○門司委員 これは実は私はちょっと問題だと思って聞いてみたのですが、いまのようなことでは、いま下がっている地盤はどうにもならぬ。いまからくみ上げる水を
規制してみたところで、
もとに戻るはずがない。
幾ら水を注入してみたところで、あの土地はなかなか上がるものではございません。だから、現実にそういうところに非常に大きな問題が出てきておる。これらに対して、いまのお話を聞いてみると、この法律は何ら作用しないものだ、さように解釈いたしておきます。これからできるものはある
程度何とかしようという
程度の法律だと、いまの答弁では解釈せざるを得ない形になってまいります。
それから、もう
一つの大きな問題として聞いておきたいと思いますことは、
都市改造に対するいろいろな
意見を拝聴いたしまして、場合によっては
都市の移転をというような話もございましたが、これは口ではそういうことが簡単に言えますけれ
ども、さっき申し上げましたように、そういうことができるかどうかということは非常に大きな問題でありまして、今日世界のどこにまいりましても、住居
関係からくる
都市改造は行なわれております。たとえば東京都のように全部の家を平均しても一・七階ぐらいにしかならない、これを四階ぐらいに建て直せばよろしい、あるいは非常に住宅が粗末だ、二十年も三十年も前のバラックをそのまま置いておくことはよくないから、これを建てかえようというような観点からくる
都市改造は行なわれております。しかし、
都市の移転という——改造ではなく、この場合は移転であります。移転という方向に対しては、かなり思い切った
予算とかなり大きな地方の自治体の決意がなければ、この法律でそんなことができるとは
考えられません。しかもこの法律は、さっきからお話のございますように、単に今日の営業しておるところから出るいろいろな問題を集約して何とか
めんどうをみてやろうということでありまして、私は二、三日前からの質疑応答の中でしばしば、まごまごしていると
都市の移転までも
考えておられるような印象を与える話を聞いているのでありますが、ほんとうにそういうことをやるというお
考えですか。こんななまやさしい法律でそんなことができるはずはありませんので、そうなってくると、産業
公害というのにひっかけて、各個人個人の持っておりまする所有権、住居に対する権利というようなものを全部何かの強制力で持っていかなければならぬでしょう。そういうことまでお
考えになっているのか。この法律によるいわゆる
都市を改造しようというのは、単なるアパートその他をこしらえてそうしてごく
工場に接近している地域の諸君だけが多少移動をすることができる範囲でなければできない。私はこの法律ではとても
都市改造なんというようなことは思いもよらないことだと思います。
都市改造自身をどのようにお
考えになっておるか、それはわかりません。いわゆる
都市改造というものをどのようにお
考えになっておるかということもこの機会に聞きただしたいのでありますが、時間がございませんから、後段に申し上げましたように、この法律に基づく
政府の
構想としては、ごく接近した、たとえば
工場の囲いの中にあるとか、あるいは
工場と道
一つ隔ててすぐそばにあるとかいう、人間の住むにきわめて不適当な場所——たとえば
四日市のように、何キロかの間人間は住めないのだというので、何キロかの間家をみな取りのけてしまって、それをほかへ持っていこうということになると、たいへんなことなんです。そんなことが簡単にできるはずがない、だから、後段に言いましたような範囲で、この法律は住居の移転その他等も
考えられているのだ、こういうふうに解釈しておいていいですか。
その場合に、もう
一つ問題になるのは、個人の所有しておるものまでもこの法律でそういうことができるかどうかということ、そういうことについて、ひとつわかりやすく御答弁願っておきたいと思います。