運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1965-03-16 第48回国会 衆議院 商工委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月十六日(火曜日)    午前十時五十分開議  出席委員    委員長 内田 常雄君    理事 小川 平二君 理事 小平 久雄君  理事 中川 俊思君 理事 早稻田柳右エ門君    理事 板川 正吾君 理事 加賀田 進君       浦野 幸男君    小笠 公韶君       小沢 辰男君    海部 俊樹君      小宮山重四郎君    田中 正巳君       中村 幸八君    二階堂 進君       古川 丈吉君    三原 朝雄君       木村 邦夫君    桜井 茂尚君       沢田 政治君    島口重次郎君       田中 武夫君    山下 榮二君  出席政府委員         通商産業政務次         官       岡崎 英城君         通商産業事務官         (大臣官房長) 熊谷 典文君         通商産業事務官         (軽工業局長) 伊藤 三郎君         通商産業事務官         (鉱山局長)  大慈彌嘉久君  委員外出席者         通商産業事務官         (軽工業局無機         化学課長)   内丸 邦彦君         専  門  員 渡邊 一俊君     ————————————— 三月十六日  委員麻生良方君辞任につき、その補欠として竹  本孫一君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 三月十五日  諸物価値上げ反対等に関する請願外一件(高橋  重信君紹介)(第一七九一号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  委員派遣承認申請に関する件  高圧ガス取締法の一部を改正する法律案内閣  提出第一一〇号)      ————◇—————
  2. 内田常雄

    内田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出高圧ガス取締法の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。  先刻理事の間で御協議を願いましたとおり、本案審査のため参考人から意見を聴取することといたし、その人選、日時手続等に関しましては、委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 内田常雄

    内田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  日時につきましては、ただいまのところ一応明日の定例会議日を予定いたしておりますので、さよう御了承おき願います。     —————————————
  4. 内田常雄

    内田委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許可いたします。沢田政治君。
  5. 沢田政治

    沢田委員 高圧ガス収締法の一部を改正する法律案につきまして、これを議題といたしまして本日まで四日間にわたる審議を続けてまいったわけでありますが、私は前三日間の審議を通じて考えますことは、もちろん法律自体にもいろいろ不備な点、是正しなければならない点があると思いますけれども、私は法律よりも以前に災害防止のための問題があるのではないか、こういうように考えざるを得ないわけであります。といいますのは、たとえば実際の取り締まりあるいは監督指導というものは、その多くが地方自治体にゆだねられておるわけでありますけれども、地方自治体のこれを取り締まる、あるいは監督する機能というものが万全であるかどうかということは、すでに同僚議員が指摘したとおりであります。県によっては一名くらいしかおらぬという県もあるわけであります。しかも法律あるいは省令では、たとえば県の担当者がどういう資格でなければならぬということも、これはきわめて明確でないわけであります。つまり高圧ガスに対して全然ずぶのしろうとがやっておる、こういう県も非常に多いようでございます。したがって、実際に現場に参って指導する、監督をするということになっても、全然高圧ガス知識がないので、実際問題としてこれを取り締まり得る能力がない、こういう状態も非常に例が多いようでございます。したがって、そういう点に対して、これで完全だと思っておるのかどうか、こういうように考えざるを得ないわけであります。つまり一口でいうならば、法律だけつくればいいという態度で通産当局がおるのじゃないか。つまり通達を出したりあるいは省令を公布したり、そうしてわれ通達する、なんじ守れという立場というものが非常に強いのじゃないか。私はこういうことであってはいかぬと思いますので、その点に対する御見解をお聞きしたいと思うわけです。
  6. 伊藤三郎

    伊藤政府委員 高圧ガス関係保安完璧を期するためには、法律整備はもちろん必要でございますが、これを取り締まる当局側の陣容の整備も、ただいま沢田委員御指摘のとおり必要なことでございます。さらにそういう事業所経営者あるいは幹部の保安意識の高揚、確立ということも必要でございます。こういうものが相まちまして保安完璧を期することになろうと思うのでございます。  取り締まりをしております府県庁職員知識素質等についてでございますが、現在府県関係約百七十名の担当者を持っておりますが、その大半の者は大学、高専卒技術者が中心になっておりまして、その部下の職員を実地に指導教育をしておりますし、さらに通産省としましても、中央で年二回の取り締まり担当者会議を開催し、あるいは地方ブロックごとに年二回担当者会議を開催しております。そういうことで、大体年四回程度そういう担当者を集めまして、最新の保安技術あるいは保安関係法律について教育を行なっております。こういうことによりまして、取り締まりについての専門知識の涵養につとめておるわけでございます。もちろん現状をもって完全に十分であるということは申しかねるわけでございますが、そういう人員の増強あるいはそういう人間に対する教育の徹底ということを今後さらにつとめたいと考えておるわけでございます。  なお、非常に高度な技術的知識を要する問題もございます。たとえば十気圧以上の超高圧の設備とかあるいは多層巻きの円筒というようなものにつきましては、設計、計算式等で非常に専門の技術的な知識を必要とするものでございますが、こういうものにつきましては、直接本省が計算式等について認定をするということで、地方職員知識の不備を補うということにつとめておるわけでございます。こういうことを通じまして、取り締まり関係担当者知識の向上をはかってまいりたいと考えておるわけであります。
  7. 沢田政治

    沢田委員 ちょっと角度を変えて、需要供給関係についてお尋ねしたいと思うわけであります。私、考えてみますに、ずっと過去の事故状態を詳細に私なりに調査をしてみたわけでありますが、おもに事故が起こってくる時期といいますか、その時点は、非常にガス不足になっておるときに多いわけであります。たとえば過般の名神国道におけるタンクローリーの転覆にしても、非常にガス不足した、したがって、急激に輸送しなければならぬ、眠らずに輸送しなければならぬ、こういうときで、あの事故居眠り運転のわけであります。特に溶接個所から漏れる場合も、非常にLPガスそのもの不足なために、どうしても意識的に過充てんをする、こういう点が事故の時期としては非常に多いようでございます。したがって、この供給というものも、やはり相当災害に対してはうらはらの関係にあるのじゃないか、こういうふうに私自身としては考えるわけでございます。  そこで、鉱山局長にお伺いしたいわけでありますが、過般石油審議会で、昭和四十年度以降の供給計画あるいは需給計画、こういうものが議論になったやに私は聞いておるわけであります。したがって、その需要供給計画の内容はどういうものであるか、こういう点をまず第一にお聞きしたいと思うのです。
  8. 大慈彌嘉久

    大慈政府委員 お答え申し上げます。お尋ねのLPG需給計画でございますが、先般石油審議会できまりましたのは、以下の数字でございます。四十年度は二百七十二万トン、これは需要でございます。それから四十一年度が三百二十二万トン、四十二年度三百七十三万トン、四十三年度四百二十六万トン、四十四年度四百六十四万トン、こういうことになっております。四十年度についてちょっと申し上げますと、二百七十二万トンのうち六五%を占めますものは家庭用の、需要でございまして、自動車用が約二〇%弱、こういうことになっております。それから生産のほうでございますが、これは国内の製油所、それから石油化学工場両方生産と、それからタンカーによる輸入両方供給源になります。両方合計しました数字は、大体先ほどの需要数字と見合って計画が組まれております。
  9. 沢田政治

    沢田委員 LPGの消費は非常に急激にふえてくるのじゃないか、こういうふうに考えられるわけであります。世界で一番需要量の多いアメリカでさえも、年々一〇%の需要増がなされておるわけであります。その次に需要の多いのは日本じゃないかと思うわけであります。しかしながら、アメリカと比較した場合、日本の場合はまだ需要量は約一五%ぐらいじゃないかと思うわけであります。ここ数年のうちに倍になるのじゃないか、こういうふうに私としては考えられるわけであります。つまり需要というものはどんどん伸びる一方である。アメリカ自体もまだ伸びるようでありますから、そういうことで、やはり、安定供給というのが非常に大きな政策的な問題になってくるのじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。たとえば、いままで都市ガス以外の農村地帯においては、燃料はおもに薪炭にたよっておったわけですね。ところが、どんな山間僻地に行っても最近はLPGを使っておる。こういうことで、どんどん普及していくのじゃないか、こういうふうに考えられるわけであります。したがって、いまは供給されておるのは石油精製過程から約七〇%ですか、あとは輸入二〇%、石油化学、こういうようなことになっておるわけでありますけれども、何といってもこれは災害防止のためにも——先ほど申し上げましたように、ガス不足というものが災害と非常に関係がある。また燃料政策意味でも、非常に安定供給という点を強く考えなければならぬ。こうなりますと、いまの地上のタンクでは大体二万トン程度が限度じゃないかと思うわけです。したがって、やはり地下貯蔵というのが将来考えられるのじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。アメリカ等でも、シカゴの四、五キロそばですが、あそこで地下貯蔵をやっておる。これはイタリア、フランス、イギリスもみ地下貯蔵をやっておるわけでありますけれども、日本でも、燃料政策とそれからLPG災害を防止する、こういう二つ見地からの地下貯蔵という点を強く考えなければならぬ時期に来ているのじゃないか、こういうふうに考えておりますが、そういう御計画があるかどうかお聞きしたいと思います。
  10. 大慈彌嘉久

    大慈政府委員 LPG貯蔵の問題でありますが、御指摘いただきましたように、安定供給というためから、貯蔵の問題がいま一番大きな問題の一つだと思います。御存じのとおり夏と冬では需要量相当の差がございまして、冬場は夏場に比べて三割ないし四割、用途によって違いますが、相当大きな差があるわけであります。したがいまして、貯蔵が大切でございますが、現在のところでは製油所とそれから輸入業者に対しまして、タンクをふやすように極力指導して、おります。タンカーの許可の場合には、十分な貯蔵タンクを持ってほしい、こういうことにしておりますが、ただいま御指摘いただきました地下貯蔵の問題、これは非常に、何といいますかスケールの大きな問題でございまして、十分研究に値するのではないかと思います。私も不勉強でございまして、十分事情を知っていないわけでございますが、アメリカ状況を聞くところによりますと、たとえば岩塩を採掘しました廃坑でございますが、それを利用して地下貯蔵を行なっている。あるいはコンチ方式と言っておるそうでございますが、地下を掘りまして、貯蔵庫を地下に埋蔵しまして、その周囲に冷却装置をつけるというようなことで貯蔵が行なわれているように聞いております。わが国でも、廃坑を利用いたしまして地下貯蔵ができないかということで、東京ガスそれから帝石その他で研究したということを聞いておりますが、現在のところ、まだ実用化段階には至っていないようであります。これは都市の周辺でないといけない、あるいは各製油所で少しずつできたものを一カ所にまとめると非常にコストがかかるとか、あるいは土地の価格であるとか、地下構造といいますか地質がどうか、いろいろそういう点に問題があるように聞いておりますが、なお今後とも研究の価値があるかどうか勉強さしていただこう、こう考えております。
  11. 沢田政治

    沢田委員 アメリカ大陸あるいはヨーロッパ大陸と違いまして、特に日本の場合は地震国であるので、地質構造の問題、そういうものがはたして耐えられるかどうか、こういう特別な事情にあることはよくわかるわけであります。わかるわけでありますけれども、しかしながら、都市ガス六百五十万世帯に対してLPガスは八百五十万世帯、これは分類したらどうなりますか、一軒の家で二つも使っているところもあるから、厳密にいえばどうなるかわかりませんけれども、大体八百五十万世帯、こういうものが、いままでの生活様式薪炭からLPガスに切りかえておることは事実なんです。これが安定的な供給がないということになると、これは非常に大きな問題になると思うわけであります。非常に公共性が強くなっておるわけです。したがって、これに対する研究なり調査というものは、ぼくは急速に開始すべきじゃないかと思うわけです。ところが、われわれはそう考えるわけでありますけれども、いまの行政体制行政機構、この中を見ますと、そういうような熱意なり努力というものは全然ないじゃないか、こういうふうに私としては考えざるを得ないわけであります。八百五十万世帯LPガスを使っておるのに対して、たとえば鉱山局の中に石油課がございますね、石油課の中にLPGの班がありますか。専門にそれをやっておる人がありますか。そういうのを計画しておるのがありますか。ほとんどないと思うわけであります。したがって、これは私見になりますけれども、八百五十万世帯がこれを使っておる、将来これは倍増される可能性があるわけであります。しかも、自動車の排ガスでの公害等を考えるならば、たとえばアメリカシカゴなんかでも、ほとんどバスはこのLPGに切りかえておるようですね。これはタクシーなんかでもどんどん切りかえていかれるのじゃないか、そういう可能性が非常に強くなっているんじゃないかと思うわけです。そういうことなんで、これは私見でありますけれども、やはり単独立法でもつくって、災害を防止すると同時に、この産業を育成していくという方向が前向きに進められなければならない時期になっているんじゃないかと思いますけれども、その点に対する御見解はいかがですか。
  12. 大慈彌嘉久

    大慈政府委員 最初にお尋ねいただきました行政機構の問題でございますが、御指摘いただきましたように、鉱山局の中の石油課で班もまだ設置してございません。販売の組合のほうからも、LPG課をつくったらどうかという御要望も聞いております。現実問題といたしましては、今度この四月から石油課二つに分けまして、石油企画課石油業務課という一応の、案にしておりますが、そういうことになりますと、石油業務課のほうにLPG班というのをつくりまして、現在よりしっかりした体制で仕事をしようと思っております。それは課をつくれという御要望からしますとまだ弱いわけでございますが、漸進的にやっていくという意味で、さしあたりはそういうことで対処していこうかと思います。  それから、暫定立法なりつくってやったらどうかということでございますが、事務的に申し上げますと、ガスを使っている世帯の倍近くにそろそろなってきたわけでございますから、地域独占である、それからパイプで結ばれている、そういうこととは違いまして、末端では薪炭商の方がおやりになっているとか、いろいろ状況が違っていると思います。したがって、どういう形の法律になるのか、いまのところ自信がございませんが、先般も予算委員会分科会で、大臣が、政治的な観点からいうと勉強してみたい、こういうふうなことをおっしゃっておりますので、私たちとしてもどういう形が最も好ましいのか、行政措置も含めてもう少し今後考えさしていただこうか、こういうふうに考えております。
  13. 沢田政治

    沢田委員 十年前には特定の人がプロパンを使っておる、LPガスを使っておる、こういう時代があったわけでありますけれども、現在は先ほど申し上げましたように、八百五十万世帯が使っておる。自動車にも使っておる。それがどんどん伸びる可能性がある。ほとんど家庭燃料プロパンに取ってかわるという時代がまさにくることも必至なわけであります。   〔委員長退席小川(平)委員長代理着席〕 そういうことなので、やはり明確に政治の上あるいはまた政策の上で位置づけるべき段階にきていると思うわけであります。前向きにこれに対する政治の場で位置づけていって、それを育成していく、こういう姿勢があるかどうか、次官、どうですか。
  14. 岡崎英城

    岡崎政府委員 ただいまお話のございましたように、LPガス需要の非常な増大ということはおっしゃるとおりでございますので、それに対して、行政の面または法制その他の面がついていっていないという実情にあるということがいまの現実だと思います。その点でいろいろな支障も来たしている点があると思いますので、現在におきましては、できるだけいまの法制下において、LPガスの問題についての対処を行政的にも十二分に努力するようにいたしたいと思いますけれども、やはりその面では行き届かない面も相当にあるのじゃないかと思います。その点につきましては、法制化その他につきましても十分な考慮をいたしたい、こう思っております。
  15. 沢田政治

    沢田委員 それぞれ省令指導なり取り締まりをしておるわけでありますけれども、たとえば昨年一月十七日で省令が発効しているわけです。したがってそれぞれ各県あるいは保安協会指導してきたと思いますけれども、たとえば一般家庭ガスは、いままで家庭プロパンボンベ家屋内にゴムのホースか何かで引っぱって使っておったわけです。ところが、省令でまいりますと、屋外に取りつけなければならないわけです。そしてしんちゅうか何かの導管でやらなければならない、こういうことになっておるわけです。したがって、一月十七日からそういうことに切りかえなければならない、こういう省令の趣旨になっておるわけでありますけれども、省令はそうだとしても、実際はそれが完全に履行されておるかどうか、どうですか。
  16. 伊藤三郎

    伊藤政府委員 ただいま沢田委員の言われますように、一昨年改正しました省令のうち、プロパンの容器を一般家庭の場合屋外に置くようにという点につきましての猶予期限は、昨年の一月十七日でございます。その実施状況でございますが、各地方によりまして差がございます。関東地方は比較的良好でございまして、大体九〇%程度が要件を満足いたしておりますが、ほかの地区では、悪いところでは三〇%程度というようなところもございます。なお、省令屋外に置くことを原則にいたしておりますが、積雪寒冷地とかあるいはアパートの三階以上とか、そういうように屋外に置くことが非常に困難な場合には、例外として、通風のいいような場所に置くことを省令上認めております。そういう例外はございますが、先ほど申しましたように、地方によりまして事情が違っておりますが、この点につきましては、さらに販売業者を督励し、販売業者の工事の変更を督促いたしまして、できるだけ早い機会に省令違反のないような事態にいたしたいと考えておるわけでございます。
  17. 沢田政治

    沢田委員 一般家庭の場合は、おもに十キロ・ボンベですね、それをしんちゅうか何かの導管で引いてくる。そうなるとどれだけの経費がかかりますか。
  18. 伊藤三郎

    伊藤政府委員 屋外プロパン貯蔵した場所から家屋に穴をあけまして導管を引く、その部分につきましては、大体七百円ぐらいと聞いております。
  19. 沢田政治

    沢田委員 それは認識不足ですね。一万五、六千円かかるのですよ。もちろん距離によっても違いますけれども、相当かかるのですよ。だから地方では農協とかああいう大きいところ、金を持っておる大きい業者、これはできるわけですよ。ところが一般の小さい業者は、これはできないわけですね。だからやはりこういう点も考えなくちゃいかぬことじゃないかと思うわけです。やたらに省令だけ出して、そうやれああやれと言ったって、これは相当大きい負担になるのだから、そう簡単にできないので、やはりそういう実情というものも明確に把握する必要があるのではないかと思うわけです。もちろん距離によって、場所によっても違いますよ。  それと関連して、ああいう省令というものをもう少し実情に合うように、実情を把握するようにしていただきたいと思うのは、たとえば一般地方農村の場合、地方農村というのは非常に宅地が広いのです。家屋が点在しておるのですね。こういう場所と違って、都市の場合は、外へ出せといっても、外に出すことが不可能な家もあるわけです、実際問題として。ほとんど家が建ったきりであって、外というのはほとんどない。こういうところへ、しかもずっと二、三目撃しておりますと、外へ出せというものだから道路へ出しておくわけです。そこは人がひんぱんに通行するものですから、かえって人がけ飛ばしたり何かしてあぶないのじゃないかと思うわけですね。そういう実情に対してはどう考えておりますか。
  20. 伊藤三郎

    伊藤政府委員 先ほども申しましたように、省令では例外の場合を規定いたしておりまして、「ただし、屋外に置くことが著しく困難な場合において、ガスが滞留しないように換気のための措置を講じたときは、屋内に置くことができる」。という規定がございます。いま沢田先生おっしゃいますように、道路に出すというのは、これはまことに危険でございますので、そういう場合には屋内空気の滞留しないような場所に置くことを認めておるわけでございます。道路に置くというようなことはあまり好ましくない、そういうものは屋内で適当な場所をさがすべきであるというふうに考えます。
  21. 沢田政治

    沢田委員 道路に置くのは悪い。これは確かに悪いですよ。そして例外を認めて、空気の滞留しないようなところは、これは原則外として認める、こういうことだけれども、道路に置かざるを得ないような家屋構造というのは、空気の滞留するような家屋が多いのですよ。一体こういうのはどうしますか。
  22. 伊藤三郎

    伊藤政府委員 家屋構造によりましていろいろ問題があると思いますが、換気装置をつけますれば滞留は防げるわけでございます。ただその場合に、そういう密集した地区住家の住民が、そういう経済的な負担に耐え得るかどうかという点は問題があろうかと思いますが、やはり事故を起こしましては、これは何にもならないことでありますので、まあそういう場合でも何とかそういう換気装置をつける等によりまして安全を確保してプロパンを使用していただくというふうにやってもらいたいと考えております。
  23. 沢田政治

    沢田委員 私は、決してこまかいことをほじくり出して指摘するとか、そういうことに目的を持っているんじゃないのです。LPガスがどんどん普及していくから、やはりこれに対する安全対策というものを政治の上から考えるべきだ。たとえば水洗便所でも、衛生的な見地から国家が幾らか補助するとか、そういうことを前向きに考えていくべきだ、こういうところに私は目的を貫いておりますから、そのことを言っておるわけです。それを省令というようなものは、もう少し実情現場を実際に見て研究してみてからでなくてはいかぬと思うわけです。たとえば鉄道で持っていくタンク車がありますね。これは四十度以下に熱を調節しなければならぬ、こういうことになっていますね。それはそういう規制があるわけです。そういう規制があるので、グラスウールとか断熱体を巻いているわけです。これを巻くことになったら経費が約百万円かかります。ところがその他のものは、これを無視しているわけです。タンクローリーなんというものは裸でしょう。ボンベなんかも裸で送っているでしょう。こういうところは非常に矛盾しておると思うわけです。たとえば小さいものほど熱が上がるわけです。容量が大きければ大きいほど熱の上がる率が少ないわけです。そうでしょう。そういうように非常に実情に合わぬような省令もたくさんあると思うのですけれども、これを現場実情とか実態に合うように、いますぐでなくても、将来再検討するる必要あると思いますが、こういう点に矛盾があるということを、こまかいことを出したら、私は幾らでも持っています。これはどうですか、整理する気持ちはありませんか。
  24. 伊藤三郎

    伊藤政府委員 ただいま運搬の問題の御指摘がございましたが、運搬の問題に限らず、製造施設あるいは消費施設等につきまして、いろいろ技術上の基準がきめてございますが、プロパンの使用層の増大あるいは新しいガスの使用というような問題もいろいろございますので、私どもも実情に合った規制をするように常に研究を重ねてまいりたいと思っております。
  25. 沢田政治

    沢田委員 このようにLPガスがどんどん普及していく。生活の中に溶け込んでおるわけですね。そうなると、ただ単に保安とか取り締まりということよりも、それも反面においては必要でありますけれども、消費者の利益というものを考えていかなくちゃならぬわけです。特に具体的にいいますと、損する場合と律する場合があるわけです。たとえば新しい容器の場合と古い容器の場合は、消費者とすれば大きな差別があるわけです。特に寒い、温度の低い地帯においてはあります。といいますのは、愛であるならば大体家庭の台所で三カ月十キロ・ボンベを使える、冬季になると二カ月ないし二カ月十五日しか使えない。こういうところが出てくるわけです。これもプロパンとブタンがあるから、温度が低い関係で蒸留度が少ないわけです。そういう関係から、消費者が同じ十キロのプロパンを使っておっても損したり得したりするわけです。それと同時に、温度によっても違いますけれども、新しい容器と古い容器によっても違うわけです。といいますのは、たとえばプロパンを完全に使ってしまってもブタン分が底部のほうに滞留しておるわけです。それにまたプロパンを充てんするのだから、ますますブタンの容量が多くなるわけです。そういうことから、実際家庭の台所では燃料としての耐用度というものは非常に少なくなる、こういうことであるわけです。したがってアメリカ等の場合は、ほとんどガスを、完全にブタンも扱いてしまって、塗装し直して一般家庭に使わせておるわけです。消費者がどんどんふえていくんだから、やはりそれくらいの消費者の利益というものを将来考える必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。
  26. 大慈彌嘉久

    大慈政府委員 御指摘いただきましたように、ボンベでございますが、ブタンがまじっているために、特に寒いときは十分使えない、こういうことがあると思います。特に最近はものが逼迫しておりますために、十キロ入りのボンベに十キロ入ってない、思ったより早くなくなったというようなおしかりをときどき伺います。それから先ほどのブタンが入っているために十分使えない、こういうことでございますが、もちろんその場合にも、上げ底販売というような形になるかと思いますが、持ち込みの数量と使ってしまったあとの重量とはかりまして、その差額だけを支払えばいいということになるかと思います。計量法の関係で表に表示したとおりのものが中に入っているかどうか、これは直接私の局の所管ではございませんが、そういう問題もあろうかと思いますし、消費者保護の立場から十分な配慮をしないといけないと思います。現在のところ、さしあたりはプロパンガス販売の商業組合の連合会そのほかにお願いをいたしまして、できるだけ誠意を持った販売をするようにということをお願いしてございますが、関連するところも広うございますので、今後いかにすれば最も消費者のためになるかということは研究させていただきたいというふうに考えます。
  27. 沢田政治

    沢田委員 特にガスでもその他の問題でも、災害は予測し得ないところから発生することもありますけれども、常識的なところから災害が発生することもあるわけであります。常識としても当然守らなければならぬことを守らぬために災害が発生することもあるわけです。といいますのは、たとえばあの北炭の夕張の炭鉱の災害でも、ガスの量が許容限度以上にきておる、勧告されてもそれを実行しない、またそれを実行させなかった、こういうところに大きな原因があるわけであります。炭鉱の労働者は今日七万人、ところがプロパンの場合は八百五十万世帯、こういうことなわけでありますので、やはり何といってもその取り締まりの対策、保安の対策、こういうものを早急に明確にしていく必要があるのではないかと私は考えるわけであります。いまのままでは、保安協会の御協力を仰ぐ、県のほうにも御協力を仰ぐ。ところが実際にふたをあけてみますと、強力なスタッフがおらぬわけです。ほとんど片手間にやっておる。こういう点は中村委員も指摘したとおりです。したがって、いまのような保安体制あるいは行政機構体制、こういうものでいいのかどうか、根本的にこれでいいと思っているのかどうか、私は非常に不安でならぬわけであります。この点に対して基本的な将来の姿勢はどういうものであるか、明確に御見解をお聞きしたいと思うわけです。
  28. 伊藤三郎

    伊藤政府委員 高圧ガス関係保安取り締まりは、通産大臣の責任のもとに各都道府県をして実施させております。したがいまして、保安の国としての責任は、通産省、各都道府県にあるわけでございます。人員等につきましては、従来御指摘もあり、またお答えいたしましたように、現状必ずしも十分ではございませんが、収入も相当あがってまいっておりますし、また、高圧ガス関係の工場、消費者等も増加をしておりますので、都道府県の人員の増強につきましては、昨年末各知事に要請をいたしておりまして、四十年度は若干増加が見込めると考えるわけでございます。これに対しまして高圧ガス保安協会が協力をしておるわけでございますが、取り締まりの責任は、先ほど申しましたように通産省にございますが、保安の完ぺきを期すためには、経営者ないし幹部従業員の保安意識の高揚がきわめて重要でありますし、それに基づいて、従業員の保安教育を徹底して行なってもらうということがきわめて大事なことでございます。従来の事故を見ましても、現場の作業員の不注意から起きたような事故が多いのでございます。そういう意味で、企業側の努力ということも大いにやってもらわなければならぬわけでございます。幸いにして業界のほうでそういう自主保安ということにつきまして盛り上がりが出てまいりましたので、そういう業界の空気に呼応しまして高圧ガス保安協会が発足を見たわけでございますので、高圧ガス保安協会としましては、そういう企業者保安意識の高揚、一般の工場等に対する保安知識の普及ということで協力してもらいますと、それだけ官のほうの取り締まりの事務の内容も少なくなるわけでございます。保安協会を中心とします自主保安体制の強化と、最初に申しました官庁取り締まり陣容の強化と何々相まちまして、一体となって保安の確保をはかっていくべきであると考えておるわけでございます。
  29. 沢田政治

    沢田委員 私はいまのような中途はんぱな——所在は明確ですよ。実際の災害防止、こういうものの責任の所在は明確だけれども、体制としてはどこに重点があるのか。県にあるのか、保安協会にあるのか、通産にあるのか、なかなか明確でない。非常にあいまいもことしておるわけです。したがって、これを明確にする必要があるんじゃなかろうか、こういうふうに考えるわけです。たとえば鉱山保安の場合は、鉱山保安局があって保安監督員がおって、そうして政府自体がこれを監督する、取り締まる、こういう方向をとっておるわけです。   〔小川(平)委員長代理退席、委員長着席〕 いま八百五十万世帯だけれども、やがては一千五百万、二千万世帯になるかもしれません。したがって、だれかの善意にすがって災害が防止されることを期待するというような、こういうあいまいな態度ではいかぬと思うわけです。私の考えでは、たとえば鉱山保安局のようなはっきりとした国の行政機関としてのそういう監督体制をつくるか、そうでなければアメリカのように、保安協会なら保安協会でもけっこうですよ、これに対して責任と権能を持たせるような政策をとらなければいかぬと思うわけです。何とか御協力を仰いでおります。さらに教育の徹底を期しております。こういう期待であってはいかぬと思うわけであります。そのためには、たとえば保安協会なら保安協会に大きく協力を仰ぐ、自主検査もしてもらう、こういうことになるならば、財政的にも権限的にもこれに一つの権威を持たせていかなければならぬじゃないか、こういうふうに考えるわけです。現在でも保安協会では自主検査をやっておるわけでありますけれども、これは全くの自主検査であるわけです。これは完全にまずいと思っても、改善命令を出せないわけです。ただ困ったといって帰ってくるだけですね。したがって、国自体としての行政の機構の中に鉱山保安局のようなものを設けることも私は一つの方向だと思うのです。将来、そういう事態が来るんじゃないか、そこまでいかないとするならば、保安協会に対して、物的にもあるいは権限的にも、もっと動きやすいような状態をうくるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
  30. 伊藤三郎

    伊藤政府委員 現在保安協会に検査でやってもらっておりますのは、継ぎ甘なし容器の検査と冷凍機の関係保安検査でございます。御指摘のように、保安協会につきましては、さらにその内容の強化、それに伴って仕事の拡大ということをはかるべきであると考えております。また、われわれも外国の保険関係等、制度もいろいろ勉強いたしておるわけでございますが、行政機構としまして、現存すぐ鉱山保安局のような組織を考えるかどうかということにつきましては、さらに研究を要する問題でございますので、当面、行政機構としましては、先ほど申しましたように、通産省、通産局並びに都道府の陣容の強化拡大につとめてまいりたいと考えておるわけでございます。
  31. 沢田政治

    沢田委員 保安協会ができてから、まだ日が浅いわけでございまして、もちろん完全を求めることは無理だと思いますけれども、地方の人は、保安協会ができたということはわかるが、保安協会は頭だけで手足がない、こういうことを言っておるわけです。これは、もちろん日が短いから、いま完ぺきを求めることは時間的にいっても無理ですね。大体どういう状態になっておりますか、地方に対する保安協会の機構は。中央に原則として時務所を置くことになっておりますけれども、地方にも置いておりますか。どれだけの人員になって、いまどういう機能を発揮しておりますか。
  32. 内丸邦彦

    ○内丸説明員 保安協会の現状について御説明申し上げますと、現在の陣容といたしましては、会長以下理事その他全部合わせて二十九名という人数になっております。それで地方関係の機関といたしましては、東京と大阪に容器関係の検査の事務所を設けておりまして、そこに両方とも大体三名程度の検査員が世か置かれおるわけでございます。それから先ほど申し上げました冷凍関係保安検査を行ないますために、各都道府県ごとに冷凍保安検査事務所というものができておりまして、ここに大体冷凍関係の業界に委嘱しました検査員が配置されておりまして、その検査員によります冷凍関係保安検査を実施しておるというような形でございます。協会のそれ以外の活動につきましては、保安関係の技術基準の作成、研究、実験というような仕事が一つの大きな柱でございます。それから、いま一つの仕事といたしましては、保安教育の基準をつくり、あるいは講習会その他の教育活動を各都道府県単位に全国的に実施しているというような状況でございます。
  33. 沢田政治

    沢田委員 冷凍関係保安協会、これは一本立ちになって歩いておることは認めます。ところがLPガスについては、そこまでいっておらぬわけです。教育の普及も、ここで議論すると、あたかもLPガスに対する知識も普及しておる、教育も普及しておるというような印象を受けますけれども、末端の地方に行ったら、そうなっておりません。たとえばガスが出なくなった。さかさに振り回したら出てくる。なるほど、ブタンが底に沈んでおるから、さかさに振れば出てくるわけですね。地方へ行ったらそういう程度知識しかないのです。これは重要なことだと思うのです。したがって、繰り返すように、ただしLPガスの協会におまかせする、努力に期待するというようなことだけではなく、抜本的に財政的にも援助して、やりやすいようにしてやる必要がある、緊急に差し迫っておると思うのですよ。それを、やる気持ちがありますか。
  34. 岡崎英城

    岡崎政府委員 ただいまの仰せのとおりでございまして、教育その他の点についてただいま徹底を欠いておる実情ではないかと思います。それで、先ほどからお話がございましたように、現在の段階におきましては、保安協会を拡充強化いたしまして、そこを中心として国民一般に十分な啓蒙宣伝をするというようなことをいたさなければならぬ、こう思っております。ただいまの保安協会の財政、人員その他の点については、非常に不足のように思いますので、将来十分にこの点については考慮いたしたい、こう思っております。
  35. 沢田政治

    沢田委員 まあ災害の防止、人命の尊重、こういうものは、あらゆるものに優先して考えなければならぬことです。これは私も同感であります。だけれども、その反面において、法律のみが先行して、その産業を、角をためて牛を殺してしまうようなことであってはいかぬと思うわけです。その点の配慮というものは十分になすべきじゃないかと思うわけです。今日LPGに対して非常に便利である、これは重宝だ、こう言う人と、必要以上に、これはこわいものだ、こう言う人と二つあると思うわけです。たとえばタクシーなんかでも、LP車だということになると、無条件でこわい、こういう感じを持っている人もあるわけですね。したがって、そのかね合いというものをどう考えていますか。あまり法律のみが先行して、これはあぶないということで、この非常に有益なLPG産業を、角をためて牛を殺す、こういう可能性もあるわけですね。そういうかね合いというものをどう考えていますが。といいますのは、やはり都市でもスモッグですか、ガスですね、こういう公害の問題もあるし、それからまた、いままで農山部は燃料をほとんど薪炭にたよっておった、それで山の木を乱伐する、そうして洪水が出てくる、こういう面から考えても、やはりこのLPガスの普及というのは、非常に大きな貢献をしておると思うわけです。その反面に、これは人命も尊重しなければならぬ、災害も絶滅しなければならぬ、と同時にその産業も伸ばすという反面の配慮が必要だと思うので、そういう点に対する考慮をどう考えていますか。
  36. 伊藤三郎

    伊藤政府委員 御指摘のように、規制法律上厳重であれば厳重であるほどいいというふうには、もちろん考えておりません。やはり保安の施設の経済性というものを考えなければならないわけでありますし、プロパンガスが御指摘のように今後非常に需要が増大してまいるだけに、角をためて牛を殺すような愚はやるべきではないと考えております。プロパンガス関係を含めまして高圧ガスの製造施設あるいは製造の方法、消費の施設、消費の方法等につきましては、省令で技術上の基準をきめることになっておるわけでございます。この技術上の基準をきめるに際しましては、役所だけでやるのではなくて、高圧ガス保安協会ができましてからは、保安協会に諮問をいたしまして、そういう高圧ガス関係の実務に当たっておる方々、専門家の方々の意見を聞きまして、必要な限度に規制を加えるということをいたしております。無用に危険感をあおるということ、あるいは逆に野放しにするというようなことのないように、その間実態に合いました、調整のとれた基準を実施したいということで、先ほど申しましたように、保安協会専門家の意見を聞いて技術上の基準をきめるようにしてまいっておるわけでございますし、今後もその方針でまいる所存でございます。
  37. 沢田政治

    沢田委員 製造あるいは販売業、消費、こういうものに対しては、省令ないしは法律規制しておるわけでありまして、まあその面については問題ないわけでありますけれども、私、この前に聞きましたように、実際に現場監督、取り締まる、こういう県の専門員といいますか、職員にその知識のない者が多いわけですよ。高圧ガスの何たるかも全然知らない人にこれを取り締まれといったって、これは能力がないのだから無理なわけで、できないわけです。したがって、府県の実際に取り締まる専門職員に対して一定の資格条件というものを明確にすべきじゃないか、こう思うわけだけれども、先ほどの答弁ではその点が明確でないので、その必要性がないかどうか、その点を明確にしていただきましょう。
  38. 伊藤三郎

    伊藤政府委員 現在、都道府県の高圧ガス関係担当者のうちで、班長はすべて機械、化学の技術的な知識を持っておりますし、そういう人が中心になりまして部下の監督指導をいたしております。先ほど申しましたように、さらにそういう知識を向上するために、年四回程度担当官会議を開催いたしております。なお、法律保安管理員というものを任命することになっておりますが、現在府県の担当者約百七十名のうち、保安管理員の任命をしております者が四十名程度ございます。府県によりましては、そういう資格があっても任命の手続をとっておらないところもあるようでございますので、実際上保安管理員の資格がある者はもっと数が多いと思います。保安管理員の資格としまして通産省できめております基準が、年齢二十歳以上の職員で一定の学歴を有して、かつ一定の期間高圧ガス関係取り締まりに従事をした者というような資格をきめておりますが、そういう基準によりまして通産省としては保安管理員を任命いたしております。府県につきましては、先ほど申しましたように、四十名以上の者がそういう資格を持っておるわけでございます。もちろんこのままで足りるというわけじゃございませんので、百七十名をさらに増員し、またその内容について質の向上をはからなければならぬという点は、全く御指摘のとおりでございます。
  39. 沢田政治

    沢田委員 これは全部の都道府県から聞いたわけじゃないですけれども、二、三の都道府県の関係者からちょっと聞いたわけです。それで実際の手数料よりも使う金のほうが少ないじゃないか、だからもう少し人員をふやしたらどうか、こういうお話もしたわけですね。その場合、なるほどいま現在は手数料がどんどん入ってくるが、将来必ず頭打ちになることもある、そうなった場合は非常に困る、そういうことだから、府県自体としても府県の自治体の財政上からいって人をふやすという方向にはとうしても——その部課ではわかるけれども、全体としては人をふやしていくということについてはもう非常に弱い、そういうことで人をふやすことについても至難である、こういうことも言っておるわけです。したがって、少ないところは一名か二名、多いところは東京都の三十何名ですか、非常にアンバランスがあるわけですよ。したがって、政府自体、通産当局がやはりその府県の消費量、あるいはまたタンクのある個所、こういうものによって基準を設けて、これだけの消費と施設がある場合はこれだけの人員を最低限置くべきだという明確な規制指導ができないのですか。
  40. 伊藤三郎

    伊藤政府委員 三十九年度の各府県の担当者の数を調査いたしまして、各府県の状況を見ますと、ただいまお話しのように、東京都の三十六名に比べますと非常に少ない府県がございます。昨年都道府県知事に対しまして、一般的に増員を要請いたしておりますが、特に取り締まり対象の事業所に比較しまして陣容の少ない八府県に対しましては、これは一般のレベルよりも低いからぜひ増員するようにということを要請いたしております。御指摘のように、対象事業所数あるいは消費工場の数に応じてどの程度の人間を基準として考えるべきかという点につきましては、具体的な基準はまだつくっておりませんが、先ほど申しましたように、特に少ないと考えられます府県には特別の注意を喚起いたしております。今後、そういう取り締まりの内容に応じまして、どういう人数を持つべきかという基準につきましても検討いたしたいと思います。
  41. 沢田政治

    沢田委員 これに関連して、都道府県に手数料が入るわけですね。その使途に対して何らの制限がないわけだ。よそへ使ってもかまわぬわけだ。せっかく検査のために取った金、手数料なわけですから、これは、やはりそういう目的に使うべきだと思うのですが、これに対する制限も全然ないわけですね。したがって、その点についても、その財源で人をふやしていく、充足していくという指導なり規制なりというものをやる意思はありますか。
  42. 伊藤三郎

    伊藤政府委員 目的収入と申しますか、ある目的で入りました収入は、その関連する用途に使わなければならないという点につきましては、地方財政上いろいろ問題があるようでございますが、私どもとしまして各府県に注意を喚起しておりますのは、収入額に比べて支出が少ない、したがって、少なくとも収入額に見合う経費は支出するように予算は編成してもらいたいということで注意を喚起しておるわけであります。制度としまして、先ほど言いましたように、目的収入的なことはいろいろ問題もありますので、直ちには実行は困難かと存ずるのでございます。
  43. 沢田政治

    沢田委員 私の質問はこれで終わるわけでありますけれども、冒頭に申し上げましたように、かつて十年ほど前のように、LPGは特定の人が使っておる、こういうものじゃないわけであります。すでに国民の生活の中に入り込んでおるのです。入り込んでおると同時に、いつでも危険性と背中合わせになっておるわけです。そういうことでありますから、消費の面、保安の面については、いまのようにどこが窓口かわからぬ。たとえば供給需要関係でも、石油課があるわけでありますけれども、非常にあいまいなわけです。姿勢としては、行政機構そのものも、何といいますか消極的なわけですね。こういう点に対して、保安の問題はもちろん、やはり供給需要の面についても前向きの姿勢を持つべきであろうと思うのであります。冒頭に申し上げましたように、災害の起きる時期は、非常にLPG不足したとき無理して過充てんしたり急激な輸送をしたりするところから災害が起こってくるので、強くそういう点を実行するように要望して私の質問を終わります。      ————◇—————
  44. 内田常雄

    内田委員長 委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。  先般、理事会におきまして御協議を願いましたとおり、山陽特殊製鋼株式会社の倒産に関する問題につきまして、本委員会から現地に委員を派遣し、その実情調査するため、議長に対して、委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 内田常雄

    内田委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決します。  また、派遣委員の人選、派遣期間等につきましては、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 内田常雄

    内田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  ただいまのところでは、今週の金曜日の夜、寝台列車で現地に向かいまして、土曜の朝から現地調査を開始する、こういうことにいたしたいと考えておりまするので、一応お含みおきをお願いをいたします。  次会は、明十七日金曜日午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十五分散会