○吉村
委員 いま
総理府あるいは農林省、自治省のほうの
災害に対する基本的な対策についての
答弁を得たわけですけれども、私の考えでは、現在の
災害対策基本法というものが三十七年から施行されたわけですが、この中でも議論をされましたように、なるほど、中央に
防災会議あるいは
地方にもそれぞれのこれに対応する
会議を持って、そこで計画を練る、こういうふうになっておるのですが、あれから約二年有余この
法律が施行されてまいったわけです。非常に問題だと私が考えますのは、この
法律上の欠陥もあると思うのですけれども、
災害というのは本来不時の事態に起こるものですから、事前にこれを防止するということと同時に、起こったことに対しては緊急にこれに対処する、こういうたてまえでなくてはならない。そうしますと、中央の権限よりは、むしろ
地方に権限がなければ、適切な対策は立てられないはずだと思うのです。ところが、現実の問題はどうかといいますと、
災害が起こった、そうしますと、まず何といっても
地域住民の被災民に対して
救助の策をとらなければならない。お金がかかる。この金の問題については一体どうなるのかといいますと、金を使ったにしましても、
あとから一体国から交付になるのであろうかどうかという心配をまずしなければならないような状態だ。あるいは
天災融資法についてもしかり、適用になるかならないかということ、あるいは
激甚地の
指定についてもしかり、こういったものが
地方の自治体のそれぞれの担当者の頭の中に作用して、そして緊急を要するところの
災害対策というものが消極的にならざるを得ない。現にそういうことのために問題が起こってから中央に対して
陳情団が毎日押しかけてくる。こういうような
災害対象のあり方は根本的に誤っておる。このような問題については、もっと
地方自治体の長の権限というのもを強化する、信頼をする、一定の程度の
被害については
地方自治体の長の判断において適切な対策をとる、これに対しては
政府が
責任を持って財政的な援助あるいはその他の施策をやる、こういうような関係にしなければ、うまい
災害対策というものにはならぬではないかということを私は強く指摘しておきたいのです。本年の場合には、農林省は、本年異常天候の状態でありますので、これに対するところの対策本部というものを持った、こういうことは私も聞いておったのでありますが、異常天候というのは必ずしも農産物に対する
災害が起こるというものではないと私は思うのです。この種の問題については、農林省だけではなしに、国全体として、今年の異常天候に対してどう対処するかというようなことは、もっと根本的な立場から検討して万全の対策を事前に立てておかなければならないはずだ、こういうように私は考えるのでありますけれども、
先ほどの
総理府の
答弁によりますと、そのつど十分に関係各省と連絡をしてという
状況にしかすぎない。こういうことでは、私は決して
地域住民に対してあたたかい思いやりのある施策ということにはならないであろうと思う。いま
広島県なり
熊本県の
被害の実情をこの写真で見たりあるいは聞いたりしますと、非常に悲惨な状態である。こういうようなことに対してそこの該当の県なり市から、こうしてもらいたい、ああしてもらいたいといっていまになって
陳情して、それから
政府が対策を考える、こういうようなまぬるいことで一体
災害対策というものがうまくいくかどうか。国民がほんとうに
政府のその種の非常事態に対する施策に対して信頼するかどうかということを考えれば、この答えは明瞭であると私は思う。しかし、私はいまここでそれを深く議論しようとは思いません。とにかく
災害対策基本法というものができて二年有余になったわけですから、それからいろいろやってみたけれども、この
法律にこういう欠陥があるのではないかということをお気づきになっておるとするならば、
政府全体として、この種の問題に対して根本的な対策というものを立てるために、この
災害対策基本法の不十分な点を改正するとか、あるいは
地方自治体等の意見を聞いた上で対処する対策を考えるとか、こういうような前向きな姿勢を根本的に立てていくということが必要ではないかというように考えますので、この点はだれか
責任者の方がいいのですけれども、きょうはどうもお見えになっている方が少ないですから、むしろ、この種の問題を総括的に担当していると思われる
総理府のほうから、あるいは担当者のほうから、あなたの今日までの経験の中でこれから一体どうすべきかというようなことを、私の意見を申し上げましたので、いま一度になりますけれども、ひとつお答えをいただきたいと思うのです。