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1965-02-05 第48回国会 衆議院 商工委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和三十九年十二月二十一日)( 月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次 の通りである。    委員長 二階堂 進君    理事 小川 平二君 理事 小平 久雄君  理事 中川 俊思君 理事 早稻田柳右エ門君    理事 板川 正吾君 理事 久保田 豊君    理事 中村 重光君       内田 常雄君    浦野 幸男君       遠藤 三郎君    小笠 公韶君       小沢 辰男君    海部 俊樹君       菅野和太郎君    菊池 義郎君       黒金 泰美君   小宮山重四郎君       佐々木秀世君    田中 榮一君       田中 龍夫君    田中 正巳君       田中 六助君    中村 幸八君       長谷川四郎君    三原 朝雄君       南  好雄君    村上  勇君       大村 邦夫君    加賀田 進君       桜井 茂尚君    沢田 政治君       島口重次郎君    楯 兼次郎君       藤田 高敏君    森  義視君      米内山義一郎君    麻生 良方君       伊藤卯四郎君    加藤  進君     ————————————— 一月二十五日  二階堂進委員長辞任につき、その補欠として  内田常雄君が議院において委員長に選任された。     ————————————— 昭和四十年二月五日(金曜日)    午前十時四十六分開議  出席委員    委員長 内田 常雄君    理事 小川 平二君 理事 小平 久雄君    理事 田中 龍夫君 理事 中川 俊思君  理事 早稻田柳右エ門君 理事 板川 正吾君    理事 加賀田 進君      稻村左近四郎君    浦野 幸男君       小笠 公韶君    海部 俊樹君       菅野和太郎君    黒金 泰美君      小宮山重四郎君    佐々木秀世君       田中 榮一君    田中 正巳君       中村 幸八君    二階堂 進君       長谷川四郎君    南  好雄君       石野 久男君    久保田 豊君       五島 虎雄君    桜井 茂尚君       沢田 政治君    島口重次郎君       田中 武夫君    楯 兼次郎君       山崎 始男君    麻生 良方君       山下 榮二君  出席国務大臣         通産商産業大臣 櫻内 義雄君         国 務 大 臣 高橋  衛君  出席政府委員         公正取引委員会         委員長     渡邊喜久造君         土地調整委員会         委員長     黒河内 透君         総理府事務官         (経済企画庁長         官官房長)   村上孝太郎君         総理府事務官         (経済企画庁長         官官房会計課         長)      平山 正隆君         通商産業政務次         官       岡崎 英城君         通商産業事務官         (大臣官房長) 熊谷 典文君         通商産業事務官         (大臣官房会計         課長)     後藤 正記君  委員外出席者         専  門  員 渡辺 一俊君     ————————————— 一月二十日  委員楯次郎君、藤田高敏君、森義視君、米内  山義一郎君及び加藤進辞任につき、その補欠  として石野久男君、五島虎雄君、田中武夫君、  山崎始男君及び野原覺君が議長指名委員に  選任された。 同月二十一日  委員伊藤卯四郎辞任につき、その補欠として  山下榮二君が議長指名委員に選任された。 同月二十七日  委員野原覺辞任につき、その補欠として楯兼  次郎君が議長指名委員に選任された。 二月一日  委員菊池義郎辞任につき、その補欠として古  川丈吉君が議長指名委員に選任された。 同月五日  委員村上勇辞任につき、その補欠として稻村  左近四郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員稻村左四郎辞任につき、その補欠とし  て村上勇君が議長指名委員に選任された。 同日  理事始関伊平昭和三十九年七月二十四日委員  辞任につき、その補欠として田中龍夫君が理事  に当選した。 同日  理事久保田豊君同日理事辞任につき、その補欠  として加賀田進君が理事に当選した。     ————————————— 昭和三十九年十二月二十一日  消費者基本法案春日一幸君外一名提出、第四  十六回国会衆法第一号)  官公需中小企業者に対する発注の確保に関す  る法律案松平忠久君外二十八名提出、第四十  六回国会衆法第二五号)  中小企業組織法案松平忠久君外二十八名提出、  第四十六回国会衆法第二六号)  鉱業法の一部を改正する法律案内閣提出、第  四十六回国会閣法第五三号) 昭和四十年一月二十七日  航空機工業振興法の一部を改正する法律案(内  閣提出第二一号) 同日  公共料金引き上げ反対等に関する請願(石橋  政嗣君紹介)(第八七号)  同外二十二件(永井勝次郎紹介)(第一六〇  号)  同外十一件(永井勝次郎紹介)(第二八二  号)  公共料金並びに消費者物価値上げ抑制に関する  請願唐澤俊樹紹介)(第一六二号)  同(小坂善太郎紹介)(第一六三号)  同(倉石忠雄紹介)(第二八三号)  同(原茂紹介)(第二八四号)  同(羽田武嗣郎紹介)(第三四四号)  千曲川分水計画反対に関する請願唐澤俊樹君  紹介)(第一六四号)  同(小坂善太郎紹介)(第一六五号)  同(倉石忠雄紹介)(第二八五号)  同(原茂紹介)(第二八六号)  同(羽田武嗣次郎紹介)(第三四五号)  公共料金等物価抑制に関する請願粟山秀君紹  介)(第二一六号)  公共料金値上げ反対等に関する請願華山親  義君紹介)(第三四三号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  国政調査承認要求に関する件  通商産業基本施策に関する件  経済総合計画に関する件  私的独占禁止及び公正取引に関する件  鉱業一般公益との調整等に関する件      ————◇—————
  2. 内田常雄

    内田委員長 これより会議を開きます。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  このたび不肖商工委員長に選任され、まことに光栄に存じております。産業経済の重要な時期に当面して、本委員会の責務もまことに重大なるものがあろうかと存じます。幸いにいたしまして練達博識なる先輩委員諸君が多数おられますので、皆さま方の御協力をいただきまして、円満に委員会運営してまいりたいと念願いたしております。  何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)      ————◇—————
  3. 内田常雄

    内田委員長 理事辞任及び補欠選任の件についておはかりいたします。  理事久保田豊君より理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 内田常雄

    内田委員長 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。  次に、理事でありました始関伊平君がさきに委員辞任され、また、ただいま久保田豊君が理事辞任されましたのに伴いまして、理事に欠員を生じましたので、その補欠選任を行なうのでありまするが、従来の慣例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 内田常雄

    内田委員長 御異議なしと認めます。よって、田中龍夫君、加賀田進君を理事指名いたします。      ————◇—————
  6. 内田常雄

    内田委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  当委員会活動を円滑ならしめるため国政調査承認要求をいたしたいと存じます。  まず、調査事項といたしましては  一、通商産業基本施策に関する事項  二、経済総合計画に関する事項  三、公益事業に関する事項  四、鉱工業に関する事項  五、商業に関する事項  五、通商に関する事項  七、中小企業に関する事項  八、特許に関する事項  九、私的独占禁止及び公正取引に関する事項  十、鉱業一般公益との調整等に関する事項 以上十項目といたし、調査目的といたしましては  一、日本経済総合的基本施策樹立並びに総合調整のため  二、通商産業行政実情調査し、その合理化並びに振興に関する対策樹立のためとし、承認要求をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 内田常雄

    内田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、要求書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 内田常雄

    内田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————
  9. 内田常雄

    内田委員長 櫻内通商産業大臣より、通商産業基本施策について所信を承ることにいたします。櫻内通商産業大臣
  10. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 今後の通商産業政策方向重点について御説明申し上げます。  昭和四十年度におきましては、多角的、流動的に変貌する国際経済環境への適応のもとに国民経済に生じたひずみの是正をはかりつつ、均衡のとれた成長を達成することを基本方針とし、特に施策重点輸出振興と低開発国対策拡充中小企業施策画期的拡充国際競争力強化のための産業質的充実産業保安確保産業公害防止等において、その積極的な展開をはかる所存であります。  通商産業省一般会計予算につきましては、本年度の約五百十四億円に対し、昭和四十年度におきましては約二〇%増の約六百十六億円を計上するとともに、通商産業省関係財政投融資計画につきましても、本年度当初計画に比べ約二四%増の総額四千八百二十億円を計上することといたしました。  これらの措置により、通商産業施策の一そうの充実をはかり得るものと考えておりますが、以下重要項目ごと施策概要について御説明申し上げます。(輸出振興と低開発国対策)  施策重点の第一は、輸出振興と低開発国対策拡充であります。  申すまでもなく、輸出の伸長はわが国経済発展の基礎であり、開放経済体制への移行に伴ないその要請はますます高まっております。このため、日本輸出入銀行資金拡充日本貿易振興会事業強化、その他各般にわたる輸出振興施策を一段と拡充する所存であります。  また、低開発国対策につきましても、近年国際的要請がますます高まっていること及びこれら諸国の健全な発展わが国貿易長期的拡大のための不可欠な要請であることにかんがみ、従来の施策を引き続き強力に推進するほか、特に一次産品の買い付け促進については格段の配慮を行なう等、積極的な姿勢でこれに取り組んでいきたいと存じます。  また、貿易振興局新設し、輸出振興策及び経済協力施策の強力かつ円滑な推進に当たらせる所存であります。(中小企業施策)  施策重点の第二は、中小企業施策の画期的な拡充であります。  中小企業につきましては、その健全な成長国民経済均衡ある発展に不可欠の要件であるとの観点に立って、引き続き中小企業基本法の趣旨に即したきめこまかい施策を強力に推進していく所存であります。すなわち、中小企業関係金融機関資金量拡充中小企業設備近代化資金中小企業高度化資金拡充貸し付け条件改善等を通じ、設備近代化、専業の共同化推進するとともに、中小企業経営近代化技術向上のための施策充実することとしております。  また、小規模事業者については、特に施策重点を置き、経営改善普及事業の一そうの強化をはかるとともに、新たに小規模企業共済事業団を創設し、さらには担保も保証人も得がたい小規模零細事業者に対して、信用保証協会保証を通じて金融円滑化をはかるための制度を創設する考えであります。  なお、当面の中小企業金融については、事態推移を注視しつつ、弾力的な金融措置を講ずるとともに、下請代金支払遅延等防止法の厳正な実施につとめ、健全な経常を行なっている中小企業倒産等の不幸な事態におちいることのないよう、万全を期する決意であります。(産業質的充実)  施策重点の第三は、国際競争力強化のための産業質的充実であります。  通商産業省といたしましては、国際競争力強化のために、各産業実情に即し、適時適切な施策を展開してまいる所存でありますが、特に産業体制整備自己資本充実国産技術振興産業基盤整備に配意してまいりたいと考えております。このため、開銀融資拡充法人税率引き下げ等を行なうとともに、民間の試験研究推進、国の試験研究機関の機能の強化につとめる所存であり、なお、特許行政につきましても、大幅な増員機械化推進等により、処理促進を期することとしております。  また、石炭石油電力等エネルギーについて、長期的かつ総合的な観点からの適切な位置づけを行ないつつ施策推進をはかることとし、このため、総合エネルギー調査会を設置し、総合エネルギー政策確立につとめたいと考えております。  エネルギー産業別施策といたしましては、まず石炭産業について、先般の石炭鉱業調査団の答申を尊重し、炭価の引き上げ利子補給措置実施等、新しい情勢に即応した施策を強力に展開するとともに、石油業流通面合理化海外原油の探鉱、天然ガス資源開発等についても格段の努力を払う所存であります。(産業保安産業公害対策)  施策重点の第四は、産業保安確保産業公害防止であります。  産業の健全な発展をはかりつつ住みよい社会を実現するため、まず産業公害対策につきましては、公害防止事業団新設を行なうとともに、新産業都市等における産業公害未然防止のための科学的総合的事前調査実施、さらには公害防止技術開発のための資源技術試験所公害防止技術研究開発部新設等、画期的な措置を講ずることとしております。  また、監督検査強化保安融資拡充等により、鉱山保安確保に万全を期するとともに、工場災害防止についても所要の法制の整備をはかる所存であります。  以上、今後における通商産業政策重点事項について、基本的方向具体的施策概要を申し述べたのでありますが、私といたしましては、これら方策中心わが国通商産業発展のために全力を傾注する覚悟でございますので、今後とも一そうの御協力をお願いいたす次第であります。(拍手)     —————————————
  11. 内田常雄

    内田委員長 次に、高橋経済企画庁長官から所信の表明がある予定でありまするけれども、ただいま予算委員会におきまして答弁中でありますので、順序を一時変更して、公正取引委員会委員長渡邊君より、公正取引委員会業務概況について説明を聴取することといたします。渡邊公正取引委員会委員長
  12. 渡邊喜久造

    渡邊(喜)政府委員 昭和三十九年中の公正取引委員会業務の概略につきまして、お手元に資料をお届けいたしましたが、そのうちおもな点につきまして御説明申し上げます。  昭和三十九年の公正取引委員会業務を振り返ってみますと、物価総合安定対策の一環としての違法な価格協定の取り締まりの強化硬直的価格動向調査、不当な歩積み、両建て預金の規制の方策検討など、当委員会といたしましては、前年に引き続き相当活発な活動を行なった年であったと考えております。  まず、昭和三十九年には、本委員会において御審議いただきました私的独占禁止及び公正取引確保に関する法律の一部を改正する法律の施行により、事務局取引部及び札幌地方事務所が設置され、定員も十五名の増員となり、公正取引委員会活動もより充実したものとなりました。  次に私的独占禁止法規定に基づく業務といたしましては、まず国際契約等届け出は六百三十一件にのぼり、前年に比較するとやや減少しておりますが、依然として届け出件数が多く、自由化の進展に対処するための技術導入が積極的に行なわれたものと見られます。  会社の合併営業譲受届け出は、それぞれ九百二十一件、百七十七件となっており、前年に比較して若干減少しておりますが、私的独占禁止法上特に問題となるような合併等はございませんでした。  不公正な取引方法指定に関する業務といたしましては、従来から指定されていた新聞業に関する指定のうち、景品提供に関する事項不当景品類及び不当表示防止法規定に基づく告示に切りかえ、差別対価押し紙等禁止内容とする指定を新たに行なました。  また数年来問題となっております不当な歩積み、両建てにつきましては、昭和三十九年三月末現在及び同年九月末現在について、中小企業者を対象にその実態を把握するためのアンケート調査を行ないましたが、必要があればいつでも特殊指定に踏み切れるよう、その具体案について検討を続けております。  私的独占禁止法規定に基づく共同行為認可につきましては、不況に対処するための共同行為として、新たに本年六月末を期限としてPCP除草剤出荷数量制限に関する共同行為認可したほか、企業合理化のための共同行為として、従来認めていた合成染料、麻糸、綿とビスコース・スフとの混紡糸溶解用はがねくず、ベアリングの各共同行為につきましてそれぞれ期間延長認可をいたしましたが、いずれも法定要件を満たすものと認めたものであります。  次に、私的独占禁止法違反被疑事件につきましては、昭和三十九年中に百六十二件につきまして審査を行ない、そのうち審判手続きを開始したものは二件であり、これは、鐘淵紡績ほか九社による再販売価格協定事件と、日本郵船など外国海運業者を含む十七社による三重運賃制度設定事件であって、いずれも審判係属中であります。また、勧告を行なったものは十九件で、このうち昭和三十九年中に勧告審決を行なったものは十六件であり、そのおもなものは、セロファン工業会による価格協定事件日本電池らによる価格協定事件日本水産による不公正取引事件等があります。なお、昭和三十八年に勧告し、昭和三十九年に勧告審決を行なったものは八件あります。  次に、下請代金支払遅延等防止法規定に基づく業務といたしましては、下請代金支払い状況中心に二千九十二の親事業者調査し、支払い改善勧告を行なったものは十六件、行政指導により支払い改善をはかったもの百七十五件でありました。  また、不当景品類及び不当表示防止法規定に基づく業務といたしましては、新聞業における景品類提供に関する事項制限を告示し、また、悪質な表示を行なった宅地建物取引業者七各、精糖業者二名に対して排除命令を行なったほか、日本防虫剤工業会及び新聞発行業者等四百五十二名から申請のあった防虫剤表示に関する公正競争規約及び新聞業における景品類提供禁止に関する公正競争規約をそれぞれ認定いたしました。  最後に私的独占禁止法適用除外法に関する業務のうち、おもなものにつきまして申し上げますと、輸出入取引法規定に基づく共同行為等処理件数は百七十四件、中小企業団体組織に関する法律規定に基づく共同行為等処理件数は千八十三件、環境衛生関係営業運営適正化に関する法律規定に基づく共同行為処理件数は十二件となっており、いずれも慎重に検討を加えた上、問題はないものと認められましたので、主務大臣協議等に応じました。  このほか、物価問題に関連しまして、硬直的価格動向調査についても引き続き力を注いでおります。  当委員会といたしましては、今後とも私的独占禁止法等の厳正な運用によって、公正な競争秩序確立をはかるとともに、一般消費者の利益の保護に万全を期したいと考えております。  なお、昭和四十年度予算案でございますが、本国会に御審議をお願いいたしております当委員会関係予算総額二億五千九百二十五万五千円でありまして、昭和三十九年度に比較して三千七百十五万七千円の増額となっており、仙台地方事務所新設定員十一名の増員がそのおもな内容となっております。  今後当委員会業務は、従来にも増して繁忙の度を加えるとともに、重要性を増すものと考えられますが、皆さま方の御支援を得まして重責を果たしたいと思っておりますので、どうぞよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願いいたします。(拍手)     —————————————
  13. 内田常雄

    内田委員長 次に、経済企画庁長官より経済総合計画についての所信を承ることといたします。国務大臣経済企画庁長官高橋衛君。
  14. 高橋衛

    高橋(衛)国務大臣 経済企画庁の主要な施策について御説明を申し上げます。  今日、わが国経済の基本的な課題は、開放体制のもと、内外のきびしい情勢に対処しつつ、経済成長安定基調に定着せしめ、均衡ある経済発展確保するとともに、それと調和のとれた社会開発促進することによって、国民福祉向上をはかることにあるものと考えます。  このような見地から、経済の行き過ぎによる各種の不均衡是正するため、一昨年末以来、経済引き締め基調運営してまいりました。その後の推移を見ますと、引き締めの効果は漸次経済の各分野に浸透し、国際収支改善方向に向かい、国内経済も落ちつきを取り戻してきました。このような情勢を背景に、先般、公定歩合の引き下げ等金融引き締めが緩和されるに至ったのであります。  しかし、内外経済情勢は決して楽観を許さないものがあります。すなわち、消費者物価は依然根強い騰勢気配を示しており、また、国際収支の面でも、今後、世界貿易が昨年のような大幅な拡大を示すかどうか問題があります。さらに、農業、中小企業の立ちおくれ、住宅、生活環境施設の不足、地域間格差問題等各種均衡是正が迫られております。  このような認識のもとに、政府は、去る一月二十二日、昭和四十年度経済見通し経済運営基本的態度を決定いたしました。四十年度経済運営にあたっては、財政金融政策中心とする経済政策の適切な運用により経済安定的成長をはかり、国際収支均衡確保及び消費者物価安定化につとめるとともに、経済分野における質的充実に意を用い、経済均衡ある発展及びそれと調和のとれた社会開発推進することを基本的な態度としております。  今後、これに基づく諸施策推進することによりまして、昭和四十年度わが国経済は、実質七・五%程度の安定した成長を達成し、国際収支均衡を保つとともに、消費者物価についても三十九年度を下回る四・五%程度の上昇にとどめるよう努力する考えであります。  最近の国際収支動向を見ますと、輸出の予想以上の好調を主因に、着実な改善を示しまして、当初一億五千万ドルの赤字と予想されておりました本年度総合収支も、ある程度の黒字になるものと見込まれます。  しかしながら、今後の世界経済動向については、欧米諸国経済成長の鈍化から、世界貿易に昨年のような目ざましい拡大を期待することはむずかしいものと予想され、しかも、世界市場における輸出競争はますます激化するものと思われます。さらに貿易外収支赤字は、諸般の対策を強力に実施しても、なお当分拡大傾向を避けられず、また、資本収支についても、最近の国際金融面の動きなどから見て多くを期待することは困難な状況にあります。  したがって、わが国経済の健全な発展のためには、国際収支の天井を高めることが従来にも増して重要な課題となるのであります。このため政府は、財政金融税制等各般施策を通じて国際競争力を培養し、国際収支改善につとめてまいる考えであります。  また、南北問題が国際的な重要課題となっております今日、経済協力を積極的に推進するため、経済協力基金について、原資を増加し、その業務拡大をはかるよう経済協力基金法の所要の改正をおはかりしたいと考えております。  三十九年度消費者物価は、前年度に対し四・八%程度の上昇と見込まれますが、ここ三年間の六%をこえる上昇率に比べるとかなり落ちついた動きを示したものと考えられます。さらに四〇年度においてはあらゆる努力を傾注し、四・五%程度の上昇にとどめ、消費者物価を一段と安定化方向に向けていきたいと考えております。  最近の消費者物価の上昇は、経済の高度成長に伴う旺盛な消費需要がその一因と考えられますが、基本的には、生産性格差が存在する二重構造の中で、労働需給の逼迫から賃金、所得の平準化が急速に行なわれ、それがコストを押し上げ、価格や料金の上昇を招くという構造的要因によるところが大きいと考えられます。  政府は、このような情勢に対処し、去る一月二十二日物価安定のための総合対策を決定し、できる限りすみやかに消費者物価の安定をはかることといたしました。その対策としましては、総合的、長期的観点から、経済安定基調に導くとともに、生産性の低い部門における生産性の向上、流通機構の合理化、労働力の流動化等の構造対策を強力に推進し、さらに、価格が公正に形成されるよう、競争条件の整備をはかることが基本的に必要であります。同時に、当面の緊急対策として生活必需物資等の安定的供給をはかるとともに、公共料金については、関係企業の経営合理化により極力値上げを抑制し、値上げのやむを得ないものについては、ケース・バイ・ケースに経済関係閣僚懇談会に付議して慎重に処理することといたします。  また、消費の物価に及ぼす影響の大きいことにかんがみ、消費の健全化、貯蓄の増進などを通じて国民各位が物価安定に協力されんことを望むものであります。  なお、生産性格差が存在する反面、賃金、所得の平準化が急速に進んでいる状況のもとで、経済成長を続けながら消費者物価を長期的に安定せしめるためには、物価所得の関係について広く社会全体が責任を分担するという立場に立って、国民経済全体が生み出す生産性の成果を、賃金、利潤、業主所得その他国民全体の所得に、適正かつ均衡のとれるように配分されることが必要であります。したがって、生産性の高い部門においては、その成果を価格の引き下げにも充てることによって広く消費者にも配分されることを期待する次第であります。  政府は、開放体制下における経済運営の長期的指針といたしまして、去る一月二十二日、中期経済計画を決定いたしました。この計画は、昭和三十九年度から四十三年度までの五カ年間を対象としており、四十三年度において経常収支が均衡し、計画期間中における消費者物価の上昇率が年度平均二・五%にとどまるという基本的条件のもとに、経済の安定成長をはかり、その中で社会開発を積極的に推進し、経済社会におけるひずみの是正近代化を最大限に行なうこととしております。その結果、経済成長率は年度平均実質八・一%と見込んでおります。  この計画においては、社会資本の整備社会保障の充実等を一そう推進するとともに、農業、中小企業等の低生産性部門の近代化、労働力の流動化と有効活用、住宅、生活環境施設整備など国民生活の質的向上といった課題を特に重視して、経済社会におけるひずみの是正社会開発につとめるほか、輸出振興、人的能力の向上等の施策推進し、経済の長期的発展の原動力を培養して、経済社会近代化のための基盤を整備することをねらいとしております。政府としては、現実の経済社会の諸情勢を十分勘案しつつ、中期経済計画を長期的な経済運営の基本的な考え方として、福祉国家の建設に邁進する所存であります。  わが国経済は、数年来目ざましい発展を遂げてきましたが、この間、ややもすれば国民生活の面がおろそかにされがちとなり、さらに、その向上を阻害する諸事情も見られるようになっております。今後は、経済成長の成果が真に国民福祉向上に結びつくよう、より多くの政策的配慮を払うべき段階に立ち至ったと思われます。したがって、この際、独自の使命を持った国民生活行政が新しく展開されなければなりません。  このような見地から、国民生活の福祉内容を構する諸要素について、将来における望ましい生活標準を探求想定し、その実現のため、経済成長段階に応じた諸施策推進するとともに、国民の日常生活の、面においても、消費者の保護や生活環境の整備などの関係施策を総合的見地から推進する必要があります。  経済企画庁としては、このような政策的課題にこたえ、各種施策の斎合性を保ちつつ、その積極的推進をはかるため、新たに国民生活局を設置し、国民福祉向上に一そうつとめてまいる所存であります。  今日、地域開発の主要な課題は、地方開発推進による地域格差の是正と大都市における過密の除去であります。地方開発については、新産業都市、工業整備特別地域等の拠点開発方式による産業及び生活の基盤整備重点として必要な諸般の施策促進し、また、拠点開発の波及効果を受けにくい離島、山村その他の未開発地域については、社会福祉の向上観点からも、諸施策の総合的な推進をはかってまいります。  過密都市については、企業や人口の流入の抑制並びにその再開発による環境の改善をはかるとともに、地方開発を積極的に推進し、地方における医業文化の振興と格差の是正をあわせ行なうことにより解決をはかる必要があるので、諸対策の総合的な検討を進めていきたいと考えております。  経済発展と人口の増加に伴い、水資源の量的開発及び質的保全の必要性はますます高まってきております。政府は、このような事態に対処して、用水の供給を確保しその利用の合理化促進するため、利根川、淀川等重要水系を中心として、長期の需給見通しに基づき、積極的に水資源の開発推進してまいる所存であります。また、水の質的保全については、その国民生活に及ぼす影響の重要性にかんがみまして、今後とも、関係各方面の協力を得て、河川等における汚濁防止のために、一そうの努力を傾注してまいりたいと考えております。以上、経済企画庁の主要な施策について所信の一端を申し述べたのでありますが、わが国経済発展と国民生活の向上とのために、今後とも一そう努力してまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
  15. 内田常雄

    内田委員長 次に、土地調整委員会委員長より、土地調整委員会の事務処理概要につきまして説明を聴取することにいたします。土地調整委員会委員長黒河内透君。
  16. 黒河内透

    ○黒河内政府委員 ただいま御指名のありました土地調整委員会の黒河内であります。何とぞよろしくお願いいたします。  御指示によりまして、ただいまから土地調整委員会昭和三十九年中に行ないました所掌事務の処理概要説明を申し上げたいと存じます。お手元に昭和三十九年土地調整委員会事務処理概要という印刷物をお配りしてありまするので、その大要について御説明を申し上げることにいたします。  第一は、鉱区禁止地域指定請求及び指定解除請求関係でありますが、前年から係属しておるものとして、新潟県下の笠堀ダム関係、青森県下の十和田、八幡平国立公園南北八甲田山周辺地域、山梨県下の西山ダム及び西山発電所関係、奈良田第一及び第二発電所関係、町品川発電所関係、京都、奈良、三重の三府県にわたる高山ダム関係、北海道の金山ダム関係、岩手県下の四十四旧ダム関係、栃木県下の日光国立公園奥日光地域、大分、熊本の両県下にわたる松原、下筌ダム関係、山口県下の菅野ダム関係の一部保留地域、東京、山梨両都県にわたる小河内ダム上流集水地の一部保留地域、静岡県下の伊東市、中伊豆町及び東伊豆町関係、兵庫県下の生野ダム関係、宮城県下の白石市小原温泉関係の十五件があります。それに、昭和三十九年内に指定請求のありましたものは、鳥取県下の菅沢ダム関係、愛知、岐阜両県にわたる矢作ダム関係、栃木県下の西荒川ダム関係の三件でありまして、合計十八件になります。これらを請求の目的別に見ますと、洪水調節、農業用水、工業用水または上水道用水及び発電のためのダム、貯水池及び発電施設の保全を目的とするものがその大部分で、十三件に及び、景観または温泉の保護を主目的とするもの三件、水道水源、景観、ダム等の保護、温泉、水道水源、景観、ワサビ田等の保護を主目的とするもの各一件であります。  これらのうち昭和三十九年内に指定を行なったのは四十四田ダム関係、符堀ダム関係、南北八甲田山周辺地域、西山ダム及び西山発電所関係、奈良田第一、第二発港所関係、野呂川発電所関係、高山ダム関係、金山ダム関係の八件で、うち四十四田ダム関係は請求どおり指定しましたが、他の七件については請求地域の大部分を指定し、一部分指定を拒否いたしたのであります。自余の十件は翌年に繰り越しましたが、そのうち約半数は所定の手続を終え、目下審議中であります。  なお、以上の鉱区禁止地域として指定した地域の既存の鉱業権について、取り消しまたは減区の勧告を行なったものはありません。また、鉱区禁止地域の指定の解除の請求もなかったのであります。  第二は、異議の裁定申請関係でありまするが、昭和三十九年、当委員会に係属いたしたものは、東京都北区地内の鉱業出願不許可処分の取り消し請求の件、福岡県下平尾台地内の鉱業出願許可処分に対する裁定事件の符審理の件、東京都八丈鳥島地内の鉱業出願不許可処分の取り消し請求の件及び鳥取県下の皆生海岸保全区域内の土石採取下許可処分の取り消し請求の件の四件であります。そのうち前二件は前年から持ち越した事件であり、あとの二件は昭和三十九年に新たに係属したものであります。東京都北区地内の事件については、申請の理由がないとして棄却の裁定を行ないました。他の三件は、申請人の病気等のため、審理の延期の申し出があって、いずれも翌年に持ち越すことになりました。  なお、山口県下の鉱業出願不許可処分の取り消しの裁定申請を棄却した当委員会の裁定に関し以前から東京高等裁判所に裁定取り消し訴訟事件として係属しておったものでありますが、これは原告が取り下げましたので終結いたしました。  第三は、土地収用法等に関する建設大臣等に対する審査請求または異議申し立ての裁決等に関する意見の照会に対する回答でありまするが、昭和三十九年に建設大臣から照会のありました千葉県木更津市内の県道木更津−根形線橋梁かけかえ事業関係、東京都市計画大蔵住宅団地経営事業関係、徳島県鴨島都市計画街路事業関係、神奈川県横須賀市内の特別高圧送電線路の第二東京南線新設事業関係、岩手県陸前高田とし計画街路事業関係及び大阪府豊中市内の府道大阪−池田線道路改良工事関係の土地等の収用裁決に関する事件並びに福島県平市内の一級国道磐城国道改良工事関係、栃木県日光市内二級国道日光−沼田線道路改良工事及び愛知、岐阜両県下の木曽川下流改修工事の事業認定に対する異議申し立ての件の合計九件であります。そのうち大阪府下の事件及び栃木県下の事件の二件については、翌年に持ち越すことになりましたが、その他の七件については、いずれも請求または申し立ての理由が認められない旨回答いたしました。  このほか、鉱業法、採石法、核原料物質開発促進臨時町措置法、文化財保護法等に規定されている事務等もありますが、昭和三十九年中には該当の事案はありませんでした。  以上をもちまして、昭和三十九年中の土地調整委員会の事務処理の大要を申し述べた次第であります。  なお、土地調整委員会設置法第十九条に定められた昭和三十九年の所掌事務処理状況の報告書を目下印刷準備中でありますので、でき次第所定の手続を経てお手元にお届けいたすことになりますが、それには詳細記述いたしておりますので、何とぞよろしく御了承をお願い申し上げます。     —————————————
  17. 内田常雄

    内田委員長 この際、昭和四十年度通商産業省関係予算につきまして、同名官房長より説明を聴取することにいたします。通産省官房長熊谷典文君。要領よく御説明を願います。
  18. 熊谷典文

    ○熊谷政府委員 お手元に資料が差し上げてございますので、ごく簡単に通産省予算について御説明を申し上げます。  まず、昭和四十年度通商産業省所管一般会計の予定経費要求額でございますが、六百十六億余でございまして、三十九年度予算に比較いたしますと百二億余の増加で、伸び率といたしましては二〇%になっております。  まず第一、輸出振興及び経済協力費につきましては、五十九億円余を計上いたしております。これは、前年度に比し四億六千万円余の増でございますが、前年度におきましては、日本貿易振興会に対する五億円の出資がありましたので、これを除いて比較いたしますと、九億円余りの増加となっております。  輸出振興につきましては、日本貿易振興会の事務費補助として三十二億円余を計上し、海外市場の調査、海外施設の運営等総合的な輸出振興事業を一そう強力に行なうこととしております。  その他、雑貨輸出振興費、プラント輸出振興費、工作機械輸出振興費、生糸及び絹織物輸出振興費として、それぞれ必要な経費を計上いたしております。  次に、経済協力費でございますが、主要な経費といたしましては、アジア経済研究所に対する補助金として四億円余を計上しておりますほか、海外技術開発等協力費、海外技術者受け入れ研修事業費、低開発国一次産品対策費等を増額して、低開発国との経済協力をさらに一そう促進することといたしております。  第三に、中小企業対策費でございますが、中小企業問題の重要性にかんがみまして、最重点項目として取り上げ、前年度に比し三十四億円増の百五十億円余りを計上いたしております。  そのうち、中小企業近代化、高度化につきましては、中小企業設備近代化補助金として五十億円を計上し、また、一般会計から中小企業高度化資金融通特別会計へは、六十六億八千万円の繰り入れを行なうとともに、貸付条件の大幅な改善をはかることにいたしております。  また、小規模企業者の相互扶助による共済制度を創設するため、小規模企業共済事業団新設することとし、これに対して七千万円の政府出資及び補助を行なうことといたしております。  このほか、小規模事業対策推進費として十七億円余、中小企業指導センターに対する出資及び補助として三億七千万円余、中小企業指導事業強化費として五億余を計上しております。なお、形式的には大蔵省計上予算となっておりますが、実質的には中小企業関係予算といたしまして、中小企業信用保険公庫への出資六十億円を計上いたしております。  第三に、国際競争力強化費でございますが、これにつきましては、一般会計よりもむしろ財政投融資による対策が重要な役割を占めているということができるかと存じます。  一般会計からの国際競争力強化対策費は、主として地下資源開発費でございまして、新鉱床探査費補助として四億円を計上いたしましたほか、金属鉱物探鉱促進事業団の行なう地質構造調査に対する補助金として一億余を計上したこと等でございます。  第四に、技術振興及び特殊行政強化費でございますが、前年度に比し九億六千余万円増となって、九十八億余万円を計上いたしております。その主要なものは、試験研究所の特別研究費、重要鉱工業技術試験研究委託費、鉱工業技術研究費補助金等でございます。  また、特許行政強化費といたしましては、特許等の、審査審判の促進をはかることを重点に、十六億七千万円余を計上いたしてございます。  第五は、地域振興及び産業基盤強化費でございますが、そのおもなものは、工業用水道事業費補助でございまして、前年度に比し十二億四千万円余増の八十二億六千万円余を計上いたしております。  第六は、エネルギー対策でございますが、そのおもなものは、石炭対策費でございます。  石炭対策につきましては、昨年末第二次石炭鉱業調査団の答申を得ましたので、政府といたしましても、そのお答申に沿った諸施策を明年度以降進めてまいりたい所存でございます。予算といたしましては、前年度に比し二十八億余増の百四十五億余を計上してございます。  内容といたしましては、四十年度から赤字企業に対する利子補給を行なうため九億五千万円を新たに計上しておりますほか、電力用炭代金清算株式会社を石炭共同販売株式会社に改組して石炭の共同販売業務をも行なわせるため、五千万円の政府出資を計上し、また鉱害賠償基金を鉱害基金に改称して、従来の業務のほか新たに鉱害予防のための融資をも行なわしめるため、三億円の政府出資を計上いたしております。  このほか、石炭鉱業近代化を助成するための資金として、石炭鉱業合理化事業団への出資金五十五億円余、炭鉱整理促進費四十二億円余、保安不良炭鉱整理対策費六千九百万円、産炭地域振興費二十五億円余、その他石炭技術振興費、鉱害復旧事業費、炭田開発調査費等につきまして必要な経費を計上いたしております。  また、石炭関係以外といたしましては、可燃性天然ガス探鉱費として四億円を計上してございます。  第七は、産業公害及び産業保安対策費でございますが、まず産業公害対策につきましては、最近におきます産業公害問題の緊要性にかんがみまして、従来からやっております大気汚染等の産業公害対策及び工場排水対策を引き続き実施しますほか、新たに新産業都市など新規の工業地帯のうち、三地域、一河川につきまして公害防止のための事前調査費として三千五百万円を計上し、また厚生省と共管のもとに公害防止事業団新設いたすことにしております。  以上のような産業公害対策行政費といたしましては、計五千五百万円を計上いたしておりますが、このほか、前に述べました技術振興費の中に含まれております特別研究費や研究施設費のうち、産業公害防止技術の研究開発に関する経費二億余を加えますと、二億五千九百万円が産業公害対策費として計上されているわけでございます。  次に、産業保安対策でございますが、最近における化学工場の相次ぐ爆発事故の防止対策といたしまして、特定の化学工業を対象に新たに立法措置を講ずることとし、また鉱山の保安につきましては、さきに述べました石炭鉱業合理化事業団への出資金のうち、七億九千万余は保安施設に対する融資に向けられるものでありまして、これにより鉱山保安施設の整備充実をはかるほか、ボタ山災害防止対策費として一億六千万円、鉱山保安監督検査費として五千八百万円等を計上いたしております。  最後に、消費者対策につきましては、計上経費は多額ではございませんが、消費者保護の見地から、家庭用品品質表示法の施行、日本消費者協会への事業補助、苦情処理、商品テスト、アフターサービスの実態調査、消費者教育等の諸施策推進してまいる所存でございます。  以上をもちまして当省所管の一般会計予算に関する説明を終わりますが、詳細につきましては、お手元の一般会計予算要求重要事項表をごらんいただきたいと存じます。  次に、当省所管の特別会計につきまして、昭和四十年度歳入歳出予算の大要を簡単に御説明申し上げます。  まず、アルコール専売事業特別会計でございますが、歳入予定額は六十九億余、歳出予定額は五十七億余であります。輸出保険特別会計につきましては、歳入予定額及び歳出予定額とも百六十七億余でございます。機械類賦払信用保険特別会計につきましては、歳入予定額及び歳出予定額とも十三億余でございますが、歳入予定額のうち二億円は、一般会計からの繰り入れでございます。また、中小企業高度化資金融通特別会計につきましては、歳入予定額及び歳出予定額とも六十七億円余でございますが、そのうち六十六億八千五百万円は、さきに述べましたように一般会計からの繰り入れでございます。  次に、当省関係の財政投融資計画について御説明いたします。  昭和四十年度におきます当省関係の財政投融資計画総額は、四千八百二十億でございまして、これを昭和三十九年度当初計画と比較しますと、九百二十三億円、伸び率にしまして約二四%の増加となっております。  以下、機関別にその概要を御説明いたします。  まず、日本輸出入銀行でございますが、輸出振興経済発展の基本的課題でありますことから、その資金を量質両面にわたり確保充実することには特に重点を置いております。四十年度の貸し付け計画としましては、プラント類を中心とする輸出の伸長と経済協力促進するため、三十九年度当初計画より三百四十五億円増額して、千九百四十五億円を予定し、このため、出資二百九十億、融資九百十九億、計千二百九億の財政資金を投入する計画でございます。  次に、中小企業関係政府金融機関でございます。中小企業対策には、政府としても最重点を置いて各機関の融資の強化充実をはかることとしており、これらの貸し出し規模は、三十九年度当初計画に比して約二〇%拡大する計画となっております。すなわち、中小企業金融公庫につきましては、財政融資七百四十三億円、政府保証債三百億円を計画し、商工組合中央金庫には財政資金による商中債の引き受け純増百三十四億円を確保することとしております。また、国民金融公庫につきましては、財政融資八百六十八億円を計画しており、このほか、一般会計出資二十億円を予定しております。  次に、日本開発銀行につきましては、施策重点国際競争力強化のための産業質的充実エネルギー対策推進技術振興と新規産業の育成、産業公害防止、地域開発促進に置きたいと考えております。新たな施策といたしましては、石油業の体質改善推進する見地から、中小規模石油企業が流通販売面の合理化をはかるため設立する共同販売会社に対する融資を行なうこととし、四十億円の融資ワクを計上いたしております。その他の施策につきましてもその拡充強化をはかり、運用総額は、三十九年度の当初計画に対し、三百八十九億円増の千六百七十七億円を確保するものとし、このため財政融資等を千五億円予定しております。  次に、電源開発株式会社についてでございますが、四十年度におきましては、三十九年度に着工した石炭火力発電所三基の建設を推進するとともに、引き続き大水力電源開発の工事を推進することに主力を注ぐこととし、三百五十七億円の工事規模を確保し、このため出資十五億円、余農資金を含めまして融資二百七十億円等、合計三百九億円の財政投融資を予定しております。  次に、石油資源開発株式会社につきましては、前年度に引き続き海外における原油の探鉱を拡大することといたしまして、十一億円の事業規模を確保し、このため七億円の財政出資を行なう計画でございます。  次に、石炭鉱業合理化事業団でございますが、非能率炭鉱の終閉山に伴う炭鉱離職者に対する退職金支払いを円滑に行なわせるため、財政資金十五億円の融資を行なう計画でございます。  また、産炭地域振興事業団には、三十八億円の財政融資を予定し、さらに、鉱害基金に対しては十一億円の財政融資を予定しております。  次に、金属鉱物探鉱促進事業団でございます。地質構造調査業務につきましては、すでに御説明しだとおりでございますが、探鉱資金の融資業務につきましては、貸し出し規模を前年度の二十億円から二十二億円へと拡大し、これに必要な出資二億円及び融資十七億円の財政投融資を計画しております。  日本航空機製造株式会社につきましては、中型輸送機YS−11の量産事業の運転資金として、四十二億円を政府保証によって調達することといたしております。  最後に、公害防止事業団について申し上げます。業産公害は、近年ますます大きな社会問題となってきており、これに対して根本的な対策を講ずることが強く要請されるに至っておりますので、この際産業公害防止重点的かつ積極的に行なうため、新たに公害防止事業団を設立し、公害防止施設等の整備推進することとし、これに要する資金として二十億円の財政融資を行なう計画といたしております。  以上をもちまして、通商産業省所管の一般会計及び特別会計の予算並びに財政投融資計画の御説明を終わります。  何とぞよろしくお願い申し上げます。     —————————————
  19. 内田常雄

    内田委員長 次に、昭和四十年度経済企画庁関係予算につきまして長官官房長より説明を聴取することにいたします。経済企画庁長官官房長。
  20. 村上孝太郎

    村上(孝)政府委員 昭和四十年度経済企画庁予算について簡単に御説明申し上げます。私のところの予算は小規模でございますので、かいつまんで要点だけを申し上げたいと存じます。  本年度約百五十三億円でございました経済企画庁予算は、昭和四十年度におきましては約二百二十億円になっております。六十八億円余の増加でございます。そのうち、一般行政部費では三億三千万円の増加で、公共事業費におきまして六十五億円余の増加になっております。行政部費におきます増加の内容となっておりますおもな施策について簡単に御説明を申し上げます。  まず行政部費の項でございますが、行政部費の項に含まれます施策の中でおもな増加の内容となっておりますのは、最近言われます社会開発その他国民福祉に関する行政に対する世間の需要が非常に増してまいりましたので、国民生活局の新設、その増員あるいは国民生活研究所の補助金の増加等、国民集活行政の推進向上をいたすための施策でございます。また国土総合開発に関する経費あるいは水資源に関する経費、さらには経済事情の調査に関する経費等の増加が、その内容となっております。  次に、土地調査費の項におきます新規経費の、あるいは増加経費の内容となっております施策としましては、四十年度の土地調査費の増額がそれでございます。これの増額になりましたおもな理由は、国土調査事業十カ年計画に基づく第三年度分といたしまして、地籍調査の規模の増加したことによる補助金の増加が、そのおもな内容でございます。  次に、一般行政部費の中に含まれます経済研究所の項におきましては、来年度から大型の電子計算機を導入いたしまして、経済計画その他に合理的なデータを供給しようとする、そういう施策がおもな内容となっております。これが三億三千万円の一般行政部費における増加のおもな内容でございます。  次に、公共事業費の関係では、先ほど申し上げましたように、約六十五億円の増加になっておりますが、その第一は国土総合開発事業費の項でございまして、調整費が十億円余の増加になっております。  さらに離島振興事業費につきましては、来年度九十三億八千円となっておりまして、本年度の経費に比べまして約十九億円余の増額となっております。これは離島における重要な施設である道路、港湾、漁港、空港等の整備などを引き続き推進しようといたすものでございます。  次に、水資源開発事業費の項におきましては、三十五億八千万円の増額となっておりまするが、このおもな内容は、水資源開発公団の土地改良事業費あるいはダムの建設等々の経費の増額がそのおもな内容でございます。  一般会計予算にきましての説明はそれだけでございまするが、最後に、財政投融資に関係いたしまする経済企画庁の来年における施策のおもな内容について御説明申し上げます。  まず海外経済協力基金でございますが、先ほど大臣の御説明明にもありましたように、経済協力関係の需要が最近非常に増加してまいりましたために、従来の一般会計からの出資のほかに、新たに財政投融資の借り入れの道も開くことにいたしまして、来年度は十億円の借り入れを予定いたしております。  それから東北開発株式会社の関係でございまするが、来年度におきましては本年度に引き続きまして会社の再建をはかることを重点といたしまして、事業の資金の総額は四十億円となっております。産投特別会計からの出資十四億円に公募債二十六億円を計上いたしておるわけでございます。  次に、水資源開発公団につきましては、その事業費の拡大に伴いまして、本年度の百八十九億円が、明年度は二十一億増の二百十億円を確保することになっております。  最後に、北海道東北開発公庫につきましては、産投会計の出資が五億円、財政投融資及び公募債をそれぞれ百三十五億円と予定しております。これに自己資金等の九十五億円を加えました三百七十億円が明年度の当公庫の運用資金計画になっております。これは本年度の三百三十億円に対しまして四十億円の増加となっております。  以上をもちまして、経済企画庁一般会計予算及び財政投融資の概略の御説明にかえたいと思います。
  21. 内田常雄

    内田委員長 次会は来たる九日、火曜日、午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十八分散会