○高瀬
委員 河野さんの言では、運輸省がごそごそとやって、そうしてあんなことをきめてきたって、おれは何も相談を受けておらぬよというようなことを言っていますけれ
ども、一々
関係外の
大臣に相談しなければけちをつけるというような
政府では、これは信用できないと思うのです。だから、私に言わせれば、これからおそらく羽田は、いま六万回ぐらい飛行機が発着している。この国際空港ができれば、昭和五十年には四十五万回から六十万回飛行機が発着する。したがって、オーバーラップした航空路では、東京から向こうの一連のいわゆる
アメリカの
基地なんかを利用するということは、これは全然不可能だと私は思います。これはそういうことを
考えるだけでこっけいだと思う。それから、東京湾の埋め立てなんということ自体も、私は非常にこっけいだと思う。だから、源田君が言っておりますように——ここに新聞の切り抜きを私は持ってきました。「飛行の安全確保貫け」ここに四つばかりの
条項をあげておりますが、こんなものを読み上げてもしかたがありません。皆さん、
大臣も御存じだから読み上げませんが、結局、源田君なんかの意見では、東京湾から東、関東の東の中部、すなわち霞ケ浦か富里なんかがよかろうというのが、暗にこの源田君の論文の骨子のように思うのです。そこで問題になるのは、もうすでにそんな
アメリカの
基地を返してもらうなんといったって、いつ返してくれるかわからない。交渉中といっても、たとえば一つぐらい返してもらったって、飛行機の飛ぶ経路が同じなんですから、これは危険でだめだ。それから東京湾埋め立てはだめだ。そういうことになれば、せんじ詰めて霞ケ浦か富里ということになるわけでございます。これは私も常識としてこの二つを
考える。先ほど
大臣は富里が第一順位だというのですから、その点は私は非常に合理的な御結論だと思って、敬意を表しておりますが、とにかくこれからのスーパーソニックの重量ですね、これはおそらく百五十トンから二百四十トン。そうすると、それのウエートというものは、着陸の場合
相当ショックがひどいと思うのです。だから、埋め立て方式がはたしてその安全性を確保するかどうかということについては、私は非常に疑問があると思うわけでございます。したがって、霞ケ浦がかりにいいといたしましても、これは膨大なる埋め立てをやらなければならない。しかも、飛行機の重さからいっても、その埋め立てがよほど完全でないと、国際的に安全性を
日本が誇示するわけにはいかないのじゃないか、かように
考えておるわけでございます。したがって、霞ケ浦も、漁業の補償問題、埋め立ての問題、あるいは洪水の場合の対策の問題、いろいろございましょう。あるいは工費の問題、いろいろありましょうから、これは研究するにいたしましても、富里のほうにも、やはり立ちのきの問題がある。千五百戸の民家がある。しかし、その中で納屋みたいなのが七百戸ぐらいあるという話も、私は聞いておるのです。だから、立ちのきが
相当問題になるにしましても、おまえたちあっちに行け、とにかくおれらは国策上やるのだから、あさってのほうに引っ越せ、これではやはり問題は
解決しないように思いますが、ほんとうにその点を
政府が温情を持って立ちのきを了解を得てやれば、工費も非常に少なくいくし、それから道路建設を含めましても、膨大な埋め立てをやって
危険性を包蔵した飛行場をつくるよりは、私は富里がいいのじゃないかというようなしろうと
考えで、栃内君の説明を私は了として今日に至っておるわけなんです。だから、そういうような点についていろいろ
考えてみますと、飛行の安全性、あるいは事故の場合、東に飛んでいくのですから、おそらく事故があったって、海の上で事故が起これば、人畜にもたいした被害はございませんが、それこそ東京湾の向こうの一連の
アメリカの
航空基地などであれば、これだけの大きなガソリンを積んだ飛行機が事故でもあれば、たいへんな騒ぎになると思うのです。そういう点もいろいろ
考えて、問題は霞ケ浦と富里にいたしましても、
政府の行政的処置、考慮、配慮というものが慎重に行なわれれば、富里がいいんじゃないか。それから霞ケ浦のほうには、百里飛行場という自衛隊のがあります。それとオーバーラップしておりますから、この百里飛行場が将来重要な
基地になるかどうか知りませんが、とにかく自衛隊としては、東京湾のいろいろな防衛、東京の防衛その他について
相当かたい決心と考慮を払っているんじゃないかと思うのです。だから、百里飛行場の飛行を制限すればいいんじゃないか、そんなものは、どっかあっちへ、
アメリカにひとつどいてもらって移せばいいんじゃないか、そんな簡単なことで問題は
解決しない。ですから、いろいろな要素を
考えてみますると、建設費だって安い——埋め立ては三百億以上かかるということも聞いております。しかし、富里なら、補償をまじえてもそんな金はかからないように、私は思うのです。専用道路をつくりましても、これは埋め立て方式をとって、あるいは百里飛行場とのトラブルを起こすよりは、おそらく
政府の処置がよければ、富里がいいんじゃないか、こういうふうに
考えておりますので、私は、この際、運輸
大臣が重大なる決意を持って、この事務当局の意見をちゃんと把握して、閣僚懇談会においても何においても御善処方を願いたいと思って、私はこの
質問をいたしておるわけでございます。この間も河野さんに聞いたら、君、そんなこと言ったって、富里なんかきまるような様子はないよ、こう言いましたけれ
ども、これはどうなんですか。非常に私はびっくりしたんです。それでこれを聞いておる。君、そんなこと言ったって、富里なんかきまるはずはないんだ。そういうようなことすら、あの人はぼくにこっそりと言った。だけれ
ども、これは非常に問題だと私は思う。こういう点を明らかにして、ほんとうにまじめに
考えた事務当局の意見というものを、政治的に運輸
大臣が——私は指図を申し上げるんじゃない。政治的に考慮をされて御善処あらんことを熱望しておるがゆえに、これを申し上げておるわけでございます。その点いかがですか。