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1965-02-12 第48回国会 衆議院 逓信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年二月十二日(金曜日)     午前十時四十二分開議  出席委員    委員長 内藤  隆君    理事 秋田 大助君 理事 上林山榮吉君    理事 佐藤洋之助君 理事 志賀健次郎君    理事 栗原 俊夫君 理事 森本  靖君       綾部健太郎君    小渕 恵三君       大野  明君    金丸  信君       木部 佳昭君    椎熊 三郎君       中山 榮一君    畑   和君       柳田 秀一君    栗山 礼行君  出席政府委員         郵政政務次官  服部 安司君         郵政事務官         (大臣官房長) 淺野 賢澄君         郵政事務官         (監察局長)  稻増 久義君         郵政事務官         (郵務局長)  長田 裕二君         郵政事務官         (貯金局長)  武田  功君         郵政事務官         (人事局長)  曾山 克巳君  委員外出席者         日本電信電話公         社営業局長   千代  健君         日本電信電話公         社運用局長   水谷 七代君         専  門  員 水田  誠君     ————————————— 二月八日  郵便貯金法の一部を改正する法律案内閣提出  第四六号)  郵便振替貯金法の一部を改正する法律案内閣  提出第四七号) 同月五日  横手郵便局局舎改築に関する請願(川俣清音君  紹介)(第六二九号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  郵便貯金法の一部を改正する法律案内閣提出  第四六号)  郵便振替貯金法の一部を改正する法律案内閣  提出第四七号)  逓信行政に関する件(松井田郵便局問題)      ————◇—————
  2. 内藤隆

    内藤委員長 これより会議を開きます。  内閣提出にかかる郵便貯金法の一部を改正する法律案及び郵便振替貯金法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、審査を進めます。     —————————————
  3. 内藤隆

    内藤委員長 まず、両案について提案理由説明を聴取いたします。服部郵政政務次官
  4. 服部安司

    服部政府委員 ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  この法律案は、郵便貯金貯金総額制限額を引き上げることをおもな内容とするものでありますが、以下、その改正の要点について御説明申し上げます。  第一点は、郵便貯金預金者一人の貯金総額制限額は、現在五十万円でありますが、最近における利用者の所得及び貯蓄保有額の伸びの状況から見まして、これを百万円に引き上げようとするものであります。  なお、これに伴いまして、積立郵便貯金の一回の預入金額並びに定額郵便貯金及び定期郵便貯金預入金額もあわせて引き上げることといたしております。  第二点は、郵便貯金権利の消滅に関しまして、現在法律で十年間の期間の進行を中断する事由を列挙しているのでありますが、その事由として印章の変更の届け出その他省令で定める請求または届け出があった場合などを追加し、これによって預金者権利を保護しようとするものであります。  第三点は、郵便貯金に預入することができる証券等範囲を拡大して、その種類法律に列挙するもののほかに省令で定めるものを加えて利用者利便をはかろうとするものであります。  第四点は、郵便貯金払い戻し金は、現金をもって払い渡すことになっておりますが、高額の貯金払い戻しをする預金者等利便をはかるため、省令で定める郵便局においては、現金の交付にかえて小切手をもって払い渡すことができるように改めようとするものであります。  以上がこの法律案提案理由でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。  次に、郵便振替貯金法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  まず改正の第一点は、天災その他非常の災害に際して被災者救援を目的とする寄付金を、地方公共団体共同募金会等に、郵便振替貯金利用して送金する場合には、その料金を免除することができるように改め、国民の善意の救援に寄与しようとするものであります。  第二点は、電気、ガス、水道等料金の収納は、現在各事業者戸別集金により行なっておりますが、これらの公益事業等料金定期に継続して支払う場合には、支払い人及び事業者振替貯金口座を通じ、簡便な手続によって支払うことができる定期継続振替制度を新設して、双方の利便をはかり、あわせて郵便振替貯金利用を増進しようとするものであります。  第三点は、郵便振替貯金払い込み金に充てることができる証券等範囲を拡大して、その種類法律に列挙するもののほかに省令で定めるものを加えて利用者利便をはかろうとするものであります。  その他小額の払い出し金については払い渡し郵便局の指定を任意とすること及び電信による振替または払い出し請求面接口座所管庁にすることができること等加入者利便をはかるために改正を行なおうとするものであります。  以上がこの法律案提案理由でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  5. 内藤隆

    内藤委員長 これにて提案理由説明聴取は終わります。  両案に対する質疑は後日に譲ることにいたします。      ————◇—————
  6. 内藤隆

    内藤委員長 次に、逓信行政に関する件について調査を進めます。  質疑申し出がありますので、順次これを許します。森本靖君。
  7. 森本靖

    森本委員 過日、郵政大臣のほうから所管事項説明がありまして、実は当委員会としては、大臣に対して放送法の問題やあるいは電波法の問題、その他郵政事業のいろいろ重要事項について質疑がたくさんあるわけであります。本日、大臣病気のために出席ができない、こういうことでありますので、非常に残念でありますが、そういう逓信関係に関する重要な質問事項については、次回、大臣出席をされてから聞きたい、このように考えまして、本日はとりあえず一つだけ政務次官その他関係各部局長にお聞きしたい。  こう思いますことは、この間うち新聞紙上をにぎわしておりますところの例の群馬県の松井田郵便局交換手に関するリンチによる事件、こういう事件が持ち上がりまして、いま新聞紙上あるいはまた週刊誌等でかなり報道されておるわけでありまして、この問題については、当委員会としてもある程度原因を究明をし、今後こういう問題が全国的に波及しないようにという観点から、この問題を明らかにしていきたい、こう考えておるわけであります。  現在これと同じような集配特定郵便局が全国に約二万近い数があるわけでありますので、これは単なる群馬県の松井田郵便局のみの事件でありますけれども、今後特定郵便局のいろいろの問題にも関連をするように考えますので、特にこの委員会を通じてこの内容を明らかにしていきたい、こう思うわけであります。しかもその質問の趣旨は、再びこういうふうな事件特定郵便局で起こらないようにという観点からしていきたい、こう考えるわけでありますが、まず最初に当局のほうからこの事件概要についてひとつ御説明を願いたい、こう思うわけです。
  8. 服部安司

    服部政府委員 ただいま森本委員から御指摘の、群馬県の松井田郵便局に発生いたしました集団暴行事件についてでございますが、この種の事件の起きたことに対しては、まことに遺憾に存じております。  まず事件概要でございまするが、本事件は、土地柄によるものか、松井田関係者のぼとんどが積極的にこの内容を語らなかったのが、こういう大きな問題になった要因だと一応心得ております。もちろんこの種の大事件を起こしたことについては、先ほど申し上げたとおり非常に遺憾に存じておりまするが、また管理の面でも十二分でなかったこともはっきり申し上げたいと存じます。  そこで、早速係官並びに監察官を派遣いたしまして、その報告を受けたのでありまするが、大要次のとおりでありますので、御説明申し上げます。  群馬松井田郵便局集配交換特定局国有局舎で、局長笠原昇平、総定員が四十六名、交換手定員が十三名、現在員は十名において、本年一月二十五日夕刻、上席の電話主任佐藤茂子三十九歳に対して、他の電話主任宇佐美美子三十二歳ほか七名の交換手が、集団で、あるいはけとばし、あるいはなぐり、倒れた上からのしかかるなどの暴行を加え、傷害を与えた模様であります。  傷害の直後と思われる一月二十五日、被害者佐藤茂子は、矢島愛子同局交換手に付き添われて、松井田町の武井医院を訪れ、耳が痛い(他の情報によれば階段から落ちた)と言って診察を受けに参ったのでありまするが、診察をされたところ、全身打撲症やけどあとがあること及び心臓も相当弱っているので、武井医院が早速入院の要ある旨を通告したのでありまするが、御承知のとおり武井医院専門外のため、入院ができなかったので、前記矢島愛子局長父親付き添いのもとに、安中市の堀口医院におもむいて、同医院入院したのであります。  傷害程度は、レントゲン撮影の結果によりますると、脊椎七本、肋骨一本が折れており、一ヵ月間の面会謝絶のようであります。なお、このほか両手にやけどあとがあり、医師の診断によれば、一月二十五日より一週間以上前に負ったやけどのようであります。  原因については、目下警察において取り調べ中でありますので、後刻判明するものと思われますが、現在までの情報によれば、交換手間勢力争い、ないしは感情のもつれと推定できるのであります。その他の原因はない模様であります。  その後、この事件の風評が一般に伝わり始めたことに端を発しまして、二月一日宇佐美美子等は、同局職員の平林に対して、同人の妻(元同局交換手)の口の軽いことをなじって、謝罪を要求するなど、両者の間に紛糾が生じたので局長はこの問題の仲裁に入ったが、今度は局長仲裁のしかたその他の惜置に不満を持ち、局長に対して抗議を始め、最後には口頭ではあるが、交換手全員から辞意が表明されるに至ったのであります。  これに対して局長は極力辞意撤回を求める一方、来局していた原市局長部会長)及び組合役員(全逓同地区副委員長支部三役)らも辞意撤回の説得に当たった模様であります。  このような状態がその後も続いたが、二月三日の午前三時に至り、ようやく辞意撤回については了解点に達した。しかしながら、同日午後二時ごろ、交換室において局長局長代理分会長宇佐美美子の夫、同局保険外務主任)及び交換手数名の間で佐藤茂子病気のこと、(病名、治療方法等)について話し合いの際、宇佐美美子の態度のよくないことを、分会長である夫、宇佐美良一が注意をするとともになぐったことから口論となり、けんかの状態になっておるのでありますが、川崎局長代理は裂傷を負い、出血してワイシャツにも血痕があった由でありますが、今日まで診断は受けず、当日も局備えつけの救急薬品応急手当てを施したような次第であります。  本事件に関して川崎局長代理の家族は、宇佐美を告訴すると言っておりましたが、結局告訴は見合わしたような状態であります。  二月四月の午前八時三十分ごろ、局長が出勤して電話交換室に顔を出した際に、局長に言いがかりをつけて、交換手一名を残して非番の者も含めて全員局長室におもむき、局長との会見を求めたのであります。局長代理が制止したが、これを聞き入れず、執拗に局長との会見を求め騒ぎ立てた。その際に、灰皿一個を投げつけ、あるいは千枚通しを持って局長らを突こうとし、あるいは交換用ブレストを振り上げるなどし、さらには宇佐美美子局長の洋服のえりをつかんで「殺してやる、ナイフを持ってこい」などとわめき立てて局長をつるし上げた。局長は殺意を感じて、階下に待避したので、その間局長代理局長同様激しいつるし上げを始めたので、同局職員工藤清治をして初めて警察に連絡さしたところ、署長以下十名の警察官が来局、局前で待機していたとの情報もあるのでありますが、それによって事態は一応収拾いたしました。そのときは、局長室の入り口のガラス一枚破損程度であります。  二月六日には、午後二時ごろ、交換室が騒然となったので、局長阿部東京郵政局電気通信業務課長関労務連絡官交換室におもむき取り静めようとしたところ、宇佐美美子阿部課長に暴言を浴びせるとともに、局長阿部課長関連絡官交換室から追い出した。その際に、交換手上原詔代は「局長を殺してしまえ」と言いながら、局長ネクタイをひっぱったまま倒れたので、局長ネクタイが縫い目からちぎれた。  二月五日に、松井田警察署は、本事件暴力行為等処罰に関する法律違反として取り扱う方針をきめ、即日、局長及び川崎局長代理から事情を聴取した。  二月七日には、午前九時三十五分から同十一時十五分までの間、押収捜索令状により松井田郵便局局長室庶務室電話交換室を家宅捜索し、電話交換用ブレスト一、千枚通し五、木炭ばさみ一つ切り出しナイフ三個を押収した。  二月九日午前七時三十分ごろ、宇佐美美子を自宅において逮捕した。なお、他の交換手松本久視子矢島愛子上原詔代富田光子塩原文子の五名を逐次任意出頭の形で召喚した。  二月十一日、宇佐美美子を身柄とともに前橋地検高崎支部へ送致した。午後二時から松井田署において再び富田光子塩原文子の両名の取り調べを開始したのでありまするが、現在のところそのような状況でございますので、以上、簡単でございますが、事件概要を御説明申し上げます。
  9. 森本靖

    森本委員 本件については、同僚の栗原委員が現地にも調べに行っておりますので、いま御説明を受けた内容についても若干違うところがあると思いますので、あとから栗原委員のほうからも質問があると思いますが、私は順序として、この当該局定員が四十六名ということでありますが、その四十六名のうちの交換手定員が十三名というが、それ以外の保険貯金外務、それから委託業務電報配達、それから管理職が、局長局長代理主事主任、それがどういう機構になっているか、その全貌をちょっと明らかにしてもらいたい。
  10. 長田裕二

    長田政府委員 この局は定員四十六名でございまして、その内訳は、共通業務局長を入れまして二名、それから貯金内勤五人、外勤八人、郵便と電信両方入れまして、内勤が四名、外勤が十二名、電話定員十三名、予備定員が内外とも一名ずつ、で合わせまして内勤二十五名外勤三十一名、総定員四十六名でございます。
  11. 森本靖

    森本委員 質問をよく聞いてもらいたい。それから管理者というものはどういうふうになっているか。
  12. 長田裕二

    長田政府委員 特定局長局長代理一人、主事三名、主任内勤で四名、外勤で三名でございます。
  13. 森本靖

    森本委員 そうすると、四十六名の定員に対して、現在欠員はないんですか。
  14. 長田裕二

    長田政府委員 委託業務欠員は、私ちょっといま調べておりませんでしたが、電話につきましては定員十三名のうち、去年の九月に二人やめまして、その欠員がなかなか埋まりまぜず、そのままになっております。それから一月三十一日にもう一人辞意申し出がありましたが、これはまだ辞表を受理しておりませんので残っております。それからもう一人敗血症の長期欠勤がございます。いまのところ欠員二名長欠一名という状態でございます。
  15. 森本靖

    森本委員 それは交換手ですか。
  16. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいま長田郵務局長から欠員のある状況をお話しいただきましたが、昨日、東京郵政局におきましては、この欠員は完全に補充いたしまして、ただいまのとこは満配の状況でございます。
  17. 森本靖

    森本委員 そうすると交換手十三名の定員に対しては十三名の要するに満配こういうことですか。
  18. 曾山克巳

    曾山政委員 十三名の定員につきましては、完全に満配いたしましたほか、なお、若干の訓練期間等もございますので、非常勤等の余裕を見て、あと一、二名は追加できるというぐあいに申しております。
  19. 森本靖

    森本委員 申しておるんじゃない。現実に十三名の交換手定員で現在員は何名おるか、こういうことです。
  20. 曾山克巳

    曾山政委員 正確に申しまして、ただいま先生のおっしゃいましたとおり、十三名の定員に対しましては十三名配置しております。
  21. 森本靖

    森本委員 それから四十六名の定員交換手以外の欠員はないんだね。
  22. 曾山克巳

    曾山政委員 ございません。
  23. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、四十六名のうちで、局長一名、局長代理一名、主事三名、主任が七名ですから、合計管理者という、いわゆる役付の人が十二名おることになるわけですね。
  24. 長田裕二

    長田政府委員 十二名おります。
  25. 森本靖

    森本委員 外勤主任が三名じゃないですか、
  26. 長田裕二

    長田政府委員 外勤主任三名、内勤四名、それから主事三名、それと局長局長代理であります。
  27. 森本靖

    森本委員 主事三名というのの内訳はどうなっていますか、職務分担は。
  28. 長田裕二

    長田政府委員 いまその人の職務分担まで私明らかにいたしませんでしたが、一人は当然電気通信のほうも担当しておるはずでございます。
  29. 森本靖

    森本委員 まず聞いておきたいのは、局長はよくわかりました。局長代理は何歳で勤続年数どれくらいの人ですか。
  30. 曾山克巳

    曾山政委員 局長代理川崎利三郎は、四十七歳でございまして、採用されましたのが昭和八年でございますが、一たん途中で退職しましてまた再採用になりまして現職についております。
  31. 森本靖

    森本委員 それから、この主事三名というのは配置がどうなっておるかです。それから、その年齢勤続年数、これは、あなた方はこういうところから調べていかないと、管理能力が一体どうなっておるかということはわからぬですよ、はっきり言うと。主事が三名おるならば、その主事の三名にどういう人々がなっておって、その職務分担はどうなっておるか、こういうことです。
  32. 曾山克巳

    曾山政委員 主事の氏名、年齢等についてはここにつまびらかな資料を持っておりますが、分担につきましては、共通貯金並びに保険及び郵便というふうに三つに分かれておるというぐあいに理解しております、ただし確実にいたしておりませんので、後ほど御報告させていただきます。
  33. 森本靖

    森本委員 その貯金保険に一人ずつの主事、これは内勤主事ですか。
  34. 曾山克巳

    曾山政委員 申しわけございませんが、いまつまびらかにしておりませんので、直ちに報告をとります。
  35. 森本靖

    森本委員 これは、きょう私のほうから質問があるということはわかっておるのに、どだい当該局指揮命令系統管理系統が本省、郵政局においてすらわかっておらぬようでは、こういう事件が起こるのは当然ですよ。当該局には、局長があって、その下に局長代理がおって、その下に主事がおる。その下の主任が問題を起こしておるわけです。だから、その上の主事は一体どういうような人であって、どの程度勤続年数の人であるか、さらに局長代理はどういう人であって、それを統括する局長はどういう局長であるかというところから調べていかなければ、とうてい責任問題は明らかにならぬわけです。  そこで、おそらくこれは貯金保険共通ということであるとするならば、共通主事がこれの監督をすることになろうと思いますが、そうじゃないですか。このいわゆる電話交換の実際の分担をする主事共通主要じゃないですか。
  36. 曾山克巳

    曾山政委員 通信一般ということで郵便とあわせてだと理解しますが、これは直ちに調べまして報告させていただきます。
  37. 森本靖

    森本委員 実際これだけの小さな局の指揮命令系統管理系統ぐらいは、ちゃんとすでに調べておかなければ、一体だれに責任があるかということはちっとも明確じゃないわけですよ、それはあとになりますが、政務次官も、こういうことについてはよく聞いておいてもらいたいと思うのです。  それから、主任の四名というのは——外勤の三名はおそらく貯金郵便とに分担されておる、こう思いますが、四名の内勤主任内訳はどうなっておるのですか。
  38. 長田裕二

    長田政府委員 これは被害を受けました佐藤茂子宇佐美美子電話主任で、それ以外の田中宇佐美という二人の者はそれぞれほかのほうの管理をやっております。(森本委員「ほかというのはどこだ」と呼ぶ)宇佐美良一保険のほうでございます、田中につきましては、いま調べ中でございます。
  39. 森本靖

    森本委員 局長、少したよりないですね、あなたの答弁は。たったの四十六名の郵便局であって、これだけ大きな問題が起こっておって、その当該局の局内における指揮命令系統がさっぱりわからぬということでは、幾ら調査をしたところで、こんな事件が起きてくることは当然なんです。もう少し郵政省というものは緊張して、こういう事件が起こっておるわけですから、まずこの当該局の中の指揮命令系統というものがどうなっておるかということを徹底的に究明すべきなんです。だから下剋上になって、だれが一体局長やら、だれが係長やらちっともわからぬという形に実際の勤務がなってしまうのではないかと思うのです。  そこで、さらにお聞きしておきたいと思いますことは、この当該局に対する監察は、特別考査をやったことがありますか。
  40. 稻増久義

    稻増政委員 ございます。最近、昭和三十九年の一月にやっております。
  41. 森本靖

    森本委員 三十九年の一月以前にやったのは一番最近でいつですか。
  42. 稻増久義

    稻増政委員 三十六年の二月でございます。
  43. 森本靖

    森本委員 三十九年一月の考査というのは、特別考査ですか、平常考査ですか。
  44. 稻増久義

    稻増政委員 一般考査でございます。
  45. 森本靖

    森本委員 その一般考査の場合に、特別の報告事項はないのですか。
  46. 稻増久義

    稻増政委員 特に電話の仕事に関しましては指示事項がございませんでした。
  47. 森本靖

    森本委員 では、その一般電話交換に対してではなくて、局全般に対する考査に対する報告というものは、どういう報告になっていますか。
  48. 稻増久義

    稻増政委員 成績としては非常にいい部類に入っております。
  49. 森本靖

    森本委員 その報告書あとから資料として提出を願いたい。場合によったらその監察官責任を問わなけはばならぬと思う。これは三十九年の一月ですから、おそらくそのころにもかなり私は問題になったという点があると思います。  そこで、もう一つ聞いておきたいと思いますが、この東京郵政局の管轄の中には特定郵便局というのは一体幾つありますか。
  50. 曾山克巳

    曾山政委員 集配、無集配合わせまして二千七百三十九ございます。これは昨年の十一月一日現在でございます。
  51. 森本靖

    森本委員 この二千七百三十九というのを郵政局が直接監督をしておるわけですね。
  52. 曾山克巳

    曾山政委員 さようでございます。
  53. 森本靖

    森本委員 それでこういう集配特定局については、この事項で見ると大体二年に一回ぐらいの監察が行っておるわけですね。
  54. 稻増久義

    稻増政委員 二年に一回くらい行こうという努力はしておりますが、現実問題としては、二年に一回にも当たらない部類が多いと思います。
  55. 森本靖

    森本委員 現実には何年に一回かですか。
  56. 稻増久義

    稻増政委員 最近数年は郵便正常運行という点、あるいは貯金の犯罪に重点を置いて特別考査が多いものですから、行かない局は五年も行かないところがありますが、平均して三年に一回くらいだと思います。
  57. 森本靖

    森本委員 そこで、この事件の問題でありますが、どうもこの事件について、いまの政務次官報告をずっと聞いておりますと、ふに落ちない点が非常に多いわけです。いかに上州がかかあ天下といわれて女の人が強いといわれても、これだけのことを電話交換主任の人がやっておって、しかも実際問題としては、局長局長代理主事もおって、その主事局長代理が、これに対して全然制止もしておらないし、あるいはまた、それを統制しておるということもやっておらない。これは単に局長管理能力だけではないと思う。何かそこに伏在した原因がなければこういう問題は出てこないではないか。これは私は憶測になりますけれども、特定郵便局ではいろいろな問題があるわけです。たとえばここの当該局にあったとは申しませんが、しかし全国的ないろいろな問題を考えてみると、男女関係不祥事件、こういう問題がいろいろ内部に介在しておるというふうなことが、特定郵便局のいままでの事故の内容についてはありがちであります。そういう点について、ここまでこういう人たちが増長するということは決してない、何かどこかに、当該局管理のやり方について欠陥があるのではないか、あるいはまた隠された事実があるのではないかという点が、私は非常に心配になるわけであります。そういう点について、たとえば「週刊サンケイ」でありまして週刊誌でありますから、これを全部信用するとは私は言いませんが、ただ報道されたことを読んでみますと、こういう点について郵政省の監察局が監察をしておるかどうか、たとえばここに一つの理由として、松井田郵便局では、数年前に金銭的不祥事件があったんだ、局長も痛くもない腹を探られたんだろうということが載っておる。それからもう一つは、交換手同士のいろいろな問題で、向こうのことばでは、「お根性悪のオッコちゃん」というふうにいって書いてありますが、そういうことで、とにかくいろいろな難くせをつけられて交換手としてやれないということから、若い交換手の中には、ノイローゼになって長野県の千曲川に身を投げて自殺をはかった者がある、こういうことも書いてありますし、もう一つは、一番ひどい人は、朝起きたままの姿で出勤をして、気に入りの交換手を呼んでは髪を結わせ、蒸しタオルをつくらせて顔を洗い、肩をもませて交換台に着くということも書いてありますし、それ以外にもいろいろなことがこの中にあるわけであります。たとえば、松井田の市外電話はなかなか通じない、隣町の安中市には電話するよりも自分で行ったほうが早い、あるいは気に入らぬ人が電話をかけた場合には話し中ということで切られる、だからあまりにもえらい人だからさわらぬほうがよかろうというようなことを町の人が言っておる。これを全部信用するとは私は申しません。しかし、少なくとも郵便局というものは国民の郵便局であって、国民に親しまれなければならぬ局であります。それがそういうことで一般の町民に対して不快感を及ぼし、さらにまた、そういうようなうわさがあるというようなことについて、一体郵政監察当局には、そういううわさが今日まで全然耳に入らなかったかどうか、その点をまず監察局長に聞いておきたいと思いますが、隣局の局長あるいは特定局長会長あるい部会長あるいは指定局、そういうところから、そういう点のうわさというものがいままで監察局に入ってきたことがなかったかどうか、その点を聞いておきたい。それから郵政局も……。
  58. 稻増久義

    稻増政委員 この金銭の問題につきましては、保険犯罪が三十四年十二月にありまして、貯金に関しましては、やはり三十四年二月に貯金の横領事件の犯罪がございました。それはそれぞれ捜査いたしまして処分いたしております。その他の事故につきましては、残念ながら承知いたしておりません。
  59. 長田裕二

    長田政府委員 ただいまのお話の中の電話の取り扱いにつきまして、たとえば安中との連絡が非常に悪い。あるいは気にいらない人の電話についてはなかなかつながらぬというような点につきましては、この事件が起こりまして、東京郵政局から電気通信業務課長あるいは係長が出張しておりまして、その人たちに対しましても、特に業務上の取り扱いについて不当なあるいは不法なことがなかったかどうか、よく調査するように特に指示しておきました。ただいまのところまだはっきりしたデータはあがってきておりません。
  60. 森本靖

    森本委員 そこで郵政局に対して、そういうふうなうわさというものが、監察支局あるいはこの受け持ちのいわゆる指定局、それから特定局長会長、部会長、特推連、そういうふうなあらゆる郵政省の機関というものがあるわけでありますが、そういった機関から郵政局に対してそういううわさが入ってきてなかったかどうか、その点を聞いておきたいと思います。
  61. 曾山克巳

    曾山政委員 いまのお尋ねの点につきましては、いろいろその後調査いたしてみますと、松井田局長管理能力等につきまして、さらにしっかり、こういう事件が、もちろん当時あったわけではございませんが、やってほしいというような意見が、局長会の仲間の役人等から一部あっということは、調査の結果聞きましたが、全般的に見まして、このように大きな、世間に対しまして顔向けのならないような事件が起こるような事態が発生するような内紛の状態にあったということは、全然情報として承知しておりません。
  62. 森本靖

    森本委員 それでは参考のためにお聞きしますが、三十四年の保険の事故と三十四年の貯金の犯罪というものの内容をひとつ説明願いたいと思います。
  63. 稻増久義

    稻増政委員 三十四年二月の貯金の犯罪は、積立貯金の犯罪でございまして、預入金を受け入れ報告せず横領したという件でございまして、四百四十二件、三十九万五千八百円、同年十二月の保険の犯罪は、局員と部外者の方が共謀いたしまして、面接監査などせずに保険に入れまして、募集手当等を取ったという事件です。
  64. 森本靖

    森本委員 この三十四年二月の積立貯金の三十九万五千八百円、これの横領というのは一人ですか。
  65. 稻増久義

    稻増政委員 一人でございます。
  66. 森本靖

    森本委員 その一人の処分と、そのときの局長局長代理、それから主事の処分の内容を明らかにしていただきたい。
  67. 曾山克巳

    曾山政委員 事務員岩井真次郎の行ないました貯金犯罪に対し、懲戒免の処分をいたしました。なお、これに伴いまして監督責任を問責いたしまして、当該局長に対しては戒告をいたしております。並びに局長代理につきましても、減給一ヵ月の処分をいたしております。
  68. 森本靖

    森本委員 これは戒告のほうが減給より重いのですか。
  69. 曾山克巳

    曾山政委員 減給のほうが重うございます。
  70. 森本靖

    森本委員 どうしてそういう処分になるのですか。
  71. 曾山克巳

    曾山政委員 部下に対しまして直接指導責任に当たるべき局長代理のほうがより重い責任を追及すべきであるというふうに判断いたしまして、減給処分にいたしました。
  72. 森本靖

    森本委員 もしそういう考え方だったら、何で今度の事件のときに、局長だけ、職務執行停止をするのだ、それだったら、局長代理の職務執行停止をして、局長はそのままほおっておけばいいじゃないか。
  73. 曾山克巳

    曾山政委員 局長の職務執行停止をしたというお話でございますが、先ほど私もその点を確かめてみましたところ、当該関係郵政局であります東京郵政局から係官を出しまして、その本人をしていろいろと局長の行ないます職務の補助をさせておるという形のようでございます。たとえばよそに対しますいろいろな連絡とかいうようなことにつきましては、局長はもう心身ともに周章ろうばいしている形のようでございますが、内部的な事務の執行につきましてまで取り乱しておって何も執行できないという姿は、いまのところないようでございますので、そういう一方の弱点を補助するという意味で、郵政省の係官をしてそういうような補助をさせておるという形のようでございます。したがって、いまのところ局長の職務執行停止まで至っておらないのでございます。
  74. 森本靖

    森本委員 まあ順番に聞いていきますが、それから十二月の保険の犯罪の内容というのをもうちょっと詳しく説明してください。
  75. 稻増久義

    稻増政委員 犯人は、三十年三月十一日から三十三年の三月十九日までの間に、こういう不正契約の保険を百五十万円成立させて、うち五件、六十万円の金を受領いたしております。そういう事件でございます。
  76. 森本靖

    森本委員 百五十万の不正契約をして六十万円を受領したというのはどういう意味ですか。わかるように言えよ。
  77. 稻増久義

    稻増政委員 あとは支払っておりません。ただし、保険契約をした者から支払えという要求がきておるものでございますから、六十万円だけは本人に支払ってしまった、こういうわけでございます。
  78. 森本靖

    森本委員 そうすると、百五十万円の契約をして六十万というのを死亡して支払った、こういうことですか。
  79. 稻増久義

    稻増政委員 さようでございます。
  80. 森本靖

    森本委員 そうならそうと初めからそう言わなければわからぬよ。  それから、これに対する処分はどうなっておりますか。
  81. 曾山克巳

    曾山政委員 もちろん本人に対しましては懲戒免の処分をいたした次第でございます。
  82. 森本靖

    森本委員 それから管理者は……。
  83. 曾山克巳

    曾山政委員 管理者に対しましては、局長に対しまして訓告をいたしております。
  84. 森本靖

    森本委員 局長に対しては訓告だけで、局長代理に対してはやっていないわけですか。
  85. 曾山克巳

    曾山政委員 やっておりません。
  86. 森本靖

    森本委員 これはどういうわけかね。一方の積立貯金のときの処分は、局長には戒告、それから局長代理には減給一ヵ月という重い処分をしておいて、それから保険のほうのときには、今度は局長だけに処分をしておいて、局長代理には処分が一切ない、これはどういうわけかな。貯金保険とあちゃこちゃになっているのは……。
  87. 曾山克巳

    曾山政委員 失礼いたしました。手元の資料が不十分のためにいま落としましたが、局長代理に対しましても訓告の行政処分にしております。
  88. 森本靖

    森本委員 しっかりしてくださいよ、郵政省の幹部諸君は。そうしますと、三十四年の二月と十二月にこれだけの事故があった。それからついでに聞いておきますが、三十四年から四十年までの貯金保険の事業成績は、この局はどうなっていますか。
  89. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほど監察局長が申し上げました考査の成績は把握いたしておりますが、事業成績につきまして、つまり奨励、募集等につきましては、ただいま資料を持ち合わせておりません。
  90. 森本靖

    森本委員 私の質問に対してはっきりしないわけですが、三十四年にこれだけの事故が起きて、それ以降三十九年の一月までの間に、監察はいつやっていますか。
  91. 稻増久義

    稻増政委員 三十六年の二月にいたしております。
  92. 森本靖

    森本委員 三十六年の二月の監察のときには何も変わった事故はないのですか。
  93. 稻増久義

    稻増政委員 特別変わった事故はございませんが、三十九年の成績から比べますと、ちょっと落ちる成績でございました。
  94. 森本靖

    森本委員 三十九年の成績がいいというのは、どこがいいのですか。
  95. 稻増久義

    稻増政委員 評価で申しますれば、郵便とか、ただいま問題になりました電気通信関係は優ということで、指示事項郵便一件、電気通信関係はゼロという成績でございまして、貯金保険その他は大体良という成績でございます。
  96. 森本靖

    森本委員 電気通信関係が優ということは、その優、良というのはどこでけじめをつけるのですか。
  97. 稻増久義

    稻増政委員 業務面からのみ採点いたしております。
  98. 森本靖

    森本委員 業務は、どういうふうな業務の考査のしかたをされますか。
  99. 稻増久義

    稻増政委員 点検表がございまして、そして電気通信の場合も、こういう点検表に従いまして点数をつけておりますが、点検表の詳細につきましては、いまちょっとわかりかねます。
  100. 森本靖

    森本委員 その点検表の際に、そういう勤務ぶりあるいは一般公衆の評判ということは入っておりますか。
  101. 稻増久義

    稻増政委員 最近は防犯に重点を置いておりますので、特にそういう点は触れておりません。
  102. 森本靖

    森本委員 それなら電気通信は、一体何に触れてやるのだ。
  103. 稻増久義

    稻増政委員 点検表の詳細、ちょっと私も承知しませんので、その点は、追って点検表を御持参いたしたいと思います。
  104. 森本靖

    森本委員 監察官が行ったときに、こういうふうな内容を、全然うわさでも聞いたことはないのですか。
  105. 稻増久義

    稻増政委員 ただいま報告を受けておりますところでは、ないようでございます。
  106. 森本靖

    森本委員 これはもうめくらの監察官で、そういう監察官はちっとも役に立たぬ。それで先ほど私がちょっと言いましたように、こういうふうないろいろなうわさがあるということについては、現在郵政当局としては、一応これを調査しておりますか。
  107. 稻増久義

    稻増政委員 いたしております。
  108. 森本靖

    森本委員 これはおそらくあとで同僚栗原委員のほうから、現実にその内容について追及があると思いますので、私は本日はこの程度でやめたいと思いますが、いずれこれは、場合によっては理事会にもはかってもらって、東京郵政局長なり、監察局長にも来てもらって、あるいは当該の指定局あたりの局長にも来てもらって証言をしてもらって、この内容はひとつ徹底的に追及をして、将来二度とこういう問題が起こらないようにというふうに考えていきたいと思います。  ただ、ここで、政務次官にひとつ政治的な問題として聞いておきたいと思いますことは、先ほどのお話では、東京郵政局が二千七百三十九という集配、無集配特定郵便局を一手に管轄をする、監督をする。そしておそらくその局長の中で郵政局長の顔を見る局長は、三分の一もないんじゃないか。年に一回特定局長会議がありますので、そのときに、場合によっては見るときがある。それ以外はほとんど郵政局とは関係がない。こういう広範な管理機構というものは、郵政省の特定郵便局をおいてはほかにない。だからこういう管理機構の欠陥というものが一つの大きな原因ではなかろうか。たとえば電電公社の場合には、通信局があり、その下に電気通信部がある。その各県の電気通信部が各報話局の監督をする。こういう形になっておる。ところが、特定郵便局の場合は、群馬県のこの松井田郵便局局長も、それから前橋の郵便局長も同格の郵便局長であります。指導監督する権限は全然ないわけであります。これはあくまでも郵政局長でなければ、それに対する監督権はない。横の連絡調整ということはやっても、監督ということは全然できない。こういうふうな、一郵政局が関東地方全部の約三千に近い郵便局管理しなければならぬというようなことが、はたして管理機構として十分であるかどうか、こういう点についてひとつ政務次官としての考え方を私は聞いておきたい。えてして特定郵便局というものは、こういう事故が起きたり、あるいはまた犯罪事故が案外起きるというようなことがあるわけでありますが、これはやはり特定郵便局管理機構に一つの大きな欠陥がありはしないか。いま本省の人事局長、それから郵務局長監察局長の答弁を聞いてもわかるように、これだけ大きな事件が起きているにもかかわらず、本省の局長すらまだ実態をはっきりつかんでいない。そこに管理機構の一つの欠陥というものが大きくあるのではないか、こう思うのですが、その辺どうですか。
  109. 服部安司

    服部政府委員 御指摘のとおり、事実このような不祥事件が起き、なお東京郵政局で二千数百の傘下の局の管理ということも非常に問題点があろうかと存じます。したがいまして、御承知のとおり、郵政事業経営の一般について郵政審議会に諮問し、検討をお願いしておりますとともに、小郵便局のあり方については、臨時行政調査会の答申においてもこの検討を勧吾してまいっておりますので、今後あらゆる角度から十二分に検討を加えてまいりたいという意欲に燃えておる次第でございます。今後十二分に検討いたしたいと思います。
  110. 森本靖

    森本委員 政務次官ではその答えはなかなかむずかしいと思いますが、いずれにいたしましても、この三千というものを一つ郵政局管理するということは、大きな欠陥であるということははっきりいえると思う。ただ、これをどういうふうな機構にするかということについては、これは大きな政治問題でありますから、あとの問題でありますが、ただ、いまのような機構では、やはり二度、三度とこういう事件が起き得る可能性はある。そこに現在の特定郵便局管理機構が一つの欠陥があるということは認めざるを得ないと思う。  それからこの事件の結末は、現在いわゆる司法の手にゆだねておるわけでありますが、その司法権の手にゆだねておる内容が明らかになってから、おそらく郵政省としてもはっきりした行政処分等については考えると思います。しかし、司法処分がきまって単なる郵政省の処分だけで、この問題の解決はつかないと思う、でき得べくんば——主任は同格でありますからやむを得ないとしても、主任以上の役職、たとえば主事局長代理局長、これについては、全部総入れかえするくらいの機構大改革をやらなければ、この局の内部情勢というものは決して直らぬと思う。要するに、松井田郵便局の改革を行ない、ほんとうに松井田の町民のための郵便局にするためには、役付の人間については総入れかえするくらいの決意を郵政省は持ってもらいたい。これは隣局あるいは普通局との間における配置がえ、あるいは職場転換をやればできるわけでありますからそのくらいの大きな決意をもってやらなければ、単に局長を処分をしただけでは、事は済まない。私は職員の味方でありますし、また従業員あるいは郵政事業を非常に愛するものでありますけれども、しかし信賞必罰ということはやはりはっきりしたほうがよろしい。だから、この松井田郵便局の今後の改革を行なうためには、また他の局に対する風潮からいたしましても、私はこれは単なる局長だけの責任ではない、局長代理も十分に責任を持たなければならぬ、さらに主任監督するところの主事としても、やはり業務上の責任を持たなければならぬ、だからこの郵便局を改革するという根本的なやり方については、行政処分のやり方もありましょうけれども、そういう根本的な、郵便局の職場の配置のあり方というものについて考えていかなければならぬ、こう思うわけでありますが、これに対してはひとつ政務次官から、はっきりした、よい回答を得ておきたい、こう思うわけです。
  111. 服部安司

    服部政府委員 もちろんのことでございまして、十二分にただいまの発言を尊重して、まず検察当局の取り調べと相まって、その結論を見て、適切な措置を講じたいと考えております。
  112. 森本靖

    森本委員 その適切な措置も、私が言うように、管理者だけを処分をしたらそれで事終われりということでなしに、いろいろの情報を総合してみると、その局内の大改革をやらなければだめだというふうに考えますので、そういう点については、局長も十分責任があるわけでありますが、単に局長だけでなくして、局長局長代理あるいは主任の上に立つ主事、そういうものの入れかえなり配置がえなり、やはり根本的に考えていかなければならぬ、そういうこともあわせて十分に早急に検討してもらいたい、こういうことです。
  113. 服部安司

    服部政府委員 十二分にひとつ東京郵政局とも緊密な連携をとって、何といたしましてもこれだけの大事件を起こしたのでありますから、郵政本省といたしましても、十分腹をもって、今後こういった問題が他の局に波及せないようにやる心がまえを持っております。
  114. 内藤隆

    内藤委員長 上林山君。
  115. 上林山榮吉

    ○上林山委員 私はこの事件を、当局並びに新聞その他を拝見して資料を得たところによれば、いろいろな郵政犯罪があるが、どの郵政犯罪に比べてみても、こういう重大な事件を起こしたことは、私も逓信委員を約十年やっておりますが、その間に聞いたことがないぐらいでございます。まことにその点は遺憾しごくであると考えるものです。わずかの金銭の問題で郵政犯罪を起こすことも、もちろん国民に対して悪いことでありますが、今度の事件のように、半ば脅迫、暴行、場合によると、考え方によっては、犯罪の性質が殺人にも関係をするような、きわめて重大な事案であると考えます。これは専門的に調査した上、検察当局がきめることではございますが、いま集め得られた資料によって考えますと、そういうところまで発展する重大な事件であって、単に郵政犯罪という、そういう範疇で律していけないほどの重大事件であると考えるものであります。その意味合いから、先ほど、適切な質問もありましたように、根本的に事件を究明して、その欠陥を突きとめて、今後こういうことがないように、それぞれの対策を講じなければならぬと思います。  これは大臣がおられないから、われわれ保留いたしますけれども、単に意見を言えば、郵政省が東京郵政局とか、東京監察局とかいう程度にしないで、電電公社のように、あるいは二つの郵政局をつくる、あるいは二つの監察局をつくるというように、そうしたようなところから大きく改めていかなければならぬ点ももちろん含まれております。しかし、私は時間の関係でそういう根本的な問題は他日に譲りますけれども、まず第一に、質問を進める前に当局に伺っておきたいことは、松井田郵便局長は、相当経験も深いようでありますが、この人は、いわゆる民間から採用された人であるか、あるいは組合出身の人であるのかどうか、この点が第一点。  第二点は、問題を起こした中心人物と見られている宇佐美美子主任交換手の御主人は、地方の全逓の役員をしておるということであるが、これは事実であるかどうか、この点をまず伺っておきたいと思います。
  116. 曾山克巳

    曾山政委員 お尋ねの第一点でございますが、笠原局長は採用されましたときから十年くらいたって局長になっております。通信事務員をしてから現職に就任しておりますので、部内者出身であるということがいえると思います。  第二の宇佐美美子の夫でございますが、先ほど御指摘のございましたとおり、当該局松井田局の分会長をいたしております。
  117. 上林山榮吉

    ○上林山委員 これは俗にいう——俗にいうと言うと、ことばが足りませんが、普通に考えられる特定局長の性格、そういうものではなくて、いわゆる組合出身者あるいは部内出身者という相当経験を積んだ人が局長になっているということ、この局長にして、しかも主犯者であると見られておる人の主人は全逓の分会長をしておるということ、そういう雰囲気の中で、私はそうあってはいけないことでありますけれども、十分に管理能力を発揮し得る雰囲気にあるのかどうかということ、そういう点から考えて、根本的な改革をする場合には、そうしたような考え方も含んで検討される必要があると考えるのであります。こういうことに対して、一番私が遺憾に思ったことは、この主犯であると見られておる宇佐美美子主任は、自分の夫になぐりかかっていく、あるいはあねご気どりで、他の交換手の若い人たちを手なづけておる、いわばこの局内におけるある意味での独裁者です。その根源はいろいろあるでありましょうけれども、根源も大事であると同時に、そのあらわれた現象というものを厳密に私は処置していくということが大事であると考える。そういう意味合いにおいて、何か公開の席上であって言いにくいことがあるかもしらぬが、遠慮なく、あなた方の感想があればこれをまず承っておきたいと思います。
  118. 服部安司

    服部政府委員 管理体制の確立という点、また再びかようなことの起きないようにするためには、当然あらゆる角度から検討を加えねばならない。その管理が十二分にでき得なかった、その根源もあわせて検討調査すべきである、かように考えております。
  119. 上林山榮吉

    ○上林山委員 大臣政務次官も政治的責任は同じでありますから、私はただいまの御答弁を尊重して、この場で最終的な結論は要求しませんけれども、ほんとうにこの問題は劈頭に申し上げましたように、普通の郵政犯罪ではない。それもあろうが、それ以上に社会的に重大な影響を及ぼしているんだということですね。単に電話がそういうごたごたのために少しおくれたとか、だからいけないとか——これももちろんその一つですけれども、そういうものよりも、これは人命尊重、人権尊重——こういうものか公的な機関の中において公々然と行なわれておるということは、私はまことに遺憾であると思うのです。だから、その根本的な対策はいろいろありますけれども、今申し上げたようなことを参考にしてやってもらわなければなりませんが、東京郵政局が阿部電気通信業務課長を現地に派遣していろいろな対策を講じた、これはまあ加入者に不便を与えてはいけないという心組みであろうから、その処置は適切でありますけれども、この以前に東京郵政局あるいは東京郵政監察局は特に活動しておるわけですか。この人を派遣する前に、東京郵政監察局が出動したか、あるいは群馬県にある監察局の支局が活動したのか、その状況を、これより先であったか、あるいはあとであったか、こういう点をひとつ聞いておきたい。
  120. 稻増久義

    稻増政委員 事件警察の手に移りまして、郵政局監察局相談いたしまして、刑事事件のほうは警察のほうで捜査いたしておりますので、ひとまず郵政局のほうから関係官が行って調査する——もちろん前橋の支局は警察との連絡等十二分にやりまして、警察の捜査には協力しております。
  121. 上林山榮吉

    ○上林山委員 私の言うのは、東京郵政局電気通信業務課長が現地へおもむいた、こうなっているんだ。この、現地におもむいたのは、加入者に不便を与えないためということがおもなる方針であろうと思うのです。これ以前に東京郵政監察局が活動をしたのかということです。
  122. 稻増久義

    稻増政委員 先ほど申し上げましたとおり、郵政局と打ち合わせた結果、まず郵政局から行くことになりましたので、その前には監察官はこのことのために出動しておりません。
  123. 上林山榮吉

    ○上林山委員 そういう点は、あなた方は各方面から誤解を受けたり、あるいは各方面から強いおしかりを受けたりすることは当然だと思う。そういう心がまえは、少なくとも郵政監察局と郵政局と打ち合わせた結果、監察局はあとから行ってよかろう——これは普通のごたごたではありませんよ。やけどをする。少なくとも肋骨を折る。腰の骨を折る。二ヵ月の治療を要するというまことに重大事件ですよ。そうしたような問題が起こっているというのに、ただ加入者利便を与えるために電気通信業務課長が、先に、語り合った上で行ったんだ、こういういわゆる微温的な、おっかなびっくりというか、あるいは責任観念が薄いというか、そうしたような考え方でおられるということは、これは私はどうしても御弁護申し上げる気にならない。これはもう本省並びに郵政局あるいは郵政監察局、この最高首脳部の者は、この事件局長以下、刑事事件として処理され、起訴されあるいはまた行政処分として処分される場合は、これは当該郵政監察局長あるいは東京郵政局長、場合によっては本省の諸君…………(「大臣」と呼ぶ者あり)大臣はぼくから言うわけにいかぬが、少なくともそういうようなことは、私は減俸一ヵ月やそこらは、やはりみずから進んでお受けになるぐらいの考え方で処置しなければ、これは普通の郵政犯罪ではないのです。普通の郵政犯罪であるとのみ考えたら、いままでのようないわゆる処置にしかお出になりませんよ。政務次官、私はこれは前向きで申し上げているんで、この場限りのはったりでないことを、あなたはひとつよく考えられて、大臣とも御相談の上——これはとても当委員会はおさまらない、こういう立場から、この問題は他の犯罪よりもまことに重大であるという、ここにポイントをしぼってやるくらいの考えでなければならぬと私は思うが、この点いかがですか。同時に、これは打ち合わせの結果あとで行くようにいたしましたと言ったが、それはどうなのか。
  124. 服部安司

    服部政府委員 私が関知しておりますから…………。まず前段の監察官の派遣の件でありますが、私も事情はつまびらかでなかったのでございますが、いま御質問があり、監察局長の答弁から考えて、この重大な事案に対しまことに適当な措置でなかったことはすなおに認めて、今後は十二分に監察機能の最高度に発揮できるような心がまえで進んでまいりたい。  なお、後段の問題でありますが、先ほど申し上げたとおり、まことに遺憾な大事件でありますから、もちろん、大臣は本日発熱のために欠席いたしましたので私がかわって答弁いたすわけでありますが、十二分に大臣とも緊密な連係をとって、ほんとうに腹を据えて、再びかような問題が起きないように、徹底的に原因の究明をはかって意に沿うように措置することをはっきりお誓いするものであります。
  125. 上林山榮吉

    ○上林山委員 私も、この問題は当局の出方あるいは事件の推移、監察当局の活動の状態、そうしたようなものをよく見た上でさらに御質問したいと考えますので、本日はこれをもって一応終わります。
  126. 内藤隆

    内藤委員長 栗原俊夫君。
  127. 栗原俊夫

    栗原委員 松井田郵便局の問題につきましては、同僚森本君、上林山君がその原因や重要な問題について発言しておりますが、私はまず第一に当局にお伺いしたいことは、その重大性にかんがみて、本日国民の代表の場である国会で論議される、こういうことに対する万全の準備、さらにまた、現地においては、公共機関としての通信事務というものが、いっときといえども加入者に迷惑をかけないという万全の策をとる準備というものが当然できておると思うのです。もちろん起こった事実の問題については、私も現地に行ってみましたが、警察すらなかなか真相を把握しにくくて、いま難儀をしておるという状態ですから、この問題はここで直ちに議論はできません。これが明らかになって徹底的に原因究明等もさせてもらいたいと思いますが、そこでこの電話業務について過去一ヵ年ばかりの間に十数名の交換手が出ていったというのでありますが、本日の当局の報告によると、定員十三名は今日ただいま満配になっておる、こう言っておるのですが、その十数名が出入りした具体的な経過、この時点に立ってのなぜそういうことがあったかという一つの見方、特に問題が起こって以来の電話を確保するための努力、具体的な事実、当局の資料によれば、業務は正常に行なわれておるという報告資料としてもらっておるのですが、そういう大言壮語がどうしてできるのだというその裏打ちをここで明らかにしてもらいたい、このように思います。
  128. 長田裕二

    長田政府委員 先ほどもちょっとお答えいたしましたが、十三人の定員のうち、去年の九月に二人やめまして、それが埋まらずにずっときておりました。それから佐藤が長期欠勤という形になって休んでおります。欠員二人、長欠一人。それから一月三十一日にもう一人交換手辞意申し出て、この辞表はまだ受理されないままになっておったわけであります。人事局長が先ほどお答えしましたところによれば、ごく最近欠員が補充されたということでございましたが、業務のほうの面から申しますと、実は非常勤が一名相当長く働いております。欠員あと埋めという形で非常勤が少し前から来ております。それから二月六日に他局応援が一人参っております。二月七日からは下仁田局と吉井局から二名ずつずっと最近まで引き続いて応援に来ております。それから二月十日からは非常勤をさらにふやしまして、もとこの局の交換をしておりました人たちに来てもらって、二月十日に非常勤三名、それから二月十一日から六名というふうな形で来ております。  それから二月四日に局長等をつるし上げました際に、十五分ばかりほとんど全員がその席を離れているようでございます。それから宇佐美が逮捕されました二月九日に、交換手二人が出勤をしないで警察のほうについていった。それから交換をしておりました一人の者が、その知らせを聞いて警察へかけつけて離席をしたということがございました。このときも、報告によれば、一時約三分間くらい完全な空席になり、局局と局長代理交換座席にすぐについたというような報告を受けておりますが、そういう状況だったと思っております。  もちろん、いろいろトラブルがございましたから、また交換手がその途中でも、逮捕された交換手以外にも、取り調べ任意出頭を命ぜられたり、任意取り調べを受けたりしておりますし、いろいろ混乱もございましたので、若干の支障があったかと思いますが、業務に基本的な支障が起こってしまったというような事態は、それ以外にはあまり起こっておらないというような報告を受けておる次第でございます。
  129. 栗原俊夫

    栗原委員 現地の話を聞くと、現地はいまの話とだいぶん開きがあるのですよ。率直に言えば、二月三日の晩から四日の朝にかけて、全員やめるというような事態が起こったのですね。そして親御さんたちもみんな来て、もうとてもここへは娘は置いておけぬというようなことから、全員やめるというような事態が起こったのを、それでは公共の器である電話というものがとまってしまう、そういうことを言わないでということで、この第二回の報告にもありますとおり、組合の幹部等も来て、そしてそれでは組合の幹部にうちの娘を預けようということで、組合の幹部がげたをはかされて預かっておる、こういう形なんですね。そういう中からさらに二人の人が倒れていっておる。でいつ辞表を出したらいいのですか、預けてあるけれども、そう長くは預けておけません……。おととい行ったときも、金井という人のお父さんがやってきまして、この人は妙義町の教育長をやっていた人ですが、預けると言ったけれども、そう長く預けるつもりはないのだ、実際辞表を持って私は来ておったのだけれども、説得されて預けたんだが、こういうことで、実際非常に危険な状況にあるわけですね。こういうような状況のときに、はたしてこれをどう守っていくかという努力がなされたか。特に現地ではいろいろ問題になりましたが、電話業務は本来は公社のものであるけれども、ここは委託局で委託を受けておる、このときの電電公社との関係は一体どうだったんだ、電電公社に応急的な応援を依頼したことがあるのか、あるいは依頼したならば、依頼した局に対して公社はどういう態度に出たか、こういうようなことなどもいろいろ聞いてきておりますけれども、その点は電話の運行を確保するためにどういう努力がなされたか。ただいまの話では、すでにやめた人たちの中から求める、あるいは近接局から応援を求める、こういう形で一応形をつくっておるようでありますけれども、その間の実態というものをここで明らかにしてもらいたい、こう思います。
  130. 長田裕二

    長田政府委員 公社に業務上の応援を頼んだかという点につきましては、どうも私どもそういうことがあったということは聞いておりません。
  131. 栗原俊夫

    栗原委員 公社の人にお尋ねしますが、公社は自分のほうでやっていく電話事業を一部郵政へ委託しておる。委託しておるところで問題が起こって、どうにも交換業務に携わる要員が補充できない、何とか応援をしてくれというような要請があった場合の態度、心がまえ、こういうものはどうですか。
  132. 千代健

    ○千代説明員 現在郵政省と公社の間に委託業務協定がございまして、委託業務は自主的に郵政省で行なわれる、こういうたてまえになっておるのでありますが、その細目協定におきまして、天災地変等緊急の場合にはどういうぐあいにするということになっているのです。今回のような場合は、ここに協定の条文がございますが、ちょっと読んでみますと、「公社は、回線障害時又は非常災害時等において、通信の迅速なるそ通を確保するため、緊急の措置を必要とするとき、」これが一つ。「又はその通調整若しくは取扱矯正のため、迅速な措置を必要とするときは関係郵便局に対し、直接所要の申入れを行うことができるものとし、その範囲は、次の通りとする。」こう書いてあります。一般の問題は郵政省で自主的に運営される、これがたてまえでございますが、いま申し上げたような場合には、直接いろいろ申し上げるということができるように相なっておりまして、その中で、他を省きますが、「市外回線の応答又は切断の遅延に対する注意」その他云々とございますが、こういったぐあいになっておりまして、たとえば、この場合に、高崎との市外通話が切れる、三十分もつながらないというような場合には、直ちに申し入れをやる。十分でも切れた場合はすぐ申し入れをやって、それを調整するということになっておりますが、それ以外に「臨時措置関係」という項目がございまして、これも「非常災害時等緊急の事態において、委託業務の遂行上必要あるときは、郵政省は、公社に対し、援助協力を要請することができるものとし、公社は、自己の負担において、これが要請に応ずるものとする。」たとえば、三宅島の爆発の場合、約二年半ばかり前でございますが、ああいうときには直ちに緊急応援班をつくって送っております。今回の場合には、二月の四日でございますか、四日の午前に約三十分間高崎との市外通話が通話不能になっております。それで九日でございますか、警察へこの五人が引っぱられて、それがために取り扱い者の多数の人が警察へいろいろ理由を尋ねにいった。この場合には、やはり三十分ばかり通話がとだえたことがございます。そのときに、直ちに申し入れをやって、群馬通信部、ここの運用課長と、それからこの親局であります高崎の電話局の運用部長が直ちに現場に行っていろいろ折衝いたしております。それで、その際に応援要請があればいつでも受けましょうというので、前橋、高崎の局の運用担当の副課長を待機させて待っておったわけでございますが、郵政省のほうでうまく手が回ったそうでございます。それで、そのときには要望がございません、こういうことになっております。  なお、私どもも非常にショックを受けまして——電話というのは通じて初めて用をなすものでございますから、私どもはもちろん経験のないことでございまして、何かこれを予知するような方法がなかったかということを真剣に反省してみたわけでございますが、私、直接現場の責任者に問いただしまして、何か以前からコンプレインが出ておったんじゃないか。もしそういうことがあったら、郵政省のほうへも申し上げておいたほうがベターじゃなかったかという観点から調べまして、特に最近、この定期異動で人がかわったりしたものですから、前任者等までこれを追及していろいろ聞いたわけでございますが、そういった事態は従来ほとんどございません。そういうことでございます。
  133. 栗原俊夫

    栗原委員 いま営業局長の言っておることと現地で聞いたことには、いささかずれがあるのですが、いずれこれは機会をあらためて、ひとつしっかりとやりましょう。  問題は、たしかに現地でも何とかその場をしのぐような方法をやっておるには相違ないのですが、実際には、肉体的にも物理的にもやれないような組み合わせにだんだんなってきておるのですね。これをこの際、ああいう事件を起こしたその上に上塗りして、電話のほうの運行にも支障があるというようなことを起こしてはならぬと思うのです。だから、起こった事件は、まことに遺憾であるが事件として処理していく、しかし、そのことによって通信の運行には迷惑をかけないという体制は、全責任を持って確保していかなければならぬと思うのです。  そういう中でいろいろ問題になるのは、いまも言ったとおり、いろいろと新しい人も求めたように書いてありますけれども、何かちょっと、私はしろうとでわからぬけれでも、古い交換方式で、ちょいと行ったのでは、教わってすぐできぬような交換方式が松井田交換方式なんだというようなことを聞いておりますが、そういうことを考えるときに、やはり応急的に事務的に補充する方法は、何といっても近接局から応援を求めるという方法と、総親分である公社のほうから応援を求める方法、この二つが基本的だろうと思うのです。退職しておる人を再び呼び上げてくるということも一つの大きな道ではあろうと思いますけれども、応援に行っておるところは応援に行っておるところで、出しておるほうにもすぐに支障が出るのです。もらったほうはそれでけっこうだけれども、出しておるほうは出しておるほうで余分を決して置いておりませんから、そこへやはり穴があくというようなことで問題が起こる。こういうことを考えると、これはどうしても徹底的にこの問題の解決を当面してもらわなきゃならぬ、こう思うわけです。  特に言いたいことは、何か十三人数がそろっておると言いますけれども、私が行って見た目では、ある時点に立つと、いままでおった交換台の人たちはやめていく公算が非常に多いのです。親御さんたちに聞いても、とてもやっておけぬと言うのです。娘もとても行っちゃおれぬ、こう言っておるのです。だから、こういうことであるから、いつでもずっとおるんだという前提でいくと、これは相当事態が違いますから、そこまでやはり読みを深めた対策を立ててもらわなきゃならない、こう思うわけです。  たまたまこれは私の地元なんで、いろいろ申し上げたいことはたくさんあるのですけれども、前提がまだ固まっておりません。はっきり言って事件そのものは警察の手に移り、監察の方面も、そういう事態ですからほんとうの事実問題が把握できておりませんから、私は今日特にこういう事件が起こったことは遺憾である。遺憾だけれども、通信業務は確保するんだということ、このことはできることですから、これを徹底的に当面確保してもらうことと、具体的な事実が明らかになったら、そこできっちりと、なぜこういうことが起こるか——私は、やはり特定局のあり方等についても相当問題があるように思います。いろいろ異論もあるだろうし、それから人間的にも、前の手島大臣のときにもいろいろ論議したわけですけれども、もちろん特定局長の二代目、三代目にもりっぱな方々も多いことも知っていますけれども、しかし二代目、三代目がきっといいとは限らぬ。この辺なかなか問題の存するところでもあろうし、これらの問題については、そういうことが明らかになった上で、ひつと当委員会全員あげて、善処する方向を論議の中から導き出したいと思います。ひとつその節は副大臣もよろしく御協力をお願いしたいと思います。  本日はこれで終わります。
  134. 内藤隆

    内藤委員長 次会は来たる十九日午前十時三十分から理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時十九分散会