○阪田
説明員 先ほど来いろいろ御答弁がありましたが、私どもは大蔵省の御監督のもとに
専売事業に当たっておる、そういう立場にあるわけであります。
専売事業の使命が財政専売といいますか、そういう点にあることも、私当然心得ておるわけでありますが、
専売事業、ことに
たばこ事業でありますが、これをやっていきますには、
たばこをつくって売っていくというためには、どうしても
原料である
たばこが得られなければならない。
原料である
たばこというものが基本になるわけでありますが、公社が
事業をやっていきます上に必要となる品質あるいは量のものを調達する、耕作者につくっていただくというためには、やはり耕作者が喜んで公社のために必要な
たばこをつくろうといった気になりますような価格でこれを買っていかなければならない。これは基本だと思います。そういうような趣旨で私どもも従来から考えておりますし、具体的にはこれも御
承知と思いますが、ここ数年農家の生産費を補償するというような趣旨に立った価格体系といいますか、価格形成の方針で毎年
たばこ耕作審議会に諮問いたしまして、価格もきめておるわけであります。
昭和四十
年度の価格におきましても、昨年の十二月に
たばこ耕作審議会にかけまして、きめて告示をいたしております。多少従来どおりのやり方に改定を加えたというようなことはありますが、基本的な考え方はそういうことで一貫してやっておるわけであります。ただ、先ほど来御指摘の点に触れますが、現在の生産費を補償するという価格算定の基本方式につきまして、
所得補償方式といいますか、そういったような算定方式を採用せよ、具体的に申しますと、生産費を算定する際に、その中に採用されております農業労賃、これは農業労賃でなくて都市の工場労働者の労賃で
計算した価格にせよ、こういう意見が前々からあるわけであります。その問題につきましては、公社も、これは非常に重要な問題であり、いろいろ検討いたしましたが、なおそういったような御要望のあることも考えまして、先ほどちょっと話が出ておりましたが、臨時
葉たばこ調査会というものをつくりまして、この問題も含めました
葉たばこ価格形成の基本方針につきまして学識経験者等にお集まり願いまして、御検討願ったわけでございます。その
関係におきまして、いろいろ詳細にわたって答申をいただいておるわけでありますが、その
一つに、いまの
所得補償方式の問題に触れると思いますが、
葉たばこの価格につきまして特別の政策的価格を設定することは、財政専売をたてまえとする現状からして積極的論拠を見出しがたい、要約しますとそういう御意見が入っておるわけであります。
専売公社といたしましては、こういう御意見、大体もっともだと思っておるわけでありまして、
葉たばこ生産費を補償する、農家の方に喜んでつくっていただくような価格でなければならないと考えますが、それ以上に進みまして、財政専売ということを使命としており、それに対する
日本専売公社法あるいは
たばこ専売法のたてまえからいたしまして、そういう目的でできております公社がそれ以上に出過ぎまして、政策的なことをやってそういうような意味の価格をきめるということは、公社の能力の限界を出たことではないか、こういうふうに私どもとしては考えておるようなわけでございます。