○田口(誠)
委員 まあ申し上げるまでもないことでございまするが、教
職員が職務を実行するということについては、その職務の
内容ということは、当然子供たちに教え育てるということであって、すなわち、
教育の
対象である子供たちの要求をどうつかみ、そしてどう集団化して、どう発展させていくかというところに
教育の本来の目的と精神があろうと思うわけです。したがって、そうだといたしますれば、教
職員が教
職員組合を組織している。そしてその組織の中に入っておる先生が、正しい
教育のあり力をいかに具体化して成果をあげるべきかということについて集中してもらわなくてはならないと思うのです。それと同時に、教師としての責任を果たす
ために、いかにすれば先生方としての職務が果たせるかということも、これは教
職員組合の中においても、また組合という
ワクの中でなくても、それぞれ先生方の会合においてそうしたことをいろいろと
審議されることは当然であろうと思いまするし、これは
一つの責任であろうと思うのです。私は、その責任を果たす
ためには、幾つかの要求が先生方から出てくるのは当然だと思いまするし、それと同時に、みずからの生活を守るという生活要求というものも、必然的に出てくることが当然だと思うのです。このことはごくあたりまえのことであって、私は、こうしたところでそう強調するまでもなく、これはだれしも知っておらなければならない問題であろうと思うのです。これは
文部省によらず、あるいは県、市町村の
教育委員会によらず、教師によらず、とのことは心得ておかなければならないと思うのです。こういうところからいろいろな要求が、地方自治体では
教育委員会なりあるいはその市町村の長である市町村長あるいは県知事に対して出され、そして交渉をされ、話し合いをされて、
一つ一つの問題を解決していくというのが、現在の実態であるわけなんです。その点についてはただいま大臣もお認めになったわけでございまするが、そこで問題の出てきますことは、その交渉をしておるときに、それは中央でなければその話し合いができぬとか、
文部省の了解を得なければこれは答えができぬとかいうものが、たくさん出てくるわけなんです。そうなりますと、労働組合の組織というものは、全国にそれぞれ組合をつくっておりますけれ
ども、やはりその組合の連合体というのが中央にあるわけでございまして、下部
機関であるところの教
職員組合で信義誠実をもってお互いに話し合いをしても、これは中央でなければ話し合いがつかない、中央の意向な開かなければ返事ができないという問題は、当然連合体である中央の組合がその衝に当たるべきであろうと思うわけなんです。私は、日教組が
文部省と交渉をする、話し合いをしたいということは、ただいま申しましたような隘路があって、これは交渉をし、話し合いをしたいということなんだろうと思うのですが、これを拒否されるということになりますと、私が前段で申しましたところの、先年の教員としての業務を果たすもろもろの問題を処理していく上においても、そして自分たちの労働条件をよくし、確保していくしにおいても、これは即題が出てこようと思うのです。したがって、先ほど来質問を申し上げておりますところの
学校の警備員制度の法制化をしてもらいたい、こういう問題につきましても、地方自治体のほうでの話し合いはどんどんやりまして、それはごもっともだ、それはやらなければならぬ、やらなければならぬけれ
ども、これは全国的な問題でもあり、
文部省のほうで
考えてもらわなければならない、中央
政府において
考えてもらわなければならない問題であるから、私の市町村で、私の県で特別の処置を講ずるということは、
予算の面からいっても、いろいろな面からいっても困難であると言って、これははねつけられるわけです。そうしてただいま申しましたような児童の交通事故を防止する問題につきましても、こういう問題についても何とかいい方法がないだろうか。ただPTAのおかあさんやおとうさんに協力を願っているだけではいけないので、これは
文部省と建設省と、そうした
関係省が相当相談をしてもらって、そして地方自治体へ
予算をおろしてもらわなくてはならないというところまできているのです。そして地方自治体としては、ただいま申したような要求に応じて、でき得る限り
予算のまかなえる限り
予算化をして、そうして跨道橋というようなものも毎年相当数つくっているわけなんです。それで、これはその市町村が全部負うというようなことは、なかなか困難性があるので、もう少しこの辺で国の
助成というものももらわなくてはならない、こういうことになっておりますので、おそらく日教組といたしましても、そうした児童の災害問題につきましては、
文部省としてもこうした問題を取り上げてほしいという要求もあろうと思うのです。こういうような要求のある日教組が、話し合いをしたい、交渉をしたいというときに、それはもうまかりならぬ、こういうことになりますると、私は、そこに正しい政治の運営というものがなされないのではないか、こう良心的に
考えているわけたんです。こういうような点を
考え合わせていただいて、ただいま日教組の交渉あるいは話し合いを拒否されている
文部大臣としてはどうお
考えになるか、この点を承りたいと思います。