研究の拡充をはかるほか、新たに林業技術普及センターの整備につき助成を行なうこととし、これらに要する経費十六億一千三百万円を計上しております。  次に、水産業関係の予算について御説明いたします。  第一に、沿岸漁業及び中小漁業近代化をはかるため、総額四十二億四千八百万円を計上しております。  一、まず、沿岸漁業構造改善対策につきましては、これを計画的、総合的に実施することとし、前年度からの継続地域のほか、新規に五地域について調査指導を、また七地域について経営近代化促進事業を始めるとともに、全国四十二地域において行なう漁場造成改良事業に対しても引き続き助成するこることとし、十六億二千三百万円を計上しております。なお、本事業を推進するため、融資単独事業の一地域当たり事業規模を拡大することとしております。  二、また、中小漁業の振興対策を推進するため、カツオ・マグロ漁業等について経営の実態調査及び改善指針の策定を行なうとともに、中小漁業融資保証制度については、保険料率の引き下げを行ない、中小漁業者に対する金融の円滑化をはかることとしております。  さらに、資源の高度利用、漁業の能率化をはかるための漁況海況予報事業につきましては、予報の迅速かつ適確な広報を行なわせることとし、新たに二千万円を計上しております。  三、次に、漁業災害補償制度につきましては、共済掛け金の助成を引き続き行なうとともに、この制度の改善充実に関する調査研究、損害評価の適正迅速化をはかることとし、以上に要する経費四億七千四百万円を計上しております。  また漁船損害補償制度につきましては、義務加入する漁船等の保険料負担を軽減するため、二十トン未満の漁船の国庫負担対象付保率を引き上げることとし、これらに必要な経費として八億一千四百万円を計上しております。  四、水産技術の高度化につきましては、まず国立水産研究所における増養殖、加工利用研究の強化等を行なうほか、都道府県水産試験場が行なう指定試験等に対し、引き続き助成を行なうこととして八億七百万円を計上しております。このほか、沿岸漁業改良普及事業の強化のため沿岸漁業改良普及員の増員及び機動力の充実を行なうこととし、これらに必要な経費一億一千五百万円、漁村青壮年育成対策として二千八百万円及び水産大学校の運営のため三億一千六百万円を計上しております。  五、なお、内水面漁業の振興に資するため、前年度からの継続地域のほか、新たに四地域の地域振興対策事業の実施及び四地域の調査について助成を行なうこととし、これらに要する経費四千二百万円を計上しております。  第二に、水産物の流通加工対策といたしましては、多獲性魚種の価格安定をはかるため、引き続き生産者団体等に対し主要生産地における冷蔵庫、冷蔵自動車及び水産加工施設の設置に対し助成し、また、水産加工業の実態調査を行ない、さらに水産物の消費の拡大と消費者価格の安定に資するため、引き続き関係業者の組織する団体が行なう冷凍魚の普及宣伝事業に対し助成するとともに、新たに農山村地帯において農協が冷凍ショーケースを設置するのに要する経費に対し助成することとし、これらに要する経費二億五千二百万円を計上しております。  第三に、漁業生産基盤整備をはかるため、総額百三億四千万円を計上しております。  まず、漁港の整備につきましては、第三次漁港整備計画に基づいて漁港修築事業の重点的実施をはかることとし、特に内地の第一種及び第二種魚港の補助率引き上げる等地元沿岸漁民の負担を軽減するとともに、事業量を増大することとして九十六億八千五百万円を計上しております。  また、農林漁業用揮発油税財源身がわり事業として新たに漁港関連道の整備をはかるため二億円を計上するとともに、沿岸漁場の造成開発を積極的に促進するため、引き続き大型魚礁設置事業を計画的に推進するほか、新たに浅海漁場の大規模な開発のための調査を実施することとし、これらに要する経費四億五千五百万円を計上しております。  第四に、水産資源の対策といたしましては、総額六億二千万円を計上しております。  まず、水産資源保護培養をはかるため、新たに水質汚濁防止のための調査を行ない、アユについて保護水面を指定するほか、引き続き、アユ、サケ、マスの放流事業等を推進し、また、瀬戸内海栽培漁業センターの事業運営の効率化、北海道サケ・マスふ化場における人工ふ化放流事業の充実をはかることとして、これらに要する経費四億七千万円を計上しております。このほか、国際漁業交渉等に対処するため、サケ・マス、マグロ等の生物調査を実施することとして一億四千九百万円を計上しております。  第五に、海外漁場の開発を促進するため、新漁場開発調査のための大型調査船の建造に着手するとともに、オーストラリア周辺海域の調査を行なうほか、海外漁業基地における漁船乗り組み員と現地住民との接触を円滑化するため、民間団体の行なう海外駐在員の設置に対して助成することとし、これらに必要な経費二億二千四百万円を計上しております。  次に、農林漁業金融公庫資金の拡充について申し上げます。  農林漁業に対する融資事業については、さきに申し述べました農業近代化資金及び農業改良資金の拡充のほか。農林漁業金融公庫資金につきましてもその拡充強化をはかることとし、新規貸し付け計画額を千二百四十億円に拡大しております。  新規貸し付け計画額を千二百四十億円としましたことにより、同公庫に対する資金交付予定額は、新規貸し付け計画による交付予定額七百四十四億円と、前年度貸し付け計画額のうち四十年度に資金交付予定となっている四百二十八億円との合計千百七十二億円となっております。  この原資としては、産業投資特別会計及び一般会計からの出資金百六十四億円、資金運用部特別会計等からの借り入れ金七百七十三億円、計九百三十七億円と自己資金二百三十五億円を予定しております。  なお、以上の資金計画に関連し、別に農林漁業金融公庫に対する補給金四億六千七百万円を計上しております。  新規貸し付け計画のおもなものについて申し上げますと、農業及び沿岸漁業構造改善推進資金百二十二億八千万円、農地、未墾地等土地取得資金百九十七億円、土地改良、造林、林道、漁港等の基盤整備資金四百三十一億七千万円、共同利用施設資金、主務大臣指定施設資金等の一般施設資金百六十四億一千万円及び自作農維持、林業経営維持等の経営維持安定資金百十三億円等で、合計千二百四十億円であり、前年度に比し、百七十億円の増となっております。  次に、その他の重要施策について申し上げます。  農業災害補償制度につきましては、農作物及び蚕繭共済につき、補償の充実を期するため、単位当たり共済金額の最高限度の引き上げ及び最近における選択共済金額の上昇傾向等を考慮して、掛け金国庫負担の増額をはかることとしておりますほか、家畜共済については、診療点数の改定に伴う農家負担の増加の軽減をはかるため奨励金を交付するとともに、果樹共済についての試験調査等を実施することとしております。また、農業共済団体の事務費につきましては団体職員の期末勤勉手当を増額し、農家負担の軽減をはかることとしております。以上により総額二百二億八千万円の農業保険費を計上しております。  災害対策公共事業につきましては、二百十三億八千六百万円を計上し、海岸事業、農地、農業用施設、林野、漁港等の災害復旧及び災害関連事業並びに鉱害復旧事業の推進をはかることとしております。  次に、昭和四十年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。  第一に、食糧管理特別会計について申し上げます。  まず、国内産米の管理につきましては、現行方式を継続することとし、昭和四十年産米の集荷目標は七百十万トン、政府買い入れ価格は前年産米買い入れ価格と同額、消費者価格は現行どおりをそれぞれ前提として予算を編成しており、また、国内産麦及び輸入食糧の管理についても、現行方式を前提として必要な予算を計上しております。  なお、卸、小売り業者の販売手数料、集荷手数料及び保管料については、所要の改定を行なうこととしております。  以上の方針に基づいて食糧管理を実施するため、さきに述べたように、この会計の調整勘定に調整資金として一般会計から千五十五億円の繰り入れを行なうこととしております。  また、カンショでん紛、バレイショでん粉、砂糖類及び輸入飼料につきましても、その買い入れ等に必要な予算を計上しており、このうち輸入飼料については、その買い入れ等に伴う損失の補てんのため、一般会計から輸入飼料勘定へ四十一億円を繰り入れることといたしております。  第二に、農業共済再保険特別会計については、さきに述べた農業災害補償制度の運営のため一般会計から合計百三十三億三千二百万円を繰り入れることとしております。  第三に、国有林野事業特別会計について申し上げます。  国有林野事業勘定につきましては、全国森林計画に依拠した国有林の木材増産計画に基づき、歳入状況の見通し等を考慮して予算を編成しており、総収獲量は二千四百七十八万立方メートルを予定いたしております。  なお、この会計の資金を活用いたしまして引き続き民有林行政への協力をいたすこととし、特別積み立て金の取りくずしによる林業振興費財源の一般会計繰り入れ額は、融資造林の拡大のための農林漁業金融公庫への出資八億円、水源林造成事業森林開発公団に実施させるための同公団への出資三十二億円、その他を含めて四十五億円といたしております。  次に、治山勘定につきましては、一般会計からの繰り入れのほか地方公共団体の負担金収入等を含め百五十一億六千三百万円の歳入をもって、民有林治山事業の着実な実施をはかることとしております。  以上のほか、森林保険、自作農創設特別措置、糸価安定の各特別会計につきまして、それぞれ前年度に引き続きほぼ同様の方針で予算を計上しましたほか、特定土地改良工事、開拓者資金融通、漁船再保険、中小漁業融資保証保険の各特別会計につきましては、さきに申し上げましたような施策方針のもとに予算を計上しております。  最後に、財政投融資計画について御説明申し上げます。  昭和四十年度における農林関係財政投融資計画は、農林漁業金融公庫への出資を一般会計から八億円、産業投資特別会計から百五十六億円、計百六十四億円としますほか、資金運用部特別会計等からの借り入れ金は、農林漁業金融公庫七百七十三億円、愛知用水公団四十二億円、農地開発機械公団三億円、森林開発公団二億円、農地管理事業団二十億円、八郎潟農村建設事業団五億円、開拓者資金融通特別会計五十三億円、特定土地改良工事特別会計九十七億円で、財政投融資総額は千百五十九億円となり、前年度に比し二百三十二億円の増となっております。  以上をもちまして、農林関係の一般会計予算及び特別会計予算並びに財政投融資計画の概要の御説明を終わります。     —————————————
  6. 濱地文平

    濱地委員長 それでは次に、第四十八回国会農林省提出予定法案について説明を聴取いたします。中西官房長。
  7. 中西一郎

    ○中西政府委員 お手元にあると思うのですけれども、二枚刷りの表でございます。例年こういう形で御説明しておりますので、それに準じて御説明いたしたいと思います。  四十八国会の提出予定法案は全部で十四件ございます。そのうち、設置法関係と治山治水緊急措置法の関係は、当委員会でなくて、一つは内閣委員会、一つは建設委員会ということになります。したがって、当委員会では十二件御審議を願う予定となっております。そのうち、右の欄の上のほうにございますが、予算関係は※じるしをつけておりますが、九件あります。そのほかが五件であります。  予算関係から順次御説明申し上げます。  設置法の関係は簡単に申し上げますと、一つは、農林省に農林研修所をつくる、これは八王子市にもう建物も昨年来できておりまして、統一的な研修計画のもとで職員の研修をやってまいるわけです。付属機関として独立させるわけでございます。それから第二が、サトウキビの原原種農場を鹿児島県の種子島に設置します。わい化病の発生が見られますので、病気に感染しない原原種をここで育成してまいりたい。それを配付する事業までやります。そのほかに、農林省の定員の若干の調整を行ないます。主として水産庁の監視船の定員でございますが、四十六名の増になっています。  それから次の農地管理事業団法案でございますが、この法案は、大臣の所信表明の中にもありましたので詳しくは触れませんが、零細かつ分散しておる耕地を経営規模拡大のほうに方向づけて移動させるということをねらいといたしておるわけでございます。来年の計画は、市町村の数でいいますと百、面積でいいますとおおむね一千町歩、年利三分、償還期限三十年というようなことで予算の仕組みをつくっております。  それから八郎潟農村建設事業団法案でありますが、これも所信表明の中で御説明がございましたので、詳しくは申し上げませんが、御承知のように、中央干拓地は非常に広くて、約一万六千ヘクタール、山手線の中の約三倍くらいの面積のようでございますが、その中に新農村をつくっていくわけでございます。一般会計でそれぞれ所要の予算確保しての法案でございます。  それから開拓融資保証法の一部改正でございますが、これは中央開拓融資保証協会に対する追加出資予算で三千万円が予定されております。その追加出資の規定と、地方開拓融資保証協会の会員の構成員であります開拓者個人に対しても債務保証の道を開くということを柱にしまして、法案を提出いたしたいというわけでございます。  酪振法の一部改正につきましては、これも所信表明の中にございましたが酪農近代化促進するための各段階での計画の樹立、実施についての必要な規定を整備していく。それから公有地等におきまして国営の事業を新しく行なう、そのほか都道府県営の草地改良事業実施についての規定の整備もやってまいりたい。さらに学校給食拡大実施計画を持っておりますけれども、それについての所要の規定を改正してまいりたい。以上のような諸点を含んでおります。ちなみに、新規の国営の草地改良の地点としまして、阿蘇と十勝中部と天北西部の三カ所を予定いたしております。  それから農地開発機械公団法の一部改正でございますが、新たに大きな規模草地開発しまして、いわゆる建て売り牧場の創設売り渡し事業を行なうことができるようにいたしてまいるということを柱として法律の改正を予定いたしております。四十年度は、すでに予算の中にございましたが、一部着工して、地区は那須を予定しておるわけでございます。  森林開発公団法の一部改正でございますが、森林資源開発によりまして地域開発をやってまいりたいということで、森林開発公団にいわゆるスーパー林道を開設する事業を担当させるための所要の改正を行なうわけでございます。すでに予算で御審議を願っておりますが、ガソリン税見合いの財源としての四億円の補助金、資金運用部から二億円借り入れることにいたしまして、事業を予定いたしております。  それから治山治水緊急措置法の一部改正でございますが、新しく五カ年計画を策定しまして、それによって従来の十カ年計画を廃止いたすことにいたします。新五カ年計画では、民有林、国有林、県単独の事業、予備費等合わせまして、千八百七十億円という事業になっておりますけれども、そのための所要の法律改正でございます。  漁港法の一部改正は、沿岸漁業構造改善に資するためということで、一種漁港と二種漁港、これは北海道を除いておりますけれども、修築事業にかかわります補助率を十分の五とするということでの改正でございます。  以上が予算関係のものでございます。  予算関係外としましては、天災融資法の一部改正、これは先ほど大臣の所信表明の中で御説明がありました趣旨にのっとりまして、検討を進めておるわけです。  農業機械促進法の一部改正、これは設置法とも関係があるのですが、埼玉県の大宮市の国有の土地、種畜牧場が移転しました土地を農業機械研究所に出資するということを一つの重点にいたしまして改正をいたします。そのため所要の規定の改正検討をいたしております。  畜安法の関係で申しますと、酪農経営の安定的な発展確保するために、牛乳乳製品価格安定制度の改善強化を行ないたいということで、そのための事務的な経費等は予算ですでに要求をいたしておりますが、四十年度予算で取引改善事業費として二千万円、牛乳乳製品流通調査費としまして千三百万円強を用意いたしての法律改正でございます。  次の砂糖の価格安定等に関する法律案、これも内外の砂糖の需要にかんがみまして、価格調整制度を新しく打ち立てる必要があるということで、目下鋭意検討を進めておるものでございます。  入り会い林野の権利関係の近代化助長に関する法律案、これは前回の通常国会でも提案をいたしたいということで、いろいろ検討いたしたのでございますが、時期を失しまして、その後検討を進めまして、入り会い林野整備計画の樹立、都道府県知事の調停、認可等の手続その他の所要の措置を定めるということでの準備をしております。  簡単でございますが、以上でございます。
  8. 濱地文平

    濱地委員長 それでは次会は、来たる九日、火曜日午前十時より理事会、同十時三十分より委員会を開会することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十四分散会