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1965-04-23 第48回国会 衆議院 社会労働委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年四月二十三日(金曜日)     午前十時四十五分開議  出席委員    委員長 松澤 雄藏君    理事 井村 重雄君 理事 小沢 辰男君    理事 藏内 修治君 理事 齋藤 邦吉君    理事 澁谷 直藏君 理事 河野  正君    理事 八木  昇君 理事 吉村 吉雄君       亀山 孝一君    熊谷 義雄君      小宮山重四郎君    坂村 吉正君       田中 正巳君    竹内 黎一君       藤本 孝雄君    松山千惠子君       粟山  秀君    亘  四郎君       淡谷 悠藏君    伊藤よし子君       小林  進君    滝井 義高君       松平 忠久君    八木 一男君       山口シヅエ君    吉川 兼光君       谷口善太郎君  出席国務大臣         労 働 大 臣 石田 博英君  出席政府委員         内閣官房長官 橋本登美三郎君         人事院事務官         (職員局長)  大塚 基弘君         林野庁長官   田中 重五君         労働政務次官  始関 伊平君         労働事務官         (大臣官房長) 和田 勝美君         労働基準監督官         (労働基準局         長)      村上 茂利君         労働基準監督官         (労働基準局労         災補償部長)  石黒 拓爾君         労働事務官         (職業安定局         長)      有馬 元治君         労働事務官         (職業安定局失         業対策部長)  住  榮作君  委員外出席者         農林事務官         (農政局参事         官)      玉置 康雄君         農林事務官         (林野庁職員部         長)      森   博君         日本電信電話公         社総裁     米沢  滋君         日本電信電話公         社副総裁    秋草 篤二君         日本電信電話公         社職員局長   中山 公平君         専  門  員 安中 忠雄君     ――――――――――――― 四月二十二日  公共企業体等労働者労働基本権の確保及び  回復のために公共企業体等労働関係法等の一部  を改正する法律案小柳勇君外一名提出参法  第一三号)(予) 同日  健康保険改悪反対及び医療保障確立に関する請  願外五件(岡本隆一紹介)(第二八三六号)  同(多賀谷真稔紹介)(第二八五〇号)  同外二件(河野正紹介)(第二八五一号)  同(森本靖紹介)(第二八五二号)  同(神近市子紹介)(第二八七七号)  同(中村高一君紹介)(第二八七八号)  同(河野密紹介)(第二九一四号)  同(大柴滋夫紹介)(第二九一五号)  同外五件(桜井茂尚君紹介)(第二九一六号)  同(柳田秀一紹介)(第二九一七号)  同(原彪紹介)(第二九一八号)  同(伊藤卯四郎紹介)(第二九五〇号)  同(板川正吾紹介)(第二九五一号)  同(加藤進紹介)(第二九五二号)  同外一件(島上善五郎紹介)(第二九五三  号)  同(谷口善太郎紹介)(第二九五四号)  同(松原喜之次紹介)(第二九五五号)  同(山花秀雄紹介)(第二九五六号)  同(林百郎君紹介)(第二九五七号)  同外二件(戸叶里子紹介)(第三〇一〇号)  同(八木一男紹介)(第三〇二五号)  同外八件(永井勝次郎紹介)(第三〇六〇  号)  同(下平正一紹介)(第三四三七号)  同(滝井義高紹介)(第三四三八号)  同(山内広紹介)(第三四三九号)  同(横山利秋紹介)(第三四四〇号)  日雇労働者健康保険制度改善及び老後保障に  関する請願岡本隆一紹介)(第二八三七  号)  同(吉村吉雄紹介)(第二八三八号)  同外一件(長谷川保紹介)(第二八八一号)  同外一件(伊藤よし子紹介)(第二九一二  号)  同(山花秀雄紹介)(第二九六〇号)  同(戸叶里子紹介)(第三〇〇九号)  同(堀昌雄紹介)(第三四四一号)  同(八木一男紹介)(第三四四二号)  日雇労働者健康保険改善及び厚生年金適用に関  する請願吉村吉雄紹介)(第二八三九号)  同(卜部政巳紹介)(第二八七四号)  同外三件(戸叶里子紹介)(第三〇〇八号)  同(卜部政巳紹介)(第三四三六号)  衛生検査技師法の一部改正に関する請願中村  梅吉君紹介)(第二八四〇号)  港湾労働法案等に関する請願大出俊紹介)  (第二八四八号)  人命尊重に関する請願松山千惠子紹介)(  第二八四九号)  ハンセン病療養所医療体系確立等に関する  請願山花秀雄紹介)(第二八五三号)  同(戸叶里子紹介)(第三〇〇七号)  戦争犯罪裁判関係者補償に関する請願(大坪  保雄君紹介)(第二八七五号)  健康保険制度改悪反対に関する請願神近市子  君紹介)(第二八七六号)  同(河野密紹介)(第二九二三号)  同(稻村隆一君紹介)(第三一七五号)  国民健康保険財政措置に関する請願外二件  (武市恭信紹介)(第二八七九号)  同外二件(三木武夫紹介)(第二八八〇号)  同(秋田大助紹介)(第一九四七号)  同(武市恭信紹介)(第三〇一一号)  同(小笠公韶君紹介)(第三一七六号)  健康保険看護制度改悪反対及び医療保障確立  に関する請願畑和紹介)(第二九一九号)  健康保険等改悪反対に関する請願川上貫一君  紹介)(第二九四八号)  原爆被害者援護法制定並びに原爆症根治療法  研究機関設置に関する請願外一件(川上貫一君  紹介)(第二九四九号)  茅野市立病院がん研究に対する国庫助成に関  する請願(林百郎君紹介)(第二九五八号)  同(増田甲子七君紹介)(第三二二三号)  電気事業及び石炭鉱業における争議行為方法  の規制に関する法律廃止に関する請願外四件  (八木昇紹介)(第二九五九号)  日雇労働者健康保険法改悪反対等に関する請  願(加藤進紹介)(第二九七五号)  同(川上貫一紹介)(第二九七六号)  同外一件(谷口善太郎紹介)(第二九七七  号)  同(林百郎君紹介)(第二九七八号)  同(長谷川正三紹介)(第二九九七号)  同(島上善五郎紹介)(第三一七八号)  同(大柴滋夫紹介)(第三二一七号)  同(肥田次郎紹介)(第三二一八号)  同(大村邦夫紹介)(第三二一九号)  同(八木昇紹介)(第三四四三号)  国立岐阜療養所災害補償及び再建整備に関す  る請願外二件(楯兼次郎紹介)(第三〇一二  号)  成人病予防対策に関する請願小坂善太郎君紹  介)(第三〇五九号)  大島青松園整備に関する請願福田繁芳君紹  介)(第三〇六一号)  国民健康保険事業財政健全化に関する請願  (星島二郎紹介)(第三〇九〇号)  健康保険国庫負担増額に関する請願(星島二  郎君紹介)(第三〇九一号)  同(原彪紹介)(第三〇九二号)  大島青松園海底送電ケーブル更新等に関する  請願福田繁芳紹介)(第三一〇〇号)  医療保険制度改善に関する請願田中彰治君  紹介)(第三一〇七号)  奄美和光園施設整備等に関する請願小林進  君紹介)(第三一五九号)  老後生活保障のため年金制度改革に関する請  願外一件(高橋禎一紹介)(第三一七七号)  戦傷病者の妻に特別給付金支給に関する請願  (鈴木善幸紹介)(第三一七九号)  医療保障機会均等及び負担合理化に関する  請願鈴木善幸紹介)(第三一八〇号)  療術の新規開業制度に関する請願植木庚子郎  君紹介)(第三二一五号)  同(福田繁芳紹介)(第三二一六号)  同外一件(金子一平紹介)(第三三二二号)  同(坪川信三紹介)(第三三二三号)  同外三件(八木徹雄紹介)(第三三二四号)  同(横路節雄紹介)(第三三二五号)  同(臼井莊一君紹介)(第三四三一号)  日雇労働者健康保険廃止反対等に関する請願  (大出俊紹介)(第三二二〇号)  健康保険法改悪反対及び医療改善に関する請  願(大出俊紹介)(第三二二一号)  同(秋山徳雄紹介)(第三二二二号)  引揚医師の免許及び試験の特例に関する請願  (大橋武夫紹介)(第三三二六号)  同(倉石忠雄紹介)(第三四三四号)  同(地崎宇三郎紹介)(第三四三五号)  各種医療保険制度の統合に関する請願宇野宗  佑君紹介)(第三三五七号)  アンプル入りかぜ薬に関する請願宇野宗佑君  紹介)(第三三五八号)  全国一律最低賃金制確立に関する請願外十九  件(東海林稔紹介)(第三四三二号)  同外三件(横山利秋紹介)(第三四三三号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案  (内閣提出第一二四号)  労働関係基本施策に関する件(公共企業体等  における労働問題及び失業対策に関する問題)      ――――◇―――――
  2. 松澤雄藏

    松澤委員長 これより会議を開きます。  内閣提出労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し川がありますので、これを許します。淡谷悠藏
  3. 淡谷悠藏

    淡谷委員 まず大臣にお聞きしたいのですが、今度の改正案提案理由説明をこの間十分に敬意をもって伺ったのですが、その中に「任意適用事業に働く労働行等でいまだ労災保険保護の外にある者も決して少なくない現状」、それをたいへん心配されまして今度の改正がなされたと思うのであります。この前のほうに「従業員五人未満の零細事業や商業、サービス業などの」というふうに規定してございますが、このほかに農林労働者、もっと広く農業労働者に対する御配慮はなされておったのかどうか、お伺いしたいと思うのであります。   〔委員長退席澁谷委員長代理着席
  4. 石田博英

    石田国務大臣 農業労働者でありましょうとも、雇用関係にあります場合は御承知のごとく対象になってまいりましたけれども雇用関係にない場合はいままで対象になかったわけであります。そこで、今回は特別加入対象としてこれを取り上げたい、こう考えた次第であります。
  5. 淡谷悠藏

    淡谷委員 一人親方の問題でだいぶ配慮されております。その中に自営農家災害等も取り入れるようなことをちょっと書いておられますね、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  6. 石田博英

    石田国務大臣 いままでもいわゆる一人親方というようなものは考えておりましたわけですが、これは雇用関係にございませんものですから、いろいろ保険加入あるいは賃金の算定その他にむずかしい問題がたくさんございます。それと同じように、最近は農村にも機械がたくさん導入されまして、その機械等による災害が激増してまいりまして、農業団体その他からの要望もございましたので、今回は労災保険というたてまえから申しますといろいろ議論もあろうかと思いますけれども特別加入の道を講じた次第であります。
  7. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そこでお伺いしたいのは、農民災害ですが、これは最近いろいろと機械ども導入されまして、従来なかったような災害も出ておるようであります。農林省の方にお伺いしたいのですが、最近入っておりますおもな農機具の種類、数量などをお聞かせ願いたいと思うのであります。
  8. 玉置康雄

    玉置説明員 最近入りましたので一番大きいのは大型トラクターだと思っております。それからごく最近コンバインがかなり入ってきておりますが、これはまだ各県に二、三台の試験的なものでございまして、それほどの問題ではございません。やはり大型トラクターが現在八千台くらい入っておりますか、それが一番問題だと思っております。
  9. 淡谷悠藏

    淡谷委員 大型トラクターの入る前に手動のトラクターハンドトラクターが相当に普及したように思うのですが、何台くらい入りましたか。
  10. 玉置康雄

    玉置説明員 約二百万台近くだったと思っておりますが、ちょっと現在統計を持ってきておりませんので、正確に申し上げかねます。
  11. 淡谷悠藏

    淡谷委員 ハンドトラクターによる農民の健康に及ぼす影響などをお調べになったことがございますか。これは相当振動の強い機械なものですから、いろいろといままでになかった健康上の問題が発生しておると思うのですが、注意されなかったですか。
  12. 玉置康雄

    玉置説明員 けがの問題につきましては、ときどき聞いておりますが、いま淡谷先生御質問の点は、おそらく振動による被害の問題で、いわゆる白ろう病という問題かと思うのでございますが、それにつきましては、いままでのところはあまり聞いておりません。おそらく白ろう病の問題になりまして、一番運転時間の長いものと申しますと、たとえば農林省機械研修場がございますが、そこの職員教官あたりが年中運転時間があるわけでございますけれども、そういう神経系統の病気につきましては、現在のところ聞いておりません。ただこのたび、ただいまお話ございました一人親方の問題につきましても、特別加入で入れるようになりましたので、全国農協中央会と一緒になりまして、およそ農業災害全般につきまして、今回調査を進めるようにいたしております。
  13. 淡谷悠藏

    淡谷委員 労働大臣がだいぶ農民災害について配慮されておりますのに、農林省はこれから調べるのでは少し手おくれだと思いますが、いまからでは早くありません、おそくなっておりますけれども、これは至急お調べ願いたいと思います。特にハンドトラクター使用、これは相当疲労を加えておる事実がありますね。これは研究所などで短時間作業をしておるうちはいいけれども、実際これを仕事にして、特にハンドトラクターで、農業を離れて請負耕作をやっておるのがありますね。これなどはずいぶん長い時間やりますものですから、健康にかなりの影響を及ぼしておる例があります。これはどうぞ手落ちなくお調べ願いたいと思います。  労働大臣にお聞きしたいのですが、農業災害というものを機械による災害に限るのか、あるいは農薬、不潔な環境というような農民団体から出ておりますあの要求、あのうちのどれを一体農業災害として認められるのか、全部お取り上げになるのか、この点も明らかにしていただきたい。
  14. 石田博英

    石田国務大臣 この労災保険の中に、いわゆる自営農民を入れるようにいたしました制度、あるいは一人親方特別加入を認めた制度、これは労災保険の本来のあり方といいますか、本来の使命からいいますと、ことばはよくありませんかもしれませんが、いわばサービスであります。本来からいえば、雇用関係にある者に限定せらるべきものであります。そこで、サービスの部門に対する補償のほうが本来のものより手厚くなるということになると、これは本来転倒に相なります。したがって、おのずからそこに限度がある。結局労災保険で本来扱っておる基準に沿って、これから農林省農業団体の人々と意見の交換を行ないつつ定めてまいりたい。いまのところ、具体的に機械に限るとか、どこどこは入れないとかいうことをきめておるわけではございませんが、基本的な考え方といたしましては、先ほど申し上げましたような考えでございます。
  15. 淡谷悠藏

    淡谷委員 機械による災害のほかに、最近の農薬による災害が相当ひどいのであります。特にパラチオン剤などは、従来なかったような例を出しておるのであります。これなどは、農林省、お調べになっておりますか。前には石灰窒素なんかによる被害もだいぶあったし、特に最近のパラチオン剤系統のものは非常に大きな被害を与えておるようですが、これはどうなっておりますか、これもまだお調べになっていませんか。
  16. 玉置康雄

    玉置説明員 パラチオンにつきまして、現在までのところ被害は毎年少しずつ減ってきてはおります。しかし、やはり年に千件近くの事故を起こしております。これの取り扱い方につきましては、私どものほうで年じゅうやかましく指導しておるのでございますけれども、ちょっといま統計をはっきり覚えませんが、やはり管理上のミス、それから自殺、他殺等の問題がございまして、年に千件近くの事故を起こして、たいへん遺憾には存じております。ただ、もう一つ方法といたしましては、現在パラチオン使用量は年々減ってきておりまして、毒性の少ないスミチオンがこれにかわりつつありますので、そちらのほうの使用を推奨しておる次第でございます。
  17. 淡谷悠藏

    淡谷委員 大臣、いまお聞きのとおり、農林省ですら機械による災害はほとんど聞いていないのに、農薬被害は相当程度押えておるようでありますから、これから農民団体といろいろ交渉されてこの範囲をおきめになるのでしたら、そうした具体的な災害の事実に目をおおわないように、ひとつお願い申し上げておきます。
  18. 石田博英

    石田国務大臣 そういう方針でやってまいりますが、ここでもう一つその前提として御理解いただかなければならぬことは、労災保険法補償いたしますのは、それぞれ会社、事業場等においてきわめて厳重な安全規則を設けてもらいまして、その安全規則を守っていながらなおかつ生じてきた災害、そういうものについて補償するということなんであります。したがって、まあこれはわれわれのほうでやるというよりも、農林省のほうでも、農民の安全を確保するために、あるいは職業病あるいは職業病類似災害を少なくするようにするために、詳細な対策を講じた上でやっていただかないと、保険会計というのはたちまちつぶれてしまいますものですから、そういう点もやはりあわせて考えていかなければならぬ問題だと思っておる次第であります。
  19. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それはおっしゃるとおり、確かにいまの農民の毒薬の扱いや機械操作のいろいろな注意などは、足らぬ点はあると思います。これは農林省においても十分に御指導願いたいと思う。しかし、これは自営農民というものの持っておる一つの特色なんです。現実はどうにもならぬものがだいぶございます。  そこで、林野庁の問題に入りたいと思うのですが、農林業の中でも、林野庁仕事は国の範囲で行なっております非常に大きな農林業だと思っております。これはまさか自営農民のように、機械使用につきましても、あるいは農薬使用につきましても、大臣が心配されるような野方図な形はとってないと私は確信いたします。それにもかかわらず、最近やかましくいわれております。あのいわゆる白ろう病の問題、これは相当なケースがあがっており、かつ昭和三十四、五年からこの問題は出ておるようでございますが、この一般状況について、長官にひとつ御報告願いたいと思うのであります。
  20. 田中重五

    田中(重)政府委員 白ろう病の問題につきましては、昭和三十八年にアンケートの形式をとって、その発病の自覚その他について調査をいたしました。それで、チェーンソー使用する作業員が約四千人ばかりおりますが、そのうち約三千人程度調査人員に対しまして、その程度は別としまして、異常を応えましたのが五・七%、そういうようなことになっております。それで従来このチェーンソー使用、それからそういう症状といいますか、現象との因果関係、これについては専門家に委嘱をしましていろいろ調査を願っております。その内応につきましては係から申し上げたいと思います。  一方、この症状、つまり白ろう病と通称されるこの症状公務による疾病と考えられるかどうかという点につきましては、人事院協議を進めておりますと同時に、それぞれ各現場からそういう症状の実態について、これを、それぞれの嘱託いたしております医者の診断を添えて林野庁のほうへ届けてくれというふうに現在進めております。現在のところ人事院規則では、この症状については人事院規則によるところの職業病という指定にはなっていないわけでございます。そこでやはり人事院規則にいっているところの、その他の明らかに公務に原因すると認められる疾病というものに該当するかどうかについての協議、そういうことを進めてまいろう、そうしてそういうものであると認定ができるものについて、極力手厚い保護を加えてまいりたい、こう考えております。
  21. 淡谷悠藏

    淡谷委員 労働大臣、やはり林野庁現場で働く諸君の労働災害などは、これは農業にかかわらず、当然いまの労災保険対象になると思うのですが、その点はそのとおり理解してよろしいのでしょうか。これは明らかに雇用関係ですから。
  22. 石田博英

    石田国務大臣 これは労働基準法では、さく岩機その他等という規定があります。われわれは、白ろう病チェーンソーによる疾患は対象になると考えておりますが、これは一般論であります。ところが公務員の場合は、人事院規則で定めなければならないので、いま林野庁長官のようなことに相なっておると思うのでありますが、しかし、これはもう人事院規則改正で済むことでありますから、私らのほうは当然入るものだと考えています。
  23. 淡谷悠藏

    淡谷委員 基準局のほうにお伺いしますが、基準法施行規則三十五条の十一号、その条文によりますというと、明らかに「さく岩機鋲打機等」と「等」がついているのですが、人事院のほうは「等」はつけてないのですね。一体同じ官庁の規則が、片方は「等」がついているから、拡大解釈ができ、人事院のほうは故意か偶然か知りませんが、「等」という字を落として、これはもう文字の上では「等」が一つですが、受けるほうにとっては、非常に大きな影響を受けるのですが、どうしてこの「等」を落としたのですか。もっと早く取り上げればいいと思ったのですか。
  24. 村上茂利

    村上(茂)政府委員 私がお答えするのは適当かどうかとも存じますけれども、この災害補償立法の立て方といたしまして、災害性食傷疾病といったものについては、災害原因負傷疾病との因果関係がかなり明確でございますので、各国の立法例を見ましても、その点については、そういう負傷とか疾病名は特記してないのでございますが、いわゆる職業病については、職業とのないしは業務との因果関係が必ずしも明確でないものがあるというので、その因果関係が明確に把握できるような疾病のみを特記いたしまして、これを職業病として扱い、その職業病については挙証責任労働者側にない。いわばそういった疾病が発生しましたならば、請求権的な形でその補償が受けられるというように職業病を特記をしている立法例が、立法例としては多いようであります。わが国の労働基準法施行規則第三十五条のように、業務上の疾病を包括的に規定してある、列挙的ではありますけれども、かなり包括的に規定してある立法例は少ないものと私どもは理解しておるわけでございます。たまたま人事院規則などを私ども拝見いたしますと、むしろ外国の立法例に近いように私どもは理解いたしておるのであります。ところで労働基準法施行規則の三十五条の規定におきましては、第一号から第三十八号までの疾病を掲げまして、ほとんどがこれに含まれ得るような体系になっておるわけであります。ところで第十一号におきましては、「さく岩機鋲打機等使用により」と「等」を入れておりますが、これはさく岩機びょう打ち機等、できるだけいろいろ列挙するのが親切なやり方ではあると思いますけれども、今後どういうような機械が出てくるか予測しがたい面もありますので、立法当時予見し得るないしは一般的に使われておったさく岩機びょう打ち機をここに例示の一つの代表的なものとして掲げ、その他予想せられるものは「等」という字を用いまして表現いたしたわけであります。したがいまして、今回の白ろう病につきましても、チェーンソーによる疾病ということで、私どもはこの十一号の「等」の範疇に帰属せしめ得るものというような判断をとっておる次第でございます。ただ、その場合におきましても、どの程度症状を呈した場合に疾病状態と見るかという認定の問題は別にあるわけでございます。これは法律上で特記をしても同様な問題があるわけでございますが、認定の問題とは別に、一応業務上の疾病の範疇に入れて労働基準法上は扱う、こういうことになっておるようなわけであります。
  25. 淡谷悠藏

    淡谷委員 私はそれでいいと思うのですね。労働基準法施行規則の第三十五条の第十一号ですか、「等」をつけたのはやはりいまの日本の農業の現状から見まして、どんどん新しい機械が入っているのですから、いつどういうふうな災害が起こらないとも限りませんから、これはつけられたほうが正しいと思うのですが、人事院のほうではどうして「等」を落とされたのか、その説明を聞きたい。
  26. 大塚基弘

    ○大塚政府委員 ただいま基準局長のお話にありましたとおりでございまして、基準法上の扱いと、私ども規則でもって別表で表現しているしかたはちょっと違っておりまして、職業病ということで扱っております。そこで、これはこの表に出ておりますとおり公務とそれから疾病と、それぞれ具体的に対応さしておるわけでございますが、その場合職業病ということになりますと、やはり一定の名称を持った表記ということでございまして、したがいまして、まあ「等」という表現がこの表の中には一字も入っておらぬというわけではございませんけれども、やはり具体的に病名を明らかにし、したがってそれに対応します公務のほうもどういう作業であるかということを明らかにするというたてまえで、この表はつくられたものと思われます。  それからもう一点は、国家公務員関係の、この種の職業病を起こすような業務と申しますものは、民間一般に比べますればはるかに限定されておるという観点からも、当時、これは二十六年だったと思いますが、当時の国家公務員の業務の中で起こっている、あるいは起こり得るような職業病をここに例示したということだったと思われます。したがいまして、この点では、今回問題になっております白ろう病というようなものが、作業面でチェーンソーを使うというような点でも、それからまたそういう障害が起きる因果関係の点につきましてはまだ若干の問題点はあると思いますが、そういう関係が当時起こっておらなかったということでございます。
  27. 淡谷悠藏

    淡谷委員 どうかひとつあまりかたくならないで御答弁願いたいのです。あとのほうには人事院でも「等」がついているのもあるのでしょう。しかも、人事院規則といまの基準法施行規則の三十五条第十一号は非常に似ているのですね。ほとんど同じです。ただ「等」だけが落ちているのです。これは考え方から申しますと、確かに基準局の考え方は正しいと私は思う。この際労災法の改正も行なわれるのですから、人事院規則も「等」くらいつけて、もう少しゆるみのある、融通のきく規則にしたほうが、人事院だからなおさら大事じゃないかと思うのです。これはここであなたのほうに言ったって、はいそういたしますとはお答えができないでしょうが、そういうふうな含みでお考えを願いたいと思うのですが、これは基準局の考え方と人事院の考え方と違うようであっては、これに限らず今後の法の運営の上に非常に差しさわりがあると思いますから、この点はいかがでございますか。
  28. 大塚基弘

    ○大塚政府委員 御趣旨のとおりでございます。私も決して「等」がついてないからどうこうとか白ろう病職業病に将来ともならないのだというようなことを絶対に考えておりません。現に、林野等でこの問題が起きておりますし、それからまた、実際にはいわゆる認定に関する協議の形ではまだわれわれのほうにお受けしておりませんけれども、事務的には最近連絡がございますから、ございました点で、これは御質問にお答えするよりむしろ先のことにお答えしてしまうかっこうになるかもしれませんけれども、いわゆるチェーンソーを用いて白ろう病にかかったという場合に、これが業務上と見れるかどうかという点は、必ずしも別表による職業病によらなければならないということではございません。個々に認定いたすことができます。先ほど長官もお触れになりましたけれども、われわれは通達のほうで、業務因果関係が明らかだということがあれば、これは個別に業務上という認定ができるというように指導いたしております。したがいまして、これがないから当面の問題が解決できないということではございません。ただし、林野としては、かなり広範にこの種の症状があらわれておるという状態からいえば、われわれのほうに対してはあるいは規則改正ということを要望されるということも考えられると思います。ともかく現実にいま問題になっておりますので、われわれとしてはこの規則改正を十分な資料を得て、検討した上でこの改正をはかるということはもちろん考えておるところでございます。たとえば、別の例を申し上げますと、最近キーパンチャーの関係でもって、これは労働省の基準局関係でもたいへん御主張なさって基準を出されたわけでありますが、実はこのキーパンチャー関係につきましては、職業病として扱う上でこの規則を最近改正いたしております。念のために申し上げます。
  29. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは林野庁長官にお尋ねしたいのですが、あなたのほうの森博君が、四月八日に参議院の小柳勇君の質問に答えまして、いまの基準法施行規則第三十五条の十一号と人事院規則第十条の違いですね、これについて「これは別表で掲げられているものが職業病というものに認められているわけでございます。その中には、さく岩機、鋲打機と、こういうふうに書かれております。」――これは人事院規則です。「それで、その職業病に指定されますにつきましては、これは医学的な相当因果関係をさらに詰めていただいて、この人事院規則を消していただくことになっています、――詰めていただいてということですね。したがって、ちょうど労働大臣、いい機会でございますから、この労災法の改正にあたりまして、法律解釈上疑点を残すようなことは、十分人事院とも打ち合わせの上、これは林野庁長官も一緒になりまして早急におまとめを願いたい。白ろう病のほうに非常に重点が置かれておりますが、農業災害は必ずしも白ろう病だけじゃございません。新しい機械農薬が入りますにつれてどんどん新しい事例ができると思いますから、この際は早急に調査をされまして、間を置かずして対策をとるように御処置を願いたいと思うのでございますが、この点はいかがでございましょう。
  30. 石田博英

    石田国務大臣 前段の項目につきましては、人事院とも至急連絡をとりまして、私のほうでは先ほど申したような態度をとっておるわけでございますから、そういうふうに実情調査の上でやれるように努力をしたいと思っております。  それから、後段の問題につきましても、固定したものでなく、やはりいろいろな新しい機械の導入や新しい事態の出現に対応できるような考え方で進めたいと思っております。思っておりますが、二つやはり原則がございます。一つは、本来、労災保険基準を越えるわけにいかないのだということ。それからもう一つは、やはり自発的に安全規則なりあるいは安全思想の普及なりと並行していきたい。それをやってもらわないと、こちらの本来の労災保険の適用の範囲においては厳重な安全規則を設けまして、それを守らないで本人の過失の場合には除外される規定がいろいろあるわけです。片方は規則も何もないままでというわけにはまいらない。こういう点については、農林省の十分な御指導と相まっていかなければならない、こう思っております。
  31. 淡谷悠藏

    淡谷委員 いまの大臣の御答弁の中にたいへん重要な意味が含まれていると思うのです。自営農民の場合には自分がその事業の経営者ですから、これは配慮をする義務が十分あると思います。貧しさで追い立てられるということ以外には、制約その他はないでしょうが、いまのような林野庁という一つの雇用形態の中で働いておる労働者諸君には、その安全度を守るような自主性が与えられていないと思う。いまの林野庁長官のお答えを聞いておりますと、お調べになったのは三十八年くらいからですね。白ろう病の出るのはチェーンソーが入ってから三年、四年目が一番ピークのようですね。入ったのは一体何年ですか。
  32. 田中重五

    田中(重)政府委員 チェーンソーは最初外国製品が輸入されて、それの使用から始まったわけであります。それも例の北海道の大風倒木の発生、あれの処理によってチェーンソーが導入された。それは昭和三十年ごろからというふうに記憶をいたしております。その後そういうような症状についてはあまり聞いていなかったのでございますが、しかしながらそういう症状を訴えるという話が出てまいりましたので、昭和三十八年以後その調査に入った、こういうことでございます。
  33. 淡谷悠藏

    淡谷委員 三十八年というと八年たっていますね。ピーク時がだいぶ過ぎてからの調査らしいので、この間全然労働災害の扱いも受けず、職業病の扱いも受けないで首を切られたというのが相当いますね。これはやはりもっと端的に、新しい機械が入ったらこの機械影響をお調べになるのが雇用最高責任者としての長官の義務だと思うのですが、その点はどうお考えですか。これは訴えられるまでもなく、新しい機械が入ったらその影響をお考えになったらよろしいと思います。
  34. 田中重五

    田中(重)政府委員 適正な労務管理から申しまして、新しい機械あるいは新しい薬剤その他を導入された場合には、それが可能性を持つと考えられるような、あるいは予想し得るようないろいろな障害を防ぐ意味で、あわせてそれの防止をくふうしていくというような措置が必要であるという点は先生のおっしゃるとおりだ、かように考えますので、極力そういう方針で今後進めてまいりたいと考えております。
  35. 淡谷悠藏

    淡谷委員 全林野の労働組合が、三月三十日に「国有林における白蝋病の調査とその問題点」というパンフレットを出しております。これは現地に即しまして、一人一人ひざ突き合わせて調査をしました非常に貴重な体験の記録だと思うのであります。これはむしろ、労働組合も必要ですが、林野庁自体がおやりになったほうがいいと思うのです。さらに今度岩手県の黒沢尻の済生会の総合病院の外科医長の鎌田正俊という人が出しているチェーンソー使用者の手指障害についての調査報告書というのが送られてきた。これによりますと、明らかに白ろう状を呈したり、あるいはしびれを感じたり、吐きけを催したり、これはチェーンソーからくるのだというふうにきめているのです。さらにレントゲンの撮影の結果、関節が非常に異状を呈してきている。これはここに書類がございますが、はっきりレントゲンの観察の結果を書いてきております。この労働組合その他実際被害を受けました諸君の実情がそのままに林野庁に伝わらない一つの理由があると思うのです。それは雇用関係です。職業病職業病でないかわからないというままにいけば、これはどうも現地のほうではそんなにいやならおやめなさいというふうに言うらしいのです。配置転換もやるでしょう。場合によってはやめてもらうでしょう。それがこわいから病気になっても病気だと言わずにがまんして働いておる例が相当出てきております。これはやはり組合に対しても対抗意識などは持たないで、これは山林労働者共通の問題でございますから、やはり現地一線の調査というものを非常に重要視して、すみやかに対策を講じていただきたい。これはチェーンソーの国内産のものもあるようですし、外国のものもあるようですが、これらの性能なりあるいは使用時間の問題、さまざまな問題がございますが、その点などもこの際早急に御処置願わないと、この労災保険の適用にあたりましてもさまざまな難点が生じてくる。  それからさらにお聞きしたいのは、どうして二人でやっておりましたツーマンのシステムを一人のシステムにお変えになったのですか。チェーンソーでも二人でやっているうちはあまり――あまりと申しませんが、被害は比較的軽かったものが、ワンマンのシステムをとってから非常に被害が伸びているようです。これは一体どこにそういうふうなやり方の変化を起こすような原因があったのかお聞きしたいと思います。
  36. 田中重五

    田中(重)政府委員 作業員の労務筒理につきましては、これは常にそれぞれ現場現場に専門医を配置しまして、そうしてその衛生管理、健康管理につとめているわけでございます。その健康診断によってそれぞれその人の適性検査、そういうこともあわせ行ないまして、できるだけ仕事にふさわしいところへ配置するということで、災害あるいは疾病を避けてまいりたい、こういうことで、作業員の健康を保護したい、こういう趣旨でやっているわけでございますから、そこである疾病を持っておるからということを理由にして、特にそれが公務による災害であるというような場合にかかわらず、いまお話しのようなことでそれを解雇する、あるいは採用しないというようなことはやっていないつもりでございます。やはり本人に働く意思と能力があれば――もちろん健康でなければならないわけでございますが、それぞれのその人に応じた場所で働いていただくということでやっておるわけでございます。   〔澁谷委員長代理退席、小沢(辰)委員長代理着席〕  それから、その次の、ツーマンソーを切りかえたということについては、いままでのツーマンソーの場合、チェーンソーを使わないもう一人の作業員仕事について、能率上そういうような作業形態でいいかどうかという検討の結果、ワンマンソーがいいのじゃないかというような考え方でおるわけでございます。しかしながら、現在のもろもろの調査によって、チェーンソー使用とそのような症状との因果関係が時間的に何か明らかになるということになりますれば、そういう点については操業時間その他について十分に注意してそういう支障のないようにやってまいりたい、こう考えております。
  37. 淡谷悠藏

    淡谷委員 その前に、チェーンソーなどのような新しい機械を入れた場合は特にそうですか、出来高払いの制度です。いわば請負制度です。これはやはり働く人の心理としては、その当座の健康のことなんか顧慮しないで、出来商を競うあまり無理をすることになるのじゃないですか。これは見ておりますと、製材とかまきの製造なんかで引どんどん能率を上げるために非常に無理をして、実際機械の制約以上の労働時間まで無理やりやっておる例があるのですが、直接雇用で働く場合に、請負みたいな出来高払いというようなことは特に機械などを使用する労働者には不適当ではないか。どう考えますか。
  38. 田中重五

    田中(重)政府委員 それは日給制と出来高制との制度的な比較論の問題になると思います。出来高制はいわゆる請負ではないのでございますけれども、やはりああいう、先生御承知のような青天井で自主性を持ってといいますか、特に工場のような場所で工員が工場長のもとで働くという形でなく、林野に散在をして仕事をやっていくという場合に、その人が自主性を持って働くというような点でやはり一つ賃金支払いの方法である、事業に従事する一つの形態である、そう考えられておるのでございますが、しかしながら、大体出来高制で日給制を採用する場合でも、ほぼ一日の労働時間は八時間、それが大部分のようでございます。その間チェーンソーを実際に使用してそれを握っておる時間、これはそのうちの三時間ないし五時間――これは一つの例でございますが、その他伐木、造材に必要なほかの仕事を合わせ、その作業員は八時間ということのようでございます。しかしながら、そういう労働強化になるためにその作業員の健康が害されるということは極力避けるように指導してまいるという考えでおります。
  39. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは長官のほうにしましたらできるだけ労働の能率をあげようということはわかりますが、本来ならば健康をそこねるような仕事をしている者は、長官としては、むしろ出来高払いの場合でも上を押えて、これ以上働いたのでは健康を害するからもうチェーンソーを使う者はこの時間より以上に働いてはいけないという上のほうの限定をつけるのが労務管理としては当然だと思う。やったことがないそうですから、労働大臣もあまりサービスが過ぎると労災保険制度が持っていけないということを心配されているようですから、これはやはり労災制度改正を幾らやりましても、労災自体を少なくするようなことを考えませんと、労働大臣のいまのような御心配が出てくると思う。一般の農家にやらせるというのは相当苦労がありますから、農業労働の一つ基準ともなるべき林野庁あたりの労務管理は、労働者自体の健康というものを非常に重要に考えて規定されませんと、続々こういうふうな事例が出てくると思う。  同時にまた、賃金の問題ですが、一生懸命に出来高払いで馬力をかけていると賃金も上がる。健康をそこねても賃金が上がる。したがって、単価は下げてもよろしい、こういう観念を持ってこられているような傾向が賃金ベースの変化を見ますとはっきり出てくるのです。これは長官もおわかりでしょう。営利もけっこうですけれども、林好会計などは特別会計のうちでもいいほうの会計なんですから、あまりそう神経質にならずに、命をすり減らしても利益をあげるようなやり方はおやめになっていただきたい。特にチェーンソーが入って八年目に調査を始められたようですが、問題はチェーンソーじゃないと思う。たとえばブッシュクリーナーにしても、これは同じような振動機具です。このブッシュクリーナーについての被害もそろそろ出てきているようですが、これなども私はあえていま取り上げませんけれども白ろう病などと同じように重要にこの影響などはお考え願いたい。  さらにさっき労働大臣にもお願いしておきましたが、薬品の問題です。これは私の青森県に起こった問題ですが、例の枯殺剤の問題です。人畜無害などといっておりますが、これは明らかに害がある。発火もしやすい、草を焼き尽くすのですから。それが作業衣について火が移って非常な災害を起こしたのは長官もおわかりだと思う。こうしたブッシュクリーナーなりあるいは枯殺剤などによる災害はどれくらいの数にのぼっておるか、御調査ができておるかどうか。
  40. 田中重五

    田中(重)政府委員 ブッシュクリーナー、それから枯殺剤につきましては、いまのところ枯殺剤について、先ほど先生のお話のような発火事故がございました。この点について、枯殺剤の製造についてそういう引火性の強くないような、しかしその効果を削減しないような改良を進めております。  それからブッシュクリーナーにつきましては職員部長からお答えいたさせます。
  41. 森博

    ○森説明員 ブッシュクリーナーにつきまして、これも三十八年の調査で白ろう現象につきまして調査しておりますが、チェーンソー五・七%に対しましてブッシュクリーナーのほうは症状を訴えましたものは一%程度であります。
  42. 淡谷悠藏

    淡谷委員 さっきも話しましたが、役所のほうで調べる場合に、病気になると首切られるとか配置転換をされるとかというような心配が非常に強いようですから、そのために調査も過小にならぬように、この際大胆にやはり前進してやっていただきたいと思います。枯殺剤は一体種類は何を使っておるのですか。
  43. 森博

    ○森説明員 大体塩素剤を使っております。それで枯殺剤につきましての発火事件というものは私ども二、三件聞いておりますけれども、この中毒症状と申しますか、そういうものにつきましてはわれわれのほうではまだ承っておりませんで、これを吸いました場合目まいがしたとか吐きけがしたとかいうようなことを正式には聞いておりませんけれども、いろいろそういうようなことを組合の方々から聞いた例もあります。それを正式に報告は受けておりません。それでこれはだんだん粒状が多くなっておりますが、そういう粒状の枯殺剤を使うということになれば防げるのではないか、こういうふうに考えております。
  44. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは荒草を殺すわけですから、たんぼなんかに使います二四Dなんかのように弱い枯殺剤ではないわけですね。これはいろいろな事情で表面化しないかもしれませんけれども、かなりの被害がやはり出ておるのです。これは一体どこの会社の何という薬ですか。
  45. 森博

    ○森説明員 いまちょっと資料を打ち合わせておりませんので、後刻……。
  46. 淡谷悠藏

    淡谷委員 さっきパラチオン剤の話も出ましたが、農薬使用は製造元の宣伝によるのが非常に多いのです。これはむしろ試験的に使うのであっても林野庁仕事などは非常にいい試験台になると思う。そのために使っておる労働者がモルモットみたいにされてはたまらぬと思う。パラチオン剤もそのとおりです。もっといい薬があるのですが、やはり農薬会社の宣伝に使われている、そういうのが非常に多い。一体この枯殺剤の粉剤と粒剤、粒剤のほうは被害が少ないのでしょう。その粒剤に切りかえようとしたのはいつですか。
  47. 森博

    ○森説明員 三十六年ころにそういうような中毒症状と申しますか、そういうような話が出たものでございますので、三十七年から粒状にかえるようにつとめているわけでございます。
  48. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは非常に広い地域にわたる林野庁仕事ですから、農薬といってもばかにならぬと思うのですよ。これは買った会社もわからぬというのですが、年間どのくらい買っておるのですか。これはどうも決算委員会みたいな話になりましたけれども、おわかりにならなければあとで調べて報告していただいてもけっこうです。
  49. 田中重五

    田中(重)政府委員 枯殺剤につきましては特定の会社だけではございませんので、それで後ほどそのメーカー、それからメーカー別の購入数量を御報告したいと思います。
  50. 淡谷悠藏

    淡谷委員 労働大臣、いまお聞きのとおりです。まだ農業における機械の管理、農薬使用方法については林野庁ですらこれくらい放漫なんですね。ですから、これは労災保険改正にあたりましては、やはり労務管理の面において災害を起こさぬということを第一に考えて、それでもどうしても起こった災害に対しては手厚く補償してやるという本来の観念に立つべきがほんとうだろうと思いますが、大臣のお考えをあらためてお聞きしておきたいと思います。
  51. 石田博英

    石田国務大臣 これは私、全くしろうとでありますから、たとえば、チェーンソー被害を防ぐために振動が直接手にさわらないような方法はないだろうかとすぐ考えるのであります。そういうような保護策をも考える、あるいはその振動を受ける時間を一日一定時間に限るというような点について、労務管理上のあるいは安全衛生管理上の十分な注意が払われませんと、これはどうもあと始末だけが先に進んでしまうという結果になることは御指摘のとおりであります。そしてそちらのほうは不十分であるからこちらのほうでよけい手当てせいと言われても、これは先ほどから私どもが繰り返して申し上げておりますとおり、一般の労災保険の本来の姿は厳重な安全規則を守ることが前提になっておる。そうしないと非常にへんぱなおかしなものであります。言うまでもなく、農林省におきまして十分の御指導と御準備をお願いいたしてまして、といって私どものほうでそういう規則をつくって――実際実務に携わっていないのでありますから、規則をつくって押しつけるという性質のものではむろんありません。そういう点と相まって効果をあげてまいりたいと思っております。
  52. 淡谷悠藏

    淡谷委員 冒頭お答えがありましたとおり、この労災保険というものを農業方面にまで適用するためには、いまの自営農民の把握ということは非常にむずかしい問題が生ずると思います。特に災害を受けた者自体の注意となりますと、これまた千差万別だろうと思うのです。まず農業労働のモデルケースとして取り上げられるのは林野庁仕事だと思う。農林労働者を一番組織的に使っておりますから、この辺で遺憾のない体制をこの際勇気を持ってやっていただきたい。たとえば、チェーンソーの問題にしましても、外国ではそういう例がないからと申しますけれども、外国の山林と日本の山林とはだいぶ土地の様子から違っておるのです。ある坂道に踏んばってチェンソーを使っていますと、手だけでなくて腰にもくもるのが当然なんです。足にもくるのです。そういう点なども機械を入れた場合に万全に予想しまして、その保健対策なり災害に対する対策をお考え願いませんと、思わざるところにやはり大きな失敗を招くと私は思う。これはさまざまな問題がこれから生ずると思いますけれども、さしあたり問題になっておりますのは白ろう病、これだけはぜひとも速急に職業病として指定され、人事院のほうでも「等」ということばにこだわらないで、基準局のほうあるいは労働省のほうとも一致した見解のもとに、大胆にこれを取り上げはして、この病気で悩まされております相当数の労働者にひとつ喜んで働けるような道を開いていただきたいと思うのですが、その点を最後にお伺いいたします。
  53. 石田博英

    石田国務大臣 先ほどからの質疑応答でよくお聞き取りのとおり、この問題については議論が分かれているのではなくて、重要は事務的な処理を急ぐということが大切でありますから、お説のようにすみやかに処理できるものと考えております。
  54. 淡谷悠藏

    淡谷委員 ぜひそう願いたいと思います。  それからなお林野庁長官にこの際お願いしておきたいのですが、チェーンソーを使っているのは国有林だけじゃないですね。民間の山林でもやはり使っているところがあるのです。それが国有林のほうは計数が出てきますが、民間のほうは出てこない。出てこないのは、ないのじゃないと思うのです。これはあっても、やはりいまの山林業者のやっております経営というものは、労働者が芽の出るすき間もないくらいにやっつけられると思うのです。このまねはしてもらいたくない。やはり山林労働者はこうあるべきだという国家的観点に立った態度を堂々と打ち出せるような林野行政をやってもらいたいと思う。経済的に成績をあげることも必要でございましょうけれども、それより以上に、山林労働者がどういう労働条件に置かれ、どういう労働管理をするのが理想かということを示すような気魄をもってまずこの国有林の管理経営に当たってもらいたい。このことを最後に御要望申し上げます。  確かに、チェーンソーによる白ろう病が大騒ぎになってから手をつけ出したというのは、これは何といっても林野庁の失態です。少くなとも日常から現地一線に働いております労働者の声は虚心たんかいにお聞きになって、直すべきは直すという態度でお進め願いたい。将来における労災保険農業適用の問題としては非常に重要な突破口になっているのでありますから、その点に対して長官の御決心のほどをお聞きしておきたい。
  55. 田中重五

    田中(重)政府委員 前段の民有林の問題につきましては、民有林は大体三万台程度のものが稼働しているようであります。それで各具に対しまして白ろう病に関係したそういう症状の発生等について話を聞きましたところ、岐阜県から若干の報告があるようでありますので、さらに各県を通じましてその実態の把握につとめるように現在指導をしているわけでございます。  なお、後段の林業労働者の衛生管理、災害防止、この点につきましては、先生のお説のとおりに特に前向きの姿勢で、ことに新しい機械になりあるいは薬剤なりが導入されるという場合には、あわせてそれの災害防止等の研究を進めてまいるということ、それからいまの民間の災害防止については、先般の労働災害防止団、体等に関する法律、あれによりまして、林業についてはその団体が結成なり活動いたしておりますので、そういうもの等の協力を得てそれの防止、そうして労働者の健康の保持、災害防止につとめてまいりたい、こう考えております。
  56. 淡谷悠藏

    淡谷委員 災害を受けました労働者については、この労災保険が十分に適用できるような措置をすみやかにとっていただくと同時に、あるいはさっきお話ししましたツーマンソーのやり方とワンマンソーのやり方でも、あるいは労働時間の問題、さらに管理とか、特にマッサージその他の健康保全の措置なども十分配慮されまして、労働災害で適用されるからといって安心して、また災害がどんどん出ないように、これを労働大臣の頭痛の種にしないように十分なる御配慮をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
  57. 小沢辰男

    ○小沢(辰)委員長代理 午後一時三十分まで休憩いたします。    午前十一時四十八分休憩      ――――◇―――――    午後二時三十二分開議
  58. 松澤雄藏

    松澤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  労働関係の泉水施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。吉村吉雄君。
  59. 吉村吉雄

    吉村委員 私は、いまたいへん問題になっておりますところの賃上げの問題を中心にする労使の紛争、その中での公労協関係の問題、特に電電の労使の関係、こういうことについて、若干質問をしておきたいと思います。  まず初めに、電電総裁にお尋ねしたいのですが、総裁が新たに任命をされましたのは、二十日の閣議で決定、こういうふうになっておりますけれども、その二十日の日に総裁が新聞で談話を発表しております。この談話はたいへん異例なものだというふうに新聞も書いておるのですけれども、通常、新たに任命をされたというような場合には、今後新しい任務のために云々というようなことが言われるのですけれども、あなたの第一声というのは、いま電電の労使の紛争の中でいろいろ問題が起こっている、したがって、この紛争にあたって、電電の組合あるいは組合員に対して厳重な処分をするという談話を、新任の第一声として発表しておるのです。これは、この種の問題については、たいへん異例のものではないかというふうに思います。この新聞報道が間違っているかどうかは、詳しくは存じませんけれども、新任早々、まず組合員に対して厳重処分をもって臨むと、そういうことをあなたは第一声として言っておりますけれども、その心境は一体どういうものですか、お伺いをしておきたい。
  60. 米沢滋

    ○米沢説明員 私、一昨日の二十一日に、内閣から電電公社総裁に任命されました。どうぞよろしくお願いいたします。  それで、お答えいたしますと、ただいまの二十日の談話は、私いわゆる副総裁といたしまして談話を出したわけでございまして、二十一日に総裁に任命された次第でございます。私といたしましては、この労使の問題につきましては、従来から相互によく話し合って進みたいということでやってまいった次第でございまして、しかし、違法のストに対しましては、やはり厳重な処分が必要である、こういうことを二十日の日の副総裁談話で発表いたしたわけであります。
  61. 吉村吉雄

    吉村委員 それでお尋ねをしておきますけれども、労使の紛争は話し合いで解決していきたいということについては、ことばの上では文句がないところだと思うのです。ところが、電電公社の労使を含めまして、いわゆる公共企業体関係の労使の関係というものは、毎年毎年この種の紛争が続いている。こういうことについて総裁はどういう理解を持っているのか、そのことの原因は一体どこにあると考えられておるのかということをお尋ねすると同時に、おそらくそのことについては、長いこと電電公社の中でこの問題に携わってきたはずでございますから、十分なこの根本原因というものについての考え方があったろうと思うのです。にもかかわらず、あなたのいまの答弁では、二十一日と言いましたけれども、実質的にきまったのは二十日の閣議決定、その直後に厳重処分をもって臨むということを言っておるのです。公労協の労使の紛争について、事の原因というものがおわかりのあなたが新総裁になられてから、話し合いは望むところだけれども、それがなかなかうまくいっていない、こういう状態に対して、弾圧一本やりみたいな談話を発表するということは、いまの労使関係というものを、かえって混乱を高めていくことになる、私はこういうような気がしてなりませんので、そのこともあわせてお伺いしますが、先ほど申し上げましたように、この公労協の労使の紛争の原因がどういうところにあるというようにあなたはお考えになっているか、お尋ねをしたいと思うのです。
  62. 米沢滋

    ○米沢説明員 御質問にお答えいたします。  労使の紛争といいましても、問題がいろいろあると思います。電電公社と全電通労組との間には、今度のようないわゆる賃金問題もありますし、あるいはいろいろ合理化の問題等もあるわけであります。賃金問題につきましては、たとえば本年の例でいいますと、二月の初めに、電電公社といたしましては、他の公企体に一番先がけいたしまして五百円の有額回答をいたした次第であります。これは、私も労働関係の問題に携わりましてから二年半やっておるわけでありまして、その前は技師長として技術関係を統括しておったのでありますが、昨年は、たとえば春闘におきまして、電電公社として、労組と公社の間で約四十回近く団体交渉をやっておる。それでまたその際にも検討中検討中ということで、最後にゼロ回答、こういう行き方というものは、労使の間で必ずしも望ましくない。本年は、昨年来の経過もありますので、ここ三年間有額回答というものを一回もやっていなかったのでありますけれども、政府当局のいろいろな了承も得まして、いわゆる五百円の有額回答というものを四年ぶりに公社が先がけしてやった次第でございまして、そういう意味では私はさっき話し合いと申し上げましたけれども、非常にこの問題の話し合いを進めたという事実が残っておる次第でございます。
  63. 吉村吉雄

    吉村委員 私の聞いているのは、現状の問題ではないのです。公労協関係の労使の関係というものが常に同じような紛争を来たしておる、こういうことについて、総裁としてあなたはこのように紛争が起こるということの原因をどういうように理解しているかということをお尋ねをしているのです。
  64. 米沢滋

    ○米沢説明員 この問題につきましては、現在の制度上といいますか、そういう問題が非常に関係しているというふうに考えております。したがって、私といたしましては、これを運用の面で解決するということと、それから制度の問題と両方あると思うのでありますが、制度の問題につきましては、将来の問題として、これは労働省あたりからもいろいろ伺っておりますが、今後審議会等を設けて、そして根本的に検討するというふうに伺っておる次第でございます。
  65. 吉村吉雄

    吉村委員 それではお尋ねしますけれども、電電公社の労使の現在の紛争、賃金問題についてだけでけっこうでございますけれども、その経緯の要点をひとつ説明願っておきたいと思います。
  66. 中山公平

    ○中山説明委員 それでは経緯をかいつまんで御説明申し上げます。  三十九年の十一月九日に、約七千円のベースアップを三十九年十月からやるようにという組合の要求がございました。それに対しまして、三十九年の十二月十日に、公社側から、昭和三十九年度の賃金についての引き上げ要求には応じられない、また、四十年四月以降の賃上げの要求につきましては、民間賃金等の今後の動向を見つつ態度を決定することにするのでいまは態度表明はできない、こういう旨を回答いたしまして、組合はこれを不満といたしまして、十二月十二日に市外電話局等に対しまして従業員の就労阻止という実力行使を行なったのであります。そういうことの経過において、トップ会談等もございまして、十二月の十八日に、できるだけ早く回答はしようということになりまして、四十年の二月の八日に至りまして、先ほど総裁からもお話がございましたが、賃上げの必要性を認め、今後の団体交渉の中で具体的金頭を明らかにする旨回答いたしました。そうして、その後行なわれたトップ会談におきまして、大体の努力のメドというものを総裁から組合の首脳部に話をしていただきまして、二月の十七日に、具体的金額につきまして、昭和四十年四月以降、両校卒初任給一千円引き上げを含めて、平均五百円の原資をもって基準内給与の引き上げを行なうという回答をいたした次第でございます。  そうして、二月の十八日以来数回にわたりまして、三十九年度の賃金引き上げを必要としない理由、それから高校卒初任給を一千円引き上げる理由、公務員給与との関係、消費者物価との関係、国民経済との関係、企業合理化との関係、民間賃金との関係、こういった点を柱にいたしまして、ほとんど連日のごとく交渉を続けてまいりまして、三月一日に至りまして、労使の主張は全く対立ということで、これ以上交渉をしてもなかなか当事者間での自主交渉による解決はむずかしいというところまでまいりまして、当時の状況といたしまして、すでに大部分の公企体の労使間の賃金問題は、十日以前ぐらいに、二月二十三日時点ぐらいにおきまして公労委の場に移されておる、こういう大勢もございまして、組合側はなお自主交渉を主張したのでありますけれども、当局側から、そういった大勢の中でこの問題はやはり処理さるべき一ものであろうという考え方に立ちまして、調停を申請いたしました。  その後、調停におきまして四回の事情聴取が行なわれまして、第四回目の事情聴取におきましては、当時の副総裁、現在の総裁が参りまして、公社としては、民間賃金の推移を見て検討をいたします、しかし、現在の段階では民間賃金の動向がまだ出そろっておらないので、明確にわかりかねるところもあるので、時期、額等については明確に申し上げるわけにはいかないが、検討いたしますということを、事情聴取の場においてお答えした、こういうことが現在の状況でございます。
  67. 吉村吉雄

    吉村委員 その日にちはいつですか。
  68. 中山公平

    ○中山説明委員 それは四月の十九日でございます。
  69. 吉村吉雄

    吉村委員 官再長官忙しいところを来ていただきましたのでお尋ねをしておきたいのですけれども、昨年の春闘の際に、四月十七日だったかと思いますけれども、昨年の春闘を収拾するために、池田総理と太田総評議長との間に、六項目のことが約束をされております。この六項目の中で、特にいま公労協の関係の労使の紛争というものに限定をして申し上げますと、大体二項目ぐらい、この六項目の中で該当事項があると私は考えております。官房長官にお尋ねしますが、この池田・太田の確約事項というものは、当然佐藤内閣でもこれを引きついでその実施に当たる、こういうふうに理解をしていいと思いますけれども、その点は間違いありませんか。
  70. 橋本登美三郎

    ○橋本政府委員 いま御質問の点でありますが、これにつきましては、当時より引き続きまして、当事者能力の問題その他を検討をしてまいっておるわけでありまして、いま結論までは至っておりませんが、引き続き誠意をもって検討いたしておる状態であります。
  71. 吉村吉雄

    吉村委員 あれからちょうど一年を過ぎた、こういう状態でございますけれども、いまの長官の答弁からいたしますと、当然にあのときの確認事項、すなわち当事者能力の問題、あるいは紛争については調停段階でなるだけ解決をする云々、こういうことについては政府の義務としてこの実施に当たってきた、あるいはまた現在そのために努力をしておる、こういうことでございますけれども、いま電電公社当局からお話がございましたように、今度の賃金問題の労使紛争というのは、すでにもう調停が開始されてから本日をもって調停の期間が切れる、こういう状態に立ち至っております。この間、政府としまして例の池田・太田会談の確認事項を実施するという責任を持った立場から、今度の公労協の賃金問題をめぐる労使紛争に対して、政府としてどういう態度をとってこられたか、これをまずお尋ねをしておきたいと思います。
  72. 橋本登美三郎

    ○橋本政府委員 お話のような当事者能力の問題ですが、これは本国会を通じまして労働大臣あるいは関係大臣から当事者能力の問題についての答弁は申し上げてあるわけでありまするが、ただ問題は、当事者能力の回復ということば、あるいは当事者能力を持たせるということばですが、実は、もちろんこの問題につきましても検討を加えております。したがって、従来事務的段階でかなり煮詰めてまいりましたが、御承知のように公共企業体の賃金については、法律上の制約もあり、かつまた、財政上の制約もあるわけであります。今回の春闘の問題につきましても、政府としては、労働大臣あるいは大蔵大臣等と協議をしまして、できるだけ池田・太田会談に伴うお話し合いでこれを実現すべく、いわゆる調停段階で臓をきめたい、あるいは当事者能力についても万全を期したいというようなつもりで、先ほど来から関係政府委員説明いたしましたように、従来ゼロ回答でありましたものを、今回におきましては、二月の十七日に、御承知のように五百円あるいは四百五十円、四百円という、それぞれ企業体に従って財政上の関係から、それぞれの回答をいたしております。これは画期的なことでありまして、いわゆる政府が従来当事者能力に関する考え方については、かなり弾力的な考え方をもって臨んでおった一つの証左とも言えると思います。なおもちろん調停段階がそれで済むわけでもありませんが、それから調停に入って今日に至っております。ただ、私はあまり専門家じゃありませんから、詳しいことは申し上げられない状態でまことに恐縮ではありまするが、御承知のように調停期間は、法律上二カ月ということではなくして、大体慣行として二カ月に行なわれておる。また、電電公社の場合は、従来の慣行二カ月という点から申し上げましても、五月二日になるわけであります。そこで、もちろんこれはできるだけ従来の慣行に従って二カ月以内に調停が話し合いでできまするように措置したい考え方でもって努力をいたしてまいりましたが、先ほど来から関係政府の、あるいは公共企業体の責任者が御答弁申し上げておりますとおりに、財政上の問題もあります。あるいはまた、御承知のように、補正予算を組むという法律上の技術もあります。そういうことで、実は話が余談になりますが、一昨日も関係企業体の経営上の責任者を招致しまして、諸君の中で当事者能力を十分に発揮して、調停段階で片づけることができないか、こういうような話をいたしますと、企業体によってはいわゆる当事者能力を全部与えられましても、私のところは赤字でありますからとうてい出しようがない、結局は政府のお世話にならなければならぬ、かようなことをいうところもありますし、まあ企業体によってはある程度の財政余裕もある、こういうことで、当事者能力と申しましても、いまの法律上の段階から申しますと、実際上これを処理する上においては、やはり国会のお世話にならなければならぬところもあります。さようなこともありまして、なかなか調停段階で話し合いを十分にするように、かつまた調停の段階においてこれが解決ができることを期待し、かつ政府はこれに対して側面的に協力し努力する、こういう考え方をせんだって官房長官の名で関係当事者に通告するとともに、皆さんにもいろいろ新聞等を通じて申し上げておるような次第であります。かつまた昨日は、この第一段階の声明に従って、できるだけ調停段階での話し合いをまとめたいと考えて、今後の折衝の場合においては、従来の回答に加えて、なお具体的な回答をすべく準備を進めておる、かような状態でありまして、政府がいかにこの問題に対して正面切って誠実に、かつまた労使の話し合いの慣行をつくりたいという誠心誠意のあることは、ひとつ御了承を願いたいと思います。
  73. 吉村吉雄

    吉村委員 官房長官、私の知る限りでは官房長官労働大臣が同席をしたところで、公労協の各組合の代表者との間であなたが会談をして、五百円という額ではこの紛争が解決するとは思われないという趣旨のことを話した。これは日にちは三月十八日のように私は聞いておるのですけれども、そういう事実はありますか。
  74. 橋本登美三郎

    ○橋本政府委員 あまり頭のいいほうじゃあまりせんから日を忘れてしまいましたが、それは共闘会議の諸君だろうと思いますが、三月中旬ごろと思います。私と労働大臣が会談といいましょうか、持ったことがあります。その席上での共闘会議側の幹部諸君の意向は、労働大臣に対してこの五百円回答をもって話し合いができるかどうか、さように考えておるかどうかという質問はあるいはあったかもしれませんし、それに対して労働大臣から、もちろんこれはこれで直ちに解決ができると思わない、しかし従来ゼロ回答であったものが、とにかく第一回の回答において五百円の有額回答を行なったということは、従来の政府が言明しておる、労使の話し合いによって解決したいというまず前進態勢を示したことであって、これは非常に意義の深いことである、こういうような説明をいたしております。その際に、共闘会議の幹部諸君もまことにこの意義は重大である、非常に有意義な進歩であるということを認められておりまして、その後において、せんだって御承知のような政府の見解を表明したわけであります。
  75. 吉村吉雄

    吉村委員 このことについては、公労協の出席した代表は重大な進歩であるということを言明した、そこらはたいへん記憶がいいのですけれども、先ほどの私の質問した事実については頭が悪いものですからではどうも私も納得がいかない。  そこで、いまの話を大体まとめてみますと、あなたが記憶しておった会談をした日にちというのは、いまの答弁の趣旨からすると、私が指摘したように三月十八日の模様でございます。そこでその次にお尋ねをしたいのは、今度の国会の総理の施政方針演説に対して私が質問をしたときに、労働大臣から、この当事者能力の問題については、一月二十二日だったかと思いますけれども、次官会議において現行制度の合理的な運用をはかって解決にあたっていきたい、関係法については十分抜本的な検討を加える、こういう趣旨の答弁がございました。次官会議で現行制度の合理的な運用をはかって解決にあたりたい、こういうことをきめたというのは事実として考えてよろしいですか。
  76. 始関伊平

    始関政府委員 ただいまお話のございました関係次官会議で「公企体等の当事者能力問題について」という決定のございましたのは一月二十八日でございます。その要旨を申し上げますと、「公企体等の当事者能力問題に関連する制度改善については、公企体等の制度全般にわたる問題として、広い視野から抜本的に検討する必要があるので、政府提案のILO関係法案に規定する公務制度審議会において今後検討することが適当である。」これは一項でございまして、二項として、「制度の抜本的改善までの間は、公企体等当局が適切にその当事者能力を発揮できるよう現行制度の合理的運用をはかる。」こうなっております。
  77. 吉村吉雄

    吉村委員 そういたしますと、一月二十八日の関係次官会議においては、関係法律については抜本的には新たにつくられるところの公務制度審議会で、なお現実的な処理のしかたとしては合理的な運用、こういうことをきめられた。これは一月二十八日ということでございます。  先ほどの長官の答弁によりますと、公労協代表と会談をして、五百円ではこの事態が解決すると思われない、こういう趣旨の話をされたというのは三月十八日ということでございます。いまは四月二十三日です。三月十八日にあなたが、五百円でとても解決でき得ないじゃないかというふうな政府としての公式な態度を表明して以降、もう一カ月以上になっている。調停段階ももう終わりにこようとしている。こういう中にあって、政府は一体その後どういう努力をされましたか。
  78. 橋本登美三郎

    ○橋本政府委員 先ほど来申し上げましたように、各企業体それぞれに財政状態に違いがあります。かつまた法律によって給与総額がきめられておる。かようなことのために、これが運用として行なう場合に、ある意味においては政府の財政的な措置にまたなければならぬものもある。また根本的問題は、先ほど政務次官からお話がありましたように、公務制度審議会において根本的に検討を加えなければならぬ点もあります。さような事情であるばかりでなく、だいぶ時間がかかっておるではないかというお話でありますが、相当時間を要しておりますのは、やはり官公労の賃上げ問題と民間の問題とは相関関係があります。したがって、もちろんこれは結論において民間の結果をまつという必要は理論的にはないわけでありますけれども、実際問題としては、符に公労協の場合は、国民のかなり広範囲の層においてある意味における基準にもなることでありますからして、政府としては現在の経済情勢あるいは全体の問題に関連して考えますと、慎重に、かつ合理的に解決する必要がある。かようなために、その間、団体交渉等を通じて数回にわたって、またお互いに労使間においても協議が進められておるような状態でありまして、あえて政府としてこの問題をチェックしよう、あるいは特に故意にこの問題の解決をおくらせておるというような実情ではないということをひとつ御了承願いたい。そのために、せんだって官房長官談話で、調停の段階において解決ができるように期待をいたしておる、万一にもこれができぬ場合においても仲裁裁定はこれを実施する、こういうような意向を表明して、話し合いの十分なる進み方を見守っておる。かつまた当事者をしてこれが交渉に当たらしめておる。こういうのが実情であります。
  79. 吉村吉雄

    吉村委員 仲裁裁定を完全実施するのは当然のことですから、そんなものは時の政府によって尊重されたり尊重されなかったりしたら困ることなんで、それはいいんです。私の申し上げておるのは、池田・太田会談によって、今後公労協関係の労使の紛争の問題については当事者能力について十分検討をして、そうして紛争を少なくしていこう、こういうことであったと思うのです。しかし、それは抜本的な法律の検討あるいは改正、こういうものについてはすぐにできるというふうに期待するのは、期待するほうが無理かもしれません。しかし、その間は一体どうするかということにつきましては、合理的な運用をはかっていく、こういうことも次官会議できめられておる。先ほど電電総裁は五百円の有額回答をしました、こういうことを答弁されました。それは私どもも知っております。問題は、五百円の有額回答というもので一体この事態が収拾できると思うのか。こういうことについては、政府の見解としては五百円で解決しようとは思わないと言ったのは三月十八日です。三月十八日にそういう態度を表明しておる。それ以来一カ月余になって、せんだってとあなたはおっしゃいますけれども、いまから二日前でしょう。いまから二日前になって初めて仲裁裁定の問題に触れ、あるいは第二次回答を云々、こういうことを言った。約一カ月以上というものは五百円では解決し得ないであろうということを承知しながら放任をしておったということは、昨年の池田・太田会談による話し合いの結果というものに対して忠実にこれを実施しようという意図がある行為というふうには受け取れない、こういうふうに私は申し上げます。
  80. 橋本登美三郎

    ○橋本政府委員 先ほど来から申し上げておりますように、従来は御承知のようにゼロ、ゼロ、ゼロ回答であったのです。そういうことが今回の春闘にあたっては、金額の大小については労使いずれも意見があろうと思いますが、とにかく最初に五百円の回答をなし、続いてこれに対してもなおかつ第二次的には有額的な回答をしようという考え方は、明らかに池田・太田メモの方針に従い、なお前内閣が約束いたしました話し合いの精神を発揮しておる。ただ、金額を組合側がこれで納得するかしないかという問題は、そのための調停でありますからしでいろいろ議論がありましょう。けれども政府は今日まで誠実にそういう考え方のもとに労使慣行もつくりたいし、また調停段階においても、これは労働組合側あるいは経営者側との話がつかなければどうにもなりませんけれども、できるだけそういう考え方で臨んでほしい、こううような態度は、昨年、一昨年と比べて雲泥の差があることは十分に御理解願えると思うのです。ただ、金額の大小はいろいろ議論があります。その点を十分御理解願って、今後の労使関係というものができるだけ皆さんのお力によって、調停段階といいましようか、話し合いでことがきまり、無用な摩擦が起きないようなことになりますように、皆さんの御協力を得たいと私は考えておることを御了承願いたいと思います。  なお内閣委員会から先ほど来やかましく言われておりますし、私ピンチヒッターでありますから、労働大臣のほうにお聞きいただくことにいたしまして、どうぞよろしくお願いいたします。
  81. 吉村吉雄

    吉村委員 賢明な労働大臣ですから、いままでの経緯はもう大体お察しがついたものという理解に立って質問を継続していきたいと思うのです。  いままでの長官の答弁によりますと、池田・太田会談に基づくところの確認事項、これについては、関係法律については新設されるところの公務制度審議会で検討していく、こういうことでございます。それまでの間におきましては、現行制度の合理的な運用をはかっていく、こういう態度を関係の次官会議できめて今日に至っている。その合理的な運用というものが具体的にあらわれたものが有額回答であるというふうに要約できると思うのです。私は、ゼロ回答から幾らかの額を示した回答をしたというそのこと自体については、確かに大きな前進であるとは思います。しかし、事務的には前進であったといたしましても、労使の紛争を解決する、そのためにこの額というものが一体役立つのかどうかということについては、非常に大きな疑問なしとしない。したがって、先ほどの官房長官の答弁によりましても、三月十八日に労働大臣も出席をしておったそうですけれども、公労協の代表者との会談の際に、五百円で解決するとは思われない、こういう態度を表明したというのは、この間の事情を物語っておると私は思うのです。それから一カ月余が過ぎた今日になりまして、官房長官は得々としてこのおとといの声明のことを言っておるのですけれども、一カ月以上というもの一体どういう努力をしたのかということについて、私は政府の態度というものを明らかにしていただきたい、こういうようにまず大臣に質問をしておきたいと思います。
  82. 石田博英

    石田国務大臣 労働行政と申しますが、労働問題という角度から労使関係を処理するという立場に立ちますと、これは労使間の話し合いによってそれぞれが完全に自主的な判断能力を持ってやられるということが望ましいことは言うまでもないのであります。しかしながら、三公社五現業というような公共企業体、あるいは公務員、また制度上は一般労組法の適用は受けておりますけれども、住宅公団その他政府関係機関というものは、それぞれ国会の予算審議権あるいは政府の予算編成権というようなものとの関連があります。したがって、この労使関係を処理するという原則と、それからそれらの企業の特殊的な立場とのかね合いにおいていわゆる自主交渉能力の問題を処理しなければならないのでありまして、これは一朝一夕に片づけられることではございませんから、いろいろ検討の結果、今度設置せられるであろう公務制度審議会で御検討願う、こういうことに決定いたしました。これはおわかりいただけると思います。  そこで、それまでの間は現行制度の合理的運営でやっていくということが二月に行なわれました有額回答であります。この有額回答の意義は、いままでのゼロの回答から有額回答になった――むろんゼロではなかったのであります。昭和三十六年、やはり私が在職中、千円の回答をしたことがあります。しかしそれからまたあとゼロでありました。そのゼロの回答から有額回答ができたということは、一つの前進でありますと同時に、もう一つは、そのときはまだ民間関係においては回答らしいものは行なわれていなかった。その民間がほとんど回答らしいものが行なれていなかった時点において出された数字であるところに、私は意義があると思うのであります。そこで三月十八日に、公労協の諸君との会見の席上において、これで十分だとか十分でないという議論があるだろう。しかし不十分だという要求がありました。これが調停段階に入りました際においては、民間の賃金の動向とにらみ合わせて、またそのほか物価その他の事情、あるいはそれぞれの企業体の実情等とにらみ合わせて検討していかなければなりません。  そこで、一カ月何をしておったかという話でありますが、まず第一は、民間賃金の動向というものを見てまいらなければなりません。それから各公社、現業それぞれいろいろな条件の違いがあります。それからその計算の基礎をどこに置くかということについて、これもまたいろいろな議論が出てまいります。そもそも財政当局からいえば、余裕がないのだから五百円以上はもうとんでもないという議論もございます。そういう議論の調整、緩和、それから民間賃金の動向というものの検討及び折衝を行なっておったのであります。そうして民間賃金の動向というものもおおよそだんだんと出てまいりました。そこで今度はそれをにらみ合わせながら、各公社、現業のまちまちの事情――いろいろ事情が違うのです。一律に解決できない。それからその計算をどういうところに置くか。民間賃金との比較という問題にいたしましても、それをどういうところに賃金で置くか。あるいは定期昇給を除いたベースアップ率だけをとってみるか、定期昇給をくるんだ上昇率で見るか、これでもたいへん違います。たとえば、鉄鋼は昇給率は大体九百五十円か千円であります。ところが公共企業体になりますと、これは予算の上から言いますと、大体三・五%ぐらいでありますが、運用上かなり違っておるのが実情であります。そういう運用上かなり違っておるところをにらみ合わせながらいろいろ検討していかなければならぬ。これは一カ月何をしておったかとおっしゃいますが、私どもはその一カ月の間事務当局で折衝させましたが、私はじめ事務当局も議会にも来なければなりませんし、それはできるだけの努力を今日まで傾注してまいりましたが、そこでまだ数字は詰まっておりません。財政当局の間に議論はございます。ございますが、できるだけ早い機会、おそくとも月末まで、調停段階において各公社、現業の理事者が回答できるように政府として努力をいたしてまいりたい、こう思っておる次第でございます。
  83. 吉村吉雄

    吉村委員 大臣は、五百円の有額回答というものをしたというところに非常に意義がある、こういうふうなことを強調されました。そのこと自体は事務的に意義があるかもわからぬ。しかし、逆な見方をしますと、民間賃金の関係から申しますと、五百円という有額回答をしたことによって、民間の賃金というものが決定されるのに非常に悪い影響を与えたという、そういう逆の意味でも意義があるとも言えるのですよ。事務的なというふうに言っておるのは、いままではゼロ回答だったのが、今度は百円なり二百円なり、そういうものを出したからいいんじゃないか、こういうようなそれだけの理由だとするならば価値があるかもわからぬ。しかし、労使が今日当面しておる問題、こういうものを解決しようとする額としては、決して意義がある数字ではない、こういうふうに申し上げなければならないと思うのです。そのことを認めておるのが十八日におけるあなた方の態度ではなかったか、こういうふうに考えるでありますけれども、いずれにしましても、いまの大臣の答弁によりますと、民間の賃金というものが大体固まってくるということを待たなければならなかった、あるいは各公社間におけるところの賃金の実情というものについて、それぞれ内容が異なっておるので非常に困難な点がある、こういうことでございますけれども、そうすると、第三者機関であるところの調停委員会等で、公共企業体職員賃金というものはどういうことを基準にして定めなければならないのかということは、おおむね法律上明らかにされておるわけですから、民間賃金あるいは公務員給与、こういうもので検討されていくだろうと思うのです。ただ、政府の態度として私が求めたいと思いますのは、昨年の池田・太田会談によって事態収拾のためにああいうような確認というものが行なわれた、こういうことでございますから、その本来の趣旨に従うとするならば、ことしは、その紛争というものを未然に防止する、こういう熱意、その熱意に基づいた行動、これがあってしかるべきではなかったかと思うのです。ただ、公共企業体のそれぞれの企業の内容、賃金の実情の相違とか、民間との云々、こういうことだけで非常におくれているというふうに言われては、私としてはどうしても納得ができない。むしろ去年の四月十七、十八日の事態を政府としては想起をするとするならば、あの事態に突入すればたいへんだ。したがって、こういう紛争の原因というものは那辺にあるかというようなことからあの確認が行なわれたわけであり、ああいった紛争というものを防止するという目的を持っていたはずでありますから、したがって、そのためにもつと積極的に事に当たるべきではなかったか。ましてやこの四月二十三日、本日は公労協が、どうしても五百円という低額回答だけに固執するとするならば、実力に訴えても、今日の公労協の職員の置かれている実態、あるいは制度上の多くの問題点、こういうものを国民の前に明らかにしなければならない。そのためには、若干の批判も受けるのであろうし、あるいは政府の弾圧というものも今日の段階においてはあるかもしれない。しかし、そういうことを覚悟しながらも、二十三日、この日の実力行使というものを配置をしなければならないというのが、いまの公労協の職員の実情だと思うのです。そういうようなことを避けていくためには、もっと政府が昨年の確認事項に忠実であるべきではなかったか、こういうことを実は主張をし、それに対するところの政府の怠慢というものをどうしても追求せざるを得ない、こういう気持ちであるわけでございますけれども、その点は先ほどの回答以外に何もありませんか。
  84. 石田博英

    石田国務大臣 私は労政をあずかっているものとしての良心にかけて、現在の制度運営の中にあって最大限の努力を今日まで傾注してきたつもりでありますし、これからもするつもりでございます。それが外から見て手ぬるかった、あるいは不十分であったという御批判は十分受けますが、しかし、現在の法規、制度の中からは、私は自分の良心にかけて最大の努力をしてきたわけでありますし、繰り返して申し上げますが、これからもいたします。ただし、これは二十三日、今日に公労法禁止行為をすることを準備しておるから、それを防止するためにしろといわれるなら立場が違います。公労法違反行為はあくまで法律で禁じられていることでありますから、やめてもらうべきことであって、それを防止するために努力をするというのではない。努力は労政の筋を通すために努力をするのあります。したがって、公労法違反行為によって生じまする社会的指弾を受ける、あるいは法律に示されておりまする処分を受けることは、これはその計画された自体の責任においてお考えいただくことであって、私は労政の筋を通して、いま申し上げましたことを自分の責任において努力をしていくつもりであります。   〔委員長退席澁谷委員長代理着席
  85. 吉村吉雄

    吉村委員 私の理解に従えば、法律は悪法であっても法律はあるんだからという考え方だろうと思うのです。しかし、政府自身が現在の公労法についての不備を認めたからこそ、去年の池田・太田会談の確認事項になったんだと思うのです。したがって、そういう立場からするならば、今日労働組合がこの事態を解決するために、あるいはあなたが言うように、法律が禁止したことを実施するということをやるにしても、現在の法律自体でこれは不備があるということは政府自体が慰めておるのじゃないですか。
  86. 石田博英

    石田国務大臣 現在の法律の上において、いわゆる労使関係を処理する原則と、それから公共企業体及び政府関係機関その他の財政法上の立場、国会の審議権あるいは政府の予算編成権等の関係における立場との間に矛盾があります。必ずしも一致しないものがある。したがって、それを処理するためには、先ほどから申しましたとおり、時間をかけて根本的な検討をしなければならない。こういうことはどういう法律制度の中にも完全に一致して、どれもこれも一貫しておるというものでもない、あるいは法律制定のときに完全に一貫しておったとしましても、その後社会の変遷や変化に応じて変わってくる場合もあるのであります。そこに直すべきものがあれば、法律を先に直していくことが前提であって、矛盾が生じたから、その法律をある特定人が無視してかまわないということは、法治国家として許されないことだと思います。悪ければ悪い部分を直す努力をし、直してから進むべきが法治国家だと私は信じます。
  87. 吉村吉雄

    吉村委員 公労法の問題はきのうきょう始まった問題でない。石田労働大臣大臣になったのも何回かと思いますが、公労法制定以来何回か問題になってきたことは、大臣自身よくおわかりだろうと思うのです。したがって、ほかの制度の問題とこれを並列的に議論をすることには私はならないと思うのです。公労法というものは非常に法的に不備がある。そういう不備が原因して紛争がたえない、こういうことはもうきのうきょうじゃないでしょう。しかし、昨年の事態収拾の解決策として、事態収拾の手段としてこれを検討するというふうになったんですから、おそきに失したとは言いながらも、それ自体は私は前進だというふうに考えているのです。だとするならば、そういう事態に立ってことしの紛争というものを防止していくという立場に立つべきであろう。これは同じような紛争というものを繰り返さない、こういう立場に立たなければならないはずだ。このことについては労働組合もそういう義務を負うかもしれませんけれども、同時にこのような不備の多い法律というものを強調し、あるいはまた国際的にも問題になるような法律というものをそのまま放置をしておいたというところにも実は問題の根源があるわけです。したがって、私は池田・太田会談によるところのこの実行というものについて、本年の紛争を避けるためにむしろ積極的に政府がその指導に当たる、こういう態度なくしては労使の信頼あるいは政府に対するところの信頼、こういうものはどうしてもわいてこないのじゃないか、こういうふうに考えるものですから、今年のこの春闘に対しての政府の出方というものは、どうもあの会談の趣旨からするならば消極的である、このような理解をせざるを得ない、こういうことです。  なお、石田労働大臣大臣としての立場、労働行政の責任者としての立場から努力をされている、そういうことについては私は決してこれを否定しようとしませんけれども、しかしいかに努力をしたとしましても、現実に問題が進展していかないという事態の中では、やはり労働者はどうしても納得できないというものが残ってくる。昨年ああいう確認事項が行なわれているだけにその感を深くする、こういう点を強調しなければならないと思うのです。私は今日の事態の中で五百円というような回答をして、それで大きな前進だという言い方自体に非常に不満があるのです。もっと積極的な姿勢をもってこの紛争というものを解決する、こういう姿勢で当たるとするならば、今日の事態というものは相当改善をされ、別な方向に進んでいたのではないかとすら考えられるので、この点は今後も特に大臣の立場から、この紛争の円満な解決の方向に努力をしてもらいたい、こう思います。  その次にお尋ねをしたいのは、先ほど大臣の答弁によりますと、民間の賃金の動向がかたまるのを待っているというのがいままで述べてきた理由の一つにあげられました。今日の段階においてはどのようにお考えになりますか。
  88. 石田博英

    石田国務大臣 民間賃金の動向が完全にかたまったとは思っておりません。ほぼその趨勢というものが出てまいりまして、公共企業体の理事者が判断をする材料が次第に整いつつある、こう考えております。
  89. 吉村吉雄

    吉村委員 公共企業体の各理事者が判断をする素材が、というふうに言われますけれども、もう少しざっくばらんに大臣、ものを言ったらどうですか。これは公共企業体のそれぞれの理事者が自主的な判断ができ得ない、そういう制度であるために紛争が起こっている、こういう状態でしょう。したがって先ほども大臣が、場合によっては政府として云々というようなお話もございましたけれども、この公労協関係の紛争というものを解決するためには、政府みずからが判断をしていくということのほうが主要な役割りを果たしていることは、これは否定できない事実だと思うのですよ。
  90. 石田博英

    石田国務大臣 これは表向きも外向きも、およそ理事者が実際それだけの予算措置ができるかできないか、認められるか認められないかということは政府との関係もありましょう。議会との関係もありましょう。だけれども、企業をあずかっておる責任者として民間の賃金の動向、自分のところで働いている人の労働の質と量、それから判断をしてこれくらいのものが適当であろうということを自分で判断するのが私はそもそもたてまえだと思う。これは制度上にも欠陥があるけれども、同時に私はこういうことをこういう席上で言っていいかどうかは別として、忌憚なく言わしていただけば理事者側にそういう点で非常に欠けるところがあると私は思う。われわれは、その判断を政府が高い政治的なあるいは財政的な立場から容認できるかできないかということを判断する立場にある。それを判断の材料として出てくる素材は、自分が人を使っておる、労働の質と量は自分が見ておる、他の民間企業と比べてみて自分の従業員の労働の質と量が低過ぎるというようなことは理事者が自分で判断する。これぐらいにしたいと思いますが、財政上はこれだけの総ワクしかないが、そこのところはどうでございますかというふうに持ってくるのが元来あたりまえです。それを政府が何かたがでもゆるめてくれなければ返事もできないのだ、あるいは逆に言うならば、それをいいことにして黙っているというところにももう一つの原因がある。私は労働行政をあずかっている者として、少し誘い水に乗っておしゃべりをし過ぎるようだが、忌憚なく言えばそういうことになると思う。したがって、私はことばを飾るのではなくして、現在三公社五現業の中におきましてもそれはまちまちなんです。第一に、賃金ベース、従業員の年齢構成がまちまち、男女構成がまちまち、ましていわんや労働の質と量は非常に違います。それから財政的な余裕の有無も非常に違います。しかし、もう一つの原則は、公共企業体の従業員はあまりでこぼこをつけられないということ、これもだれしも了解ができると思う。専売公社が幾ら金があるからといって、表現は悪いかもしれませんけれども、たばこの紙を巻いている人と、まかり間違えば刑事責任を問われるかもしれない鉄道の人と同じようなことにしなければならないということも困るが、そういうかね合いと同時に、その労働の質と量が同じなら大体同じにしなければならぬという問題がある。そういうことは理事者が自分でつかんで、自分で計算して、そして政府に、自分のほうとしてはこれくらいにしなければならぬのじゃないだろうか、しかし予算はございませんが、認めてもらえますかというふうに持ってくるのがあたりまえなことであって、その部分において政府の判断の責任がある。だから出発はやはり理事者の判断、その理事者の判断ができ得る条件が整って出てきましたならば、先ほども申しましたように私は労働大臣といたしまして自主交渉能力を最大限に発揮できるように、要するにワクを除く努力をいままでもしたつもりであるし、これからもするつもりだということを言っておるのです。
  91. 吉村吉雄

    吉村委員 いまの大臣の答弁はそのとおり私も理解をします。問題は、石田労働大臣がずっといままでにわたって労働大臣を続けてきていない。たまにかわっている。そういうあなたのような考え方で政府全体の指導というもの、あるいは労働行政はかくあるべきだ、こういうようなことで指導に当たっておったとしたならば、今日の公共企業体の理事者側の態度というものもまた変わってきただろうと思うのですよ。ところがそういう態度が一貫していない。石田労働大臣のような態度だけだったら、私はいまのような事態というものは起こらなくて済んだはずだと思います。いままでの事態というものは理事者側にも責任はあるかもしれませんけれども、しかし理事者側でたとえばこれだけと言っても、政府が他の企業の関係でこれはいけないと言った例すらあるのですよ。そういうようなことがたび重なってまいりますと、ものを言わなくなってしまう、こういう相関関係というものを私は持っておるだろうと思います。しかし、それを今日言ってみてもしようがないと思いますが、右田労働大臣のようなものの考え方で政府の労働行政全般というものをそういうふうにしてもらうことについては私は賛成をします。  そこで、電電総裁にお伺いしますけれども、いま大臣も言われましたが、少しおしゃべりが過ぎるがということを前置きにして言われましたけれども、確かに私も理屈の上ではそのとおりだろうと思うのです。いま大臣がおっしゃるとおりだろうと思います。したがって、大臣からいま理事打倒はもっとき然とした態度をもって事に臨むべきである、そういう態度が事を解決するにあたって非常に有効だという趣旨の説明があったわけでございますけれども、今日の事態に立って電電公社の総裁としてあなたは一体これをどういうふうに考えられますか、この紛争を解決するために。
  92. 米沢滋

    ○米沢説明員 先ほど御説明申し上げましたが、本年の二月におきましては電電公社といたしまして他公社に先がけまして五百円回答というものを出した次第でありまして、それにつきましては公社も政府のほうにいろいろ要請あるいは意見を申し上げまして政府の御了解を得て出した次第であります。しかし先般、といいましても電電公社の調停が三カ月たって切れる時期が五月三日でありまして、若干他の公社に比べまして調停の期間がおくれておるのでありますが、今週の月曜日、十九日に参りまして、調停委員会で公社の態度を表明したのでありますが、それは公社として五百円で絶対いいのだというふうに考えてはいないけれども、しかしまだ民間賃金というものが十分出そろっていない、したがって、これが出そろった場合にはあらためて検討しよう、こういうふうに考えておるということを言ったのであります。その考えは現在でも変わっておりません。したがいまして、私どもといたしましてはこの五百円で最終的にいいというふうに考えておるわけではございませんで、金額、時期等については今後なおさらに検討したいというふうに考えております。
  93. 吉村吉雄

    吉村委員 いまの電電総裁説明からいたしますと、民間のほうがいまの事態ではまだ固まっていないという判断のようでありますけれども、全部出そろうまで待つということですか。
  94. 米沢滋

    ○米沢説明員 全部出そろうというか、大体大部分のものが出てきたという時期でありまして、まだ調停期間が五月三日まででございますので、私どものほうはずっと様子を見ていきたいと思っております。
  95. 吉村吉雄

    吉村委員 新聞紙上伝えられるところによりますと、鉄鋼労連に対する回答というものが一応の相場ではないかというようなことを言っておるのですけれども、こういうようなことについて総裁あるいは労働行政の責任名としての大臣、この鉄鋼労連に対する回答についてはどのように考えておりますか。
  96. 米沢滋

    ○米沢説明員 鉄鋼労連の数字につきましてももちろん検討材料になっております。しかし、それだけというわけではなくて、なお私のほうの専門の部局がございますから、そこでいろいろ状況を検討しておるところでございます。
  97. 石田博英

    石田国務大臣 私は労使の片一方側の意思表示というものについて批評する立場ではございません。労使がおきめ願った、決定されたもの、こういう形で賃金というものは決定さるべきものだと思っております。しかし新聞紙上で、大体それが標準になるだろう、相場になるという記事はむろん読んでおります。
  98. 吉村吉雄

    吉村委員 そうすると、労働行政の最高責任者として新聞を見ておるということだけであって、これが公労協全体の現在の紛争というものに対してどういう役割りを果たそうかということについて考えられたこともないのですか。
  99. 石田博英

    石田国務大臣 これはむずかしい話でありまして、私どもが幾ら幾らが適当だというような数字を述べたら、今度はあなた方にたちまちかみつかれるのであります。そういう陥穽にみずから承知して落ち込むことをいさぎよしとしませんので、あらかじめ予防線を張っておるわけでありますが、そこで、一般の、民間の賃金の動向の次に問題になりますのは、今度はそれぞれ公社現業で働いておられる人たちの労働の質と量、それから従来までの賃金のあり方、それから賃金以外の収入の存在あるいは賃金以外の経営側の支出の状態、そういうようなものを勘案して、それぞれ自分のあずかっておる事業について理事者に御判断を願うのでありまして、そういう意味で鉄鋼の回答というものが一つ基準になりつつあるのではなかろうかとは思っておりますけれども、鉄鋼に従っている人とそれから専売公社に従っている人の労働とは非常に違うのでありますから、そういう点はそれぞれの立場で検討していくべきことだと考えております。
  100. 吉村吉雄

    吉村委員 大臣もたいへん人が悪いことを言っていますけれども、私は落とし穴を用意しているわけではないので、おそらく大臣としていまの労働情勢、こういうものを見られて、しかも紛争解決のために、先ほどの答弁によりますと非常に努力しておる、こういう立場でございますから、いわば鉄鋼労連の回答というものについてのお考えというものも当然あってしかるべきだと、こういう気持ちで質問をしただけですから、私は大臣ほど人が悪くありませんから、そんな落とし穴などは用意しておりませんから、そういう心配はひとつしないでいただくようにお願いしておきます。   〔澁谷委員長代理退席、藏内委員長代理着席〕 そのことについてあまり質問を深めてみても、これはなかなか答弁できないということだろうと思います。  そこでお尋ねをしておきたいのは、御承知のように公労協あるいは私鉄、こういったような組合ではこの二十三円、本日の時点においてもなお問題が前進をし解決しないということになるならば、やはり好まないけれども政府の積極的な乗り出しを期待し、あるいは公社自体の前進した態度を明らかにさせるという意味合いを含めて、この三十日にやむなく実力行使を配置する、こういうことを聞いておるのでありますけれども、このこと自体、私はいいことだというふうには考えません。しかし公労協の関係の労働者からするならば、五百円の回答から一歩も前進をしない、しかも官房長官の談話によりますと、第二次回答を用意する、こういうことだけであって、実質的にどうなるのかということについてもまだ展望が明らかでないという状態の中で、どうしてもこれはやむを得ない措置としてとらざるを得ない態度ではないか、このように考えます。そこで当然第三者機関のほうは調停段階で解決しなければ仲裁のほうに移行ということになるだろうと思うのですけれども、私は、昨年の池田・太田会談の趣旨からいたしますと、でき得ることならば、調停段階でこの問題は早期に解決をしていく、こういうことが望ましいのではないか、こういうふうに考えるのでありますけれども、三十日の実力行使の問題とからめて、大臣としてはどのように今後対処しようとするのか、あらためてお聞きをしておきたいと思う。
  101. 石田博英

    石田国務大臣 私は、法律に禁じられておる実力行使を計画するとかしないとか、それは国民生活に及ぼす影響等からもむろん考えなければなりませんし、そういう労政をあずかっておる者として、労働組合の諸君が法律違反行為をされないことはむろん望みます。望みますけれども、先ほどから申しておりますとおり、私のこの問題に対する一貫した態度は、そういう片方に違法行為による脅威と申しますか、そういうものの中でものをするのではなくして、労政担当者としての責任の立場から努力していく。違法行為をやらぬことは希望するが、しかしそれをとめるために何をするかにをするということではありません。そうじゃなくて、労政の筋としてやるべきことをやるのであります。そのために、おそくとも今月中に、時日はもっと早くなるでしょう。それぞれ公社が調停段階において前進した回答ができるような努力をいたします。しかしこれは相対的のものでありますから、政府としては調停段階では話がまとまることを期待はいたします。またそれに対して努力はいたします。しかし、不幸にしてまとまらない場合においては、これは仲裁裁定を従来どおり実施するという方針でいくのでありますから、不法行為というようなことを行なわないように、行なった場合においては、法の示すところによって厳正な処置をとらざるを得ないということはこの際申し上げておきたいと存じます。
  102. 吉村吉雄

    吉村委員 先ほどの公労法に対する見解と同じことを繰り返されましたが、あなたの立場としては、とにかく三十日に実力行使を配置をしたから、それをやめてもらうためにということで事に当たるのではないというあなたの理解のしかたは、あなたの理解のしかたとして私は承知をします。今日の労働組合はそうせざるを得ない、こういう実情については、もっと労働行政の責任者として、特に公共企業体等労働関係法の適用を受ける労働者の立場というものを考えて、対処をしていくことをこの際は要望しておきたいというふうに私は思うのです。  そういたしますと、いまの大臣の答弁の趣旨からみまして、五百円回答というものはもうこれは決策にならない。さらに鉄鋼労連の回答も、今後の公労協の労使紛争の重要な基準一つになる、こういうことも明らかになりました。それから調停段階ではできるだけ解決をしていきたい、こういうことも明らかになった、このように理解をしてよろしいと思うのですけれども、特にこの際申し上げておきたいのは、公共企業体の職員というのは、非常に公共性の強いそういうところで働いておる。そのためにできるだけ紛争というものを避けて、そうして国民にサービスというものをはかっていく、こういう気持ちを非常に強く持っていることは認めてもらわなければならないと思うのです。私自身もそういう仕事を長いことやってまいりましたから、そういう気持ちでずっと働いてまいりました。ただこれらの職員をして今日のような態度をとらざるを得なくした、こういうところにたいへん問題があるわけです。これは昔のことを語れば切りがないのですけれども、仲裁制度というものができて以降、まず私どもが期待をしたのは、仲裁裁定というものは完全に実施をされるものだ、こういうような理解のもとに、公共企業体等労働関係法というものに賛成をし、そしていろいろの運動というものを進めてきた。ところが、まず第一次の仲裁裁定からこれが完全実施をされない、こういうことがずっと続けられてきておる。こういうことから、だんだんとこの法律の規制を受けるところの労働者の考え方というものが実は変わってこざるを得なかったという経緯がある。ところが石田労働大臣は、仲裁裁定は実施をする、尊重をするから、君らもこの不法な労働争議はやめろ、こういうことを言いたしました。私はその際にも疑問を感じておったのですけれども、仲裁裁定というものは尊重をするというのは、時の政府の方針であってはいけないと私は思うのです。もっとそれは根本的に、仲裁裁定というものは完全実施をされる、あるいは尊重をする、こういうものは時の政府の政策ではなくして、もっと根本的な方針として、国の制度として確立をされなければならないであろう、こういうような理解を常々持っておったわけです。そういう理解、そういう気持ちになったというのは、石田労働大臣がなった場合にはそういうことを言われるかもしれぬけれども、あるいは労働大臣がかわったり時の政府の方針というものが変わったりすれば、仲裁裁定というものは適当にされるということがあったとするならば、これはたいへんなことになるわけで、したがって、そういう不信感をなくするためには、現在の公労法というものを抜本的に検討していかなければならない。当事者能力の問題と同じようにこれは重要な問題だ、こういうことになっていると思いますので、これはつけ加えておきたいというふうに思います。  最後に、とにかくそういう事情で、いまの公共企業体の職員は、好まない事態ではあるけれども、あなた方に、やれば処分をするぞなどとおどかされながら、しかもその処分を覚悟しながらもやらなければならないという生活上の実態、あるいはいままでの政府の政策に対する不信感というものがあって、この三十日の問題も起きているというふうに理解をされなければならないと思いますので、先ほどの大臣の答弁のように、できるだけ国民に迷惑のかかるような事態を回避するように、しかもまた現在の公共企業体の労働者の生活の実態というものを十分考えられた上で、ひとつ前向きの姿勢で事の処理に当たっていただきまするように特に要望しておきたいと思うのです。よろしいですか。
  103. 石田博英

    石田国務大臣 何度も繰り返しておりますとおり、私は労政の筋を通すために、そうしてお預かりしておる公共企業体の従業員諸君の待遇の改称が、許される範囲内でできるだけ上昇できるように良心にかけて努力をいたします。  もう一つ明確にしておかなければならぬことは、仲裁裁定を完全に実施するというのは、昭和三十二年、私が労政担当の時代に確立いたしまして、今日まで一度もそれをたがえておりません。私が労政を担当しているときであろうとなかろうと、まして今回は私が担当しておるのでありますから、たがえはいたしません。ただ法律の上で、十六条の予算上、資金上云々という規定は、これは憲法との関連において設けておかなければならない性質のものであります。実際に使わないようにしなければならぬことは、むろん言うまでもありませんけれども法律のたてまえとして設けておかなければならぬことは、やはり御理解をいただきたいと思います。
  104. 吉村吉雄

    吉村委員 この点はいつか機会を見て、私はまた労働大臣と若干議論をしてみたいと思うのですが、なるほど三十二年からは仲裁裁定は完全に実施されています。ただ、その際に第三者機関の公益側委員の選出方法というものが変わって以降ということがあるわけですから、そういうことについても私たちはたいへん問題として見ておる。これはILOの報告書の中にも若干問題点として指摘をされているはずです。しかし、いまはそのこと自体については議論をしようとは思いません。先ほど申し上げましたように、電電公社の総裁も含めまして、とにかく大臣からもお話がありましたけれども、もっと前向きの姿勢で一つの公社の責任者としての立場から自主的にこの問題を解決する、こういう立場で対処してもらいたい、このように特に要望をしておきたいと思います。  終わります。
  105. 藏内修治

    ○藏内委員長代理 八木一男君。
  106. 八木一男

    八木(一)委員 一昨年失対二法という法律の問題で国会が非常に緊張を生んだことは石田労働大臣も御承知のとおりであります。その失対二法の提案がありましたときに、関係の労働組合で失対事業の打ち切りであるということで非常に反対をいたしておりました。われわれもそういう認識のもとに反対をいたしておりましたけれども、労働省としては失対を打ち切るものではない、それから失業者を安定雇用、通常雇用につけるための熱心な努力をするのだということで、この職安法及び緊急失対法の改正案というものを政府が提案をされました。そこで幾分行なわれました質疑においてはそのことを政府側から特に強調をされたわけであります。  ところが、この失対法が通ってから、その失対二法の精神並びにそれに関連して政府からした積極的な意思発表と違った方向の行政が行なわれておるということが方々にあらわれております。そういう点について法律の精神並びに国会で政府が約束をされたことを忠実に実行をしていただく必要があろうと思うわけでございます。またその後においてそういう問題の質疑応答において政府が労働大臣その他から言明されたことについて、そのとおり実行していただく必要があろうと思うわけでございます。労働者に対してたいへん理解の深い、熱心な労働大臣ですから、当然そういうことについては前向きに御努力される御意思を持っておられると思いますが、それについて総括的な前向きな御答弁をひとつお願いいたしたい。
  107. 石田博英

    石田国務大臣 私は失業対策事業というようなものがいつまでも国の制度の中にあることは喜ばしいことだと思っておりません。でき得る限りそういうところに行かないで、定職について、そうして安定した仕事についていただくように努力をすることが労政の基本的目標だと思っております。しかしながら、それだからといって、他のいろいろな条件、年齢とかなんとかそのほかのいろいろな条件があります。そういう条件で他の定職につくと一言に言いましても困難な人々がたくさんおるのであります。そういう人をそのままにしておいて、労政の方向はこっちだからこっちへみんなすぐ一ぺんに向けていくのだという方針をとれないことも言うまでもないのであります。したがって失業対策事業法、職安法その他の改正につきましては、その基本方針にのっとって御協賛を得たのでありますが、その後の行政もその基本的な方針に従ってやっておるつもりでございます。
  108. 八木一男

    八木(一)委員 時間をお互いに節約しますので、御質問申し上げたことにひとつ御答弁願いたいのです。  その失対二法の精神並びにそのときに趣旨を説明された政府側の意見発表、また質疑に対する答弁、またその後における運用に関する国会の論議を通じて労働大臣が――前労働大臣でございますが、約束をされたこと、それについては現労働大臣石田さんは当然それを引き継いでおやりになる、またそれ以上に労働者に対してあたたかい配慮を持ってやられるというお気持ちで行政をやっていただく必要があろうと思いまするが、それについてどうお考えでございますか。
  109. 石田博英

    石田国務大臣 そのとおりでございます。
  110. 八木一男

    八木(一)委員 実は失対事業の直接の問題のもう一つ前に就職促進措置という問題があるわけであります。その就職促進措置を適用する問題について、失業者というものをいかに認定するかという問題が行政上の大きな問題になっております。この失業者の認定について、いま労働省の行政では家庭の主婦あるいは十四日以上働いている日雇い労働者というものを失業者と認めないというような方針をとっております。これは非常に不適当なことであろうと思うわけであります。家庭の主婦であろうと、十四日以上の日雇い労働に働いている人であろうと、失業者として就職促進措置を受けたい、失業者の認定を受けたいという意思表示をした以上は、これは当然そのような失業状態にある。安定雇用あるいはまたその前段である何といいますか、就職促進措置を望んでいるという者に対しては、当然それを失業者として認定をして当該の行政をやる必要があろうと思うわけです。それについて石田さんはどうお考えですか。
  111. 石田博英

    石田国務大臣 でき得る限り就職促進措置に大ぜいの人を適用させるように努力をすべきだと思いますが、その認定や行政の実施にあたってはやはり客観的基準があると思います。具体的な客観的基準の設定、行政の措置については職安局長よりお答えいたします。
  112. 八木一男

    八木(一)委員 局長の答弁はあとでよろしゅうございます。客観的基準ということがあってもその基準を労働省がほんとうの、さっき申し上げましたように失対二法の精神あるいはまた国会の答弁の内容に従ってやっておられないことでは困るわけでございます。一方的に客観的な基準というものをきめられては困るわけです。実際の基準というものは何か。国民を善良な国民として考えていくことが行政の要諦だろうと思う。いかなる制度においても一万人に一人くらいはいろいろな規定の裏をくぐって得をしようという人がありますけれども、その一万人分の一を対象として九千九百九十九人に迷惑がかかるような、そのような国民を信頼しない行政をすることは行政の担当者としてはいけないことであります。しかも特に労働者というのは働きたいという人に対して、そういう行政を行なうということだったら非常に間違いだろうと思う。家庭の主婦であろうと、これは当然日本国民として労働する権利があります。労働する意思があって、そしてその職場がないから失業者として認定をしてほしい。その就職促進措置をするために認定をしてほしいと言われたときには、これは本則としてそれを認定することが当然だろうと思う。それが逆に、いまの行政では家庭の主婦であってはならない。その中の、ごく厳格な条件をつけて、これこれの人だけは特別に考えるけれども、それ以外のときは家庭の主婦は失業者として認定しないというような行政が行なわれている。本来転倒の行政が行なわれている。それを労働大臣が労働行政のほんとうに大きな見地から、働きたい者が働く職場を得る努力に対して労働省がほんとうに好悪的なサービスをする。それに対して対処するという考え方でやっていただく必要があろうと思うわけでございます。家庭の主婦といえども、あるいはとにかくそういうことを望んできた者については失業者として認定をして就職促進措置を行なうということが本則でなけばならない。それが逆になっているわけです。それについて労働大臣が指導をされてその逆転をしている行政をほんとうの姿に戻すようにひとつやっていただきたいと思うわけであります。
  113. 石田博英

    石田国務大臣 客観的判断が労働省の一方的判断であってならぬことは言うまでもないことであります。客観的判断というのは一方的でないことを言うのでありますから。したがって、客観性を持つような判断をするように行政指導をいたします。  それから、家庭の主婦の問題でありますが、これはやはり原則として失業者でないと思います。ただし、その場合、就職促進措置を受けるべき者、あるいは受けさせてあげるのが適当であると思われる者、それの認定の基準について御議論があれば承りもいたしますし、実情に沿うように指導もいたします。
  114. 八木一男

    八木(一)委員 そこのところが問題でして、だれも家計が苦しくなくて働かなくてもいい普通の家庭の主婦が、このむずかしい職安に来て、やってもらいたい、失業者として認定をしてもらいたいなどと言いません。働いて収入を得る必要があるから来るわけです。ですから、家庭の主婦といえども、職安に来て失業者として認定をしてほしいと言った以上は、これは失業者であると認定するのが本則である。そこの中に一万人に一人くらいどうしてもそうでない、十万円くらいの収人があるのにやってきたというのがあれば、あなたは失業者ではありませんというようなことを言ってもいいけれども、逆になっておるわけです。そういうことで家庭の主婦でも、とにかく職安に来てそういう認定をしてほしいというものは、本則として失業者として認定をするということをやっていただく必要があろうと思うわけであります。それについて……。
  115. 石田博英

    石田国務大臣 その認定の基準についていろいろ具体的にすること、それはけっこうです。だけれども、やはり家庭の主婦というのは失業者でないという原則の上に立ってそうして実際お困りの人たちがこの制度を使っていただくように、運営の上において不適当なことは改めていく。現に制度上いろいろ家庭の主婦でも受けられるようになっておる。こまかいことは私は知りませんが、なっておるはずだと存じます。
  116. 八木一男

    八木(一)委員 その原則を、それでは労働省のほうは、家庭の主婦は原則として失業者でないという立場に立ってごく例外のみを認めるということにしておるのであるというふうにわれわれは理解をいたします……。
  117. 石田博英

    石田国務大臣 ちょっと私の答弁は違います。私は、家庭の主婦というものは原則として失業者であると認めるべきものではないと思います。しかしそのごく少数について例外を認めるという、ごく少数という答えをした覚えはありません。
  118. 八木一男

    八木(一)委員 労働大臣の答弁について言っておるのではなしに、労働省のいまの行政に対する私の主観を言っておるわけです。ですから一々答弁をいただいておると時間がなくなりますから……。  実は家庭の主婦というものが本則として失業者でないということは一応譲ってもよろしい。しかし家庭の主婦であって、職安に来て失業者の認定をしてほしい、就職促進措置をとってほしいと申し出たら、本則として失業者でなければならない。当然そんなところにやかましいことをいわれる労働省の安定所に、働かなくても暮らしていける奥さんが来るはずはない。そういうところに失業者として認定をしてほしい、就職促進措置をとってほしいと言ってきた家庭の主婦は本則として失業者として認めて、その中で特にそうでないものがあれば、これは一部を排除してもしかたがあり載せんけれども、本則としてはそれを認めるということをすることが当然この加法のたてまえである。また労働大臣としてそれに対する判断をされるのが筋であろうと思う。それについて労働大臣の御見解を承りたい。
  119. 石田博英

    石田国務大臣 就職促進措置というものには国の予算による手当があります。その手当を支給いたしますときには、やはり一定の基準がなければならないと思います。ただ申し出ただけで手当を支給するというわけにはまいらない。したがって、一定の基準が必要と思いますが、その一定の基準はでき得る限り困っておる方々に役に立つような基準でありたいと思っております。
  120. 八木一男

    八木(一)委員 もちろん手当があることは私どもも承知をいたしております。しかしながら、その手当をもらうためには、たとえば訓練所に行ってほんとうに働かなければならないわけです。そうではなくて、また委託を受けたところで働かなければならない、それがなくても、毎日職安に顔を出して、職安所長からいろいろむずかしいことを聞いて理解をしてそれについて努力をしなければならないということになっておる。ですから、そういうふうにほんとうに家計上働いて収入を得る必要がない人がそういうことで来るところではないのだ。それを知りつつそこで失業者として認定をしてほしい、就職促進措置をとってほしいという人は、家庭の主婦といえども本則として失業者である。ただし、それにほんとうの意味で便乗したようなものがあれば、これはそこで幾ぶんのチェックがあってもしかたがないと思いますが、いまは逆になっておる。家庭の主婦については本則として失業者でない。だんなさんが死んだ場合、直前に首を切られた場合以外は、その奥さんは失業者でないというふうに逆にしておる。そこを本則に戻していただきたいと思う。それについての労働大臣のさらに前向きな御答弁を願いたい。
  121. 石田博英

    石田国務大臣 もう一つ大切なことは、就職促進措置をするためには働けるような状態であるかどうかということであります。働けるような状態でなければ生活保護対象になるわけであります。そういう認定のしかたもございます。できるだけ行政の実施の上においてほんとうに困っておる人に迷惑をかけないようにする行政指導はいたします。しかし国の予算を預かって実行している上でありますから、無基準に行なうわけにはまいりません。
  122. 八木一男

    八木(一)委員 それじゃ労働大臣、あれですから、区切りだけつけておきます。そこで、労働大臣と私のこの論争は次にお預けするとして、お預けはしますけれども、私の主張を全部言うわけじゃなしに、その中で、具体的にたとえば家庭の主婦であっても労働省の言うような厳格な基準の、たとえばだんなさんが死んだ場合、あるいは失業した場合以外はだめだというようなことではなしに、実情に即して、その人が失業状態にある、その人が働く状態にあり、そして働いて収入を得る必要があるというときには、家庭の婦人も失業者として認定をする、行政的に認定をするということについてひとつ前向きな御答弁を願いたい。根本的な論争はまた次に譲ります。
  123. 石田博英

    石田国務大臣 先ほどからお答えをいたしておりますとおり、本制度の運営の趣旨にかんがみまして、家庭の主婦でありましても、ほんとうに働かなければならない場合、また同時に、働き得る状態にある場合、そういう人たちを救済あるいは対象とし得られるような行政措置をとってまいりたい、こう考えております。
  124. 八木一男

    八木(一)委員 それでは次の機会に続いてやりますから……。  委員長委員長代理からおっしゃっていただきたい。どういう行き違いがあったかは知らないけれども、私としては、四時に労働大臣がいなくなるということは一切予想をしない。少なくとも一時間半ないし二時間は労働大臣と根本的にこの問題について論戦をして、そして問題の方向をただそうといたしておったわけです。政府委員がおられますけれども政府委員については、これは政府委員のいまやっていられる行政措置について、この法の精神から見てはなはだ不適当だと思われることを労働大臣について質問をしようとしたわけです。ですから、労働大臣がいなければ質問はほんとうに意味が激減をするわけです。ですから、四時にテレビ放送をするとか、そういうようなことは、労働大臣の立場も、フジテレビの立場もありますから、きょうは隠忍自重いたしましたけれども、質問者にそういうことを連絡なしに、わが党の理事にも連絡なしにそういうようにかってにおもな答弁者の日程を約束をしてしまうというようなことはとんでもないことでございまするから、今度そういうことは絶対ないようにしていただきたいわけです。
  125. 藏内修治

    ○藏内委員長代理 委員長に御趣旨のほどは伝達いたします。
  126. 八木一男

    八木(一)委員 続いて少しは質問しますけれども労働大臣への質問が本旨でございまするから、できるだけ早い機会にこの続きをやる時間を委員長としてはぜひともとっていただきたい。与党の理事諸君は非常に理解のある人たちですから、どんなことがあっても、たとえほかの時間を削減してもこの時間を至急に、緊急にたくさんとっていただくということをお約束をいただきたいと思います。
  127. 藏内修治

    ○藏内委員長代理 御趣旨のほどは委員長によく伝達いたします。
  128. 八木一男

    八木(一)委員 では政務次官を中心に御質問を申し上げたいと思います。  いま石田労働大臣といろいろと質疑応答をいたしておったわけでございまするが、そこで石田労働大臣の言われたことは、家庭の婦人は原則として失業者ではないということでありました。私は、家庭の婦人といえども職業安定所に失業者としての認定を求め、就職促進措置を希望した者は、これは本則として失業者であるという立場でいろいろと質疑応答をしておったわけです。その問題について、ひとつ政務次官の御意見があったら伺わしていただきたいと思いまするし、また労働大臣として御協議になるのでしたら、その御答弁は無理にきょうとは申し上げませんけれども、少なくとも先ほど具体的な問題としてそういう論戦はいま平行線をたどっておりまするけれども、家庭の主婦が失業者として認定を希望し、それから就職促進措置を希望した者については現在労働省がやっているように、たとえば主人がなくなった場合、主人が失業した場合のみ失業者として認定するということではなしに、その実情に応じてこの家庭の主婦の失業認定を、希望の人については十分にその人たちの実情においてこれを失業者として認定をして、就職促進措置をとるという行政措置を直ちに行なっていただきたいと思うわけです。それについて労働大臣は概括的にそれに近い御答弁をされたわけでございまするが、労働政務次官から、労働大臣にかわってそのことをすぐに実施するという御答弁をぜひいただきたいと思います。
  129. 始関伊平

    始関政府委員 労働大臣が御答弁申し上げたとおりでございまして、職業安定所に失業者としての登録を希望して、就職促進措置の取り扱いを得たいということを、すべてそういう扱いにするわけにはまいらぬのでありますが、これにつきましては、客観的な一定の基準によって措置をいたしたい、このように存じております。
  130. 八木一男

    八木(一)委員 客観的な基準ということばが私どもにとっては非常に不満足です。客観的な基準というものをいままでどういうふうにやっておられるか、実際のところ労働省の職安局関係の行政官がかってにきめたことを客観的な基準といっているわけです。客観的な基準について主観的な判断をしているわけです。客観的な基準ということはことばは悪くありません。悪くありませんけれども、その認定を主観的に判断をしているわけです。ほんとうのことがわかっているのは当人であります。その当人がいま非常に生活が苦しくて食えない、ぜひ働きたい、ところが就職先がないからその失業者としての認定をして就職促進措置をやってもらいたいということは、人間が善人であればその人が一番よくその状態を知っているわけです。それを労働省の職安局長がそうではないということでこれを葬ることがあれば、労働省のお役人の主観的判断によってこれが行なわれている。就職をして働きたいということは日本国民の固有の権利である。婦人だからいけない、男子だからいいということになりますと、憲法の性別の差別を禁止した条項にも違反するわけです。家庭の婦人がだんなさんの収人で暮らし、子供を養育をしているということは私どもは具体的に認めますから、そういう点について家庭の婦人が一切失業者であるということの表明はいたしませんけれども、少なくとも職業安定所にその希望を申し出た者は、これは当然そのような憲法に定まったような、すべての国民は勤労の権利を有する、男女の差別はないという憲法の規定に従って、同じく失業者としてこれを扱うことが国の政治の本道からいって当然であり、また労働者の雇用についてほんとうに親切に熱心にサービスをしなければならない労働省として当然のことでなければならないと思う。それを客観的基準というようなことばをつくり出して、しかもそれを主観的に判断をして、本人が切実に希望しているのにそれを取り上げないということがあっては、憲法の条章の非常な大きな違反であります。そういうことを、労働政務次官が、職安局長がいままで行政上やっております。それを聞いて、そのまま御答弁になってはならない。労働大臣にかわって労働政務次官は、憲法の条章に従って、また労働省のほんとうの任務に従って失業の認定を受けたいといってきた者に対しては原則として失業者として認定をする。その中で特別に状況が違うという判断がほんとうに客観的に認められた場合にのみこれを扱わないことができるとその本則を逆転をしていただかなければならない。そういう意味で――ちょっと労働政務次官、人がしゃべっているときは聞いていていただきたい。打ち合わせば御答弁の前にしていただきたい。聖徳太子ぐらいりっぱな方だと思われますけれども、両方やったらやはり半分しか印象が残りませんから……。そういうことですから、この論争はいろいろ続きますけれども、具体的に、労働大臣の御答弁でも、家庭の婦人でもそういうふうに失業の認定を希望した場合には、いまのようにだんなさんが死んだ場合、だんなさんが失業した場合、それ以外はだめですというふうにけっ飛ばすのではなしに、その実態に応じて失業者としての認定をし、失業者としての就職促進措置をやるということをやっていただくことは、これは最低限の問題であります。この問題については直ちにそのとおりやるというような御答弁を、ぜひ政治家としての労働政務次官の的確な判断によって、そしてまたすなおな判断によって御答弁をいただきたいと思うわけであります。
  131. 始関伊平

    始関政府委員 大臣が御答弁を申し上げたとおりでございまして、失業者としての就職希望を申し出た者を直ちにすべて就職促進措置の適用を受けさすというわけにはまいりませんが、と同時に家庭婦人であるからという理由だけですべて断われるという趣旨でもございませんので、客観的にきまっております基準を客観的に解釈して適用してまいりたい、このように存じております。
  132. 八木一男

    八木(一)委員 前段はいいのですよ。後段、いまそうやっていないから、そのような間違った行政を正すために質問をしている。だから、いままでやっていることを完全に百点満点だという御答弁であってはならない。そういう事実が必要であれば事実をどんどん持ってまいります。何十時間でもその事実を明らかにいたします。そういった間違った行政があるのを、法律の精神に従って、政府が国会で約束をした精神に従って、その行政のあやまちを改めていただくために質問をしている。それを、いまやっていることが正しいというような御答弁が入っては、何にもいままでの論議をやった意義がないわけです。私の言っていることが間違いであれば堂々と反論をしていただいていい。しかし私の言っていることに反論がないならば、そうことについて実際にやっていくということを制約なしに答えていただかなければならないと思うのです。職安局長に聞かれて、いまその意味でやっておりますから心配はないということでは困るのです。そうじゃないようにやっているからこういう質問があるわけです。そういう意味で、すなおに端的に――私の申し上げたように、家庭の主婦といえども職業安定所に失業の認定をしてもらいたいと行った場合には、これは御主人がなくなったとか失業したとかいう問題に限らず、その実情に照らしてこれに失業の認定をするということを即刻やっていいだくという御答弁をぜひお願いいたしたいと思います。
  133. 始関伊平

    始関政府委員 先ほど大臣が申し上げ、また私も申し上げたのでございますが、実際の職業安定所の窓口における取り扱いが、いま申し上げたことと違っておるということでございますれば、実情を調査いたしましてこれを是正いたしたいと思います。
  134. 八木一男

    八木(一)委員 その次に、同じ問題で、十四日以上日雇い労働をしている者については失業者として認定をしないというような非常に不適切な基準をきめて労働省はこの行政を行なっておる。日雇い労働者というのは非常に不安定な雇用で、そして賃金も少ないわけです。そういう人たちはこの不安定な状態からぜひ抜け出して、希望を持って働きたいということで、常用雇用、安定雇用を促進する就職促進措置を受けたいというわけで、職業安定所に参りましても、君は十四日日雇いで働いているから失業者じゃないんだからそういう措置はとらないということで、これを受け付けないわけです。労働政務次官がすなおに端的にお感じになるとおり、日雇い労働で不安定な人が常用雇用、安定雇用に働きたいということは当然なことであり、また労働省として、そういう人を安定雇用、常用雇用に変えることをしなければならないというのは労働省の非常に大きな任務であります。そういうことを該当者が言ってきているのに、労働省の出先である職業安定所はこれをけ飛ばすわけです。十四日以上、そういうことを職業安定所はやっているわけです。そういうむちゃくちゃな間違った行政が行なわれておる。安定所に来て就職促進措置を受けたいという者は全部、人数をふやしても――安定所の人数を、どんどん予算をとってふやしたらいい。ふやしても全部受け付けて、そういう常用雇用につける努力をするということが本来労働省の仕事であろうと思う。そういう間違ったやり方について改めていただいて、その前の月に十四日以上、十五日日雇いで働いていようとも、常用雇用になりたいという希望を生かして、就職促進措置をとって、常用雇用にいける道をぜひつくっていただきたいと思う。そういう非常に過酷な不当な行政的な制限を取り払ってやっていただきたいということであります。それについての労働政務次官のお考えを伺いたい。
  135. 始関伊平

    始関政府委員 日雇い労働者につきましても、なるべく常用雇用に変えていきたいという一つの基本的な方針、考え方があるわけでございますが、日雇いにつきましても、いまでは一極の職業のようなことになっておりまして、それについての失業保険制度もあるといったような関係で、まことにやっかいなことになっていると思いますが、御趣旨の点については十分検討してみたいと存じます。   〔藏内委員長代理退席、委員長着席〕
  136. 八木一男

    八木(一)委員 後段非常にいいお返事でしたが、検討じゃなしにすぐやってほしいのです。いま失業保険があるといったけれども、それじゃ職安局長に聞きます。失業保険金は幾らくらいで、どのくらいもらえるか、ちょっと明らかにしていただきたい。
  137. 有馬元治

    ○有馬政府委員 日雇い失業保険の給付額は二百四十円と三百三十円の二種類でございますが、最高月当たり十七日分までいただける、こういう制度になっております。
  138. 八木一男

    八木(一)委員 政務次官にそこを理解しておいていただきたい。その日雇い失業保険の金額は一日二百四十円と三百三十円ですね、それで最高が十七日ですよ。それは条件によって違うのですよ。一体そういうもので食えるかどうか。日雇い失業保険があるから、そういうもので食えるから、就職促進措置の必要がないというようなことは、これはおこられるかもしれないが、もし大蔵省がそういう答弁をするなら――大蔵省でもりっぱな人はそんな答弁しませんが、まだそういう答弁もあろうかと思いますけれども労働者の生活について積極的に考えなければならない労働省の答弁としてそういうことはあり得ない、あってはいけないことだと思う。二百四十円、三百三十円で一体食えますか。からだがぎゅっとやせてきて、そういうことをずっとやったら、六十まで生きる人が四十で死んでしまう。しかも、その人は働いて社会に貢献したい、常用雇用につきたいのだ。そういうことが労働省のほんとうの基本方針であります。そういう人がほんとうに常用雇用につきたいために、そのために行政的に準備されたものに対して、その適用を希望しているというなら、十四日ほかで働いている、そしてその人ならば失業保険が二百四十円もらえるだろう、だからそんなものは全然扱わないのだというようなことは、労働省として全然言えないことです。ところがそういうことが全国的な基準として、そういう基準以上のものは失業者として認めないというようなことが職安行政で行なわれている。そういうことであなた一体いいものと思いますか。政務次官の端的な率直な御答弁を願いたい。
  139. 始関伊平

    始関政府委員 どうも労働行政については不勉強でございますが、私の感じを申しますと、日雇いということでございますけれども、一種の職業形態でございまして、それに伴って日雇いとしての失業保険制度もございますので、それと雇用促進手当を伴う雇用促進措置というものとはさい然と区別をするということが必要ではなかろうかという感じを持つわけであります。
  140. 八木一男

    八木(一)委員 職安局長に伺います。さい然と区別するといったって、それじゃ十四日以下の十三日間日雇い労働に働いている人が就職促進措置を受けられる手当と、働きに行くのと、失業保険と三つくれますか。一体くれますかどうか、言ってください。
  141. 有馬元治

    ○有馬政府委員 国の広い意味の失業対策としまして、いまの雇用促進措置とそれから失業保険制度、こういうものがあるわけでございますので、これらは制度的に相調整をはかりながら運用していく。したがっていまのような促進措置の一つの要件として、日雇い形態の就労者については十四日を基準として失業保険制度との調整をはかっておるわけであります。
  142. 八木一男

    八木(一)委員 よけいなことばかり答えないで、こっちの聞いたことだけを端的に答えてください。そうしないと時間がかかってしかたがない。こういうことです。就職促進措置として、十三日の日雇い労働省には手当を出す。そのときに手当を出せば、次に日雇い労働者に行くことをあなた方は許すのですかということを聞いているそれだけでいいのです。ほかのよけいなことは要らない。端的に答えてください。
  143. 有馬元治

    ○有馬政府委員 その場合は、失業保険金の受給資格があれば保険金をもらえるということになると思います。
  144. 八木一男

    八木(一)委員 保険金のことは言っていないのですよ。私の言ったことを端的に答えなさい。   〔発言する者あり〕
  145. 松澤雄藏

    松澤委員長 静粛に願います。
  146. 八木一男

    八木(一)委員 よけいな答弁をせずに、私の言ったことだけ答えてください。失業保険のことは聞いていないでしょう。就職促進措置をしますね。それから翌月に手当がもらえる。手当がもらえるようになってから、ほかの日雇い労働に働きにいった場合に、あなた方はどうするか。そっちのほうで賃金をもらったら、手当をもらうことを許しますか、許しませんか。その月のことじゃなくて翌月ですよ。
  147. 有馬元治

    ○有馬政府委員 他に就業しておれば、手当は出しません。
  148. 八木一男

    八木(一)委員 政務次官、いま聞かれたとおりです。ああいうぐちゃぐちゃなわけのわからぬことを言って、あなたの理解をまどわしておる。日雇労働者が就職促進措置を希望してその適用を受けたならば、今度は日雇い労働にはつけない。ですから、そこにせつ然と区別をされるわけです。あなたの答弁ではそれがぐちゃぐちゃになるが、さっきはそういう答弁をした。そういうことになったら、当然せつ然と区別されるのです。そういうようなあいまいなことで、労働政務次官は非常にりっぱな政治家であるけれども、こういうような行政的なやり方についてはまだ十分御研究になっていない。ちょっと御研究になってもわかりにくいくらい複雑で不当な行政をやっている。ですからそういう問題についていま追及しているわけです。とにかくそういうことでせつ然と区別をされておるわけです。だからごちゃごちゃにはならない。日雇い労働者が、失業者として認定をしてほしいといって認定を受け、就職促進措置を受けたならば、その期間中は日雇い労働によって賃金を縛ることはできない。だからそれはせつ然として区別をされておるわけです。  ところで、労働者がそのような不安定な仕事をやめてほんとうに常用雇用につきたい――政府のほうでは常用雇用につかせるために、就職促進措置という制度を置いた。その措置を受けたいということで失業者の認定をお願いしたときに、君は日雇い労働でいま働いているから失業者じゃない、そういう適用はできないというようなことは、労働省の行政としてははなはだ不適だと思う。労働省の行政としては、常用雇用につけるために一心不乱に努力しなければならない。しかも向こうからそういう努力を自分もしたいと言ってきたものを、お前はだめだといって断わることは、労働省の存在価値を失うものだ。そういうような行政を続けるなら、職安局なんかなくしたほうがいい。労働省そういう認定をするのがいいと思うなら、労働省なんかやめたほうがいい。雇用促進に逆行するようなことをやっている。そのような意味で、とにかく日雇い労働者でその前に何日間働いておろうし、失業者として認定してほしいと言ってきたときには、当然失業者として認定をし、そうして就職促進措置をとるということが必要であろと思う。それについての労働政務次官の端的な政治家の良心をもってお答えを願いたい。
  149. 始関伊平

    始関政府委員 就職促進措置を受けました者が日雇いのほうにつけないという関係と、日雇いというものが失業保険等の関係であとまで続いておりますから、どういう状態になったら就職促進措置の適用を受けるのかということと問題が二つあるような気がいたしますが、いずれにいたしましても、日雇いはなるべくやめて常用雇用に切りかえていきたいということが根本の方針でございますから、法律制度上の支障がない限り、そのような方向に進めていくべきものであろう、こういうふうに考えております。またそういう意味で検討したいと存じます。
  150. 八木一男

    八木(一)委員 たいへん前向きの答弁でけっこうでございますが、法律的にはそういうことは一つも書いてない。ただ労働省の中で有馬さんの名前や何かで通達を出してやっている。ですから、政務次官が直ちにそれをやめようといって、その通達を変えられれば一ぺんにできるのです。ですからあすにでもそれをやっていただきたい。検討するといって、大臣と御相談になろうと思いますから、この次の質問のときに聞きますから、この次にはその通達を出したという御答弁をぜひしていただきたいと思います。それについての最善の努力を続けていただきたいと思います。
  151. 始関伊平

    始関政府委員 複雑な内容を持った問題につきまして、しろうとの私があまり断定的なことを申し上げることはいかがかと思いますので、十分に検討いたしたいと存じます。
  152. 八木一男

    八木(一)委員 いつも実は非常に敬意を払っている委員長ですが、きょうは委員長一つだけ不満なことがあります。というのは、労働大臣が四時にお帰りになることを、委員長委員長代理が言われて、四時半私が質問したらすぐ石田君が姿を消したわけです。それで準備がむだになったわけですが、最近の機会でかなりの時間この問題について労働省と徹底的に論議をする場をぜひ委員長のほうでつくっていただくことをお願いして、残念ですけれども、質問の五分の一くらいしか済んでおりませんけれども、きょうはこれで質疑を打ち切りにいたしたいと思います。
  153. 松澤雄藏

    松澤委員長 よくわかりました。  本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十八分散会