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1965-05-31 第48回国会 衆議院 社会労働委員会 第36号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年五月三十一日(月曜日)     午後一時十五分開議  出席委員    委員長 松澤 雄藏君    理事 井村 重雄君 理事 小沢 辰男君    理事 齋藤 邦吉君 理事 澁谷 直藏君    理事 粟山  秀君 理事 河野  正君    理事 八木  昇君 理事 吉村 吉雄君       亀山 孝一君    熊谷 義雄君      小宮山重四郎君    坂村 吉正君       田中 正巳君    竹内 黎一君       地崎宇三郎君    中野 四郎君       橋本龍太郎君    藤本 孝雄君       松山千惠子君    山村新治郎君       亘  四郎君    伊藤よし子君       小林  進君    滝井 義高君       松平 忠久君    八木 一男君       山田 耻目君    本島百合子君       吉川 兼光君  出席政府委員         厚生事務官         (大臣官房長) 梅本 純正君         厚生事務官         (薬務局長)  熊崎 正夫君  委員外出席者         大蔵事務官         (主税局税制第         二課長)    吉田富士雄君         厚 生 技 官         (国立衛生試験         所副所長)   田中  穣君         参  考  人         (日本製薬団体         連合会会長         武田薬品工業株         式会社社長)  武田長兵衛君         参  考  人         (中央薬事審議         会新薬特別部会         長         関東逓信病院         長)      佐々 貫之君         参  考  人         (三共株式会社         常務取締役)  福地言一郎君         参  考  人         (エスエス製薬         株式会社取締役         社長)     泰道 三八君         参  考  人         (日本薬剤師会         専務理事)   谷岡 忠二君         専  門  員 安中 忠雄君     ――――――――――――― 五月二十七日  委員淡谷悠藏君辞任につき、その補欠として松  原喜之次君が議長の指名で委員に選任された。 同日  委員松原喜之次君辞任につき、その補欠として  淡谷悠藏君が議長の指名で委員に選任された。 同月三十一日  理事粟山秀君同日理事辞任につき、その補欠と  して藏内修治君が理事に当選した。     ――――――――――――― 五月二十五日  医療法の一部を改正する法律案(社会労働委員  長提出、参法第一九号)(予) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事の辞任及び補欠選任  参考人出頭要求に関する件  厚生関係基本施策に関する件(薬務行政に関  する問題)  請 願   一 原爆被害者援護法制定並びに原爆症の根     治療法研究機関設置に関する請願(沢田     政治君紹介)(第七八号)   二 同外三件(山中吾郎君紹介)(第七九     号)   三 同(田中武夫君紹介)(第一五九号)   四 同(岡田春夫君紹介)(第二〇八号)   五 同(谷川和穗君紹介)(第二六八号)   六 同(横路節雄君紹介)(第三二〇号)   七 同外二件(西村関一君紹介)(第三四一     号)   八 国民健康保険に対する国庫負担金増額等     に関する請願外一件(大村邦夫君紹介)     (第八〇号)   九 同外五十件(田中龍夫君紹介)(第二一     〇号)  一〇 同外十三件(今澄勇君紹介)(第二七一     号)  一一 同外五件(受田新吉君紹介)(第二七二     号)  一二 日雇労働者健康保険制度改善及び老後の     保障に関する請願(大村邦夫君紹介)(     第八二号)  一三 同(泊谷裕夫君紹介)(第八三号)  一四 同(中井徳次郎君紹介)(第八四号)  一五 同(細谷治嘉君紹介)(第八五号)  一六 同(松井政吉君紹介)(第八六号)  一七 同外四件(落合寛茂君紹介)(第一五六     号)  一八 同(金丸徳重君紹介)(第一五七号)  一九 同(松井誠君紹介)(第一五八号)  二〇 同(加賀田進君紹介)(第二一二号)  二一 同(小林進君紹介)(第二一三号)  二二 同(成田知巳君紹介)(第二一四号)  二三 同外二件(赤路友藏君紹介)(第二七六     号)  二四 同(河野正君紹介)(第二七七号)  二五 同(平林剛君紹介)(第二七八号)  二六 同(伊藤よし子君紹介)(第三一八号)  二七 同(松原喜之次君紹介)(第三一九号)  二八 同(中井徳次郎君紹介)(第三四〇号)  二九 戦争犯罪裁判関係者の補償に関する請願     (大坪保雄君紹介)(第一五五号)  三〇 同(赤澤正道君紹介)(第二七〇号)  三一 国民健康保険制度改善促進に関する請     願(加藤高藏君紹介)(第二〇九号)  三二 全国一律最低賃金制の確立に関する請願     外百七十三件(武藤山治君紹介)(第     二一一号)  三三 日雇労働者健康保険改善及び厚生年金適     用に関する請願外二百三十四件(武藤山     治君紹介)(第二一五号)  三四 動員学徒等準軍属に対する援護法改正に     関する請願外十三件(谷川和穗君紹介)     (第二六九号)  三五 原爆被害者援護法制定並びに原子爆弾被     爆者の医療等に関する法律改正に関する     請願(永末英一君紹介)(第二七三号)  三六 戦没者遺族処遇改善に関する請願(山     下榮二君紹介)(第二七四号)  三七 国民健康保険制度体質改善に関する請     願(濱田幸雄君紹介)(第二七五号)  三八 全国保健所管理栄養士必置に関する請     願(坂田道太君紹介)(第三三九号)  三九 国民健康保険財政確立に関する請願     (天野光晴君紹介)(第三五一号)  四〇 日雇労働者健康保険制度改善及び老後の     保障に関する請願(神近市子君紹介)(     第三六八号)  四一 同外三件(穗積七郎君紹介)(第四一〇     号)  四二 同外二件(堀昌雄君紹介)(第四一一     号)  四三 同(井岡大治君紹介)(第四三六号)  四四 同外四件(肥田次郎君紹介)(第五二〇     号)  四五 同(山中吾郎君紹介)(第五二一号)  四六 同外一件(山口丈太郎君紹介)(第五二     二号)  四七 同外二件(安宅常彦君紹介)(第五四一     号)  四八 同外一件(只松祐治君紹介)(第五四二     号)  四九 同外一件(楯兼次郎君紹介)(第五四三     号)  五〇 同(辻原弘市君紹介)(第五四四号)  五一 同外四件(山中日露史君紹介)(第五四     五号)  五二 同外一件(兒玉末男君紹介)(第五七二     号)  五三 同(和田博雄君紹介)(第五七三号)  五四 同外一件(山本幸一君紹介)(第五七四     号)  五五 同外二件(赤松勇君紹介)(第六一六     号)  五六 同外三件(角屋堅次郎君紹介)(第六一     七号)  五七 同(藤田高敏君紹介)(第六一八号)  五八 同外一件(米内山義一郎君紹介)(第六     一九号)  五九 同(久保田鶴松君紹介)(第六四九号)  六〇 同外十四件(田口誠治君紹介)(第六五     〇号)  六一 同外五件(長谷川保君紹介)(第六五一     号)  六二 同(湯山勇君紹介)(第六五二号)  六三 同(片島港君紹介)(第六八五号)  六四 同外一件(五島虎雄君紹介)(第六八六     号)  六五 同(只松祐治君紹介)(第六八七号)  六六 同外十件(吉村吉雄君紹介)(第六八八     号)  六七 全国一律最低賃金制の確立に関する請願     外一件(大出俊君紹介)(第四〇三号)  六八 同外一件(大柴滋夫君紹介)(第六二二     号)  六九 全国一律最低賃金制即時確立に関する     請願(栗林三郎君紹介)(第四〇四号)  七〇 同(栗林三郎君紹介)(第五七一号)  七一 同外一件(森義視君紹介)(第六二〇     号)  七二 同(大柴滋夫君紹介)(第六二一号)  七三 原爆被害者援護法制定並びに原爆症の根     治療法研究機関設置に関する請願(栗林     三郎君紹介)(第四〇五号)  七四 同外一件(佐々木良作君紹介)(第四〇     六号)  七五 同外一件(三木喜夫君紹介)(第四〇七     号)  七六 同外一件(山口丈太郎君紹介)(第四〇     八号)  七七 同(山下榮二君紹介)(第四〇九号)  七八同(山本幸一君紹介)(第五七五号)  七九同(川俣清音君紹介)(第六二四号)  八〇 同外四件(長谷川保君紹介)(第六五七     号)  八一 国民健康保険体質改善に関する請願(     吉村吉雄君紹介)(第四一二号)  八二 同(吉村吉雄君紹介)(第六二六号)  八三 ソロモン群島地域における戦没者の遺骨     等収集に関する請願(松野頼三君紹介)     (第四一九号)  八四 日雇労働者健康保険改善及び厚生年金適     用に関する請願(西宮弘君紹介)(第四     三七号)  八五 同外二件(山口丈太郎君紹介)(第五二     三号)  八六 同外七件(吉村吉雄君紹介)(第五七六     号)  八七 同外一件(湯山勇君紹介)(第六五四     号)  八八 同(只松祐治君紹介)(第六九一号)  八九 日雇労働者健康保険の改善に関する請願     (柳田秀一君紹介)(第五一九号)  九〇 同(川俣清音君紹介)(第六二三号)  九一 同(片島港君紹介)(第六九〇号)  九二 理学療法士制度化に伴う経過措置に関す     る請願(伊藤よし子君紹介)(第五四六     号)  九三 同(伊藤よし子君紹介)(第六一五号)  九四 同(福井勇君紹介)(第六八三号)  九五 季節、臨時労働者失業保険打切り反対     等に関する請願(吉村吉雄君紹介)(第     五七〇号)  九六 同(沢田政治君紹介)(第六二五号)  九七 同(湯山勇君紹介)(第六五三号)  九八 同(吉村吉雄君紹介)(第六八九号)  九九 健康保険改悪反対及び医療保障確立に関     する請願外一件(八木一男君紹介)(第     六五五号) 一〇〇 日本住血吸虫病予防事業に関する請願     (内田常雄君外四名紹介)(第六五六     号) 一〇一 理学療法士及び作業療法士法制定に関す     る請願(福井勇君紹介)(第六八四号) 一〇二 原爆被害者援護法制定並びに原爆症の根     治療法研究機関設置に関する請願(勝澤     芳雄君紹介)(第七一一号) 一〇三 同(鈴木一君紹介)(第九一〇号) 一〇四 労働者災害補償保険法の改正に関する請     願(沢田政治君紹介)(第七一二号) 一〇五 理学療法士制度化に伴う経過措置に関す     る請願(辻寛一君紹介)(第七一三号) 一〇六 同(金子一平君紹介)(第九四三号) 一〇七 季節、臨時労働者失業保険打切り反対     等に関する請願外一件(森義視君紹介)     (第七一四号) 一〇八 同外一件(森義視君紹介)(第七五     〇号) 一〇九 同外一件(森義視君紹介)(第八三九     号) 一一〇 同外一件(矢尾喜三郎君紹介)(第八七     九号) 一一一 全国一律最低賃金制即時確立に関する     請願(森義視君紹介)(第七一五号) 一一二 同外一件(森義視君紹介)(第一〇一〇     号) 一一三 失業保険法改悪反対並びに社会保障制     度の拡充に関する請願外六件(山内広君     紹介)(第七一六号) 一一四 日雇労働者健康保険廃止反対等に関する     請願(大出俊夫君紹介)(第七四九号) 一一五 日雇労働者健康保険制度改善及び老後の     保障に関する請願外二件(稻村隆一君紹     介)(第七五一号) 一一六 同(小林進君紹介)(第七五二号) 一一七 同外七件(坂本泰良君紹介)(第七五三     号) 一一八 同外六件(島上善五郎君紹介)(第七五     四号) 一一九 同外一件(松原喜之次君紹介)(第七五     五号) 一二〇 同外三件(中村高一君紹介)(第七七四     号) 一二一 同外十一件(西村関一君紹介)(第七七     五号) 一二二 同外十四件(足鹿覺君紹介)(第八三五     号) 一二三 同外三件(川崎寛治君紹介)(第八三六     号) 一二四 同外四件(矢尾三郎君紹介)(第八八〇     号) 一二五 同外一件(野間千代三君紹介)(第九一     三号) 一二六 同外一件(石野久男君紹介)(第九四五     号) 一二七 同外三件(桜井茂尚君紹介)(第九四六     号) 一二八 同(田口誠治君紹介)(第九八〇号) 一二九 同外十三件(高橋重信君紹介)(第九八     一号) 一三〇 同外十二件(横山利秋君紹介)(第九八     二号) 一三一 同(鈴木茂三郎君紹介)(第一〇三六     号) 一三二 戦争犯罪裁判関係者の補償に関する請願     (進藤一馬君紹介)(第七七九号) 一三三 同(受田新吉君紹介)(第九〇九号) 一三四 同(池田正之輔君外一名紹介)(第一〇     三五号) 一三五 同(逢澤寛君紹介)(第一〇五九号) 一三六 国立医療機関患者食糧費引き上げに関     する請願(小林進君紹介)(第八三〇     号) 一三七 調理師法の存続等に関する請願(小林進     君紹介)(第八三一号) 一三八 労働者災害補償保険法改正に関する請願     (小林進君紹介)(第八三三号) 一三九 戦没者遺族処遇改善に関する請願(中     馬辰猪君紹介)(第八三四号) 一四〇 全国一律最低賃金制の確立に関する請願     (伊藤よし子君紹介)(第八三七号) 一四一 同外一件(松平忠久君紹介)(第八三八     号) 一四二 健康保険改悪反対及び医療保障確立に関     する請願(千葉七郎君紹介)(第九一一     号) 一四三 同(山中吾郎君紹介)(第九一二号) 一四四 外傷性せき髄障害者長期傷病給付率引     き上げ等に関する請願(藏内修治君紹     介)(第九四四号) 一四五 同(倉石忠雄君紹介)(第一〇〇九号) 一四六 原爆被害者援護法制定等に関する請願     (松本七郎君紹介)(第九七九号) 一四七 厚生、国民両年金の給付額増額に関する     請願(荒木萬壽夫君紹介)(第一〇三四     号) 一四八 日本住血吸虫病予防事業に関する請願(     内田常雄君紹介)(第一〇六〇号)一四九 日雇労働者健康保険改善及び厚生年金     適用に関する請願(鈴木茂三郎君紹介)     (第一〇六一号) 一五〇 戦争犯罪裁判関係者の補償に関する請願     (荒舩清十郎君紹介)(第一〇九三号) 一五一 同(中村寅太君紹介)(第一一一九号) 一五二 同(福田篤泰君紹介)(第一三三三号) 一五三 同(大坪保雄君紹介)(第一四一五号) 一五四 日雇労働者健康保険制度改善及び老後の     保障に関する請願(鈴木茂三郎君紹介)     (第一〇九四号) 一五五 栄養士法第五条の二改正に関する請願     (床次徳二君紹介)(第一〇九五号) 一五六 同(千葉三郎君紹介)(第三一三二号) 一五七 戦災による傷病者及び死没者遺族の援護     に関する請願(松田竹千代君紹介)(第     一一一八号) 一五八 同外一件(江崎真澄君紹介)(第一二〇     四号) 一五九 精神衛生法の一部改正に関する請願外五     件(安藤覺君紹介)(第一一六五号) 一六〇 医療労働者労働条件改善等に関する請     願(稻村隆一君紹介)(第一一六六号) 一六一 戦災による死没者遺族援護等に関する     請願(荒木萬壽夫君紹介)(第一一九二     号) 一六二 理学療法士及び作業療法士制度化に伴う     経過措置に関する請願(池田正之輔君紹     介)(第一二〇五号) 一六三 同外五件(宇野宗佑君紹介)(第一四〇     一号) 一六四 精神衛生法の改正等に関する請願(唐澤     俊樹君紹介)(第一二二五号) 一六五 同(吉川久衛君紹介)(第一二二六号) 一六六 同(小坂善太郎君紹介)(第一二二七     号) 一六七 同(増田甲子七君紹介)(第一二二八     号) 一六八 同(小川平二君紹介)(第一三三〇号) 一六九 同(田澤吉郎君紹介)(第一三五七号) 一七〇 同(羽田武嗣郎君紹介)(第一三五八     号) 一七一 同(倉石忠雄君紹介)(第一四一六号) 一七二 衛生検査技師法の一部改正に関する請願     (千葉三郎君紹介)(第一三三一号) 一七三 理学療法士制度化に伴う経過措置に関す     る請願外五件(長谷川保君紹介)(第一     四一八号) 一七四 理学療法士及び作業療法士制度化に伴う     経過措置に関する請願(綾部健太郎君紹     介)(第一四四三号) 一七五 同(古井喜實君紹介)(第一四四七号) 一七六 同(田川誠一君紹介)(第一四七〇号) 一七七 出かせぎ者の生活擁護に関する請願(沢     田政治君紹介)(第一四五九号) 一七八 同(石田宥全君紹介)(第一五五九号) 一七九 同(小林進君紹介)(第一六六八号) 一八〇 同(松井誠君紹介)(第一六六九号) 一八一 同(栗林三郎君紹介)(第一七三一号) 一八二 電気事業及び石炭鉱業における争議行為     の方法の規制に関する法律の廃止に関     する請願外四件(八木昇君紹介)(第一     四六〇号) 一八三 戦争犯罪裁判関係者の補償に関する請願     (田中龍夫君紹介)(第一四七一号) 一八四 戦災による傷病者及び死没者遺族の援護     に関する請願(秋田大助君紹介)(第     一四七八号) 一八五 同(逢澤寛君紹介)(第一四七九号) 一八六 同(亀山孝一君紹介)(第一四八〇号) 一八七 同(木村武千代君紹介)(第一四八一     号) 一八八 同(小枝一雄君紹介)(第一四八二号) 一八九 同(武市恭信君紹介)(第一四八三号) 一九〇 同(永田亮一君紹介)(第一四八四号) 一九一 同(濱地文平君紹介)(第一四八五号) 一九二 同(藤本孝雄君紹介)(第一四八六号) 一九三 同(山口喜久一郎君外一名紹介)(第一     四八七号) 一九四 同(森下元晴君紹介)(第一四八八号) 一九五 同(山手滿男君紹介)(第一四八九号) 一九六 同(本島百合子君紹介)(第一七三五     号) 一九七 同(山下榮二君紹介)(第一七三六号) 一九八 健康保険改悪反対及び医療保障確立に関     する請願外一件(井岡大治君紹介)(第     一五五八号) 一九九 同外二件(栗原俊夫君紹介)(第一六五     七号) 二〇〇 同(中村高一君紹介)(第一六六七号) 二〇一 同外三件(岡本隆一君紹介)(第一六八     二号) 二〇二 同(今澄勇君紹介)(第一七〇九号) 二〇三 同(受田新吉君紹介)(第一七一〇号) 二〇四 同(細谷治嘉君紹介)(第一七一一号) 二〇五 同外十五件(三木喜夫君紹介)(第一七     一二号) 二〇六 同(茜ケ久保重光君紹介)(第一七六七     号) 二〇七 日雇労働者健康保険制度改善及び老後の     保障に関する請願(下平正一君紹介)     (第一六八三号) 二〇八 同(松井誠君紹介)(第一七二二号) 二〇九 同外百七十二件(武藤山治君紹介)(第     一七二三号) 二一〇 同(安井吉典君紹介)(第一七二四号) 二一一 同外二件(岡良一君紹介)(第一七七六     号) 二一二 同外三件(村山喜一君紹介)(第一七七     七号) 二一三 同(山中日露史君紹介)(第一七七八     号) 二一四 日雇労働者健康保険改善及び厚生年金適     用に関する請願(下平正一君紹介)(     第一六八四号) 二一五 同(黒田寿男君紹介)(第一七二五号) 二一六 同(五島虎雄君紹介)(第一七二六号) 二一七 同(田中武夫君紹介)(第一七二七号) 二一八 同外三件(八木一男君紹介)(第一七二     八号) 二一九 同外三件(山崎始男君紹介)(第一七二     九号) 二二〇 同(和田博雄君紹介)(第一七三〇号) 二二一 同(江田三郎君紹介)(第一七六八号) 二二二 同(岡本隆一君紹介)(第一七六九号) 二二三 同外二件(東海林稔君紹介)(第一七七     〇号) 二二四 同(楯兼次郎君紹介)(第一七七一号) 二二五 同外三件(永井勝次郎君紹介)(第一七     七二号) 二二六 同(楢崎弥之助君紹介)(第一七七三     号) 二二七 同(松井政吉君紹介)(第一七七四号) 二二八 同(山口丈太郎君紹介)(第一七七五     号) 二二九 季節、臨時労働者失業保険打切り反対     等に関する請願(下平正一君紹介)(第     一六八五号) 二三〇 原爆被害者援護法制定並びに原爆症の根     治療法研究機関設置に関する請願(井岡     大治君紹介)(第一七一三号) 二三一 同(栗林三郎君紹介)(第一七一四号) 二三二 同(黒田寿男君紹介)(第一七一五号) 二三三 同(五島虎雄君紹介)(第一七一六号) 二三四 同外六十一件(武藤山治君紹介)(第一     七一七号) 二三五 同(赤松勇君紹介)(第一七七九号) 二三六 同外一件(井岡大治君紹介)(第一七八     〇号) 二三七 同(安井吉典君紹介)(第一七八一号) 二三八 同外九件(山内広君紹介)(第一七八二     号) 二三九 同外六件(山口シヅエ君紹介)(第一七     八三号) 二四〇 同(吉村吉雄君紹介)(第一七八四号) 二四一 原爆被害者援護法制定等に関する請願     (多賀谷真稔君紹介)(第一七一八号) 二四二 同(楢崎弥之助君紹介)(第一七一九     号) 二四三 同(細谷治嘉君紹介)(第一七二〇号) 二四四 同(松本七郎君紹介)(第一七二一号) 二四五 同(河野正君紹介)(第一七八九号) 二四六 同(田原春次君紹介)(第一七九〇号) 二四七 医療の根本的改善に関する請願(五島虎     雄君紹介)(第一七三二号) 二四八 同(三木喜夫君紹介)(第一七三三号) 二四九 同(楢崎弥之助君紹介)(第一七八七     号) 二五〇 理学療法士制度化に伴う経過措置に関す     る請願(竹山祐太郎君紹介)(第一七三     四号)二五一 精神衛生法の一部改正に関する請願外五     件(岡良一君紹介)(第一七八五号) 二五二 同(堂森芳夫君紹介)(第一七八六号) 二五三 老後の生活保障のため年金制度改革に関     する請願(吉村吉雄君紹介)(第一七八     八号) 二五四 戦争犯罪裁判関係者の補償に関する請願     (中村寅太君紹介)(第一八〇四号) 二五五 健康保険改悪反対及び医療保障確立に関     する請願(茜ケ久保重光君紹介)(第一     八一二号) 二五六 同外一件(加賀田進君紹介)(第一八一     三号) 二五七 同外百六十四件(松浦定義君紹介)(第     一八一四号) 二五八 同(重盛寿治君紹介)(第一八六三号) 二五九 同(島上善五郎君紹介)(第一八六四     号) 二六〇 同外一件(茜ケ久保重光君紹介)(第二     一三七号) 二六一 原爆被害者援護法制定並びに原爆症の根     治療法研究機関設置に関する請願外二件     (石橋政嗣君紹介)(第一八一五号) 二六二 同(坂本泰良君紹介)(第一八三二号) 二六三 同(井手以誠君紹介)(第一八六二号) 二六四 同(竹本孫一君紹介)(第一八六七号) 二六五 同(竹谷源太郎君紹介)(第一八六八     号) 二六六 同(本島百合子君紹介)(第一八六九     号) 二六七 同(稲富稜人君紹介)(第一八七〇号) 二六八 同外一件(永末英一君紹介)(第一八七     一号) 二六九 同(小平忠君紹介)(第二一四〇号) 二七〇 同外四件(油谷裕夫君紹介)(第二一四     一号) 二七一 日雇労働者健康保険制度改善及び老後の     保障に関する請願外九件(横山利秋君紹     介)(第一八一六号) 二七二 同(安宅常彦君紹介)(第一八一七号) 二七三 同(中村高一君紹介)(第二〇〇八号) 二七四 同外一件(米内山義一郎君紹介)(第二     〇〇九号) 二七五 日雇労働者健康保険改善及び厚生年金適     用に関する請願外二件(森本靖君紹介)     (第一八一八号) 二七六 同(中澤茂一君紹介)(第一八一九号) 二七七 同外一件(前田榮之助君紹介)(第一八     二〇号) 二七八 同(安宅常彦君紹介)(第一八二一号) 二七九 同外五件(山内広君紹介)(第一八二二     号) 二八〇 同(松原喜之次君紹介)(第一八二三     号) 二八一 同(只松祐治君紹介)(第一八三四号) 二八二 同(矢尾喜三郎君紹介)(第一八三五     号) 二八三 同(山中吾郎君紹介)(第一八六五号) 二八四 同外四件(湯山勇君紹介)(第二〇〇六     号) 二八五 同(中村高一君紹介)(第二〇〇七号) 二八六 同(泊谷裕夫君紹介)(第二一四二号) 二八七 失業保険法改定等反対に関する請願(安     宅常彦君紹介)(第一八三〇号) 二八八 理学療法士及び作業療法士制度化に伴う     経過措置に関する請願(中川一郎君紹     介)(第一八三一号) 二八九 同外三件(小川半次君紹介)(第二一三     八号) 二九〇 同(川崎寛治君紹介)(第二一三九号) 二九一 原爆被害者援護法制定等に関する請願     (楢崎弥之助君紹介)(第一八三三号) 二九二 原爆被害者援護法制定並びに原子爆弾被     爆者の医療等に関する法律改正に関する     請願(永末英一君紹介)(第一八七二     号) 二九三 失業保険法及び健康保険法改悪反対に関     する請願外一件(茜ケ久保重光君紹介)     (第二〇〇五号) 二九四 国民健康保険の財政措置に関する請願(     秋田大助君紹介)(第二一三六号) 二九五 原爆被害者援護法制定並びに原爆症の根     治療法研究機関設置に関する請願外一件     (勝澤芳雄君紹介)(第二一六三号) 二九六 同(井岡大治君紹介)(第二一九四号) 二九七 同(佐々木更三君紹介)(第二一九五     号) 二九八 同(八木昇君紹介)(第二三〇六号) 二九九 同(西宮弘君紹介)(第二三〇七号) 三〇〇 同(帆足計君紹介)(第二三〇八号) 三〇一 業務外災害によるせき髄損傷患者援護に     関する請願(金丸徳重君紹介)(第二一     六四号) 三〇二 同(亀山孝一君紹介)(第二一九七号) 三〇三 同(倉石忠雄君紹介)(第二二二二号) 三〇四 同(島口重次郎君紹介)(第二二二三     号) 三〇五 同(大坪保雄君紹介)(第二二二九号) 三〇六 同(内田常雄君紹介)(第二三五二号) 三〇七 外傷性せき髄障害者長期傷病給付率引     き上げ等に関する請願(金丸徳重君紹     介)(第二一六五号) 三〇八 同(亀山孝一君紹介)(第二一九六号) 三〇九 同(倉石忠雄君紹介)(第二二二〇号) 三一〇 同(島口重次郎君紹介)(第二二二一     号) 三一一 同(大坪保雄君紹介)(第二二二八号) 三一二 同(内田常雄君紹介)(第二三五一号) 三一三 同(平林剛君紹介)(第二四四六号) 三一四 戦災による傷病者及び死没者遺族の援護     に関する請願(渡海元三郎君紹介)(第     二一六六号) 三一五 同(原健三郎君紹介)(第二一六七号) 三一六 同(堀川恭平君紹介)(第二一六八号) 三一七 健康保険改悪反対及び医療保障確立に関     する請願外五件(吉村吉雄君紹介)(第     二一六九号) 三一八 同(茜ケ久保重光君紹介)(第二四四四     号) 三一九 同(稻村隆一君紹介)(第二四六四号) 三二〇 同外二十五件(八木一男君紹介)(第二     四八七号) 三二一 日雇労働者健康保険改善及び厚生年金適     用に関する請願(田口誠治君紹介)(第     二一九三号) 三二二 同(大原亨君紹介)(第二二一九号) 三二三 同外十件(松平忠久君紹介)(第二三一     二号) 三二四 同外九件(八木昇君紹介)(第二三一三     号) 三二五 日雇労働者健康保険制度改善及び老後の     保障に関する請願(栗原俊夫君紹介)(     第二一九八号) 三二六 理学療法士及び作業療法士制度化に伴う     経過措置に関する請願(多賀谷真稔君紹     介)(第二一九九号) 三二七 戦災による死没者遺族援護等に関する     請願(多賀谷真稔君紹介)(第二二〇〇     号) 三二八 同(細谷治嘉君紹介)(第二二〇一号) 三二九 戦争犯罪裁判関係君の補償に関する請願     (村上勇君紹介)(第二二〇二号) 三三〇 日雇労働者健康保険の改善に関する請願     (帆足計君紹介)(第二三〇九号) 三三一 医療の根本的改善に関する請願(帆足計     君紹介)(第二三一〇号) 三三二 老後の生活保障のため年金制度改革に関     する請願(湊徹郎君紹介)(第二三一一     号) 三三三 国民健康保険の財政措置に関する請願(     秋田大助君紹介)(第二三五〇号) 三三四 看護職員の労働条件改善等に関する請願     (秋山徳雄君紹介)(第二四四五号) 三三五 全国一律最低賃金制の確立に関する請願     (大出俊君紹介)(第二四六五号) 三三六 母子保健法案に関する請願(宇都宮徳馬     君紹介)(第二四六六号) 三三七 茅野市立病院のがん研究に対する国庫助     成に関する請願(下平正一君紹介)(第     二四六七号) 三三八 同(羽田武嗣郎君紹介)(第二四六八     号) 三三九 同(原茂君紹介)(第二四六九号) 三四〇 全国一律最低賃金制の確立等に関する請     願外二十四件(河野密君紹介)(第二四     七〇号)三四一 健康保険改悪反対及び医療保障確立に関     する請願(河野正君紹介)(第二五二五     号) 三四二 同(黒田寿男君紹介)(第二五二六号) 三四三 同(中井徳次郎君紹介)(第二五二七     号) 三四四 同(門司亮君紹介)(第二五二八号) 三四五 同(本島百合子君紹介)(第二五二九     号) 三四六 同(吉川兼光君紹介)(第二五三〇号) 三四七 同(久保三郎君紹介)(第二五五〇号) 三四八 同(横路節雄君紹介)(第二五五一号) 三四九 同(八木昇君紹介)(第二七八三号) 三五〇 同(秋山徳雄君紹介)(第二八二八号) 三五一 同(八木一男君紹介)(第二八二九号) 三五二 人命尊重に関する請願(濱田幸雄君紹     介)(第二五三一号) 三五三 茅野市立病院のがん研究に対する国庫助     成に関する請願(吉川久衛君紹介)(第     二五三三号) 三五四 同(中澤茂一君紹介)(第二五三四号) 三五五 同(小川平二君紹介)(第二五四八号) 三五六 日雇労働者健康保険改善及び厚生年金適     用に関する請願(大原亨君紹介)(第二     五四九号) 三五七 同外五件(田口誠治君紹介)(第二八二     五号) 三五八 理学療法士制度化に件う経過措置に関す     る請願(佐藤觀次郎君紹介)(第二七七     六号) 三五九 日雇労働者健康保険制度改善及び老後の     保障に関する請願(淡谷悠藏君紹介)(     第二七七七号) 三六〇 同(小林進君紹介)(第二七七八号) 三六一 同(多賀谷真稔君紹介)(第二七七九     号) 三六二 同(細迫兼光君紹介)(第二七八〇号) 三六三 同(松平忠久君紹介)(第二七八一号) 三六四 同(八木昇君紹介)(第二七八二号) 三六五 国民健康保険の財政措置に関する請願外     三件(三木武夫君紹介)(第二八二六     号) 三六六 原爆被害者援護法制定並びに原爆症の根     治療法研究機関設置に関する請願外十一     件(山内広君紹介)(第二八二七号) 三六七 健康保険改悪反対及び医療保障確立に関     する請願外五件(岡本隆一君紹介)(第     二八三六号) 三六八 同(多賀谷真稔君紹介)(第二八五〇     号) 三六九 同外二件(河野正君紹介)(第二八五一     号) 三七〇 同(森本靖君紹介)(第二八五二号) 三七一 同(神近市子君紹介)(第二八七七号) 三七二 同(中村高一君紹介)(第二八七八号) 三七三 同(河野密君紹介)(第二九一四号) 三七四 同(大柴滋夫君紹介)(第二九一五号) 三七五 同外五件(桜井茂尚君紹介)(第二九一     六号) 三七六 同(柳田秀一君紹介)(第二九一七号) 三七七 同(原彪君紹介)(第二九一八号) 三七八 同(伊藤卯四郎君紹介)(第二九五〇     号) 三七九 同(板川正吾君紹介)(第二九五一号) 三八〇 同(加藤進君紹介)(第二九五二号) 三八一 同外一件(島上善五郎君紹介)(第二九     五三号) 三八二 同(谷口善太郎君紹介)(第二九五四     号) 三八三 同(松原喜之次君紹介)(第二九五五     号) 三八四 同(山花秀雄君紹介)(第二九五六号) 三八五 同(林百郎君紹介)(第二九五七号) 三八六 同外二件(戸叶里子君紹介)(第三〇一     〇号) 三八七 同(八木一男君紹介)(第三〇二五号) 三八八 同外八件(永井勝次郎君紹介)(第三〇     六〇号) 三八九 同(下平正一君紹介)(第三四三七号) 三九〇 同(滝井義高君紹介)(第三四三八号) 三九一 同(山内広君紹介)(第三四三九号) 三九二 同(横山利秋君紹介)(第三四四〇号) 三九三 日雇労働者健康保険制度改善及び老後の     保障に関する請願(岡本隆一君紹介)(     第二八三七号) 三九四 同(吉村吉雄君紹介)(第二八三八号) 三九五 同外一件(長谷川保君紹介)(第二八八     一号) 三九六 同外一件(伊藤よし子君紹介)(第二九     一二号) 三九七 同(山花秀雄君紹介)(第二九六〇号) 三九八 同(戸叶里子君紹介)(第三〇〇九号) 三九九 同(堀昌雄君紹介)(第三四四一号) 四〇〇 同(八木一男君紹介)(第三四四二号) 四〇一 日雇労働者健康保険改善及び厚生年金適     用に関する請願(吉村吉雄君紹介)(第     二八三九号) 四〇二 同(卜部政巳君紹介)(第二八七四号) 四〇三 同外三件(戸叶里子君紹介)(第三〇〇     八号) 四〇四 同(卜部政巳君紹介)(第三四三六号) 四〇五 衛生検査技師法の一部改正に関する請願     (中村梅吉君紹介)(第二八四〇号) 四〇六 港湾労働法案等に関する請願(大出俊君     紹介)(第二八四八号) 四〇七 人命尊重に関する請願(松山千惠子君紹     介)(第二八四九号) 四〇八 ハンセン氏病療養所の医療体系確立等に     関する請願(山花秀雄君紹介)(第二八     五三号) 四〇九 同(戸叶里子君紹介)(第三〇〇七号) 四一〇 戦争犯罪裁判関係者の補償に関する請願     (大坪保雄君紹介)(第二八七五号) 四一一 健康保険制度改悪反対に関する請願(神     近市子君紹介)(第二八七六号) 四一二 同(河野密君紹介)(第二九一三号) 四一三 同(稻村隆一君紹介)(第三一七五号) 四一四 国民健康保険の財政措置に関する請願外     二件(武市恭信君紹介)(第二八七九     号) 四一五 同外二件(三木武夫君紹介)(第二八八     〇号) 四一六 同(秋田大助君紹介)(第二九四七号) 四一七 同(武市恭信君紹介)(第三〇一一号) 四一八 同(小笠公韶君紹介)(第三一七六号) 四一九 健康保険、看護制度改悪反対及び医療保     障確立に関する請願(畑和君紹介)(第     二九一九号) 四二〇 健康保険等改悪反対に関する請願(川上     貫一君紹介)(第二九四八号) 四二一 原爆被害者援護法制定並びに原爆症の根     治療法研究機関設置に関する請願外一件     (川上貫一君紹介)(第二九四九号) 四二二 茅野市立病院のがん研究に対する国庫助     成に関する請願(林百郎君紹介)(第二     九五八号) 四二三 同(増田甲子七君紹介)(第三二二三     号) 四二四 電気事業及び石炭鉱業における争議行為     の方法の規制に関する法律の廃止に関す     る請願外四件(八木昇君紹介)(第二九     五九号) 四二五 日雇労働者健康保険法の改悪反対等に関     する請願(加藤遊君紹介)(第二九七五     号) 四二六 同(川上貫一君紹介)(第二九七六号) 四二七 同外一件(谷口善太郎君紹介)(第二九     七七号) 四二八 同(林百郎君紹介)(第二九七八号) 四二九 同(長谷川正三君紹介)(第二九九七     号) 四三〇 同(島上善五郎君紹介)(第三一七八     号) 四三一 同(大柴滋夫君紹介)(第三二一七号) 四三二 同(肥田次郎君紹介)(第三二一八号) 四三三 同(大村邦夫君紹介)(第三二一九号) 四三四 同(八木昇君紹介)(第三四四三号) 四三五 国立岐阜療養所の災害補償及び再建整備     に関する請願外二件(楯兼次郎君紹介)     (第三〇一二号) 四三六 成人病予防対策に関する請願(小坂善太     郎君紹介)(第三〇五九号) 四三七 大島青松園整備に関する請願(福田繁芳     君紹介)(第三〇六一号) 四三八 国民健康保険事業の財政健全化に関する     請願(星島二郎君紹介)(第三〇九〇     号) 四三九 健康保険の国庫負担増額に関する請願     (星島二郎君紹介)(第三〇九一号)四四〇 同(原彪君紹介)(第三〇九二号) 四四一 大島青松園の海底送電ケーブル更新等に     関する請願(福田繁芳君紹介)(第三一     〇〇号) 四四二 医療保険制度の改善に関する請願(田中     彰治君紹介)(第三一〇七号) 四四三 奄美和光園の施設整備等に関する請願     (小林進君紹介)(第三一五九号) 四四四 老後の生活保障のため年金制度改革に関     する請願外一件(高橋禎一君紹介)(第     三一七七号) 四四五 戦傷病者の妻に特別給付金支給に関する     請願(鈴木善幸君紹介)(第三一七九     号) 四四六 医療保障の機会均等及び負担の合理化に     関する請願(鈴木善幸君紹介)(第三一     八〇号) 四四七 療術の新規開業制度に関する請願(植木     庚子郎君紹介)(第三二一五号) 四四八 同(福田繁芳君紹介)(第三二一六号) 四四九 同外一件(金子一平君紹介)(第三三二     二号) 四五〇 同(坪川信三君紹介)(第三三二三号) 四五一 同外三件(八木徹雄君紹介)(第三三二     四号) 四五二 同(横路節雄君紹介)(第三三二五号) 四五三 同(臼井莊一君紹介)(第三四三一号) 四五四 日雇労働者健康保険廃止反対等に関する     請願(大出俊君紹介)(第三二二〇号) 四五五 健康保険法改悪反対及び医療の改善に関     する請願(大出俊君紹介)(第三二二一     号) 四五六 同(秋山徳雄君紹介)(第三二二二号) 四五七 引揚医師の免許及び試験の特例に関する     請願(大橋武夫君紹介)(第三三二六     号) 四五八 同(倉石忠雄君紹介)(第三四三四号) 四五九 同(地崎宇三郎君紹介)(第三四三五     号) 四六〇 各種医療保険制度の統合に関する請願(     宇野宗佑君紹介)(第三三五七号) 四六一 アンプル入りかぜ薬に関する請願(宇野 一   宗佑君紹介)(第三三五八号) 四六二 全国一律最低賃金制の確立に関する請願     外十九件(東海林稔君紹介)(第三四三     二号) 四六三 同外三件(横山利秋君紹介)(第三四三     三号) 四六四 健康保険改悪反対及び医療保障確立に関     する請願(岡本隆一君紹介)(第三四九     八号) 四六五 同外十一件(加藤進君紹介)(第三四九     九号) 四六六 同(神近市子君紹介)(第三五〇〇号) 四六七 同外十一件(林百郎君紹介)(第三五〇     一号) 四六八 同外七件(川上貫一君紹介)(第三五〇     二号) 四六九 同外九件(谷口善太郎君紹介)(第三五     〇三号) 四七〇 同外一件(加藤進君紹介)(第三五五六     号) 四七一 同外二件(稲富稜人君紹介)(第三五五     七号) 四七二 同(川上貫一君紹介)(第三五五八号) 四七三 同外九件(谷口善太郎君紹介)(第三五     五九号) 四七四 同(秋山徳雄君紹介)(第三六八一号) 四七五 同(大出俊君紹介)(第三六八二号) 四七六 同(中嶋英夫君紹介)(第三六八三号) 四七七 同外一件(野間千代三君紹介)(第三六     八四号) 四七八 同(平林剛君紹介)(第三六八五号) 四七九 同(大出俊君紹介)(第三七九四号) 四八〇 同(茜ケ久保重光君紹介)(第三七九五     号) 四八一 日雇労働者健康保険廃止反対等に関する     請願(谷口善太郎君紹介)(第三五〇四     号) 四八二 原爆被害者援護法制定並びに原子爆弾被     爆者の医療等に関する法律改正に関する     請願(谷口善太郎君紹介)(第三五〇五     号) 四八三 同(谷口善太郎君紹介)(第三五五三     号) 四八四 老後の生活保障のため年金制度改革に関     する請願(佐藤洋之助君紹介)(第三五     〇六号) 四八五 同外四件(四宮久吉君紹介)(第三五〇     七号) 四八六 同(永田亮一君紹介)(第三五〇八号) 四八七 同(安藤覺君紹介)(第三六八〇号) 四八八 同(黒金泰美君紹介)(第三七四八号) 四八九 民営職業紹介事業の手数料に関する請願     (今澄勇君紹介)(第三五一三号) 四九〇 療術の新規開業制度に関する請願(今澄     勇君紹介)(第三五一四号) 四九一 同(井岡大治君紹介)(第三五一五号) 四九二 同(受田新吉君紹介)(第三五一六号) 四九三 同(堂森芳夫君紹介)(第三五一七号) 四九四 同(吉川兼光君紹介)(第三五一八号) 四九五 同外一件(今松治郎君紹介)(第三五九     二号) 四九六 同(井手以誠君紹介)(第三六七九号) 四九七 全国一律最低賃金制の確立に関する請願     (谷口善太郎君紹介)(第三五五二号) 四九八 同(岡本隆一君紹介)(第三七四六号) 四九九 同(中村高一君紹介)(第三七四七号) 五〇〇 同(大出俊君紹介)(第三七九三号) 五〇一 日雇労働者健康保険法の改悪反対等に関     する請願(谷口善太郎君紹介)(第三五     五四号) 五〇二 健康保険法改悪反対及び医療の改善に関     する請願(加藤進君紹介)(第三五五五     号) 五〇三 興行場法の改正等に関する請願(天野公     義君紹介)(第三五七七号) 五〇四 医療過誤事故対策に関する請願(門司亮     君紹介)(第三五九三号) 五〇五 原爆被害者援護法制定並びに原爆症の根     治療法研究機関設置に関する請願(岡本     隆一君紹介)(第三七四五号) 五〇六 引揚医師の免許及び試験の特例に関する     請願(田口長治郎君紹介)(第三七四九     号) 五〇七 同(澁谷直藏君紹介)(第三八〇一号) 五〇八 労働者の賃金引き上げ及び団体交渉権確     立等に関する請願(板川正吾君紹介)(     第三七五〇号) 五〇九 同外一件(大柴滋夫君紹介)(第三七五     一号) 五一〇 同(勝間田清一君紹介)(第三七五二     号) 五一一 同(角屋堅次郎君紹介)(第三七五三     号) 五一二 同(久保三郎君紹介)(第三七五四号) 五一三 同(重盛寿治君紹介)(第三七五五号) 五一四 同(田口誠治君紹介)(第三七五六号) 五一五 同(野間千代三君紹介)(第三七五七     号) 五一六 同外十件(長谷川正三君紹介)(第三七     五八号) 五一七 同(松井政吉君紹介)(第三七五九号) 五一八 同(大出俊君紹介)(第三七九二号) 五一九 戦傷病者の妻に特別給付金支給に関する     請願外一件(小川半次君紹介)(第三八     七五号) 五二〇 同(青木正君紹介)(第三九四六号) 五二一 同(荒舩清十郎君紹介)(第三九九六     号) 五二二 同外四件(小川半次君紹介)(第三九九     七号) 五二三 同外一件(草野一郎平君紹介)(第四一     二五号) 五二四 同外一件(砂田重民君紹介)(第四一二     六号) 五二五 同外三件(濱田幸雄君紹介)(第四一二     七号) 五二六 引揚医師の免許及び試験の特例に関する     請願(西岡武夫君紹介)(第三八七六     号) 五二七 同(橋本龍太郎君紹介)(第三九九八     号) 五二八 同(松澤雄藏君紹介)(第三九九九号) 五二九 健康保険改悪反対及び医療保障確立に関     する請願外六件(松平忠久君紹介)(第     三八七七号) 五三〇 老後の生活保障のため年金制度改革に関     する請願(山本勝市君紹介)(第三九〇     八号) 五三一 同(田中彰治君紹介)(第三九四八号) 五三二 同(藤尾正行君紹介)(第四〇〇一号)五三三 療術の新規開業制度に関する請願外一件     (大西正男君紹介)(第三九四七号) 五三四 同外二件(森本靖君紹介)(第四〇〇二     号) 五三五 同外一件(木村武千代君紹介)(第四一     二四号) 五三六 医療過誤事故対策に関する請願(野間千     代三君紹介)(第四〇〇〇号) 五三七 四日市市の公害による患者救援対策に関     する請願(山本幸雄君紹介)(第四〇一     一号) 五三八 健康保険法改正反対に関する請願(奥野     誠亮君紹介)(第四一二三号) 五三九 療術の新規開業制度に関する請願(池田     清志君紹介)(第四一八三号) 五四〇 同外一件(加藤常太郎君紹介)(第四二     四二号) 五四一 同(上林山榮吉君紹介)(第四二四三     号) 五四二 同外一件(中馬辰猪君紹介)(第四二四     四号) 五四三 同(伊藤卯四郎君紹介)(第四二七四     号) 五四四 同外七件(宇野宗佑君紹介)(第四三二     七号) 五四五 同(瀬戸山三男君紹介)(第四三二八     号) 五四六 同外二件(松山千惠子君紹介)(第四三     二九号) 五四七 同外四件(青木正君紹介)(第四三九一     号) 五四八 同外一件(赤路友藏君紹介)(第四三九     二号) 五四九 戦傷病者の妻に特別給付金支給に関する     請願(武市恭信君紹介)(第四一八四     号) 五五〇 同(青木正君紹介)(第四二三九号) 五五一 同(加藤常太郎君紹介)(第四二四〇     号) 五五二 同(粟山秀君紹介)(第四二四一号) 五五三 同(羽田武嗣郎君紹介)(第四二七六     号) 五五四 同(福永健司君紹介)(第四二七七号) 五五五 同(藤本孝雄君紹介)(第四二七八号) 五五六 同(松山千惠子君紹介)(第四三三一     号) 五五七 同(原健三郎君紹介)(第四三三二号) 五五八 同(羽田武嗣郎君紹介)(第四三三三     号) 五五九 同外一件(小坂善太郎君紹介)(第四三     三四号) 五六〇 同(小金義照君紹介)(第四三三五号) 五六一 同外三件(田中龍夫君紹介)(第四三三     六号) 五六二 同(中川一郎君紹介)(第四三三七号) 五六三 同(小泉純也君紹介)(第四三九三号) 五六四 同(河本敏夫君紹介)(第四三九四号) 五六五 同(砂原格君紹介)(第四三九五号) 五六六 同(永山忠則君紹介)(第四三九六号) 五六七 同(増田甲子七君紹介)(第四三九七     号) 五六八 公衆浴場業に対する特別融資に関する請     願(青木正君紹介)(第四二三四号) 五六九 同(大泉寛三君紹介)(第四二三五号) 五七〇 同(鴨田宗一君紹介)(第四二三六号) 五七一 同(小宮山重四郎君紹介)(第四二三七     号) 五七二 同(松山千惠子君紹介)(第四二三八     号) 五七三 同(山本勝市君紹介)(第四二七九号) 五七四 同(渡海元三郎君紹介)(第四三九八     号) 五七五 老後の生活保障のため年金制度改革に関     する請願(濱野清吾君紹介)(第四二四     五号) 五七六 同(中村梅吉君紹介)(第四二七五号) 五七七 同(松山千惠子君紹介)(第四三三〇     号) 五七八 同(高橋禎一君紹介)(第四三九九号) 五七九 同(松本七郎君紹介)(第四四〇〇号) 五八〇 健康保険改悪反対及び医療保障確立に関     する請願(久保三郎君紹介)(第四四〇     一号) 五八一 戦傷病者の妻に特別給付金支給に関する     請願(小金義照君紹介)(第四四四三     号) 五八二 同外二件(高橋清一郎君紹介)(第四四     四四号) 五八三 同(地崎宇三郎君紹介)(第四四四五     号) 五八四 同(村山達雄君紹介)(第四四四六号) 五八五 同(粟山秀君紹介)(第四四四七号) 五八六 同(小沢辰男君紹介)(第四四四八号) 五八七 同外二件(植木庚子郎君紹介)(第四五     二五号) 五八八 同外八件(遠藤三郎君紹介)(第四五二     六号) 五八九 同(佐々木義武君紹介)(第四五二七     号) 五九〇 同外四件(野原正勝君紹介)(第四五二     八号) 五九一 同外一件(藤井勝志君紹介)(第四五二     九号) 五九二 岡外四件(伊能繁次郎君紹介)(第四六     〇六号) 五九三 同(佐伯宗義君紹介)(第四六〇七号) 五九四 同(床次徳二君紹介)(第四六〇八号) 五九五 同外三件(松澤雄藏君紹介)(第四六〇     九号) 五九六 療術の新規開業制度に関する請願(小沢     辰男君紹介)(第四四四九号) 五九七 同外四件(鴨田宗一君紹介)(第四五三     〇号) 五九八 同(細谷治嘉君紹介)(第四五三一号) 五九九 同(鍛冶良作君紹介)(第四六一〇号) 六〇〇 同(始関伊平君紹介)(第四六一一号) 六〇一 同(進藤一馬君紹介)(第四六一二号) 六〇二 同外三件(關谷勝利君紹介)(第四六一     三号) 六〇三 同(塚原俊郎君紹介)(第四六一四号) 六〇四 同外一件(中川一郎君紹介)(第四六一     五号) 六〇五 同(中島茂喜君紹介)(第四六一六号) 六〇六 同(中村庸一郎君紹介)(第四六一七     号) 六〇七 同(南條徳男君紹介)(第四六一八号) 六〇八 同外一件(藤本孝雄君紹介)(第四六一     九号) 六〇九 同(三池信君紹介)(第四六二〇号) 六一〇 同(水田三喜男君紹介)(第四六二一     号) 六一一 同(山村新治郎君紹介)(第四六二二     号) 六一二 老後の生活保障のため年金制度改革に関     する請願(山村新治郎君紹介)(第四六     二三号) 六一三 母子保健法案反対に関する請願(伊藤よ     し子君紹介)(第四六七〇号) 六一四 同(大柴滋夫君紹介)(第四八一二号) 六一五 同(長谷川正三君紹介)(第四八一三     号) 六一六 同(原彪君紹介)(第四八一四号) 六一七 同(中村高一君紹介)(第四九一〇号) 六一八 同(帆足計君紹介)(第四九一一号) 六一九 老後の生活保障のため年金制度改革に関     する請願(大高康君紹介)(第四六七一     号) 六二〇 同(中村寅太君紹介)(第四八一五号) 六二一 戦傷病者の妻に特別給付金支給に関する     請願(大坪保雄君紹介)(第四六七二     号) 六二二 同(上林山榮吉君紹介)(第四六七三     号) 六二三 同外一件(白浜仁吉君紹介)(第四六七     四号) 六二四 同(田口長治郎君紹介)(第四六七五     号) 六二五 同(田村元君紹介)(第四六七六号) 六二六 同外四件(赤澤正道君紹介)(第四七九     七号) 六二七 同(池田清志君紹介)(第四七九八号) 六二八 同(正力松太郎君紹介)(第四七九九     号) 六二九 同(田澤吉郎君紹介)(第四八〇〇号) 六三〇 同(塚田徹君紹介)(第四八〇一号) 六三一 同(西村英一君紹介)(第四八〇二     号) 六三二 同(藤山愛一郎君紹介)(第四八〇三     号) 六三三 同外二件(關谷勝利君紹介)(第四九〇     九号) 六三四 同(荒木萬壽夫君紹介)(第四九一四     号) 六三五 同(有田喜一君紹介)(第四九一五号) 六三六 同(今松治郎君紹介)(第四九一六号) 六三七 療術の新規開業制度に関する請願(田中     六助君紹介)(第四六七七号) 六三八 同(野見山清造君紹介)(第四六七八     号) 六三九 同(荒木萬壽夫君紹介)(第四八〇七     号) 六四〇 同(川野芳滿君紹介)(第四八〇八号) 六四一 同(八木昇君紹介)(第四八〇九号) 六四二 同(山内広君紹介)(第四八一〇号) 六四三 同(山崎巖君紹介)(第四八一一号) 六四四 医療労働者労働条件改善等に関する請     願(加藤進君紹介)(第四七一六号) 六四五 健康保険改悪反対及び医療保障確立に関     する請願外三件(加藤進君紹介)(第四     七一七号) 六四六 同外五件(川上貫一君紹介)(第四七一     八号) 六四七 同外九件(谷口善太郎君紹介)(第四七     一九号) 六四八 同外四件(林百郎君紹介)(第四七二〇     号) 六四九 同(大原亨君紹介)(第四九一三号) 六五〇 健康保険、看護制度改悪反対及び医療保     障確立に関する請願(川上貫一君紹介)     (第四七二一号) 六五一 健康保険の国庫負担増額に関する請願(     川上貫一君紹介)(第四七二二号) 六五二 健康保険等改悪反対に関する請願(川上     貫一君紹介)(第四七二三号) 六五三 同(谷口善太郎君紹介)(第四七二四     号) 六五四 医療費値上げ反対等に関する請願(加藤     進君紹介)(第四七二五号) 六五五 全国一律最低賃金制の確立に関する請願     (谷口善太郎君紹介)(第四七二六号) 六五六 労働者の賃金引き上げ及び団体交渉権確     立等に関する請願(谷口善太郎君紹介)     (第四七二七号) 六五七 健康保険法改悪反対及び医療の改善に関     する請願外三件(谷口善太郎君紹介)(     第四七二八号) 六五八 同(林百郎君紹介)(第四七二九号) 六五九 日雇労働者健康保険廃止反対等に関する     請願(林百郎君紹介)(第四七三〇号) 六六〇 同(加藤進君紹介)(第四七三九号) 六六一 健康保険制度改悪反対に関する請願(林     百郎君紹介)(第四七三一号) 六六二 同(帆足計君紹介)(第四九一二号) 六六三 失業保険制度の改悪反対に関する請願     (林百郎君紹介)(第四七三二号) 六六四 日雇労働者健康保険制度改善及び老後の     保障に関する請願(林百郎君紹介)(第     四七三三号) 六六五 同(谷口善太郎君紹介)(第四七三四     号) 六六六 同(川上貫一君紹介)(第四七三五号) 六六七 原爆被害者援護法制定並びに原爆症の根     治療法研究機関設置に関する請願(川上     貫一君紹介)(第四七三六号) 六六八 同外一件(谷口善太郎君紹介)(第四七     三七号) 六六九 同外一件(林百郎君紹介)(第四七三八     号) 六七〇 公衆浴場業に対する特別融資に関する請     願(藤山愛一郎君紹介)(第四八〇四     号) 六七一 同(増田甲子七君紹介)(第四八〇五     号) 六七二 同(山村新治郎君紹介)(第四八〇六     号) 六七三 同(小沢辰男君紹介)(第四九〇八号) 六七四 日雇労働者健康保険改善及び厚生年金適     用に関する請願(堀昌雄君紹介)(第四     八一六号) 六七五 全国一律最低賃金制即時確立に関する     請願(野間千代三君紹介)(第四八一七     号) 六七六 精神衛生法の改正等に関する請願(小沢     辰男君紹介)(第四八一八号)      ――――◇―――――
  2. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 これより会議を開きます。  本日公報に掲載いたしました請願六百七十六件を一括して議題とし、審査に入ります。  まず、請願の審査方法についておはかりいたします。  その趣旨につきましては、すでに文書表によって御承知のところであり、また、先日理事会においても協議いたしましたので、その結果に基づき直ちに採否の決定に入りたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  それでは、本日の請願日程中第一ないし第三五、第三七ないし第九一、第九五ないし第九九、第二〇二ないし第一〇四、第一〇七ないし第一三八、第一四〇ないし第一四六、第一四九ないし第一六一、第一七七ないし第一八一、第一八三ないし第二四九、第二五一ないし第二八七、第二九一ないし第三二五、第三二七ないし第三三五、第三四〇ないし第三五二、第三五六、第三五七、第三五九ないし第四〇四、第四〇七ないし第四一九、第四二一、第四二五ないし第四五六、第四六〇、第四六二ないし第五〇五、第五〇八ないし第五二五、第五二九ないし第六一二、第六一九ないし第六五一及び第六五五ないし第六七五、以上の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。   〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  6. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 なお、本委員会に参考のため送付せられました陳情書は戦没者遺族処遇改善に関する陳情書外百三十四件であります。  以上、念のため御報告いたしておきます。      ――――◇―――――
  7. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 この際、おはかりいたします。  厚生関係基本施策に関する件、特に薬務行政に関する問題について、日本製薬団体連合会会長武田長兵衛君、中央薬事審議会新薬特別部会長佐々貫之君、三共株式会社常務取締役福地言一郎君、エスエス製薬株式会社取締役社長泰道三八君、日本薬剤師会専務理事谷岡忠二君、以上五名の方々一から、今日参考人として御意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。
  9. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 それでは、薬務行政に関する問題について調査を進めます。  参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。  薬務行政に関する問題につきましては、各方面に広く関心が持たれております。本委員会といたしましては、参考人各位の御意見をお伺いし、本問題調査の参考にいたしたいと存じます。何とぞ忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  なお、議事規則に定めるところによりまして、参考人の方々が発言なさいます際には委員長の許可を得ていただきたいと存じます。また、参考人は委員に対して、質疑することはできないことになっておりますので、以上あらかじめお含みおき願いたいと存じます。  なお、議事の整理上、御意見をお述べ願う時間はお一人十五分程度とし、参考人各位の御意見開陳のあとで委員の質疑にお答え願いたいと存じます。よろしくお願いいたします。  この際、武田参考人及び佐々参考人には所用のためお急ぎのようでありますので、両参考人の御意見を承り、それに対する質疑を行なうことにいたしたいと存じます。  それでは、武田参考人より御開陳を願いたいと存じます。武田参考人。
  10. 武田長兵衛

    ○武田参考人 今日、参考人といたしまして日本製薬団体連合会会長の私が、薬務行政に関連する諸般の問題を中心としてこの席上でお話し申し上げることになったのでありますが、その前に、当団体の組織、性格、任務等につきまして簡単に御説明申し上げたいと存じます。  当連合会は、全国二十五地区団体の連合体であります。その地区団体に加盟いたしております製薬企業体の数は約一千二百、すなわち全企業数の約半数になっております。各地区団体は、大中小の企業体を含めまして、その地区団体には新薬系統、本舗家庭薬系統、配置家庭薬系統等、その構成は非常に複雑になっています。なお、当連合会は任意の申し合わせ団体でございまして、麾下団体会員に対しての強制力はございません。  当連合会が当面しております重要な問題といたしましては、一が流通段階の正常化問題、二は薬価基準の問題、三は医薬品安全性確保対策の問題、四がかぜ薬の問題等でございます。  まず、流通段階の正常化問題でございますが、これは当連合会の販売対策委員会を中心といたしまして、卸、小売り側の理解と協力を得ましてこれが安定の方向に各般の努力が積極的にとられております。なお、製薬企業の現状につきましては、関係方面の正しい御理解と御認識を得るために、「製薬企業の現状とその対策」といろ内容の白書を製作中でありまして、近く皆さま方にもお目にかけたいと存じております。  次に、薬価基準の問題につきましては、保険薬価研究会におきましてこれが対策について種々検討が行なわれております。  また、医薬品の安全性確保の問題につきましては、医薬品安全性委員会を設けまして、医薬品の安全性並びにその有効性について積極、前向きの姿勢をもって極力検討、協議が行なわれております。本問題につきましては、後ほど、出席の福地参考人からも具体的に申し上げることと思います。  さらに、医薬品の広告自粛等につきましては、広告審議会を中心といたしまして、自主的にこれが自粛要綱を設けて種々協議、検討が行なわれております。なお、その他にもいろいろございますが、時間の関係上割愛させていただきます。  次に、薬務行政に対する要望事項について申し上げます。  その第一は、健康保険における薬価基準の問題でありまして、御承知の医療費紛争に巻き込まれまして、薬価基準の改正が見送られ今日に及んでおるのであります。新規医薬品の薬価基準への収載は、三十七年九月一日以降製造ないし輸入の許可を受けました医薬品約二千品目が、いまだに社会保険医療に未適用のまま二年九カ月の長期にわたって放置されております。医療国民皆保険が制度化されている現状において、医学、薬学の進歩に伴って開発されました新薬が保険医療の適用を見ることなく放置されていますことは、国民保健上まことに不幸なことでございます。元来新規医薬品の薬価基準への収載は、医師の使用する医薬品の範囲を拡大向上せしめ、治療効率を高めることに役立つものでありまして、必ずしも保険財政に悪影響を及ぼすものではないと考えるのでございます。長年にわたりまして多大の努力と膨大な資金を投じて研究開発された医薬品が、前述のように二年九カ月の長期にわたって社会保険未適用のままになっておりますことは、製薬企業にとって研究投資面で多大の損害をこうむっており、また開発意欲面でも今後ますますゆゆしい事態を生ずることが危惧されるのであります。一日も早く新規医薬品の薬価基準への収載が、政治問題から離れ実現いたしますよう当局に要望している次第であります。元来薬価基準は、年一回の薬価の大改正と年二回の新規医薬品の追補収載が行なわれることが慣例として定まっていますが、現在かかる薬価基準改正のルールが全く無視されていることは、業界といたしまして、また国民のためにもまことに遺憾のことと存ずるので、この機会にぜひ薬価基準定期収載のルール化を実現されるように強く要望する次第であります。  次に、去る三月十一日開催の社会保険審議会におきまして、厚生大臣は薬価基準の追加引き下げを言明されましたが、業界といたしましては、二年九カ月にわたって放置されている薬価基準の改正政治的に取り扱われることに非常に不安を抱いているものであります。特に薬価基準の価格は、従来から中央医療協議会においても認められている薬価算定方式に基づいて決定されておりますので、この従来どおりの算定方式にのっとり、実勢価格を尊重した価格決定をされんことを強く要望する次第であります。  次に、製造承認許可の問題であります。医薬品の製造承認許可が最近相当おくれているやに思われるのでありまして、申請してから承認まで約半年もかかっているような実情でございます。医薬品の安全性確保の面から慎重に御審査なさる等、諸般の事情からやむを得ないものであろうとは存じますが、年々増加の傾向をたどる承認許可申請件数に比べまして審査関係者の人員不足のように思われるのであります。このため、特に中小企業が大部分を占めております当業界におきましては、承認許可の遅延することにより製造の準備または発売企画にそごを来たしまして、特に季節的な製品につきましてはその商機を逸するなど、企業経営上にも大きな支障を来たす結果となっております。また、国際競争激化のおりから、製薬企業が多年の研究、開発、投資の成果たる新薬の承認許可申請が、安全性確保の検討に要する人員、設備等のため相当期間御承認を得られないことは、企業活動にも多大の障害となっているばかりでなく、国民の保健衛生のためにも残念に思われる次第であります。この際、当局の関係人員及び設備等の充実をはかる等、承認許可事務の促進に速急に処置を要望しておる次第であります。  次に、アンプルかぜ薬の問題であります。アンプルかぜ薬によると思われます死亡事故発生のために社会不安が起こされましたことは、業界としてまことに心痛にたえないところであります。本件につきましては、厚生省当局におかれまして、アンプル入りかぜ薬の可否について中央薬事審議会に諮問せられましたところでありますが、先般その答申が出されました結果、これが措置として、アンプル入りかぜ薬の製造、販売は一切禁止されました。その関係上、当該製品をつくっていましたメーカー中、特に中小企業にとっては経済的に致命的な打撃をこうむる結果となったので、これが救済策につきまして当局に特別の御配慮をお願いしている次第であります。また、アンプル入りかぜ薬以外の他の剤型のかぜ薬につきましても当局において新しい許可基準がつくられ、これに切りかえられるよう指導が行なわれておりますが、これが運営上の処置いかんは、当業界関係者に対しまして重大なる影響ないし経済上の打撃を招く結果にも相なるものといたしまして、これらに関しまして各地区団体からの強い要望もありますので、目下その取り扱いについて厚生当局に種々要望をいたしておる現況でございます。  最後に、医薬品の安全対策につきましては、当連合会に特に委員会を設けまして、その安全性と有効性について種々検討を重ねておりますが、今回のように厚生当局が製造、販売の禁止をされるとか、あるいは旧基準をやめて新基準に切りかえるなどの御処置の場合は、これによって業界のこうむる混乱と損失等も十分御考慮の上で、どうか今後は、このような場合におきましては事前に業界に御相談くださるよう、先日も厚生当局に要望を申し上げた次第でございます。  以上をもちまして、当面しております薬務行政に関し、医薬品生産業界としての主たる要望事項について御説明を申し上げました。以上でございます。(拍手)
  11. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 次に、佐々参考人、お願いします。
  12. 佐々貫之

    ○佐々参考人 私は、厚生省の薬事審議会の新薬特別部会部会長とそれから医薬品安全対策部会長を兼任しておる関係上、今回のアンプル入りかぜ薬に対しましては、まあ表面の責任者でございますので、御説明申し上げる次第でございます。  この諮問は、厚生大臣から「アンプル入りかぜ薬の可否について」という諮問を受けまして、二月の二十二日から五回にわたりまして懇談会並びに調査会を開きましたが、もちろん委員の方々は、医界並びに薬学界において権威のある方ばかりでございます。こういう方々にいろいろ研究、してもらったのでございますが、その結果は、医薬品安全対策部会並びに常任部会にかけました。それは去る四月の二十七日でありまして、答申案ができまして、これを答申したわけでございます。このアンプル入りかぜ薬は、次のような三つの理由をあげまして、その製造、販売を禁止するべきであるという結論を得て答申したのでございます。  その三つの理由というのは、第一に、このアンプル入りかぜ薬で死亡した方の解剖をいたしまして、権威あるところからの意見、その所見を承りまして、その結果、その中毒された方の体質なり、あるいは病気がある、異常状態がありますときには、かぜ薬の主成分が極量以下でありましても中毒を起こすことがあり、大量に飲みますと危険を来たすことがあるということがはっきりしたのでございます。これが第一の理由でございます。第二の理由といたしましては、国立衛生試験所におきまして動物実験をいろいろやっていただいたのでございます。アンプル入りの形になっておるかぜ薬は、ほかのアンプルに入らない型のかぜ薬に比べて吸収速度がきわめて早く、また血中濃度が非常に高くなる、そういう関係から毒性の発現いたしますことも非常に強い、こういうことが判明したのであります。第三の理由といたしましては、近年になりまして、かぜ薬の生産量が非常に急速度であることを統計的に示したのであります。またこの関係から、個人が使用する機会、また大量に飲む機会もふえ、そしてこの中毒を発生する基盤がそのためにつくられて、このように事故発生がまずます多くなる可能性を来たしたものと考えられる。こういう三つの理由で、私どもは、学者の立場といたしまして、このアンプル入りかぜ薬は製造及び販売を禁止するべきであるという結論を得て答申したのであります。  なお、これに派生いたしまして、かぜ薬の主成分はアンプル入り以外のものにも入っておりますので、これらのものについてもある程度の規制を加えるべきであるということを付帯事項として答申したわけでございます。     ―――――――――――――  より詳細の点は、必要がありますならばお答え申し上げたいと思います。
  13. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 これに対しまして質疑の申し出がありますので、これを許したいと思います。小林進君。
  14. 小林進

    小林委員 私は、この際、薬務行政全般についてもそれぞれ御質問したいと思ったのでございまするが、残念ながら連合会長の武田長兵衛さんは二時になればお帰りになりたいという、佐々先生は二時三十分に帰りたいということで、そういう御希望だそうでございまして、この点は私ども非常に残念にたえない次第でございます。国会の仕事は、やはり私ども片手間にやっているのじゃございませんでして、国民全体のしあわせや幸福を願ってやっておるのでございますから、先生方がどういう御認識でおいでになったのか知りませんけれども、学校の講義の片手間でひとつ国会へ行ってやろうとしたならば、それはたいへん間違いだと思います。もちろん講義も大切でありますけれども、御質問申し上げるわれわれも真剣にこの問題に取っ組んでおるのでありますから、その点をひとつ十分御了承願いたいと思います。  それで、私は、武田さんにはあとで御質問申し上げることにいたしまして、まず佐々先生にお伺いいたしたいのでございますけれども、この薬事審議会というものの性格でございますね。あなたは会長ではおいでにならない。実は私は、きょうは会長に来ていただくように参考人を要望したのでありますが、どこでそれがどうひねくられたものやら、私の要望が入ってない。私はこういう議事の運営のしかたにも不満でありますが、しかたがありませんからお伺いいたしますが、この薬事審議会というものは厚生省の諮問機関でございます。だから、薬の問題についてはあなた方はいろいろの御意見がおありになろうし、またそれぞれの薬について可否の御意見をお持ちになっても、厚地省で諮問がない限りは御意見を発表することも、政府に意見を具申することもおやりになる権限がないものと解釈しなければならないのでございますが、その点いかがでございましょうか。間違いございませんか。諮問でありますから、諮問があったものだけについて答申をする。諮問のあらざるものについては何ら責任を負わない、こういう構成になっているものと判断いたしまするが、いかがでございますか。
  15. 佐々貫之

    ○佐々参考人 ごもっともでございまして、われわれとしては、厚生大臣から諮問されたことだけに、一定の法則に従いまして答申するわけでございます。しかしながら、その特別部会におきましてしばしばいろいろの要望がありますので、その要望については、われわれは特別部会から常任部会に提出しまして、要望事項として言うだけで、決してそれをどうするというのではありません。また、それを取り上げるかどうかは、常任部会、さらに厚生省自体がどうするかということをおきめになっているものと、私はそういうふうに考えております。
  16. 小林進

    小林委員 私の希望といたしましては――希望を述べている時間はありませんけれども、できれば、こういう薬事審議会というものが、薬事行政とか薬の効能等、毒性その他について常時不変に研究されて、そしてその意見を適時適切に発表せられるというような形のものが私は望ましいと思うのでありますけれども、いまも言うように、ただ諮問のあったものだけに応ずるということだけであるならば、また私は、この点は現在の厚生省の薬務行政というものは非常に前近代的な様相を呈しておりますので、それをチェックする点においては、はなはだ心もとないものと考えておる次第でございます。これはあとで厚生省にお伺いすることといたしまして、いまは当面のアンプルの問題でございます。このアンプルの問題について、皆さん方は、幸か不幸か厚生大臣の諮問がありましたものですから、それに御答申になりました。その御答申によりますと、このアンブルの結論において、アンプルのかぜ薬は製造を禁止すべきである、こういうふうに答申をせられた。なぜ一体禁止すべきかというその問題でありますが、これはいまもおっしゃるとおり、その基準をお尋ねいたしますというと、アンプルの基準というものを、これは二十八年でございますか、厚生省がお示しになっている。その基準どおりに薬というものを業者はつくってこられた。それが粉末の薬の場合もあったろうし、錠薬の場合もあったろうし、アンプルの場合もあったであろう。だから、同じ基準に基づいて、製品としてあらわれたものはアンプルの場合と錠薬の場合と粉末の場合と三種あっ一た。たまたまアンプルの場合に事故死が起きたということで、あなたのところへ諮問せられて、こういう結論が出たのでありますけれども、いまあなたは、学者としてこういう答申をせられたという三つの理由をおあげになりました。私はあまり手が速くありませんから、速記録とは違っているかもしれませんけれども、解剖の所見から、アレルギー体質やからだの異常の状態の場合は、かぜ薬の中に含まれるピリン剤を少量使っても中毒を起こすことがある、大量に飲めばその危険はさらに増大する、こういう結論をお出しになった。そういたしますと、少量を使っても中毒を起こす危険があるということは、これはアンプル剤のみに限ることでございましょうか。私は、まず答申の第一点がふしぎである。少量でも危険だということであるならば、これは単にアンプル剤のみならぬや、錠剤においても、あるいは粉末剤においても、少なくともこのピリンという原料薬が入っている限りは、あらわれた薬の形態のいかんを問わず、危険というものは幾らかでも失われるものではない。ここに、私は、アンプル剤だけを禁止しようというこの結論に、いささか、しろうとながらも疑問があります。第二点、国立衛生試験所で行なった動物実験の結果、アンプル入りかぜ薬のほうが錠剤より吸収速度が速く、血中濃度が急速に潜まり、毒性が著しく強くなることがわかった、これがいま御説明になりました第二の禁止せられている理由であります。錠剤や粉末ならば、血管の中に回る時間がおそ過ぎる。おそいのは差しつかえないけれども、速く回るのがどうもいけないと言う。速度の速過ぎるのはいけないというこの理由も、しろうとの私どもにはどうも了承しがたい点であります。われわれは高い命を出して薬を飲むのであります。その薬が急速にきいてくれるのがありがたいのでありまして、急速にきくからいけない、マンマンデー、スロー・スローで、スローのほうがよろしいんだという、こういう判定も私は了承できない。薬ならば一定の限度でやっていく、一定の量を越えたものは、これは危険である。一定限度の量ならばよろしいというのが、毒性、いわゆる身体に害があるか害がないかという一つの基準であるというふうに私は考えておりますけれども、回転率が速過ぎる、速度が速過ぎるからこれはいけない、そういう一つの判断のしかたはどうも私どもは了承できない、この二点なんです。ひとつ御解明いただきたいと思うのであります。  第三番目は、最近のかぜ薬の生産量は急増の一途をたどり、個人の使用量や使用する機会が多くなって、中毒事故を起こす体質をつくる機会が多くなっている。これは、言いかえれば、わが日本の薬行政全般に関するものじゃないか。何でもわが日本には、世界じゅうでかってないような薬の自由販売が行なわれているそうでございます。これは私はまだ世界の薬の状態を見たわけではございませんけれども、大衆薬だとか一般薬だとか――あとで私はどんどん質問いたしていこうと思いますけれども、朝テレビをつけて夜寝るまで、われわれは薬の広告の中に生きていなくちゃならない。全く、テレビの番組を見るのか薬の広告を見るのかわからないような広告のはんらんだ。それから薬を飲んでいるのか広告を飲んでいるのかわからない、こう言っている人もありますけれども、こういう医療行政というものはわが日本の特質だそうでありますが、いまあなたはいみじくもおっしゃった、その広告に災いされて薬を飲み過ぎたから、日本国民の体質が変わってしまって、そうしていわゆる事故を起こす体質ができ上がったというあなたの報告をいま私は聞きました。これは一体学者として、こういう人間の体質まで変えてしまうような今日の薬行政、医薬行政というものはこれでよろしいとお考えになるかどうか、私は以上三点について御質問申し上げたいと思うのであります。
  17. 佐々貫之

    ○佐々参考人 まことにごもっともな御質問でございますが、これはしろうとの方にわかるように説明しようとすると、非常に広範な、医師でさえもわからない点もあるのでありますが、二、三の点をとらえましてお答え申し上げたいと思います。  薬が、先ほどの速く吸収され、高い濃度になるということが、そうでない場合よりも危険であるということは、これは当然なことであろうと思います。それから先ほど体質が変わる、これはいかなる薬についても、国民が飲んでおればだんだん体質が変わる、医学が進歩するに従いまして、その点が非常にあとになってわかることであります。たとえばペニシリンにしても、最初出たときはどうでしたか。こんないい薬はまたとない、毒は一つもない、しかし効果はえらいものであるというようにいわれておっても、十年もたたないうちにあのような運命になったことも御存じでございましょうが、おそらく同じような関係はあらゆる薬で同様なことが考えられるのではないか。しかし、どの薬でもそうであるかということはなかなかむずかしいのでございますが、少なくとも非常に効果のあるような薬は、その一面また危険の度も非常に高いのでありまして、そういうものがやがて体質を変えますと、わずかに多くなっても危険を招来し得る可能性がいろいろあり得る。そういうことをほんとうに個人となって御説明いたしますとこまかい点まで申し上げられるのでありますが、ピリンが初めて使われたころには、ピリン疹というようなものはあまり問題にならなかった。ところが、だんだんに量がたくさん、広く使われるようになったばかりでなくて、医学的にもピリン疹というものがどこの統計を見ましても急に増加しておるというのは、これはピリンを飲むことによりましてピリンに反応しやすい体質に変わりつつある、これはそういうことが来てみて初めてわかることで、それを許可した当時にはあり得ると思っても、あり得ることで許可できないということはないのではないか、私はそういうふうに考えられるのでございます。したがって、こういう薬は、こういう問題が起こって初めて考えなければならない。この問題は単に日本だけの問題だけではなくて、アメリカでも、昨年になりましてピリンというものは非常に危険である、WHOからこれは普通の場合にお医者さんでさえも使うべからずというところまで出た、アメリカでさえも最近のことでありまして、その許可した当時にはわれわれはあまりよく知らなかった、医学が進歩して全体の情勢が変わってきて初めてこういうところに立ち至ったものだ、こういうように私は考えますが、それ以上の御説明は、直接に個人的ならいろいろできるだけ御説明申し上げたいと思いますが、こういう公の席でございますから、これだけにさせていただきたいと思います。
  18. 小林進

    小林委員 時間もありませんし、どうもおまえはしろうとだから、専門的に言ってもわからないだろうと言われればそれっきりでございますけれども、いまピリン剤がアメリカにおいても非常に危険視せられておる。アメリカには大衆薬というものはないでしょう、薬は全部お医者さんの指示によって服用する制度になっておりましょう。そのお医者さんの指示に基づいて飲むピリン剤までも危険であるからといって、医者が警告を発したとWHOの報告にあったといまあなたはおっしゃいましたが、私もそれを了承しております。それほど危険のあるものを、日本では医者の手をわずらわさないで、単に大衆薬として薬屋の店頭で売られておる、薬種商の店でも売られておる、そういう薬務行政のあり方それ自体は、私はまたあとで御質問いたしますが、あなたに申し上げたいことは、繰り返しますが、三つの点をあげて危険であるからアンプル剤は製造を禁止せいと言われておる、その第一の理由の中に、ピリン剤を少量使っても中毒を起こすことがあるということなら、事はアンプルに限らない、現実にカプセルでも、どこか一カ所でピリン剤のカプセルを飲んだ人も事故を起こしておる、これは少量でも飲めば危険だということの証拠じゃないか。少量でも飲めば危険だとおっしゃるならば、その少量を含んでおる粉末も錠剤も一様に全部禁止するのが普通じゃないか、少量でも危険だといわれる中に、なぜ一体アンプル剤だけの製造禁止をおやりになるのか、その点が了解できないというのが第一点。  第二点といたしましても、そのとおりです。第二点でも、おっしゃるように、アンプル入りのかぜ薬のほうがいわゆる錠剤よりも吸収の速度が速過ぎる、血中濃度が急速に高まるから、だからアンプルだけを禁止するのだとおっしゃるが、これもアンプルだけを禁止せられるという理由にはならない。速度の速いおそいを問わず、危険ならば錠剤や粉末すべてを禁止する。いまWHOのお話がありましたが、アメリカのように、専門医が診断をしてこの体質、このからだ、この病気ならば飲んでよろしいという医者の調合に待つのがほんとうであって、大衆薬としてアンプルだけを禁止するというのは片手落ちである、大衆薬としてそれだけの危険があるならば、錠剤も粉末もカプセルも、全部一様に禁止するというのが学者的な良心ではなかろうかということをあなたに御質問申し上げておるのでございます。この点、いかがでございましょう。
  19. 佐々貫之

    ○佐々参考人 ただいまの問題に対しまして、最初に言われましたように、日本ではかぜ薬ピリン剤を大衆薬に用いておるのでありますが、アメリカではこれは指示薬となっておるので、その点が第一違うのであります。しかし、日本で用い出した当時にはそれほど問題になっていなかったのに、アメリカでさえもお医者さんが使うのでも危険であるということがわかってきたのは医学の進歩だ、こういうふうに、昔その許可をした当時はさほどでなかったが、現在は非常に危険であるということが言えるのではないかと思います。  それから、アンプル入りかぜ薬だけがいけないという理由はどらかというのでありますが、私どもの立場としましては、厚出大臣から、アンプル入りかぜ薬の可否いかんと尋ねられたのでありますから、それに対する答申だけやる義務しかなかった、また、しても意味なかったのでありますが、しかし、どうしても派生する問題で、一般のかぜ薬に対してもやはり規制を加えるべきものであるという要望を出した次第であります。なお、これをふえんして考えますと、今日大衆薬として用いられておる非常にたくさんの薬の中にもやはり同じように考えねばならないものがいろいろあることは、常にわれわれの特別部会で委員の方からよく議ぜられる問題でありますが、諮問されたことでございませんために、要望としては申し出たことがありますが、かつてそれはまだ取り入れられていないのでございます。
  20. 小林進

    小林委員 ただいまの先先のお話で、諮問を受けたことだけに答申したのである、アンプルについて答申を求められたからアンプルの答申をしたという意味で、この答申の内容は、私はそれで明快になりました。先生のお話は、他の同僚諸君より質問はあるかもしれませんが、私はそれで了承いたしました。  それでは、ひとつ武田長兵衛先生にお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、いろいろ薬行政に対しまして業者の立場で御注文が多かったようでございます。私どもは、参考人としておいで願ったそのねらいの一つは、あなた方の営業をお助けしようという、そういう目的ではなかったのでございまして、一九六一年にはああやってサリドマイド等の事故が起きて、世界的には数万でございましょうな、奇形児が生まれて親子ともに泣いているという悲惨な事実が起きております。ああいうことを契機にいたしまして、私は、日本の大衆製薬等に対しても、その安全度、安全衛生の点においても、行政あるいは皆さん方の業界のやり方も相当変わってきたんじゃないか、そういうふうに期待を持っていたのでございますが、はからずも今回またアンプルかぜ薬を中心にいたしまして、罪なき人たちの生命が幾つも失われている。私どものこれはお得意のことばでございますけれども、人間の命は地球よりも重い、一つの命もわれわれは失ってはならない、そういう大切な命が、かぜなどという――かぜなんというのは病気の中で一番軽微なものであります。病気の中に入らぬとさえわれわれは考えておる。そのために売薬を飲んだら瞬時をおかず苦しみ出して、あるいは狂乱のような形になって死んでいくという悲惨な事実がある。これに対して一体薬業者としてどういうふうにお考えになり、その奪われたる生命に対して救済というか、その事故防止のためにどういうふうにお考えになっておるかということを、私は実はお聞きしたいと思ったのでありますが、そっちのほうにはさっぱりお話がお触れにならないで、何だか聞いていると、死んでいくのはあたりまえだというふうな感じも受け取れるような淡々たる御説明で、はなはだ私は残念にたえないのでございます。もっとも、あとのほうでは、薬の安全衛生もわれわれいろいろ研究しているというお話もございましたけれども、一体こういうアンプル等の問題で死んでいった人たちに対して、業界としてはどういうふうにお考えになっておるか。どういうふうな御処置をおとりになったか。これは、薬を飲んで死んだのは気の毒だ、異常体質なんだから、あたりまえだというふうにでもお考えになったのかどうか。ここら辺を、ひとつ連合会長をしてお考えのほどを承っておきたいと思うのであります。
  21. 武田長兵衛

    ○武田参考人 本日当方に参考人として参りましたのは、薬事行政全般にわたってのわれわれ業界からの問題点という御諮問でございました。そういう観点から、ここで先ほどのような説明を申し上げたのであります。時間が十五分と限定をされておりましたしいたしますので、全般にわたって簡単に触れてまいったわけであります。  次に、サリドマイド事件並びに今回の事件といい、この問題についてはわれわれ非常に心痛をし、いかなる処置をとるべきかということは種々業界において話し合ったわけでありますが、先ほどもお話がありましたように、各事態発生の薬品につきまして、これはいままでの段階ではわからなかった事態が起こってきておるのでありまして、その事態が発生した後にはできるだけ早く――それも先ほど申し上げましたように、われわれの団体といたしましては、すべての加入者に対してこれをやめろという強制力はございません。で、かかる事態が起こった場合には即刻にこれをやめるべきであるという申し合わせで、各社の自主的な立場からかかる処置をとっていくことをきめ、また各社がこれを実行いたしましたような次第でございます。  以上のことで、お問いに十分答えておるかどう……。
  22. 小林進

    小林委員 ともかく、いまのアンプルのかぜ薬をおつくりになりました製造業者が、厚生省、薬事法で承認をいたしました基準を越えてピリン系の薬物が含まれていたとか、また不純物が混入したとかいう明らかな違反行為があるということになれば、私どもは、それは鼓を打ち、太鼓を鳴らして製造業者の責任を糾弾したいところでありますけれども、現在この事故を起こしております薬は、やはり厚生省がお示しになりました基準に基づいて、基準どおりつくった薬である。そうでございましょう。そこで事故が起きたのでございますから、皆さま方のほうでは、厚生省の御指示どおりつくったのでございますから、その薬を飲んで死んでいってもわれわれには責任がないという、そういう考え方が潜在的にあるのではないかと思うが、いかがでしょう。だから厚生省の側も、自分たちの指示した基準どおりにつくった薬だから、強制的にそれをやめさせるということはできない。自主的にひとつやめてくれという、そういうことしか言えない。皆さん方もまたそのとおりだ。強制的に連合会長が、その連合会内部の業者に対して製造、販売するのをやめろと言うことはできないから、自主的にひとつやめるようにしようじゃないかという打ち合わせしかできなかったという、いまのような御答弁になってきたんだろうと思う。厚生省の立場、薬をつくる連合会、薬種業者、製造業者の立場からいえばごもっともだけれども、そのために受ける消費者はどうなるか。消費者は目の前で死んでいるけれども、それを強制的にやめさせる、飲ませないという禁止をする機関は日本のどこにもない。こういうような行政のあり方が一体正しいとお考えになるかどうか。いま厚生省の言い分を聞いていても、あなたの答弁を聞いていても、まことに世人言うがごとくこれは国民不在の医療行政だ。だれも死んでいった者に対して責任を持とうと思う者もなければ――死んでいった者があるんだから、これをやめて後続する犠牲者を防がなければならないという処置が何もない。これで一体よろしいとあなたはお考えになっているのですか。死んだ者はあきらめろと言っているのと同じじゃないですか。あなたの責任を問うているんじゃないのですよ、薬屋の責任を問うているんじゃないけれども、現実に消費者の利益というものは一つも守られていないじゃないか、消費者の生命というものは一つも守られていないじゃないか。そういうあり方が一体正しいとお考えになっているかどらか、薬屋さんの立場でお聞きしたい。
  23. 武田長兵衛

    ○武田参考人 ただいまの御質問についてお答えをしたいと思います。  われわれといたしましては、いまのお話にありましたように、これは許可をとったものであるから、その責任は全然われわれにないものであるとも考えていないのであります。各社それぞれに十分な責任を持って生産をやっておるのでありますから、その問題が、その会社に帰すべき失敗によって起こったものである場合には、当然会社のほらで十二分の責任をとるべきものであると私は考えております。それ以上に、国の法律というものでこれが保護されていないという御意見でございました。これは、私はそういう法律ができることを希望はいたしますが、私はそういう担当の責任者でもなし、お答えの範囲外であろうと思えます。  以上であります。
  24. 小林進

    小林委員 これはあなたの問題じゃありませんけれども、それぞれ製造会社が、事故を起こした薬屋がみずから責任を感ずべきであるというそのおことばをちょうだいいたしますから、これでその問題の質問は終わります。  あとは、薬行政に対する厚生省とあなた方との関係の問題。薬価基準の改正が見送られているということをおっしゃいましたが、この薬の価格の問題。私たちしろうとから言わせれば、薬というものは、他の雑貨や衣料品や食料品とおのずから違っているというのが私の考え方なんだ、なぜならば、人間の生命、身体、保健に関する問題でありますから。私は、薬の価格などというものは、夜店のバナナのたたき売りのような、こういう人々によって上下左右すべきものではないというふうに考えておるのでありますけれども、聞くところによりますと、薬ほど値段の高低のはなはだしいものはないということを聞いているのであります。  そこで、薬価基準に入れるときにも、何かバルクライン方式を用いられて、そして大体八〇%か九〇%辺のところで価格というものを入れて、健康保険に入れられているというのでございまして、これは、私は大きな矛盾じゃないかと考えておるのでありまするけれども、ある薬屋さんに聞いたら、薬は広告料が要るのだし、それぞれ管理費も多くかかる。だから、大量に買ってくれるところには、その管理費用や広告料等もそれだけかからないことになるから安くするし、あまり買ってくれないような薬屋にはつい適正な、商い値段で入れて、薬の卸値段というものはおのずから格差がつくのがあたりまえだ、こう言われているのでありますけれども、こういうようなことは、国民皆保険、今後の医薬分業をもとにいたしまして医療行政を進めていく上においても、私は将来大きな、ガンになると思っておるのであります。あなた方は、やはり製造業者の立場で、薬の値段というものはかくかくのごとく、それぞれ購入先によって差があるのはあたりまえであるというふうにお考えになっているかどうか、この点、お聞かせを願いたいと思うのであります。
  25. 武田長兵衛

    ○武田参考人 ある程度の差が存在することはやむを得ないと考えておりますが、しかし、それが非常に大きな混乱――波乱と言うと非常に語弊がありますが、たいへん浮動の多い状態であるべきものではないと考えるのであります。
  26. 小林進

    小林委員 私は、ある程度と言いながらも、薬の購入先によって値段に差をつけるべきであるというあなたのお考えには賛成するわけにいきません。これはまた別な機会で申し上げましょう。  それから、時間もありませんからいま一つお伺いします。新薬の申請をされてから半年もかかるというお話がございましたが、それは、私どもの調査によると、あなた方は新薬を申請されると厚生省の薬事課でそれを受けて、ほとんどのものはそこで許可されるはずなのです。これは資料をつけてやらなければならぬ。その必要資料のつけ方に対しても私はいろいろ意見がございますけれども、それはあとでお伺いいたします。あなたにお伺いしないで他にお伺いいたしましょう。そのうちのある少数のものが薬事審議会に回されて、そしてその諮問を終えて答申を待って許可される、違いますか。大半のものは厚生省の薬事課で処理される、書面上そろっておれば、厚生省の薬事課でどんどん許可になるというのが通例であるということを聞いておりますが、これはいかがでございますか。
  27. 武田長兵衛

    ○武田参考人 私は薬の会社を担当しておりながら、そこまで詳細なところはちょっと――正確にお答えをしなければいけませんから、おそらく福地参考人がその間の事務的な運びについてはよく承知をしておられるだろうと思いますので、福地参考人に御質問を願いたいと存じます。
  28. 小林進

    小林委員 福地さんのほうはあとでお伺いいたしましょう。あなたは限られた時間でありますから、あなただけにお聞きします。あなた方、新薬のいわゆる売るための申請をされますときには、もろもろの資料をつけていかなければならぬ。その資料の中には、やはり二カ所以上も権威のある研究室にその臨床をお願いいたしまして、六十例以上のデータをつけて、それは効能があるというようなデータを持って、そして初めて書類を整えて厚生省の薬事課へお出しになる。私の言うことも不明確だから、私も正確に申し上げましょう。  まず、製造の許可の申請をするときに要求される資料は、一番目には、どのようにして薬が発見されたか、二番目には、どういう性質の物質であるか、三番目には、効力と毒性についての基礎実験の成績はどうか、四番目には、臨床実験の成績はどうか、この臨床実験の成績が、すなわち二カ所以上、十分なる施設のある医療機関において経験ある医師により、原則として合計六十例以上にわたって効果判定が行なわれることという条件である。その他参考資料があれば参考資料をつけて、そして厚生省の薬事課に出し、その書類が整うと薬事課ではほとんど許可をする。薬事審議会のほうへ回ってまいりますのは、年間に数件のはずであります。そういう形で行なわれているのだが、一体臨床実験の成績はどうかということのデータをつけてもらう。そのいわゆる権威ある医療機関、十分なる施設のあるそういう医療機関に、通例として、大きな製薬会社というものはそれぞれ相当の研究費を常時的にお出しになっているということでございまして、そうしてそういう研究費を出している権威ある医療機関と薬屋が結びついて、新薬等は、その研究費を出している権威ある医療機関に六十なり七十件のデータをつくってもらうという関係ができ上がっているというのでございますが、これは事実でございましょうか。
  29. 武田長兵衛

    ○武田参考人 研究には研究に要する費用があると思います。それは当然、研究を依頼した者が支払うべき性質のものだと考えます。しかし、それによってできてくる研究というものは、常に公正のものでなければならないと私は考えます。
  30. 佐々貫之

    ○佐々参考人 先ほどから新薬ということが問題となりましたが、私の立場として、新薬特別部会長としては新薬の審査だけ、つまりわれわれに依頼されたものだけを審査しておるわけでございますけれども、その際に私ども非常に考えますのは、一体新薬とは何を言うのか。新しい薬という意味だったら、二つの違った薬を集めただけで、これはいままでなかったから新薬という意味に解されるではないか。あるいは、もう少し進んで、ある構造式を持った一部を変えて同じように作用するものでも、これはいままでなかった薬であるから新薬といわれるべきではないか。ところが、私ども新薬として理解するのは、いままでそういう目的に薬として用いなかった新しい物質だけを意味しておる、そういうように私は新薬を定義したい。これは、厚生省ともときどき御相談もしておるのであります。ところが、そこにまた、そのときの場合場合によって見解も違ってくることがあります。それから新薬は、もしあまり幅広く、いわゆる新しい薬ということになりますと、これを審査するだけの手数は、それはたいへんなものになると思います。私はそういう意味で、新薬はほんとうにそのような構造式、あるいはそういう薬はかつてそういう目的に使われなかったということに限定されるべきではないか、そういうふうに考えております。そうしても一年に十数件ぐらいはあるのございます。
  31. 小林進

    小林委員 もう私はこれでやめますが、これは世人の言うことに、あなたが武田薬製造株式会社ならば、その薬製造会社が新薬の研究を依頼するために、権威ある機関、あるいは大学の付属病院なら付属病院とそういう関係が結びついている。武田さんのほうで新薬の申請があったとすれば、それはもう世人は知らぬでも、あのうちの臨床実験のそのデータというものは、あれはA大学の付属病院だ、Bの会社が新薬の請求をすればB大学の実験の証明書ができている、こういうふうに、薬会社の新薬を見ればそのデータがどこから出るかということが一目りょう然で、専門家にはわかるように、それほどの深い結果にある。あなたは、それは研究費を出すのはあたりまえだとおっしゃった。けれども、出てきたデータは公平無私でなければならないということをおっしゃったのでありますけれども、それが真に公平であると私も信じたいけれども、そういうふうなところに、まだまだわが日本の医療行政が欧米先進国の医療行政に比較して若干の危険性があるのではないか。こういうサリドマイドやかぜ薬などの問題が出るたびに、そこら辺が一つの盲点として考えられてくるわけです。  そこで、私、お伺いいたしたいことは、そういう薬事の研究機関というものは、薬屋がそのたびに、製造業者がそのたびに特定の医療機関にお願いしてその実験の効果を見てもらうなどという形をなくして、ひとつ国が強力な研究機関を設けて、それは薬会社との関係なしに、第三者的な強力な機関で、そこで認可、許可をするというような、そういう形に改めたらどうか。   〔委員長退席、小沢(辰)委員長代理着席〕 もし、あなたたちがそれほど研究費をお出ししたいならば、いまの農林省等にありまする農業機械化研究所のように国が半分の費用を出し、業者が半分の費用を出して、公私混合で強力な研究機関を設けて、そこで一切の新薬等の許可業務をつかさどり、データもつくり上げるという形に改められないかどうか。佐々先生、この点いかがでございましょうか。いままでのような、そういう新薬の申請、許可のしかたでよろしいとお考えになるかどうか。
  32. 佐々貫之

    ○佐々参考人 私もその問題については、長い間このような仕事をしてきましたもので、いろいろ考えさせられておるのでございます。こういう問題は、国家的に厚生省と業者、学者が一体となってやるべきものである。そして、薬学にしても医学にしても、ともに国民の健康を守っていく大事な任務を持っておるものでありますから、それが満足にできるような、新薬の問題に限らずもっと広く考えて、そういうことがあってほしいということを、今度のかぜ薬の問題でも、あるいはサリドマイドの問題でも非常に考えさせられておるのでございます。これはあなたのほうで、国、業者、学者、厚生省、各者一体となって、国民の健康を保障し、増進していくようなあり方を考えていただきたいし、私もそれに対していろいろ考えて、書きたいと思うものもございます。
  33. 小林進

    小林委員 まだ質問もありますが、あとの人に譲りまして、これで一応終わることにいたします。
  34. 小沢辰男

    ○小沢(辰)委員長代理 滝井義衛君。
  35. 滝井義高

    ○滝井委員 武田さんと佐々参考人に一、二点聞きたいのですが、先に武田さんのほうがお急ぎですから、聞かしていただきます。  まず第一に、製薬企業についてですが、最近ちょっと調べてみますと、日本の製薬企業のここ三、四年来の成長は、年率二〇%くらいで成長しておるわけです。そうして大手十二社の売り上げの総額の伸びは一四%程度、その利潤率は一割七分くらいで、売り上げの伸びより利潤率の伸びのほうが高いという実態があるわけです。こういう実態を見てみますと、いわば日本の製薬企業というのは、皆保険政策の前進と日本の国民性というか知りませんが、薬をよく飲むということで、一応安定した末広がりの産業の傾向を呈してきています。しかも今度は、その医薬品を製造し、それに関係のある薬局等も加えてその数を見ますと、実に二十六万五千七百二十二という、とにかく薬屋さんと呼ばれる人たち、薬を売っている人も全部加えて、製造も加えると二十六万という非常に膨大な数で、最近五カ年間で七万五千増加していますね。こういう実態、高度成長政策の中で非常に伸びておる。しかもその薬魔と呼ばれる、製造業者を加えた数というのは実に膨大である。こういう問題をとにかく内包しておるわけですが、こういう中で新薬開発における人体実験、薬価基準、それからアンプレ禍――アンプレのかぜ薬の災いというものが起こってきております。そこで私がお尋ねしたいのは、もちろん広告費の問題もございます。あるいは家計費の調査をしてみますと、保健衛生費の中において、栄養剤というのが異常な状態で家計費の中に増加の傾向を示しつつあるという、いろいろな問題があります。こういう問題は薬務局長にいろいろお尋ねしたいし、私が武田さんにまず第一にお尋ねしたいのは、いろいろ矛盾は持っておると思うけれども、高度経済成長の波にある程度乗っておる。そして、一方その波に乗った状態というのは、国民がよく薬を飲み、皆保険政策が前進をしたということが、相当大きな波に乗る力になっている。そしていま製薬企業のしている保険経済というものは、非常に大きな赤字で苦しんでいる。だから、ここにその赤字の原因というのは何だ、犯人はだれだと言ったら、それは薬であるという、薬が犯人になってきているんです。そういう中で、いまの日本の皆保険政策に、製薬企業としては一体どういう姿で貢献をしたら一番いいとお考えになっておるのか。これは非常にむずかしい問題だと思いますが、簡明にひとつお答え願いたい。
  36. 武田長兵衛

    ○武田参考人 非常にむずかしい問題だと思います。いますぐ私の考えを全部まとめまして的確にお答えをするということは、非常に困難だと思います。先生のおっしゃることもよくわかるのでありますが、これを非常に簡単にまとめてただいますぐ御答弁をするというのにはちょっと私も困難を感じますので、この際明確にこのお答えをするということはもう少し考えさせていただきたい。非常に大きなむずかしい問題だと思います。
  37. 滝井義高

    ○滝井委員 それならば、ちょっと具体的に、さいぜん参考御意見の中に、薬価基準の三月十八日における社会保険審議会において神田厚生大臣の政治的な発言を問題にされたわけです。この薬価基準のきめ方に対して、いままでどおりのルールでやっていけという御意見があったわけです。この問題について、いま世間では非常に多くの問題を提起しておることは御存じだと思う。これはもう私が申し上げるまでもなく武田さん御存じのとおり、それぞれの医療機関がバルクライン九〇で買ったものが、薬価基準にそのまま登載をされることになるわけです。その場合に、これは少し専門的になりますが、相場品目とB価品目と二つあるわけです。日本の製薬の四割というのは、大手十二社が製品を出しておるのですね。六十社までとりますと、大体八割が六十社でつくられておるわけです。したがって、ここらあたりを、どう一体薬価基準をつくる場合に押えていくかということが非常に大きな問題になってくると思う。いまバルクライン九〇を七〇にせよという意見もあります。あるいは、さいぜんの御指摘にあったように、三月十八日の社会保険審議会においては、三%はこれは技術料に回すにしても、それの上積みする三%をきめた後に、なお薬価が下がっておるのだ、だから、その分についてはこれは保険財政に回すのだという発言もあっておる。そのことを御指摘になったと思う。こういういろいろ問題が具体的に出てきておるわけですが、薬価基準のきめ方をいままでどおりでいくということは、いまの客観的な医療問題がこれほど大きくクローズアップをされて、赤字の原因が薬であるという指摘を厚生省みずからがする段階になると、いままでどおりのきめ方ではいかないのではないかという感じがするわけです。これに対して製薬団体として何か御検討になって、われわれとしてはこういう方向でいったらどうだという討議をしたことがあるのかどうか、依然としていままでどおりのルールでいく以外にないというお考えなのか、そこらあたりをちょっと明らかにしていただきたい。
  38. 武田長兵衛

    ○武田参考人 ただいまの問題につきましては、われわれもこれは非常に重要な問題でありますからよく討議を重ねておりますが、十分なる-多くの人がこうであるというまとまった意見には、いまだ到達はいたしておりません。  もう一つの問題でありますが、三月十八日の問題であります。あの問題につきましては、これは相当な金額がその改正によって出てくるものとわれわれは想像をいたしておりますので、それはおそらく――それ以上のことはちょっと私としてもこの席で申し上げるのにはどうかと思いますが、相当な金額が出るのではないか、こう考えております。
  39. 滝井義高

    ○滝井委員 その三%に上積するプラスアルファ、それが一・五になるのか二になるのか四になるのか知りませんが、その一・五というのが相当な金額になるということなのですか、それとも三%自体が相当な金額になるということなのですか、その相当な金額になるというのは……。
  40. 武田長兵衛

    ○武田参考人 三%自体であります。
  41. 滝井義高

    ○滝井委員 そうしますと、三%自体が相当な金額になるので、その上さらに薬価基準の引き下げなんということは、成長率が二割程度伸びておる製薬企業ではあるけれども、とてもそういうことはできない、こういう意味なんでしょうか。
  42. 武田長兵衛

    ○武田参考人 現段階では、われわれの意見の中心は、そういうところにきておると思います。
  43. 滝井義高

    ○滝井委員 わかりました。  それからもう一つ、ちょっとお尋ねをいたしたいのは、アンプル入りの感冒薬の問題が出てから、国民は薬に対する注意力をいままで以上に発揮するような状態が出てきたわけです。これは非常にいい傾向だと思う。この点については、佐々先生と武田さんと両方からひとつお答えを願いたいのです。これで武田さん、終わるわけですが、いままで日本というものはあまりにも薬について野放しであり過ぎた。もちろん、ああいうアンプル入りのかぜ薬が大きな災害を国民に与えたということについては、これは薬自体、アミノピリンという薬自体の問題もございます。それからそれを飲んだ人の体質が、佐々先生御指摘のようにだんだん変わってきた、特異体質状態になっておったというような、国民の体質の薬による変化というものも考えられます。それから同時に、薬の売り方についても問題があると思うのです。最近の傾向を見ると、薬というものが即医療技術であるという、こういう考え方がある。だから厚生省は、医療費を下げるためには薬を退治したらいい、こういうきわめて間違ったものの考え方でいまの医療費の問題を解決しようとしておるわけなんです。薬イコール医療技術だという、こういうものの考え方がある。むしろ医学というものは、患者を診察して診断を下して、それから今度はこの薬を与えたならば一体どういう反応があらわれてくるかということによって、初めは病状はわからなくても、その薬を与えたことによって逆に今度は診断を下す場合だってあるわけです。その場合に、結局この問題というのはあまりにも日本においては野放しに――たとえば、疲れたらすぐにビタミンを飲みなさい。いま健康保険組合でも無料で配布しますね。血圧が高いと言ったら、血圧の下降剤をお飲みなさいといって健康保険組合が配布するのですね。別に血圧をはかるわけでもないし、診断をするわけでもない。少し血圧が高いのではないかという場合でも保険から配布された薬を飲む、こういう状態なんです。だから薬というものが即治療の技術である。こう思いがちなんです。こういう形のものを、われわれ政治家もそれを改善する方向に持っていかなければならぬが、厚生省の薬事審議会あたりではそれを一体どう処理しよう、その国民のものの考え方をどう変えようとしておるのか。それから製薬企業も、ただ薬が売れればいいということではいかぬと思うのです。これは日本の製薬企業が、非常に多くの中小企業でつくっておるのだから、そんな売薬をどんどん売ることを規制をしたら薬屋が倒れてしまう、だからそんなことはできないということになると、人間の命は死んでもいい、薬屋を守ればいいということにもなりかねない。これは逆なんです。だから、ここらあたりの考え方を、一体学界としてはあるいは薬事審議会としては、この薬禍の問題を契機としてどう指導をやろうとしておるのか、それから製薬企業としては、この問題にいかに対処しようとするのか。
  44. 佐々貫之

    ○佐々参考人 一言だけお答え申します。  まことに適切な御質問でありまして、そのことにつきましては、私も自分が歩いた道から非常に考えさせられて、見解も持っておるわけでございます。一体医療というものは、いろいろな面がありますが、やはり最近における薬物療法の進歩というものは実に目ざましいものでありまして、薬だけで病気がなおるというような印象を持つくらいに薬の価値が高く評価されておるのであります。しかし、いい薬ができれば、それは非常に効果があっても、その反面また非常な害意があるということがわかっておりますので、こういうことを国民全体に知らせなければならない。ちょうどこのかぜ薬の問題その他について、私どもの考え方ばかりでなく、厚生省の方々にも、きょうもここに薬業界でつくられておられます医薬品安全性委員会、その委員長さんの福地さんが隣においでになりますが、私はそういうことも個人的にお話をしまして、そうして先ほどから申します官学業一致してこの問題をどういうふうにしたらいいか、これを積極的に推進するべきである。それをどこがやるか。先ほどからのお話で、国会なんかで取り上げられまして、それを強く要望していただくならば、皆さまがそれに応じて立ってそのほうへ進んでいくんじゃないか。私は、ちょうどいい機会ですので、そのようなことを申し上げたいと思うのです。  ちょっと付言いたしますのは、最初私に尋ねられました際、私は二時半までと言いましたけれども、これは私の本業がありまして、それ以外のことをやるということは、これは本業を捨てるということでありますが、先ほどのお話のように、きょうの御答弁を申し上げるということが非常に重要であるならば、私のやることはまたあとでもできることですから、時間の済むまでおっても差しつかえないということだけちょっと追加しておきます。
  45. 武田長兵衛

    ○武田参考人 御質問の件でありますが、私、今日こうして出席をいたしておりますのは、日薬連の会長という立場で出席をいたしておりますので、その構成をしております。代表しておりますいろいろなものが非常に複雑多岐でありまして、私の立場は非常にものの言いにくいところにありまして、滝井先生の質問に対してずばりとお答えをすることができないのは非常に残念でありますが、私といたしましては、こういう企業の、このごろよく使われることばではありますが、社会性というものは、ほかの企業とは非常に違ったものと大きなものがあるだろうと思うのです。そういう観点から、あらゆる面での製品の安全性の問題その他の製品の問題につきまして、また企業を運営する立場から考えましても、十二分に企業の社会性を考えつつ運営をさるべき性質のものであると考えます。また、業界に対しても、そういうぐあいに私としては指導してまいりたいと考えておるわけであります。   〔小沢(辰)委員長代理退席、委員長着席〕
  46. 滝井義高

    ○滝井委員 それでは、佐々先生にちょっと伺います。前にすわっています小林さんが前に一回取り上げたことがあるのですが、新薬開発と人体実験の問題です。興和株式会社のイタリアのマグラソンが研究したキセナラミンの問題ですが、あれは新薬開発における人体実験の一つの異常な状態をわれわれに示してくれたわけですね。この問題について、薬事審議会としてはどういう見解をお持ちになっているのかということです。これが一つ。それからあの経験から日本の大学の――ができたときには動物実験と臨床実験をやらなければならぬわけですが、その場合の日本の大学における新薬の取り扱い、実験というのは、現状においてはどういう形で行なわれておるのか、臨床家の佐々先生、古いお方ですからたぶん全般について精通せられておると思いますので、その場合に、一体いまの大学というものが、そういう新薬の動物実験なり人体実験をやる場としての適合性の問題というか、十分それはもうやれる体制があるのかどうか。  それからいま一つは、日本の大学と製薬企業との関係ですね。これは製薬企業と大学の薬学部その他とのコネがあまりあり過ぎる、こういうことはもう少しすっきりして、変な関係がないようにしなければいかぬじゃないかという意見は、相当国会内部にもあるのです。この製薬企業と大学のコネの関係というものをやはり直さなければならぬと思うが、これについてはどう考えておるか。  それから、さいぜんもちょっと指摘しましたが、日本の製薬企業には中小企業が非常に多いわけです。これは私あとでお聞きしたいと思うのですが、この前もああいうアンプル禍があった場合に、それらの中小企業の救済のことを言われたんだが、その中小企業から、さらに関係のある薬店とか薬の販売業者が持っておったそのかぜ薬はどうなったんだろうか、その損害はだれが補てんしたんだろうかという心配があるわけですね。こういう問題が、やはりこの研究の頂上に立つ大学とも密接な関連が出てくるわけです。こういう点を三、四点、ひとつ一括して先生のお考えをお伺いしておきたい。
  47. 佐々貫之

    ○佐々参考人 ただいまの質問の第一でありますが、人体実験ということにつきましては大学その他でやるのでありまして、これはある薬の安全性が動物実験その他で十分明らかとなったときに人体実験をやるのであります。それは十分設備のあるところで、しかもりっぱなお医者さんのおられるところでやるのでありまして、まず危険はないだろうと思ってやるのでありますがそれでもいままで危険のあった例――御存じかもしれませんが、ペニシリンショックで、一番問題を研究されておりました北海道大学ですら、問題にならぬと思ってあんなに少量にさしてお医者さんが死んでしまったという例すらも――それは極端の例でありますが、しかし、やはり動物実験ではほんとうにその価値が決定的にならないから、動物実験で十分危険がなかろうという判断がついたならば、できるだけの注意を払って権威ある研究機関が引き受けてやって、まずいままでのところはそう危険はなかったと思います。特別な、特例の特例を除いてはないと思います。そういう意味で、人体実験をしない限り、これを広く用いるということはなかなかむずかしいのではないかと思います。  それから第二の医療者と薬業者との関連の問題であります。これも絶対に無関係と言うわけではありませんが、新しい薬なんかを実験してもらいますときには、できるだけ多くの方々、つまり実験をしていただきまして、そしてそれがどこまで一致するか、それによってその新しい薬の価値をきめるというのでありまして、一部にはどうも主観的な判断できくと思う、また一部にはやはりそうでないと思う、それで相反する性質が出れば、これは薬として採用できないものでありますが、ただ、大部分がきく、一部の人では少数にきくということであると、やはり危険がなければその薬は育てていくというのが常識ではないかと思うのであります。  第三の問題は、私と非常に関係が薄い小中企業者ということになりますと、私もどうもはっきりと答弁しかねるのでございます。
  48. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 河野、正君。
  49. 河野正

    河野(正)委員 佐々先生、時間の都合等もあるそうでございますので、二点だけ簡単にお尋ねをしてお答えをいただきたい、かように思います。  その第一点は、ことしの春、薬禍事件が頻発をいたしまして、国民そのものが薬事行政に対して非常に大きな関心を持ってきたことは非常に喜ばしいことであると思います。と同時に、その関心の中から、現在の薬事行政に対していろいろ疑惑を持ってきたということも私は否定することができない事実だと思うのです。そこで、先ほど来いろいろと論議の中にもございましたが、特に私ども関心を持っておりますのは、研究とその結果に基づきまする公正な判定という点が重要な問題だと思うのです。そういう意味で私どもも今日までいろいろ考えてまいったのでございますが、その際、ややもいたしますとこの業界の利害に基づいて学問の自由が侵される、あるいは国民の利害というものに非常に大きな影響を与えるような事例がないでもなかったのではないかという一つの疑惑が国民の中にあると思うのです。そこで私は一例だけを申し上げてみたいと思いますが、たとえばことしの四月五日、福岡で日本薬学大会が行なわれた。この際は、たまたまアンプル事件その他でこの薬禍事件というものが非常に大きな社会問題となっておりましたので、この日本薬学大会に対しましては国民もかなり大きな関心を持って、おったと思うのです。ところが、その際北海道衛生研究所の本間正一科長が「内服アンプルの安定性についての第一報」という報告をする、こういう予定になっておった。ところが、御本人はすでに福岡においでになっておったそうでありますけれども、突如として発表を中止された。このことは、当時たまたま薬禍事件について国民が非常に大きな関心を持っておった、そういう際でございますから、この発表に対しましても学界あるいは国民がひとしく関心を持っておったと思うのです。ところが、突如としてその発表というものが中止された。そういうことでさらに国民が、学界がひとしくこの研究発表の中止に対してこの疑惑を重ねてきたと思うのです。特にこのアンプル内におきます薬剤の効果というものは、だんだん時間が経過いたしますと効果が薄らいでいく。たとえば栄養剤のごときは、一年もいたしますと効果がその半分以下になるというふうな学説もあるようでございますので、この内服アンプルの安定性という問題は、これの及ぼす影響というものは非常に大きいわけでありますから、国民も学界もかなり大きな関心を持っておったけれども、そういう研究というものが中止された。そういうことを考えてまいりますと、何か国民の側からながめてまいりますと、これが一部の利害のために学問の自由というものを抑えた、こういうふうな印象を持った向きがないでもなかったのではないかというふうに考えるわけでございます。私どもは、やはり学閥の自由というものを守っていかなければならぬ、あるいは国民の生命というものを守っていかなければならぬという立場から、そういう事態というものは許すべき筋合いのものではないと思いますが、そういうことが現実に行なわれておるような印象を持っておるわけでございますので、この際、その辺の事情が明らかでございますならばお聞かせをいただきたいということが第一点です。  第二点は、先ほどの論議の中でもいろいろ話がございました。これは単にアンプルかぜ薬のみならず、たとえば錠剤によりましても、兵庫県ではカプセルのかぜ薬を飲んで死んだというような実例等も報告されておりますので、したがって単にアンプル入りのかぜ薬のみならず、錠剤、粉末についても規制の要があるべきではなかろうか。これらについては先生の薬事審議会において意見が具申された、そういうことも先ほどから公述の中に御報告があったようでございますが、それと関連をして、私どもが今日社会の実情を見てまいりましてしみじみ感じますことは、これは日本の国民性、それからまた、いまの薬務行政のあり方にも制度にも関連があると思いますけれども、いろいろな薬がたくさん出てくる。また、国民もそれらの薬を使うことが非常にお好きであるというような実情がございます。そういうような制度に便乗し、あるいは国民性に便乗したことだと思いますけれども、たとえばいろいろな強肝剤が出てくる、あるいはいろいろな強精剤が出てくる。それはいいことでございますけれども、さらにそれにしんにゅうをかけて、最近では強壮食とか、いろいろな薬事法の規制をはずして、そして薬だという美名に隠れていろいろ売り出します。これはたとえば、先般も私ども奄美大島に参りましたが、例のハブの強壮薬がたくさん売られておる。これは非常に精力がつくということであります。ところが、あれを見ますと強壮食と書いてあるんですね。そして結局薬事法の適用からはずそう、こういうような便乗的な一つの方式というものがたくさんとられたと思う。しかもそれらが、かなり私は国民に悪影響をもたらしておる点があるのではなかろうかということも考えるわけです。そこで、将来は錠剤の問題、粉末の問題、それからいろいろな強肝剤、強壮剤、そういう剤の問題もございますけれども、それに便乗するその他のもろもろの問題ですね、先ほど申し上げましたような強壮食というかっこうで、国民にはいかにも強壮剤でございます。ところがそれでは薬事法の規制を受けますから、看板だけは強壮食という小さな字で逃げておる、こういうことは弊害等もあろうかと思いますので、そういう点についても、いろいろ先先の一お手元で意見の開陳等が行なわれておりますかどうか。これは将来の問題でございますけれども、重要な問題をはらんでおりますので、この際、時間もございませんが、ひとつせっかく貴重な御意見をお聞かせいただければ幸いだ、かように思います。
  50. 佐々貫之

    ○佐々参考人 いま御意見を伺いましたことは、われわれも考えてもおりますが、またあらためて反省しなければならないこともあると思います。しかし、これを個々別々に具体的に御答弁申し上げるということは差し控えますが、要するにこのような幾つかの問題が派生して、たとえばいまのようなきかない薬をきくとか、ことに栄養剤でありますとまあ害がない、益のほうは、ほんとうのうそでなくても国民にうそを教えておるじゃないか、こういう印象を起こさせるものもありますので、今後この問題は、先ほどから私が主張しました、国会において国民の保健をほんとうにどうして増進すべきであるかという、その中央になる機関、官学一致した機関を設けてもらいたい。私は本来の職でありませんから、こういう仕事を引き受けたものですから非常に強く考えておるのでありまして、関係者には話しますけれども、私が積極的にやる立場でないものでございますから、やらなかったわけでございます。もう先ほどからのいろいろな御質問には非常に共鳴もいたしますし、また考えてもいましたし、いろいろ考えも持っておりまして、申し上げたいと思いますが、わずかの限られた時間で言いたいことをみな尽くすということは困難であります。  それから、ちょっとつけ加えますが、かぜ薬というようなことでも、われわれ医学的に言ってかぜ薬とは何か、かぜ薬と本来言えるものはない、かぜという病気はあるのかということすら問題になる。そうすると、かぜというものは医学的にどらか、しろうとはどう考えるか、あるいは医学的でも、お医者さんですらも違った意味に理解する。私は、かぜというものはこういうものであるというように定義したいと思っておる面もありますが、ここで専門以外の方に申し上げる限りでないと思います。まあそういうようないろいろな問題がございますので、どうぞ国会の方々が国民の保健のために、今度問題になりましたいろいろな点を総合的にとらえられて、これがいろいろ改善され、また増進されるようにやっていただきたいということを切にお願いしてやまない次第でございます。  研究発表というようなことは、私は一部には、つまり自分の意見に合わないから研究発表してくれるなということを間接に聞いたこともあり、そういうこともあり得ると思います。特に私は外国の偉い先生についておりましたが、その先生すら、実験をせっかくやって、それが自分の考えることに反するような成績が出ると発表しません。こういうことはたまにあり得る問題ではないかというように考えます。これはどうもあまり深入りして申し上げるのは、公の席では一そう遠慮したいと思います。
  51. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 それでは佐々参考人には、たいへん長い間ありがとうございました。けっこうです。
  52. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 それでは、先ほどの順序に従いまして、福地参考人から開陳を十五分程度でお願いいたしたい、かように思います。
  53. 福地言一郎

    ○福地参考人 私は技術者出身でございますので、主として技術的事項について意見を開陳いたしたいと存じます。  第一点は、先ほど武田会長が申されたことと関連がございますが新薬品の製造承認許可の促進に関する問題でございます。   〔委員長退席、齋藤委員長代理出席〕 この件につきましてはすでに武田会長から申されましたので、重複したことはできるだけ省きますが、最近独創的な新薬品を研究開発いたしますためには、非常にいろいろな試験、また多大の経費と長時日を要するのでございます。これの製造許可が申請いたしましてからおくれますことは、開発いたしました企業にとりましては非常につらい点です。そういう意味で、この人員増強その他適当な方法によりまして、薬務当局あるいは薬事審議会等においてこの製造許可の促進をお願い申し上げたいと存ずるのでございます。  なお、ここにいう、私の申しております新薬品と申しますのは、いわゆる製剤ではございませんで、先ほども佐々先生がおっしゃいましたが、薬事審議会にかかるようないわゆる独創的な新薬品のことを申しておるのでございます。  なお、これに関連いたしまして、これも先ほど武田会長がおっしゃいましたことと関連をいたしますが、さような新薬品につきましては、可及的すみやかに、でき得れば許可と同時に自動的に薬価基準に収載されまして、広く保険診療に用いられるようにしていただきたいと存じます。  なお、御案内のとおり、日本の特許制度は製法特許でございまして、物質特許ではございません。したがいまして、せっかく独創的な新薬品を開発いたしましても、すぐ同一物質が市場に競争品として登場してくるうらみがあるのでございます。しかも最初新薬品の製造許可を受けます場合におきましては、先ほど諸先生方から御指摘がございましたとおり、非常に大部ないろいろな資料を要するのでございますが、同一物質を次に製造許可を受けます場合におきましては、比較的容易にこれが許可を受けられるのが現状でございます。そこで、どうか薬務当局におかれましては、これらの実情を御勘案の上に、同一製品を申請される後発メーカーに対しましては、最初に新薬品を開発したところの努力というものをお考えの上で、何らか、たとえば時間的な差を相当つけられるとかなんとかいうことの御配慮が願えれば非常にありがたいと思います。  もっと希望いたしますことば、日本の現在の新薬の開発の実力と申しますか、さようなものは、国際水準には十分達しておると思いますので、でき得れば物質特許の制度が早く日本にも実施されるのが望ましいと思います。これは薬務行政と直接関係はございませんが、そういうことがあることを技術者としては希望するものでございます。このことが、同時に、国際的にいろいろなものが進出いたします場合にも非常に有利になる点と考えるのでございます。  それから第二点は、国家試験機関の充実を希望するという件でございます。業界といたしましては、国家試験機関の充実につきましては何度も陳情もいたし、また意見具申もいたしておるところでございますが、現在、私どもを指導監督すべき立場にあられるところの国家試験機関の現状は、遺憾ながらわれわれから見て満足とは申せないと思います。そこで、どうかわれわれとして安心して御相談もでき、また指導も受けられる、また、さらには技術員の養成等にも御協力願えるように、施設的にも人員的にも御拡充を願うことが望ましいと存じます。  第三には、安全性に関する問題でございます。その一は、新薬品につきましては、胎児に及ぼす影響の試験を行なうようになりましたことは当然のことでございます。そこで私どもは、日本のみならず、世界の各国ともこの線で、多少規制の方法は違いますが、行なっておるのでございまするが、医薬品のうちにはそのものの本質上から、また適用上から考えまして、当然この種の試験は除外してもいいような品目、たとえば制ガン剤の大部分は――制ガン剤と申しますのはガンを押える制ガンでございますが、これは胎児のようなものには影響を及ぼすことは当然であるわけであります。それから子宮緊縮剤その他幾つかの例があるわけでございますが、こういうようなものまでこの試験を行なわなければならないというふうに定められておりますことは、はなはだ学問的に不審を抱くのでございます。この適用除外の件につきましても、理由を付しまして二度厚生省当局にも陳情し、薬事審議会で御審議願うようになっておるのでありますが、いまだ結論は得ておられないようでございます。最も規制のきびしいといわれております米国においてすら、この種の薬剤につきましては、一般的規制は規制として弾力ある考え方でその適用を除外されておるような現状でございます。こういうような弾力的な考え方なり措置なりを当局においてお持ち願うことが望ましいと存じます。  それから次は、先ほども諸先生方から御指摘がございました臨床試験の問題とも関連があるわけでございますが、臨床試験成績は、その薬品の種類によりまして人種的に、あるいはまた環境的な差が出てくることは当然でございます。しかしながら、基礎試験のデータにつきましては、国際的に差がないと考えられるのでございます。科学的データはもとよりのこと、動物試験のデータにおきましても、現在は動物の種類というようなものも、その種類まで相当学問的に規制されておりまするので、このデータは国際的に通用するものと考えます。こういう前提に立って輸入医薬品というものを舞えまする場合に、外国ですでに信憑性のあるデータが発表されておる場合におきましても、再び同一実験を国内で要求されておりますことは、時間、経費その他の面において非常にロスが大きいものと考えます。また米国の例を出してまことに恐縮でございまするが、やはりFDAにおいてすらが規則は規則といたしまして、外国の信用のあるデータはそのまま認めて、あえて国内で再実験を要求することをいたしておらないというような現状があるわけでございます。これもこういう弾力的な考え方をケース・バイ・ケースでおとりいただくことが望ましいと思います。なお、これと逆に、すでに日本の信用のあるデータは、そのまま外国でも通用する例が欧州にはございます。  それから第三は、業界といたしましては、胎児に及ぼす影響の試験はじめ各種の副作用対策につきましても、従来、先ほど武田会長が申されましたが、最初は東京医薬品工業協会及び大阪医薬品n業協会の下部機関として発足いたしました医薬品安全性委員会、これは昨年から日本製薬団体連合会の組織下に入りまして、現在その加盟会社は三十数社に至っておりますが、そういうものをつくりまして、各種の副作用対策につきましても積極的に当局に御協力してまいったつもりでございます。WHOから指令のあったようなものその他につきましても、自発的にそういうものの適応症の変更その他を行なってまいったつもりでございます。さらに、先ほども諸先生方から御質問の中に出てまいりましたが、新しく開発する物質の有効性並びに安全性に関する薬品の医薬的検討につきましても、つまり臨床試験に出すまでにわれわれとしてどの程度のことはやっておかなきゃならないかということにつきましても、あるいは日本の現在の水準よりも少し高いと思われますような事項までも含めまして、そういうようなことを検討いたしまして、そうしてその案をつくりまして、日本製薬団体連合会の評議員会の議決を経まして、単にわれわれの委員会のメンバーのみならず、業界をあげてこういうような問題については真剣に取り組む前向きの姿勢を示しておるのでございます。それにもかかわらず、今回配伍薬につきまして唐突に配伍基準を示されたことにつきましては、そして今後これによって製造するんだというようなことになりましたことは、大きな困惑を感じておるのでございます。なるほど今回の基準には、有効性並びに安全性の明確な資料を添付すればこの限りでないということが示されておるのでございまするが、しからば今回の新しい配伍の基準というものが、どのような試験が行なわれ、どういう結果に基づいて定められたものであるかということについて、不審があるわけでございます。このことにつきましては、安全性委員会の席上で当局の方におただしいたしましたところ、数人の権威者の方々に御相談して医学的常識に従って配伍基準をまとめたものである、特にこのための試験は行なっていないというお答えがございました。ただいま御退席になりました佐々先生も、その席上にいらしたわけでございます。かりに一歩を譲りまして今度の基準に一応従うといたしましても、いままでわれわれが市販してまいりましたものも、一応、あるいはいままでの医学的常識からかもしれませんが、従って製造されてきたものでございます。そしてそれをもう一度念のために安全性の試験あるいは有効性の試験を行なうにいたしましても、今回の新基準に特に試験が行なわれていないのでございますから、したがって、われわれとしても、この比較試験を行なって従来のものも安全性をさらに確かめておくという場合におきましては、やはりこの基準になる試験法というものがまだ示されておりませんので、いわゆる、医学的常識の線に従ってこれを行なわざるを得ないわけでございます。そういうふうにして安全性を確認の上こういうデータを提出した場合、いわゆる医学的常識に食い違いがあって、一方的にこれが否定されるようなことになっては、これは時間もたいへんロスでございます。また、いろいろな困難な事情があるのでございます。かかることのないように御配慮を望みたいと存じます。と同時に、今後かような問題の起こりました場合におきましては、業界を御信用いただいて、また実情をおくみ取りの上事前の御協議を願い、たとえば基準の変更等につきましても、時期的にも内容的にも円滑に行なわれますよう指導措置をおとり願いたいと存ずる次第でございます。  一応私の開陳をこれで終わらしていただきます。
  54. 齋藤邦吉

    ○齋藤委員長代理 それでは本会終了まで休憩いたします。    午後三時二十一分休憩      ――――◇―――――    午後四時十八分開議
  55. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて参考人より御意見を聴取いたします。それでは泰道参考人にお願いいたします。
  56. 泰道三八

    ○泰道参考人 私は、エスエス製薬株式会社の社長をいたしております泰道でございます。  本日のこの社労委員会に、あまた御同業の方々がお見えになっていらっしゃるのでありますが、武田さん、佐々先生、それから福地さん、谷岡さん、これらの四方は、それぞれ団体の代表あるいは代表的方々でございますが、私の場合は、そういう団体の代表的といったような意味合いはございません。おそらくや過ぐる二月二十日の、例の突如として起こったアンプル問題――われわれもこの二月二十日の午後五時の発表は、むしろ青天のへきれきというような感じさえいたしたのでございます。とにもかくにも、大正製薬、エスエス製薬に近時かぜ薬アンプルの自粛を要望したということが厚生省側から御発表になったわけでありますが、かような関係ある会社としてのお呼び出しではなかろうかと御推察を申し上げております。  さて、それにつきまして、まず当社の立場というものを委員会の先生方にお聞き取りを願いたい。それは、今回例の問題になりました一連の薬物中毒死事件といわれる中の二つが、当社に関係があると称された問題でございます。  その一つは、例の伊東市の八代リツさんの問題であります。この八代リツさんが十四日ごろにわが社のエスピレチンを飲んだと称されるのでございますが、死亡は十八日でございます。先ほど来佐々先生あるいはその他の方々からピリン系の、また薬事審議会の御回答にもございましたが、ピリン系のショック死というようなものは即座に起こるものであるというような意味から考えまして、十四日に服用したと称される――これは称されておるのでございます。それから十八日に死亡をした。これについては、わが社といたしましては現地に人を派遣し、また静岡県庁の衛生部医薬課あるいは警察、あるいは死亡以前に四十時間ばかり医者を転々として四カ所たずねたという事実も、これは現地においてつぶさに調査をいたしたのでございますが、当社のエスピレチンによりましてこれが事故死亡の原因に直接なっておるということは、とうてい考えられないという結論に到達いたしております。  その次は、堺市に起こりました永田要さんの問題でありますが、当時朝日新聞におきましては、これは薬物中毒死と発表され、また大阪府の薬務の方の御発表を伺っておりますと、その後審議会において阪大の松村教授が御発表になっておる、これは御高承のとおりでありますが、この堺の永田要さんの中毒死と思われる事故は、これはそうではなくて急性肺炎である、したがって、かぜ薬アンプルによる死亡事故とは考えられないということも新聞に出ていたとおりであります。したがいまして、この二例につきまして当社の製品がいずれも関係がなかったということは、いわゆる経過並びにこの調査によりまして明らかであることをまず御報告させていただきます。  次に、これらに関連いたしまして、先ほどもいろいろと関連したお話がございましたが、私は当委員会において、もちろん厚生省に対しての要望書は、三月二十二日並びに五月七日の二回にわたりましてかような文書をお届けいたしてございますが、この事務的な問題は別といたしまして、とにもかくにもアンプルがいけないという御断定はちょっと早急に過ぎるのではなかろうか。はなはだ失礼でありますが、先ほど小林先輩も、薬の悪い、いいということはわかるけれども、多いとか少ない、速効性云々ということはわかるけれども、しかし、アンプルが悪いという理論がちょっと納得ができないというお話でございましたが、私もまさに同感でございます。このアンプルにつきましては、事実一昨年でございますか、当社の外地に派遣の連中が帰ってまいりましての報告によりましても、フランス、ドイツあたりでアンプル剤を使用しておる、こういう事実も聞いております。なお、この薬事審議会の答申に関しまして私どもは厚生省にお願いしてございますが、要するに薬そのものでショック死をしたんだということに関しましては、後ほどそうでなかったとおっしゃっていただくにしましても、その経過並びに処置について、詳細なる何かお知らせを賜わりたいということもすでにお願いをしてございます。これらは、われわれが今後薬業に携わる者といたしましては非常に重大なる、必要なる事柄だと存ずるわけでございます。  そこで、もう一つ非常にふしぎに思いますのは、私がただいま申し上げましたとおりに、薬物そのものに問題があるというのならば非常にわかりいいのでありますが、今日では、かぜ薬なるがゆえにアンプルがいけない、こういうところが、私薬剤師ではございませんが、非常に納得がいきにくいということでございます。なお、たとえば非常に粗野な引例で恐縮でありますが、卵酒的な薬でもアンプルへ入れてはいけないのかといったような感を深くするものでございます。  なお、アンプルという剤型が非常に進歩的ないい剤型である。たとえば、これらにつきましては服用に便利であるということが一つ、それから速効性ということはお認めのとおりであります。それから衛生的であるということは、これはもうひとしくどなたもお認めになっておるところと思います。それから不活性ガスが充てんできる。いわゆる先ほど北海道云々のお話がございましたが、これも私は事情を知りません。知りませんが、これの安定度は非常にいいということであります。それから検査が非常に容易である。それからアンプルの場合は完全滅菌ができる。こういうような特徴諸点を考えますときに、むしろ剤型としては進歩的なものじゃないか、将来これが禁止になるというようなことがあるといたしますならば、日日進歩していかなければならないこの薬業界におきましてまことに嘆かわしいことである、のみならず、私は、この薬業の歴史の上に一大汚点を残すのではなかろうかとさえ痛心いたすものでございます。かような意味から、また剤型といえばこれは当然常識でございますが、水散丸膏といわれております。水薬、それから散薬、丸薬、こう薬。この水薬というものが薬の剤型四つの中の一つであり、非常に古くからこれが使用されておるというような面を考え合わせますときに、今回、もしもこのアンプルのかぜ薬なるがゆえにアンプル剤はいけないのだということは、これはぜひともお取りやめを願いたい、かように存ずるのでございます。  結論は、このアンプルをおやめ願っては困る、どらか引き続きひとつこれをお認め願いたい。これはもちろん厚生省にもお願いしてございますし、また厚先省と事務的にお話し合いをするものであるという意味もよくわかりますけれども、社労委員会の先生方といたしましては、かような面についての御高配を賜わりますならば、われわれ事業者まことにもって幸いだと存ずる次第でございます。  それから、先ほど武田会長さんがちょっとおっしゃり、それから滝井先生からちょっとお話がございましたが、われわれはこれに対しての補償をお願いしたい。それから時間的に、また手続上で非常に時間を要するといった特別な御事情があるとするならば、どうかとりあえず緊急に特別融資の具体的措置をお願い申し上げたいということでございます。  いわゆる私ども、真実、薬によっての死亡は、当社に関する限り絶対にないという自信と信念を持っております。それからまた、これは逃げ口上とか、先ほどもちょっと先生方のお話もございましたが、そういう意味ではなくて、とにかく国家が示した基準であり、それを犯してない。それからまた、国家が許可したものであるから、それさえやっておれば人間が死亡してもいいのかというようなお話もちょっと先ほど出ておりましたが、さらさらさような意味ではなくて、とにもかくにも、われわれはその基準と法に基づきまして生産をまじめにやらしていただいて、それがなかんずく当社の場合は、これらに対する死亡の事実がないということを自信を持つに至りまして、私どもたとえ一社――あるいはエスエス製薬のみか、あるいはその他にも同じような無実の罪に泣く者がおるか、これは存じません。しかし、少なくとも当社に関しましては、如上の事情によりましてまさに無実の罪に泣いておる一人である。と申しますのは、申すまでもなく薬業界が非常に最近成長率が高い、あるいはもうかっておる、宣伝費や云々というお話がございましたけれども、薬業界も過去はそうであったかもしれませんが、現況、この三月期の決算、各社のがほとんど出そろっておりますので、これをごらんくださいますれば、薬業界もさような甘いものでないということをお認め願えると思います。なかんずく当社にとりましては、このアンプルかぜ薬の持つウエートが大きいために被害も相当出ております。かような面につきましては、国家の温情ある御措置を至急におとり願いたいということを、委員会を通じてお願いを申し上げたいのでございます。  それから次に、代替品の許可促進の問題でございますが、これも先ほど武田会長さんの詳細なるお話がございましたので、割愛さしていただきます。  それから次は、これはみずから省みてなんじの罪であるとおっしゃるなら別でありますけれども、薬業界は、現在四万人の開局者といわれておりますものと、それからわれわれチェーンメーカーと称されるメーカー、その他群小のメーカー全般が非常に不況ムードと申しますか、アンプル旋風以来こうむりました打撃というものは非常に大きいものでございます。これは泣くに泣かれぬ、破産に瀕する、あるいは被産するという業者も相当あることは当然でございますけれども、かようなときにおきまして、必要以上にこの薬に対する信頼感というものが非常に落ちておる。これに対しましての政府並びに国家御当局の特別の御配慮をお願いできぬものでしょうか。それじゃ具体的にどうなんだと、もしもお尋ねがあるといたしますならば、補償がきまった、そうしてまた配伍基準もきまった、あるいはまた、その補償がきまらないまでも、きわめて適切なる臨時資金措置がされたというようなことをマスコミを通じて発表される場合に、私は非常に経済的状況がよくなるということはあり得ないまでも、少なくとも薬に対する不信感というものはある程度必ず復元されるものと信じますがゆえに、どらか先生方に、私は、ぜひとも以上の、きわめて簡単に要約をいたしたのでございますが、これらについての切なる御高配をお願い申し上げたいと存じます。  以上でございます。
  57. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 次には、谷岡参考人にお願いいたします。
  58. 谷岡忠二

    ○谷岡参考人 私は主として薬事制度並びに薬事行政、こういう点につきましてわれわれの希望しておるところ並びにその理由等を申し述べたいと思うのであります。  今回のアンプル入り感冒薬の災いにつきましては、まことに遺憾なことであり、われわれ薬業に携わる者はこれを機会としていろいろ反省をし、またすべてを画検討する機会である、かように考えておりますが、さかのぼって日本の現在の薬事の制度並びに行政のあり方というものをもっと深く再検討し、またこれを改善していく必要があると思うのでございます。日本の国民国民性として薬を好む、薬好きの国民だということがいわれておりまするが、このことは、もう少しざっくばらんなことばで申しますと、薬を乱用する傾向があり、またその薬を使う態度に、薬という生命並びに健康をかけておるものをとるその厳粛さというものが欠けておるのではないか、かように私どもは見受けるのであります。国民大衆がかように薬を多用する、あるいは使いたくないことばでありますが、軽率に薬を使うという傾向、これはどういうところからそういう習慣が出てくるのか、少なくともその習慣の出てきた全部の原因でないにしても、現在の薬事の制度なり行政のあり方がこれを誘発し、あるいは助長しておるのじゃないかということがわれわれには痛切に感じられるのであります。すなわち薬というものが日用雑品と同じような観念で使われるということは、これはまことに遺憾なことでありまして、薬の特殊性ということを私どもは常に申しますが、薬の特殊性とは何か、それは一つには、本質的に薬というものは命と健康に直接つながるものであるという特殊性の本質のほかに、薬は、一般の需要者がその価値判断がみずからでき得ないものであるということがその特殊性だと思うのであります。他の飲食物やその他衣食住に関連する必需品は、その需要者がしろうとであってもある程度その価値判断ができ得るものであります。しかしながら薬だけは、これは例外もむろんございます。本職よりよくお知りになっておる方もありますが、一般に申しまして、この価値判断がみずからでき得ないというところにその特殊性があると思うのであります。その価値判断のできない国民大衆の方が、薬事の制度なり行政なりで、個々の具体的事象で薬を軽く見るという傾向は確かにあるのじゃないかと思います。具体的に申し上げれば、薬であるにかかわらず、スーパ一マーケットに行けば自分自身でどんどんかごの中にはらり込んで持っていける、宿屋に行って冷蔵庫をあければ薬がある、ゴルフ場に行けば薬がある、また全般ではありませんが、ある種の医薬品については、非常に大きな、内容がいかがかと思われるような広告も許されておる。また、はなはだしい乱売屋は、九割の値引きをしたという実例があるのであります。諸外国のように薬の値段が法律できめられていないで、乱売はやりほうだい、そういう現象を価値判断のみずからできない方々がごらんになれば、この薬というものを他の日用品と同様に軽く見て、厳粛に取り扱わないという習性が出てくることは当然だと思います。私は、行政や制度がこのような悪弊を誘致する一つの理由になっておる、こういうふうに思うのであります。このことが、ひいては過去においてあるいは覚せい剤がはやり、あるいは睡眠薬の遊びをする、いろいろな毒殺事件が起こる、こういうことを突き詰めて考えてみると、この薬を扱う上に厳粛性を欠いておるというところに脈絡した一つの原因があるのではないか、こういうふうに考えられるわけであります。こう考えますと、日本の薬事制度が、具体的にいまのようないろいろなことを許して日用雑品と同じような取り扱いを許しておるということ、ここに大きな欠陥があるので、これらは薬事法なりその他の行政方針においてこれを是正していって、国民大衆の薬に対する理解というものを是正していく必要があるのじゃないかと思います。そういう点についての薬事法なりその他の改正を私どもは心から願うわけであります。  そういたしまして、では日本の医療の制度をどういうふうに持っていくことが理想的であるかと申しますと、これはむろん、申し上げるまでもなく、すべての病気をなおすのに医師の診断により処方せんによって薬剤師がこれを調剤する、この方式は、これはもう理想的な方式であると思うのであります。日本の現在の医療法、薬事法でもその原則はきまっております。現在医師会、歯科医師会、薬剤師会の三師会は、力を合わせてこの方式に持っていくべく努力をいたしております。いろいろ努力をいたしております。また、保険関係の方々も、この理由は三師会とは多少違いますけれども、やはり医薬分業を実現すべきだという主張をされております。こういうふうに、すべてがこの理想の制度へ移行することを願っておるわけであります。  過去における厚生省から出された厚生白書を見ますると、その厚生白書の医薬分業の欄には、思うように現在この制度が伸びていない、これはもっと広くこの制度を周知せしめる必要があるんだということを厚生省自体がおっしゃっておりまするが、現実には、ではどういう周知方法を講じてくだすったか、それはわれわれ遺憾ながら看取できないのであります。厚生省には、国立病院等、みずからの管轄下にある医療機関もいろいろございまするが、それらに対してもこれらの制度の実現に向かっての何らかの手段なり方法を講じていただいたということは、残念ながら知り得ないのであります。病気をなおす上の理想の姿がそこにあることは、これは多くの人が理解されておるのでありまするが、現実問題として、では家庭における治療、大衆治療薬を全部廃止できるかというと、これは決してできないのであります。この大衆治療薬を廃止できないとするならば、その大衆治療の治療薬はいかようにあるべきかということが問題になるわけで、いまその安全性についてはいろいろお考えになり、本日もいろいろお話が出たわけであります。で、一挙にこの理想の姿の医療ができない、家庭における治療が必要だ、したがってこの国民大衆の大衆薬が必要だとするならば、その大衆薬のあり方というものは、安全性と同時に有効性というものを十分に考えられなければならないと思うのであります。明治の時代に、古く売薬は無効無害であるという方針がとられております。今日においては有効無害であるという方針になっておりまするけれども、もしこれが無効無害とまではいかないでも、有効性ということをあまりに無視して基準をおきめになるということになりますると、かえって国民に一回に一日分を飲むというような乱用の弊害を起こさせる素因になる、こういうことが非常に心配されるのであります。最近厚生省は、アンプル以外の錠剤、散薬等についてもこの許可基準をおきめになりましたが、これは先ほど福地参考人からもお話しになりましたように、その安全性ということは非常に重視しなければいかぬ。しかし、その安全性と有効性の限界点がどこにあるかという科学的の根拠あるいは試験というものは、おやりになったかどうか。これはおそらくおやりになっていないと思うのであります。先ほど佐々参考人は、医学的の常識だということをおっしゃいましたが、われわれは、さような点についても科学的な一つの根拠をはっきりとおつかみになって、おきめを願いたいと思う。あつものにこりてなますを吹くということばがありまするが、あつものにこりてなますを吹くのでなくして、あつものの安全性、それから有効性、そこの限界点に重点を置いてものをお考えにならないと、国民の経済の上からも、あるいは薬を乱用するという上からも、これは十分に考慮しておきめになり、また行政上にその方針を移されなければならないのじゃないか、かように存じます。  まだいろいろ申し上げたいことがございますが、時間が十五分になりましたので、一応これで私の発言を終わります。     ―――――――――――――
  59. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。小林進君。
  60. 小林進

    小林委員 私は、三人の先生からそれぞれ貴重な御意見を承りました。その三人の御意見は、それぞれの立場で自分たちの持ち味を生かして御説明をいただいたわけでございますので、私は順次三人の先生方に、それぞれの立場から御発言になったことについて承りたいと思うのでありまするが、まず順序といたしまして、第一番目に、ただいまお話しのありました日本薬剤師会の専務理事の谷岡忠二先生からお話を承っていきたいと思うのであります。  あなたのお話を承りますると、どうも日本の薬事行政がよろしくない、好ましくない、その好ましくない中心は、薬の扱いが日用の雑貨品ですか、そういうものと同じような形で扱われている、そこで国民の側も、消費者の側も薬というものに対する厳粛さというものがなくなって、軽率にこれを扱っている、こういうような御説明でございます。その点、私も全く同感でありまして、私はあなたの御意見はまことに貴重だと思っておるわけでございます。休憩前にも申し上げましたように、日本ほど薬を日用品雑貨のように販売をしている国もないようであります。薬の種類もまた世界一じゃないかというお話を承っていますが、これはいかがですか。何万種かあって、しかも一年に何千種類とつくられている。先ほどのお話では、二年九カ月の間に新薬の許可がまだ一つもおりていないという御不満もあったようでありまするが、年々例外はあるとしてそういう新薬がふえていくということであります。そこで、私はそういう薬を軽率に国民が使用しているということをどこかでチェックしなくちゃいけない。それは、一方には薬の尊厳さ、厳粛さ、あるいは有効性、危険性というものを国民に周知徹底せしめるということも必要でございましょう。しかし、一方には、先ほどから繰り返されておりますように、やはり大衆薬というものは、あなたのおっしゃるように有効性も必要だが危険性が少ないという、そういう裏づけというものがきちんとできていなければならないと思うのであります。その大衆に対する危険を防止するという立場から見て、私は休憩前に実は薬事審議会の会長さんにも来ていただいてお聞きしたがった。国立衛生試験所の所長さんにもお聞きしたかったのでありまするが、お見えにならなかった。結局あなたに御質問申し上げることになりますけれども、先ほどから繰り返しておりますように、日本の薬というものは、一応のデータ、先ほど申し上げました二、三の資料をつけて厚生省の薬事課へ出す。それが書類上完全であれば、そこで大半のものが許可になる。そこでチェックせられたものが薬事審議会に諮問をせられて、薬事審議会へ入ってくる。だから、その意味において、大半のものを許可する厚生省の薬事課というものが、やはり国民の健康を守るというこれが一つの窓口ですから、これがきちっとしたものでなければならない。ところが、世人いわく、あの薬事課というものはメーカーのひもつきじゃないかという。薬事課を定年でおやめになれば、その過半の者は薬屋へ横すべりになって、常務になったり部長になったり専務になったりして、その余生を薬屋のまあ総まるがかえで生活をせられる者が多いという。だから、この薬を許可する薬事課の役人に新薬の許可事務などをやらせるのは、ネコに魚の番をさせるのと同じじゃないかという、これが世論です。そういう形で出てくる新薬を、あなたのおっしゃるように、国民が薬を日用雑貨品を扱うような気持ちで飲むとすれば、まずそこに危険性があると思わなければならない。われわれは、薬というものがあなたのおっしゃるように生命に直接つながるものであるとすれば、その薬を許可する厚生省の薬事課というものの今日のあり方がそれでいいかどうか、この問題です。ひとつあなたに率直にお聞きしたい。あなたは、そういう厚生省の薬事課なんかおそれられる立場ではないと思いますから、あなたに率直にお聞きする。  それから第二点の、いま一つの窓口は、いまも言うように、薬事課の諸君が若干チェックしたものがいわゆる中央薬事審議会にいく。その中央薬事審議会というものの構成は中一体どうか。その構成は、私の調べたところによりますと、大学の名神教授あるいは古手の教授等で約三十名ぐらいで構成をせられておるが、その薬事審議会に諮問を受けて回ってきた新薬を、実際に審査し、決定をする者は、そのおえらい薬事審議会の名誉教授とかあるいは古手の先生方ではなくて、その下に大学の講師程度の力をお持ちになっておる六名の方々がいらっしゃる。その下部機構の六名の講師クラスの方々が、大体回ってきた薬を調査をしながら、あるいは決定をし、あるいは不認可をされる、こういう構成になっておる。しかもその六名の講師クラスの構成を見ると、臨床家というものが一人しか入っていない。あとは薬理学とか統計医学だとか病理学だとかいう、そういうことに携わっている方々が五名も占めている。こういうのでございまして、実にその内容を見てみると、そこも国民の健康や生命を安心して守り切れるという完全な窓口ができ上がっていないというのでございますが、この点はいかがでございましょう。われわれの生命に面接影響する薬を許可あるいは認可をする二つの窓口が、私が申し上げましたような形で、国民がほんとうに信頼するような形ででき上がっていないという、こういう世論の考え方に対して、あなたは一体どういうふうにお考えになるか、これをお尋ねしたいのであります。
  61. 谷岡忠二

    ○谷岡参考人 第一点の薬がいまどれぐらい出ておるか、これは私、はっきりと統計を記憶しておりませんので、あるいは間違いかもしれませんと思いますが、私の記憶では、許可を受けているものが十万極数、現在市場に流通しておるものが六万種類ぐらいであろうということがいわれております。これは私のお答えが確かな数字であるとは自信を持っては申し上げかねますが、さように私は記憶をいたしております。  薬務局あるいは薬事課と製薬会社とのつながりはどうか、何かひもつきのようなことがあるんじゃないか、こういうお尋ねでございますが、私は、さような忌まわしい意味のつながりというものはないと信じております。  それから、薬事審議会の構成に意見はないか。これは一つの審議会の構成でありますから、人それぞれによって、おのおの希望があると思います。それで、私どもも希望はございます。薬事審議会の構成に、もっと実務に携わる者をもう少し加えていただきたいという希望は、前々から出しております。さような点で、お尋ねの的確な答えになるかどうかは存じませんが、以上お答えいたします。
  62. 小林進

    小林委員 私は、薬務局の薬事課がメーカーと忌まわしい関係があるなどということをお尋ねしたわけではないのです。ただ、薬事課の方々が、お役人をおやりになって、そしておやめになるとき、あるいは途中でおやめになっていく方々もある。その方々の大半は、みな薬会社のほうへ就職せられているということは事実なんです。自分が将来身を託して余生を、生活を保障してもらうという、そういう薬会社の薬行政というものを監視、監督していく者が、一体客観的に公正な医療の監視行政ができるかどうか、薬事行政ができるかどうかということを、世人は非常に怪しんでおりますというのです。そういうふうな形を残しておくことは、あなたの言われる、現在の薬事行政はまだ不満足であるとおっしゃる理由の中の重大なる理由の一つにならないかというのです。そこで私は休憩前にも申し上げた。この際薬の認可、許可というものは、これはいまの薬事審議会と申しましょうか、これを諮問機関にしないで常置の機関にして、すべての新薬というものは、ここへひとつ持ち込んで、ここで客観的な、だれからもひもつきだなどという疑いの持たれない形の中で徹底的な研究をして、その上でそれを許可をする、認可をするというふうな制度に改めたらどうか。その薬事審議会というものが、あるいは佐々先生のおっしゃったように、国と学者とあるいは業者と三者共同出資の形のものでもいいし、三者協力の形のものでもいいけれども、個々の業者と結びつくような危険のない形でそういう強力なものをつくり上げることによって、ひとつ国民の薬に対する危害を防止する形をとったらどうかということを私はあなたにお聞きしている。いかがです。
  63. 谷岡忠二

    ○谷岡参考人 私のお答えの中に忌まわしい云々ということばがございましたが、そういう意味ではなかったということでございまするので、私はあらためて、製薬会社のひもつきというようなことはわれわれは認められないし、していない、かようにお答えを変えさしていただきます。  それから役人の方がその地位をおやめになって製薬会社へ就職される、これは製薬会社の業務というものを、仕事の関連性でよく御存じになっておるからそういうふうな現象が出てくると思いまするけれども、これは人の就職でございまして、われわれがとやこう言うことはできないと思うのでございます。いまお尋ねくだすったことばのニュアンスから私どもは解釈いたしまして、これが絶対にいけないということも申し上げられないし、それは無制限にやってもいいんだということも申し上げられないと思うのでございます。この辺のところは、ひとつそれくらいの答弁で御了承を願いたいと思います。  それから許可の機関につきましては、さような厳正にしてまた完全な機関ができれば、これはまあけっこうなことでございまして、われわれはその機関によって、われわれ小売り業者が安心して売れるような薬品の許可ができますることはわれわれとして望ましいことである、かようにお答えいたします。
  64. 小林進

    小林委員 あなたのおっしゃったように、役人がやめてどこへ就職したって自由であります。自由でありますけれども、私どもはそれを制限しようというのではないけれども、みずから薬行政を監督していこうという相反する立場にあった人がその相手方に就職していくというところに、いわゆる法律問題じゃなくて政治上、道義上の若干の問題が残るのではないかと思うのであります。まあこれはこのくらいでやめましょう。  それで、あなたのおっしゃったように、やはり薬が遊びの道具になったり、あるいは覚せい剤、麻薬剤あるいは毒物が簡単に手に入って、それが青少年悪化の一つの機会をつくったりしているということは非常に残念である。そのためにはやはり医薬分業というものを推進していかなければだめじゃないか、厚生省はそれに対して何らの熱意も持たず具体的な方策もやっていないじゃないか、そういうお話があったのでございまするが、その医薬分業に関連いたしまして、それを促進せしめない他の理由の一つに、私は、薬というものは価格が非常に不安定だ、一定をしていない、あなたも先ほどおっしゃったように、ときには九割も値引きをしている薬があった。世の中にいろいろの品物がありまして、それは春秋にデパートが大売り出しなどをやって、普通の価格の二割も三側も引いているものがありますけれども、私はそれらの大売り出しの品物にも比較して、薬ほど値幅の広いものはないのじゃないかと考えております。そこにも薬というもの、あなたのことばをもってすれば、生命に直接つながる薬というものを軽視したり、あるいはもてあそんだりする一つの大きな原因があるのではないか、かように考えられるわけでございます。またそうした薬は、小売り業者による乱売もありましょう、問屋筋による乱売もありましょう、あるいは倒産品の投げ売りもありましょうけれども、それはしばらく別として、やはり薬のメーカー自体がその薬の価格を大幅に左右している。これは休憩前にも申し上げましたけれども、こういうことが私は医薬分業というものを妨げ、正当な薬行政というものを妨げる根本の理由じゃないかと思うのであります。まあ大きな病院などに行きますと薬は入札でやる、年回の薬を入札でやる、薬メーカーはそういう大きな入札を取らなくちゃいけないということで、大きな犠牲を払って落札をする、あまり使わない開業医なんかには割引をしないで、一般できめた価格で売っていくというふうに、同じ薬でも、その値幅というものは使うところによって大きく違ってくる。これは国民の皆保険の立場からもたいへんなことでございまするが、医薬分業の点においてもたいへんなことであり、正常な薬行政を進める上においてもこれは私はガンであると思います。いかがでございましょうか、御所見をひとつ承りたいと思うのでございます。
  65. 谷岡忠二

    ○谷岡参考人 ただいま御質問がございました薬の値段の点でありますが、私は多くの国の薬事制度を見ますと、この治療に使う薬というものの値段を法律できめておる国が多数あるのであります。法律でこの薬は幾らで売り、あるいは幾らの利潤を取って売るということをきめておる国が、ヨーロッパには相当数あるのであります。そこまでまいりますと、この薬の値段というものははっきりと安定もいたしまするし、また一般大衆が薬を見る目も、あるいは薬の値段に対する安心感を与える点からも、この値段というものは私は法定であるのが当然じゃないか、かようにふだんから考えております。こういう点は、日本の薬は法律では全然扱ってくれない、そこでやむを得ず、現在小売り業者と卸売り業者とメーカーが三者集まりまして、これはこういう利潤を取って小売り屋は売ろう、卸屋はこれだけの利潤を取るというような、安定協議会とか申しておりまするが、さような仕組みで自主的にこの薬の値段の安定をはかっておるというような状態でございます。
  66. 小林進

    小林委員 私は、あなたのおっしゃった薬の価格を法律できめておる国があるという、その御意見は非常に貴重であると思う。しかし、日本の現存の自由主義経済の中でそこまでいくことはあるいは困難でありましょうし、また行き過ぎという非難を受けることもあるかもしれませんけれども、ただしかし、わが日本のように薬の価格に対しては全く国も厚生省も何らの権限はない、これは野方図であります。何らの権限はない、少しもこれをチェックすることができないという、こういう徹底した放任主義というものは、むしろ消費者、国民を守るゆえんではないと考えておる。何らかやはり監督官庁が若干のチェックをし、干渉するような制度に改めるべきであると思うのでありまするが、この点いかがでございましょうか、私の考えは間違いでございましょうか。
  67. 谷岡忠二

    ○谷岡参考人 その点はそのとおりでございます。私もさように考えております。
  68. 小林進

    小林委員 まことに貴重な御意見を承りまして、ありがとうございました。  私は、厚生行政のもの足りなさでひとつあなたにお伺いしたいのは、価格の問題について厚生省が野放しで何らの権限を持っていないということと、いま一つは、先ほどあなたは、薬の有効無害ということが非常に必要だ、今日の進歩的な医療行政においてはこれが必要だということをおっしゃったのでありまするが、近代の学説の中に、いまのいわゆる強肝剤のチオクト酸、あるいはグルクロン酸、いわゆるグロンサンというもの、それからアスパラギン酸、こういう強肝剤は有効ではないという意見が、一九六一年、二年、三年あたりから出てきておるのでございますが、これは相当世界的な世論になっておるようでございます。こういういわゆる強肝剤は有効でないという学説に対して、あなたはどのようにお考えになっておりますか。
  69. 谷岡忠二

    ○谷岡参考人 ただいまの御質問のような、有効でないという説が一部にあることを私どもも聞いております。しかしながら、これの学問的な見解は、私がお答えすることは適当でないと思います。それは、適当な学者の方からお答えを願ったほうがいいのじゃないかと思います。ただそこまでさかのぼって有効か有効でないか、あるいは無害か有害かということに対して、小売り薬業者の立場としましては、厚生省なり先ほど先生がおっしゃった公正な許可機関、そういうところに徹底的な調査を願い、研究を願い、そしてこれは安心して売れるものだというものを市場に出していただきたいということで、守備範囲が小売り業者、卸業者とはもっと前の守備範囲になりますので、また私の立場から言って、このお答えは学者の方からお答えを願いたい、かように思っております。
  70. 小林進

    小林委員 私は、わが日本の国民の健康に対する薬行政の直接の責任者は一体学者なのか厚生省なのか、それがどうも明確でないのでありまして、この点が私は非常に不満なんであります。  厚生省のある役人が言ったというのでありますけれども、薬の行政をもっと厳格にやったらどうかということに対して、そんな厳格なことを行なったら製薬会社がつぶれてしまうじゃないかという発言をしたという話もあって、まるで厚生省の関係者は製薬企業を保護するということのみに専念をして、九千万国民の健康、福祉を増進するということを忘れている。国民不在の医療行政であるということが言われているものでありますから、いま申し上げました世論においては、そういう強肝剤等は効力がないのだ、むしろ肝臓の弱い人等にそういう市販されている強肝剤を飲まして、病気を促進せしめたという例だけが多過ぎて、危険がかえって増大しているのだ、こういう学説が出ているにもかかわらず、それらの学説は国民の間には一つも反映してこないで、そういう強肝剤が朝となく晩となくテレビを通じ、ラジオを通じ、新聞を通じて一生懸命報道せられている、この世相のあり方、これで一体いいのかということを私は聞いている。いいですか。その薬が有効か無効かということに対して、厚生省の薬務局長等はこういう発言をしている。これは去年の二月二十日の社会労働委員会における発言でございますけれども、強肝保健剤について学者の中に効果を否定する者もあり、あるいは確かにきくという者もあり、きくきかぬの問題は学問上の問題であって、医薬品の許可の立場としては、二カ所以上の研究機関で最低六十例以上の例で効果がはっきりしているということであれば許可せざるを得ないし、また許可すべきであると考えている、有害は別として、きかないということは厚生省としては何とも言えないのである、こういう答弁をせられて、薬に関する限りは、先ほども言うように、価格の面については厚生省は関係がない。業者のかってほうだいの価格でお売りなさい。われわれの関係することじゃない。値引きしたかったら何ぼでも値引きしなさい。また有効か無効かという点に、至っても、その薬がきくかきかぬか厚生省は関係ございません、薬事法にきめられた規定どおりの手続さえ踏んでいらっしゃれば、それでもう私どもの任務は終わりでございます。こういう答弁だし、こういう姿勢であります。こんなことで一体国民の健康が守られるのでございましょうか、こういう厚生行政、薬事行政でよろしいのでございましょうか、先生にお伺いいたしたいと思います。
  71. 谷岡忠二

    ○谷岡参考人 いまの機構で薬務行政官が許可、不許可をきめるとすれば、学者の意見を聞いてきめるということ以外には方法がないわけでございます。そこで、そのきめ方を、国民のほんとうの利益のために、先生がおっしゃったように適正にきめるとするならば、いまのきめるルートなり方式なりというものを変えていくよりほかに方法はないと思います。その変える方法はいろいろございましょうが、いまのルートなりいまの機構の上においてきめていくとすれば、公正なる学者の意見を聞いてきめていくということ以外には方法はないのではないか、さようにいま私は考えております。
  72. 小林進

    小林委員 わかりました。あなたのおっしゃるように、いまのきめ方でいけば、そういう新薬を申請するいまの申請の資格等も若干変えて、最も有力な第三者的機関、そこへ集まる学者の意見等に従ってその有効、無効を判断していく以外にはないというあなたの御意見には、私も賛成であります。  あまり時間がありませんから、まだいろいろお聞きしたいことはありますけれども、一応あなたについては終えまして、次に私は、エスエス製薬株式会社社長の泰道三八先生にお尋ねをいたしたいのでございますが、今度のアンプル禍によって相当多数の人たちの生命が奪われたわけでございます。その中で、あなたの会社で製造せられる薬を飲んだ方もいま御説明のとおり二名あったわけでございますが、いまのあなたの説明によりますと、あなたの会社でおつくりになった薬に関する限り、それが絶対に死に至らしめたものではない、確信がある、こういうふうに御説明になったわけでございます。そういたしますと、いま厚生省は、薬事審議会の答申に基づいて、かぜのアンプル薬は全部製造を禁止せられたわけです。あなたの確信を持って言われた、その事故を起こしていないというあなたの薬も、やはり一緒に禁止をされたのかどうか、その点をあなたは快く了承せられておるのかどうかをお尋ねしたい。
  73. 泰道三八

    ○泰道参考人 そのとおりでございます。
  74. 小林進

    小林委員 私はしろうとですから、どうもわからぬのでありますけれども、このかぜ薬については、厚生省が基準というものをお示しになっている。その基準の範囲内において、皆さん方はいろいろ配伍をしながら薬をおつくりになる。そういたしますと、アンプル剤というものが何百種類あるか私は知りませんけれども、みんな厚生省の基準の中にあるのでありますから、大同小異と見て差しつかえないと思うのでありますけれども、やはりその基準の中においても、なおかつそれぞれの製薬会社によってかぜのアンプル剤の内容がそれほど違うものかどうか、お聞かせを願いたいと思います。
  75. 泰道三八

    ○泰道参考人 先ほど申し上げましたように、私、薬の内容についてはよくわかりません。並びに、他社の問題はなおわかりません。けれども、常識といたしまして多少の相違はあると思います。
  76. 小林進

    小林委員 私どもこうやって参考人に来ていただくからには、しろうとはしろうとなりに若干の研究はしてみたのでありますが、あなたのところでおつくりになっているかぜ薬は強力エスピレチンというのです。あなたも言われたように、堺市浜手諏訪森町の永田要さん、三十一歳、この方は阪大法医学教室で松倉豊治教授執刀で解剖がせられている。肝臓、すい臓、ひ臓などの解毒機能に異常が認められるので、さらに精密検査の要があるというふうに発表されております。これは中間報告で、その後の結果はわかりませんが、あなたのお話によると、その後の最終的な結論においては、あなたのこの強力エスピレチンによって死んだものでないという判定が出たという御報告でございました。そのほかに実はかぜ薬で死んでおりますのに田辺製薬のカプセルで死んでいるのがある。あなたのほうのは、そのほかに東京中野区新山通一の四十四小泉挺三郎さんの奥さんのさつきさん、四十四歳で、エスエス製薬のアンプル入りかぜ薬エスピレチンの二十CC一本を飲んだところ、脈が早くなり、呼吸困難になった。近隣の中野署パトカーがさつきさんを収容して三の八十一、第一病院に運び、安静にしているうち十分ほどで回復した。これは御存じありませんか。いまの御報告にありませんでしたな。
  77. 泰道三八

    ○泰道参考人 それは死亡しておりませんが、聞いております。しかし、私のほうは死亡事故だけを重大視しております。
  78. 小林進

    小林委員 これは十分ほどで回復したということになっておりますので、あるいはケース外の問題かもしれません。第一病院の中川医師、三十八歳の話だと、さつきさんは過敏性体質なので、軽い中毒症状を起こしたのではないかと言っている云々ということで、医者の判定が出ておるようであります。  そこで、あなたのほうの薬とこの問題で一番よく死んでいる大正製薬の薬とは製法が違う。そこで私は、実はこのアンプルで死んだ薬を製造いたしております直接関係がある大正製薬だとか、あるいは田辺製薬、あるいは杏林製薬というような、直接その会社の薬を飲んで死んだと報道せられる製薬会社の方々をここへ参考人に呼んでいただきたい、そうしなければ、あなただけの発言では比較対照できないのであります。これは私はやかましく委員の方にお願いしたのでありますけれども、残念ながら私の希望はいれられなかった。いれられなかったのでありますが、ここで私の調査によりますと、大正製薬の薬の中にはパブロンとテルミックという、どこの会社の製品にも入っていない一つの要素が含まれている。これがすなわち中毒死、ショック死を起こした原因ではないかという説をなす学者もいるわけであります。この点は、あなたは技術屋でないとおっしゃいましたけれども、いかがでございましょうか。
  79. 泰道三八

    ○泰道参考人 聞いておりません。
  80. 小林進

    小林委員 私の調査によりますと、アンプル感冒薬による死亡の問題も、結局において、取りざたされた薬のうちほとんどがパブロン、テルミックという一つの会社の同一処方のものに落ちつきつつあるのではないか。これらの薬は昨年も事故があったと聞いているし、また二月二十四日付東京新聞によれば、群馬県下で、ある会社の同僚八人が一本ずつこれを服用したところ、その一人が死亡、数人が悪感症状を起こしたのである、こういうことであります。これはどうでございましょうか。私はこれは重大問題だと思っている。ほんとうに厚生省の基準に基づくかぜ薬のアンプルが全部死亡事故の原因となっているというならば、厚生行政でそれを一律一体におとめになるのもいいだろう。しかし、いまのあなたのおっしゃるように、同じかぜ薬のアンプルでもわしの会社のは絶対影響がないのだ、人殺しはしていないのだということならば、私の研究に基づく特殊の会社の特殊の薬を含有したその会社の薬だけが人間をして死に至らしめたのである、こういう一つの理屈も成り立つわけでございますが、これは日本薬剤師会専務理事の谷岡先生、いかがでございましょうか。ここまでいきますと、あなたのほうは御答弁御困難でございましょうから。
  81. 谷岡忠二

    ○谷岡参考人 ちょっといまの御質問を聞き漏らしておりましたので、お答がしにくいと思いますが……。
  82. 小林進

    小林委員 いま一回繰り返しましょうか。同じくアンプル入りかぜ薬でもみんな製法は異なっています。某製薬会社のいわゆるパブロン、テルミックという同一処方に基づいたものだけが、人の生命を奪い、死に至らしめている。こういうことなのであって、私どもはこのアンプルのかぜ薬を追及していくときには、エスエスさんの薬も死に至らしめているじゃないか、こういうふうに判断をしていた。ところが、いま御証言になられて、私のかぜ薬は人を殺しているのではないのだ、何も事故を起こしているのではないのだ、事故を起こしたのはいわゆる他の理由に基づくものであるのだ、こう言われているとすると、いま私が申し上げているその名前のものだけが、アンブルのかぜ薬として人を死に至らしめたという結果になっているのではないか。これをあなたはどうお考えくださいますかということをお尋ねしているわけであります。
  83. 谷岡忠二

    ○谷岡参考人 当時におけるアンプルの製造、発売の自粛というものは、メーカーさんの自発的な行為として形式がそういう形式になっております。その当時、厚生省がもしこれを直ちに禁止せよという命令であるとするならば、そこに当然その問題は起こってこなければならぬと思うのです。しかしながら、メーカーさんが同種製品としてみずから国民の安全性を考えて自粛的にやめられるということは、ちょっと批判のらち外にあるのではないかと、さように考えます。
  84. 小林進

    小林委員 そういたしますると、あなたは、いわゆる有害のかぜ薬のアンプル剤も、あるいは有効無害のアンプル剤も、この際一律一様に禁止をせしめるべきである、その禁止をする理由は、厚生省の強制ではないのである、業者それぞれ個々に自己の自由意思に基づいてこの際製造はやめましょうと言って遠慮したんだから、それはそれでよろしいじゃないか、何もはたがとやかく言うべき理由はないではないか、こうあなたはおっしゃるのでございますか。
  85. 谷岡忠二

    ○谷岡参考人 私の申しておりまするその自粛はその当時の自粛で、今日禁止する、今後許可をしないということへの批判とはまた別になるわけでございます。当時は、とにかく国民の中の九人の人が飲んで死んだ。まだその真因は――その当時は解剖もいたしておりませんし、これは業者は一種の災害にあったような気持ちがしておる。そこで、国民の何人かがこれを飲んで死んだとするならば、同種のものにそのおそれがありとして自発的に自粛、製造、発売を禁止されたということに対して、私はそれがいいとか悪いとか言うことは、批判のらち外にあるのではないかということを申し上げておるわけでございます。
  86. 小林進

    小林委員 それでは、次に問題をかえてお尋ねいたしますけれども、先ほども佐々先生にお尋ねをいたしましたように、アンプルのかぜ薬はこれこれの理由で一様に禁止すべきであるという答申をお出しになった。この答申は、あなたは一体妥当であるとお考えになりますか。これは、あなたがこの中では一番薬のほうで専門のようでいらっしゃいますからあなたに敬意を払ってお尋ねするのでありますから、どうか悪い感情をお持ちにならないで私にお聞かせを願いたいと思うのでありますけれども、みんな一様にそのアンプル剤は禁止すべきである、こういう答申をされたのは、私はややこの答申に間違いがあるのではないかと感ずるのでありますが、いかがでございましょうか。
  87. 谷岡忠二

    ○谷岡参考人 答申の事実にはおそらく間違いはないと私は信じます。その事実に基づいて禁止をするということについては、これは一〇〇%それが適当かどうかということについてはいささか考え方もあるわけでございまするが、しかしながら、この安全性と有効性の限界が学問的にはっきり出ない今日において、これを禁止するということもやむを得ないのじゃないかと私は考えております。しかし、佐々先生の言われた、溶液になったものが吸収が早いとか、あるいは製造が多くなったから過敏性が多くなったとかいうことに対する事実には間違いはないと思いまするけれども、私の持論からいえば、薬は、安全性というものは確保しなければならぬが、でき得るだけその有効性を保持して、これを製造、販売する者がその用法やその他について十分な注意をして安全性を守っていくことが望ましいということは、一般的にさように考えておる次第であります。
  88. 小林進

    小林委員 私は、あくまでも国民の立場を守るために、害のある薬というものを市販から追い出すよう、その検査あるいは許可の規定というものは厳重にしてもらいたいということは休憩前から繰り返しておりますけれども、しかし、有効にして無害なものそのものをも、何かひとつ便乗いたしましてあれもこれも一緒にして追放するというような、そういう雑な医療行政もまたこの際大いに自粛、反省をしてもらわなくちゃならないと思うのであります。私がいま泰道さんにお尋ねしている問題はその後者なんであります。ほんとうに害のある薬ならば、泰道さんのところから直ちにやめてもらわなくちゃならない、廃棄をしてもらわなければならないが、確信を持って私のほうの薬は無害であるとあなたはおっしゃるなら、その無害なものを一体何の理由で一律一体に禁止をされるのか。その禁止をされるところにこれまた一つの無理があるのではないか。私はそういう感じを受けて、それをお尋ねしているわけです。泰道さん、いまの話によれば、あなたは自粛的に製造を禁止せられた。将来もその禁止せられたことに満足ですか。厚生省が一律一体に薬事審議会の答申に基づいてその基準というものを改定せられた、その改定にあなたは一体満足なのかどうか、お聞かせを願いたいのであります。
  89. 泰道三八

    ○泰道参考人 先ほど申し上げましたとおり、当社といたしましては、アンプルはやめる必要はないのではないか、しかし、あの社会不安をかもし出した当時におきましては、厚生省の御要請らしきものがあって、私のほうはそれにおこたえして、中止並びに製造の禁止をいたしたのであります。それに加えまして、全国八千軒ございますが、その会員と称する株主、薬局でございますが、その薬局から全部回収をいたしたのでございます。そしてそれらの大多数のものは、埋め立て地でブルドーザーで破壊、廃棄をいたしたのであります。ところが、そのさかのぼりますこと三月二十日に、どうかアンプルは禁止の方向へは持っていかないでほしいということも陳情してありますし、また五月にわれわれ直接薬局に販売いたしますもの四社が集まりまして検討を加えましたが、どうしても納得がいかない、したがいまして、これは厚生省へお願いしようということで、五月七日付をもちまして厚生省大臣あてに要望書として提出をさせていただいております。  以上でございます。
  90. 小林進

    小林委員 そうすると、あなた方は、いま厚生省が「かぜ薬の配伍、効能基準」といって局長通達をお出しになった、御存じでございましょう、その通達に対しては了承できないということでございますが、その通達の変更を求めて運動をせられておるのか。そういうアンプル製造業者として、厚生省の通達に満足できないからそれを改めてくれという業者は、一体どれくらいいらっしゃいますか。
  91. 泰道三八

    ○泰道参考人 業者の数はわかりません。しかしながら、新聞紙上で散見いたしますところでは、日本薬剤師会はこれに対して強い反対の意見を取りまとめたというのを見ております。われわれはやはり同感でございます。
  92. 小林進

    小林委員 私はここで一つすげないことを質問をいたしますけれども、これは根拠があるわけではありませんが、こういう機会がありませんから、つとめて歯に衣を着せないで何事も質問させていただきます。お気にさわったらひとつお許しをいただきたいと思います。  このアンプルを製造いたしております会社は主として中小企業である。製薬会社の中の中小の企業者である。その中小の企業者に対して、大きなメーカーはそれほどアンプルというものだけに依存した営業をやっていない。大正製薬は別でございましょう。上原正吉さんは別でございましょう。多額納税議員の第一位にのぼっておる。十年ばかり前までは、やはりあなた方と同じような中あたりの部類にいられたのが、ぐっと伸びてきて多額納税議員の第一位にのぼられたが、それは別といたしましても、世にいう五大メーカーとか七大メーカーというような方々は、あまりアンプル剤というものに営業を依存しておられない。中小がこのアンプル剤を中心にして非常に薬業界に進出をしてきておる。なおかつ、それらの方々がチェーン組織で特約店をつくりながらぐんぐん伸びて、大メーカーの足もとを脅かしつつある。ここでひとつ大メーカーが中小メーカーの進出を抑えるために、厚生省の薬務局と結託いたしまして――これはどうもことばとしてはあまり適当でないのであります。私はこういうことを言いたくないのでありますけれども、先ほどお断わりしたように、歯に衣を着せないでものを言うことをお許し願いたいのでありますが、結託をして、そしてアンプルを一律に禁止することによって中小のチェーン組織を一挙に紛砕してやろうじゃないか、こういう形でこの無理なアンプル禁止の局長命令というものが出されたのである、こういうような投書やあるいは意見というものが、それとなしにわれわれの耳に飛んでくるのであります。この点はいかがでございましょう。率直にお答えを願いたいと思います。
  93. 泰道三八

    ○泰道参考人 全く聞き及んでおりません。
  94. 小林進

    小林委員 お聞きにならないでいれば非常にけっこうでございますが、それならばいま一度繰り返しますが、先ほどの薬事審議会の佐々委員会に出されたあの答申の内容であります。アンプルは水溶性で吸収率が早いわけだからいけないのであるというあの答申を、あなた方はしごくごもっともだとお考えになっておりますか。その答申に基づいて厚生省が、その基準の内容も越えて、そして新しい指令をお出しになったものも、あなたは当然であるとお考えになっておりますか。
  95. 泰道三八

    ○泰道参考人 先刻申し上げましたとおり、ややこれには無理があるんじゃないかと私自身は考えておりますと同時に、したがって陳情書となったわけでございます。
  96. 小林進

    小林委員 お尋ねいたしますが、厚生省の通達の中にこういうことが書いてある。厚生省は、五月十日「かぜ薬の配伍・効能基準」について、局長通達で明らかにし、この二月以来のアンプル事件に、一応の終止符を打った。その内容は次の通りだが、なおこの基準の範囲を越えるものは、配伍理由や安全性について、明確な資料が添付されている場合は、これを認める方針である。この通達についてあなたは御意見がございませんか。これは三共株式会社常務取締役福地言一郎さんに、この通達に対する御所見をお聞かせ願いたいと思います。
  97. 福地言一郎

    ○福地参考人 先ほど私が陳述の中で申し上げましたように、今回の基準の改正はまことに唐突でございまして、そのときに、私どもの委員会で当局の方並びに佐々先生に、この基準がいかなる根拠に基づいていかなる試験が行なわれてつくられたものであるかということをお尋ね申し上げましたときに、医学常識に従ってこれをきめたものであって、特にこのための試験は行なわなかったという御返事があったわけでございます。そこで、いま小林先生が御指摘になりましたとおり、私どもも、従来出しておりますものが、決して有効性においても安全性においてもそう劣っておるものとは考えておりませんので、いわゆる別添資料をつくるためにはどうしてもそこに試験が必要でございます。その試験をするためには基準の試験法が必要であるので、その試験をお尋ねしたら、その試験法はまだ確定してないということでございますので、私どもも、医学的常識に従いまして安全性、有効性の試験をこれから行ないまして、それからあらためて資料を提出したい、こういうことは先ほど申し上げたとおりでございます。
  98. 小林進

    小林委員 承っておりますとだんだん奇々怪々なんですね。私はまだ申し上げないいろいろな資料を手に入れておりますけれども、委員長のほうで時間がないからきょうはこの程度でやめておけと言われる。私の疑問はどうしても氷解できないのでありますが、きょうのところは、残念ながらこれくらいにいたしまして他の質疑に譲りますけれども願わくは委員長薬務行政というものは、私どもが想像しておりましたよりもふしぎなことが多いようでありますから、いずれまた日を改めまして、もう一回こういうことを究明いたします機会を与えてくださることを要望いたしまして、私の質問を一応終わりたいと思います。
  99. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 滝井義高君。
  100. 滝井義高

    ○滝井委員 順々に簡単にお聞きしていきますが、まず第一に福地さんにお尋ねいたしたいのです。  新薬品ができたら、すみやかに許可と同時に薬価基準に登載せよという御意見は、全た私も賛成です。現在の薬務行政というのは、保険行政に毒されて、そして自主性を持っていない、こういう点は非常によくないことです。これは私は率直に言って、薬務局長が法学士だからだと思うとしょっちゅう言い続けてきている。いわゆる学問的権威を持った自信のある薬務局長じゃない、こういうところに問題があるのだ。昔は薬務局長は薬剤師がなっていたわけです。現在は法学士がなっているわけです。こういうところにも問題があるのだということを言って攻め立てておるわけですが、この点については全く同感です。問題は、いま一番大きな問題になっている薬価基準のきめ方について、製薬業界というものは一体どういう考え方を持っておるのかということです。これほど薬の問題が大きな問題になっているときに、製薬業界の一番大事な、この死命を制せられる薬価基準の問題について、何も言わぬというのは問題だ。さいぜん武田さんの御意見の中にもちょっと御意見がございましたけれども、年一回の大改正二回の追加修正でいままでやってきているのだから、この部分を無視しないでやってくれという、これだけのことなんですね。それで、薬価基準が国会でもこれほどの大きな問題になって、国民の中にも薬価基準を何とかしなければならぬという論が出ておるときに、製薬団体が何らこれについて具体案がないということは、非常に私は問題じゃないかと思うのです。これについて、何かいま薬価基準というものはこういう点に製薬企業の側から見たら矛盾があるので、こうしたらどうかという御意見はないかどうか。
  101. 福地言一郎

    ○福地参考人 私、先ほど申し上げましたように、実は技術を担当しておりますために、ただいまの御質問に対してあるいはとんちんかんのお答えになるかもしれないのでございますが、私ども技術者の立場といたしますれば、先ほど申し上げましたように、苦労して開発した新薬はできるだけ早くこれを薬価基準に登載していただきたい、そうして、保険診療に広く使っていただきたいというのが私どもの考え方でございます。薬価基準のきめ方等につきましては、先ほど武田会長も――日薬連の中の保険薬価研究会その他専門の機関で検討しておりますので、私そちらのほうをタッチしておりませんので、詳細存じないためにお答えできませんことをはなはだ遺憾に存じます。
  102. 滝井義高

    ○滝井委員 一番大きな、一番大事な問題がどうも武田会長にも答えていただけないし、あなたも答えていただけないので非常に残念ですが、実はこういう問題を製薬企業が勇気を持って答えることが必要なのです。そうでないと、薬価基準というものをしろうとが今度はやることになる。こういうところに、日本の専門技術者が専門技術者として尊敬され得ない原因が起こってくるわけです。だから、やはり薬を製造されておるならば、いまのこの皆保険制度のもとで一体薬価基準はこうきめるべきだという専門的な意見を、専門家の中から、確固不動のこの認識と立場を出していくということが必要だと思うのです。私は、これはまたいずれ機会を改めてお尋ねいたしたいと思います。これは今度の国会で、あるいは次の国会で大問題になる。ぜひひとつ、すみやかに薬業界としての統一見解を出していただきたいと私は思うのです。  それから、これはあとで泰道さんにもお尋ねしますが、もし今度のアンプル禍のような問題が起こったときに、一体その責任の所在というものをどこが持つのかということですね。これがはっきりしない。これは、わしのほうには死んだ者がないから責任はないのだ、こうおっしゃる。私、薬学を専門にやっておるわけじゃないけれども、ああいう問題が起これば、あれほど世論が沸騰し、あれほど新聞が書けば、これは禁止されるというのが常道です。その場合に、ああいう被害を受けた薬を買って飲んだその個人に対する問題と、それから、さいぜん泰道さんは、全国八千軒の末端の薬を打っている薬店その他から引き上げて、そうして埋め立てのほうに持っていってブルドーザーでみんなこわしてしまったという御意見、一体、こういうものの損害補償というものを、製造していらっしゃる中枢部というのはどう考えておるのかということです。何か製薬団体で、こういうものに対する末端の薬局なり薬店の、あるいは薬の販売業者の補償というものについては考えておられるのか、ちょっと先に福地さんのほうから……。
  103. 福地言一郎

    ○福地参考人 先ほどのアンプルのかぜ薬の問題につきましては、私どもでも多少製造をいたしておりましたので、これは厚生省からの御要請もあり、業界の申し合わせに従いましてやはり全部回収をいたしました。小売り及び卸の方々には金銭的な御迷惑はかけなかったと存じます。  それから、私のほうのものは事故は幸いにして起こっておりませんので、個人補償の問題については、私いまこの席でちょっとお答えをいたしかねるわけであります。
  104. 滝井義高

    ○滝井委員 たとえばああいうアンプルで災いが起こったといろ場合に、製薬団体としてやはりこらしたらどらだという、経営者がみんな集まって何か相談をして、一つの方針を出さなかったのかどうか。たとえば、そういうときには、ひとつ個人についてはこういうお見舞いをしようじゃないか、あるいは末端の自分の店、薬局なり薬店にはひとつこういう措置をとろう、国にはこういう要求をしようじゃないかという――国の要求だけはちょっと出てきた、しかし、末端のものについて団体として一体何か考えたことがあるのかどうか。
  105. 福地言一郎

    ○福地参考人 私、日本製薬団体連合会の評議員も理事もいたしておりませんので、日本製薬団体連合会としてさような申し合わせをいたしたかどうかということは存じません。したがいまして、先ほど申し上げましたとおり、私どもの会社ではさような措置をとったということだけ私から申し上げたわけでございます。
  106. 滝井義高

    ○滝井委員 そうすると、その問題については、三共さんのような大手の、しかも福地さんのような常務取締役の、しかも技術のチャンピオンがそういうことをお知りにならなかったということですから、おそらく団体としては、統一的なものは何もやっていないということだと推定されるのです。こういう問題については、やはり団体が統一的に、こういう場合はどういう処置をしようということを考えるのが当然じゃないか。たとえばコレラが起こった、そうするとバナナの輸入業者はいち早くどうするかといって、団体できちっと方針をきめて国会に持ってきて、そうして損害を補償してくれということをちゃんとやっている。そうしてバナナの損害については、輸入の差益金か何かを適当にやってもらっておるわけです。私は、やはりこういう問題は団体として処置をすべきじゃないかと思うのです。一会社だけでやったのではなかなか問題だ。  次は、泰道さんにお尋ねしたいのですが、皆保険下において、有効であるからといってむちゃくちゃにアンプルの薬をつくって、どんどん大衆に宣伝をして売るということを、一体常道とお考えになっておるのかどうか。
  107. 泰道三八

    ○泰道参考人 一般的な製薬メーカーと当社の場合はだいぶ性格が違うと思いますので、私のほうでお答えがしにくいのでありますが、当社は、大体営業所とか事業所とかスーパーマーケット、こういうところには売らずに、全国八千の会員で、うち六千四百が株主でございます。そうして新しく入った人は株を持っておらぬということでありまして、これらが経営にもタッチをし、それから会社の方針一切について年一回協議をしてきめて、私はその実行機関の代表としてそれを忠実に実行する、こういうちょっと変わった会社の性格でありますので、他の会社とちょっと比較にならぬ。それと、私のほうでは価格問題、これはそれらの全国の代表が集まりまして価格も決定いたしておりますので、値くずれはいたしておりません。値くずれと申しますか、値引き販売、それから横流しと称しまして会員以外に品物を流すという場合には、退会をしていただいております。これで回答になるかならぬかわかりませんが、御容赦を願いたいと思います。
  108. 滝井義高

    ○滝井委員 私の言いたいのは、さいぜん佐々先生の御公述もお聞きいただいたと思いますが、当初ペニシリンが出たときには、ペニシリンのショックというものはなかったわけです。アミノピリンでも、最初飲んだときから発しんが出る人というのは非常に少ないわけです。これはだんだん飲んでいるうちにペニシリンのショックが起こるアミノピリンの発しんが出てくるわけです。したがって、なるべく八千なり六千四百の下部の末端の販売網というのは株式にしているのだ、こうおっしゃるけれども、その薬を、あなたのほうのエスエスという会社のつくったそのアミノピリンの入っているアンプル入りのかぜ薬を飲めば、第一回目は非常によくきいた。そうすると、毎年おれは十一月になったらかぜを引くのだ、エスエスさんのアンプル入りを飲もうといって三年、四年と続けて飲むうちに、その者の体質が変わってくるわけです。そしてたまたま五回目に飲んだらショックが起こってきたというようなときに、これはあなたのほうに責任があるのだ、こう言ったって、解剖してみたらあれは特異体質だったといえば、これは責任がなくなってしまう。こういう問題があるわけです。いわば医学的にエスエスの薬を飲んだというぴしっとしたきめ手というものは、人間のからだが生きて毎日変化しておる限りにおいては、きめ手になかなかなりにくい。いままでの業務上の過失といわれるものについても、解剖してみた結果、なかなか断定ができないわけです。そこで六千でも八千でもそういう薬をお売りになるからには、やはりその薬の不安、いわゆるその薬の信奉者が、体質的に変化をしておるということを見ていくというのがこれは常道なんです。医療機関ならばそれを見るわけです。来た患者の体質を見て、そして薬をやるかやらぬか、この薬はどういう薬をやるかということまで注意をしないと、診療の担当者というのは業務上の過失に問われることになる。そういう点については、いわば薬の製造をし、販売をするところは非常にそういう点が少ないわけです。こういうところに一つの問題がある。だから、皆保険下においてはそんなに野放図に――いま日本の病人の半分くらいが医者に行って、半分くらいは売薬とはり、あんま、おきゅう、柔道整復等でなおしているのですから、それだけに、半分の日本の医療を持っておるというだけに非常に責任は重大なんです。ところが、その末端においては診断をせずに薬を飲むわけですから、こういう問題が起こってきたときに非常に社会的な問題になってくるわけです。こういう点についての配慮というか、六千か四千の株主に対して一体どういう指導をされておるかということなんですね。われわれは、一挙に売薬を禁止するという、そういう大それたことは、とてもいまの日本の薬に対する国民性からできない。だから、この点についての考え方というものをやはり明白にしておかないと、だんだん売薬問題というものは、危険が出れば出るほど禁止されてくる可能性が出てくる。御存じのとおり、現在外国に比べて、日本は個人消費のうちに占める医薬品の支出割合というものが非常に高い。アメリカなんかでは、三十六年ですが〇・八%、イギリス、フランスで一・三%。ところが日本は、三十六年で二・八%、三十八年は三・八%と非常にふえておる。こうなりますと、医療費が一方で非常にふえ、売薬の支出がふえるということになってくると、これはどこかで問題を処理しなければならないということになれば、やはり皆保険体制を持っていくと、政府は売薬をチェックするという形になることは明らかです。こういう重大な役割りを演じておるわけですから、飲んだ人に対する製造者あるいは末端の販売をする販売網の責任と、それから非常な綿密な注意、こういうところを、単に薬の効能書きに書いておるから、それを当然読むべきだということだけでは、なかなか責任が果たせないところがあるのではないか。こういう点の倫理観というか、道義的な責任というものを明白にして宣伝その他もやっていかないと、売らんかな、飲ませんかなのあれでは問題がある。そういう形でいけば、今度は、飲ませんかなという面に対していま与党でも広告をチェックすべきだという論が非常に起こっております。総生産高の八%程度になっておる。多いところは二割くらいやるわけでしょう。初めのうちは生産高の二割くらいやる。したがって、そういう問題があるのだから、こういう倫理的な側面というものを製薬企業はもう少し感ずる必要がある。その点について、泰道さんの御見解を簡単にお聞きしておきたいと思います。
  109. 泰道三八

    ○泰道参考人 お答えいたします。  団体の指導態度あるいは指導ということが、どういう姿でやっておられるかということはよく存じません。しかし、当社といたしましては、ただいま申し上げましたような一つの同士的結合体でやっておりますので、全国に八十八の連合会がございます。これは大体百人近くの単位でございますが、その団体の中から優秀な技術者を一名ずつ出していただいて、そして奉仕的に、ほとんど実費だけで学術委員会というものを構成し、それ以外に、その中からまた優秀な者二十六人の奉仕団を編成いたします。それを全国に、ただいま申されるような使命観の上に立って道義的な必要なる条件を指導しておるわけでございまして、当社としては、私は誇り得べきものがあると存じております。
  110. 滝井義高

    ○滝井委員 谷岡さんへのこの一問で終わりますが、診断が行なわれて処方せんが発行され、そこで医薬分業が名実ともに実施される形ということになるのが一番理想的である。その場合に、調剤技術料というのが、いままで九円五十銭で今度十一円くらいになるわけですが、サムスがやってきて言ったように、医者が薬を売り、歯科医師が金を売り、薬剤師がクマのいを売っておる、こういう形ではだめですよと言っておる。日本の現実から考えて、薬剤師会の皆さん非常に努力されまして、九円五十銭の調剤技術料が十一円、十二円になった。これではやはり薬剤師もクマのいを売らないとやっていけないという形になる。その場合に、いまの日本の総医療費が一兆円をこしておる。そうすると、調剤技術料というものを、十二円から十八円とか最大二十円くらいに上げないと、専門技術者としてそれ一本で食っていけないという形が出てくるわけです。この問題と売薬との関係というものを一体どうお考えになっているのかということですね。御存じのとおり、末端の薬店というものは売薬も売る、そしていま調剤技術料も上げてくれ、こうなっておる。しかし、皆保険体制でそういう形になってくると、薬店が売薬を売るというわけにいかなくなるのではないかという問題も出てくると思う。ここらの関連をどうお考えになっておるのか、簡単にお答えいただきたい。
  111. 谷岡忠二

    ○谷岡参考人 分業体制が確立してきますると、おそらく薬局においては売薬を売るいとまはなくなるのじゃないか。一人の人が処方せんを処理する能力から考えまして、とてもそのいとまはなくなるのじゃないか。現在においては、処方せんが一年間に二km百二十万枚くらい出ております。調剤費にして二十四億、それくらいでございますが、これを全国二万一千の薬局に振り当ててみますと、平均は幾らにもならない。そこで、こういう点からこの分業体制が確立した後のことを考えてまいりますと、おそらくこの調剤に非常に力を入れて完全な調剤設備をして、処方せん調剤に没頭するという薬局と、それから大衆薬が現在のように存在するとすれば、それに力を入れる薬局も出てくるのじゃないか。その調剤と薬を売る薬局というものの色分けが、ある程度実際問題としては出てくるんじゃないか。しかし、理論的にいってこの両者の関係を言えば、おそらく調剤に力を入れれば薬を売る売薬のほうには力が入らない、そのいとまがないのじゃないかというふうに考えております。それで、このことは、他の諸外国の分業国の例から見てそういうことが類推される、私はさように考えます。
  112. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。  委員長として一言ごあいさつを申し上げます。  参考人各位には、長時間にわたり存意義な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。      ――――◇―――――
  113. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 この際、おはかりいたします。  理事粟山秀君より理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  114. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。   これより理事補欠選任を行ないたいと思いますが、その補欠選任委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 松澤雄藏

    ○松澤委員長 御異議なしと認めます。よって、、藏内修治君を指名いたします。  次会は明六月一日、火曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後六時十二分散会