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平林委員 これも
土地台帳に載っていないから、あるいは
土地台帳の
付図との関係で
民有地でないという
お話がございましたけれ
ども、案外
土地台帳付図なんかもあまり正確でないものもあるわけですね。そういう点から脱落地が生まれてきて、無
地番になっていたところもあるわけでありまして、それだけではいかぬのではないか。ここに私の選挙区の人が提供してくれたのでありますが、
土地台帳の
付図にやや似通ったものがあるのですけれ
ども、あなたがおっしゃっていることだったらこれは大混乱におちいるわけですよ。ほとんど無
地番になっているし、
土地台帳にも記載されていない。しかし実際には
自分の所有地として農業経営をやっておるわけですから、こういう
土地をこれは
国有地であるなんということになったら大混乱が起こるわけです。いまは知らないからいいですけれ
ども、知ったらたいへんなことになる。
そこで、私がいままで
政府の
お話を聞いておりました地券のことについては、いま私が指摘をしたことで
検討してもらいたい。
それからもう
一つは、地租を納めていないのだから
民有地ではなくて
国有地だとさきの
委員会においておっしゃったのですけれ
ども、これも調べてみると、
明治十七年三月十五日、七号の地租条例の原案にこういうことが書いてある。そしてこれは後に地租法として
施行されたのですが、その地租法の第一章第二条に、「
民有地中左ニ掲クル諸目ハ地租ヲ免ス。」として、「荒地、公立学校地、郷村社地、墳墓地、用悪水路、溜池、堤塘、井溝、畦畔、公衆ノ用ニ供スル道路」というものが掲げてあります。ここに畦畔ということばが生まれてまいりまして、地租は免ずということになっておるわけです。ですからいままで地租、今日で言えば固定資産税でございましょうが、こういうものを納めていないのだからこれは
国有地だという言い分は成り立たないではないかということも指摘しておきたいと思うのであります。
それからもう
一つ、一番大事なことは、大蔵省の一部にはこの二
線引き畦畔が後年私人の権利放棄によって
国有化したかのように見る向きがありますが、これも間違っているんじゃないか。権利放棄に必要な正当な方法や手段がなされていないこと、それから私人の意思が全くそこになかったこと、当該地の変遷や専用の状況等をもっても証明されるのでありまして、
国有財産局長に考えてもらいたいのだが、畦畔というのは畦畔そのものが独立して存在するものじゃないのですよ。この点一番大事なことだと思うのです。畦畔というものはそのものが独立して存在するものじゃないということです。畦畔は本地に付随をしておるのですよ。つまり本地である田や畑を耕作するために必要なものが畦畔です。ですから本地の所有が
民有であればそれに付随する畦畔というのは
民有である。これは間違いないのですよ。それが
土地台帳に記載されていないからとか、地券が発行させていないからとかいう理屈で、いまになって官有地であるというのは間違っているのです。畦畔なんというのは独立して存在するものじゃないですよ。私はそこの理屈さえよくわかれば、いまあらためてこれは
国有だなんて言わないで、すみやかにこの問題は
民有地であると処理をすることが民心安定のためにも最も必要だ、こう考えるのです。いかがでしょうか、あなたは大臣でないけれ
ども実際の実務を担当しているのですから……。畦畔というものは本地に付随するものである。本地の所有が
民有であれば畦畔も
民有であって、これは常識だ、こう思うのです。そういう形で処理すべきだと思いますが、いかがでしょうか。