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1965-06-01 第48回国会 衆議院 地方行政委員会 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年六月一日(火曜日)     午前十時三十八分開議  出席委員    委員長代理理事 田川 誠一君    理事 亀山 孝一君 理事 久保田円次君    理事 川村 継義君 理事 佐野 憲治君    理事 安井 吉典君       大石 八治君    武市 恭信君       登坂重次郎君    森田重次郎君       山崎  巖君    重盛 寿治君       華山 親義君    細谷 治嘉君       門司  亮君    吉田 賢一君  出席政府委員         総理府事務官         (経済企画庁水         資源局長)   鈴木 喜治君         厚 生 技 官         (環境衛生局         長)      舘林 宣夫君         建 設 技 官         (河川局長)  上田  稔君         自治政務次官  高橋 禎一君         自治事務官         (財政局長)  柴田  護君  委員外出席者         自治事務官         (財政局公営企         業課長)    近藤 隆之君         参  考  人         (東京都副知         事)      鈴木 俊一君         参  考  人         (東京水道局         長)      扇田 彦一君         専  門  員 越村安太郎君     ————————————— 六月一日  地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法  律案安井吉典君外九名提出衆法第五号) は委員会許可を得て撤回された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  閉会審査に関する件  地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法  律案安井吉典君外九名提出衆法第五号)の  撤回許可に関する件  地方財政に関する件(東京都の水道事業に関す  る問題)      ————◇—————
  2. 田川誠一

    田川委員長代理 これより会議を開きます。  委員長所用のため、委員長の指名により、暫時私が委員長の職務を行ないます。  おはかりいたします。  安井吉典君外九名提出地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、提出者の全部より撤回申し出がございます。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田川誠一

    田川委員長代理 御異議なしと認めます。よって、撤回許可することに決しました。      ————◇—————
  4. 田川誠一

    田川委員長代理 次に、閉会中零審査申し出の件についておはかりいたします。  内閣提出にかかる石油ガス譲与税法案につきまして、閉会中もなお審査を行なうことができますよう議長に対し閉会審査申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 田川誠一

    田川委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————
  6. 田川誠一

    田川委員長代理 地方財政に関する件について調査を進めます。  本日は東京都の水道事業に関する問題について、参考人として東京都副知事鈴木俊一君、東京水道局長扇田彦一君が出席されております。  この際参考人に一言ごあいさつ申し上げます。  参考人におかれましては、御多用中のところ当委員会のため御出席をいただき、まことにありがとうございました。  なお、参考人の御意見は委員質疑に対する答弁の形でお述べ願うことにいたします。  直ちに東京都の水道事業に関する問題について質疑を行ないます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。華山親義君。
  7. 華山親義

    華山委員 お忙しいところおいでくださいまして恐縮に存じますが、東京都の副知事さんでも水道局長さんでもよろしゅうございますから、今年の水の情勢、それから昨年から始まりましたところの利根川荒川余剰水取水について、それから第一次利根川計画につきまして、また第二次利根川計画につきまして、それから新規の計画につきまして、大体のことは存じておりますので、あまり詳しくなくてもよろしゅうございますからひとつ御説明を願います。
  8. 鈴木喜治

    鈴木参考人 東京の今年度水道の水の見通しについてどうであるかという第一のお尋ねでございます。本年は、実は去る三月一日にいわゆる武蔵導水路と申しておりますが、利根川から荒川に水を引いてまいりまして、荒川から東京都へ水を持ってまいりますその導水路が完成をいたしました。三月一日から利根川余剰水をもらえる施設ができたわけでございます。三月一ぱい約二千万トンの水を利根川からいただくことができたわけでございます。ところが、四月になりましてから異常の渇水と申しますか、雨量が少ないために、利根川余剰水といたしましては、栗橋のところで毎秒二百トン以上の水がございませんと、かんがい期におきましては余剰水東京にやることはできない、こういう話し合いになっておりまして、四月からまさにそのかんがい期に入りましたのでございますが、栗橋のところで毎秒二百トンの流量を割る、こういうようなことになりましたので、ついに四月中は全く利根川の水をいただけない、こういうようなことになったのでございます。私どもといたしましては、政府当局にもいろいろお願いをいたしまして、四月末の状況では東京の水は多摩川水系につきましては約二十日分を残すだけの水壁になってしまったものでございますから、二百トンの流量を少し割っても東京に所要の水を分けてもらいたい、こういうことをいろいろ要請をいたしまして、また関係各県の知事にもお願いをいたしまして、よかろうということになりましたところに、五月の初めから雨が降るようになってまいりました。五月に入りましてからは引き続きずっと利根川の水を毎日、日量にいたしまして百万トン近いものをいまもらっておるわけでございます。この利根川の水をもらいます施設は、ことしの八月一ぱいになりますと、さらにこれが百三、四十万トンの能力を持つようになるのでございまして、余剰水があります限りは、昨年と違いまして、かような利根川という大きな川と東京水道が結びついたというところで、本年の水の見通しは全体として明るいというふうに考えておる次第でございます。また同時に、最近の非常な雨量によりまして、小河内貯水池利根川の水が使えます限りは、それだけ小河内貯水池の水の使用量が減ってまいります上に、異常な多量な雨によりまして、今日の貯水量につきましては、小河内村山、山口合わせまして七千八百四十八万トンになっております。なおどんどんふえていく状況でございまして、昨年に比較いたしますると、三千五百万トン程度貯水量が多い、こういうような状況でございまして、今年は昨年のような都民に対する御迷惑はかけないで済むという明るい見通しになっておる次第でございます。  第二番目のお尋ね利根川荒川余剰水の問題でございますが、これは第一の問題について御説明を申し上げました中に織り込んで申し上げましたような次第でございます。  それから第三点の、利根川の第一次計画でございますが、これは東京都の負担をいたします分は総額約八百五十億でございまして、この計画を、当初の計画を繰り上げまして、四十三年度からは予定の百二十万トンの水が利根川から東京水道に送り込める、こういうペースで水資源公団の担当しております各種のダム導水路工事、また東京都の担当しております埼玉県の朝霞の浄水場、それから東京都内上井草配水池工事、またそれらをつなぎますところの送水管工事、また都内の各系統を結びますところの配水管工事を鋭意進めておる次第でございまして、これは当初の予定よりも二年繰り上げて工事をやっておるというような状況でございます。これにつきましては埼王県の格別な協力を私どもお願いいたしまして、その完全な協力を得ましてどんどんと進んでおるような次第でございます。  第二次の利根川系計画についてのお尋ねでございますが、これは総量百五十四万トンの水を昭和四十五年までに東京都にいただく、こういう計画でございまして、この工事昭和四十年、すなわち本年度から着工せられまして、一つ利根の常陸川水門というのが現在ございますが、その隣に利根の本流を横切るところの河口せきを建設する工事、それから神戸ダムをつくります工事、あるいは利根川から水をとります取水せきをつくります工事等、いろいろございますが、そういうようなことに対して東京都の負担をいたします額は総額八百億でございます。本年度から予定どおり着工いたしておりまして、私どもといたしましては水資源公団にも特に工事の進捗をはかっていただきまして、昭和四十四年度からこの水がもらえるようにお願いをしたいということで、都の分担分公団分担分も、それぞれに格別なヘビイをかけてもらい、またみずから努力する、こういう態勢でいま着々進んでおる次第でございます。これがまいりますると、昭和四十五年におきましては、現在東京都の給水能力は二百四十五万トンでございますが、第一次の計画によりまして百二十万トン、第二次の計画によりましてさらに百五十四万トン、これを全部合わせますと、昭和四十五年におきましては五百十八万トンの給水施設能力を持つことになるわけでございまして、同時にそれに対応する水源がいま申し上げましたようなことで確保せられることになるわけでございます。  それからなお昭和四十六年度以降の水資源の対策でございますが、昭和四十五年におきましていま申しましたような工事が完成いたしますると、東京都の水の需要と供給が完全にバランスがとれるという計画でございます。一人当たり給水量五百リットルにいたしまして計算をいたし、またさらに三多摩地区に対する水の供給というようなこともあわせ考えまして、さっき申し上げました五百十八万トンという供給能力をもちまして、一人当たり五百リットルの水が完全に確保できるというのでございます。それから先につきましては私どもとしましてはまだ確定的なものがございませんが、さらに利根川相当の水量を期待することができると存じまして、ただいま政府、ことに経済企画庁のほうの計画当局にいろいろお願いをいたしておるのでございます。もちろんそのほかに笛吹川、千曲川を合わせました長野、埼王県にまたがる水源の問題、あるいは富士川の水の問題でございますとか、あるいは富士五湖の関係の水の問題でございますとか、いろいろございます。また利根川につきましても、利根川上流の尾瀬の第一、第二、第三の発電所関係の水の流域変更をいたしまして、利根川のほうに流していただくというようなことなども関係各府県とともに私どもとしては要望しておる点でございますが、将来といたしましてはおおむね一千万トンを目標にいたしまして、それだけの水資源の確保をするように今後も努力をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  9. 華山親義

    華山委員 ただいまのお話を承りましたが、私といたしましては東京都につきましては都民が不自由しないだけの水を多量に持ってくるべきだと思いますし、そのことによりまして水の単価も下がるわけでございます。それからあとで伺いますが、資金計画等につきましても非常な影響のある問題もございますのでお答えを願いたいと思いますが、これにつきましては政府当局から御出席の方におおむねお聞きすることが多いと存じます。  一つには、先ほどお話がございましたが、栗橋地点で毎秒二百トンの流量があるときにのみ取水できる、そういうふうな余剰水ということになっておりますが、この条件東京都に対しては私は苛酷ではないか、こういうふうな気持ちがいたします。この毎秒二百トンということは下流農業用水既得水利権を保護する、こういうことから出たものでございますかどうですか、これは河川局でございますかどちらでございますかわかりませんが、お答えを願いたいと思います。
  10. 上田稔

    上田政府委員 お答え申し上げます。  実はいま東京都のほうで利根導水路を使って、そしてまた荒川を使って、最後に秋ケ瀬地点からポンプで東村山浄水場のほうへ水を引くという施設が大体でき上がってきたというお話がございましたのですが、その導水路を通ります水は大体五十トン考えております。そのうちの二十トンが東京都の上水道並びに埼玉県の工業用水道というものを考えて、そのうち東京都としては十六・六トン、その十六・六トンがいまの御説明になった第一次の百二十万トンパーデーというのに当てはまっておるわけでございますが、これはいま御説明があったとおり上流矢木沢ダム下久保ダム、これは水資源開発公団でやっておりますが、その公団でやっておるダムができ上がらないとその水利権は出てこないわけであります。ところが先生御存じのように、現在非常に東京都が水に困っておるということでございますので、余分の水があるときに何とかならないかというのが東古都に対する緊急水利話し合いをいたしましたもとになっておるわけでございます。それが下流のほうにおきましては、江戸川と利根下流栗橋の水が分かれてまいるわけでございますが、そのまいりますときに、利根下流のほうにおきましては、布川を通りましてそして銚子を通りまして太平洋に入るわけでございますが、大体利根下流のほうにおきましては、佐原において塩害がよく起こるわけでございます。その塩害が生じますのは、これは干満の差によって生ずるわけでございまして、その干満の差の大きいとき、つまり大洲のときに起こるわけでございます。その春の大潮がちょうど東京都がいま水に不足して困られた四月から五月の初めにかけて起こっておったわけでございますが、そのときはおきますと、布川において七十トン程度流れておりましても少し塩害が生じまして、ことしは特に潮来なんかは塩水を飲まされておるというような状態になりまして、そういう点で下流のほうは非常にやかましいわけでございます。それじゃ七十トンよりもちょっと多ければいいかというと、その辺の数字になりますと非常にむずかしいわけでございます。それからもう一つ栗橋で流れておりましたものが関宿で江戸川と利根下流と二つに分かれるわけでございますが、その分かれ方は大体半々、これは流量によって違うわけでございますが、そのぐらいの流量でございますと大体半々ぐらいに流れておるわけでございます。それで百四十トンから百五十トンぐらいのところが塩害が起こるか起こらないかという現在大体境のところでございますが、その辺が潮が非常に高くて、東風が吹いてきたときにはさらに潮が上がるじゃないかというのが下流方々の言い分でございまして、その結果二百トンというようにすれば両方へ百トンずつ流れるから、そのときには千葉県、茨城県においては塩害を生ずることがないのであろう、だからそれ以上の水であれば東京都に持っていかれてもけっこうでございますというのが、その会議のときの話し合いできまった数字でございます。
  11. 華山親義

    華山委員 農業用水の問題よりも、むしろ重点は利根川下流におけるところの塩害の問題にあるということでございますね。——そうしたならば、布川の辺にそういうふうな塩分幾らあるということを刻々に検査する方法をとって、そしてできるだけ東京都に余剰水を分けてやったほうがいいのじゃないか。上流栗橋でこれを押えるということは一体どういうことなのか、私には了解ができないのでございますけれども、いかがなものでございますか。
  12. 上田稔

    上田政府委員 お答えを申し上げます。  実は緊急水利の打ち合わせのときにおきましては、栗橋が二百トン、それから先ほど布川が七十トンと申し上げましたのは間違っておりまして、布川は百二十トン、それから町田が八十トン、それ以上ある場合において、その三つの条件が満足するときにおいて取ってもらってけっこうだ、こういうことになっておるわけでございます。それで私どものほうといたしましては、塩分の濃度というものはその時点においてはいろいろはかっておるわけでございますが、何ぶんいま申しましたように、東風が吹いて銚子河口に潮が上がってくるとき、吹き寄せがあって上がってくるときには塩害が生じてくるわけでございます。その辺のところは非常に微妙なところがございまして、しかもこれを始めましたのが四十年度からでございますので、流量幾らのときに幾らの風が吹いて、潮の変化が幾らのときに塩分がどうなるであろうという結論はまだはっきり出ておりませんので、現在のような数字になっておるわけでございます。
  13. 華山親義

    華山委員 栗橋の二百トンと申されますのは布川の百二十トン、野田の八十トンの合計という意味でございますか。
  14. 上田稔

    上田政府委員 大体合計のような形になっておるわけでございますが、このほかに鬼怒川だとか小貝川が入ってくるのでございますけれども、非常に量が少のうございますので、大体それに見合うというものでございます。
  15. 華山親義

    華山委員 万全をとられたという意味でそうなされたのかもしれませんけれども、私は結論的に言うならば、住民の方々や、茨城県、千葉県の方方の協力を得るならば、もっと余剰水というものが東京には分けられるんじゃないか、こういうふうな気がいたします。大体考えてみますと、栗橋地点に二百トンの流量があるという場合には、同じ関東地方荒川にも相当の水が流れるわけなんです。それですから、利根川の水を取らなくても荒川取水でいいんじゃないかというふうにさえも考えられるわけです。そうするならば、利根川取水というふうなことに膨大な経費を使ったということはある程度効果が減殺されるのじゃないか。繰り返して申しますが、それだったならば、栗橋地点の二百トンということであるならば、荒川だけでも間に合うのではないか、こういう、ふうな気もいたしますが、これについてはどんなふうにお考えになりますか。やはり荒川だけでは間に合わないのでございますか。
  16. 上田稔

    上田政府委員 荒川流量は、冬季におきましては、ひどいときといいますか、一月、二月ごろでございますと、相当雨がございませんと大体十トン以下に下がってしまうわけであります。したがいまして、荒川からの流量の期待というのは非常に少ない、どうしても利根川によらなければいけない、こういうことになるわけでございます。
  17. 華山親義

    華山委員 利根川が増水をして余剰水をもらえるときには、荒川も水がふえるのではないか、こういうことを申したわけでございますが、そういうふうな過去の実験的なデータというのはございませんか。
  18. 上田稔

    上田政府委員 過去の記録を見てみますと、かんがい期におきまして——大体利根川は四月からかんがい期になる。かんがい期というとちょっと早うございますが、苗しろをつくったりする水を取るものでございますから、四月からそういうふうに考えてもらいたいということになっておりますので、四月からの水を考えておりますが、その四月におきましては、利根川におきましては上流に積雪がございまして、毎年の例でいきますと、大体四月の初めあたりに融雪というのが始まりまして、そして流量がふえてまいります。そうしますと、大体二百トンをオーバーいたしまして、多いときは四百トン一くらいまで上がってきます。それが一カ月近く続く。次につゆが始まるということで、例年の普通の年でありますと、相当利根川流量がふえるわけでございます。荒川は山が非常に少のうございまして、それも秩父の山でございますので、もう三月ごろまでには雪が解けてしまっておる。したがって、融雪ということはほとんど考えられない。つゆになればあるいは水が出てくるかもしれません。そういうことで、荒川に依存するということは非常に危険になるわけでございまして、どうしても利根川によらなければいけない、こういうことでございます。
  19. 華山親義

    華山委員 荒川だけでいいじゃないかという極端なことを言うわけじゃございませんけれども、もう少し下げてもいいのじゃないかという気がいたします。先ほどお話の中に、ダムができればもっと下げてもいい、百四十トン程度でもというお話がございましたけれどもダムができれば百四十トン程度でもいいというふうなことは、二百トンでなければいけないということと塩害ということを考えあわせますと、了解いたしかねますけれども、どういう意味でございますか。
  20. 上田稔

    上田政府委員 お答え申し上げます。  ダムができ上がりますと、そのダムによって出しますいまの百二十トンの水というものは、東京都の水道用として出すわけでございますので、その水は、いままでの水が自然の状態に流れております上にプラスされる量でございます。したがいまして、その量は東京都のほうに持っていける、こういうことになるわけであります。
  21. 華山親義

    華山委員 そうすると、その際にも栗橋を流れる毎秒のトンは常に下流に対しては二百トン以上ということでございますね。私がお聞きしたのは、百四十トン一でもそのときはいいんだというふうにお聞きしたのですが、私の聞き間違いでございますか。
  22. 上田稔

    上田政府委員 いまのダムができました場合には、利根川の現在の流量というものはふえるわけでございますので、そのふえた分をとりましても下流に対して害は与えないわけであります。ところが現在流れておりますものを一部とりますと、これは自然に流れておる状態においては、下流においてある害が与えられる可能性が出てくるわけであります。それでその与えられる可能性が出てくるものを栗橋で二百トン、それから布川において百二十トン、それから野田において八十トンそれよりも以上に水のあるときには東京都がとっても影響がない、こういうふうにしたわけであります。
  23. 華山親義

    華山委員 先ほど百四十トンとおっしゃったと思いますけれども、違いますか。ダムができればあの栗橋のところの流量は百四十トンでもいいのだというふうにおっしゃったと思いますが、違いますか。
  24. 上田稔

    上田政府委員 その百四十トンというのは私は申し上げなかったのですが、計画といたしましてはダムができたときには現在の流量以上に出てくる水が百二十万トンであるというふうに申し上げたのであります。ただその場合に、いろいろな年がございますが、非常に渇水で悪い年には栗橋においては百四十トンくらいになることもある。これはダムをつくったから百四十トンになるわけではございませんで、普通の悪い年、渇水年にはそういうふうになることもあるということでございます。
  25. 華山親義

    華山委員 そうすると、利根計画ができた場合には、東京都としては、現在のような余剰という観念ではなしに、権利としてもらえる。したがって、その東京都が権利として取水した場合には、下流においては百四十トン程度になる場合もあるであろう、こういう意味でございますね。
  26. 上田稔

    上田政府委員 現在の自然のままでいきますと、下流においては百四十トンよりももっと悪くなるときもあるわけでございます。ところがダム計画としては、下のほうに対しても、その不特定多数に対して百四十トンになるようにいたしましょう、東京都に対してはそういうことのほかに百二十万トンという水をお出しをいたしましょう、こういうことでございます。
  27. 華山親義

    華山委員 私がこういうことを申しますのは、東京都のほうにお伺いしたのでございますが、いまのお話、われわれここで執行部会議をやっているわけでもございませんから、今後どうなるかということは別にいたしまして、私は東京都というものは、せっかくつくったあの施設でございますから、できるだけ、来年のこともありますから余剰水はもらうべきじゃないか。その際に、この余剰水をどこにためておくのか。現在では直接東村山浄水場に持っていっていられるわけでございますけれども、ここではやはり限度があるのであって、たいした経費もかからないのでございますから、この東村山まで引いてきている原水連絡管村山貯水池まで延ばして、そこで冬の間はできるだけ下流協力を求めてそこに水をためておくというふうなことが必要ではないのかと思います。そんなにたいした距離でもないと思うのでございますが、あそこに何かそういうふうな施設をするということは非常に不経済だとか、何かたいへん金がかかるとか、そういう問題があるのでございましょうか。私はそのほうがいいと思いますが、東京都のほうの御所見を伺いたい。
  28. 扇田彦一

    扇田参考人 ただいま余剰水取水させていただいておりまして、これが東村山浄水場に参りまして東村山浄水場の原水に相なっておるわけでございます。利根川の水を使用した分だけ村山貯水池からの引き出し量を減らしておる。結果的には利根川の水を村山貯水池、さらには小河内地区にためている形になるわけでございます。現在のところ貯水池系統の所要量が利根川余剰水を上回っておりますので、利根川から水があがりましてもなお村山貯水池から引き出す必要があるわけでございます。いま一滴もむだになっておらないわけでございます。さらに、貯水池系の能力そのものは、標準といたしましては大体一日百方トンでございますが、実質能力は百五十万トンくらいあるわけでございます。今後百三十万トン以上の余剰水があがるようになりましても別にむだがなく消化ができる、その分だけ貯水池にためられるということになるわけでございます。  それからただいまお話がございましたような原水導水管を村山貯水池に直接入れたらというお話でございました。確かに直接入れますればその点は効果はあるわけでございます。技術的には可能でございますが、ただ、標高差がございまして、東村山浄水場の標高が約八十メートル、山口貯水池のほうは約百二十メートルございますので、入れますためには、パイプを延長するだけでなく、さらに四十メートルほどを新しいポンプであげなければならないということになりまして、その分だけコストがかかることと、それから余剰水の問題は現在きめていただいておりますのはせいぜい四十年度一ばいということもございますの−あまり経済的には合わないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
  29. 華山親義

    華山委員 その点さらに東京都と政府におきまして、来年もどうなることかわからないのでございますから、この冬の間、下流に対しましては農業用水の問題もないわけでございまするし、できるだけ余剰水東京都にあげるようにひとつ御配慮を願いたいと思うのでございます。東京知事政府に対しまして、初め四月ごろまでに入らないので、心配をしてもっと流量の限度を下げてもらいたいという交渉をしたというお話も聞いておりますし、ただいま副知事からのお話もあって、各県の了解を得たのであったが、たまたま雨が降ったからいいという話がありました。まだ可能性があるのじゃないか、私はこういうふうな気もいたしますので、政府におかれましてはこの点もっと努力を続けてもらいたい、こういうふうに考えます。百四十トンの問題は先ほどの話でしろうとながら大体了解がいったような気がいたします。  次に、第一次利根川計画について伺いますが、現在利根川の河川敷地と見沼代用水との落差はどのくらいあるのでございますか。
  30. 上田稔

    上田政府委員 ちょっといまその数字はここに覚えておりませんが、調べて御報告いたします。見沼代用水の入り口における利根川の河床とそれから見沼代用水の取り入れ口の高さとの差を調べてお知らせいたします。
  31. 華山親義

    華山委員 それから何か話によると、とるだけのことができないのだというふうな話がありますけれども、何か相当の落差があるというふうにも聞いておりますので、その点ひとつ御解明を資料でお願いしたいと思います。  その次に伺いますが、下久保と八木沢ダムにつきましては、多目的ダムと思いますけれども、多目的ダムでございますか。
  32. 上田稔

    上田政府委員 多目的ダムでございます。
  33. 華山親義

    華山委員 東京都の水道のほかにどんなものが目的としてあげられておりますか。
  34. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 お答えします。  八木沢ダムのほうは洪水調節、かんがい、上水道、発電でございます。下久保のほうは洪水調節、かんがい、上水道ダムでございます。
  35. 華山親義

    華山委員 そうしますと、アロケートがあるわけでございますね。
  36. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 当然特定多目的ダム法の例にならいまして、アロケーションをやっております。
  37. 華山親義

    華山委員 例にならいましてと申しますのは、特定多目的ダムと全く同じふうにやっておりますか。
  38. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 ただいま八木沢、下久保につきましては、建設省から水資源公団が引き継ぎまして、公団事業としてやっておるわけでございますが、公団法並びにそれの施行令に基づきまして特定多目的ダム法並びにその施行令の例にならってやるように法制上なっております。したがって、その例にならいましてアロケーションをやっております。
  39. 華山親義

    華山委員 私が勉強したところが不足であるならば、私、教えていただきたい。認識を改めますけれども、特定の多目的ダムにつきましては、ほかのものは妥当投資額を算定するところの単価があるわけでございますが、水道については見受けませんがどうなっておりますか。
  40. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 ただいままでのところ制度的に確定したあれはございませんが、いままでの例といたしまして、最近までやりました分につきましては、大体のところ原水でトン当たり二円ということを基準にしてやっております。
  41. 華山親義

    華山委員 原水二円、これは主管庁はどこで協議してきめなければいけないことになっておりますか。主務官庁はどこでございますか。
  42. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 これはアロケーションをやります場合に、ただいまの例で申しますと、多目的ダムでございますので、公団事業のうち多目的ダム、治水の入っておる分につきましては主務大臣は建設大臣ということになっております。したがいまして建設省がアロケーションの原案をつくりますが、当然に上水道の場合は厚生省でございます。工業用水の場合は通産省も関係いたしますので、経済企画庁が間に入りまして、それの調整をやっているというような実情でございます。
  43. 華山親義

    華山委員 工業用水は幾らでございますか。
  44. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 工業用水の場合には上水道と若干違いまして、——申しわけありませんが、詳しいことはただいま存じておりませんが、工業用水の場合には御承知のような補助金の基礎になります価格がございます。たとえば四円五十銭、五円五十銭、いろいろございますが、それを出発点として逆算して計算しております。
  45. 華山親義

    華山委員 四円五十銭がそのままなっておるわけじゃないですね、施設費を引きますから。これは一体どっちが高いのですか。
  46. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 いろいろな例によって必ずしも同じでございませんが、両方とも大体二月前後のような実例になっております。
  47. 華山親義

    華山委員 二円ときめられたのはどういう計算ですか。
  48. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 先ほど先生の御指摘のように、上水道については、農業あるいは電気のように制度的にきまったものがございません。したがいまして、各省話し合いでやっておるわけでございますが、三十五、六年ころの実績から算定いたしまして、それをさしあたり現在とっておる状況でございます。
  49. 華山親義

    華山委員 決してことばが激しくなっても詰問するわけじゃございませんけれども、実績とは何でございますか。
  50. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 三十五、六年当時でき上がりました上水道一建設費、これを基礎にしまして原水単価を出しました、それが大体二円程度である、こういうことでございます。
  51. 華山親義

    華山委員 そうすると、それでもってアロケーションをきめておられるわけでありますが、資料の御提出を願いたいと思います。工業用水は幾らなのか、そういうふうな点もあわせまして、二円というふうにきまった、こういうふうなことについての経緯につきましての資料を出していただきたい。
  52. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 公団事業で、現在までにアロケーションをやった実例につきまして提出いたします。
  53. 華山親義

    華山委員 建設省からも出していただきたい。よろしゅうございますか。
  54. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 公団事業のほうでございましたら、私のほうで便宜一括いたしまして御提出いたします。
  55. 華山親義

    華山委員 もう二円というものはきまっておるのでございます。その場その場によって、各省大臣と、関係省と協議してきめるということになっておるわけでございますが、この多目的ダムのアロケートがどの程度であるかということが、水の原価に非常な影響を持つわけであります。したがって、この計算がどうなっておるかということにつきましては、自治省、厚生省は非常な関心を持っていなければならない。またこれは大きな関係省だと思うのでありますが、この点につきまして、厚生省はいままでこの問題によそから相談を受けてタッチされたことがございますか。
  56. 舘林宣夫

    舘林(宣)政府委員 アロケーションにつきましては厚生省も重大な関心を持っておりまして、経済企画庁からの御連絡によりまして詳細にそのアロケーションの内容について承知いたし、私どもも意見を述べ、その上で各省の意見が一致してきめられるわけでございまして、この下久保ダム等におきまするアロケーションにつきましても、私ども了承いたしてきめられたものでございます。
  57. 華山親義

    華山委員 アロケーションをきめる際には、もうすでに東京都の水道料というものを前提にして、これならばいいというふうに考えられますか、どうでございますか。
  58. 舘林宣夫

    舘林(宣)政府委員 東京都の水道料金をあらかじめ予定いたしましてきめられるものでなく、その工事の内容、またその水の利用の区分等に応じましてアロケーションがきめられ、それによってきめられました水を原価といたしまして、後に、料金のほうがそれに従ってきめられるというふうになるわけでございます。
  59. 華山親義

    華山委員 私は了解いたしかねます。料金というものがあって、たとえばほかのものでございますならば、工業用水道の価格がきまっておる。それからほかのものも大体きまっている。電気ならば電気料金というものの基準があってきまっておる。そこから出たところの妥当投資額から固有設備費というものを引いたものがアロケートのもとでございましょう。水道料金というものが一体幾らなのかということがきまらなければ、私はどうもアロケートが出てこないように思うのですが、その点専門家の河川局のほうから御説明願えませんか。
  60. 上田稔

    上田政府委員 水道の単価でございますが、水道は結局水がないといけないわけでございますので、アロケーションをやる上においてどうきめるかでございますが、先ほど経済企画庁のほうでお答えになりましたように、三十五年ごろにおきます実績でございますが、これは水道のためにダムをつくって水を引っぱる、そのときに原価が一体幾らになっておるかというその実績から見まして、そのときの平均が二円ぐらいでございましたので、現在いろいろなアロケーションをする場合にも、原価を二円ぐらいにしたらどうだろうかということでやっておったわけでございます。最近になりますと、それが物価高もございますし、もう少し上げてもらわないとダムができないというような状態もございますので、その辺をいろいろ折衝いたしておるわけでございます。
  61. 華山親義

    華山委員 折衝をしているというのは、二円よりも上げるという——利根川のことにつきましては、もっとアロケートが上がるということでございますね。
  62. 上田稔

    上田政府委員 そのとおりでございます。
  63. 華山親義

    華山委員 まだきまっておらないけれども、その方針ですか。
  64. 上田稔

    上田政府委員 ダムによりまして、やはりどうしてもできないということになりますので、その辺は水道のほうと打ち合わせをいたしております。
  65. 華山親義

    華山委員 そうしますと、水道というものについては、論理的な根拠というものがないということでございますね。ほかのものでございますれば、電気料なりあるいは工業用水道の原価なり、そういうものが基礎になって妥当投資額が出てくるけれども水道については腹づもりである。こういうことのように見えますが、私がそういうふうに考えることは間違いでございますか。
  66. 上田稔

    上田政府委員 腹づもりでやったわけではございませんが、実績が二円その当時にかかっておったということでございますので、それを守ってきておったわけでございますが、物価高なんかを換算をいたしまして、それと水を取る場所がだんだん金がかかるようになってまいりましたので、そういうところを見て、いろいろ交渉をしておるわけでございます。
  67. 華山親義

    華山委員 いまあなたのおっしゃった原理は、これは電気につきましても、工業用水につきましても当てはまるわけでございますか。
  68. 上田稔

    上田政府委員 工業用水につきましても、ふやしてもらうようにお話をいたしております。電気につきましては、採算がとれない場合にはおつくりにならないということになるわけでございます。
  69. 華山親義

    華山委員 私ももう少し勉強してみようかと思いますけれども、本質のところが私にはよくわかりません。とにかく電気料金であるならば電気料金というものが基礎になり、工業用水であれば工業用水というものを、通産省が最も高値をきめているんですから、その高値が基準かどうかによってそれがきまってくる。工業用水、上水道につきましては、各都市ばらばらというふうな関係もあるので、どこにアロケートというものの計算をされる基準があるのか、私はまだ了解いたしませんが、時間がございませんので、次に進みたいと思います。要するに東京都の、あるいはほかの水道につきましても、アロケートというものはできるだけ常識的に低くして、そして安い水をやる、こういう基本的な考え方でいかなければいけないのじゃないか、こういうふうに考えるわけでございます。
  70. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 ちょっと先ほど来のお話でつけ加えたいと思います。ただいま御指摘の点でごもっともな点もございますが、上水道、工業用水について全然基準がないというお話ですが、そういうわけでもございませんで、当然に当時までの料金水準と申しますか、工業用水の場合には補助金がございますので、それが非常にはっきりしております。水道の場合には各地ばらばらでございますので、必ずしも一定の基準というものはございませんが、一応全国平均的な、現行の料金水準というものがございますので、それを基礎にして、先ほど申しましたように三十五年の実績と申しますのは大体それに当てはまるわけでございます。それを基準にして現在までのところやってきたわけでございますが、ただいま河川局長からも指摘いたしましたように、最近ではだんだんとコストのかかるダムが出てまいりまして、それでは妥当割れでどうしてもアロケーションに乗ってこない。こういう実例がはっきり出てまいりましたので、建設省におきましては、いろいろその辺の改定についていま意見が出ておる最中でございます。ただこの辺につきましては、各省意見がまだ一致しておりませんので、いろいろ検討中でございます。
  71. 華山親義

    華山委員 おっしゃり方が違ったと思うのでございますけれども、あなたのように言ってくださるならば、私もアロケートの計算のしかたというものについてはわかるのでございます。おっしゃいましたように、料金というものも大体平均をとって、大体標準をとって、こういうことをおっしゃいました。そこに何らかの数字がなければ、アロケーションというものは数字なんですから、出てくるはずがないと思うのでございます。  そこで伺いますが、いまアロケートを計算されること、これはまだきめていないようですが、先ほどおっしゃった二円というのがその数字なんでございますね。いまのお話ちょっとわからないのですが……。
  72. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 現在まで意見の一致しましたものは二円でやっております。ただその後二円でどうしても妥当割れという場合には、たとえば別な身がわり建設費であるとかそういう方法で相談する場合もございます。
  73. 華山親義

    華山委員 そうしますと、現在下久保、矢木沢ダムにつきましてのアロケートは何分の一であって、その金額は幾らになりますか。先ほど総額について、お話がございましたが……。
  74. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 矢木沢ダムの場合には総事業費が百二十億でございます。そのうち水道四トンの負担分は二十九億六千六百万円、原水費でトン当たり割りますと大体二円程度になります。もうちょっと正確に申しますと、二十九年価格でございますが、二円二銭、時価に直しますともうちょっと高くなります。それから下久保の場合には同様でございますが、原水費で二十九年価格で一円七十八銭でございます。これは総事業費百八十億として計算しまして、これは都市用水十六トン、九十四億五千万円のトン当たりの値段でございます。
  75. 華山親義

    華山委員 合口せきにつきましてもやはりアロケートがございますか。
  76. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 導水路の合口せきでございますか。——トン当たり幾らというのは、ここにちょっと持っておりませんが、利根導水路総額で百七十五億の価格のときの都市用水二十トン、これは東京都、埼玉県、両方入ってございますが、二十トンの負担分が九十九億八千万円でございます。そのうち合口せきの分は約二十六億でございます。
  77. 華山親義

    華山委員 この分につきましては、農業用水分につきまして〇負担金というものはあるのでございますか。
  78. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 かんがい用水についても当然でございます。それからなお、そのほかに東京都で使います浄化用水についてのアロケートもございます。
  79. 華山親義

    華山委員 農業用水分につきましては、お話し済みでございますか。
  80. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 中央におきます大体のアロケーションの額はきまっておりますが、それの土地改良区における配分等につきましては、まだ決定しておりません。
  81. 華山親義

    華山委員 いろいろな経験によりますと、この問題が一番重要な問題に相なると思いますが、これがまだ決定いたしませんと、変わってまいりますね。
  82. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 これは農林省との間で、あるいは関係各省全体を通じまして、一応のアロケーションは、かんがい用水につきましては、五十八億八千万円となっております。その基本につきましては、当然に農林省が埼玉県ないし土地改良区にも連絡をとった上できまっておる、こういうふうに考えております。
  83. 華山親義

    華山委員 洪水調節のほうはもうきまりましたか。
  84. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 導水路につきましては、洪水調節はございませんで、先ほど申し上げました浄化用水の分でございます。
  85. 華山親義

    華山委員 その問題がまた変わってまいりますと、農業用水につきましてはどうなるかわかりませんので、不安定な要素がありますが、次に第二利根川計画につきまして伺います。  河口せきが完成した場合にも、その下流に一定量は放流するのだということを聞いております。これは河川維持用水として放水するのだ、流すんだということを聞いておりますが、これは何トンぐらい流すわけですか。
  86. 上田稔

    上田政府委員 河口せきから下流に流す水量の御質問だろうと思うわけでございますが、これは三十トンです。
  87. 華山親義

    華山委員 あの下には別に農業用水もございませんね。たいへんもったいないと思いますが、これはどういうことですか。
  88. 上田稔

    上田政府委員 現在利根川河口におきましては、いろいろな漁業関係がございますが、淡水と塩水との混合比といいますか、そういうものが非常に漁業に影響するわけでございますので、そういう点で三十トンを確保するわけでございます。
  89. 華山親義

    華山委員 これは利根川でなくて、利根川から海に出たほうでございますか。
  90. 上田稔

    上田政府委員 ただいまのは河口せき河口との間でございます。
  91. 華山親義

    華山委員 そういうふうなものは補償してでも、非常に貴重な水ですから、もっと有効に使えないものですか。私は三十トンの水を流すというふうなことは、何かもったいないような気がいたしますが、漁業補償なら漁業補償を十分にして、その水は東京なりその他に使うということは考えられませんか。
  92. 上田稔

    上田政府委員 銚子河口は、いま水産のことだけを申し上げましたが、そのほかに、銚子河口の維持の問題もございます。そういうことをあわせまして、三十トンというふうにいまお話をしているわけでございますが、銚子付近には非常にたくさんの水産業によって生計を営んでおられる方がおりまして、そういう方々のために三十トンということをきめているわけでございます。それを破りましても、第一次の四十五年度までのものを何とかまとめるようにいたしたいということで計画をしているのでございます。
  93. 華山親義

    華山委員 私はその点あまり詳しく知りませんから、追及して、やめろと言うわけにまいりませんが、非常に金のかかった水でございますので、妥協のできる点はできるだけ妥協して、下流に水を流すというふうなことはおやめになったほうがいいのではないか。たくさん水のいかないときもふるのでありますから、私は流すにしても多過ぎるのではないかというふうな印象を受けます。しかし、この点は非常にむずかしい問題でございますので、いまここで、私はあまり追及することはやめておきたいと思いますが、何か河口の維持のためにそういうことをするんだというお話でございますが、そういう意味でもないのでございますね。——それじゃ、そうでないように、もっぱら漁業のためだというふうにお聞きいたしておきます。  次に、河口ぜきの建設費は幾らでございますか。
  94. 上田稔

    上田政府委員 百三十億でございます。
  95. 華山親義

    華山委員 水資源のほうにお聞きいたしますが、合口のほうは幾らでございますか。
  96. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 先ほど申しましたように、利根導水路全体として百七十五億でございますが、そのうち合口ぜきだけをとりますと、大体六十億でございます。
  97. 華山親義

    華山委員 私は両方ともそう規模が違わないと思うのでございますが、どうしてそんなに違うのでございますか。
  98. 上田稔

    上田政府委員 下流におきましては、川幅もございますが、一番問題点は、非常に地質が悪いということでございます。したがいまして、下部のほうに非常に金がかかるわけでございます。
  99. 華山親義

    華山委員 下部のほうといいますと、河床から下ということですか。
  100. 上田稔

    上田政府委員 河床から下ということでございます。
  101. 華山親義

    華山委員 いままで日本にもないような上流のほうについても——大体ああいうせきというのは下流のほうにありますよ。いろいろな補強工事というふうなものは上流のほうにやるんだという話もありますが、何かいままでの建設省のやり方と違ってやられたという話もありますが、これはどこでもやっている建設方法でございますか。この利根川については何か新しい方法でおやりになりますか。
  102. 上田稔

    上田政府委員 河口ぜきにつきましては別にそう新しい方法というようなことは考えておりません。実施にあたりましては、水資源開発公団のほうで計画をいたしますが、まだそういうふうなことは聞いておりません。
  103. 華山親義

    華山委員 何かあまり——私の聞いたところでは川幅もあまり違っておりませんし、片方も非常に流れが早いわけでもない。どういうわけで、いまおっしゃったように百三十億とか、六十億とか、倍以上の経費がかかるのか、私は了解ができませんので、機会があったならは御説明を願う、——と申しますことは、これらのことがすべて東京都民の飲む水に影響してくるから、不安定なことをやってもらっちゃ困るけれども、できるだけ安い工事費で安い水を東京都民にあげるのだというふうな心がまえをひとつお願いをいたしたいと思いまして、話を聞きましたので、この点に触れたわけでございます。  それで、河口ぜきにつきましてもアロケートがございますか。
  104. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 ちょっと詳細な資料を持ってきておりませんが、大体一五%程度が治水負担でございます。、残りの八五%程度が都市用水、上水道、工業用水の負担でございます。したがいまして絶対額としましては、治水が約十九億、二十トンの都市用水が百十一億、トン当たりにいたしますと、二十九年価格で一円七十銭となっております。比較的安いわけでございます。
  105. 華山親義

    華山委員 ひとつ資料を送ってくださいませんか、時間がございませんので。とにかくこういうふうにいままでのお話を聞きますと、非常に不確定な部分が多いのでございますね。それで東京都でいま計画されておるところのこの新計画というものは、よほど再検討なさって、そして政府のほうも協力をして、もっと圧縮のできる部分があるのではないか、こういうふうな気もいたすわけでございます。ひとつその点につきまして各省は各省でお考えがございましょうけれども、できるだけアロケートの部分なり、あるいは給水童の部分なり、そういうことにつきまして、他に悪い影響があっては困りますけれども、御努力を願って、東京都民に安い水と、また不自由のない水を供給していただくように、私から申し上げるまでもないのでありますけれども、御努力を願いたいと思うのであります。  その次に、新規の取水計画につきまして、副知事さんはあまり確定的でないようなお話でございましたけれども、お出しになっておりますところの計画を拝見いたしますと、四十二年度からはある程度経費を計上していられる。少なくとも明年度中には、この計画というものは立てていなければいけない。そういうふうなことも考えられますが、その辺の御関係はどういうものでございますか。できたら四十二年度からやろうということで、この計画には出してあるというふうなことでございますか。ひとつお伺いいたしたい。あるいは四十三年かもしれませんが……。
  106. 鈴木喜治

    鈴木参考人 新水源の問題は、ただいま私ども主として経済企画庁の方面に、利根川系の水の中から相当程度のものを東京都の上水道用水、あるいは工業用水としてもらいたいということをいろいろお願いをいたしておりますが、いま御指摘の四十二年度に新水源の所要財源として一応六十億を見込んでおりますが、この点につきましてはまだ確定的なものではございませんので、できるだけすみやかに政府のほうとの間の話し合いをまとめて、的確なものにしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。この数字は、したがって確定的なものではございません。
  107. 華山親義

    華山委員 一応は笛吹川の上流、千曲川の上流を考えていらっしゃいますか。これも全然まだ未確定ということでございますか。
  108. 鈴木喜治

    鈴木参考人 これは電源開発株式会社との話し合いにおきまして、千曲、笛吹の水を合わせまして、山梨県の広瀬にダムをつくって発電をいたしましたあと東京小河内のほうにその水を持ってくるというような計画がございまして、いろいろ話し合いをいたしてきておるのでございますが、やはり各県の御了解かこの問題についてはまだ十分に得られておりません。ことに長野県につきましては相当この問題について批判的でございまして、いま実はさようなわけでこの計画はいわば若干行き悩みの状態になっておるのが実情でございます。
  109. 華山親義

    華山委員 おっしゃるとおり長野県につきましては佐久盆地の水の問題がございますし、笛吹川については甲府盆地の水の問題もございまして、私はこの問題を解決するのはなかなかたいへんだと思います。また大体この二つの盆地というものの流域は、そんなに大きいものではない。大体いまの小河内の流域と、二つ合わせたと同じようなものじゃないですか。そして水も、あそこは小河内と背中合わせで、そんなに雨量の多いところでもない。私はあまり期待をなさらないほうがいいの、じゃないかという気もいたすのでございますが、いま副知事さんは、一生懸命やってみようということでございますが、やはり一生懸命やってみるつもりでございますか。
  110. 鈴木喜治

    鈴木参考人 まだこの問題、いろいろ調査中でございまして、私どもも的確な資料は持ち合わせておりませんけれども、従来ございました資料によりますと、おおむね年間三億トンくらいの水が得られる、こういう、これは電源開発会社のほうの主として推計でございます。そういたしますと、まあ水といたしましては、さほど高くない水が得られるというところが、私どものほうの非常に大きな魅力であったわけでございます。しかしいまの地元の関係県の方々の考え方は、もっとシビアでございまして、私どもといたしましてはいまちょっとお話がございましたように、秩父、多摩あるいは甲州方面の山に源を発する水源というものは、実は私どもがいまほとんど飲み干しつつある多摩川の水と同じ水源でございます。そういう意味荒川も同じだと思うのでございますが、やはり全体の最近の豪雪、雪の状態とか、雨量等を考えてみますと、やはり水源の違う地域に東京水源を求めておくほうが安全であるというような角度からいたしますと、やはり奥利根を申しますか、あるいは裏日本に通ずるあの坂東太郎の水を、さらにもっといただきたい。これがやはり一番手っとり早いのではないかというような考え方を、私どもといたしましてはいま強く持っておる次第でございます。
  111. 華山親義

    華山委員 水道局長さんに伺いますが、何か富士川の水という話もありますが、御研究なさったことがありますか。実現の可能性がございますか。
  112. 扇田彦一

    扇田参考人 富士川につきましては、いろいろ案があるわけでございます。いまの笛吹川も富士川の上流一つでございますが、その途中で富士川の水を富士五湖に一度揚げて、それをまた相模川に落とすという案もあるようでございます。さらに、ずっと下流の海に注ぐ寸前のところで取って、ポンプで東京都に持ってくるという案もあるようでございます。いずれにいたしましても数百メートルのポンプ揚水をしなければならないし、また相当長い導水道が要るということでありまして、いろいろ技術的にも経済的にも検討をすべきことがございますが、現在まだ検討をいたしておる段階でございます。
  113. 華山親義

    華山委員 私は新規の場所というものはこれから非常に困難を伴うものと思いますので、それに着手することはなかなかたいへんだと思うのです。したがって、すでに決定した部分につきまして、できるだけ水をたくさん取って——あるいは政府のほうからいえば出すということになるかもしれません。そうすれば、たくさん取れば原水としての量から水も安くなるわけでございますから、そういうふうに御努力を願いたいと思うのでございます。  それから副知事さんは、ただいま奥利根というふうなことをおっしゃいましたが、松永試案というものがございますね。あの案につきましては何か少し具体的な進み方が見えておりますか、いかがでございますか。
  114. 鈴木喜治

    鈴木参考人 沼田ダムでございますが、この松永試案、産業計画会議の御案は、私どももいろいろ伺っておりますけれども、あれも確かに利根川の水を使う一つの方法だと思いますが、私もそういう方面は全くしろうとでございまして的確なことは申し上げられませんが、いま申し上げましたように、ただ感じといたしましては秩父、多摩あるいは甲州といったあの方面の水源とむしろ別の地区に水源を求める。それは何といっても関東地区で一番大きな川は利根川でございますし、まだ一五%かそのくらいしか使ってないわけでございますから、私どもはやはり利根川の水を利用するということも有力な案と考えておるわけでございます。そのためにどういう方法が一番いいか、これは技術的に検討していただかなければならぬと思いますが、しかしその際に、やはり確実に水が得られる、そしてそれがまた非常に安く得られる、これがやはり眼目でなければならぬと思います。上流にあのような大きなダムをつくりますにつきましては、ずいぶん金がかかることと思いますが、河口せきの方式などは私は非常に安上がりになるのではないかと思います。しかしこれにも限度がございましょうし、あるいは霞ケ浦とかああいうところをさらに掘りまして、遊水地的にこれを使うというようなことも可能であるのかもしれません。とにかく専門の技術的な見地から考えまして、安く多量の水を確実に得られる、こういうことをやはり眼目にして検討すべきものであろうというふうに思っておる次第でございます。
  115. 久保田円次

    ○久保田(円)委員 いま華山先生から、松永試案に対しましての問題は、沼田ダムということでございますが、たまたま私の地区が群馬県になっておりますので、関連してちょっと御意見を伺いたい。  それは、すでにこの問題につきましては、いろいろ地元でたいへんな騒動が起きたわけです。私も水資源開発促進法の制定のときに一応当時の建設大臣、経済企画庁長官にただしておるわけですけれども、いま計画はない、当局ではそう言っておるわけです。ただ、いま副知事の御答弁に、そのほかの地区でいろいろ計画をしているというようなお話を聞きましたが、問題点になりますのは、水を取るということの問題もさることながら、首都圏整備法によって今後の都市づくりを一体どうするかということが基本的な問題になると思います。これはもちろん東京都といたしましても、われわれといたしましても、今後の東京都政に対しましては重要に考えていかなければならない。たまたまこういうふうな整備法ができておりましても矛盾になるところは、実際のいまの時点において、東京湾の開発という問題が取り上げられておるわけですね。これが東京都が実際のマンモス都市として今後どうしても規制措置を講じていかなければならない。一方においては東京湾の開発をして、今度はあるいはコンビナートの施設をつくるとかいろいろな点の計画も立てておる。何か矛盾しておるところがある。こういう問題は東京都に限らず、あるいは千葉地区とかあるいはそのほかの地区との関連を持って、少なくも東京都の今後の規制問題につきましては重要に考えていただきたい。これが一点でございます。  まあたまたま水を取るということはけっこうな話だけれども、取られる地区、いわゆる上流地区ですね。関係県というものはそれ相当の悩みもまた生じておるわけです。かりに沼田にダムができ  たとすれば、大体あそこの水没が二千五百戸、沼田のあそこの盆地がなくなって、沼田のいまの市街地が高いところがちょっと残るというような程度になりまして、これはなかなか容易なものではないと思います。したがって、われわれといたしましては、ひとつ両々相まちまして、そして東京都の今後の行政のあり方、これは水ばかりではございませんけれども、ひとつ水を中心の問題点としてお考え願いたいということを一言申し上げるわけでございます。
  116. 鈴木喜治

    鈴木参考人 ただいま沼田ダムに関連をいたしまして、東京の町づくり、あるいは首都圏に通ずる町づくりの問題についての御見解がございました。私どもも大体ただいまの御見解の方向で東京都の問題を考えておるのでございます。沼田ダムの問題は、二億五千万坪でございましたか、東京湾に大きな埋め立てをするという前提に立って、それの水源としてあれを考えておられるというのが当初の案だったように記憶しております。私どもいま東京湾の埋め立てを計画いたしておりまして、現実に事業がどんどん進んでおりますが、これは約六百八十万坪のものを埋め立てようというわけでございますけれども、これはあそこに人口、産業をどんどん集中しようということでやっておるのではなくて、現在の港湾機能がいまの施設では何とも現状の需要を満たすことが困難でございますので、そういう港湾機能の充実と若干の臨海工業の都の内部からの転出ということを主体に考まして、それぞれの所要の用地を確保しようということでございます。したがって、それに要しまする水というものにつきましても、あの沼田ダム計画を必要とするような水では私どもないと思っておるわけでございます。いずれにいたしましても、この水の問題は河川法の改正以来政府の責任において最も有効な活用をはかっていただかなければならぬ問題と私どもも考えておりますので、東京都といたしましては、どの地点にどういうものをつくるということをみずからの見解できめる力、権限は何もないわけでございます。政府にいずれも御要望をし、お願いをするという寺場でございます。ただ、気持ちといたしましては、みだりに東京が膨張するという考え方は、もうもちろん今日私どもとっておりません。工場、教育施設等の新増設は、いずれも禁止制限のたてまえになっておるわけでございます。しかし、現在なお百万の未給水人口がございます。水道の水を飲めない人口が東京都内に百万あるわけでございまして、これらの人たちに対しましてどうしても水をやらなければならない。約九十万トン一程度今後においても足らないわけでございまして、そういうような水の需要、また三多摩のほうにおきましても地下水が欠如してきた、あるいはまた工業用水も地盤沈下の関係でくみ上げを禁止しなければならぬ、工業用水の水源が必要であるというようなことで、先ほど申し上げましたような昭和四十五年度までのことは、第一次、第二次計画で一応できますけれども、それから以降の問題は、やはり一千万トン程度を目標にいたしまして、すなわち五百万トン程度のものを新たに私どもは期待をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
  117. 華山親義

    華山委員 水の問題につきまして経済企画庁のほうに伺いますけれども東京都の水の問題は、このとおりでありますが、昨今新聞等に見ますと、市川、あの辺では地下水のくみ取りのために地盤沈下があるので、江戸川から工業用水を引くという計画もあるというふうなことが出ております。そうすれば、東京都の現在利用権以上にあそこで水を引くことになるのでございますけれども、そういう点だって安定性を欠くのじゃないかというふうな気も、いたしますし京葉地区が発展いたしますればここの水は一体どこから持ってくるのか、鹿島地区は一体どうなるのか、そういうことを考えますと、東京都を中心といたしまして東京都の周辺全体についての水というものが将来大きな問題になるべきであり、いまから考えなければいけない問題だと思いますけれども水資源局ではどんなふうな構想をお持ちでございますか、大体伺っておきたいと思う。
  118. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 御承知のように私どものほうでやっておりますのは、水資源開発促進法に基づきまして水系別にやっておるわけでございます。したがいまして、東京都周辺の水の問題にしましても、利根川水系ということでやっておるわけでございまして、その点で若干いわば水系主義に対して地域的な問題でギャップが出てくる場合がございます。これは御指摘のとおりでございまして、この辺につきましては、最近首都圏整備法の改正もございまして、首都圏のほうでもお考えになって、それとわれわれのほうとの調整ということも逐次やっていくという状況でございます。  ただいまお話の中に、京葉工業地帯、あるいは鹿島の将来の新産都市の問題、これらの問題もございますが、そのうち利根水系に依存する分につきましては、すでに四十五年度までの需要量につきましてはわれわれのほうで策定しております基本計画、毎秒百二十トンという計画の中に織り込んでございます。
  119. 華山親義

    華山委員 その点将来大きな問題と思いますので、今日から御研究を願いたいと思いますけれども、お聞きいたしましたところを結論的にいうならば、やはりまだ不安な画が多いわけでございまするし、いろいろな問題につきまして不安定的な面が多いのでございます。  次に、東京都のこの料全等にかかる財源の問題について簡単に伺いますけれども、御承知のとおりお出しになっておる計画によりますと、来年度から毎年度三百億、十カ年にいたしまして三千億の資金が必要であるというふうに出ております。お話のありました六十億の新規分につきましては不確定な部分もあるわけでございますが、この点につきまして自治省のほうでは、この原資というものにつきまして間違いなくお出しになれる考えがございますか、ちょっと伺いたい。
  120. 近藤隆之

    ○近藤説明員 御承知のように、水道事業債につきましては毎年地方債計画予定を立てまして、それを国の財投計画の中へ織り込むという仕組みをとっております。したがいまして四十一年以降につきましては、明年度以降の財投計画の中に事業の進捗と見合わせて織り込むという形になろうと思います。  四十年度につきましては、現在御承知のように九百六十億の水道債の総ワクを持っております。もちろんこの中には縁故債もありますし、またこれで本年度の全部の水道需要をまかない得るというふうにも考えておりませんけれども、これも事業の進捗に見合いまして弾力的に民間資金等も活用して、やっていこうと思っております。
  121. 華山親義

    華山委員 少ししろうとくさいものの聞き方になりますけれども、きょうごらんになったら、これは東京都こんなことを育ったってこんな金は出やせぬよとか、このくらいだったら大体出るだろうなという感じがあるだろうと思うのですが、今後十年間、どうですか、毎年三百億程度のものは出ますか。
  122. 近藤隆之

    ○近藤説明員 四十年度につきましては、東京都の今年度の事業計画というものを三十九年度当時現在で策定いたしまして組み込んでおりますので、それほどの大差はございません。ただ先ほども申しましたように民間からの資金の募集というような関係もございますので、それは金融事情等によりましてある程度の制約はあろうかと思います。  それから、そういう状況でございますので、これらの計画を見ましても、今後大体本年度程度の規模を起債に見込んでおりますので、よほどの変動のない限り財投計画の中に盛り込めるのじゃないかというような見込みを持っております。
  123. 華山親義

    華山委員 二百五十億ないし三百億程度のことは東京都で計画されても大丈夫だ、こういうことでございますね。念のためにもう一度お答えを……。
  124. 近藤隆之

    ○近藤説明員 先ほども申し上げましたように、金融事情というものが一方にございますので、そういうものの大幅な変動ということがあれば別でありますけれども、現在の事情のもとではそれほど膨大な常識はずれの数字だとは思っておりません。
  125. 華山親義

    華山委員 こういうふうにして計画ができた、新規計画の分を別にして、計画が進むことでございますが、そういたしますと、四十三年度でありましたか、間違えておれば直しますが、料金につきましては、これにつきましては相当研究すべきことがあると思いますけれども東京都の原案ができているわけです。そういたしますと、四十五年でありますか四十四年でございますか——四十四年までの分がきまったのですね、原案ができているわけですね、料金は。
  126. 鈴木喜治

    鈴木参考人 四十二年度までです。
  127. 華山親義

    華山委員 四十二年度まででしたか。四十三年度以降は一体水道料金はどうなりますか。大体推算はおできになりませんか。
  128. 鈴木喜治

    鈴木参考人 四十、四十一、四十二、大体この三年間の収支の見込みを立てまして今回の料金の引き上げの計算を出したわけでございますが、もちろんそれから光も推計をすればできるわけでございますけれども、あまり多くの不確定要素をかかえておる四十三年以降の問題を、いまからこのくらいになるだろうということであらかじめ話を申し上げるということは、私は必ずしも適当でないと思いまするし、したがいましてこの問題を過去一カ月間東京都議会におきましてもずいぶん縦横に審議があったのでございますが、四十三年からどうするということは私どもとしては明確には申し上げておりません。しかし先ほど来いろいろ御指摘がございましたように、これからの水は利根川の水でございまするし、いま起債の資金はいろいろ政府においても御心配をいただくわけでございますが、これを元利償還をいたしまする段階になりますれば、どうしても料金に期待せざるを得ないわけでございまして、そういう点からいたしまして、四十三年以降においても料金をある程度引き上げなければならない客観的な条件にあるということは言えると思いますが、それがそれではどの程度になるかということにつきましては、いま申し上げるべき段階ではないというふうに考えております。
  129. 華山親義

    華山委員 副知事さんは、よそへの影響等も考えられまするし、不確定な要素も多いので、いろいろいまここでは言うのはどうかと思うというふうな御意見だと思うのでございまして、私もあまり書いたくありませんけれども、私は私なりに計算をしてみますと、私ここで言うことは、副知事さん同様はばかります。はばかりますが、ちょっとした値上がりじゃないと私は思うのですよ。数字が口まで出てくるのですけれども、私言いませんが、私は相当の値上がりでないと、現在の公営企業のやり方ではできないだろうと思う。二十五年というものを三十年程度に償還年限を延長した程度では、全く微々たるものであって、相当の値上がりということが考えられるわけであります。そういう点につきまして、今後公営企業等につきましても、私は相当の御研究を願わなければいけないと思うのでございますが、一つ伺いますが、東京都の考え方と計画によりますれば、未稼働の水道については、その利子分については一般会計で負担するということになっておりますが、さようでございますか。
  130. 鈴木喜治

    鈴木参考人 利根川系の水を東京都の水道に送り込むということを打ち出しましたのが昭和三十六年でございますが、その際以来従来と違いまして、たとえば江戸川からすぐ水を持ってくる、多摩川からすぐ水を持ってくる、ほとんど道守水路というようなものをつくる心配はないわけでございますが、利根川の場合は、これらに比べますと、非常に多額の経費を要するわけでございまして、ことに稼働していない場合におきまして、起債の元利償還が始まってくるということになってまいりますると、水道の会計としては、何としてもそれを全部料金にはね返すことはたいへんであるというようなところから、やむを得ず今回の財政計画におきましては、ただいま御指摘のような未稼動の状況にございます事業費の起債の利子分につきまして、今後三年間に約九十億のものを一般会計から繰り入れる、こういう財政計画を立てておるわけでございます。私どもといたしましては、やはり水道の、いまも御指摘のございましたように、起債の償還年限を耐用年数に見合ったものにして、またできれば全額利子の安い政府資金にしていただく、政府資金が困難なら、何かそれに応ずるような財政的な措置も考えていただけないだろうかというようなことを考えるようなわけでございまして、ただいまの段階といたしましては、とりあえずいま申し上げましたような未稼働資産に対する利子を一般会計から援助しよう、こういう計画を立てておるわけでございます。
  131. 華山親義

    華山委員 ただいまおっしゃいました一般会計からの繰り入れをおやりになるそうでございますが、自治省のほうに伺いますが、そういうふうな措置は、公営企業法のどれに該当いたしますか。独立採算制の原則を破るものではございませんか。公営企業法の何条によってそういうことは解釈できますか。
  132. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 現行法の規定によりますれば、十七条の二という条文の第一項に、独立採算の規定がございますが、第二項に、「特別会計に補助をする」という規定があります。この規定によってなされておるというように考えられます。
  133. 華山親義

    華山委員 そうしますと、公営企業というものの独立採算制というものは、そんなに厳格なものじゃないんであって、足らなければ一般会計から出せばいいというのであるならば、この原則というものはあまりたいしたことはないんじゃないですか。その点どうお考えになりますか。私はそこに公営企業の運営、独立採算制というものが、もう成り立たなくなっているんじゃないか、そういうふうに考えますが、どんなふうにお考えになりますか。
  134. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 十七条の二の第二項に書いてありますように、「災害復旧その他特別の理由」という条件が頭についているわけでございます。東京都の場合を考えますれば、まさにその場合に該当するだろうというように思うのであります。私どもは、独立採算制の規定というものを今日まで厳格に採用する態度をもってきたわけでございますが、しかし先刻来のお話もありますし、またこの委員会でいままで何回か御論議がございましたように、交通事業にいたしましても、水道事業にいたしましても、現在の資金の処理方法に問題がある。特に借金に始まり借金に終わる企業でありますので、そういうようなやり方がいいかといえば、一般の企業についても自己資本の充実が言われているわけであります。公営企業といえども、やはり自己資本の充実ということが、企業の基盤を強固にするためには必要なことは当然であります。それをどのように考えるかという基本問題がありますために、早急な措置をとらずに、公営企業の将来のあり方というものを少し基本的に掘り下げて将来方向を見定めて、そうして財政措置その他の措置を確立したい、こういうところから調査会をつくっておるわけであります。また当委員会においても、小委員会をつくって御審議をわずらわしておるわけであります。それらの御論議の末得られました結論に従いまして必要な措置をとってまいりたい、こういうつもりでございます。
  135. 華山親義

    華山委員 災害その他の特別の事情と書いてあるのでございます。私はこの災害に非常に似たようなせっぱ詰まった場合というふうに考えておったのでございますけれども、ただいまの東京都のような場合もこれに入るのだということになりますれば、私はこの公営企業法というものは、もうほころびてきているんじゃないか、そんなふうにも考えられますが、これは私は東京都のおやりになっていることを批判するわけでもございません。法律違反などということは毛頭考えておりませんけれども、公営企業法というものは、もはや現在の時勢には合わなくなってきているのではないかということを申し上げたわけでございますので、ひとつその点御研究を願いまして、もっと公営企業法ということと、住民の福祉という関係において御研究を進められたいと思う次第でございます。  なお、先ほど知事のおっしゃったような原資の問題につきましては、私は全く同感だと思いますけれども先ほどの公営企業課長お話のように、金融事情ということをおっしゃいますと、やはりまだそういう一般市場から金を集めるのだというふうなお考えがあるように思われますけれども、そういうことはもうおやめになったほうがいいと思うのですよ。何も公営企業はもうけるためにやっているのじゃないのです。もうけるためにやるものであるならば、私は一般金融市場から金を得て、それよりも高く売れればそれで利益が得られるという企業としての考え方はありますけれども、公営企業はそういうものじゃないのですから、私はこういうふうな人間の生命の基本に関するような水というふうな問題につきまして、一般金融市場から金を得るというふうな考え方は、直すべきではないかと思う。それで先ほどおっしゃった一般金融市場の動向を見てというふうなことは、私はやはり根底においてどうも不安なような気がいたします。  たいへん長い間お聞きいたしましたが、いろいろな問題がずいぶん多いようでございますので、東京都も政府の皆様方も協力して、ひとつ東京都の水の問題を解決していただきたいと存じます。副知事さんはじめ東京都の方にはたいへんありがとうございました。
  136. 田川誠一

  137. 安井吉典

    安井委員 いま華山さんから詳しく水資源の問題や、水道財政の問題で御質問がありましたので、私はもうごく簡単に、二、三点にしぼって、きょうおいでいただきました両参考人の方と、それから政府のほうにお尋ねをいたしたいと思います。  水道料金の値上げの問題についても、いまお触れになって、昭和四十三年度までの三ヵ年の収支に基づいての今度の料金アップの計画であったのが、これもはっきりした結論を得ないままに定例議会を終わってしまわれた、こういうふうに伺っているわけでありますが、長期の見通し等については先ほど来のお話で尽きていると思いますが、短期的に見て事業計画に今度の料金値上げの問題が確定を見ないということ、さらにまたきのう衆議院を通ってきょう参議院で審議が行なわれておりすす都議会の解散の問題等がからんできて、それによる解散が行なわれるかどうかは別といたしまして、料金問題の決定を取り上げる都議会が非常におくれるというふうなそういう見通し、こういうようなもので事業計画に変更を来たすようなことはありませんか、その点はどうですか。
  138. 鈴木喜治

    鈴木参考人 ただいま御指摘がございましたように、昭和四十年度東京都の水道事業の予算につきましては、先般の都議会でこれは可決されたわけでございます。ただそれの歳入の基礎になっておりまする料金の増額分が可決を見なかった、決定されなかったというところに、御指摘のように問題があるわけでございます。大体料金の収入が四十年度におおむね百億程度の期待をしておったわけでございます。それが入らなくなるということでございます。私どもといたしましてはそれを前提にいたしまして歳出を組んでおるわけでございまして、そこでその歳入の欠陥をどうするかというようなことでございますが、できるだけ早い機会に都議会が正常の姿に戻りましたときには、料金関係の案を、いま継続審査になっておりますが、これを重ねて審議をしていただいて、すみやかに結論を出してもらいたい、こう思っておりますが、それまでの間におきましては一時借り入れ金と申しますか、そういうようなものでこの窮状を切り抜けていくほかはない。しかし、東京の水の事情は先般来申し上げましたように、収入がないために事業進行の速度がおくれていいというような状態ではございませんので、事業進行のペースはこれは少しも落とさずにいきたい。したがって、そのバランスを一時借り入れ金というような措置で当面切り抜けていくほかはないというふうに考えておるわけでございます。将来これは赤字が累積する原因になり、三十九年度末で約七十億の累積赤字がさらに不足の分だけふえるということになりますけれども、これはいたしかたないというふうに考えておる次第でございます。
  139. 安井吉典

    安井委員 いま参議員の地方行政委員会で例の特例法案が通ったそうですが、それに関連してのお尋ねではありませんが、今度の都議会はいつごろ開かれるお見込みですか。
  140. 鈴木喜治

    鈴木参考人 これはまだ私どもちょっといつごろという見当かつきませんのであります…けれども、寄り寄り出ておりまする話は、七月の中下旬には選挙が行なわれるのではないかというふうにいわれておりまするので、そういたしますると、八月ごろには都議会が開き得るような状態になるのではないかというふうに考えられます。
  141. 安井吉典

    安井委員 資源問題、財政問題、たくさんお尋ねがありますけれども、もう時間がだいぶ過ぎておりますし、あとまた重盛さんの御質問もあるそうですからはしょりますが、財政問題で世界銀行の借款の問題がおありだそうでありますが、この問題はどういうふうな運びにいまなっておりますか。
  142. 鈴木喜治

    鈴木参考人 これは利根川系水道事業費の一部を世銀借款でまかないたいということで、大蔵省、自治省その他関係政府機関等といろいろ御相談を申し上げておるわけでございまして、ただいま世銀から関係官が調査に参っておりますし、本年の秋ごろまでにはおそくもめどがつくというふうにいま考えておる次第でございます。
  143. 安井吉典

    安井委員 柴田財政局長お見えでありますが、この地方公共団体の借款の問題ですね。東京都はそのほかにも米国市場の起債も御計画があるということでありますし、それからまた横浜だとかその他がマルク債を希望するとか、スイス債を希望するとか、あちこちそういうふうな希望がずいぶん出ているということを聞くわけでありますが、それに対して自治省のほうでも一括発行というようなことの検討も進んでいるとか、そういうふうないろいろなお話は聞いておりますが、それらについて現在の段階でどういうふうにお考えか。特に世銀借款の問題についての御見解をその中に含めてお答えを願いたいと思います。
  144. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 地方公共団体の外債問題につきましては、私どもといたしましては事業が急速に行なわなければならないというような事態のものでございますれば、国内市場において必要な資金が求められないといったような状況のもとにおきましては、外債を募集することもこれまたやむを得ないと考えるわけでございます。大阪の埋め立て問題、東京都の港湾の整備問題等につきまして、外債をいままで発行をしてまいっております。今回水道状況にかんがみまして、世銀から借款するということになったわけでございます。そのほかにも地方公共団体といたしましては、いろいろ募債計画はあるのでございますけれども東京都債あるいは大阪府市債ということになりますと、銘柄が外国にも出ておる。したがって消化も可能でありますけれども、そのほかの団体になってまいりますと、外債はそう簡単にいかないのであります。そこで国内資金が非常に豊富でありますれば、何もわざわざ外国まで行って金を借りなくても、日本で金を借りればいいのである。そのために地方債計画を充実していけばいいのでありますけれども、しかし、必要な場合には外債を募集することも別に悪いことではないと思います。しかし外国の金融市場に、各個の地方団体が、あまり知られてない銘柄のものをいろいろ振り込みますことは、かえって弊害がある、日本の経済の対外信用の問題もあるわけでございますので、むしろそういう弱小の団体のためには、地方公営企業金融公庫におきまして一括して外債を募集するといったような方向でものを考えるべきではなかろうか、こういうことで実は計画と申しますか考え方をまとめてきたわけでございますけれども、この地方公営企業金融公庫というものも外国にはあまり知られてない。したがって、その点もまだそう簡単に現実的にものになろうとは考えないのであります。しかし、方向といたしましてはそういう方向じゃなかろうか、こういうぐあいに考えておるわけで、ございます。
  145. 安井吉典

    安井委員 そういたしますと、いま東京のほうでお考えになっておられるニューヨーク市場を中心とする起債の問題と、それから世界銀行の、これは水道が対象だそうでありますが、これについてはどうなんですか。
  146. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 事柄の性質からいいまして、これにつきましては外債でやる、しかも話もついておりますし、計画どおりに進めてまいりたい、かように思っております。
  147. 安井吉典

    安井委員 世界銀行の借款については、特別な条件だとか、拘束だとか、あるいは制約といいますか、そういうようなものが、地方公営企業としての水道事業に対して付されるという点、その点についてはどういうふうな御検討が進んでおりますか。
  148. 鈴木喜治

    鈴木参考人 私どもといたしましては複雑なひも、あるいは条件がなるべくつかないようなことを望んでおるわけでございますけれども、世銀借款については、それぞれ従来からの方式があるわけでございます。たとえば一定の工事については、国際入札に付さなければならぬといったような点がございます。私どもが一番気に病んでおりますのはそのような点でございますが、その他の点につきましては、大体そう特に問題にする点はないと思っておりますが、いまの国際入札の点も、事業対象を選ぶにつきまして、国際入札をいたしましても差しつかえのないようなものが約五千万ドルでございますが、五千万ドルの借款対象の事業として考えていく、こういうような形でいま話し合いを進めておるわけであります。
  149. 安井吉典

    安井委員 きょうはもう時間がありませんので、深く入った問題はまたさらに後日提起いたしまして論議したいと思いますけれども、世銀の金は、これは世界じゅうから集めた金ですから、国際入札をせよというような要求も出てくるでしょうし、その他いろいろな問題が出てくる可能性もあるわけで、やはり営利事業でない公共性の強い水道事業の問題でありますので、そういうような拘束がひど過ぎる場合は再検討されるとか、もう少し慎重な態度が必要ではないかと思いますので、その点だけ指摘しておきたいと思います。  最後に、柴田財政局長がおいでの際でありますので、三月にこの地方行政委員会におきまして地方公営企業、とりわけ水道についての今日の財政危機に対する対策として起債の長期化、それから累積赤字の解消の問題さらに起債ワクの拡大とその質的な改善、こういうような問題につきまして、自治大臣からはっきりとお約束をいただいていたわけでありますが、起債の長期化の問題は一応五年延ばしたというだけで、これははっきりしたわけでありますが、その他の二点についてその後の動き、それからそれの実現に対する御決意、そういうようなことをひとつ伺っておきたいと思います。
  150. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 まだ年度が始まったばかりでありますので、資金情勢等も現在の段階ではまだ大きく変更はございません。地方債計画の実行を通じまして、あの節御答弁申し上げました線で進んでいくつもりでございます。なお赤字処理の問題につきましては、当面はつなぎ融資のあっせん、単年度の財政計画を見返りにしたつなぎ融資のあっせんを現在やっておるわけでございますが、長期的な問題といたしましては秋に予定されます調査会の御答申、小委員会の結論等に基づきまして、おそらくは立法措置ということになると思いますけれども、やはり四十年度から根本的な対策を確立する、こういう方向で進んでおります。
  151. 安井吉典

    安井委員 累積赤字の処理については、制度調査会の審議に並行しながら、ケース・バイ・ケースで現在の段階でも取り上げていく、こういうふうな書き方になっていたと思うのですが、その点どうですか。
  152. 柴田護

    ○柴田(護)政府委員 非常に症状の軽いものにつきましては、おっしゃるような線で片づくと思うのであります。しかし重病人になりますれば、やはり将来問題を片づけませんと計画ができてまいりません。特に先ほどお話がございましたけれども、自己資本の造成方式というもの、料金体系のあり方、この二つの問題が前提になって将来の基本路線が引かれるわけであります。それを前提にして過去の赤字の処理ということになろうかと思います。したがって、非常に簡単なものでございますれば、たとえばケース・バイ・ケースの繰り出し、借りかえ等、先ほど申し上げましたように借りかえ債の問題等によって片づくものもありますし、またそれではとても間に合わないものもあるわけでありまして、簡単なものにつきましては、この前申し上げました線で進んでいくつもりでございますけれども、やはり今日の情勢から見ますれば、基本的な問題を片づけませんと根本的な措置はとり得ない、やはり、残念でございますけれども、一年おくれの四十一年度にその措置を確定したい、かように考えておる次第であります。
  153. 田川誠一

    田川委員長代理 重盛寿治君。
  154. 重盛壽治

    ○重盛委員 いま安井委員から聞いていただいたのではほとんど私のものは終わったのだが、ただ、いまのお話にありますように東京都の水道を中心として、きょうは特に東京都の水道局長さんと副知事さんがおいでになっておりますからお聞きしたいのだが、政府としては首都である東京都の水道事業というものは、単に東京都におまかせをしておくということであってはならぬ。あらゆる政府の機関がある。厚生省もおるが、その中の一番お得意は厚生省の病院関係で、独立採算制で、お得意さんだというか、供給しておるのだという面から見ればたいへんありがたいということになりますが、まだ百万人も百五十万人もの供給不足の人たちがおる中で、水を一番よけい使っておいでになるということは、お得意さんであると同時に、また一緒に心配をしてもらう必要があるという立場になるのであって、そういう意味合いから、東京水道は、国と都と一体になってやるべきである、総合施策の面に立ってやるべきであるという点について、神田厚生大臣は、御説のとおりでありますから、水道事業は総合施策として来年の夏、つまりことしの夏は水不足ということのないように努力をいたしますという話をしておったわけであります。  それから、いま安井委員の言われるように、自治大臣は、東京水道工事すべての問題に対しましては、今後資金はどんどん出します、決して御迷惑はおかけしませんということを約束しておられる。したがって、その後こういう問題が具体的に先ほど華山さんのお話の中に出ておりまして、四十三年までと聞いておりましたが、私は当時四十五年までというように記憶しておったのですが、その資金計画見通しはついておるか。ことしたとえば、いまお話がちょっと出たようですからくどくどとは申しませんが、資金繰りやそういう問題で、たとえば利子をたな上げにする問題であるとか、あるいはことしの、長期起債は、東京都に関しては総額どれだけ柴田局長のほうで出しておるか、実際に支障がないように進んでおるのかどうか。それからもう一つは、そういう総合施策をやるということのために、どんな形で相談がなされておるか。東京都が関係局長や関係大臣に陳情に行くような形でやられておるのか、それとも何かそれを解決するための会合を持っておるのかどうか、そういう点をちょっとお聞きをしておきたいと思うのです。
  155. 鈴木喜治

    鈴木参考人 水道事業の資金の関係でございますが、これはただいままでのところ、先ほどもいろいろ御答弁がございましたが、政府の起債の東京都に対する割り当ては、私どもお願いを申し上げた線におおむね近いところでいつも認めていただいておりまして、資金の判り当てが足らないために事業がおくれるというようなことはございません。私どもはその点は政府に十分感謝いたしておるところでございます。  また、政府関係機関との間の問題でございますが、先ほど来、いろいろ緊急の余剰水の利用の問題等につきまして御質問がございました。また、いま重盛委員からも、政府との連絡の関係はどうかという御心配でございますが、この点につきましても政府では、河野国務大臣のところで緊急水利連絡会議というのをつくっておられるわけでございまして、これに建設省も全面的に協力をせられておるわけでありまして、私ども関係都県の知事とともに、この関係者の一員としてここでいろいろ問題をさばいていく、重大な問題は大臣のところで解決いたしますが、通常の問題は局長の段階のところで処理を願っておるというようなことで、最近の政府東京水道に関連しまする問題につきましての進め方は、私どもほんとうに感謝をいたしておるような次第でございます。
  156. 重盛壽治

    ○重盛委員 そうすると将来の、たとえば四十三年であるのか——私は四十五年というふうに聞いておるのですが、四十五年以降の水資源に関連しては見通しは非常に困難である。同時に、そういう問題を、たとえば山梨県から持ってくる、長野県から持ってくる、いま茨城、栃木ですか、群馬の話等もありましたが、そういう場合に、各県がおのおのの立場で御主張があるので、極端にいうなら、東京が来てダムをつくって、そして水を持っていくということなら、水くらいなら心配してあげてもいい、しかし、うちのほうにはこれこれの条件があるんだよというような事態まで起きて、なかなか困難であったということを聞いておるんですが、そういう問題の調節等に国のいま言われるような機関があっせんをするのか、逆にまた、水資源開発公団だけにまかしておくのか、その点をひとつ承っておきたいと思います。どなたでもいいです。
  157. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 ただいま東京都の副知事から、応急対策といいますか、さしあたっての緊急な、利根川からの余剰水の問題について建設省を中心として関係知事の入りました連絡会議政府にできてやっておる、こういうお話がございましたが、長期的な問題としましては、水資源開発促進法に基づきまして、経済企画庁に、関係各省なりあるいは関係の県にお集まり願いまして、いろいろ検討いたしております。さしあたり四十五年までのものは一応基本的な計画ができておりまして、先ほど来いろいろお話が出たわけでございますが、四十五年以降五十年、大体、いまの日揮としましては五十年程度でございますが、今後の問題としまして、東京都も入っていただきまして、企画庁がいわば土俵のようなかっこうでいろいろ調整なり検討なりやっていきたい、こう考えております。
  158. 重盛壽治

    ○重盛委員 そういう中で、いま私の具体的に申し上げたような問題も起きていることは事実ですか。それともそういう問題も解決ついていくという見通しでありますか。各県が、自分の県の水の資源はやろう、工事費その他は一切東京で持て——これは東京だけで持てない、国家も一緒になって持つ、そこに厚生大臣の言った総合施策という問題もあろうかと思いますが、そういう問題も出ておりますか。
  159. 鈴木喜治

    鈴木(喜)政府委員 全然ないと言いますと、あるいはうそになるかもしれませんが、いろいろ水源県は水源県の事情がございまして、自分のほうでは、むしろ下流の消費県が消費する水につきまして、水源県のほうの負担はなるべく少なく、しかも水源県でございますから、水源県のその付近につきましての需要は優先的にという、そういう御希望はございますが、結果的に見ますと、いろいろお話し合いの末、各県あるいは各省、いずれも異存のないところで基本計画がいままでのところまとまっております。
  160. 田川誠一

    田川委員長代理 いいですか。
  161. 重盛壽治

    ○重盛委員 けっこうです。
  162. 田川誠一

    田川委員長代理 参考人には、長時間にわたり御出席をいただき、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十五分散会