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加賀田委員 私がいま申し上げたような最終的な総合的に決定される機関が必要だというのは、こういうことなんです。これは二十日の
アジア太平洋
地域公館長
会議で外務省として明確に発表して、その案がその
会議によって決定されているわけです。しかも、この
内容というのは、われわれが従来
期待してきた諸外国の
海外援助の線に沿うた金利とか、あるいは返済期間というものも相当
長期にわたっております。しかし、外務省だけではこの問題を実施することはできないわけです。たとえば金利なんか二・五%、あるいは期間は二十年以上というようなことで、できれば
海外援助の米、英、仏、西ドイツ等が行なっている期間二十年から三十年以上というような
ところまで努力したい、こういうような非常に
具体性のある発表をされておるわけです。こういうものは実際問題として館長が各国で発表されていくと思うのです。発表されていきながら、国内で
大蔵省も通産省も知らなかった、あるいは新聞を通じて知っているという
程度だ。しかし、この線が最終的に
政府の
態度として決定されれば、各国に与える影響は、やはり
日本は当初言っていたと同じように努力するのだ、こういう印象を与えるでしょうけれども、こういういい案が発表されて、いざ
政府の中で論議されたら、いやそれは三分五厘ではとうていだめだ、二十年ならいいが三十年というような
長期なことでは、
日本は今日の財政力から困難だというようなことから、これが後退した場合は、各国に与える
日本の信用度というものに非常に私は影響してくると思うのです。そういう
意味で私は懸念しているわけで、
政府のいろいろな
内部機関で論議される過程ではいいと思うが、しかし対外的に発表されるような場合、特に国外にそういう問題が提起されるような場合には、もっと実行する基礎がきちっと固まらなければならないと私は思うのです。
ところがいま申し上げたように、外務省は外務省として非常にいい案を出す、
大蔵省はきんちゃくのひもを締めてなかなか出してくれないというようなことから、特にさいぜん申し上げたような
日本に対する
期待が大きいのですから、こういう点では私は非常に不信感が増大することになるんじゃないかと思うのです。したがって、これは相談を事前に受けていないとするなら、これについての
質問は省略いたしますけれども、やはりこういうものは、外務省は外務省で発表したのだから
大蔵省や通産省や企画庁は知らぬというようなことでは、国内では通るかもしれぬけれども、国外ではそうは通らないと私は思う。したがって早急にこういう総合機関というものを設置する必要があるんじゃないかと思うのです。これは外務省の問題ですから、相談を受けていなかったとするならば
質問を展開するわけにいきません。
それから、今度の
法律では新たに十億の
資金を
資金運用部から借り入れるということが
一つの
趣旨になっておりますが、この海外低
開発地に対するいろいろな
援助について今日問題になっておるのは、輸銀と
基金との
関係がどうも不明確な点があるということじゃないかと私は思うのです。輸銀のほらは、輸出に対していわゆる国際競争力を強化するために、できるだけ国際的な金利において
援助する、こういう
商業ベースを中心にしてやっているわけですが、
基金の行なっている
事業も現在の輸銀のほうが行なっているんじゃないですか。どうしてこれは明確な線というものが引けないのですか。しかもこの
基金のほうは
長官の担当であるし、輸銀のほうは
大蔵省の担当だ。そういうものを
調整するためには、
理事同士が定期的に集まり、これはおまえがやるか、これはおれがやるかということを相談しなければ運営できないという非常に不明瞭なことをやっているわけです。これは
基金制度というものができたのですから、
基金制度というものはやはり
開発を中心としてやっていく、輸銀は輸銀としての本来の使命だけをやるというような明確な線を私は出していかなければならないと思うのです。さいぜんの外務省の発表した中にあるのは、また
総理大臣の直轄機関としてそういう
基金制度のようなものをつくろう、こういうような
構想なんです。外務省は外務省で
総理大臣の直轄機関というのも
一つ考えている、企画庁は企画庁として
基金によってそれをやっていく、
大蔵省は
大蔵省として輸銀を通じてそういうものをやっていく、こういう三本――これは一本はまだ明確になっておりませんが、こういう各省ばらばらなことで
開発計画というのははたしてうまくいくのですか。もちろん
基金制度というのは輸銀からあらためて生み出された機関でありますから、発足当時にはいろいろな問題があろうとも、すでにこの
基金が動き出してから大体四年ほどになるわけですから、この際輸銀との
業務範囲というものを明確にする必要があるのじゃないかと私は思うのです。この点について、いままで双方の
理事間における協議機関等を設けて
調整しているということを聞いておりますが、そういう
調整の必要のない明確な制度というものをつくる
意思がないかどうか、あるいは輸銀に対して
長官としても今後そういう問題を提起して明確にする気持があるかどうか、この点を明らかにしてもらいたいと思う。