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松平委員 そこで
大臣にちょっと
お尋ねしたいのですが、実は先般この日工展の総裁あるいは名誉総裁というか、そういうことに業界から予定されておる石橋氏が、去る二十五日に
総理に会ったわけであります。私はそのときの模様を聞いてみると、石橋さんが、実は各業界から自分に総裁になってくれ、こういうことであるので、自分はなるつもりであるということを言おうとする前に、
総理のほうから、お骨折りだけれどもあなたひとつ総裁になってやってくれぬか、こういう話が
総理から出たそうであります。そうしてそのときに二つ話が出たのは、一つは、総裁になってやる場合においては、石橋さんは、自分は人事等については自分の手で、自分の思うとおりにしていきたいということ、第二は、先ほど来私が言いましたように、日工展を成功させるということは絶対に必要である、しかもこれは本年九月に予定されているのですが、その前後にフランスとルーマニアの見本市がやはり同じ会場でやられるわけであります。そういうことから言いましてもきわめて重要であるが、これは率直に言って実は金が足りないのだ、だからこれは何か考えてもらわなければ、やはりこの前に繰り返したような結果になって、そして若干の金を惜しんでいるために安売り競争ということに結果としてはなるのだ、だからこの点を考えてほしいと言ったところが、あなたがもし総裁を引き受けてくれるというならば、その点については自分は考える、あなたを困らせるようなことはいたしませんし、金に糸目はつけませんよ、こういうことを言われたそうであります。このことはまだ
通産大臣に伝わっておるかどうかわかりません。しかしながら、いままでの日工展のあり方というものは、いま私が申しましたようにむしろ出品者の犠牲において行なわれており、またこの出品した
あとの
貿易というものは、いま私が例をあげましたように、ことに中小の
企業者というものは喜んでおらぬわけであります。安売りをしいられるということ、
日本の見本市自体の運営からそういう結果になってきておるということについて、きわめて不満の意を表しているわけであります。したがってこのことについて、私は、
大臣としては少なくとも各方面の意向を聞かれた上で、やはりこれを成功させるというためにも、とくとひとつ大蔵
大臣並びに
総理と会ってみてはどうか。そうして、石橋さんがなったのだから色をつけてやろうという、そういう気持ちではなしに、本格的にひとつ取り組むよう、こういう決意でしていただきたいと私は思う。九月にやるわけでありますけれども、いまのうちからもう出品者との間の
契約その他を結ぶというところに迫られておるわけであります。そういうときであるから、赤字があったならばある
程度めんどうを見てやるというような消極論では私はいかぬではないかと思う。ジェトロ時代にやったこの前のモスクワの展覧会におきましても、一億五千万円の赤字が出ております。その赤字はどうしたかといえば、それはたしか自転車振興会の金をこれに回しておるはずであります。つまりソ連の場合はそういうことまでしてきたけれども、
中国の場合はそれすらもやらぬ、そしていま
通商局長が言うように、過去に赤字があったということで、赤字が出ないように——なるほど赤字は出してはいけません、なるべく出さないようにするのがあたりまえでありますけれども、しかしそれを極端に言いますと、そのしわ寄せは業者にかかってくるわけであります。そうして、
貿易上たいへんな損失をする、こういう結果になるわけであります。そこで、そういう遠い将来のことを考えてもらって、
大臣は、この際早目に
総理、大蔵と話をしていく必要がある、私はこういうふうに思うのです。
通産大臣のお考えを聞かせていただきたい。