○只松
委員 私の持ち時間はわずか三十分でございまして、
一つの問題だけでも徹底的に
論議いたしますと、それ以上かかります。私は問題点だけを言っておるわけですが、ただ、いまのような御
答弁ですと、支店長になるのは
相当のベテランでないと、二十年、三十年
銀行業務に携わった人でないとなかなか支店長にはしないわけです。そういう人が簡単に、二十万、三十万なら別ですが、二十億、三十億という手形詐欺にひっかかるとか預金通知書をつくる、こういうことは常識ではあり得ない。まあ長原支店の全部の預金高なり
取り扱い高が幾らあるか知りませんが、おそらく二十億、三十億というようなことはないと思います。その自分の
銀行の預貯金を上回るような金を、こういうふうに簡単に取り扱うというようなことは、支店長としては常識上はあり得ないことです。そういうあり得ないことが行なわれておるから、
国民は非常な疑惑の目を持って見ておるし、私もこれほど大騒ぎになるとは知らないでちょっと
質問したわけでありますけれども、こういうふうに連日マスコミが取り上げる。こういうことになっておるわけです。ただいまのような
答弁では、これは当
委員会でもそうでしょうが、
国民は納得しないと思う。だから、そういうような御
答弁ではなくて、もう少しやはり
国民が常識的に納得する、こういうことでないと、たいして知らなかった、そして何ヵ月かたって本店が知った、こういうでたらめなことが常識上あり得ると思いますか。あり得るならば私がさっき聞いたいろいろな資料を出してくれと言っても今日まで出さない。それは
銀行の
信用上の問題だという。それほど
信用を重んずる
銀行業務が、二十億、三十億というようなこういう金を簡単に扱うということはあり得ないでしょう。だからそういうことはきょう私はこの問題を徹底的に追及しようということじゃない。
大臣の所感その他を聞きたいと思って当
委員会へ来てもらっているわけですから問題を追及いたしませんけれども、もう少し誠意がある
答弁をしていただきたい、こういうふうに思います。それから手形の問題にしたところで、もう私が一々読み上げなくても新聞やすべてに全部各
銀行、それから被害
会社、藤山さんのように三億円ひっかかった、こういって告発するというような記者会見までして談話を発表されておる方もあるわけなんです。こういうものを全然
銀行局が知らない、
大蔵省が知らないということはおかしなことなんですね。ですからこういうものを知ったら調べた範囲内で出せるものは出す、これ以上は捜査の段階だから言えません、それを明らかにしていくのが国会における、私は
国民の疑惑の目をぬぐっていく問題だと思うのです。国会まで何かそれこそ黒い霧に包まれて、自由な発言もできない、あるいは自由な
答弁もできないということになったら、私はこれは
日本の民主政治にたいへんな危機が訪れる、こういうふうに思っております。各紙の新聞社説も全部そのことを書いております。これは民主主義の前進ではなくて、民主主義の破壊につながっていく、こういうことを社説にも全部書いております。あえて私はそういういろいろな
意味からこの問題をやはり明らかにしていく点は明らかにする必要があるのじゃないか、こういうことでお尋ねしているわけであります。
政府側といたしましてもそういう点はもう少し正直に
答弁をしていただきたい。
それから次に、こういう大きな事件が出てまいりまして、その中にいろいろな政治家の名前も浮かんでまいっております。よしんばこれが、政治家なりあるいは
銀行関係者、財界の首脳者が、
法律的には全然白、こういうことになりましょうとも、これだけいわば大きな事件を起こしますと、
銀行関係者にも背任罪が成立するかどうかいたしまして、当然にやはり
責任というものが出てまいります。当時の
銀行、三菱なら三菱の
責任者、つまり日銀総裁も当然
一つの
責任が出てくるでございましょう。あるいはまたこの政界で名前が出ておる人もみんな被害者、被害者、こう言っておりますけれども、何らかの
意味で被害者であるか知りませんけれども、しかし関連がきわめてあるということも、私は一々具体的な事実を申しませんけれども、全新聞、全マスコミが明らかにしておるところなんです。そういたしますと、当然何らかの形でこういうものはいわゆる
責任問題というものが出てくると思うのです。まあこういう問題、なかなか、特に
大蔵大臣一
大臣としては容易でないと思いますが、
佐藤内閣の実質上の実力者である
田中大蔵大臣といたしまして、政界の浄化と申しますか、こういう点に関しまして所感がありましたら、所感をお伺いいたしたいと思います。あるいは今後この問題を
政府としてどういうふうに取り上げていかれるか、そういう点についてお
考えがありましたらひとつお聞かせ願いたいと思います。