○橋本
政府委員 過日、
予算委員会に喚問を受けることになっておりましたが、ちょうどそのとき
参議院の議運の
委員会でその前から呼ばれておりまして、ちょっと時間を多く要しましたために、私が
予算委員会に参りましたときには、
官房長官にかわって
総理大臣が
答弁をしたからよろしいというようなことになってしまいまして、失礼をいたしたわけでありますが、ただいま
大原さんがおっしゃいましたように、この問題は
法律的論議は別といたしまして、現象としては好ましい現象とは
考えておりません。ただ、
法律的な
解釈は、おそらく
厚生大臣あるいは
関係事務当局から
答弁されたことと思いますが、私自身が扱っておりますことは、御
承知のように、この
医療問題というのはきのう、きょうの問題ではない、二、三年来からの問題として、非常な困難にしてかつ
国民には影響の大きい問題であります。その二、三年来の紛糾が積み重なって今日に至ったのでありまして、いわゆる
法律以前の問題もあり、かつまた新しい意味での制度等についても、これは研究、考慮をしなければならぬ
事態であると
考えまして、御
承知のように、せんだって私並びに党の幹部が支払い者側七
団体と数回にわたって協議を進めまして、全体的な問題の解決の方向として申し合わせが行なわれたわけであります。今回このような
事態が起こりましたことは、
政治的
観点からいえば決して好ましいものではない。ただ、
法律的な
解釈を申せば、
厚生大臣並びに
関係事務当局が答えたとおりになりますが、これでよろしいという問題だけでもない。せんだって支払い者側と、この問題が起きました
あとで私が二時間余にわたって会談をいたしましたが、そのときにも私は申し上げたのでありますが、ただこれを
法律問題だけで取り扱っておったのでは、解決のつく問題ではないように
考える。
政府はもちろんであるが、
関係者団体においてもひとつ知恵を働かして、そうしてこれらが話し合いの上で解決ができる道がないであろうか。四
団体に仮処分が行なわれたことは当然他の
団体に及ぶのだというような
法律論議をやっておったのでは、話にならない。それだけでは決して全体の解決の糸口にもならないのであるから、したがって、全体の解決への糸口として、これらの問題を中心として今後ともひとつお互いに頭をしぼっていい結論を出すように努力しようじゃないかというようなことを申しまして、お互いに話し合いましてせんだっては別れ、きょうも十二時過ぎに私が会うことになっております。もちろん会うにいたしましても、私自身がいま具体的な解決案をまだ用意しているわけではありません。そうなりますと、あしたからこの
事態が紛糾になるのに
政府は怠慢ではないかというおしかりを受けるかもしれませんが、御承のように、そう簡単な
事態でもないのみならず、ただこれを便宜主義で解決するということは、必ずしも全体の
医療問題の上から
考えても、賢明なる策とは
考えておりません。そういう意味で、十分に話し合い、かつ大きな全体の一環としてこの問題を取り上げて解決の方向に持っていきたいというのが、私の念願であります。
政府も、そのような大局的な方針でこの問題に対処していきたいとしておるわけであります。したがって、きょう会いましても、あしたからの問題に対して特効薬的な回答はできませんが、先ほど来から申しましたように、前向きで、
国民医療全体の問題である、そういう意味で、ひとつ
関係者の協力方を懇請をいたしておるのでありまして、あるいは支払い者
団体側からも何らかの
意見の開陳がきょうあるかもしれませんが、なお
政府としては誠心誠意この問題の解決に努力をいたしたい。ただ、この間における処置については、
事務当局が万全を期して、大きな
混乱のないように処理をせよという意味での
指示は与えてあるわけであります。これが
政府の大体の見解であると御了承願いたいと思います。