○中井
委員 いま
櫻内さんからの御答弁を伺っておりますと、一応はごもっとものようなことでもあるのですが、しかし、
公害の
基本は、はっきり言えば、
厚生省の
立場からいえば大いに積極的に進めていきたいし、
通産の
立場からいえば、要するに
科学技術とそれからバランスとの
関係があって、特にバランスの
関係でぐずぐずしているのじゃないかというふうな一般的な評価をしたくなるのです。そういうことについて、ひとつもっと深く考えていただけぬものであろうか。
公害を出しているからバランスがとれるのではなくて、
公害をなくしたほうがバランスがとれる場合もこのごろ出てきておる。
科学技術との
関係、そういうものについてもっと積極的な姿勢が望ましいのではないかと私は思うのです。どうも先ほどからの御答弁を何っておりますと、非常にむずかしいとか、あるいは研究
過程であるとか、こう言いますが、これはやるかやらぬかの腹がまえが非常に大きな
意味を持つのであります。
一つの
産業でも、ある
地域においては、私はきょうは具体的に名ざしはいたしませんけれ
ども、ガソリンの精製
過程で、ちゃんと硫酸を取ってバランスのとれている会社がある、これは初めからそういう設備がある。ところが一方では、大きな
企業ですけれ
ども、そういう設備がない。いまからやるのはたいへんだからほうってある。こういうふうな
関係がどうもあるように私は思うのです。ですから、バランスがとれないからほうっておくのではなくして、やはりそこに
企業の怠慢というものが私はあると思うのです。ですから、
基準が非常にむずかしいということはわかりますが、むずかしい、むずかしいでほうっておいては、いつまでたっても片がつかない。そこでその追い込みとして、私
どもは
基本法というのを、これは大きな網であります、大きな網でありますから、いろいろ欠点もあろうと思います。あろうと思いますけれ
ども、なおかつそれを出しておく必要があるのじゃないかということなのです。この点についての、私は
大臣の率直な見解を伺っておきたい。これが
一つ。
もう
一つは、ひとつどこかでやってごらんなさい。どこかで政治としてやる。たとえば隅田川のあの
汚濁をきれいにする、国がひとつ取り上げて、総理の命令で、あなたやら、
厚生大臣、建設
大臣等が音頭をとってやる、何億かかってもやってみる、私はできると思うのです。そういうことから片づけていく。一方は大きな網をかけて、一方は具体的にやっていく、目にものを見せる。もうその時期にきておる、私
どもはこう思うのです。この二つをまずお尋ねしておきます。
それからもう
一つは、何回もお尋ねするのはなんですからこれでやめるのですが、今度の
公害防止事業団、これのことしの
計画によりますと、何か少し
工場を移転するとか汚水を少しよくするとかそういうことですが、たとえば尼崎とかあるいは川崎とか、あるいは東京でも江東地区とか、あるいは北九州のほう、悪貨は良貨を駆逐するといいますか、非常にいいところであったが大きな
工場がきて居すわってしまった。だからむしろ住宅を変える以外に変えようがない。
工場を変えようと思えば、何十億、何百億かかる、いわゆる住宅移転ですな。
工場移転じゃなくて住宅移転だ。そういうことをこの公団は積極的に推進するのかどうか、将来においてするであろうと思いますが、ことしあたりはそういうことを考えておるのかどうか。小さい
工場移転というようなこともありましょうけれ
ども、そういうことです。そうしてそういう場合に、そういうことについて
企業がどれだけ
責任を持つのか。これまで行なわれておりますことは、問題が起こりますと
地方自治体、市町村長や知事に陳情をする、それでいかなければ、今度は国にいく、わあわあ、わあわあ陳情しておるだけでありまして、肝心の
原因を起こした大
企業なんというものがなかなか言を左右にして動かない、こういうことについてやはり一定の
政府としての
基本的な態度をきめられる時期じゃないのか。
政府が勧奨をして、そして
企業にもっと積極的な協力をさせる、かなり積極的にそういうものについてやるというふうな考えを、もう出ておられると思うのですが、出ておられたら
具体案を付いたいし、出てなければ大いにやってもらいたい、こう思います。
この三つの問題についてひとつ国務
大臣として、佐藤さんのかわりのようなつもりで
櫻内さんから御回答を賜わりたい、こう思います。