○
八木(一)
委員 そこで、ぜひ
厚生大臣にそれを腹に入れていただいて、いま言ったことをほんとうに決死的にやっていただかなければならない。
最初の
要求ですら、新規
財源がごくわずかしかないわけです。八百億の千百億、三百億しかないわけです。ところでいま
医療費の値上がり、それからその前の社会保険の
赤字で、どのくらい国民の要望に従ってそれを国が国庫
支出するかという問題は、たとえばこの前政府とそれからまた支払い団体の
関係では、いま言った数字よりもはるかに多くの数字が
最低の要請として出ているわけです。わが党が本
年度の通常
予算の修正として
要求を出した
最低の詰めたやつで、それよりもはるかにオーバーした金額になっているわけです。それは御
承知のとおりです。金額を申し上げたほうがよければ申し上げますけれ
ども、別に申し上げなくてもおわかりだと思います。厚生省の昨
年度の第一の
要求から当然増分を含んで新規の事業分、それが四百億前後の
財源しかない。ところが、この
医療費の
関係で、
関係団体が
最低のものとして
要求するものがそれの一倍半以上になっている。わが党が本
予算を修正する
部分だけですよ。ほかの点についてはもっと意見があるのですが、この四十年の本
予算を修正するだけで、詰めて詰めて詰め抜いた金額が、それよりはるか、百億近くも多い。そしてこういう問題について、これは社会保険審議会や
社会保障制度審議会で結論を出して、これからやっていかなければならないわけでございますけれ
ども、こうしたことを考えると、このように政治の状況は動いた、そして政府もその状況が当然であるとして対処する姿勢を示しておられるという状況から見ますと、それを予測しなかったことは非常に不適切であったわけです。どういう結論になるか知らないけれ
ども、非常に膨大なお金が要ることは予測をされておった。ところが、その三割に詰めるということを押しつけられたために、その全額をそこに充てても、いまの国民が要望する
最低のものにも満たない。そういうことになれば、三割に
予算の頭を押えられたということによって、いま厚生省全体が苦境におちいり、政府が非常に困って
反省をして取り組もう。ほんとうならばそれは四十
年度本
予算で組まれるのが一番いい。ところが、それがほかの
関係があって急ぐということで、入らないことになりました。そんな三月とか半年とかずらすのでなしに、この四十年の
予算として解決されるべきものであります。それができなかったのは、こういうようなところから大きな
もとが出ているわけであります。これは
厚生大臣より以上に田中
大蔵大臣がいかぬわけです。田中
大蔵大臣は、前には五割で第一次の
要求を押えておった。その次は、今度は三割で第一次
要求を押えた。それでもそのワクの中で重点的なものについて考慮できるからよろしいのだということをぬけぬけとおっしゃっておる。ところが政府全体が困り、田中
大蔵大臣も困っておる問題は、田中君が三割に押えたということから派生しているわけです。三割に押えた残りの金額を全部ほうり込んでも、これは足りない。そういうことはおわかりですね。そういうことを押えたのは、大体大蔵省が、自分たちが
計算上——きょう大蔵省来ていますか。それでそういうように一律に五割に第一次
要求をやっておった。そうすれば大蔵省の主計局の連中は
計算が楽だ。実になまけた態度だと思う。自分たちが
計算が楽なだけで、国政のどれが緊急に重要であるか、どれが大事な政策の中でお金が一番よけい要るかというような問題に、ほんとうに具体的に対処する道を、大まかにかぶせた網でブレーキをかけてしまっておる。五割でもブレーキはかかる。それを今度は三割でブレーキをかけた。財政が苦しいから、全体の収支を合わせなければならないということはわかります。わかるけれ
ども、そこで重要度においてでこぼこをつけて、でこぼこの中で圧縮しなければならない。ほんとうに重要なものであれば、全体の財政額を締めようと思っても、その大事な問題については
予算の
増額を非常にたくさんやる、不急不要のものについてはぐっと押える、そういうことで
予算を編成するのが当然大蔵省としての任務だ。ところが、彼らはそれをやりやすいために五割で押える、三割で押える、三割で押えたために厚生省がとんでもなく困る事態におちいった。
厚生大臣がそこで強い決心で、断じてそれは
承知ができないということをがんばらなかったことについては重大な責任があり、それは痛感しておられると思いますけれ
ども、大蔵省の頑迷固陋の態度を爆砕しなければ、こういうような具体的な、実際大事な政治が進むことにブレーキがかかります。それについてこの間
予算委員会で、田中
大蔵大臣と
神田厚生大臣と、それから
総理大臣は何か渉外事項でおられませんでしたから、橋本官房長官の前で言いました。その問題について、本日の論議についてはすべて
総理に即刻報告して対処をせよと言ってあるのに、橋本君はこれをなまけておる。また、ちょうどそのことを
厚生大臣に申し上げませんでしたけれ
ども、一番痛感しておられる
厚生大臣が、当然
閣議でこれを提起さるべきであると思うのに、まだ提起をされておらないということは、ほんとうの決心でやっておられないように見えます。ほんとうの決心でやっておられるなら、あすにでも、あさってにでも、
閣議のときにこれは重大な問題であると提起をされる必要があろうと思います。そして、いかに
大蔵大臣がへ理屈を言われようとも、
計算が楽なために
最初の五割に押え、三割に押えるというようなことは、これは大蔵省としての怠慢なやり方である、ほんとうは全部各省でこれが必要であるということを出して、それを今度内閣全体でその中からどれが一番必要か、どれは次に回していいかということをやるために、
最初にワクを設けてはならないということが
予算のほんとうの編成方針として示されなければならないと思う。その点について即刻強力に取っかかられる意思があるかどうか。また、
大蔵大臣が何と言おうとも、あなたがそのようなほんとうの大局の立場で、これを理論的に説得をする決心を持っておられるか。また、
総理大臣がまあま
あというようなことを言っても、これは大事な問題であるから
総理大臣もそれについて真剣に考えて、
総理大臣が
厚生大臣の言うことがいいと思ったならば、いかに田中君が実際的な権力を持っていてもそれを押えつけろということを
総理大臣に強烈に迫る決心があるかどうか。それについて伺っておきたいと思います。