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1965-05-19 第48回国会 衆議院 大蔵委員会 第40号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年五月十九日(水曜日)    午後二時五十三分開議  出席委員    委員長 吉田 重延君    理事 金子 一平君 理事 藤井 勝志君    理事 坊  秀男君 理事 山中 貞則君    理事 有馬 輝武君 理事 堀  昌雄君    理事 武藤 山治君       天野 公義君    伊東 正義君       岩動 道行君    奥野 誠亮君       鴨田 宗一君    木村武千代君       砂田 重民君    田澤 吉郎君       谷川 和穗君    西岡 武夫君       福田 繁芳君    毛利 松平君       渡辺 栄一君    渡辺美智雄君       佐藤觀次郎君    只松 祐治君       日野 吉夫君    平岡忠次郎君       平林  剛君    藤田 高敏君       春日 一幸君    竹本 孫一君  出席政府委員         大蔵政務次官  鍛冶 良作君         大蔵事務官         (大臣官房日本         専売公社監理         官)      半田  剛君  委員外出席者         日本専売公社総         裁       阪田 泰二君         日本専売公社職         員部長     山口 方夫君         専  門  員 抜井 光三君     ————————————— 本日の会議に付した案件  製造たばこ定価法案内閣提出第一二六号)(参  議院送付)      ————◇—————
  2. 吉田重延

    吉田委員長 これより会議を開きます。  製造たばこ定価法案を議題といたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。平林剛君。
  3. 平林剛

    平林委員 それでは製造たばこ定価法案につきまして、二、三お尋ねいたしたいと思うのであります。  この法律案によりますと、従来新しいたばこ品種が発売されることに法律案も提案してくる、その煩瑣なことを避ける、そして専売公社に対してある程度製品に関しては自主性を与えるという趣旨のように思うのでありますが、一方財政法との関係におきまして、どういうような関係になるのでしょうか、その点を少し説明していただきたいと思うのであります。
  4. 半田剛

    半田政府委員 今回製造たばこ定価法案提出いたしました理由は、平林委員仰せのとおりでございます。そこで御質問財政法三条との関係でございます。財政法三条は、御承知のとおり新憲法財政民主化趣旨に沿いまして、従来旧憲法下におきましては、行政限りで自由に決定することができた課徴金あるいは製造たばこ価格その他につきまして、法律または国会議決に基づいて定めようとするものであります。それで財政法三条にはどういうことになっておるかと申しますと、御承知のとり租税につきましては、御案内のとおり憲法の八十四条で「法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」と規定しておりまして、厳格な法定主義を要求しておるわけでございます。そこで財政法三条におきましては、いまのたばこ定価その他につきましては、「法律又は国会議決に基いて定めなければならない。」こういうふうに規定しておりまして、この解釈につきましては、もちろん法制局とも連絡しその他調べたわけでございますが、財政法三条趣旨は、根本的な点については法律または国会議決を要するとなっておりますが、一々こまかい点につきましてまで財政法三条趣旨に基づいて定めなければならないというのではないという解釈に立ちまして、今回財政法趣旨にのっとりまして、大きな点につきまして法律で定め、細部の点につきましては大蔵省なり専売公社において行なわしていただきたいこういう趣旨でございまして、財政法趣旨にその点におきまして合致しておる、こう判断しておる次第でございます。
  5. 平林剛

    平林委員 財政法三条特例に関する法律というのがございまして、これによりますと、「政府は、現在の経済緊急事態の存続する間に限り、財政法三条規定する価格料金等は、左に掲げるものを除き、法律の逆又は国会議決を経なくても、これを決定し、又は改定することができる。」とあるわけであります。左に掲げるものとは、一として「製造煙草定価」、第二に「郵便、電信、電話、郵便貯金郵便為替及び郵便振替貯金に関する料金」、三として「国有鉄道における旅客及び貨物の運賃の基本賃率」とございます。今川は、この財政法三条特例に関する法律における初めての除外例製造たばこをはずしていこうというわけでございますので、その場合に、「現在の経済緊急事態の存続する間に限り、」と書いてありますが、こういう語句につきまして、どういうふうな理解のしかたをして今回の提案になったのかという点を説明願いたいと思うのであります。
  6. 半田剛

    半田政府委員 ただいまの平林委員の御質問は、財政法三条特例法関係、それから特例法におきます「緊急事態の存続する間に限り、」、この関係をどう説明するかという御質問だと存じます。御承知のとおり財政法三条は、財政法施行いたしましたのは昭和二十二年四月一日でございますが、その当時におきましては、物価統制令におきまして、国が相当範囲価格とかあるいは郵便料金等を定められる権限を与えられていたことその他の点におきまして、施行期日は、財政法附則第一条によりまして、別に政令で定める、こういうふうになっておりまして、施行が延期されていたわけでございます。しかしいつまでも財政法三条施行しないというのは適当ではございませんので、それで結局結論から申しますと、ただいま仰せられた財政法三条特例に関する法律というものを昭和二十三年に制定いたしまして、その年の四月十六日から施行することになったわけでございます。  そこでただいまの平林先生の御質問の、「現在の経済緊急事態の存続する間に限り」——特例法でございますので、そういう限定をつけているわけでございます。それは一体具体的にどうなのかと心しますと、その特例法にまた附則がございまして、その附則の第二項に、「この法律は、物価統制令廃止とともに、その効力を失う。」こういうことになっているわけでございます。すなわち裏返して申しますれば、物価統制令の存続する限りにおいてということになるわけでございます。そこで、御案内のとおり物価統制令はただいまでも入浴の料金あるいは米の売り渡し価格の一部等につきまして実行されております。したがって物価統制令も動いているわけであります。しかしながら、それはもちろん未来永久に続くということではないと存じます。ただしかしながら、ただいまの御質問にございましたが、将来どういうふうな経済情勢になるかは別にいたしましても、ただいままでこの財政法三条特例によりまして、いま先生言われましたとおり、製造たばこ定価、これはさらに除外してあるものもございますから別といたしまして、製造たばこ定価とこれこれを除きましては「法律の定又は国会議決を経なくても、これを決定し、又は改定することができる。」となっておりますので、この三条特例がどうなるにいたしましても、原則として製造たばこ定価というものは、これはただいまでも財政法の本則の趣旨によりまして法律化されているわけでございます。したがって緊急状態の今後のいかんを問わず、外国たばこ輸出用製造たばこについてはそのときにどうなるかという問題かございますが、それは例外的なものとして別といたしまして、製造たばこ定価につきましては、緊急事態廃止云々にかかわらず財政法三条趣旨によって定められる、こういうふうな書き方でございます。
  7. 平林剛

    平林委員 たばこ価格国民生活に比較をして適正であるかどうかという問題について判断をするのは、今後はどういうことになりますか。
  8. 半田剛

    半田政府委員 今後の判断のいわばものさしでございますが、従来もそうでございますが、今度のそのあらわれを、新定価法の第二条にもございますが、製造たばこ品目ごと定価は、この一条は最高価格が定められてございますが、その範囲内で「品質規格及び消費動向等を勘案して妥当なものであり、かつ、適正な専売収入をもたらすようなものでなければならない。」これがいわばものさしになるわけでございます。その場合さらに具体的にどういうふうに定めるかというのは、これは大蔵省並びに公社でございますが、そのときにおけるものさしといたしましては、この第二条の精神を受けましてあくまでもアービトラリリーと申しますか、恣意的な判断ではなくて妥当な判断、それがその品質または規格等は第一条に定まっておりますので、それを的確に判断してその範囲内で行なう。また消費動向等も見きわめる。また適正な専売収入——この適正な専売収入は、具体的には全体としては予算にあらわれると思います。また個々の定価につきましては、従来の製造たばこ定価あるいは専売益金率その他を適正に判断いたしまして、ことばは俗っぽくなりますが、過大でもなく過小でもないという適正な品質その他規格及び消費動向、以上のものさしを勘案いたしまして、大蔵省並びに専売公社において判断する、こういうことになるわけでございます。
  9. 平林剛

    平林委員 従来、たとえば国会提出される政府関係機関予算を読みますと、その中に専売公社予算の収支が審議を受けるように提出をされておるわけであります。この中にはたばこの各品種ごとの原材料はじめ各種の経費の明細提出をされておりまして、これを見る限りにおいてたばこ原価計算がどうとか、またその品種ことの国庫収入のいうのがどういう変化をするかという点が明らかになるわけでございますが、この法律が成立することによりまして、これらの資料あるいは明細というものの提出は免除されるとか、あるいはそういう提出がないとかいうことではないと理解してよろしゅうございましょうか。
  10. 半田剛

    半田政府委員 平林委員仰せのとおりでございます。資料その他付属書につきましては従来と同じでございます。したがいまして、先ほどの大蔵省並びに公社判断と申しましたが、あくまでも国会が一番優先すると申しますか、国会予算に対する審議権及び不断の国政調査権をフルに活用していただきまして、絶えず大蔵省専売公社が恣意的な判断をするかどうかということは、十分私たちはその批判にこたえるように誠実にかつ妥当な価格を定めるということにするつもりでございますので、従来と全く精神は変わらないつもりでございます。
  11. 平林剛

    平林委員 私個人といたしましては、専売公社にある程度たばこを発売する件についてはただいまの前提において自主性を与えることが公共性あるいは国民福祉という問題につながる、ある程度公社にその自主性を与えてやらせてみるということが必要な措置考えておるわけでありまして、その点は特に反対という立場ではございません。ただ私大蔵省に言いたいことは、この程度自主性を与えるならば、その他の分野に対しても専売公社自主性を与えるべきではないか、こう思うのであります。たとえば賃金のきめ方あるいはその他の運営につきましても、どういう自主性を与えようと考えておられますか。その点はいかがでしょう。
  12. 半田剛

    半田政府委員 ただいまの平林委員の御質問は、具体的に申せばたとえば公社当事者能力の問題であると思います。当事者能力の問題につきましては、ほかの政府委員ないしは大臣のほうからもお答えになりましたとおり、これは内閣全体として専売公社も含めまして、当事者能力をいかにして強くと申しますか自主性を与えるか、能力を与えるか。いまでも理論的に与えられておるのですが、さらに具体的にも拡大すべきではないかということは、内閣を中心といたしまして今後とも継続してこれを大きくしたいというふうに政府として努力いたしたい所存でございます。
  13. 平林剛

    平林委員 いま監理官専売公社自主性は単に製造たばこ定価の問題だけでなくて、その他にも与えるように努力しておるというお話ですが、政務次官のほうはいかがですか。
  14. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 いま監理官が言ったとおり努力しておるつもりであります。今後ともそのつもりであります。
  15. 平林剛

    平林委員 製造たばこ定価について公社にある程度自主性を与えるならば、賃金のきめ方その他につきましてもあまり大蔵省ひもつきにするのでなくて、この法律案で許容される範囲内においては、やはり公社自主性を与えるような配慮をすることが一番大事なことだと思うのでございまして、法案審議にあたりまして強調しておきたいと思うのであります。そこで、専売公社総裁がお見えになっておりますからお尋ねいたしますが、最近公社がいわゆる春闘の中でその職員に対し処分を行ないまして、これが新聞等に大々的に報ぜられておるのであります。専売公社事業がいろいろな意味におきましてこれから自主性を発揮し、大いに成績をあげよう、企業努力に燃えて、国家的利について職員の協力を求めなければならぬというような時期におきまして、解雇三名を含む百五十二名にも及ぶ処分を発したということは、きわめて重視すべき問題だと考えておるわけであります。元来専売公社として解雇者を出したというのは、今度が初めてでないかと思うのであります。また御承知のように、労働組合運動の中でこうした問題も起きるということは、いろいろな点で疑問があるのでないかということから、今国会ではILO条約批准の問題が議論せられておりまして、この関係法律についてもいろいろ議論されたところであります。この条約批准が確定して初めての解雇処分であるという意味では、一つの時期として問題点があるように感ぜられるのであります。同時に私の考えでは、専売公社という一つ企業は、きょう審議しておる法律案を見てもわかりますように、国鉄とかその他国の基軸産業と違って、ある程度公社自主性を与えてもいいというような程度企業でありまして、こうした民間産業と比較しても大体似たような企業がたくさんある中で処分を出したということは、この際真剣に検討しなければならぬ示唆が含まれておるように思うのであります。いずれにいたしましても、三公社五現業の中でトップを切って処分を出されたということも注目すべきであります。いろいろな意味で、今回専売公社総裁が発令をされた処分は問題がある。そしてその処分内容を見ましても、解雇者三名を含む百五十二名の処分というのは少し過酷に過ぎるのでないかという印象を受けざるを得ないのでございます。公社総裁からひとつその問題について御解明をいただきたいと思います。
  16. 阪田泰二

    阪田説明員 お尋ねのいわゆる春闘処分の問題でありますが、こういうような処分をやらざるを得ないような事態になりましたことは、私どもたいへん遺憾に思っておるわけでありますが、経過を申し上げますと、昨年米から本年の春季にかけまして賃上げその他の要求を掲げまして、専売公社労働組合がいろいろな闘争といいますか、活動をやっておりましたものでありますが、いろいろと勤務時間内の職場大会でありますとか、かなり違法な組合活動が行なわれたわけです。特に四月の二十三日でありましたが、この際は半日ストということを宣言いたしまして、山形工場そのほか五府県七工場におきまして半日間の就業拒否を表面から行なったわけであります。申すまでもありませんけれども、こういう行為につきましては、公労法にによりまして業務の正常な運営を阻害する禁止された行為でございます。したがいまして、私どもはこういうことにならないようにたびたび組合員の方にも御注意を申し上げ、あるいは警告をし、懇談もいたしたわけでありますが、結局御存じのような事態でこのストが実行されましたので、私どもといたしましてもやむを得ずこういった事実に基づきまして法律的に処分措置をとりました。ただいまいろいろとILO関係その他御指摘がございましたが、専売といたしましては解雇処分をいたしましたのは実はこういう問題につきましては初めてでございます。しかしまた正面からストということを宣言いたしましてストを実行したということも実は初めてなのでありまして、この辺私どもたいへん遺憾に思っているわけでありますが、こういう事態が起こりました以上は、現行法律に基づきまして現存の法律が支配しておるわけでありますから、やるべき措置をとるということは私どもとしてもやらないわけにいかないのであります。ILO関係条約批准されまして、関係法律改正等も行なわれますと、この関係で多少法律関係が変わるということは将来は予想されるのでありますが、しかし現在の法律制度のもとにおきましては、われわれとしてはとるべき措置をとらないでおくことはできないわけであります。まことにわれわれとしても残念なことであり遺憾なことでありましたが、やむを得ないことだったと思っておるわけであります。
  17. 平林剛

    平林委員 総裁はまことに遺憾でやむを得ないことであったとその事由を述べられたのでありますが、私は元来専売公社職員ストライキ権があってあたりまえだという考えを持っておるのであります。むしろこれを制限をしておるほうが間違いであって、現在の公労法によってストライキ権という労働者基本的権利を奪った議会のほうにむしろ間違いがある、そういう考えを持っておるのであります。世界の各国をながめて見ましても、たばこをつくっておる工場ストライキ権のないところはないのじゃないでしょうか。また専売公社総裁自身も私と大体同じような見解を持っておるのじゃないでしょうか。総裁公共企業体等労働委員会意見聴取の際にも、専売の実体というものは民間と変わりがないものだから、むしろ公労法からこれを除外してストライキ権を与えるべきだという御見解を述べられたと聞いておるのでありますが、そういう御見解から考えてみましても、現行法があるからと言いましても、少し自己矛盾をお感じにならないかどうか、総裁の御見解を承りたいと思います。
  18. 阪田泰二

    阪田説明員 ただいまの御指摘の点も現行法としては専売公社国鉄、電電と同じく従業員ストその他の争議行為を禁止しておるわけですが、これにつきましていろいろと立法の沿革その他に徴しましても、率直に申しましていろいろと御意見があると思います。私も個人的にはいろいろ意見を持っておるわけであります。ただそういう意見を持っておりましても、現行法のもとにおきまして、これは国会でおきめになりました法律が厳然として存在しておるわけですから、具体的に言えば公労法十七条、十八条の規定であります。こういう法律がはっきり現在存在しておりまする以上は、どうも個人的にどういう気持ちを持っておるにいたしましても、法律に基づいてとるべき措置をとらないでおくことはできない、こういうことでございまして、私どもまことに遺憾でありますが、やむを得ない措置であったということは、そういう意味で申し上げたわけであります。
  19. 平林剛

    平林委員 専売というようなたばこをつくる企業は局間と変わりないのですから、むしろ現在の公共企業体等労働関係法から除外をして専売公社職員にはストライキ権を与えるべきだということは阪田さんの個人的見解という御説明でございましたけれども阪田個人というよりは専売公社総裁として政府関係機関にその意見を具申されたと私は承知しておるわけでございますが、その点を明らかにしてもらいたいと思うのです。
  20. 阪田泰二

    阪田説明員 個人意見というものは、そういう意味からいいますと多少出てくる点があろうかと思いますが、たてまえといたしまして、われわれみな専売公社職員は現在の法制のもとに専売事業運営にあたっておるわけでありますから、現行法規について積極的に公式の意見が出るということは、専売公社職員なり役員のたてまえとしては、多少出過ぎたところがあるんじゃないかといったような趣旨で、個人意見と申し上げておるわけであります。ただ、先般行政管理庁のほうから臨時行政制度調査会の答申に関連して、いろいろ専売公社としての意見を徴されましたが、そういう際には、専売公社意見として現在も公労法関係専売公社労働関係に適用しておる点はむしろはずして、一般の労働関係法の規制にまかせたほうがいいんじゃないか、こういったような意見を申し上げたつもりでございます。
  21. 平林剛

    平林委員 実際問題として、現在の専売公社職員がかりに一日や二日あるいは三日ストライキをやったといたしましても、公共福祉といいますか、国民がそのためにたばこが吸えなくなるというような事態は常識としてはあり得ない、こういうふうに考えるのですけれども、いかがでしょうか。
  22. 阪田泰二

    阪田説明員 どの程度減産になるかというようなことに関連してくると思います。ただ最近の現状といたしましては、たばこストックといたしましては大体三十日分くらいあると思います。ただフィルターつきたばこその他よく売れる銘柄につきましては、十数日というような非常に少ないストックをもってやっておるわけでございます。ストがありますれば、あまり売れ行きがよくないと申しますか、普通の両切りたばこ等でありますれば、二、三日のストではほとんど影響がないと思いますが、現状でもかなり不足しておりますフィルターつきたばこの一部につきましては、これはかなり消費者の方に御迷惑をかけるといったような事態が起こってくるのではないかと心配しておる次第でございます。
  23. 平林剛

    平林委員 そのときは専売公社のほうが手持ちのたばこを持たせるとか何とかして、公共福祉影響を与えないような配慮をするのが経営者の仕事だと思うのであります。そういう意味では、専売公社職員が半日のストライキをかりにやったといたしましても、そのために公共福祉に大きい影響を与えるわけではないし、国民に与える影響というものもはっきり言ってないと言っても差しつかえない。問題はただ現在の法律が残っておるということにすぎない。公社総裁も、職員にはストライキ権を与えるべきだという見解政府関係機関に発表し、その意見を具申をしておるし、実害の点におきましても、実態は専売公社の職責が半日や一日、二日、かりに三日やってもすぐそのために影響を与えるということではないことから考えますと、今度の解雇という点は、実情から考えてみましても、ちょっと過酷ではないだろうかと思うのであります。大体公社処分理由を見ましても、ストライキをやったから解雇したというのではないんじゃないですか。
  24. 阪田泰二

    阪田説明員 今回の処分をいたしました者の中で、解雇処分になりました者につきましては、公共企業体等労働関係法を適用して処分いたしておるわけでございます。公共企業体等労働関係法によりますと、その第十七条で、職員あるいは組合が、同盟罷業、怠業その他正常な業務を阻害する行為をしてはならない。あるいはそういう行為をそそのかし、あるいはあおってはならない。こういう規定があるわけでありますが、十八条におきまして、「前条の規定に違反する行為をした職員は、解雇されるものとする。」こうありまして、こういうようなスト等の事実がありますれば、処分やり方といたしましては、解雇以外にはないわけであります。停職その他の処分は、従来専売公社法規定に基づきましてやりました場合がございますが、公労法正面からひっかかるものがありました場合の処分としては、そういうことにどうしてもなってくるわけでございます。
  25. 平林剛

    平林委員 最近公社当事者、これは専売公社だけじゃありませんけれども国鉄にしても全逓にしても、人間の首切りということを安易にやり過ぎるのじゃないかという感じが私はしてならないのであります。働いておる者にとりまして、その職を奪われるということは、死刑に近い待遇であります。私はかつて戦後の労働運動の歴史などから見ましても、一人の人の首を切るのでも、日夜悩んで悩み抜いて眠れない、その上に処分をする。しなければならぬときにはそういう形で処分が行なわれたことを承知しておるのであります。しかし最近の労働運動における処分やり方を見ておりますというと、まるで大根かニンジンを切るみたいな形ですぱすぱやる。私はそういう傾向が非常にあらわれてきたように思えてならないのであります。これは専売公社だけじゃありません。政府関係機関すべてにおいて言えることだと思うのであります。かつて国鉄総裁の下山さんがなくなられた。そのことについても、当時の事情からその真相を突きとめることはできませんけれども、あのくらい悩んで人の首を切っておるわけであります。そういう傾向が薄れてきたということはきわめて重視すべきことだし、先ほど指摘をいたしましたような条件から考えてみましても、今度の専売公社処分というものは、少しひど過ぎたのではないか。専売公社総裁に対して、私はそういう意味で追及をしておるのであります。遺憾であるとか、やむを得なかったというお話がございましたけれども総裁としていかがですか。ちょっとひどかったのじゃないかというようなお感じはお持ちになりませんか。
  26. 阪田泰二

    阪田説明員 解雇というような処分をするにつきましては、私のほうとしては、その人ももちろん慎重に検討もし、考えました上でいたしたわけであります。簡単に首を切るというようなお話もありましたが、先ほど御指摘がありましたように、専売公社としてはこういった争議行為解雇処分をしたのは今回が初めてでございます。一方から申しますれば、組合がこういったような、正面から公労法に違反する行為をはっきりと宣言していたしましたということも初めてなわけでございます。まことに今回の措置としてはやむを得なかったわけです。そういうことにならないように、事前に組合のほうに十分に申し上げたつもりでありますが、組合のほうでお聞き入れにならなかった。やむを得ずこういう処置をしたということでありまして、御了承願いたいと存じます。
  27. 平林剛

    平林委員 労働委員会でありませんから、解雇理由について詳しく追及することは避けたいと思いますが、組合がこういう行為に出なければならぬ背景には、専売公社の当事者としての、自主性というものもやはり影響があったのでございましょうし、賃金のきめ方について、政府の統一見解が、結局働いておる者をそういう羽目に落とし込んでいったという責任も、私は痛感をしてもらわなければならぬ面があると思うのであります。こういう点を考えますと、そういう問題を抜きにして組合と話したけれども、だめだったという言い分だけでは通らないものがあるんじゃないでしょうか。結果的に解雇、こういう過酷な処分をするということは、私はよほど慎重にやってもらわなければならぬ問題だと考えておる次第でありまして、どうも公社のおとりになった態度をわれわれ容認するわけにはまいらぬのであります。ただ大蔵委員会として感じますことは、専売事業はこれからいろいろな意味で合理化計画を進めようとしておりまして、その事業をなし遂げるには専売公社職員の協力を必要とするものが非常に多いのじゃないかと思うのであります。職員の協力がなければ、せっかくわれわれが法律でいろいろな配慮をし、そしてまた国民公社の発売するたばこを通じて、多少でもその中に娯楽を求めるということができなくなるのではないか。そういう点から考えますと、今回の処分がかえって国民に迷惑を与え、職員の協力を得られないというような結果になりはしないかということをおそれるのであります。この点、専売公社総裁はどうお考えになっておりますか。
  28. 阪田泰二

    阪田説明員 御指摘のような点もございますが、専売公社といたしまして、これからの計画といいますか、事業計画といたしまして、いろいろと組合あるいは職員の御協力、御理解を願ってやっていかなければならない問題が非常にたくさんあるわけであります。そういったような意味で、労使間の関係が正常に動いていくことがどうしても必要であると思いますので、従来ともいろいろそういう問題につきまして、事前に組合員に十分内容を説明して、協議をいたしますとか、そういったことにつきましては、いろいろ努力いたしてまいったわけであります。最近ではだんだんとそういうようなやり方も軌道に乗ってまいったように思っておったわけでありますが、この点につきましては、今川の処分の問題にかかわらず、引き続き労使が十分に理解し合って、専売事業の目的のために協力していく、努力していただく態勢ができ上がりますように、今後ともこの問題にかかわりませず、私どもとしては十分に努力してやってまいりたいと考えております。
  29. 平林剛

    平林委員 処分の発せられる動機、原因というものが、先般のいわゆる春闘の中において、幾ら団体交渉をやってもその団体交渉が形式化され、そしてまた専売公社自主性が発揮をされないために、すべて政府から拘束を受けるために、当事者能力をしっかり発揮できなくて、その努力にこたえる賃金あるいは報酬という点で、はっきりしたものが得られない。そこで労働者が団結をして行動を起こす。この結果、今日専売公社のほうは法律に基づいて処分をしたのでございましょうけれども、しかし、そこには非常に同情に値する問題がございますし、また公社自体あるいは政府自体が責めを負うべき理由が存在をするわけであります。いまでも、これからいろいろな事業をするときに、公社職員の協力は必要である。しかし、その協力を求めるには、求めるだけの態勢、公社総裁おっしゃったのですけれども、態勢が必要だと思うのです。その態勢についてはどういうようなお考えを持っておられますか。つまり、口で協力を求めたいとか、あるいは協力していただきたいとかというようなことだけではだめなんです。それだけにその努力、その協力に対して報いるだけの措置というものがなければならぬ。そうした問題がないと、問題はこじれるわけでありますし、また半日ストはいけないとか、あるいは職場大会はいけないとか言いましても、公社自身のほうにある程度の誠意が見られなければ、紛争は拡大するわけであります。今後合理化を進めていく。その合理化は国民福祉、利益につながるわけでありますが、そうした成果に対して、公社としては具体的にはどういう条件を改善する計画をお持ちであるのか、あるいはその条件を改善するための態勢ということについてどういう措置をおとりになろうとしておるか。そこが一番大事な点だと私は思いますが、いかがでしょう。
  30. 阪田泰二

    阪田説明員 公社側に当事者能力がないということで、交渉が十分に進まない、その辺のところからのお話でありますが、今回のいわゆる春闘の場合の例をとってみましても、組合の要求項目は三十数項目と非常にたくさんあったのでございますが、私のほうから組合に要望いたしました項目もたくさんあるわけであります。そういうような事項は、それぞれ団体交渉を重ねまして、お互いの話がつきまして、だんだんと解決へ進んでいる事項もたくさんあるわけであります。  これはいつものことでありますが、ベースアップの関係、あるいは春闘の中心になるベースアップの関係だけはいろいろな制約がございまして、一方組合の要求も七千円とか八千円とかいうような非常に大きな要求が出ておりますので、これがなかなか片づかない、こういうことでいっているわけであります。こういう点は別といたしまして、全体のこういった公社企業をどういうふうに持っていくか、それに基づいて職員の労働条件、給与なり、いろいろの処遇の面あるいは環境の面、あるいは公社全体としてどういうふうに進んでいくか、こういった面につきましては、十分に組合にもお話をしまして、その話を進めていくというような考え方で、従来から進んでおるわけであります。  公社企業がだんだんと安定的な発展を遂げていく、こういうことによりまして、公社としては組合のそういう努力に対していろいろの面で報いるといいますか、そういったことも可能になってくるのであろうと思います。そういった意味職員が大いに公社のそういう方向に協力して、生産性をあげる、労働の成果があがるといったような関係につきましては、どういうものに対してどういう手当を出すとか、どういうふうに配分するかというような具体的なところまでは、もちろん申し上げるわけにはいきませんし、きまっていないわけでありますが、ただそういった関係で、全体として公社事業が発展する、事業内容もよくなる、これについてはその成果が労働者にも配分される、こういった方向に持っていこう、こういう考え方につきましては、そう考えておることはもちろんでありますが、組合員の方々にも十分御理解が願えるように、平素から私どもとしては進めておるようなわけでございます。
  31. 平林剛

    平林委員 光公社には専売公社の伝統がある。その伝統の中にはいいものが多いわけであります。私は、これからもその専売公社の伝統をくずさないでもらいたいということを希望しておるのであります。今四の処分についてもそうです。これからいろいろな意味専売事業職員の協力を必要とする時期に処分を発する、その処分が結局現実の面を離れて、いわば形式的なものにおちいっている。そういうことで片をつけようとする考え方、こういう傾向は避けてもらいたい。ILO条約批准があったとき、また専売公社職員の実態から考えて、今日の公労法と適合しておる公社自身も、ストライキ権を与えてもいいんだという判断があるとき、今回の処分というものは非常に過酷に過ぎたのではないかと思うのであります。おそらくどなたもまだなまぬるいと言う人は一人もおりません。あったら、発言をしてもらいたいと思うのでありますが、いないようであります。非常に過酷な処分であるということをお考えになりまして、私は、公社総裁国会のこの空気というものを察知されまして、善処をされてもらいたいということを希望いたしまして質問を終わります。
  32. 吉田重延

    吉田委員長 只松祐治君。
  33. 只松祐治

    ○只松委員 国会と縁切り法案といわれておりますが、たばこを民主的に専売公社できめたい、こういうことを中心とした法案が出されておるわけです。こういう傾向については、行政府としては、できるだけ議会からの制約を免れていきたい、こうお考えになるのはやむを得ない面がなきにしもあらずでありますけれども、立法府の席にあるわれわれとしては、できるだけこういう行政の面を国民を代表しておるものがそれにタッチをしていく、こういうことが重要な任務になってくるわけでございます。そういう観点から私たちはこの法案に反対をいたしておるわけでございます。まあ表面上は必ずしもそういう趣旨説明なり、あるいはお答えにはなっておりませんけれども、私たちはそういうふうに受け取っておりますが、この法案を出されておる趣旨というものはどういうところにあるか、この点を私は一点だけお聞きしておきたいと思います。
  34. 半田剛

    半田政府委員 ただいまの只松委員の御質問でございますが、それに対しましては、簡潔に申しますれば、この法律案の提案理由にもありますとおり、ひとえに専売事業の円滑な運営に資するために、定価の決定に関する手続を簡素化するというのが目的でありまして、そのほかのは目的はございません。ただいまの先生のお話の、行政府としては国会から縁切りたいとというのが希望だと申しますが、こちらは国会に縁切りのためにこういうふうな法案を考えたのではございませんので、かねてから国会の中でも、いままでの定価の決定があまり煩瑣じゃないかという戸もあり、また数年前に公共企業体の審議会におきましても、そのような声がありました。ここらは考えたらどうかというような声もあった次第でございます。そのほか、これは専売公社総裁の諮問機関でありますが、販売関係のいろいろな学識経験者が集まりましても、いまの比価の決定につきましては、専売事業関係であまりにもこまかい、これを除去するために今度の法律案を提案したというのがひとえにその理由でございまして、国会と縁切りいたしましても、只松委員の言われましたとおり、立法府といたしましては、仰せられたとおり国会が一番オールマイティということばは俗っぽいのでございますか、国会は絶えず行政府を監督しているわけであります。また私たちは先ほどの平林委員からの御質問がありましたが、現在の基本法、憲法なり、財政法を無視してまで特別法を設ける、これは絶対に行政府でもどこでもいけないのでありますか、先ほど御答弁を申しましたとおり、現行における基本法の立場を生かしながら、しかもその中で手続を簡素化したいというのがこの法案のあらわれでございまして、国会審議権につきましては、先ほどの答弁とまた二重になりますが、縁切ろうと思っても縁切れるわけではございません。予算審議、そのほか不断の国政調査事項につきましては、いつでも要求があれば専売公社総裁なり、政府委員は喜んでというと、ちょっとオーバーでございますが、いつでも来る義務がございます。また皆さんはそういう権限をお持ちでございます。決して私どもはこれをもって縁切りたい、国会がうるさいから縁切りたいと思っておるわけではございません。先ほどから御答弁を申上げておるような理由以上のものではございませんので、重ねてここで御答弁申し上げるような次第でございます。
  35. 只松祐治

    ○只松委員 いま期せずして、あなたの答弁に失笑が出ましたように、そこいらかあなたのほうの本音でしょうし、あるいは受け取る側としては、やはりそこいらに本音を見出しておると思うのです。専売事業というのは申すまでもなく、これは間接税みたいなものでございますから、ただ単なる他の公共事業体の、主として事業を中心にやっておる、こういうものと専売とは、おのずから設立の趣旨、あるいは、したがって公社事業内容というものは異なってきておるわけです。いま他の公共企業体の関係云々という御説明がありましたけれども、私たちが縁切り法案などということを育っておるのは、普通の公共企業体なら、それはそれなりの一つ理由があると思うのですが、しかし国税庁とは違いますけれども、とにかく五〇%以上税金というものを間接税としてとられている。しかも間接税の累進ということについてたびたび私たちが言っておりますように、低所得者になるほど間接税の負担する度合いというのは高い。いわば一種の悪税というようなものにもなっている。まあ悪税、良税は別にして、大衆課税であることには間違いない。こういうものはできるだけ公社よりも、むしろあまり離れないで行政府一つとして存在していくことが望ましいことだと思う。より多く国民から監視される、そういうもとにあるのが、私は本来の専売のあり方だ。これは専売の民営論、たばこの民営論等ありますけれども、それはそれなりの基本において、本来とってきたのはそういう態度だと思うのです。そういうことを私はいろいろ心配をするわけなんですが、そういうことの例として、一つずつ多少聞きたいと思うのですが、まず最初に、現在葉たばこの輸入の需給状況あるいはその値段、その輸出入を取り扱っておる会社、そういうものをひとつ御説明をいただきたいと思います。
  36. 半田剛

    半田政府委員 葉たばこの需給状況、大きな問題でございますが、葉たばこにつきましては、大部分はもちろん御案内のとおり国産と申しますか、国内の葉でやっているわけでありますが、輸入につきましては、いろいろな国からの輸入がございます。たとえば昭和三十八年度の葉たばこの輸入の実績を見ますと、米国、ローデシアその他を含めまして、キロ数からいたしますと、二千二百四十三万九千キロ、値段にいたしまして百五十一億七千二百二十七万二千円というものが、つまり約百五十億円というものが輸入をされておるという状況でございます。  取り扱っている商社につきましては、私は存知しておりません。
  37. 阪田泰二

    阪田説明員 ただいまの葉ただこの輸入の数字につきましては、ただいま監理官から申し上げたとおりでございまして、大体国内で生産いたしますたばこ公社の使用いたします数量の八割以上をまかなっておりまして、輸入たばこは一割ちょっとこえるほどの量であろうと思います。そういったものを使用して、たばこを製造しておるわけであります。この葉たばこの輸入につきましては、これは数量が足りない、国内で生産できないという趣旨ではございませんので、何といいますか、たばこは大体いろいろな産地の葉をまぜて味をよくするといいますか、ブレンドしてたばこをつくるということが、諸外国どこでもそういうやり方でやっておりますので、私どものほうでもたばこにかおりとか味を添えるという、まぜる材料としてそれだけのものを入れておるわけです。こういったようなことで、大体今後もその程度の数量といいますか、割合のものを輸入してたばこをつくっていく、こういうことになろうかと思っております。  それで取り扱っております商社でありますが、これは実は非常にたくさんございまして、買い付けをいたしております。アメリカ、ローデシアやあるいはオリエント葉ございますと、ギリシア、トルコその他の地域、また近いところではインドとかタイとかそういうところからもいろいろ葉を買っておりますが、そういう葉を買い付けますにつきましては現地でそれぞれディーラーといいますか、商社がございまして、そういうものが葉たばこを買い集めておるわけでございますが、それを公社の方針に基づきまして、買い付けまして、それをさらに日本側の商社を通じて輸入するというような形をとっております。それぞれの地域におきまして、担当する商社が多数ございまして、ここで名前を全部申し上げるということは、ちょっとただいま資料を持ち合わせてございませんが、もし御必要でございましたら、そういうものの名前を全部資料として提出いたしましてもけっこうだと思います。
  38. 只松祐治

    ○只松委員 わからなければその商社の資料をお願いいたしたいと思います。  それから、その需給の計画というのは当然専売公社でお立てになるわけでございますが、どこでお立てになっておるか。したがってその値段の当否、高いとか安い、あるいはそういうものはどこで、どういうものを基準として、たとえば前年度なり既往のものを基準としておきめになっておるか。あるいは諸外国のそういう市場というものはないと思いますけれども、値段を決定しておるそういうものだとか、こういう公社でございますから、そう私かってにお買いになっているとは思わないのですけれども、どういう形で値段をおきめになっておるか、お伺いしておきたいと思います。
  39. 阪田泰二

    阪田説明員 外国たばこの輸入の計画というのは、これは公社で立てております。大体公社では製造たばこの需要といいますか、先々どういうようなたばこをどれぐらいつくっていくかということについて、大体の見通しを立てているわけでございますが、その見通しに基づきまして、たとえばピースならピースを何年度には何億本ぐらいつくるかという見通しを立てておりますが、ピースにはどの程度のアメリカの葉が入っておるから、それに相応するものをいまから準備しておかなければならない、そういったようなことでそれぞれの製造たばこの銘柄別の売れ行き見通し、そういうものを基礎にして、その中に含まれております外国葉というものを積算いたしまして、それによりまして積み上げました数量を、二年間葉たばこは貯蔵いたしまして使用いたしますから、二年前に買いつけておく、こういう手順になるわけでございます。  それで買い付けのときの価格でございますが、これは大体におきましてアメリカでもローデシアでも、大産地におきましてはいわば自由市場でございますので、マーケットができておりまして、シーズンになりますと、そのマーケットに農民からたばこが出てくるわけであります。その出てくるたばこをこれまた需要する側の、日本の専売ばかりでなくて、世界の、専売たばこ会社、買い付け会社、いろいろございますが、そういうものがその市場に出向きまして、せりで買うという形になります。おのずからそこに市場相場が出てくるわけであります。そういうようなことでありまして、いわゆる随意契約というような形でたばこを買いますことはきわめてまれでございます。ほとんどがそういう形で、自由な市場におきまして、その取引で相場というものがきまってくる、こういう形になっております。
  40. 只松祐治

    ○只松委員 そういたしますと、売るほうは五〇%以上の税金を含んで国会できめるならきめるとして、しかしこれは二割足らずの輸入品ではございますけれども、買うほうとしては相当随意に、かって気ままとは申しませんけれども、相当自由裁量でお買いになっておる、こういうふうに解釈してよろしいですか。
  41. 阪田泰二

    阪田説明員 その点はそういうものではございません。先ほども一例をあげて申し上げましたように、ピースならピースの中には何%アメリカのバージニア葉が入っておる、こういうことは配合が大体きまっております。その配合が変わりますと、消費者の方がたばこを吸われてもこれはどうもピースじゃないじゃないか、違っておるじゃないか、こういうことになるわけでございますから、ピースを将来何億本つくるということであれば、それに相応する葉だけは買っておかなければならぬ、こういうことで、全種類のたばこの将来の売れ行き見通しというものに応じた数量を買っておく。それで各マーケットにおきましても、大体日本の専売公社たばこはこういう種類の葉たばこが何割くらい入っておる、こういうことがわかっておりまして、向こうでも大体それに応ずる生産がされておるわけでございますから、自由自花に、かって気ままに自由市場から必要な数量をでたらめといいますか無方針に買ってくるということは、どこでもそういうことはやっておりませんし、できないことであると思っております。
  42. 只松祐治

    ○只松委員 日本の輸入される商社、アメリカからが一番多いかもしれませんか、そういうところはたばこの買い付けの専門家というものを置いて買っておるのですか。それともあなたのほうでこういうものをこれだけ買ってくれといって一応名ざしでお買いになっておるか、そういう関係はどういうふうになっておるか。ついでに、そういうたばこの輸出入組合等があるとお聞きしておるのですが、そういうところに専売公社の古手の人といいますか、あるいはそういう関係の人が役員におなりになって、何か有形無形のあうんの呼吸でもってそこいらはお買いになっておるのか、何かそういうものがあるのですかどうか。それからそういう輸出入組合等に専売公社の主要な役員であった方がおいでになっておるのかどうか、そういう点もひとつお答え願いたい。
  43. 阪田泰二

    阪田説明員 たばこの買い付けをいたします商社は、先ほど申し上げましたように現地の商社、現地でたばこを買い集めます商社、それを日本に持ってくる商社と大体二段ぐらいになっておるわけでありますが、いずれにいたしましても葉たばこというものは非常に専門的な知識、鑑定眼を要するものでありますので、それぞれもちろん専門家をもってたばこをうまく買い付けるということに努力しておるわけであります。  ただいま御指摘の輸出入組合といったような形のものは現在のところございませんと思います。
  44. 只松祐治

    ○只松委員 次に、小売り店の問題について若干お伺いいたしたいと思います。  現在小売り店の店舗数は非常に多数ございますが、その中で小売り店の手数料が、販売高といいますか数量によってこのごろは変わってきておるようでございます。手数料というものはどういうランクでどういうふうになっておるか。私たちとしてはできるならばこういうものは一律といいますか、一本化するのがいろいろな面でいいのではないか。あとでそういうものの御論議をしてみたいと思っていますけれども、現在は違ってきておるようでありますが、まずその点についてお答えをいただきたいと思います。
  45. 阪田泰二

    阪田説明員 現行の販売手数料といいますか小売り人の取る歩合でございますが、その率は昨年十月からちょっと変えたわけでございますが、月の売り上げ金額によりまして区分いたしまして、その月の売り上げ金額が十二万円以下の分につきましては一割、それから十二万円をこえ五百万円以下の分につきましては八%、、それから五百万円をこえる分につきましては五%、こういったような段階にきめてございます。
  46. 只松祐治

    ○只松委員 こういうように異なってまいりますと、専売公社のほうでもなかなか手数がたいへんかかって容易ではない、こういうふうに私は聞いております。それから小売り商のほうも十二万円以下の方を入れるとか、そのランクによって異なってくるわけで、たいへんにめんどうだ、こういうふうに聞いておるわけでございますが、そういうめんどうなことはない、スムーズにいっておる、こういうふうにお考えになりますか。
  47. 阪田泰二

    阪田説明員 手数料の問題、これは一律に全部同じ率できまっておりますれば、現行よりもそれは言算なり仕事が簡単なことはこれは当然でありますが、しかし現行のように、数段階の率を設けておりましても、現在のところ——これは昨年の十月にいまの率はきめたわけでございますが、その前からこういう段階的な率のやり方でやっておりまして、そういう事務手続といいますか、計算手続等も十分に現在ではなれてきておりますので、別段そのために支障を生じておるということはないと考えております。
  48. 只松祐治

    ○只松委員 私のところにお話があったのは逆で、たいへんに繁雑だからできれば一本化なりあるいは二つ程度にランクを引いていく程度くらいがいいのはでないか。実質上は五百万以上というようなことは少ないわけでございますから、二つといえば二つのあれでございますけれども、そういう点の陳情があったわけでございますが、やったばかりでいきなりまた変更するというようなこともなかなか容易ではないかと思いますが、ひとつ御検討をお願いしておきたいと思います。  それからこの前にちょっとお聞きしたわけでありますが、時間がない、あるいはあまりこういう問題だけ論議するのはどうかと思って、それほど論議しなかったのですが、どうしても私は解せない面があるわけです。たとえばここにありますたばこ販売団体交付会が五百三十三万あります。あるいは販売報償費が九千四百九十万あります。たばこの耕作者の交付金が八千万からあります。こういういわゆる助成金というようなものは、まあいろいろなところに使われておるから結局あるわけでございますが、逆に今度はたばこの小売り店は小売り店で、いろいろな名目で今度吸い上げられて、協同組合へ持っていかれておる。それは全国で相当膨大な額にのぼっておるわけでございます。こういう点に関して、これは協同組合は純然たる民間であるから民間ということになりますが、先ほどから申しますように税金を、間接税を扱っておる関係のこういう組合でございますから、全然皆様方と無関係である、あるいは国民と無関係であるとは私は思っておらないのですが、こういうものがなぜこうまで必要なのか、あるいはどんなところに実際上使っておるか、私もたばこ屋さんを相当知っておりますし、そういうところの役員の方も知っておるわけであります。そういう裏話と申しますか、個々のことまではお話はいたしませんけれども、こういう公の金というものはもっと明らかにすべきだろう、こういうふうに思いますが、どうしてもやはりこういうものは必要でございますか、どうでございますか。
  49. 阪田泰二

    阪田説明員 たばこ耕作組合あるいはたばこの小売りの人の組合に対して公社から交付しております交付金とか報償金、こういうものについてのお尋ねと思いますが、まあこれにつきましては公社としてもただ漫然としてといいますか、内容のないものを、ただ補助金といいますか助成的意味で交付している、こういう筋合いではございませんので、たばこ耕作組合法に基づきますいわばかなり公社の葉たばこの生産に対しまして協力するといったような使命を持った組合でございますので、その組合公社の命令といいますか、指示に応じて公社のやるような仕事をやる、いろいろとそういうことを協力してやる、こういうものにつきましてその経費を交付するとかそういったような趣旨で出ておる交付金が多いわけでございます。販売組合関係におきましても、同じような趣旨たばこの販売小売り人に対する指導あるいは販売、広告、宣伝費、その他の問題につきまして公社の指示に応じて小売り商の組合が協力する、こういったものに要する費用といったような意味で交付すべき筋のものでございまして、また大体そういう交付金を組合が受領いたしまして、それをどういうふうに使ったかということも、これまた組合の決算で明らかにされるということになっておりまして、ただ漫然とまとまったら一定の金額を交付して使途その他についてもはっきりしていない、こういう状態にはなっていないのであります。
  50. 只松祐治

    ○只松委員 私は必ずしもそういうふうに思わないのですよ。たとえば私が知っておる一例を申し上げますと、あるところの競輪場、あるいは競馬場、そういうところにたくさんの人が集まってまいりますが、そういたしますと、そこに直接専売局の出張所のほうからおろすというようなこともある。とにかくいずれにいたしましても手続はよろしゅうございますが、とにかくたばこ小売り商の組合の名のもとにそこで販売をして、そしてそれをたばこ協同組合等で使う、こういうことが行なわれておるやに聞いておりますけれども、そういうことがあるかどうか、御存じになっておりますか。
  51. 阪田泰二

    阪田説明員 ただいま御指摘の点は具体的な事実関係を承ってみないと、私どものほうでよく判断しかねるわけでありますが、競輪、競馬場その他で常時人が集まらない、ある時期だけに人が集まるというようなところにつきましては、まあ、定の小売り人に——小売り人の資格のある者に出張販売といいますか出売りということを臨時に認めるといったような形でやっておる場合が多いように思います。そういった場合に、その小売り人の資格のある者、その者が販売手数料の収入を得るわけでありますから、そういうようなことで処理されておるのであると思いますが、具体的の場合どういうことに御指摘の場合なっておりますか、これは伺ってみないとよくわからないと思います。
  52. 只松祐治

    ○只松委員 いまおっしゃったように小売り店のあるところもあるかもしれませんが、常時競輪競馬が開催されておりませんから、まあだれかの名義で持ってくるか、あるいは協同組合でやるか、いろいろなそういう形で販売されておるわけです。これはお調べになればすぐわかると思います。しかしこれは国でいたしますと、こういう競輪、競馬あるいは競艇その他、この売り上げ額というのは膨大なものになるわけですね。これの手数料というのも、売り上げ高も、したがって相当膨大なものになるわけです。これが特定の人々のために使われておるということならこれは相当の問題だと私は思うのですが、きょうは私は具体的なことは申し上げませんし、また皆さん方のほうでも調査になっておりませんので、知らないということでございますけれども、やはりこういう公の、特に税金に——私はこの前、間接税の一つの問題としてビールの問題をいろいろお聞きしたわけでございますが、ビールも五二%から税金でございます。たばこも五〇%から六〇%くらい税金だ、こういう問題の取り扱いというものは、とかく金があると人間おおらかになりますし、金のある役所もおおらかになってくる。こういうことで、これはみずからそう意図しなくても、おのずからそういうことになってくる。しかし、だからといってそういうことではなくて、やはり国民の直接税ではございませんけれども、間接税ですか、血税に属するこういうものを扱うところとしては、慎重の上にも慎重にこういうものは扱っていくということが私はきわめて大事なことだと思います。当然にやはりこういうことを扱っている行政府の人はえりを正し、そういうものにひとつできるだけ細心の注意を払っていただきたい。私はそういう問題点のあることだけ一例を申し上げまして、ひとつ善処をお願いしておきたいと思います。  そこで、小売り手数料の引き上げ運動等に関連して公社との関係がいろいろあったことも私は存じておりますけれども、そういうことまできょうは申し上げませんが、ぜひ皆さん方のほうでもそういう点は自粛自戒されてひとつ扱っていっていただきたい。このことを申し上げたいと思います。  最後に、いま申しましたような趣旨とも関連いたしまして、たばこの販売協同組合、あるいはさっきないということでございましたが、輸出入組合やあるいは輸出入関係のおもな会社、それから塩業組合等などに専売局のほうから、よく主要官庁の天下り人事といわれますけれども、そういう人事関係がございましたらひとつできるだけ資料でけっこうですから、資料提出をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
  53. 吉田重延

    吉田委員長 資料提出できるそうです。  堀昌雄君。
  54. 堀昌雄

    ○堀委員 先ほど平林委員質問をいたしておりました点について少し重ねてお伺いをいたしますけれども、「日本専売公社製造たばこ予定原価」という中に、ずっと品名別、定価、製造原価、販売費及び管理費、総原価計、地方消費税、小売手数料等とありまして、最後に差額という欄がございますね、この差額というのは一体何でしょうか。
  55. 半田剛

    半田政府委員 純利益でございます。
  56. 堀昌雄

    ○堀委員 純利益というのは、もちろん公社としての純利益ということでしょうか。これと専売納付金との関係はどういうふうになりますか。
  57. 半田剛

    半田政府委員 専売納付金の計算は、公社の先ほど申しました純利益から、固定資産の増加額、これを控除したものが専売納付金、こういうことになっております。
  58. 堀昌雄

    ○堀委員 そうすると、厳密にいうならば、たばこの間接税相当額というのはわからないわけですね。
  59. 半田剛

    半田政府委員 堀先生の御質問でございますが、間接税そのものでございませんので、それは固定資産の増加分というのを引かなければなりませんので、個々的にはわかりませんけれども、私たちは、いろんな資料等におきまして御承知のとおり、納付金のほかに地方消費税、たばこ消費税プラス専売公社の純利益、このプラスしたものをもっていわゆる専売益金率として絶えず計算し、原価をきめるときその他において考慮しております。
  60. 堀昌雄

    ○堀委員 私が伺っておるのは、総体としての専資納付金というのは出ますけれども、要するに定価分の中に含まれておるところの間接税相当額は、個々銘柄については明確でないのではないかという、こういうことを伺っておるわけです。いまここには「とうきょう46」は差額が十本当り二十七円十五銭、こう出ておりますけれども、いまのお話によれば利益金であるから、それでは資料の中に含まれておるそういう間接税相当額が幾らかということはちょっとわからないのかどうか、その点をひとつ……。
  61. 半田剛

    半田政府委員 ただいまも堀委員の言われるとおり厳密な意味において明快にはっきりするということにはなっておりせん。
  62. 堀昌雄

    ○堀委員 そうすると専売価格というものの性格が間接税ときちっと一緒になっていませんから、その点で問題があると思いますけれども、結局財政法三条規定しておる専売品のたばこ定価をどうこうするということは、私は本質的には、実はこの部分にかかっておるのではないか。要するにその他の原価はこれは当然要るものですから、だからそれは何も法定をしなくても問題はないわけです。たとえばいま酒税を見れば、酒類はいま御承知のように基準価格もはずれて原則的には自由な価格です。だからそれについての原価、流通マージン、その他のものは、これは何ら法定されておるわけではありません。要するに、その中に占める酒税部分だけが法定されておるということになっておるわけですが、いまあなたの答弁を聞いておると、個々銘柄の中における間接税の相当分が明確でないから定価で押えてある、こういうふうに理解せざるを得ないのですが、どうでしょうか。本来の財政法三条規定しておる定価という問題についての概念ですね。
  63. 半田剛

    半田政府委員 堀先生の御質問でございますが、明確でないから定価で押えるというのではございません。それではどういうことからきますかというと、たばこ専売益金というものはこまかい額まで個々的に明確であるといなとを問わず、実質的には一種の間接税、消費税的な性格を持っておる。これは堀先生のすでに言われたとおりです。しかしながら、なぜ財政法三条で租税と違っておるかと申しますと、これは言うまでもなく租税そのものではなくて、その中に含まれました専売益金というものは間接税的あるいは消費税的な性格を持っておりますけれども、現象、形態と申しますか、これはものの購入、販売という形であらわれる。そういう点におきまして、租税そのものとは形式的にも実際的にも違うということが言えるわけであります。さればこそ、なぜそういううことを私が申しますかといいますと、そういうものがあればこそ租税に関しましては憲法でもって租税法定主義、しかも先ほど私が平林委員に対してお答えいたしましたとおり、堀先生つとに御存じのとおり、租税につきましては法律または法律の定める条件によることを必要とすると非常に厳格になっておりますが、しかしそれに反しまして財政法三条では、たとえその中身が実質的に間接税的な性格を持っているものでございましても、先ほど説明したとおり、租税とは違う形の、物の売買という形をとっておりますので、財政法三条は、租税と違いまして、「法律又は国会議決に基いて定めなければならない」この「基いて」ということにつきましては、種々私どもも勉強したつもりでございます。それは租税法定主義における憲法八十四条の規定とは少し違う。必ずしも、個々の銘柄までこれを法律または国会議決に基づくという必要はない。客観的なメルクマールと申しますか、ものさしというものがわかる程度であればいいというのが、いろいろ調べ、また法制局等とも研究したのですが、その程度ならば十分である。乱用してはいけませんけれども、租税そのものとは違って、そこまでの範囲ならよろしいというのが、いろいろの著書における通説でございます。これが私たちの解釈でございます。
  64. 堀昌雄

    ○堀委員 いまあなたは販売、購入等によって生ずるからと、こういうことをおっしゃったけれども、販売、購入によって生ずるというなら、物品税であろうと酒税であろうと同じじゃないですか。そこによって生じてくるのでしょう。そうするとどこに差がありますか。販売購入等が主たる理由にならないのじゃないですか。
  65. 半田剛

    半田政府委員 私の説明が舌足らずであったかもしれませんけれども、物だからというのじゃなくて、物の対価であるという意味で、租税とは違う、こういうことを言ったつもりでございます。
  66. 堀昌雄

    ○堀委員 それじゃちょっと伺いますけれども、酒税の中に入っているあの税金ですが、一般の国民は物の対価として払っているのじゃないのですか。あれは何で払っているのですか。
  67. 半田剛

    半田政府委員 申すまでもなく、物の対価として払っております。
  68. 堀昌雄

    ○堀委員 それでは差はないですね、あなたの答弁から聞くならば。
  69. 半田剛

    半田政府委員 物の販売という点では同じかもしれませんけれども、租税は税率できまっておるわけであります。それで専売につきましては、その中の個々的な銘柄について何円何銭まできちっと——益金が正確に出る出ないは別といたしまして、そのものの中における間接税的な性質の金額が含まれておるという点につきまして、租税とは違うわけであります。したがいまして、片方の租税法定主義は——たびたび申し上げるようでございますが、租税は「法律又は法律の定める条件による」という場合の租税ではないことは明らかであります。したがいまして、憲法八十四条と別に財政法三条で、専売価格というものをきめているわけであります。もし堀先生の言うようでありましたら、財政法三条において専売価格というものを持ち出しているということがおかしいわけでございます。おことばを返して失礼でございますが、そういう意味で租税と専売価格とは違うということは、憲法及び財政法といういわゆる基本法で分けてあるということから私たちは判断しているのでございます。
  70. 堀昌雄

    ○堀委員 私も、租税だと初めから一つも言っているのじゃないのです。間接税相当分と言っているんですよ。私は租税とは一言も言っていない。あなたは一生懸命、専売は租税とは違う——そんなことは初めからわかっていることですからね。いまの答弁も私とすればちょっと筋違いの感じです。ただ、あなたの話を聞いていたら区別が明らかでなかったから、それで私はいまそこを伺ったということなんです。いいですか。しかし、このたばこ専売法その他における罰則その他は、これは間接税の国税犯則に準じて取り扱うという法律がありますね。そうするとこれは、犯則があればその犯則は間接税に準ずるという以上は、私の言っているこの部分もやはり間接税相当分であるというふうに——これは間接税としてやると書いてあります、準じて書いてあるのですけれどもね。ですから、少なくともその性格は、あなた方のほうはできるだけラフにいけるのだという概念を使いたい、いまの租税に基づくというのは、基本的なものがあれば細目まできめる必要はないのだ、これは解釈いろいろですからいいわけですけれども、その点はやはり、専売法のいろいろな問題というのは、本質的には間接税というものの体系の上に乗っておるというふうに全体として考えられておるのじゃないか、私はこう思うのですけれども、その点はどうでしょうか。
  71. 半田剛

    半田政府委員 いま堀委員の御質問のとおり、専売価格、つまり専売品というものが間接税的な性質のものを含んでいるということはそのとおりでございます。  そこで国犯法との関係でございますが、堀先生の言われるとおり、第七十九条を見ますと、「国税犯則取締法の規定は、この法律の違反事件に準用する。」というのも、やはり間接税的な性質も加味いたしまして考えまして、国税犯則取締法の規定を準用しているわけでございます。しかしながら堀先生御自身言われたとおり「準用する。」となっておりますので、これをもって定価の決定においてまで、租税と同じような厳格なものにするというふうにまで思うのは、これはおことばを返すようですが、私はそうではないと思います。  なおそれに関連いたしまして、これも堀委員御承知のとおり、専売法規違反の事件は、「間接国税の犯則事件とする。」とこう書いてございますね。しかしながらこれをもって間接国税なりというのは、これは正しくはないと思います。  これはちょっと歴史めいておそれ入りますけれども、御承知のとおり国犯法は昭和二十三年七月七日法律第一〇七号が出るまでは、間接国税についてだけ言われたわけです。そこで昭和二十三年の法律第一〇七号で、国税全体を対象として国犯法ができた。間犯法が国犯法になった。そこで国犯法というのは、税金ならば何でも適用する条文と、直接税だけに適用する条文と、間接税だけに適用になる条文と、三つに分けられることになったわけですから、たばこ専売法ができたのはそのあとでございます。一体、犯則事件とした場合にどうなんだ、国犯法を準用する場合に、どういうふうに準用するかはっきりしませんので、そこでこれは間接国税犯則事件として適用すると明記いたしました。間犯法が国犯法にかわったことに伴う法制技術的な過程で、間接国税の犯則事件とした次第でございます。したがいまして、先ほど申しますとおりこの七十九条を見ましても、「準用する。」となっているのが一点。それからもう一つは、間接国税の犯則事件とするというのは、間接国税と全く同じだから犯則事件とするというのではなくてあくまで立法技術的に、こういうことばにたばこ専売法が書いてある、こういうことをもって御了承いただきたいと思います。
  72. 堀昌雄

    ○堀委員 これは何か専売法に書いてあると、こういうお話ですが、法律にただ書いたのじゃないのです。これはやはり国会議決に基づいて法律ができたのですから、そこでいまの間接税の違反だという概念を、技術的とかなんとか、それはあなたがかってに解釈しているだけのことであって、法律のたてまえをすらっと読めば、片っ方は「準用する。」となっていますよね。その点は私も認めるけれども、しかし片っ方は「犯則」だ、こういうわけですからね。それにちゃんとはっきりと書いているわけですからね。だから解釈は、おのおのの立場によっていろいろ変わるでありましょうけれども、なぜ一体こういう問題が、租税法定主義というものが出てきたかという沿革から考えてみる必要があるんじゃないかと私は思うのです。要するに、それは国民から、租税の形であれ何の形であれ、少なくとも強制的に金を取り上げるものについては、国民の同意なくしては取り上げてはならぬというのが本来的に憲法趣旨なんでしょう。だからそうなると、いまあなた方のほうが最高価格という形をきめるということが、さっきあなたもいろいろと国会で議論したらいいというお話ですけれども最高価格の中に現状でも——実は私ともこれまでこまかい議論をしていなかったわけですけれども、品目別に実は間接税相当分は非常に差があるのですよ。だからそういうことになると、最高価格だけがきめられた場合に、われわれは一体その中に占める間接税の相当分は幾らなのかということは、今度の形になると全然わからなくなってしまうわけです。最高五十円として、その中でものをきめてくるときに、場合によっては二十五円取っても取れるわけですね。だからその点が今度は非常に不明確になってくる。これまでのは一本一本の形だから、だからその中ではこういう皆さん方の予定原価というものが出てくれは——ここにも新製品で予定原価二十六円八十四銭、こういうふうに出ていますね。だからそういう予定原価があるから、それをもとにして、われわれとしてはその価格についての問題の処理はできたけれども、今後は一応あなた方のほうが一方的に五十円という最高価格のワクの中で、一級品ですか、一級品というのは、十本で価格五十円ということになれば、五十円のものも四十円のものもできる。しかし、これはもう一つ明確にならない点があるのは、上限がきめてあるだけだから、場合によっては、もっと下だって一級品ということもあり得るでしょうね。これはどうなるのわからぬのだけれども、二級品というのは三十五円が最高になっている。しかし三十五円の一級品というのもあるかもしれないし、この法律では上限だけきめているのでわかりませんね。そこでその製品製品そのものによって、要するに間接税相当分というものがはっきりしてこないのじゃないですか。最高限だけがきめられておるという形では、ものによってはたくさん税金をとるものもある、同じ価格で税金が非常に少ないものもある。現状でも必ずしも一定ではないわけです。またそのバラエティーの差というものはそんなに大きくないけれども、四十円のところで見ると、「ホープ」四十円が十八七銭、その次の新製品の「MF」ですか、これは十八円六十五銭、それからフェルターつき「ピース」が十八円十七銭、それから「ピース」は十七円八十四銭、現状でも同じ価格であっても、実は間接税相当分に相当な開きがあるわけです。ただ、これはいま品目別な問題になっているから別として、これがもし最高価格のようなことになれば、その部分というものはわれわれの権限外で問題は処理をされる。だから、私が旨いたいことは、税金の部分だけについて——税金というか、国民から強制的に取り立てる部分について、事前にそれをわれわれが見るチャンスがあるのなら、私は定価の問題はこの幅に入ろうとかまわないと思います。要するに、あなた方のほうの原材料なり、その他の製造原価に販売費及び管理費という総原価、それから地方消費税はきまっているものだし、あと小売り手数料等の問題も大体予算の中できまることだから、そうなれば、結局問題は、残る差額の問題のところに一番重要な問題がある。だから総原価がどうなるかということは、皆さんのほうできちんとそろばんをはじいて出るものだから、そこがどうなるかは、われわれは特に触れる必要はないけれども国民から強制的に取り立てる部分の問題というのは非常に大きい。だから私は、裏返して言えば逆になったほうがいいと思う。十円から十五円までの間接税相当分をとるものについてはどうですということなら、いまのあなた方の基本をきめて細目をはずすということに該当するかもしれない。しかし、これではちっとも基本がきまってないですよ。定価の上限がきまっているだけということは、間接税相当分については、あなた方のほうに野放しで白紙委任状を渡したと同じ効果が生じてくるわけです。そこにこの法律案問題点がある。だから定価の問題として押えておる問題は、いまのいろいろな話の経過の中で、過去のそういう沿革があったから。しかしここの法律できめているときは、その定価というものは同時に間接税相当分の問題も含んで処理ができたけれども、今度セットで渡すのだから、セットで渡すには間接税相当分についての問題というものがもう少し明らかになってこないと、あなた方の基づくというのは一方的に細目まで拘束する必要はないというけれども、基本はもうこれでくずれてしまう、そういうふうに私は思うのですが、その点はどうでしょうか。
  73. 半田剛

    半田政府委員 ただいまの堀先生の御質問はいろいろな点を含んでおりますので、必ずしも全部網羅するかどうかわかりませんが、まず、今後は個々の銘柄について正確な専売益金というものがわからないじゃないかという点から申します。これは実は現在におきましても、専売益金の計算というのは先ほど申したとおりでございますから、個々的な計算が予算書の付属資料にありますとおりでございまして、この点につきましてはいまでも同じなのです。今後も全く同じ資料が出るという点におきまして、今度改正することによって不明確になっちゃうのじゃないかということは、これは当たっていないというのが第一点です。  その次は、最高限をきめるので、それじゃボーダーラインというのがおかしいじゃないかということになりますが、これはまさに堀先生の申されましたとおり、法案では第一条に最高価格だけ押えております。このほうは原料品を主にしてここにいろいろ品質が書いてございます。詳しい説明は省略しますが、それによって最高限を押えているわけでございます。二級品につきましては、原料の品質も違っておりますので、三十五円が最高価格なのです。したがいまして、通常の場合におきましては最下限というのはきめてないけれども、これは重複というのはあり得ない。普通の同じような重量の場合にはおのずから一級品というのは五十円から三十五円、つまり三十五円をこえる価格である、二級品というのは二十五円をこえる価格である、こういうふうになるわけです。ところがそれには例外がございます。それは製品の品質等で押えましたから、たとえばシガリオロとか、いろいろな形の違ったものにつきまして最高限は、それが品質は堂々たる一級品である、それにもかかわらず三十五円以下になっちゃったら二級品になるか、これはおかしなことでございまして、重量等の異なった一これは例外的でございますが、そういうふうな大きさのものにつきましては、直近下位というと何か俸給みたいになりますが、直ちに下のほうの等級の価格とある程度重複することはあるかもしれません。しかしこれはあくまで例外でございまして、くどくど申しましたが、通常の場合はおのずから五十円が三十五円、三十五円が二十五円、そこのところが最下限になるというふうに私たちは判断しております。これが第二点。  その次は、間接税相当額を抑えられないから個個的なものについて非常に恣意的になる、だから、むしろ最高の幅を押えるのはおかしいじゃないかという御質問だと思いますが、それはそんなことはないのでございます。と申しますのは、最低限が押えられているんじゃない、最低限だったらえらいことになるんで、最高限が押えられていますので、その間の実質的な、一体どのくらいその中にいわゆる専売益金があるかというのは、二条におきまして——これも抽象的と仰せられるかもしれませんけれども、この基本方針として、やはりその重量、その品質の中でもって、先ほど平林委員に対する御答弁で申しましたとおり、「品質規格及び消費動向等を勘案して妥当なものであり、かつ、適正な専売収入をもたらす」ということで判断いたしますので、おのずから妥当なところに帰着するのでありまして、決してかってに政府がいたしていくことができるということにはならないというふうに考えております。考えるだけじゃなくて、また実際そうでございます。また一番初めの御質問関係あるのですが、一々の品物につきましても、予算書その他におきまして、いまと同じようなこまかい資料——いまでも正確な租税部分はわからないじゃないかとおっしゃいますが、これはやはり専売益金の算出方法の側からきた物理的な問題でございまして、それを除けば、あとう限りいまと同じようなこまかい資料を出すわけでございますので、繰り返して申し上げますようで恐縮でございますが、国会審議と申しますか、実質的な調査というもので絶えず批判を仰いでいるわけであります。くどくなりましたが、この一条の規定と二条の規定、それと国政の調査権なり予算審議、これをあわせまして私たちはかってなことをしようとしても、決してできないような仕組みになっておる、こういうふうに申し上げたいのでございます。
  74. 堀昌雄

    ○堀委員 いまのお話の中で多少わかる点もあるのですけれども、現実に言いますと、いまのものそのまま横すべりにすると、最高限三十五円のところで見ますと、「ハイライト」三十五円、これに対して十四円六十二銭という利益金ですね。その次が新製品三十五円で、これに十四円五十銭というのが一つあります。「ひびき」は三十円で十一円二十九銭、「スリーエー」も三十円で十円六十三銭、その下へいって、いまの二十五円というのがあるから、そこらまでが今度の二級品というのの中に入ると思うのですが、そういう場合に、この税金との関係の比率が非常に違うわけです。税金というか間接税相当分ですね。だから私はいまこういう分け方をするのなら、やはりその中にはそういう間接税相当分のほうとの見合いが何かきちんとなっているというならまだわかると思うのです。ところが一つの幅をきめた中では、あなた方のほうは、比較的自由に、間接税相当分の幅を現在でも、同じ品目でありながら、これだけ違うのでしょう。「ひびき」が三十円で十一円二十九銭、「スリーエー」が三十円の十円六十三銭ということは、その差額が六十六銭もあるわけです。同じ品目の中でもこれは相当幅が大きいのですよ。こういうことが、いまの形になればさらに拡大をするんじゃないか。品目によって税金の部分の差がいろいろ出てくるというようなことでは、やはり問題は、定価になっているけれども、私ども一番関心があるのは間接税相当分のところなんですよ。実際は物のいいものができているなら、定価が上がってもしかたがないのです。国がやろうと民間がやろうと、そんなことは同じなんですから。だから問題は、やはりどうも今度は野放しになるのではないか。いまのお話のように、予算をきめるときに資料が出たところで、予算は、何もたばこ定価をきめるために予算をさらっているわけじゃないわけですからね、政府関係機関予算というものは。これは全体のものの中で、参考資料として皆さんが提出しているだけであって、だからその予算の中でこれがどうこうというわけにはいかないわけですよ。参考資料としては出てくるでしょう。しかしやはり私どもは、今日までこのような法律でやってきたということのほうは、じゃどうだったのかということですね。だから今日までこういう状態で戦後ずっとやってきて、いまここでどうしてもそれを変えなければならぬという点については、やはりどうもそれに対しては積極的な理由に乏しい。いまの形でやったって、ちっともできないことはないのではないか、一体どこがどうしてできないのかという点が、私はいまの点で非常に不十分なような感じがするのであります。どうしても現在までの法律では困るのだというところの積極的な理由をちょっとお伺いしたいと思います。
  75. 半田剛

    半田政府委員 いまの堀委員の御質問に対して、私の受け持ちというわけではありませんが、監理官として、いまの専売益金と価格関係についてまず御答弁いたします。  それからいままでの法律ではなぜ不十分であったかということは、政務次官の提案理由説明その他で——私も説明いたしますが、総裁のほうから、実際上仕事の上で困るという点を徴しましょう。  まず第一に、順序といたしまして、先生の誤解があるんじゃないかと思うのですが、一つは現在発売されている価格につきまして、そのままでもって、これは政務次官の御説明にもありましたように、あらためて、いまのままの定価で、形式なり内容等を書きまして公示いたします。したがいまして、そのままの形で継続されるわけです。それから現在の発売品におけるいわゆる専売益金と申しますか、いろいろ額が違うじゃないかと申しますけれども、これはたばこというものは、私どもそちらの専門じゃありませんが、いろんな葉組みの違いその他いろいろなものがありまして、同じ三十円なら税率のように何円何銭ときちっと同じにしろといったって、たばこのほうが動いてしまうわけです。これは私より公社の専門家の方が答えたほうがいいと思いますが、むちゃに違っちゃいけませんが、現在発売しているものにつきましても、堀先生御指摘のように、多少の違いはありますが、それはそれなりにちゃんと順序よく整っている。それが全くきちっと横に向いているかどうかは別として、多少の何銭くらいかのところまでそろえろといいましても、これは物理的に無理なことでございまして、これはそういう趣旨を体して、いまの銘柄についてもやっているつもりであります。  それから第二番目に、今後につきましては野放しになるじゃないか、予算のときは別に個々の銘柄を審議する、それが主目的ではない。それはそうでございますけれども、今後発売するものにつきましても、先ほどから繰り返して申し上げますとおり、今度の法案が第二条の趣旨によりまして、新しく発売される場合につきましては、現在おのおのの等級は、最高額がきまっておるわけです。その中におきまして、値段はどうするか、それからその中におけるいわゆる益金率はどうするかというのは、いままで発売されているものを参考にする、その他いろいろ公正な判断で、私たちが大蔵省なり専売公社がきめる、こういうふうになっておりますので、税率のように、一銭一厘まで合わせろといってもそれは物理的に不可能でございますが、あくまで公平妥当ということを頭に置きながらきめていくという点は、全くいままでと同じ精神であるし、また実際上はそのとおりでございます。  それから第三番目の、公社運営上どうしてもいままでいろいろ困った点がある、今後もいままでの定価の決定法では非常に困るということにつきましては、阪田総裁から具体的に答弁があると思います。
  76. 阪田泰二

    阪田説明員 最初に先ほどからたばこの原価ということがだいぶ問題になっておりますので、一言ちょっと公社事業運営あるいは原価計算の実際について申し上げておきたいと思います。公社たばこ製造の予定原価というものは、いままで予算附則にも載っておりますが、これはここに書いてありますように、あくまで予定原価というものであります。こういうものできっちりとこういう差額を上げるようにやっていくのだという性質のものではございません。製造の実情から申しますと、これは御承知のように、公社は全国に四十一の製造工場を持っております。この工場条件というのは、非常に区々でございます。労賃の水準平均水準の高い工場もあるし、低い工場もあるし、また工場の設備等によりまして、能率の高いいい工場もありますが、あまり能率の上がらない古い工場もあるわけでございます。したがいまして、一応こういうふうに書いてありますが、そういう方法でかりに割り高計算をやることが妥当だといたしましても、実際には当然違ってくるわけです。四十一工場でその銘柄をつくっておりまして、そのつくった銘柄も時期によってだんだん変わってまいります。そうしますと、能率の悪い工場に回ったほうのたばこの原価は高くなる。どういう計算方法にいたしましても高くなる。いろいろ動きがある、こういうわけでございまして、さればといって、能率が悪い、コストがそのために高くなった工場たばこは高く売らなければならぬ、こういうことにはならないと思うわけであります。そういったようなことで、ごく一応の仮定の計算、こういうことにお取りを願いたいと思うのでありますが、間接税相当分と申しましても、全体として関連的にはそういう部分がある。全体の収支を見ていただいて、もうかった分が間接税相当分だというふうに見ていただくほかはないと思うのでありまして、個々の銘柄につきまして、これだけが間接税相当分だということを出すことは不可能に近いのではないか、そういう性質のものであろう、こう思います。  それから法律定価をきめてありまして、御承知のように、専売公社は十年来定価を変えてないわけでございます。定価を変えませんでも原価が変わっているわけでありまして、葉たばこの値段が変わるし、労賃も変わるし、材料費も変わりますし、工場の能率その他も全部変わってくるわけでありまして、毎年かりにこういう方法で計算いたしますと、毎年この差額の率も変わってくるわけであります。定価も押えておきましても、堀先生のおっしゃる間接税相当額というのは毎年変わってくるわけであります。そういう意味におきまして、国会定価を押えて間接税相当分を動かさないように監督されるということでありますと、定価を押えておいても効果がない、そういう性質のものであるということを御了承願いたいと思うわけであります。  なお、たばこ定価の問題になりますと、よけいなことになりますが、いかにコストがかかって、高い葉っぱを使って手間をかけてコストの高いたばこをつくりましても、消費者がそのたばこを吸って、どうもこれはまずい、そう高く買えないというたばこであれば、高くは売れないということになりますので、単にコスト関係、それに間接税相当額を加えたもので定価をきめるということも、それで売っていくということもかなりむずかしいことになると思うのであります。そういったような意味で、価格関係が原価に消費税相当額をぴったり加えれば適正な価格になるということもなかなか言いにくいのではないか。何と申しましても、趣味嗜好品でありますから、その辺にわれわれとして苦心している点もあるし、むずかしい点もある、こういう点をひとつ御了承願いたいと思うわけであります。  それで、先ほどの、従来のようなやり方であると、公社としては困るという点でありますが、この点につきましては、御指摘のように、従来からいまのような法律でやってまいったわけでありますから、従来のような制度では絶対にやれない、公社としては事業の経営ができない、こういうものではありません。しかし、こういう法律を通していただければ公社として非常にやりやすくなる、こういうことが言えると思うわけであります。  最近だんだんと世間の趣味嗜好といいますか、たばこの売れ行きにこれは反映してまいりますが、だんだんと世界的に変わってくるような傾向がありまして、社会生活、みんなの趣味嗜好の変化に応じたうまい製品を適切につくって、適時に出していく、あるいは試験的にいろいろなものをつくって反響を見てみる、こういったようなことが非常に必要になってくる。そういったようなことを努力してやっていかなければ、専売公社としてもなかなか使命は果たせないのではないか、こういう気がするわけでありますが、そういう意味におきまして、いろいろな規格、銘柄、内容のものを適時に発売できるといったような形になっておりますれば、われわれとしても非常に便利なわけです。これは御承知のことでありますが、オリンピックの寄付金に充てますためにオリンピアスを発売いたしましたが、これはオリエント葉をたくさん使いまして、内容としてはかなり高級ないいたばこでありましたが、当初売れ行きがあまりよくありませんでした。それでいろいろ研究しました結果、フィルターをつけた製品をつくればかなり売れる、またかなりいいものができるというようなことに気がつきまして、これをつくろうとしたわけでありますが、これが法律にはっきりと両切りたばこと書いてあるものですから、かってに発売をするわけにいかないというようなことで、これは国会が臨時国会で非常にお忙しいところを御無理を願いまして、たばこ定価法の一部を変えまして、フィルターつきのたばこ規定を通していただきまして、フィルターつきたばこをつくった。それが非常に売れまして、従来の両切りたばこはほとんどつくらないで廃止いたしたわけであります。そういったことでオリンピック基金もやっと完遂できたといったようなこともあります。従来のように規定が非常に厳密にできておりますと、たとえば味についての評判が悪いから多少葉組みを変えてみようというときに、黄色種が何%とか書いておりますと、そういうことにひっかかりまして、思うような葉組みの改変もできない。あるいは包装関係で、こういうような包装のほうが受けるだろう、いいだろうといったような場合、包装を変えようといたしますと、たとえばたばこの長さに変化が起きてくる。そうすると、長さ何ミリといろいろこまかく書いてありますので、これも国会の御決定を経ないと変えられない。そういったようないろいろやっかいな問題が出てくるわけです。そういったような点につきまして、ある程度範囲内でおまかせいただけますれば、公社としても非常に仕事がやりよくなる。それによって、公社に与えられました使命等もできるだけうまくやれるようなことになろう、こういうふうに考えておるわけであります。
  77. 堀昌雄

    ○堀委員 いまのお話で、専売公社のいまのお考えわかりますけれども、私そういうことは、法律で出す場合には、何も法律で長さが何ミリでなければいかぬということにきまっているわけではないと思うのです。長さは何ミリでなければいかぬというふうにいま法律になっていますか。そうでないでしょう。もしそうなっているとすれば、そこを直せばいいのですよ。私どもの言いたいのは、専売益金相当分というか間接税相当分というものがチェックされればいいのです。だからもっと簡単な法律国会へ出してくればいいのですよ。あなた方のほうで、そのあとは多少包装が変わろうと、あるいはそれにフィルターをつけようと、そんなことまでわれわれは、一ぺん法律できまったら、実はそういうことを法律できめようというのが本来の趣旨じゃないのですよ。黄色葉を何%、何ミリ、何グラムでどうしろという、そんなことは技術的なことだから、われわれそんなことを要求する意思はないのです。だから私は、もしそういうことが主たる問題であるならば、こういうことをやめて、そっちのほうを簡素化すればいいと思うのです。要するに私の言いたいことは、このたばこを売る場合に、大体こういう品種を売るときに、名前は何で、幾らで、そうしてそれについてのいろいろな間接税相当分というものは、大体このくらいのことだなあというような程度がチェックできればいいのであって、厳密なことをわれわれ要求するつもりはない。  それからいま公社総裁が答えられた点でも一つ、試製品は六ヵ月以内の間は一々われわれのほうにあれしなくてもいいのじゃないですか。どうなっておりますか。詳しくちょっと見たけれども、はっきりしないのですが、試製品の取り扱いのところ等も、そんなに厳密になっていないじゃないか、どっかアローアンスがあるように思うのですけれども、その点はどうなんですか。
  78. 半田剛

    半田政府委員 試製品につきましては、堀委員御指摘のとおり、現在の製造たばこ定価の決定又は改定に関する法律の第二項がございまして、その試製した製造たばこを、その型式及び品質に応じてほかの小売定価に準じた価格で販売することができるけれども、「六月をこえないことを例とする。」こういうふうになっておりまして、そうしてこえて販売されるときは国会の手続を経る、こういうことになっております。
  79. 堀昌雄

    ○堀委員 ですから、いろいろバラエティーのあるもので試製品をお出しになろうと思えば、六ヵ月の範囲内であなたのほうでやってみて、そうして六ヵ月たてばめどが立つから、法律で出してきてちっとも一差しつかえないし、同時に最近の国会の状況は、百五十日間国会をやって、秋には臨時国会がほとんどあるわけですから、そういう意味では、何もそう国会を避けて政令事項に委任をしなくても、私はいまのようなことはできるのじゃないか。それこそ法律技術の問題であなた方が出してくるときに、たとえばハイライトならハイライト、何でもいいけれども、それのフィルターをとるとかつけるとかいうことは、そこは何も法律のほうでアローアンスがついておればいいのです。何もわれわれそんなことを言っておるのじゃない。問題は、われわれがさつき言ったように、間接税相当分がやはり国会議決に基づいて判断ができる余地が——これは財政法で明らかにしておるのだから、法律に基づくか国会議決、こうなっておるのだから、その点やれるにもかかわらずやらないでこういうものを出してくる。これは私たち納得できないのですよ。どうですか。半円さん、いまのままでもできるのじゃないですか。いまのように法律を出してくるとき幅のある形にして——価格は困りますよ。価格は五十円なら五十円できめてもらわなければ困るけれども、あとの問題についてそんなにこまかいことまで、法律要綱として、何の葉が何グラムで、長さ何センチ句ミリで、目方が幾らでなんということを要求しようという気持ちはないわけですからね。現行法でいいのじゃないですか。それはどうですか。
  80. 半田剛

    半田政府委員 まず第一点、現行法では、堀先生からお話がありましたが、たとえば朝日にしますと、長さ八十五ミリ、内周二十九ミリ、そのほかいろいろこまかく書いてございます。したがいまして、実に厳密そのものであります。この点、現行法ではできないわけです。  第二点は、六ヵ月をこえない場合においては試製販売、これは先ほど読みましたとおりでございます。ところが、先ほど公社総裁が答えましたとおり、いろいろ生活が多様化してきて、試製につきましてももう少しフレキシビリティーのある試製を持ちたいということになりますれば、六ヵ月ではなかなかむずかしい場合があると聞いております。この点におきまして、試製販売六ヵ月そのままでいいということも、これもできないというわけであります。  第三点は、堀先生の御質問の中で、それだからこそ、財政法でもって、法律または国会議決に基づいて明らかにしなければならないと仰せられましたが、それは専売益金額は明らかにしろとは書いてないのです。それですから、私たちは、政法三条趣旨に違反しない範囲におきまして今回の法律を出したわけでございます。ことばを返すようでございますが、これは私の考えでございます。
  81. 堀昌雄

    ○堀委員 いまの製造たばこ定価の決定又は改定に関する法律の二項のほうは、一年と直してもいいのですよ。六ヵ月でなければならないことはない。こっちを一年と直すことは、われわれ反対しないですよ。六ヵ月を一年と直してもかまわない。いま私の言っておるのは、相当額が定価とのバランスであるから、定価はきめなければなりませんよ、それは相当額との関連であるから、こう言っておるのです。いまの何ミリとかなんとかいうことは、そこを直せばいいのですよ。そういうふうに出さなければならぬと言っておるのなら、そこを直せばいいのであって、とにかくあなた方のほうができるだけわれわれにいやみを言われないで、簡素に自分たちの一つのワク内で処理ができるようにしたいというその姿勢は困ると私は言っておるのです。大体問題はそこなんですよ。だから私どもは、やはりその租税法定主義の問題というのは国民生活に利害があるのだから、やはりできるだけ手間をかけたっていいのですよ。あなた方はお忙しい中を国会に法案を提出して御迷惑——何も御迷惑なことないのです。われわれこれが仕事なんだから。国会議員は国民の利益のために法律審議するというのがわれわれの任務で、あなた方が御迷惑だなんというのはまことにおせっかいで、われわれは喜んであなた方が出してくる法案を審議する。いいですか。そこらのあなた方の姿勢がわれわれ納得できないのです。だから直すものは直していいと私は非常に弾力的に言っているのです。試製という点は六ヵ月を一年にしてもいいと宵っているのです。出してくる法律はもっと簡単なものにしていいのです。しかし国民生活に直結し、強制的に国民から取り上げる租税に類似したものは、少なくとも国民の代表であるわれわれが賛意を表したものであってしかるべきではないか。私の言っていることはどうですか、政務次官国民の代表として当然だと思うのです。
  82. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 いまあなたのおっしゃるように言われればそのとおりだと答えるほかありませんが、これくらいの小さいものは一々あなた方のお手数をわずらわさなくてもよかろうということが本音であろうと思います。どうぞ御了承いただきたい。
  83. 堀昌雄

    ○堀委員 政務次官は要するに、あなたの考えと同じだと言っているのだ。ただ小さなところというのは、政務次官、ここが問題なんです。なるほど一つたばこの中の原価が十五円五十銭とか十円七十銭とか、金額は十銭か二十銭かわかりませんけれども、しかし国民が負担する総体の量というのはたいへんなものです。よろしゅうございますか。決して小さなことじゃないのです。私がかねてから申し上げておるのは、パーラメントというのは一体なぜできてきたかという歴史的変革をわれわれはもっと真剣に考える必要があるということを言っておるわけだ。租税法定主義というものが出てきたのは、要するに専制君主に対して国民が自分たちの権利を守ろうとしてこういうものが出てきたのでしょう。政務次官法律家ですからよく御承知だと思うのです。それならば私どもはそういう筋を守っていかなければ国会議員の任務が果たせないのではないか。私たちはたとえわずかな金額といえどもこれが総体として国民が負担をするものについては、たとえそれが単位あたり一厘であろうと五毛であろうと、われわれの責任は明らかです。これは政務次官どうでしょう。われわれは国会議員として国民の代表としてここに出てきた以上は、そういうものを守るためにきておるのじゃないですか、そうでしょう。そこのところを政務次官お伺いしたい。
  84. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 厳格に言えばそういうことになるかもしれませんが、租税という観念でよかろうということで、こういうことでも差しつかえないと思ってやったのですが、その点御了承願たいと思います。
  85. 堀昌雄

    ○堀委員 いまの御答弁で、政務次官は私非常にりっぱだと思うのは、良心があるのですよ。政務次官はおせじでなくて国会議員としての良心があるから、厳密に言えばそうだ、あなたはいまそうおっしゃったでしょう。しかしわれわれはこういうことは厳密にやらなければいけないのです。これは実は非常に重要な問題なんです。私はいろんな問題がだんだんと行政府の恣意にまかされていくものが最近あまりに多過ぎると思っておるのです。だからここらでやはり政治家は民主主義の政治というものの上に立つ基盤をもう一ぺん冷静に考え直してみる必要があるのじゃないか。だから私がさっきから触れているところは、専売公社をがんじがらめにして身動きのならないようにしたいなんということは一つ考えていない。だから法律のあり方については、提案してくる法律はもっと簡単なものにしてよろしい、試製は一年販売してもよろしい、そういう公社総裁の言われたことはみんなあなた方のやるようにしましょううと言っているじゃないですか。しかし肝心なところの筋だけは守りましょうという私のこの考えが、政務次官間違っていますか。こまかいことはまかすと言っておるんだから。そうでしょう。しかし厳密な筋だけは守りましょうという私の提案が、どこか間違っていますか。政務次官どうです、重ねてちょっと伺います。これは政治的な判断の問題ですからね。技術的なことじゃない。私が間違っているかどうか。事務当局の話はいいです。政治的な問題を聞いている。
  86. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 租税法定主義の原則を守るべきことは十分わかりますが、これは厳格な意味の租税とは違うからここらのことはよかろう、こういうことでやっておりますのです。そしてまたいままででもこれくらいのことはやったらよかろういう声もずいぶんあったものですから、それに従ってやったわけで、そうあなた方の権限を無理に狭めようという考えはさらさらないことだけは、ひとつ御了承願います。
  87. 堀昌雄

    ○堀委員 財政法三条特例に関する法律で「製造煙草定価」「郵便、電信、電話、郵便貯金郵便為替及び郵便振替貯金に関する料金」「国有鉄道における旅客及び貨物の運賃の基本賃率」これらが除外されなかったのは一体どういうことですか。これは国民生活に非常に重要な関係があるからなんですよ。いいですか。だから私もそれが租税だなんて、初めから一言も言ってないですよ。あなたの答弁はおかしいですよ。私は租税だとは一ぺんも言ってないです。間接税相当分と言っているんだから……。しかし少なくとも国民から強制的に取り立てることにおいては同じだということを言っているんだ。いいですか。だから特例法がこういうことになっていても、それは政務次官考えなければいけませんよ。あとのものは全部議決を要する。その点は実質的に租税でなければ国会議決してはならぬということになっていないんだから……。いいですか政務次官、政治家としてのあなたに聞いているんですよ。事務当局から何かぜんまいを巻かれてそれで答弁するような政務次官では、私は評価を変えざるを得ぬですよ。あなたは実にりっぱな政務次官だと思っているんです。ほんとうにおせじじゃなく。私がなぜりっぱかというと、あなたは法律家でしょう。法律というものは厳密を重視するものなんですよ。そうでしょう。いいかげんなことで裁判はできないし、法律家は、少なくとも弁護士はきちっとものを考える。私も自然科学から出てきたからきちっとものを考えるたちなんですよ。だから非常に共通点がある。だからあなたが非常に筋を守られておる点において敬意を表しておる。そういう意味で、私が言っていることは間違っているかどうかということを聞いている。これだけアローアンスを政府のほうに出しているじゃないですか。専売公社総裁が、こういう点をこれまで上りはこうしてもらいたいんだがと育ったものはみな白紙でやってあげましょう、法律そのものをかえましょう、筋のわかった話でしょう。そこまで言っている。さらにしかし筋は曲げないようにしていかなければならないがと言っている。私の質問考えが間違っているかどうか、ひとつ政務次官お答えいただきたい。
  88. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 筋を曲げないようにやっていこうという点は仰せまでもありません。そのとおりであります。ただ税法のことについては私もあまりこまかいことは知らぬものですから、どうもそれ以上こまかく突っ込まれると答弁に困るので、あと一々こまかい理屈は調査官がおりますからどうぞ……。
  89. 堀昌雄

    ○堀委員 政務次官から、要するに筋としては私の発言が正しい、こういう答弁をいただきましたから、私これでけっこうです。  そこで、この国会でこれはしょうがないから一ぺん通しましょう。しかしこの次に与党の諸君に御相談申し上げたいのは、私の言っていることが間違っていなければ、試製は一年でも二年でもいいですよ。それは、だから、ひとつ与党の諸君よく聞いておいてもらわぬといかぬ。これはほんとうはわれわれ自身の問題なんだから、政府の問題ではないのだから、その点を十分ひとつ皆さんもよく聞いておいていただいて、次期国会においてはわがほうはそういう専売公社の希望するような改正法をひとつ出しましょう。そうしてこの法案はひとつやめてもらう方法をわれわれは次期国会で提案をする、こういうふうに考えております。  それともう一つ申し上げておきたいのは、専売公社は、さっき平林委員も言いましたけれども、もっと変えてほしいところがたくさんありますよね。第一、いまの企業会計になっていないような予算政府提出させられておるなんという点は、私から言ったらあなた方はもっと逆にそこを言わなければいけないんじゃないか。企業会計に徹したような形で処理ができるようにしてもらわないでおいて、あんな損益計算書やなんかといまの一般会計式の大福帳みたいなものとを並べて出したって意味ないでしょう。公社総裁どうですか。あなた正直におっしゃい、専売公社の利益を守るために。
  90. 阪田泰二

    阪田説明員 専売公社といたしましては、現在の公社法なりたばこ専売法、こういう制度のもとに専売事業の経営に当たっておるわけでありますから、現行制度につきましてとやかく申しますことは、私どもの権限の範囲外でございます。ただ意見を徴せられますれば、これは個人的な意見のような形になりますが、現行予算その他の制度は必ずしも公社企業の実態に即していない、こういうことは申し上げられると思います。
  91. 堀昌雄

    ○堀委員 だからそういう点を、こんなことよりももっと肝心なところをあなた方は直すように努力をすべきじゃないですか。だからこれはややどうもそういう意味では、公社としては何というか、イージーゴーイングに過ぎるやり方ではないか、こういうふうに思いますので、そういう問題を含めてひとつ少し検討をしていただきたいということを要望して私の質問を終わります。
  92. 吉田重延

    吉田委員長 武藤山治君。
  93. 武藤山治

    ○武藤委員 主として職員部長に尋ねたいのでありますが、過般の専売従業員公社側との賃上げの紛争について、公社処分をいたしたようでありますが、その処分の内容、人員、程度、これをまず職員部長から明らかにしていただきたい。
  94. 山口方夫

    ○山口説明員 ただいまの御質問でありますが、今月の十二日に、先ほど総裁が申しましたように、解雇三名を含む百五十二人の停職、減給、戒告等の処分を発令いたしました。その根拠といたしますのは、四月二十三日の半日スト、これに対する処分、それから去年の年末からいわゆる春闘にかけましてその他職場大会等の違法不当な組合活動に対する指令、指導等についての処分であります。
  95. 武藤山治

    ○武藤委員 百五十二名の人たちを処分をした内容が、解雇三名を筆頭にして非常にその処分の軽重があるわけであります。その軽重をきめた基準は一体何であるか、明らかにしてもらいたい。
  96. 山口方夫

    ○山口説明員 処分は、公労法によりますと、御承知のように争議行為が禁止されておるわけでありまして、この四月二十三日あるいは三月十七日の組合活動業務の正常な運営を阻害するものと考えられますので、公労法の十七条違反というふうな考えをもちまして、その最高責任者の解雇処分、その他現場の指導しました職員の責任を公社法の二十四条を適用して、それぞれ停職、減給、戒告等をいたしております。
  97. 武藤山治

    ○武藤委員 私が聞いておるのは、たとえば停職一ヵ月、停職二ヵ月、四ヵ月、六ヵ月、首切り、こういういろいろな軽重があるわけですね。どういう基準でそういう差がつけてあるのか、これを明らかにしてほしいという質問です。これをまず明らかにしてもらいたい。
  98. 山口方夫

    ○山口説明員 組合活動の指導にはいろいろございまして、たとえば減産額とかあるいは職場大会の時間内の食い込み時間、そういうものがそれぞれの工場によって違いますが、そういう程度、あるいは職場交渉等におきまして、現場の課長等に職場交渉をやっておりますが、そういう場合の食い込み時間、それぞれ工場事業場によって違いますが、そういう点を勘案して、それに対します関与の問題、どの程度指導しておるかということを考えまして、裁定したものであります。
  99. 武藤山治

    ○武藤委員 そこでその関与の程度ですね。三ヵ月の停職、四ヵ月、六ヵ月、八ヵ月、十二ヵ月、首切り、こういう段階があるわけでありますが、どういう基準でこういう首切りにまで及んだかのその当時の基準をひとつ後ほど資料提出をしてもらいたい。それでいま、たとえば三ヵ月の場合はどういう例で、六ヵ月はどういう例で、八ヵ月の場合はどういう場合にこれだけの処分をした、おのずから基準があるはずです。職員部長、基準がないのにこんな処分はできませんよ。それを明らかにしてもらいたい。
  100. 山口方夫

    ○山口説明員 工場が四十一工場ございますが、その中で三月十七日あるいは四月二十三日にいろいろな不当行為がございました。それに対しまして、それぞれ時間内食い込みの時間を点数制で計算いたしまして、たとえば一番多い者から順序にクラシファイいたしまして、そうして裁定いたしたわけでございます。
  101. 武藤山治

    ○武藤委員 その点数というのは一体何を基準にきめたもので、一時間について一体どういう点数をかけて処分をきめたのか。それからただ単にそういう職場闘争をやったという責任者が、指令を出したという責任上処分をされておるのか、実際にその人が公社事業を阻害したという程度がちゃんと疎明できるかどうか。裁判だったら明らかにそういう証拠を並べて疎明できて、なるほどこれはいかぬやつだという、本人が反省をせしめられるような具体的資料がなければいけない、そういう事実が提起できなければいけない。そういう立場から私は質問しておるので、その点まず点数というのはどんなものでだれが一体きめるのか、それをひとつ明らかにしてもらいたい。
  102. 山口方夫

    ○山口説明員 点数と言いましたのはこちらの判断資料でございまして、いろいろクラシファイをしてその実情を見るための指標でございます。
  103. 武藤山治

    ○武藤委員 まったくわからぬからあとで資料で、処分程度の差によって全部中身を委員会に出してもらいたい。いいですな。  それから昨日総裁並びに職員部長にお会いしたときに、専売公社はいまだかって首切ったことはない。今回初めて三名の首切りを断行した。以前に小田原工場、印刷工場かどこかで首を切られたときには、総裁の思いやりで撤回をされたことがある。印刷工場でしたかね。完全に首を切ったのは今回が初めてであります。あなたが職員部長になってこられてこういう事態が初めて起こったのであるから、私たちはこれを非常に重視しておるわけであります。あなたは昨日ストをやったから首を切ったのだ、従来よりも重い処罰をした理由はそこにあるという答弁をいたしましたね。これを確認しておきますが、昨日そういう答えをいたしましたね、どうですか。
  104. 山口方夫

    ○山口説明員 先ほどからも言いますように、今回の四月二十三日の行為は半日ストと銘打って職場放棄をしたわけでありますから、それに対して公労法の適用があるものと考えます。
  105. 武藤山治

    ○武藤委員 昨日私たちがたずねた際に、なぜ首切りという死刑に該当するような最も重い処分をしたのかという質問に対して、あなはたストをやったからだ、こういう答えをいたしましたね。私はいたしたか、いたさぬかというその答えを確認しておる、どうですか。
  106. 山口方夫

    ○山口説明員 公労法の違反に対して解雇処分をしたということを申し上げたわけであります。
  107. 武藤山治

    ○武藤委員 それはおかしい。きのうです。公労法法律はあるのですから法はきちっと守らなければなりませんということはあなたは言いましたよ。それはそのとおり。それ以外に、なぜ今回は首を切るほど重大な処分をしたかということに対して、ストをまっこうから振りかざしてストをやったから、それで首を切ったのだ、こういう意味の答えをしたじゃありませんか、きのう。私の誤解ですか。五人も代議士が行っておったのですから、確認をしますよ。言っておりませんか。
  108. 山口方夫

    ○山口説明員 はっきりしたことばを覚えておりませんけれども、二十三日の行為スト行為であるからそれに対して公労法を適用するということを申し上げたと思います。
  109. 武藤山治

    ○武藤委員 私らが聞いたのは、ストをやったから首を切ったのだ。いままでと違うのは、いままでは専売公社労働組合ストまではやらなかった。今回はストを振りかざしてきたから首を切ったのだというあなたの説明だった。それを私は確認しておるのです。はっきり言いましたよ。五人も代議士が行っておったのだから、全部ここへ呼んで確認してもいいですよ。まだ言わぬと言い張りますか。
  110. 山口方夫

    ○山口説明員 言った、言わぬということよりも、私の申し上げたことの内容は、いままではある意味では一種の工場関係職場大会の延長というようなことが累積しておったわけであります。今度はいわゆる半日ストということで職場離脱を行なったわけでありますから、これは公労法に該当することだというふうに考えますというふうに申し上げたと思います。
  111. 武藤山治

    ○武藤委員 そうしますと、あなたは、ストということはどういうことですか、ストの概念を明らかにしてください。ストということはどういうことか、職員部長の認識のほどを聞いておきたい。ストとは何ぞやということから……。
  112. 山口方夫

    ○山口説明員 ストとは同盟罷業のことだと思います。
  113. 武藤山治

    ○武藤委員 この程度の認識しかない人が職員部長をやっておって、百五十二人の人を処分するに至っては、まさにわれわれはりつ然とせざるを得ない。まことに人権もへったくれもあったものではない。  そこで、なぜ私がそういう質問をするかといえば、職員部長、あなたも御存じのように今回首を切った理由にどういう理由を掲げておりますか。ストをやったかどでお前は解雇をするという通告をしておるのですか、解雇理由は何ですか。
  114. 山口方夫

    ○山口説明員 根拠は第一、公労法の第十七条違反、十八条によって解雇をいたしたということであります。
  115. 武藤山治

    ○武藤委員 十七条の規定には「職員及びその組合は、同盟罷業、怠業、その他業務の正常な運営を阻害する一切の行為をすることができない。」こういう規定になっておるわけですね。あなたが十七条を基準にしてやったということはわかるのです。そうでなくてあなたはストをやったから首切りという極刑にしたのだときのう答弁したではありませんか。そういうことだったら当然解雇理由ストということが理由ではありませんか。そうじゃないですか。私はそれをまずただそうとしておるのです。
  116. 山口方夫

    ○山口説明員 そのとおりです。
  117. 武藤山治

    ○武藤委員 ストをやったから首を切ったのだ、そのとおりですな——だとしたら、あなたそれを間違いないと答弁したからには、この公社解雇通知は間違っておりますよ。撤回しなさい。これにはストをやったかどとか同盟罷業とか一言半句も入っておりませんよ、解雇理由には、本人に通告しておる理由には、こういう文章で簡単に解雇できますか。少し過重過ぎるじゃありませんか、こういう文章でやるには。文章を読んでごらんなさい。解雇通知書を読んでごらんなさい。
  118. 山口方夫

    ○山口説明員 解雇者処分理由といたしましては、執行委員長は「全専売労働組合中央執行委員長として昭和三十九年十二月から昭和四十年四月までの間に公社の支部局等において勤務時間内職員集会等を指令して実施させ、公社業務の正常な運営を阻害し、公労法第十七条に違反したことによる」という理由をつけております。
  119. 武藤山治

    ○武藤委員 ストという文字がありますか。あなたはさっきストをやったから首切りにした……。
  120. 山口方夫

    ○山口説明員 公労法十七条に規定するところに違反する行為をした……。
  121. 武藤山治

    ○武藤委員 初めからそう答えれば矛盾がないのです。あなたはストをしたから首にしたのだに言うのでしょう。確認をしたじゃありませんか、二回もさっき。今度は十七条違反で処分をしたというのは中身が違うでしょう。同盟罷業、怠業業務の正常な運営を妨げた場合、三つの概念が十七条には規定されておるのですよ。その中のどれで処分をしたかということを私は確かめておるのだ。あなたはさっきストをやったからとはっきり答えておるじゃありませんか、確認をしておるじゃありませんか。本人の通知状にはストとか同盟罷業とか一言半句も書いてないじゃありませんか。読んでみましょうか。書記長を首にした文書を読んでみましょうか。そういううそを言ってはいけませんよ。先ほどのストをやったから解雇したということが真実ならば、あなたはでたらめの答弁をしたことになるから、真実は一つしかないのですから、はっきりとどっちかに訂正して陳謝しなさい。
  122. 山口方夫

    ○山口説明員 十七条の第一項には「職員及びその組合は、同盟罷業、怠業、その他業務の正常な運営を阻害する一切の行為をすることができない。」ということになっておる。この「業務運営を阻害する一切の行為」これに入ると思います。
  123. 武藤山治

    ○武藤委員 だから首を切った理由ストじゃないじゃないか。あなたはさっきストをやったから首を切ったと答えたじゃないか。二回も確認したじゃないか。
  124. 山口方夫

    ○山口説明員 「その他業務の正常な運営を阻害する行為」となっておりますから……。
  125. 武藤山治

    ○武藤委員 その他の概念はストの概念ですか。だから私はストとは何ぞやとあなたに聞いておったのです。あなたの認識がきのうの答弁でまことに不可解だったから。その通告された文書の中身はストじゃないでしょう。さっきあなたはストのために首を切ったと言って、いまは正常な業務を阻害したと言う。理由が違うじゃないですか。ストと同じですか。
  126. 山口方夫

    ○山口説明員 ストというのは一般的に言いましたので、十七条一項違反というのは、すべて同盟罷業その他正常な運営を阻害する行為を総括的にストというふうに考えたわけであります。
  127. 武藤山治

    ○武藤委員 そんな感覚があなたは職員部長としてつとまりますか。同盟罷業もストも正常な運営を阻害したことも同じ概念だと思うような、そんな認識で職員部長がつとまりますか。その認識、同じと考えて間違いありませんか。
  128. 山口方夫

    ○山口説明員 十七条違反ということで処分をしておるわけであります。
  129. 武藤山治

    ○武藤委員 それだったら、ストをやったために首を切ったという先ほどのあなたの確認したことは間違いじゃありませんか。取り消しなさい、その間違いは。
  130. 山口方夫

    ○山口説明員 十七条違反の行為を私はスト考えたのであります。
  131. 武藤山治

    ○武藤委員 じゃ、それを確認しましょう。職員部長、十七条の規定すべてを総括してあなたはストと認識をした、いいですね。その認識間違いないですか。その認識が正しいか正しくないか、これから法制局を呼んでただしますよ。職員部長見解が正しいか正しくないか。こういう解釈でこの法律解釈が成り立つのですか。もう一回あなたのほうの、きちんとした、ひとつこれこそ間違いない私のほんとうの学問上から出てきた結論だ。五万人の専売職員を私が管理、監督をする責任者として間違いのない解釈だという、責任ある答弁をしてごらんなさい。どういう答弁が出るか。
  132. 山口方夫

    ○山口説明員 学問的にはっきりした答弁は、私不勉強でだめでございますけれども、今回の処分解雇しました根拠法規としましては十七条違反ということでやったわけであります。それをストと簡単に申しましたのは私の勉強不足でございます。
  133. 武藤山治

    ○武藤委員 そういう勉強不足は、仙台におってはこういう空気を知らぬから勉強不足があるので、東京に来たらもっと勉強して、——こういう軽率な処分を、人のいい総裁に進言するあなたの責任は重大ですよ。いまだかって総裁は自分のかわいい部下を首切ったことはないのです。だからわれわれは問題にしている。あなたの助言並びにあなたの示唆が間違っておったからです。十分反省すべきです。  そこで私はこの百五十二人をなぜこういう国会で問題にするかというと、この人たちの妻、子供、家族全体が非常に困るのですよ。路頭に迷うのですよ。その具体的例は一々これから聞いてみます。  解雇されることによってもらえる三人の退職金はA、B、C幾らずつになりますか。さらに共済組合の積み立て、さらに国の出した積み立てに対して本人に戻る金は一体幾らですか。さらに老後になってからの年金がもらえなくなる損害は幾らですか。そういう点を十分思いやりをもって、処分というものはしなければならない。この額をまず明らかにひとつ事実を発表してもらいたい。
  134. 山口方夫

    ○山口説明員 ただいま詳しい資料を持っておりませんが、共済組合の一時金としまして三人とも四十万円程度出ると思います。その他の手当はございません。
  135. 有馬輝武

    ○有馬委員 関連して総裁にお伺いしたいと思いますが、いま職員部長の答弁を聞いておりましてあなたも感ずるところがあるだろうと思う。先ほど堀委員から企業会計の問題についてもお話がありましたが、少なくとも現在日本の労働組合企業組合の域を脱しないという、労働組合本来の姿から見るならばまだ創成期の一つの欠陥というものを持っています。がしかしそれを裏返して言うならば、それそれの企業を愛する気持ちというものが非常にみなぎっておる。これは専売公社職員にしてもそうだ。それは総裁もよく御存じのはずだ。自分たちの職場を愛するがゆえにまともな仕事をしたい。まともな仕事をするために家族に心配をかけたくない、そういう気持ちで賃金闘争をやっておるのも、あなたは十分御承知のはずだ。にもかかわらずいま職員部長が言うようなことで簡単に首を切る。あなた方に職員を愛する気持ちがあるならば、職員企業を愛する気持ちと同じようなものがあるならば、いまみたいないいかげんな首の切り方はできるはずがない。首を切ったあとはどうなるか、一人々々のこまかな家族の状態から、その後の生活の問題からすべてを克明に調べてやるのが筋だ。問題はあなた方はただ公労法というものを文字でしか受け取っていない、そこに問題がある。機械的にしか受け取っていない、そこに問題がある。ほんとうに専売事業というものを愛するならば、この根本の精神からたたき直さなければだめなんです。私は多くを言わないで、総裁からこの点について考え方をお聞かせ願いたい。
  136. 阪田泰二

    阪田説明員 専売公社職員あるいは労働組合が、公社の仕事に協力してやっておる、またそういった気持ちを十分に持っておるということは、私ども平素の交渉の過程を通じまして十分理解しておりまして、組合の今回の春季の交渉にあたりましてとりましたやり方その他につきましては、別段私どもとしてこれがけしからぬといいますか、そういったことは考えていないわけであります。ただ先ほど来いろいろお話出ておりまして、先ほども申し上げましたように、今回やりました四月二十三日の職員集会というものが、それが同盟罷業といいますか、はっきりした形をとりまして行なわれまして、私どもが見ましてもこれは十七条一項違反であるとどうしても見なければならないような形で行なわれましたので、私どもといたしましても非常に慎重にもちろん審議いたしました。そう軽々に行ないましたわけではありませんが、やむを得ずかような措置をとったということでございます。組合がかようなところまで、はっきりした法律違反というような争議行為をとりました事情その他につきまして、私どもも全然理解ができないわけでございませんが、しかし法律におきましてはっきりこう規定されているものに違反する行為がありました以上、私どもの立場としてもこういう借覧をとらざるを得ない、まことにやむを得ざる次第である、かように考えておるわけであります。
  137. 武藤山治

    ○武藤委員 共済組合法第二十条に、懲戒処分を受けた者には給付の全部または一部について制限をするということか書かれておる。今回の百五十二人についての共済組合法第二十条の適用については一体どう考えておるのか、職員部長どうですか。
  138. 山口方夫

    ○山口説明員 これは解雇になった方に出る共済組合の年金でございますが、二十年以上の方には所定どおりの額が出るわけでありますが、ただいまの運用としましてはその額の八掛けを出すということになっております。
  139. 武藤山治

    ○武藤委員 三名の職員に八掛けしか出さない、それ以外の百四十九名に対する給付制限は一切やらぬ、こういう方針でいくのか、どういう方針ですか。総裁はそういう過酷な取り扱いはしない、こういうお考えで今後方針を進めていくのかどうかを総裁のきちっとした答弁が出るなら質問はこれで終わりますが、その点を明らかにしていただきたい。
  140. 阪田泰二

    阪田説明員 この停職その他の職員に対しましては、これは退職するわけではありませんので、年金その他の問題はないわけでございます。
  141. 武藤山治

    ○武藤委員 長期給付だけで、その他の問題についてあなたはないというお考えでありましょうが、停職期間の通算年金への加算年数は一体どうするのか。そういうような問題は直属上官であるあなたの判断で処置できる問題であります。手をつけずにそのままにしてあるのか、今回の処分で十分重過ぎるのであるから、これらの問題については一切触れずにおく、従来も当然そうしてきたのであるからそうすべきである、どうですか。
  142. 阪田泰二

    阪田説明員 停職期間中の期間を年金その他いろいろの計算にあたりましてどういうふうに見るかという問題であると思いますが、これにつきましては法律なり共済組合規定ではっきりきまったものもございますか、停止できるとかそういったような裁量の余地のあるきめ方をしたものもございます。その点十分実情に即して取り扱ってまいりたいと思っております。
  143. 武藤山治

    ○武藤委員 ただいま総裁が実情に即した処置をしたい、私はその実情とは過去の専売公社の習慣や労使間のあり方というものを踏まえて、自分たちの従業員というものはとういう態度をとってきたかということも十分反省をしながら、三名の首を切ったということは本来なら私は撤回をすべきであると強く要望をするのでありますが、こういう公の席でありますから遠慮をいたしますが、とにかく三名の首を切ってその家族一同を路頭は迷わせるというようなこういう過酷な処置という本のは今後十分総裁として反省をしながら、私はできるならばこの三名を撤回して、すみやかに労使間の正常なる運営ができるように総裁として処置すべきであると思います。最後に総裁の心境のほどをお尋ねして、この質問を終わりたいと思います。
  144. 阪田泰二

    阪田説明員 今回の処分につきましては、先ほど来再々申し上げましたように、公社としても好んでこういう処置をいたしたわけではございませんが、法律のたてまえ上こういう措置をとるべきものであるとしていたしましたので、そういうようそことでありますので、これは撤回するというような気持ちはございません。ただ労使関係につきましては、これは先ほど申し上げましたように、こういうような不幸な事態がありましたにもかかわらず、今後の専売関係の労使関係、これはひとつ正常な関係において維持して、労働組合にもいろいろこれから協力していただかなければならない事項も多々ありますので、そういう方向で努力してまいりたいと考えております。
  145. 武藤山治

    ○武藤委員 時間のあれがありますからこれで終わります。
  146. 吉田重延

    吉田委員長 本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。     —————————————
  147. 吉田重延

    吉田委員長 これより討論に入ります。  通告がありますのでこれを許します。  堀昌雄君。
  148. 堀昌雄

    ○堀委員 ただいまの私の質疑の中で問題点を明らかにいたしましたけれども、本来間接税に準ずる専売価格の決定について今回のような措置は、単に国会においてたびたび審議をするということを回避しようとする専売公社及び大蔵省事務当局の、言うならば安易な態度である、こういうふうに私は考えるのであります。私はやはり国民の生活に直結をして間接税相当のものをとるについては、国会はやはり権威を正しくしてそれらについての責任を果たさなければならないと考えます。  ただし公社運営上の問題については、私の質疑の中でも明らかにしましたとおりに、その連帯を拘束しようという意思をわれわれが持っていないということが明らかである以上、私は公社大蔵省事務当局も当然これらの問題については反省をすべき問題であると考えます。  これらの諸点については次期国会においてわが党からあらためて改正案その他を出しまして、いずれが正しいかということについては論議をいたしますけれども、以上のような趣旨に基づいて、その恣意的な態度は厳に反省すべきものであるということを強く主張いたしまして、反対討論といたします。(拍手)
  149. 吉田重延

    吉田委員長 これにて討論は終局いたしました。  続いて採決に入ります。  採決いたします。本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  150. 吉田重延

    吉田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  151. 吉田重延

    吉田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  152. 吉田重延

    吉田委員長 この際、暫時休憩いたします。    午後五時四十七分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕