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山崎(始)
委員 そのとおりです。私の
解釈もそのとおりなんです。それを形式的に、いまもおっしゃった形式的にはいわゆる
団体法そのものが
一つの自主
規制という
立場をとっておるから、
組合がそういうふうな
過半数の
数字をとって、もう一年延長してくれという書数が出たから、形式的には
安定審議会へそのまま移すんだという、形式論からすれば当然そうなるでしょう。しかし、私が言っているのは、とにかく
日本の
双眼鏡業界に対してこの
成型だけを残した場合に、どういうふうな結果が出るかという
認識の問題だと私は思うのです。私から言うたら、害こそあって、益は
一つもないのです。言いかえますと、とにかく
組み立て業界もはずれた。
双眼鏡業界は、
輸出業者は別にして、
部品業者からメーカー
段階まで約六百くらいあるはずですが、その中の四十七社だけが
成型業者としていままでどおりの
ワクを、
切符が大切だ、
ワク制度のほうがいいんだという形をとって、しかも
あとの五百数十社が一生懸命に
ワクをはずして、
輸出するときに、その
成型の
切符がなかったら、
輸出ができないというこの姿、これは何を意味しますか。しかも
おまけに、
H会社というのは、先ほど申し上げましたように、表面的には二割八分の
通産省の
ワクを持っておる。実質的には、先ほど申しました
警視庁の取り調べのごとく、六五%ないし七〇%の
生殺与奪の権を持っておるということです。そうなりますと、
部品ならばなるほど貿管令にありますように、
輸出するときに
輸出承認書の
部品の証明書がたければいけませんが、半
製品である。
ほんとうならば、
輸出承認の
品目の中にないのです。ないものを
部品としておきながら、
おまけにまた今度は
成型という四十七社を残してしまって、
あとの五百数十社が迷惑をするのです。もっと言いますと、
日本の
双眼鏡業界というものは、
H会社に牛耳られてしまうのです。言いかえますと、その
H会社は
成型業者であり、そうして細み立てもやっている。そうすると、
あとの細み立て、
鏡体、
レンズというものは、もう
ワクをはずしてしまったのですから、だれでも自由にできる。残った
部品にあらざる半
製品の
業者のその六五%ないし七〇%を牛耳る
業者だけが、
ワクは残っておるのだから、わしのほうが全部
レンズもやるんだ、
鏡体もやるんだ、組み立てもやるんだ、
輸出もやるんだ
——輸出の権利も持っている。まだ
輸出は多少
ワク制度が残っておりますけれども、これをやった場合は、
一体どういうことになるのか。やる可能性があるのです。そういうふうな野心を持っておればこそ、あらゆる利益誘導をやり、
資本力にものをいわして、そしていまの、
熱海でそういうふうなことをやっているのです。したがって、私が言うのは、
成型だけが残って、
双眼鏡貿易業者は全部のけて、
あとの五百九十社の連中が迷惑をこうむる、そうしてますます独占の傾向を深めていく、この姿が残ってくるんですね。したがって、私は百害あって一利がないと言っているのです。こういうふうな
実態の御
認識があったならば、いまあなたがおっしゃったように、いわゆる
中小企業安定審議会にかける、形式論とすればかけるんだ、しかし、その
結論はまだ出してない。それから、これはもう
業界のために悪いんだからかけないんだという
判断をすれば、大臣がもう
成型の
申請なんかをけとばす権限が私はあると見ている。いまあなたは、そういう権限は大臣にはあるんだとおっしゃったから、私はあまり追及いたしませんけれども、
団体法の精神からいっても、なければならぬはずなんです。大体
団体法なんというものは、独占
禁止法ともう裏表です。したがって、こんなものは一歩行政指導を誤ったら、完全な独占の方向をたどっていきます。そういう
一つの性格を持っておる法律であればこそ、いわゆるその
規制を受けるか受けぬかは一年更新。これが普通ならば、そういうおそれがないのならば、五年、十年、永久立法でもいいのであります。一年更新になっておるという法律の精神というものは、へたをすると弊等があるから一年更新をするという、最短期の一年ということになっておると
解釈しなければなりません。その他
団体法十九条を見ましても二十一条を見ましても、二十一条のごときは、大臣権限としていろいろございますが、最後にその調整規程を「取り消さなければならない。」という文字が使ってある。取り消すことができるという文字でなくて、ならぬという法律の文字が使ってある。自主
規制の法律であるといいながら、
団体法そのものは、いまも言いますように、独禁法に紙一重なんだから、そういうおそれがあるから、十分配慮しなければいけない。自主
規制だという
立場を表面とっておりますが、法律そのものが、運用が悪いと非常に危険なおそれがある。したがって一年更新。そうして二十一条には、取り消さなければならぬと、大臣権限の文句に書いてあるはずなんです。取り消すことができるじゃないんです。取り消さなければならぬとなっておる。こういうふうな
解釈から、いわゆる
団体法の精神から見たならば当然、いまの
成型のような変体的なものがいかに
申請を出してもほとんど無意味、しかも、非常に独占のおそれがある。だから私は、
日本の
双眼鏡業界の将来の発展のために、
日本の
輸出振興のために、いわゆる
中小企業、
零細企業を守るために、この際
重工業局から一おそらく
双眼鏡ぐらいいままで問題を起こしたものは他に
品目がないのじゃないかと私は思うのです。おそらく
局長とすれば、あるいは通産大臣とすれば、妙な、やっかいな部門だと見ておると思うのです。へたをしたら、また疑獄、汚職が起こってくるおそれがあることを私は知っておるのです。早くおやめなさい。
ワクを全部はずしてしまうんですよ。一応
ワクをはずして、そしていわゆる六百社からある
業界を、新規に行政指導によって縛りつけることは私はなんぼでもできると思っておる。
過当競争にならぬように、品質低下にならぬように、まあ品質低下はいわゆる
輸出をするときの検査がありますからいいですけれども、いずれにしても
過当競争にならないようにやる方法は幾らでも私はあると見ておる。だから私がいま言うように、昨年の四月から
組み立て業者が、二百数十社あったのですが、はずれた。今度はまた
部品である
レンズの
業者が
団体法の
規制をもうやめた、
鏡体業者がもう
ごめんだと言うておるのに、
成型だけがこの
団体法の
規制は好ましいんだ、こういう姿が出ておる。
一体何の利益があるかということです。疑獄や汚職や刑事
事件を起こすおそれのあるような
双眼鏡業界から、この
成型業界の
規制をいまこそ
通産当局は大臣権限を発動してやめるべきだ、やめた
あとは新しい
一つの
規制をすることをお考えになるべきだと私は思うのです。
公取委員長がお見えになりましたからお尋ねするのですが、あなた、さっきいらっしゃらなかったので私の趣旨がおわかりにならないかもしれないのですが、
双眼鏡業界で
成型業者というものが
組合をつくって、四十六社ほどございますが、その中でHという、
資本金六億二千数百万円の
会社が、四十六社のうちで
通産省の
割り当ての二割八分を製造する権利を持っておる。表面は二割八分です。ところが、たまたま、昨年の十月か、
双眼鏡業界の不正
事件に対して
警視庁が手を入れて、逮捕されたり調べられたりした結果、その
H会社から自動車で二台帳簿を押収して、そしてその責任者に
逮捕状を出して調べて、自白した結果は、
成型業界において私のほうの
会社は六五%ないし七〇%の
生殺与奪の権を持っておりますということをはっきり言っておるのですね。そういう姿というものは、私は独禁法違反のおそれが非常にあると見るのですが、あなたの御見解はどうですか。