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渡邊(喜)
政府委員 前段の点につきましては、私は法のたてまえとしては、今度の
改正案程度、これで全部問題を尽くしているわけではございませんが、まずその
程度をこの際としてはやるべきで、あとは今後やはり引き続いて研究しまして、必要な
改正はさらに続けていくということでやるべきじゃないかと思います。問題はむしろ、結局われわれのほうの手が足りない、あるいはこの問題の複雑性のゆえに、被害者ともいうべき
下請業者の方からの声がなかなかわれわれのほうへ通じてこないというところに問題があるわけでして、やはりこの執行をいかにして
確保するかということにより重点を置いて考えていかないと、
法律がざる法というよりも、むしろそのために結局この執行が十分でない、それでざる法だという批判があるのじゃないか。したがってその点について、われわれは将来もう少し人数を出していただくと同時に、やり方をくふうしたい、かように考えております。
それから後段の御
質問でありますが、現在、御承知のように第四条の二に遅延利息の
規定がございます。ただこれは現在のところですと、「
支払わなければならない。」と書いてあるだけでして、したがって
下請業者自身がまずこれを請求するという問題がありませんと、この
条文が動いておりません。この点については、ほかに別に何ら
規定がございませんで、一応
下請業者にそうした意味の権利を与えているだけなんです。法を執行してみますと、この権利を実行に移している
下請業者がほとんどない。したがって、この遅延利息を払った事例があるかという
質問をよく受けますが、遺憾ながらわれわれのほうとしてそういう事実を開いたことがない。結局おそらく行なわれていないんじゃないかと思うわけです。したがって、
先ほどの問題とも結びつきますが、従来の例によりますと、勧告をすれば大体実行しているということもございますので、したがってわれわれのほうとして、まずこの勧告の中にこの遅延利息も入れたらどうか、これも当然この勧告を受け入れないとすれば公表に結びつきますので、いわゆる刑事罰的な意味の対象にするよりも、事柄が事柄なんですから、私法的な問題ですから、やはりまずもって勧告、実行しなかったら遅延利息という問題も込めまして公表ということにしていくのが実効をあげるゆえんじゃないか、かように考えております。