運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1965-04-02 第48回国会 衆議院 逓信委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年四月二日(金曜日)    午前十時二十一分開議  出席委員    委員長 内藤  隆君    理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君    理事 佐藤洋之助君 理事 栗原 俊夫君    理事 森本  靖君       小渕 恵三君    大野  明君       木部 佳昭君    佐藤 孝行君       椎熊 三郎君    南  好雄君       片島  港君    畑   和君       栗山 礼行君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 徳安 實藏君  出席政府委員         郵政事務官         (大臣官房長) 淺野 賢澄君         郵政事務官         (電気通信監理         官)      畠山 一郎君         郵 政 技 官         (大臣官房電気         通信監理官)  野口 謙也君  委員外出席者         日本電信電話公         社総裁     大橋 八郎君         日本電信電話公         社副総裁    米沢  滋君         日本電信電話公         社総務理事   平山  温君         日本電信電話公         社営業局長   千代  健君         日本電信電話公         社運用局長   水谷 七代君         日本電信電話公         社計画局長   宮崎 政義君         専  門  員 水田  誠君     ————————————— 本日の会議に付した案件  電気通信に関する件(電信電話拡充第三次五カ  年計画等)      ————◇—————
  2. 内藤隆

    内藤委員長 これより会議を開きます。  電気通信に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。森本婿君。
  3. 森本靖

    森本委員 この国会では、電気通信関係における一般質問も、それから予算委員会等における質問でもあまり行なわれておりませんので、きょうは若干時間をかけまして、当面の電気通信関係の問題になる点を質問をしてみたいと思うわけです。  まず、一番最初にちょっと聞いておきたいと思いますことは、いまの電信電話調査会におきまして、電信赤字問題が非常に問題になっておるわけであります。そこで、まず最初に、電報料金の問題でありますが、現行料金について、市内電報とそれから一般電報料金はどうなっておりますか。
  4. 千代健

    千代説明員 現在の一般電報、つまり市外電報と申しますが、それと市内電報では、市内電報のほうが安くなっております。
  5. 森本靖

    森本委員 安くでなしに、幾らになっておるわけですか。
  6. 千代健

    千代説明員 通常電報を申し上げますと、市内電報のほうは基本料すなわち和文十字または欧文五語までが三十円、累加料つまり和文五字までごとに、また欧文一語ごとに七円、こうなっております。それから先ほど一般電報ということで御質問になった市外電報料ですが、このほうは基本料つまり和文十字または欧文五語までが六十円、累加料和文五字ごと、または欧文一語ごとに十円、こうなっております。市内電報料基本料が三十円、それから市外電報料は六十円、倍半分ということです。それから累加料のほうは七円、十円、こういうぐあいに違います。
  7. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、この市内電報料金基本料が三十円で、一般電報料は六十円、あとは五字増すごとに七円と十円、こういうことになっておるということでありますが、そこでこの市内電報料金市外電報料金については、一通当たり原価計算はどうなっているわけですか。
  8. 水谷七代

    水谷説明員 お答え申し上げます。  きょう実は原価に関する資料を持ってまいりませんでしたので、こまかい数字はよく承知しておりませんが、約三制ぐらい安くなっているのではないかと記憶いたしております。
  9. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、原価計算というのは三割安くなっているということになりますと、大体二十四円程度、あるいは一般電報においては四十八円程度と、こういうことですか。
  10. 水谷七代

    水谷説明員 お答え申し上げます。  ただいま申し上げましたのは平均料金で、全体の電報平均いたしますとコストが約三百八十円かかっておりまして、これは市内市外全部の総平均でございますが、これに対しまして市外市内と区別をいたしました場合に、コストの面で約三割安くなっているというふうに承知いたしております。
  11. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、平均単価が三百八十円というのは、令部電報平均単価ですか。
  12. 水谷七代

    水谷説明員 そうでございます。
  13. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、平均単価の場合は、大体語数がどの程度になっておりますか。
  14. 水谷七代

    水谷説明員 全体の総平均が大体二十二字でございます。
  15. 森本靖

    森本委員 そこで、その二十二字ということになりますと、一般電報料金幾らになりますか。
  16. 水谷七代

    水谷説明員 料金収入は一通総平均九十七円になっております。
  17. 森本靖

    森本委員 三百八十円の平均単価というのはどういう意味ですか。
  18. 水谷七代

    水谷説明員 三百八十円と申しますのはコストのことでございまして、先ほどの九十七円は利用者からいただく料金収入平均額でございます。
  19. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、原価計算をいたしまして平均三百八十円ということになると、総平均の実際の料金が九十七円ということになると、その三百八十円マイナス九十七円イコールが大体現在の電報料金赤字と、こういうことになるわけですか。
  20. 水谷七代

    水谷説明員 さようでございます。
  21. 森本靖

    森本委員 そういうことになると、大体電報一通について約二百九十円程度赤字と、こういうことになるわけですが、総裁、これは間違いありませんか。
  22. 大橋八郎

    大橋説明員 間違いございません。
  23. 森本靖

    森本委員 これだけ、電報一通当たり二百八十円の赤字ということでありますが、そうなりますと、先ほど申しましたように、市内電報一般電報というふうに分けておるわけでありますが、この市内料金を安くしておるのはどういう意味ですか。
  24. 水谷七代

    水谷説明員 お答え申し上げます。  市内電報と申しますのは、御存じのように、発信局配達する場合もしくは同一市町村内にある地域に受け取り人になっている場合に、市内電報といたしておりまして、一般的に伝送を要しないか、あるいは一回程度伝送を要する場合かでございますが、市内電報関係では伝送過程がだいぶ違いますので、そういった特別な料金が定められておるものと考えております。
  25. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、発信局配達をするものが基本的に市内料金であって、伝送がまずないということで安くなる、それから同一市町村内ということで安くしておる、こういう意味ですね。
  26. 水谷七代

    水谷説明員 さようでございます。
  27. 森本靖

    森本委員 そうすると、東京都の場合はどうなるわけですか。
  28. 水谷七代

    水谷説明員 東京都の場合もやはり同一市あてといたしまして、市内料金となっておるわけでございます。
  29. 森本靖

    森本委員 東京都全部が市内料金ですか。
  30. 水谷七代

    水谷説明員 東京都の特別区の所在地あての場合でございます。
  31. 森本靖

    森本委員 東京都の特別区というのは、品川区とか港区あるいは渋谷区というふうな区は全部市内料金、こういうことですか。
  32. 水谷七代

    水谷説明員 さようでございます。
  33. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、東京都内の三鷹市とかいうのは市内料金にならぬわけですね。
  34. 水谷七代

    水谷説明員 さようでございます。
  35. 森本靖

    森本委員 その法律的条項はどこですか。
  36. 千代健

    千代説明員 公衆電気通信法第十七条でございまして、ただいまの特別区のものは「特別区の存する区域は、一の市の区域とみなす。」というのが第二項にございます。
  37. 森本靖

    森本委員 第二項にあるのはそれでわかりましたが、この二項によって特別に市内料金として安くしている根拠はどこにありますか。
  38. 千代健

    千代説明員 その問題は、たとえば世田谷から荒川へ送るというのは、伝送の問題で市外電報と同じじゃないか、こういう御質問かと思いますが、これは非常に沿革的なものでございまして、創業当時、おそらく多くの町は一つ郵便局電報をやっておったというところが多かったようにいわれております。そういったところで、たとえば大分なら大分というところでは、大分郵便局一カ所で電報を全部扱っておった。そういった沿革的なところからまいりまして、その後料金がいろいろ変わってまいりましたときにも、そういったつまり市内という観念を存置してきた、こういうぐあいに考えます。したがいまして、いまの伝送コスト市外電報並みにかかるという点はむしろそれを無視いたしまして、一般の社会的な常識といいますか、そういったことで今日まで残っておるものだ、かように考えております。
  39. 森本靖

    森本委員 そうすると、市内料金を安くしておるということは、同一市町村内であるということ、伝送上の理由によって市内料金を安くしておる、こういうことですか。
  40. 千代健

    千代説明員 さように考えております。
  41. 森本靖

    森本委員 そこで戻りますが、いま問題になっております東京中央電報局機械化に関する問題、これは明らかに電電公社失敗によって計画のそごを来たした。そうして新しく電報局機械化についてはやり直しをしておるというふうなことを聞いておるわけでありますが、これをひとつ具体的に説明を願いたい、こう思うわけです。
  42. 宮崎政義

    宮崎説明員 御説明申し上げます。  先生御案内のとおり、最初TX五形という交換機を使いまして東京中継機械化を完成しようとしたわけでありますが、いまお話のございましたように、疎通能力の問題がございましたので、当時としましては、一応TX五形の疎通能力一ぱいにしまして、その他は迂回によってそのほかの局で伝送するというやり方電報疎通をはかってきておるわけであります。しかしながら、そのときにすでにこの交換機の次の交換機といたしましてTX六形を研究することを考えておりました。そこでTX六形は——同時に大阪にも必要でありますので、この実用化研究を進めたわけでございます。そのめどがつきましていよいよ大防に入れることになったわけでございますが、この交換機TX五形と違いまして、構成部品クロスバー交換機を使います。したがって、TX五形と違って安定度が得られるということを期待しておるわけでございますが、そのTX六形をいよいよ設計という段階になりましたときに、いろいろ検討いたしてみました。その結果、TX六形を大阪に入れるにあたっては、前にTX五形のままでやるという状態できめておるわけではなくて、TX六形を東京で併用しようという考え方でおったわけでございますが、TX六形をいよいよ実用化いたしまして大阪に入れるという設計段階になりましたときに、TX六形の疎通能力に多少の余力があることがわかりました。またTX五形の疎通能力も、当時六万通と考えておりましたが、七万八千通くらいに疎通能力が上がってきておるというようなことを検討いたしました結果、われわれとしましては、一部東京加入局大阪交換機に入れることによって、東京における手送り中継をなくすことが可能であるということが判明いたしました。そこで、現在TX五形、TX六形を併用しようとしていた計画を変更いたしまして、大阪TX六形を使って東京手送り中継をなくすということによって一応全面改式ができる、かように考えた次第でございます。
  43. 森本靖

    森本委員 一応東京中央電報局最初計画は、この疎通状況をどの程度考えておったわけですか。
  44. 宮崎政義

    宮崎説明員 十三万四千通を疎通能力と考えております。
  45. 森本靖

    森本委員 それが実際に改式をした場合には六万通しか疎通能力がない、こういうことになったわけじゃないですか。
  46. 宮崎政義

    宮崎説明員 そのとおりでございます。
  47. 森本靖

    森本委員 そこで、結局最初計画費用幾らですか。
  48. 宮崎政義

    宮崎説明員 三億五千万円でございます。
  49. 森本靖

    森本委員 最初に四億円の工事を行なって十二万四千通程度をはかそうとしておったのが、六万通程度しかばけないということになって、結局六万通しかはけないものが三億六千万円要った、こういうことですね。
  50. 宮崎政義

    宮崎説明員 さようでございます。
  51. 森本靖

    森本委員 これではいかぬということになって、先ほど山局長説明したように、大阪も同時にやって、大阪へ送り込んでいるというようなことに計画が変更された、こういうことになるわけですか。
  52. 宮崎政義

    宮崎説明員 そのとおりでございます。
  53. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、東京都内電報電話局から伝送経路としてはそのまま大阪にたたき込むという形になってくるわけですね。
  54. 宮崎政義

    宮崎説明員 そのとおりでございます。
  55. 森本靖

    森本委員 これは大臣によく聞いておいてもらいたいと思うのですが、先ほど来、私が執拗に市内電報料金をいろいろ聞いておったことは、市内電報料金というものは、要するに、同一市町村であって、たとえば森本なら森本という電報電話局で受け付けて、それが配達をする。だから一般電報料は六十円であるけれども、私のほうの市内電報料金は三十円だ、こういうことになっているわけです。ところが、いまの説明を聞いておって、大体お感じになると思いますけれども、たとえば東京都の京橋電報電話局から目黒電報電話局電報を打つ場合には、これは電電公社東京電話局機械化中継の明らかに失敗でありますが、それによって大阪に一度送り込むわけです。そこで市内電報大阪にたたき込まれて、大阪から東京へ返ってきて配達をするわけです。ところが、その場合にも、これがやはり市内料金としての三十円になる、こういうことになるのじゃないですか、計画局長
  56. 宮崎政義

    宮崎説明員 そのとおりでございます。
  57. 森本靖

    森本委員 これは非常におかしい、珍現象ではないかと思う。たとえば、一番いい例をとってみますと、私が住んでいる港区の高輪でかりに港区に電報を打つとするならば、少なくともこれが一度仙台へたたき込まれて、それから今度品川報話局を通じて配達せられる。ところがこれが三十円の電報料金である。ところが、仙台へいく電報料金は依然として六十円である、こういうことが許されていいのかどうか、まことにこの新しい珍現象については、この間から非常に疑問を感じておるわけです。こういう点は大臣どうですか。
  58. 徳安實藏

    徳安国務大臣 私ども電電公社自主性を尊重して、機械化等につきましてもそれほど深く立ち入っていなかったわけです。先般来参議院からも質疑が出まして、初めて私のほうもそういう機械のあること、並びにいまのような事態を知ったわけです。それまでは私どもは知りませんでした。したがって、いまのような問題が当然起きることも知らなかったわけでありますが、お説のように、だんだん解明をしていきますと、そうした矛盾と不思議な点が出てまいります。これにつきましては、おそらく電電公社でも相当に対処せられると思います。私どもも、事実がわかりました以上は、よく研究いたしまして、徐々にこの矛盾を解消するように努力をいたしたいと思います。
  59. 森本靖

    森本委員 そうすると、大臣は、電電公社がこれに対処するということですが、総裁、これはどういうふうに対処するのですか。
  60. 大橋八郎

    大橋説明員 これは電信料金の根本の問題かと思います。御承知のとおり、郵便についても、はがきは全国距離のいかんを問わずすべて五円、書状も十円という均一料金で国内やっておるわけでございます。電信も現在は大体均一料金というたてまえでございます。たとえば東京から横浜へ打つ電報でも、稚内から鹿児島まで打つ電報でも、距離は非常に違いますけれども、いずれも均一料金でやっております。ただ従来から唯一の例外は市内電報だけです。これは、先ほど説明がありましたような沿革上の理由でこういうものが残っております。当時初めて市内電報をつくったときには、先ほどお話がありましたように、一つの市にはたいてい電報局一つ、つまり同一市同一電報局配達ということが非常にはっきりしておって、費用がかからないというのが常識的にいわれるので、それで安い料金市内電報としてつくったわけであります。ところが、その後機械の発達によりまして、従来一々モールス機械でやっておったのを、すべて機械で動かすということになりますと、市内市外もそのときどきに従って回線を適当に使うということになるので、市内電報だけを安くするのはちょっと不合理だということになるかもしれません。したがいまして、今後市内料金という制度をこのまま存置するか、またはこれを統一するか、それらの点も目下研究中でありまして、おそらく私どものいまお願いしておる臨時調査会でも、この点をいろいろ御考慮をいただいておるはずです。今後これをどうするかということは、そのうちに結論を出そうと考えております。
  61. 森本靖

    森本委員 これは総裁、あなたの考え方は非常におかしいと思うのです。機械がそういうように先に進んだから、ここでこういう矛盾が出てきたということでなしに、これはもともと東京中央電報局機械化が完全にいけば、こういう矛盾は出てこないはずなんです。そうでしょう。
  62. 大橋八郎

    大橋説明員 最初TX五形というものについては、仰せのとおり、確かに初め十二万何千通かの能力があるつもりで設計されたのであります。いよいよ総合試験をやる段階になって初めて六万通の能力だということで、そこでミスがあったことがわかったわけです。しかし、それを将来是正する場合に、ほかのほうに余力があればその余力を利用するほうが経済的じゃないか、先ほどからも御説明がありましたように、TX五形のほかにもう一つTX六形を入れるという救済案を立てたわけであります。その後の研究によって、わざわざ新しいものを入れるよりも、大阪——TX五形に五千万円ほど金をかければ、相当な能力の余裕ができるので、それで東京を応援いたしますれば、わざわざ何億という金をかけなくても済むという経済的見地からそういうことに改めたわけであります。
  63. 森本靖

    森本委員 大体、委員会でそういうTX五形から六形という機械のことを言うと、みな機械に暗いから、それで済んでしまうとあなたは考えておるか知らぬけれども、これは初めから東京中央電報局におけるものが全部疎通ができるような機械を備えつければ、こういう矛盾は起きないはずです。そうでよう。
  64. 平山温

    平山説明員 お答えいたします、  先生のおっしゃいましたように、最初東京中電機械化のときに予定いたしましたTX五という機械が、十二万四千通の疎通能力最初から持っておればこういうことはなかったろうということにつきましては、御指摘のとおりでございます。そこで、電報中継機械化につきましては、先生も御承知と思いますが、ずっと前から、水戸をはじめといたしまして、全国各地中継機械化をやってまいりましたが、何しろ東京中電の十二万通という規模は、ほかのどの中継局よりも非常に画期的な大きな規模のものでございましたので、ここで使いましたものはわが国初めてでございますし、世界でも独特のものでございます。  そこで、こういったものを最初東京でやったわけでございますが、残念ながら予定どおり疎通ができなかったのと、先ほど計画局長が申しましたように、六万通の能力機械を押えまして、そうして足りないところは手送りを使い、あるいは仙台等機械も使って、一応東京中電改式はしたのでございますが、その手送りのところを将来機械中継するという計画を持っておるわけでございます。そのやり方といたしまして、いろいろな方法があるわけですが、そのTX五の能力の不足を補うために東京中電にもう一つ新しい機械を入れまして、その二つの機械を同時に運転することによってやることも技術的に可能でございますし、当初はそういうふうに考えておったわけでございますが、大阪予定をしました機械というものが、性能が十分あって、その機械を使って東京から大阪までの伝送路は使いますけれども、それによって東京手送り中継を行なうならば、東京に新しく機械を、大阪のほかにもう一つ置くよりも、既設の伝送路を使って、そうして大阪機械だけでこれを補っていったほうが経済的だということが判明いたしましたので、現在のところはそういう方法改式をしようと思っているわけでございます。  先生のおっしゃるように、初めから東京機械能力があればさようなことは起こらなかったわけでございますが、いまの時点で考えますと、これが最も経済的な方法でございますし、東京市内電報伝送路としては一応大阪に入って帰るというようなことも起こりますけれども料金の問題は、先ほど総裁が申し上げましたように、全国的に均一料金でやっているというような電報特殊性から考えますと、私どもといたしましても、しようないものと考えております。
  65. 森本靖

    森本委員 よくわかった点は、最初東京中央電報局電報中継機械化をやろうと考えてやったところが、それが失敗をして半分しかできなかった。そこでもう一つ新しく機械をつくるよりも、大阪仙台にたたき込んだほうが有利だから、大阪仙台中継になった。そうなってきたところが、市内電報市外電報料金矛盾が出てきた。だから初めから東京電報局械械化中継が成功しておったらこういう矛盾は出てこなかった。最初東京中央電報局機械化については国民に御迷惑をかけまことに申しわけない、こう言って、電電公社総裁国会を通じて国民におわびをするのが当然じゃないか。それを、ああでもない、こうでもない、TX五形がどうの、六形がどうのと言っておるけれども、率直に言ったら、いま私が言ったようなもんじゃないですか。
  66. 米沢滋

    米沢説明員 ただいま総裁が申し上げましたけれども、まず最初東京におきましてやった機械が、確かに十二万通以上の疎通能力があればこういう問題は起こらなかったという指摘でございますが、これはそのとおりでございますけれども、その当時やりました六万通ということと、それから、その場合に、 ほかを回すという方法によって、まず暫定措置といたしましてやったということは、これはたしか三年前の委員会でも——参議院委員会であったかもしれませんが、公社としてお答えいたしまして、そのときに、この改式によって、サービス上には、いわゆる電報を利用される方には全然関係ない。ただ公社の内部の問題であるということを御説明いたした次第であります。その後いま平山総務理事が御説明申し上げましたように、方法といたしましては、東京の現在ある五形というものに六形をつけるということも、これは技術的に可能でありますし、また、やれるのでありますが、大阪につくりました機械——これは研究所が非常に研究して新しくつくった五形というものに余力が十分ありますので、それに機械を付加すればやれるということで、いま言った方法をやろうと思っている次第であります。  その場合に、結局料金の問題が出ましたけれども、この電報のどこをどう回すかという問題につきましては、従来からも必ずしも直線じゃなくして、少し迂回するというようなことはやっておったわけでありまして、それが直ちに料金制度と結びつくというふうには考えていない次第でございます。
  67. 森本靖

    森本委員 副総裁のいまの答弁はしごく不遜な答弁で、これはけしからぬと思うのです。その電報迂回しようがどうしようがということじゃない。だから最初料金の体系を聞いてあるわけです。伝送上の問題と同一市町村内ということで、市内料金というものは市外料金より安い、こういうことを言っておるわけであります。だから市内電報料金が三十円で、一方、市外電報料金が六十円であるということは、伝送経路迂回ということと、それから同一市町村内であるということによって、この料金が安くなっておるわけです。だから、本来なら、東京都内市内電報仙台へたたき込んで、仙台から戻ってくるという、これが市内電報料金なんということは、だれが考えたっておかしいのだ。それから目黒から京橋へ行く電報大阪を経由して帰ってくる、これが市内電報料金というのは、だれが考えたっておかしい。だから、私が言っているのは、いまそういうことを言ってないし、要するに、東京中央電報局最初機械化中継が完全に成功しておったらこういうことはないはずなんだ、それが失敗したから、仙台大阪半々に分けて——半々じゃない、大阪のほうが多いが、たたき込まなければならぬ、こういうことになったわけだから、そのもとの原因をただすとするならば、要するに東京中央電報局機械化中継の問題が明らかに失敗であった、そこでこういうふうな矛盾が出てきたということになりはしないか、こう言っておる。ところが、あなたのほうの答弁する人は、だれもかれも、ああでもない、こうでもないという答弁をしておるから、私はさっきからこれは明らかに公社失敗でないか——参議院ではやったかもしらぬが、この問題については、衆議院ではそんなに質問をしてないはずです。衆議院ではさらっとやったことばあるかもしれないけれども、こういう矛盾があるということを徹底的に追及したことは、まだ一回もないはずなんです。これは初めてなんです。だから、私が聞いておるのは、そういうような失敗をしておいて、それがああでもない、こうでもないということでなしに、現実には、この東京中央電報局機械化中継というものが失敗をして、結局仙台大阪に送り込むことになった、そこで市内電報料金矛盾が出てまいります、これはまことに申しわけない、しかしながら、電報料金そのものについては、一般電報料金あるいは市内電報料金含めて、先ほど答弁がありましたように、電報料金全体にも矛盾があるわけでありますので、その際に十分に検討し、善処していきたい、こういう答弁ならこれは筋が通ると思う。ところが、ああでもない、こうでもないということで、自分のほうの悪いことはちっともないというようなことを言うから、さっきから追及しておるわけなんです。総裁、あっさり私が言うようにものを言ったらどうなんだ。
  68. 大橋八郎

    大橋説明員 失敗失敗として、先ほどから明瞭に申し上げておるつもりであります。あるいは申し上げ方が足らなかったかもしれませんが、失敗であったということは明瞭に申し上げております。前にも御質問のあるつど、その場で失敗したということは申し上げておるわけであります。今回も失敗であるということは明瞭に申し上げた次第であります。こういうことがなければさような事柄は起こらなかったということだけは、これは明瞭なことでありますし、私ども失敗として、十分遺憾の意を表しておるわけであります。
  69. 森本靖

    森本委員 そこで電報料金の問題でありますが、先ほど水谷理事のほうから答弁がありましたように、非常に矛盾が出ておるわけであります。これは早晩やはり改定をしていかなければならぬというふうに思うわけであります。  そこで、私はこの際聞いておきたいのは、この東京中央電報局機械化の問題についての公社の責任者は一体だれですか。それは総裁が最高責任者であることは間違いないけれども、これに対する当面の具体的な責任者はだれになりますか。
  70. 大橋八郎

    大橋説明員 これはやはり設計といいますか、この機械の組み立てその他の設計をやったことが、当時考えたとおりに出なかったことでありますから、しいてこれをなにすれば、設計のミスということになるだろうと思います。したがって、これが確かにミスであるから、この責任を追及すべきだ、こういう問題が起こると思います。私どもも決してこれをミスでないとは申し上げませんし、また、その点について非常に恐縮しておるわけであります。  ただ、この点について御了承願いたいと思いますことは、先ほど平山理事から申し上げましたように、このTX五形、六形というものは、世界にもない、日本としては独特のものを発明するということで、非常に技術者としては意欲的に、身命を賭してこの発明に従事しておったのであります。たまたま誤算があったことはまことに遺憾でありますが、しかし技術者が新しい技術を発明するために非常に精魂を尽くしておることも、事情をくんでやらなければなりませんので、これをあまりやかましく言いますと、新しい発明はなるべくやらない、手をつけない、古いものばかりで済まそうということにもなりがちでありますので、私どもとしては、間違いは間違いとして、将来気をつけろという注意は与えますけれども、これに対してそれ以上の強い処罰をするとかなんとかいうことは、これはひとつ事情を了承してごかんべんを願いたい、かように考えておるわけであります。
  71. 森本靖

    森本委員 私は総裁ほどの技術者じゃないけれども、私も技術者のはしくれです。技術というものは、確かにあなたがおっしゃったように、研究練磨してどんどん向上させていくということは必要であります。しかし、それを実用段階に移すというときには、また別問題であります。研究をし、技術を上げていくということから、これを実際に国の経費を使って実行段階、実用段階に移すという場合には、慎重をきわめて、しかも何回も何回も試験を重ねて、これでだいじょうぶだというときに初めて実行段階に移すというのがやり方なんだ。その点を総裁よくわきまえてもらいたいと思う。私は技術者が将来縮かんでしまうということを望んでおるわけではない。大いに研究をしてもらいたい。研究費はあり余る程度でもかまわぬから出してやってもらいたい。そして日本の技術をどんどん発達、向上さすということについては、大いに電電公社はやっていただきたい。それを私は何も言っておるわけではない。ただ、その研究によってあがったところのいわゆる技術の成果というものを実行段階に移す場合には、慎重にも慎重を要する。ここから先は単なる技術屋の問題ではありません。技術屋の総帥と経営陣の総帥とが、やはりお互いに協議をし、もうこれでだいじょうぶだというところになって初めて実行段階に移すということが必要でありますので、その点ひとつ総裁としては誤解のないように願いたいと私は思う。  だから私は、この点については技術陣のミスということを追及しておるわけではない。それは技術陣としての、ミスも若干はありましようけれども、本来ならば経営陣としてこれがだいじょうぶであるかどうであるか、そういう点まで綿密に計画したかどうかということを検討した上において実行に移すのがほんとうであります。その点ひとつ総裁、誤解のないようにしていただきたい。その点の責任を私は追及しておるわけであります。機械が悪かったとか、よかったとか、その技術陣の問題を私は言っておるわけじゃない。そういうふうな機械であるかどうか、慎重にも慎重を重ねた計画であったどうか、その点が一つどこか電電公社の内部にゆるみがありはしなかったかという点を私は聞いておるわけであります。  だから私は、電電公社の卓越した技術、あるいは中継がどんどん発達しておるという状況、そういう点は大いにやっていただきたいということを言っておるわけです。ただし、それを実行段階に移す場合には、相当慎重な配慮を要する、こういうことを言いたいのであります。だからひとつ総裁から重ねてこの問題について答弁を聞いておきたい、こう思うわけです。
  72. 大橋八郎

    大橋説明員 御注意の段は十分今後気をつけることにいたします。また、いまのお説のような責任といたしますれば、これは総裁が全責任を負うわけでございます。私が責任を負うて陳謝をいたします。  しかし、このことについてちょっと申し上げておきたいのは、これは、また言いわけと思われては困りますが、普通の小さなものでありますれば、製造メーカーの工場でもって完全に試験をして、それをすぐ使うことになるわけでありますが、今度の機械は非常に大きな部分品を組み立てて大きな一つの網をつくったような機械でありますので、工場などで試験はできないのであります。個々の中小の部分については試験はできますが、どうしてもこれをいまの中央電報局の現場に持っていって組み立てて、何百坪にわたる大きな仕組みをした上で、現実にそこへ電流を通じ、ものを入れて初めてできるもので、いわゆる総合試験と称してそこで初めてやる。その段階において初めてその能力しかないということがわかったのでありまして、その以前に、部分的の試験ではなかなかそこまではできないのであります。
  73. 森本靖

    森本委員 あなたのいまの答弁なら、それは技術陣のミスですよ。そのくらいの測定ができぬような技術陣だったらやめたらいい。これだけの膨大な資本をかけて、その計算が最初にできぬような技術陣というのは、およそナンセンスです。それなら、軍艦をつくってみて、太平洋のまん中に出してみなければ、沈むか沈まぬかわからぬというような軍艦をつくったって、役に立たぬですよ。あなた、それで技術陣の端くれと言えますか。組み立ててみなければわからぬものだといっても、組み立ててみて、どういうことになってどういうふうになるということを、綿密にデータを出して計画をするのが技術ですよ。そういう答弁をあなたに求めているわけじゃない。あなた方、この点については、確かにわかったならわかった、それだけでいいのだ。そういうことになると、やはり技術陣のミスということになるじゃないか。
  74. 平山温

    平山説明員 お答え申し上げます。  御承知のように、私も技術者の一人でございまして、いまのケース、個々の問題につきまして、いろいろ御指摘をいただきまして恐縮いたしております。  ただ、ちょっとここで技術の立場から申し上げさしていただきたいのですが、新しい技術を開発してこれを実際に移しますときには、先生がおっしゃいましたように、綿密な試験をやった上で実用に供す、もちろんそれが本則でございます。現に、ほとんどすべての技術はそのとおりやっておるのでございますが、電話の場合でも、新しいクロスバーの交換機を使う最初にやりますのは、商用試験局といいまして、どこか一カ所——もちろんその前に研究室で研究いたしまして、工場でも試験し、大体いいという見通しがついたところで現場のある局で実際にやってみる、それが成功すれば、それをほんとうのものといたしまして、仕様書もはじめて本格的な仕様書といたしまして、これを全国的に使うわけでございます。そういうことを一般電信電話等についてはやっておるのでございますが、何しろ東京中電の場合には、それまでほかの局で幾つかやりました中継機械化の方式と全然違う方式でございまして、規模が全然違うものでございますから、東京中電の前にどこかでやってみるような適当な局がなかったわけであります。いわば試験というものをぶっつけ本番で東京中電でやらざるを得なかった、かような結果になったわけでございます。  そこで、東京中電の方式も本実施の方式、商用試験という形で実は東京中電にやったのでございます。それは非常に乱暴だとおっしゃるかもしれませんけれども、実はそういうものをほかに適用する場所がなかったわけでございます。その結果、いま御指摘のようなことになったことはたいへん遺憾に存じております。  ただ、この結果が非常に——ども技術者としてはいろいろなことがそこでよくわかりまして、今度大阪でやりますTX六という新しい方式を生み出す場合には、東京TX五の経験というものが非常に生きまして、先ほど計画局長も申しましたように、新しいクロスバースイッチを使ったり、あるいはマーカーの回路のやり方を変えたり、いろいろ改良いたしましてTX六形方式というものをとった次第でございます。
  75. 森本靖

    森本委員 技術というのは、ある程度それに犠牲が伴う、そしてだんだんやっておるうちに、技術というものが成功していくということは事実であります。そして軍需試験とか兵器の試験なんかはそれでけっこうです。しかし、電信電話公社のように、少なくとも電信電話料金をもう上げなければならぬ、上げなければとてもやっていけない、あるいは電信電話料金を上げなければ、財投に求めなければならぬというふうな、財政が窮屈なときに、要するに四億円もかけたようなぶっつけ本番の試験はやめてもらいたい。今後、そういうものを実行に移すという段階のときには、少なくともこれが絶対的であるという確信がなければ、私はやってもらいたくない。一千万円、二千万円の試験というものは、大いにやってもらってけっこうだ。通研の内部における試験は何ぼやってもらってもけっこうだけれども、こういう現場に対して、ぶっつけ本番というような試験のやり方は、私は今後やめてもらいたいと思う。そんな自信のないような試験だったら、初めからやめてもらったほうがましだ。それは、もっともっと通研の中で研究してもらったほうがいい。研究してもらって、これでだいじょうぶだというときに初めてやってもらいたい。そうでなければ、国民電信電信料金でまかなっており、しかも、財投は国民の血税によってまかなわれておるというふうな電電公社の性格からするならば、兵器産業みたいなやり方はやめてもらいたい。私は、少なくとも通研でやるような程度の試験あるいは開発というものは、これは何ぼやってもらってもけっこうだけれども、これだけの大金を投じ、しかも現場に対して行なう際に、これを一つの試験的にやってみるなんということはやめてもらいたい。もしどうしてもやるというなら、これはやはり責任あるやり方でやってもらいたい。やって、いけなかったり、大敗したら、いさぎよく責任をとる。そうでなかったら、初めからこういう現場に対する試験的なやり方はやめてもらいたい。試験的なやり方は、あくまでもそれぞれのメーカーの内部において、あるいは通研の内部においてやるべきだ。現場にある程度の資本を投下して、試験的にやるということはもってのほかだ、こう思うわけですが、総裁、どうですか。
  76. 大橋八郎

    大橋説明員 御説のような考えも、むろん尊重すべきものだとい思います。しかし、私は先ほど平山理事が申し上げましたように、あれくらいの大きな組み立てのものになりますと、普通のメーカーの工場では、なかなかその試験をやる場所もないし、事実上困難であります。やむを得ず直接に、ぶっつけ本番といわれるようなことになるわけであります。結果においてはなはだまずかったことは、重々申しわけないと思います。
  77. 森本靖

    森本委員 だから、私が言っておるのは、それだけの大きな資本を投下して新しい技術を開発するというような場合には、ぶっつけ本番のやり方はやめてもらいたい。これはあくまでも通研の内部における試験であり、あるいはメーカーの内部における試験である、こういうようにやっていただきたい。今後それだけの大きな資本を投下してやる場合には、もうこれで絶対的に自信があるという場合に限ってやっていただきたい、こういうことです。電電公社は兵器産業じゃありませんから。
  78. 平山温

    平山説明員 お答えいたします。  ただいま先生のおっしゃったことは、まことにごもっともだと思います。今後とも先生のおっしゃったとおりやるべきだと存じます。ただ、先ほど東京中電の場合は、研究所の中でできること、工場でやれることは全部やったつもりでございます。そうして、それを全部組み立てて総合的にやったときに、——といいますことは、逆に言えば、三億五千万というお話がございましたが、それだけの機械を買って並べてみた上で初めてわかった問題でございますので、もしこれをあらかじめテストしようとしますと、やはりそれに近いものを研究費として投じた上でやらなければできなかったものが、結果として出てきたわけでございます。そこで、それを一ぺん研究費を投じてやって、その上で東京中電にやるという方法もあろうと思いますけれども研究のことでございますから、一〇〇%ということはございませんけれども、大体の見通しがある場合には、それがもう今後たくさん、何台も日本全国に使えるものでしたら、一応研究費として三億のものを使ってやれるわけですけれども東京か、あるいはせいぜい大阪にしかないものでございますから、それだけのもののためにそれだけの研究費を投ずるということも、かえって問題じゃないかということで、研究室及び工場においての一応の見通しの上に、本実施というか、実際に現場でこれをやってみたというふうな結果になったわけでございます。電話等のように、たくさん、同じような局があっちこっちにありますものにつきましては、先生の御指摘のようにやるべきだと思います。
  79. 森本靖

    森本委員 あなたがどうしてもそういうことを言い張るならば、今後現場でやってみなければわからぬような機械はやめてもらいたい。これは国民の名において申し上げますよ。それが自分の金だったら、もしあなたの金でそれをやるのだったら、そんな危険なことをやりますか。五億何千万という金を投じて、それが成功するかしないかわからぬというかけを、自分の金だったらやりますか。そういうやり方は、私はやめてもらいたい。実際に自分の五億円の金を投じてみて、これが実際にやってみなければ成功するかしないかわからぬというものであったら、個人ではようやれません。これは電信電話料金によってやられておるところの公社でありまするから、そういうやってみなければわからぬというふうなものであったら、やめてもらいたい。これは確実だという自信があって、初めて実行段階に移してもらいたい、こういうことです。
  80. 平山温

    平山説明員 お答え申し上げます。  もしいま先生の御指摘のようにその方式をやらなかったといたしますと、東京中電中継機械化をやらなければ別ですが、ほかのいままであった方式でやろうといたしますと、非常に疎通量が多いものでございますから、かえっていまよりよけい金がかかったと思うのであります。私どもといたしましては、こういうある程度の不確定要素はございますけれども、旧技術をもってやるよりは、多少の不確定要素があっても、新技術を用いたほうが経営的にプラスという場合には、ある程度の危険を伴ってもやらざるを得ぬ場合もあろうかと思うのでございます。しかし、先生がおっしゃいましたように、なるべく実験段階において確認すべきものは確認して、極力そういう失敗のないようにやるべきじゃないかという御指摘につきましては、まころとそのとおりだと思いますから、そのようなことは今後とも私どもも気をつけてやりたいと存じます。
  81. 森本靖

    森本委員 それでは十二万四千通を疎通できるような東京中央電報局機械化というものは、現在の技術陣ではできませんか。
  82. 宮崎政義

    宮崎説明員 現在TX六形として大阪にあるものが十二万四千通は疎通できるわけです。ですから現在の技術でということをおっしゃいますと、十分できます。
  83. 森本靖

    森本委員 だから、現在の技術では十分できるということをいま計画局長が言ったように、初めから現在の技術陣でこれをやればできるわけなんです。
  84. 平山温

    平山説明員 お答え申し上げます。  いま計画局長の申しましたのは、東京TX五の経験を生かしまして、新しく大阪へつくった機械は現在十二万と申しておりますが、大阪予定いたしましたのは十万通の能力を持った機械を設置する予定にしております。この機械は十二万絶対通らないのかということであれば、十万まできておりますからいけると思います。しかし、この機械を生み出す技術の基本といたしましては、東京TX五の経験というものがあったわけであります。ですから、東京TX五というものをやらないで、そしてできただろうということにつきましては、私どもはそれは非常に困難だったと存じます。
  85. 森本靖

    森本委員 私はあなたのその答弁は非常に不満です。これは技術者としてはできるはずです。だから、いまの十二万通なり十三万通ができるということの見通しが完全に成り立つまでやらなかったらいい。その間たった三年か四年の間は現状どおりやったっていい。あなたは、それを何だかんだと言って、結局、失敗ではない、こういうふうにやらなかったらしかたがないと言うから、私は執拗に質問している。今日の機械ができるまで待っておればいい。また、それができるように研究していけばいい。それはそのときにはそういうふうにやって、なるほど東京にやった経験に基づいて今度大阪ができたということは、技術的にはうなずけます。しかし、初めから大阪でやれるような機械ができるまでしんぼう強く待っておったら、こういう矛盾はできてないはずです。  だから、いずれにいたしましても、事をせいたということは明らかだと私は思う。いずれにしても、私は、電電公社の技術陣と経営陣との、この点は明らかに失敗だと思う。成功だという点があれば、確かにいま平山君が言ったように、これが基礎になってある程度技術的にわかってきた、これは確かに成功です。しかしそれは成功だけれども、経営という面からいったら明らかに失敗です。あなた、自分の平山株式会社だったら、そんなことやるはずがない。資本金が一億円くらいの会社でやったらつぶれますよ。電電公社だからこそ、こういうことができる。だから、私が言っておるのは、そういうような不確定な、あぶないような技術のやり方については、今後は慎重にも慎重にやっていただきたい。二度とこういうようなことを繰り返すことはやってもらいたくない。ややもすると、そういう技術陣はやってみたくなるのだ。経営と技術というものは別なんだから、そういう点は経営陣が技術陣を押えなければならぬ。そんな不確定なものはやるわけにはいかぬ。この辺が電電公社の内部における経営陣の、いわゆる業務系統といわれる人と、それから技術系統といわれる人とが妙にしっくりしていないというような点も想像できるのじゃないかという気もするのです。  そういう点は、横へそれましたから別にいたしておきますが、いずれにいたしましても、この電報機械化中継の問題については、私は明らかに電電公社としては失敗であったと思う。ただ、成功だったというような点があるとすれば、要するに、その失敗をもとにして、新しい成功に導いたという、技術陣がある程度発展をしてきたというところに、しいて言えば一つの成功がある。しかし、経営という面からいくならば、これは明らかに失敗である。その点を私はさっきから質問をしておるわけであります。突っついても、これは確かにそうでございますけれども、しかしながらこうこうでございます。こういうことを一つ一つつけ加えるから、私のほうは執拗に聞いておるのです。重ねて最終的にひとつ総裁から聞いておきたい。
  86. 大橋八郎

    大橋説明員 ただいま御指摘のように、今後、そのような場合には慎重を期することは、お説のとおり慎重を期するつもりでございます。
  87. 森本靖

    森本委員 ひとつぜひとも慎重を要すると同時に、大臣にも聞いておきますが、これが一千万円か二千万円の金なら別として、こういうふうな大金を使ってやるようなことについては、もし今後試験的にやるにしても、失敗をしたら明らかに責任をとるくらいの覚悟で電電公社にやれと言うぐらいのことは、大臣も監督官庁として十分に考えておいてもらいたい、こう思うのですが、どうですか。
  88. 徳安實藏

    徳安国務大臣 公社でやりますものは、試作品ではないのでありますから、そういう点につきましての考え方は、お説のように私ども考えます。まあ電電公社のほうにも相当言い分があるようでございますが、私のほうでも、そうした技術陣と経営の関係とを考えまして、今後こうした問題につきましては、一そう連絡を密にいたしまして、そうして意見の交換も行ない、また、この対策等につきましても、遺憾がないように努力いたしたいと思います。  過去のことにつきましては、お話を聞いておりましても、両方の御意見ももっとものようにも考えられますが、結局郵政省といたしましては、そういう点につきましても深くタッチしていなかったという点につきまして、話を聞き、報告を聞いて初めてわかったようなわけでございますので、今後こうした大きな機械をつくるような場合には、ほんとうに、十二万のところが試験の結果十一万くらいしかできなかったとか、十万というなら多少考えられるのですけれども、初めの計画よりか半分しかなかったということにつきましては、これは確かに、総裁の言われるように、また率直に認められておるのでありますから、確かにミスであった、これはお話のとおりでございます。今後そういうミスをしないように、試作品ではないのだ、ほんとうに自信を持ってこうするのだという、技術陣の自信と経営陣のそれに対する責任、こういうものをにらみ合わせて、こういう大きな仕事ができますように私どものほうは行政的な指導をいたしたいと思います。
  89. 森本靖

    森本委員 大体いまの大臣答弁でけっこうです。  そこで、私は大臣に観点を変えてひとつ聞いておきたいと思いますことは、これは歴代大臣に聞いておるわけですが、歴代大臣は、私の意見にもっともであるということを回答しながら、ちっともその実現を見ないわけであります。それはどういうことかといいますと、これは運輸省と国鉄との間も、郵政省と電電公社との間も一緒でありますが、郵政省がこの電電公社を監督するほんとうの責任者は、電気通信監理官室であります。ところが、電気通信監理官は、いままで——これは現在の人をさしておるわけではありませんよ。いままで二人おるわけでありますけれども、必ず一人は電電公社から出向してくるわけです。それで何年か電気通信監理官をやれば電電公社に帰る。たとえばそこにおられる平山君なんかも、長い間電気通信監理官としてここで答弁をしておったわけです。そういう人に、ほんとうに電電公社を叱咤激励し監督せよと言っても、はっきり言って、人情的にいってこれは無理だ。総裁ににらまれたら今度電電公社へ帰るときに帰れぬですよ。やはり公社に帰って理事なり総務理事になっていかなければならぬ。電電公社からこれこれについてはという許可を申請してくる。一応、それはいかぬ、こういうふうに言うてみるものの、次に副総裁総裁から言われると、どうにもならぬ。あるいは淺野君あたりが監理官のときには、おれは電電公社に天下りする必要はないという気を本人が持っていたかどうか知らぬが、相当強く当たって、大きく郵政省の立場を鮮明するということはあり得るけれども、しかしこれは人によって非常に変わってくるということは事実であります。私は、このことは、その人が悪いというようなことを言いません。これは実際問題として、人情的にやむを得ぬと思うのです。  そこで、私が前から言っておることは、電気通信監理官室において電電公社を監督するというふうな人は、郵政省が新しく六級職試験で採用した人をずっと恒常的に、郵政省は郵政省なりに養成していってもらいたい。そして郵政省は郵政省なりに、電電公社と郵政省との間柄からいくとするならば、天下り的な人事なんというものはあまり考えぬほうがよろしい。そうでなければ、監督官庁と監督されるほうとの間柄というものは緊密にいくものではない。要するに、私が言わんとしておるところは、とりあえずそういうものが足らぬから、電電公社から人を借ってくるということはやむを得ぬにいたしましても、そういうことをいつまでも続けていくべきではない。やはり電電公社の事業に精通し、電電公社の内部を詳しく知るがためには、六級職で採用した者を当初からずっと養成していけば、名実ともに電電公社を郵政省が監督する監督官ができるのではないか、こういう質問をいつもしておるわけでありますが、時の大臣は、歴代大臣が全部が全部、お説のとおり、まことにそのとおりでございますということを言いながら、ちっともこれが実現に移されぬ。一体どこに原因があるかということを私はいろいろ調べてみると、そんな六級職からずっと養成してやるというしちめんどうくさいことをするよりか、やはり電電公社から借ってきたほうが手っとり早い。また電電公社もかたく貝を閉ざしてなかなか言わぬ。何ぼ監督官庁であっても——ちょうど国会と政府委員との間みたいで、表面上はちゃんと言うけれども、実際に奥深いところまでは、公社から出ていっておる者でなければなかなかわからぬ、こういうふうなところもあるのじゃないかということを、まあ私の邪推で、これはほんとうかうそかわかりませんが、私が横から見ておると、そういう点もあります。  いずれにいたしましても、郵政省が電電公社を監督する立場にあることは法律上明確になっておるわけでありますから、いわゆる監督行政官のあり方については、一考を要するのではないかということを私は言いたいのであります。現在の徳安郵政大臣としても、おそらくこのことについては、考え方は同感であろうと思いますが、これは長期にわたる養成計画を立てないとできないのです。あなたの在任中にひとつこういう長期の施策というものを考えておいてもらいたい。次の大臣にも——あなたがいつまでも大臣をやられればけっこうだけれども、もしいつまでもやられぬとするならば、次の大臣にも、これは非常に大事なことでありますので、ひとつ申し送りをしていただきたい、こう思うわけですが、どうですか。
  90. 徳安實藏

    徳安国務大臣 御趣旨は私も同感であります。そういうように考えます。ただ、お互いに非常に大きな組織体でございますから、全然わからぬ者がすぐすわりましても、なかなかわからなくて不都合があるということから、長い間の習慣で、向こうでよく事情のわかる人をもらっているという形ではないか、いまお話しのような状態ではなかろうかと思います。しかし、全部が全部部内に通じなくても、それぞれの職務によって内容のわかる方法もあるわけでありますから、最高責任者につきましては、やはりいまお説のようなことも考えられるし、また、人事の交流ということも必要ではございますが、監督、被監督というような考え方も、いまのお話のようだと思いますから、今後の人事の問題につきましては、御趣旨のような点を十分勘案いたしまして処置いたしたいと思います。
  91. 森本靖

    森本委員 私は、いま内閣でよく言われております内閣全体の人事の交流ということは賛成です。それは確かに清新の気を注入していいと思いますが、ただ利害関係の相反するような、要するに公社、公団、こういうものとの人事交流ということはあまりいい傾向ではない。こういうことを私は考えるわけであって、たとえば運輸省の人が電電公社にいくとか、あるいは郵政省の人が国鉄公社にいくとかいうやり方なら別として、そういうことでなしに、関係のところとの人事交流をやるということは、かえって弊害を及ぼすのではないか。問題は、官庁は官庁ごとの人事交流を行ない、公団、公社は、公団、公社ごとの人事の交流を行ならということは、清新の気を注入していいけれども、縦の線の人事の交流ということは非常に慎重に考えてみなければならぬのではないかということを言いたかったわけでありますが、大臣もそういうような方向らしいので、この点はこれで打ち切りまして、本論に入っていきたいと思います。  いま電電公社電信電話調査会を開いておるわけでありますが、電信電話調査会においていろいろの問題が提起され、さらに電電公社がこの二十九日に「電信電話拡充計画の実施状況と問題点」というのを一応内外に公表しておるわけでありますが、そこで問題になっております点を一つ一つ聞いていきたいと思います。  第三次五カ年計画が四十年、四十一年、四十二年、あと三年で終わるということでありますけれども、いま加入電話の需要の見通しがどういうふうになっておるのか。三十九年はけっこうでありますから、四十年、四十一年、四十二年、この三カ年において、第三次五カ年計画においてはどういう見通しであったか、それから現実にはどうなっていっておるか、そのギャップがどの程度あるかという点をひとつ御説明願いたいと思います。
  92. 宮崎政義

    宮崎説明員 お答え申し上げます。  第三次五カ年計画は、先生承知のとおり、五百万の増設をするという考え方でございまして、その終末の昭和四十二年度末には、積滞数で大体七十四万に持っていこう、こういう基本的な考え方でございます。
  93. 森本靖

    森本委員 五カ年計画で全部で五百万ということはわかりますが、私が言っておるのは、五カ年計画の三十九年までの分は、過ぎておるわけでありますから、四十年、四十一年、四十二年と、いわゆる第三次五カ年計画ではどういう書画であったか、しかし現実には積滞の需要数はどの程度になっておるかということを御説明願いたい。そうすれば差が出てくるから、こういうことです。
  94. 宮崎政義

    宮崎説明員 最初に第三次の充足計画を御説明申し上げます……。
  95. 森本靖

    森本委員 いや、私が言っておるのは、第三次五カ年計画全体をやっても、それはもう過ぎておるやつはいいから、要するに、四十年と四十一年、四十二年において、第三次五カ年計画では何ぼ何ぼ計画しておったか、それが需要数がどうなっておるか、こういうことです。
  96. 宮崎政義

    宮崎説明員 それでは御説明申し上げます。  先ほど説明しましたように、四十二年度は七十四万ぐらいの積滞になる、こういうぐあいにしまして、一応五百万を、年度割りでは、先生御案内のとおり、七十万、八十五万、百万というぐあいに十五万ずつ上げまして充足して、四十二年には五百万をつけよう、こういう考え方で進んできたわけでございます。  ところが、現在の見通しでは、五百万では、四十二年末の積滞は二百四十六万ぐらいの多きに達すると思われます。では、具体的に年次ではどうかと、こういうことになるわけでございますが、三次の基本計画におきましては、四十年は大体百六万ぐらいの積滞、四十一年は九十三万ぐらいの積滞、それから四十二年は七十四万、こういうぐあいに実は考えておったわけであります。ところが、現在の見通しでいきますと、先ほど申しましたように、五百万の増設では二百四十六万ということになっておりまして、まだ今後増設数をどう変えるかということについては、最終的な考え方をまとめておりませんので、とにかく五百万だけやったんでは、二百四十六万というぐあいに見通されておるということを申し上げておるわけでございます。
  97. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、現在の第三次五カ年計画のままでいくとするならば、四十二年末には、要するに最初の第三次五カ年計画は七十四万ということであったけれども、これが現実に結局二百四十六万積滞になる、こういうことになるわけです。そういたしますと、現実の五カ年計画における建設資金の調達計画ですが、これが具体的に四十年から四十二年まで大体どういう計画になっておりますか。
  98. 宮崎政義

    宮崎説明員 先生のおっしゃっているのは調達総額のことだと思いますが、各年度の調達総額、四十年度は既定計画では、所要資金としまして三千五百七十億を考えております。四十一年度は四千九十億、四十二年度は四千六百三十億を考えております。
  99. 森本靖

    森本委員 そういたします。と、この五カ年計画はこのままやっていくわけですか。
  100. 宮崎政義

    宮崎説明員 ただいま申しましたように、二百四十六万のような大きな積滞ということは、第二次五カ年計画期末の三十七年度末では約百一万の積滞になっておるわけでございます。したがいまして、国民の皆さまに対してもはなはだ申しわけないという感じもいたしますので、われわれとしては、できるだけもっと増設したいということで計画を考えておるわけでございます。
  101. 森本靖

    森本委員 だから、できるだけの増設をしたいということは、どの程度増設をしていく計画ですか。
  102. 宮崎政義

    宮崎説明員 一応いろいろ案を考えておりますが、まだ最終的に公社として、資金その他の関係もありますので、この数で充足するということはきめておりません。
  103. 森本靖

    森本委員 そうしたら、いまのところ何もない、こういうことですか。
  104. 宮崎政義

    宮崎説明員 現在の見通しでは、中期経済計画公社としての意見を一部出しておりますけれども、しかし、現在の時点ではまだ検討中でございます。
  105. 森本靖

    森本委員 その中期経済計画とは何ですか。
  106. 宮崎政義

    宮崎説明員 昨年の夏に政府が所得倍増計画の今後の残されたる期間において、今後の社会投資その他経済の進展についての計画をつくるということになりまして、経済審議会に御諮問になりましたわけでございますが、その経済審議会におきまして、各方面の今後の見通しというもの、三十九年から四十三年までの見通しを提出を求めました。これに対しまして、公社といたしましては、その時点における様子を考えまして一応の計画を出してはおります。
  107. 森本靖

    森本委員 その一応の計画はどういうことですか。
  108. 宮崎政義

    宮崎説明員 中期経済計画に出しましたときの考え方といたしましては、昭和四十二年度末には需要数は千二百万になるのではないか。現在やっております第三次五カ年計画では千五十万になると想定いたしておりますが、それが約百五十万ふえまして、四十二年度は一千二百万、こういうぐあいに考えられました。したがいまして、その一千二百万という数字をもとにいたしまして、必要な充足をやっていくという考え方でまとめたのが、一応の中期経済計画のときの考え方でございまして、そのときには、原案としましては、四十年度は百六万を増設したい、四十一年度は百三十八万増設したい、四十二年度は百五十万増設したい、四十三年度は百七十七万の増設をいたしたいという一応の計画はつくりました。
  109. 森本靖

    森本委員 中期経済計画によるところのいまの四十一年は百二十八万、四十二年は百五十万、四十三年は百七十七万、とこういうことになってくるとするならば、現在の収支予算、それから財投、そういうものを考えた場合に、ある程度の財源の見通しが出てこなければならぬ、こう思うわけでありますが、その年度別の資金の調達の見込みと収支の見込みを、これに合わせた見込みというものを御説明願いたい、こう思うわけです。
  110. 宮崎政義

    宮崎説明員 中期経済計画のときは、先生も御案内のとおり、われわれが出しました中期経済計画原案というものと、現在政府がおきめになっております中期経済計画の閣議決定というものとは違っておるわけでございますが、当時は、われわれとしましては、国民所得の伸びとか、こういうものは当然中期経済計画が固まった上で見当づけられるものと見ておったわけでございますが、当時は、もちろん、そういうものを、四十三年までのやつは所得悟得計画しかありませんので、われわれとしては一応の推定で出しております。その推定で出しました総額は、三十九年から四十三年までは二兆二千七百九十九億という額を一応想定いたしました。しかしながら、われわれとしては、需要数を、非常に多く伸びてきておりますので、何とか少しでも充足しながら、国民に電話のつかないといういまの気持ちをやわらげたいという気持ちでつくった案であります。これが資金的に全部認められるかどうかということは、もちろん確信あるわけではないのですが、これをもって一応中期経済計画の中で吟味していただこうということで出した案でございます。
  111. 森本靖

    森本委員 だから、その案の内容はどういうことになっておるかということを聞いておるわけです。
  112. 宮崎政義

    宮崎説明員 これは、先ほど申しました充足をかりにやるといたしますと、先ほど申しましたように総額二兆二千七百九十九億でございますが、四十一年度は大体四千五百八十億、四十二年度は五千三百七十億、四十三年度は六千三百四十億、こういう資金が調達資金として要ると思われます。
  113. 森本靖

    森本委員 その六千三百四十億円というものが要ることになるとするならば、それにおけるところの年度の収支の見込みと、さらに年度収支でなしに、資金の、いまあなたのほうが言われました、かりに四十一年が四千五百八十億円とするならば、その四千五百八十億円の内訳を一応ずっと説明してくれませんか。
  114. 宮崎政義

    宮崎説明員 一応中期経済計画へ出した原案について説明しろというお話でございますので、その説明をいたしたいと思います。その当時つくりました考え方によりますれば、現在われわれが考えているのと多少違ってくるわけでございますが、これはまたあとで御説明することにいたしまして、四十一年度は約五千五百五十億くらいの収入があるだろう、こう見ておりました。しかして支出は五千四百六十億、したがいまして四十一年度は約九十億くらいの収支差額になるんじゃなかろうか、かように見ておりました。四十二年度は六千三百九十億の収入で、支出は六千四百六十億でございます。したがいまして収支は約七十億くらいの赤になってくるのじゃなかろうか、かようにその当時は見ておりました。
  115. 森本靖

    森本委員 現在は。
  116. 宮崎政義

    宮崎説明員 現在は、ちょっとお断わりしますが、この中期経済計画がきめられた内容でいきますと、われわれが想定したもとの原案と多少違ってきておるわけでございます。したがいまして、さらにこれは検討しなければならぬ問題が出ておりますので、現在時点においてはもっと検討いたしておる次第でございます。
  117. 森本靖

    森本委員 五カ年計画はあと二年しかないわけです。だから、この二年しかないものを拡大修正するということであるとするならば、もうすでに大体の骨子というものが、輪郭というものができ上がってなければいかぬわけですね。これが次の国会で通る通らぬは別として、電電公社電電公社なりに一つ計画を持たなければならぬ。要するに二百四十六万も積滞数があるということでは、最初の五カ年計画というものはほとんどだめだということは明らかでありますので、そうなってまいりますと、残された四十一年、四十二年の二カ年の計画というものは一応持たなければならぬ、こういうことになると思うのですが、その四十一年と四十二年の具体的な内容というものはどういう内容であろうかということを聞きたいわけです。
  118. 宮崎政義

    宮崎説明員 いま御説明が十分でなかったので、先生あるいは現在のものを持っているはずだ、こういうぐあいにお考えかもわかりませんが、いま私が御説明申しましたのは、中期経済計画のときに出した案でございます。したがって、現在この案のとおりであるかと申しますと、中期経済計画でおきめになった基礎データが少し違っておりますので、当然この計画は変わってくる予定になりますし、したがいまして、現在としましては、いろいろ素案はつくっておりますが、まだ固まっていないということに御了解いただきだいと思うのですが……。
  119. 森本靖

    森本委員 固まっていないと言うたところで、四十一年、四十二年は、もう具体的に考えていかないと二百四十六万ということになることは明らかでありますので、その四十一年と四十二年については、一体どういうふうな計画を持っておるのかということを先ほど来聞いておるわけです。だから四十年度——これはこの前予算委員会——時間がなかったから私はやらなかった。総裁が妙な、木で鼻をくくったような答弁をしたのをそのまま見のがした、時間がなかったから。しかし、本来ならば、四十年度の予算を編成するときに、第三次五カ年計画というものを完全に修正をしなければならぬということを答弁をしておるわけでありますから、そういたしますと、第三次五カ年計画というものは、あと四十一年と四十二年しかないわけでありますから、四十年度の予算編成、さらに四十年度の予算審議の過程において、四十一年と四十二年におけるめどというものは述べなければならぬ。それがまだ検討中でありますから云々ということは、それは具体的な実行段階においては予算編成として検討するということは、詳細に検討するということは必要ですよ、しかし大まかに収支予算がどうなって、財投をどの程度にして、大体積滞数はどの程度になるという見通しは、経営者として持たなければならぬ。だから、私が聞いておるのは、その四十一年と四十二年の第三次五カ年計画の拡大修正をしなければならぬという点は、一体どういう形を持っておるか、アウトラインは——こまかい問題は別ですよ、ところが、この間の予算委員会で、総裁は木で鼻をくくったような答弁をして済ました。もっともこれは、予算委員会の分科会であるから、時間がないからそのまま済ましたけれども、本来そういうことを言うべきなんです。だから、それが私は確定したものであるとは言ってない。だがそれが将来二百億や三百億変わってきても、なぜこの前答弁したことと違ったかというようなことは私は追及はしない。しかし、いまもう改定をしなければならぬということがわかっておるにもかかわらず、あと二年しかないということについては、その見通しが全くないということでは、これは人を愚弄するもはなはだしい。一応のアウトラインを説明せよ、こういうことを言っておるわけです。——なければ次にします。もう十二時だから次にまたゆっくりやりますよ。
  120. 宮崎政義

    宮崎説明員 先生、たびたび、現在の計画はあるはずだ、こうおっしゃっているわけでありますが、現在時点における計画は、私が先ほど説明いたしましたように、中期経済計画で出した素案をもとにしまして政府がきめられた中期経済計画は、いろいろな諸元がございますが、これによって変わってきております。それをもとにして一応いま検討しておるということを申し上げておるのでございますが、その辺の食い違いで、先生は、なければならぬ、こうおっしゃるわけでありますが、いま素案はいろいろつくっておりますけれども公社としてまだきまった形ではないということで御説明申し上げているつもりなんですが……。
  121. 森本靖

    森本委員 私が言っているのは、要するに第三次五カ年計画というものが大きな食い違いを来たした。そこで第三次五カ年計画ももう終わりに近づいておる。今年が終わりのほうの部に属する。要するに、あとは四十一年と四十三年しかないんだ。第三次五カ年計画最初の場合には、七十万程度しか積滞数がないということであったけれども、このままの第三次五カ年計画を実行したとするならば二百四十六万程度積帯数になる。これはもう明らかに拡大修正しなければならぬということは、だれが見ても理の当然であります。そこで拡大修正をするということになるとするならば、その拡大修正の内容について——こまかい内容を私は聞いておるわけではない、ただ四十一年と四十二年については、積滞数をどの程度解消し、そして収支予算がどの程度の見込みになり、そして財投をどの程度求める。このくらいなアウトラインというものは、総裁の頭にあってしかるべきである。それがないような総裁はやめたらいい。そんな経営能力のない者はもうやめてしまったらいい。それが確定したものであるとは私は言っていない。さっきから、どういうふうなルールで、どの程度のものを頭に描きながら、四十年度の予算を組むということは考えなければならぬ。これは経営者として当然ですよ、第三次五カ年計画の中ほど以降になっておるから。だから、あなたのほうは、なければ、検討中なら検討中でもけっこうだ。しかし、いろいろ検討しておるということであるから、幾つか素案があるはずなんだ。だからその素案をあなた方のほうから発表があれば、私はその素案について、こういうやり方はまずい、こういうやり方は確かにいい、こうやったらどうかということを意見を出したい。そうしていかなければ、国会で何ぼ論議したって始まらぬ。いやがらせの質問ばかりしたところで何にもならぬ。やはり、われわれはわれわれなりに電電公社の経営に対する意見を持っているわけだ。ところが、あなたのほうは、そういうふうなことでちっとも言いたがらぬ。ちょうど十二時前でありますから、私は本日の質問は一応これで終わりますが、ひとつこの問題については、もう一日目をあらためてやります。また八日の日に朝から晩まで一日ゆっくりやりたいと思いますので、ひとつ電電公社電電公社として郵政省とも協議をしてこれは回答願いたい。  それから大臣、ひとつよくいまの質疑応答を聞いてもらいたいと思ったのは、何か公社は歯に衣がかかったようなことを——悪いことは悪いと言いながら、歯に衣のかかったような答弁をする。いざ財政的な問題になるとなかなか言いたがらぬ。ふたをあけてみたら失敗するというようなことで、私ははっきり言って、公社の今日の経営陣が能力が一三〇%あるというふうな考え方になるような気がせぬわけですよ。それだけの自信があるなら、ここではっきりと、こういう素案もあります、こういう素案もありますということを、三つ四つ並べてみたらいい。だから、それが確定をしておるということを私は言っておるわけではない。そのとおりならなかったからといって、責任を追及しようということを言っておるわけじゃない。そういう案については、われわれはわれわれとして、こういう意見もあります、こういう意見もありますということを出して、そこで討論をして、初めて国会の論議というものは成立するのじゃないか、こう考えておるわけであります。ところが、そういうことは何かあげ足をとられるようでちっとも言いたがらぬということでは——本日は私はあえて聞こうとは思いませんので、ひとつ十分にこれは公社と郵政省と協議をして、次回までに検討しておいてもらいたい、こう思うわけです。ひとつ大臣にもこの点はよく要請しておきたいと思う。以上です。
  122. 内藤隆

    内藤委員長 次会は来たる八日午前十時から理    理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十一分散会