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1965-07-09 第48回国会 衆議院 建設委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年七月九日(金曜日)     午前十一時十八分開議  出席委員    委員長 森山 欽司君    理事 吉川 久衛君 理事 廣瀬 正雄君    理事 三池  信君 理事 井谷 正吉君    理事 岡本 隆一君 理事 西宮  弘君       逢澤  寛君    井原 岸高君      稻村左近四郎君    大倉 三郎君       木村 武雄君    砂原  格君       丹羽喬四郎君    堀内 一雄君       湊  徹郎君    渡辺 栄一君       金丸 徳重君    久保田鶴松君       實川 清之君    中嶋 英夫君       原   茂君    稲富 稜人君       玉置 一徳君  出席国務大臣         建 設 大 臣 瀬戸山三男君  委員外出席者         運輸事務官         (海運局参事         官)      高林 康一君         建設政務次官  谷垣 專一君         建設事務官         (大臣官房長) 鶴海良一郎君         建 設 技 官         (道路局長) 尾之内由紀夫君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     内田  襄君     ————————————— 六月八日  委員天野光晴君及び正示啓次郎辞任につき、  その補欠として湊徹郎君及び吉川久衛君が議長  の指名委員に選任された。 七月九日  委員木部佳昭辞任につき、その補欠として井  原岸高君が議長指名委員に選任された。 同日  井原岸高辞任につき、その補欠として木部佳  昭君が議長指名委員に選任された。 七月九日  理事加藤高藏君一月二十五日委員辞任につき、  その補欠として吉川久衛君が理事に当選した。     ————————————— 六月一日  一、国土計画に関する件  二、地方計画に関する件  三、都市計画に関する件  四、河川に関する件  五、道路に関する件  六、住宅に関する件  七、建築に関する件  八、建設行政基本施策に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  建設行政基本施策に関する件      ————◇—————
  2. 森山欽司

    森山委員長 これより会議を開きます。  まず、理事補欠選任の件についておはかりいたします。  本委員会理事に欠員がありますので、その補欠選任を行ないたいと思います。  この際、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 森山欽司

    森山委員長 御異議ないものと認め、吉川久衛君を理事指名いたします。      ————◇—————
  4. 森山欽司

    森山委員長 建設行政基本施策に関する件について調査を進めます。  本件調査のため、日本道路公団理事内田襄君を参考人とし、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 森山欽司

    森山委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。     —————————————
  6. 森山欽司

    森山委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。井谷正吉君。
  7. 井谷正吉

    井谷委員 私は、大臣がお見えになりまして順を追うて質問をいたそうと考えていたのでありますが、大臣の時間のお差しつかえがあるそうでありますので、まず道路公団のほうにお伺いをいたしたいと思います。  いま、九州四国連絡フェリボートの問題に、関係県がありまする愛媛大分両県では、ほとんど毎日の新聞でもこれを扱っておりまするように非常な関心を払っておるわけでありますが、この問題は、なくなられました河野さん、それから前の小山大臣、そうしてまた今度と、三代にわたる課題であるわけであります。これにつきましてお伺いをいたしたいのは、九四連絡フェリ予算についてどのような御構想になっておるのか、総工費が幾らかかって、何年計画でやられるのか、あるいは始めたならば一気に完成をするような工程でいっていられるわけか、まず最初にこれをお伺いいたしたいと思います。
  8. 内田襄

    内田参考人 お答えいたします。  ただいまお話九州フェリにつきましては、予算につきましては三十九年度の予算に一部計上いたしまして、総予算で三億四千七百万円のうち、三十九年度に五千万円計上いたしました。計上はいたしましたけれども、実施に至りませんでしたものですから、その予算は四十年度に繰り越しになりまして、四十年度の予算といたしましては二億九千七百万、前年度の繰り越しと合わせまして三億四千七百万という予算になっております。  それからもう一つ工事の期限につきましては、これは三十九年度に予算がつきまして、三十九年度から四十年度末で完成するという予定で進めております。
  9. 井谷正吉

    井谷委員 世間ではこのフェリ就航道路公団民間会社、この二つでやり上げる、こういう常識的な大ざっぱな考えを持っておりまするし、新聞等報道もそう印象づけるような書き方をしておるわけでありますが、先般大分県知事の話によりますと、三十九年度で一千五百万、その中を七〇%と三〇%に分けまして、七〇%のうちの四割を国、四割を県、二割が地元、そしてこの三〇%のうち二分の一を公団、二分の一を民間会社、こういう割り振りになっておるようなことを聞きました。そうすると、名前公団民間会社というけれども、実質では大きな負担を県と地元で背負う。たとえば民間会社のほうで、この額でまいりました場合に、二百二十五万円出せばいいが、大分県は六百三十万——貧乏県の大分が、この金額はわずかにしても、そういう過重な負担というものは理に合わない、こういうような意向を漏らしておりましたが、この数字に間違いございませんか。
  10. 内田襄

    内田参考人 お答えいたします。  ちょっといまの御質問の中身にはっきりと了解できない点はございますけれども、ただいまの予算では、ただいままで進めてまいりました方針では、道路公団民間会社提携でやるという原案で、道路公団としましては船を一隻、民間会社の船を一隻、それから接岸施設など兼用工作物という扱いで進めてまいりました。総予算で七億になるところをその半分——道路公団のほうの予算としては半分ちょっと切れますけれども、これは営繕とかその他こまかい費用関係でございまして、三億七千四百万円というものが道路公団予算になっております。この中で県が負担をしていただくといいますか、実は接岸施設に伴いまして大分県の佐賀関のほうの港に防波堤をつくる必要がございます。この防波堤につきましては、これは港湾の特別整備法によると思いますが、県がおやりになって、その防波堤費用に対して三〇%を道路公団負担をするという方針でした。それでその防波堤費用が約五千六百九十万円というふうに推定をされております。その五千六百九十万円の三〇%の約二千万円というのがただいまの計画道路公団負担分というふうに考えております。
  11. 井谷正吉

    井谷委員 これは大分県の場合でありますが、愛媛県側でも佐田岬にほぼ同様の施設をしなければならぬ。愛媛県のほうはどういうことになっておりますか。
  12. 内田襄

    内田参考人 愛媛県のほうにつきましては防波堤計画は特に必要といたしませんで、ただいまのところ大分県の佐賀関だけについてのものでございます。と申しますのは、その接岸施設は桟橋でつくるのでございますが、その接岸施設を保護するための防波堤に対しまして特に佐賀関の港の場合についてだけ負担をする、愛媛県側につきましては特に防波堤計画をあらためて必要としないというふうに考えております。
  13. 井谷正吉

    井谷委員 三崎の側におきましてはそうかもわかりませんが、前に一ぺん調査に参りましたときに、三崎から離れたところに一つの湾があります。そこに船どまり施設をするというふうなことを愛媛県の道路部長が言っておりました。そういう御構想があるわけですか。
  14. 内田襄

    内田参考人 その話につきましては、ただいま三崎の港の接岸施設として計画しておる南側に、いまのお話の湾がございましたが、これは将来フェリを運航した際の避難場所というふうには心得ておったわけです。おおよそそういう見込みのもとに計画を進めておりました。
  15. 井谷正吉

    井谷委員 そうしますと、この三十九年度から四十年度に越しまして愛媛県側ではどれだけの金を投入し、しかも愛媛県の負担になるのはどういうぐあいになるか、それを伺いたい。
  16. 内田襄

    内田参考人 ただいままで私の承知しておる限りでは、愛媛県側としては、特にこの計画に伴って負担をされたとか工事をされたとかいうふうには聞いておりません。
  17. 井谷正吉

    井谷委員 話の順序上、道路局長にお伺いいたしたいのですが、いま御説明のありました接岸設備、こうしたものは大分大洲線、これの改修工事とは別個のものであるか——あろうと思いますけれども。そして、さらにこの大分大洲線改修はこれからどのくらいな金が要るかということと、県と国との負担の割合、あるいは地元負担——今度国道になりましたから、そういう関係をひとつ伺いたい。
  18. 尾之内由紀夫

    ○尾之内説明員 国道大分大洲線改修でございますが、御承知のようにほとんど未改修でございます。そこでフェリをやりますにあたりましては大体一年か二年でやるという目標でやっておりますが、とうていその間には全面的な本格改修はできませんで、とりあえず現道を特別な個所だけ改修いたしまして、特殊改良をやりまして通れるようにしたい、こういう考えでおります。本格的に改良いたしますと、おそらく現在の道路とは別の線を通ると思います。これにつきましては、まだ県のほうの調査路線もきまっておりませんので、いつごろ、どれくらいの資金が要るかということはわかりませんが、その調査を待つにいたしましても、やはり本格改良には今後四、五年を要するんじゃないかと私ども考えております。ただ、まだ調査が終わっておりませんので、明確なことは申し上げられませんが、そういうような程度の仕事ではなかろうか、かように考えております。  それから費用負担でございますが、いまの接岸設備は、私どもの考えは、有料道路並びに海上運送法フェリ施設としてやろうと思っておりますので、これは県の負担ということは一応は考えておりませんが、それ以外の区間につきましては、国道でございますから、原則的に改修に要します費用は四分の三、地方公共団体が四分の一ということになっております。それから特殊改良をやります場合には、この率が二分の一ということになります。これは一般道路の場合と同様でございます。      ————◇—————
  19. 森山欽司

    森山委員長 ただいま瀬戸山建設大臣が御出席になりました。  この際、瀬戸山建設大臣から簡単にごあいさつお願いいたします。瀬戸山建設大臣
  20. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 去る六月三日の内閣改造にあたりまして、不肖私が建設大臣を命ぜられました。建設委員会皆さんには、今後いろいろな面で御指導、御協力を願わなければならないと思いますが、私も建設委員会に属しておりましたことが相当あります。わが国のいわゆる建設行政について、この時代における、現時点における建設行政、将来を見通した観点に立ってやるべきことは多々あると思います。そういう問題点については、今後できるだけすみやかに検討をいたしまして、また皆さまに御批判を仰ぎ、またお知恵をかりることが多いと思いますが、非常に重要な役割りであろうと思います。わが国の将来の国土建設という非常に重要な案件であろうと思っておりますから、どうかひとつ、専門的にいろいろ御検討いただいております皆さんの今後のお力添えをぜひお願いいたしたい。きょうは、簡単でありますけれども、ごあいさつだけにとどめておきますが、よろしくお願いいたしたいと思います。(拍手
  21. 森山欽司

    森山委員長 次に、去る六月八日、建設政務次官就任されました谷垣專一君から発言を求められておりますので、これを許します。谷垣專一君
  22. 谷垣專一

    谷垣説明員 去る六月八日に建設政務次官に任命されました谷垣專一でございます。  建設関係につきましてはいわば全くのしろうとでございます。もともとの浅学非才のものが、ことに建設部門に不案内のものが政務次官を拝命いたしましたわけでございますので、ずいぶんと皆さん委員各位からはお目だるい点があろうかと思いますが、大臣の御指導を受けつつ勉強をいたして、そうして全力を尽くしてまいりたいと念願をいたしております。どうか先輩の委員各位の一そうの御鞭撻を賜わりまして、日本建設行政のために力を尽くしてまいりたいと念願をいたしております。どうぞ、ひとつよろしくお引き回しをいただきますようお願いをいたす次第でございます。(拍手)      ————◇—————
  23. 森山欽司

    森山委員長 引き続き質疑を続行いたします。井谷正吉君。
  24. 井谷正吉

    井谷委員 続いて公団にお尋ねしたいのですが、公団から大分県、愛媛県両県に出されました勧告の協議書に対しまして、六月二十八日に大分県はあの協議書同意をしない、こういう回答をいたしておるはずであります。前に公団におかれましては、この協議書同意をしなかったならば予算返上する、こういうふうな意思の御表明があり、半ばそれがかなりの圧力になっていたのも事実でありますが、大分県は同意をしなかった。そうすると、公団はかねてお話がありましたように御返上になる御意思であるのかというのが一つと、この返上ということは、将来も続いてこの問題に触れないという意味も含むのか、その点をひとつ承りたい。
  25. 内田襄

    内田参考人 お答えいたします。  ただいまのお話のとおり、公団から愛媛大分県知事協議いたしました内容は、先ほども申し上げましたように、民間提携をしてやるという案で協議いたしました。それに対して、去る三月に愛媛県知事からは同意するという御回答をいただきましたけれども、大分県知事からは、六月の末になりまして同意しかねるという回答をいただいたわけであります。道路公団といたしましては、いまのような案に基づいて道路整備特別措置法に基づいた協議をいたしたわけでございまして、それに対して同意を得られなかったものですから、少なくともこの案についてこれ以上進めようがないというふうに考えております。それから先のことにつきましては、公団としては建設省の御指示を得て考え方をまとめる以外に方法はないと考えております。
  26. 井谷正吉

    井谷委員 次に運輸省のほうにお伺いをいたしたいのでありますが、現在きょうの日までに民間側でこの航路を運営したいという申請をしておる会社名前と、受付の日付を承りたい。
  27. 高林康一

    高林説明員 現在までに民間会社から海上運送法上の免許または許可を申請しておりますのは四社でございます。そのうち豊予商船株式会社と申しますのは五月二十日に受理しております。それから関西汽船、これは四月二十六日に受理しております。それから宇和島運輸、これは六月十八日に受理しております。それから宮崎産業海運、これは六月二十三日に受理しております。以上四件でございます。
  28. 井谷正吉

    井谷委員 この豊予商船という会社社長は、岩崎與八郎氏と聞いておりますが、さようでありますか。
  29. 高林康一

    高林説明員 社長名前は失念いたしました。
  30. 井谷正吉

    井谷委員 私、これをお聞きしたいのは、銀座に四国九州フェリーボート株式会社というものがあって、その社長岩崎與八郎氏なんです。そうすると、この九州四国フェリーボート株式会社というものは、運輸省のほうでお認めになっておる会社ですか、名前だけかどうか。
  31. 高林康一

    高林説明員 全然私のほうは存じておりません。
  32. 井谷正吉

    井谷委員 前に当委員会で私がお尋ねしたときに、私の聞き間違いかもわかりませんけれども、この問題はあまり長くなると認可の上に困る、私の印象ではすでに一社出ておるような感じを受けたのですが、それは私の間違いだったわけでしょうか。
  33. 高林康一

    高林説明員 前回の委員会で先生がお尋ねになりましたころは、まだ申請が出ておらないようでございます。先ほど申し上げましたとおりの日付申請が出ておる次第でございます。
  34. 井谷正吉

    井谷委員 そこで大臣にひとつ、大臣もこの問題は御承知と思うのでありますが、前に小山大臣が御就任のときに、前大臣意思を踏襲してやる、こういうようなお答えがあり、さらにその後会合を持たれまして、そこで民間公団との案が練られたようでありますが、私は前大臣にも申し上げたことは、この会合には肝心な大分県知事が出ておらない、愛媛県知事も出ておらない、両方事務所長が出ておるだけである、毛利松平君の秘書が出ておるというようなことで、これがどれだけの権威のある内容を備えた会合であるかということに非常に疑惑を持ってお問いしたのですけれども、その後この線についてお進めになっておるわけでありますが、大分県知事は、御案内のように、民間の参加ということを強く拒否しておるわけであります。そこで私はそのころ思いましたことは、小山さんが就任早々まだ十分にこの複雑な内容について御承知にならない早い期間にこうしたことを御発表になったということは、私は相当これは軽率であったと思います。したがって、自来尾を引いて紛糾しておるわけですが、大臣は今度この問題を扱ってもらわねばならないけれども、小山さんのようなことはいたされないだろう、私はもうどうせ小山さんもいずれおかわりになるかと思って、この問題には触れていなかった。今度新しい大臣に十分なる御検討を願いたいと期待しておりましたところ、先般大臣九州四国、阪神の重大な関心を持っておるこの問題について、やはり前大臣意思のように行なっていくという意味の御発言があった記事を見まして、これはまた二の舞いになるのじゃないかと思ってたいへん心配をしておりましたところ、その後六月十八日に木下知事にお会いになってあとの報道が出ておりました。それによりますと、これは一般意見も十分聞いて熟慮して行ないたいという意味のことが出ておりまして、胸をなでおろしたわけでありますが、これは非常に地元においても複雑であるし、ある意味においては疑惑を持たれておる問題でもあるわけであります。そこで、大臣がそうした時間をおいて熟慮の上に結論を出していただくということであるならば、私はこの際これに関係のある、今度は事務所長ではなくして両県の知事、さらに豊予商船社長、明治十八年からこの航路に犠牲的な努力をしておる宇和島運輸、さらに豊予商船航路権を、あるいはまた自分の持ち船を譲り渡した青木繁吉、これは中心人物でありますから、これを参考人として、これらの意見を当委員会で聞く機会を与えられるように、これは委員長お願いをいたしたい。そしてまた、私のいま申しました問題についての大臣のお考えを承りたいと思う次第であります。
  35. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 問題のこの九州四国連絡フェリーボートの件、これは正直のところ、私が当委員会におりましたときも、その計画がいろいろ検討されておるということは大体承知をいたしておりました。けれども、その内容がどういうものであるかということは特別に検討をしておったわけじゃないのでありまして、今回建設大臣を引き受けることになりまして、小山大臣から、多くの案件の中にこの問題もあるという引き継ぎを受けたわけであります。したがって、これはその前の河野大臣のときからいろいろ検討されて、小山大臣になり、先ほど井谷委員からもお話しのような一応の結論が出されておる、こういう状態でありましたから、それで皆さんが了解されておるものならば、早くやれということで各方面で要望されておる、そうなりますと、まあそれでうまくいくならそれでけっこうだ、私は別に異存がない、こういう考えを持っておりました。けれどもいろいろ実態を事務当局からも承りましたし、その後大分県の木下知事からも御意見を聞きまして、大分県の知事さんの、御承知のとおりいわゆる接岸施設といいますか、埠頭施設、それから航路に使用するフェリーボート、この大幹線動脈個人会社といいますか、民間会社が投資してやるということはどうも筋が通るように思えない、こういう御意見等いろいろありまして、やはり前にきめてありました方針が必ずしも皆さんが釈然たる状態にはなっておらないということを看取いたしました。その後愛媛県の知事さんにもお目にかかり、愛媛県の知事さんは、御承知のとおり、前に示された民間との共同といいますか、民間も参加したやり方でけっこうである、こういう御意見であったわけであります。けれども、大分県の知事さんが大分県側の道路管理者として釈然と御同意がないということでありますと、御承知のとおり、法律上これを遂行することができませんので、もう少しよく検討をして最終決定すべきである、こういう考え方にいまなっておる、こういうわけであります。まあ両県といいますか、関西と四国九州をつなぎますもう一つの大動脈としてこの線を早く完成するといいますか使用可能にするということは、これは地元の要望のみならず国全体から見てもきわめて必要なことである、こう私は思っております。けれども、まだいわゆる取りつけ道路といいますか、フェリに至る愛媛側——大分県側はある程度、最近の現場は私見ておりませんけれどもやや整備されておるということは聞いておりますが、特に佐田岬の旧二級国道については愛媛県側も相当努力はされておるそうでありますけれども、先ほど道路局長説明を申し上げたようでありますが、必ずしも急速にいわゆる物資の輸送が行なわれるという状態になっておらない、こういうところを勘案いたしまして、早いことがけっこうでありますけれども、やはり有料フェリといたしますと御存じのとおりに採算性の問題がありますから、必ずしも国費だけで現在直ちにやるという状態になっておらない、そういう関係から一部民間企業合同といいますか、出資をして早くやりたい、こういうことが検討されておったのであろうと思います。ところが、それが必ずしもまだまだ円満に話し合いがついておらない、こういう状況でありますから早くはやりたいし、かといってまだ異存がある、こういうことでありますからもう少しよく検討したい、こういう状況であります。もちろん各方面の御意見を聞きたいのでありますが、私、建設省立場といたしましては、これにかりに合同といいますか共同フェリを運航する場合においても、いかなる会社でなければならぬという考えは全然現在ありません。いろいろ話題にはのぼっておりますが、それがどの程度に、先ほど運輸省お話でも別にこれは明確になっておるようなことでありませんから、いろいろ御希望はあると思いますが、かりにそういう事態になりましてもそれにどういう——十分幹線国道に適当であるかどうかというような点は、これまた運輸省で大いに検討さるべき問題であろう、こういうふうには考えておりますが、建設省立場としてはどこの会社がどうだということはあまり関心がないというのが実情であります。いずれにいたしましてもそういつまでもほうっておくというわけにいきません。けれども、やはり各方面意見をよく徴して、できれば円満に話し合いがつくのが望ましい、これが現在の心境でございます。
  36. 井谷正吉

    井谷委員 前に河野さんが大臣のころにこの二本立てをお出しになって、その後私にこういう話があった。大分県も愛媛県も大県だから両方の県の県営にしてはどうか。両県がやるなら金融機関も協力しようからこれも一つ方法であるし、これができるんであったならば前の自分意見にはこだわらないというようなお話があって間もなくおやめになったのです。だからこれの運営についてはいろいろ方法はあろうと思います。問題は船をこしらえても道路がなくては意義をなさぬので、いま局長お話にもありましたように、私も現地を通ってよく知っておりますが、二年や二年半かかろう。その前に船ができてもこれはどうにもならぬので、もっと深く検討をして、そうして地方民間においても納得のいく御処置をとっていただくようにお願いしたいと思います。  それともう一つ運輸省でございますが、四つの会社でどれこれはないとお考えになっておられるようであり、大臣もまたそういうお話でありました。ここの岬と佐賀関というこの海峡は相当風波が荒い。そして以前は汽船も沈没したこともありますし、定期でやっておる宇和島便も欠航することも多い、こういう地域でありますから、そういうことがあってはいかぬけれども、ないとも言えない。将来の海難に対する補償、こうしたことも十分検討する必要があろうと思うのです。御決定になるような場合もこれは重要な問題だろうと思います。つけ加えて申しておきますが、これは普通の海峡ではない、相当風波の荒いところでありますから、民間指定の場合等においても御考慮になる必要があると思います。  それから民間にやらすか、県営でやるか、あるいは別の方法をとるかということもこれからの時間をおいての問題といたしまして御参考までに申しておきたい。
  37. 高林康一

    高林説明員 ただいま私どものところへ出てまいりました免許申請事案につきましては、前回先生にもお答え申し上げましたとおり、これは運輸審議会という運輸省の機関にはかりまして、一定の期間をおきまして公聴会の曜日を告示いたします。利害関係人かないしはその他意見のある方がございましたならば、その運輸審議会に、公聴会で公述することを申請いたします。そういうような関係人の意見を運輸審議会におきましていろいろ検討いたしまして、そして運輸大臣がどういうふうに免許事案を処理したらいいかということの御答申をいただくわけであります。そういうような場合に、もちろん免許事案の処理のしかたといたしましては海上運送法に免許基準がそれぞれ規定されております。その免許基準に該当するたとえばただいま御指摘のございましたような海難の問題、全般的にそれぞれの会社が事業を継続することができるかどうかという経理的な基礎の問題でございます。風波波浪の問題につきましても、船舶の安全性等につきまして、たとえば北海道−青森間というようなところ、これはかなり荒いところでございます。こういうようなところも最近民間企業がこれを経営しておりますけれども、そういうような場合におきましても船舶の安全性その他を十分勘案し、また万一の場合、それぞれ船客旅客保険というような制度をつくっておりますけれども、その他の経理的な状況を十分勘案いたしまして、運輸審議会で御検討を願い、そしてその審議会の御答申に基づいて私ども処理するというふうなことになっております。これらの事案につきまして、運輸審議会の答申によりまして私どもは処理してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  38. 井谷正吉

    井谷委員 最後に一つ、やはり運輸省に申し上げておきたいのですが、先日、新大臣九州へ参られましたが、どこへ御出張になりましたか。
  39. 高林康一

    高林説明員 福岡だと思っております。
  40. 井谷正吉

    井谷委員 その福岡で、新運輸大臣九州連絡フェリボート民間に認可をするという発言をしております。こういうことは、この委員会でもまだ結論も出ていない相当課題になっているのを安易にそういう御発言になることはひとつお慎み願うようにお伝え願いたい。
  41. 高林康一

    高林説明員 その点につきましては、私、正確にはどのように大臣が申し上げましたか存じておらないのでございますが、運輸省の基本的な考え方といたしましては、やはり国、地方公共団体、あるいはこれに類似するところの団体、そういうようなものと民間企業とが競合いたすような場合におきましては、国、地方公共団体、あるいはそれに準ずるところのもの、そういうものは民間機関と不当に競争的な立場に立つべきでない。たとえば今度の港湾法におきまして十三条に港湾管理施設、これは国、地方公共団体あるいは特別法人でございますけれども、そういうようなものが私企業と競争すべきではないということを規定しております。一般的に私ども、免許の問題につきましては国、地方公共団体というようなものはいわゆる社会資本の分野で民間企業の活動を補完すろというような立場でものを考えるべきではないかというふうに考えております。あるいは大臣の御発言がそのような線の御発言だったのではないかというふうに考えておりますけれども、私、正確にそのとき伺っておりませんので、その点、大臣がお帰りになりましてから、またいろいろ大臣の御意見伺いまして処理してまいりたいというふうに考えております。
  42. 井谷正吉

    井谷委員 あとに原君の質問があるそうですから、私は一応これで打ち切りますが、先ほど申しました参考人の問題をひとつお含みおきを願いたいと思います。  終わります。
  43. 森山欽司

    森山委員長 次に原茂君。
  44. 原茂

    ○原(茂)委員 きょうは、おもに中央道に関しまして、いままでの経過に照らし合わせました現状、今後の見通しなりというようなものをお伺いしたいと思っております。  前段申し上げておきたいと思いますのは、お伺しようとします私の趣旨ですが、実は、この中央道が諏訪回りに決定されまして、すでに相当の期間がたつわけです。この間私たちにはとても想像できないようないろいろなデマに類するような、あるいは真相なのかもしれませんが、あそこにインターチェンジができるんだ、いやここだ、だれが言った、少なくとも国会議員のだれだ、県会議員のだれが建設省に行って聞いてきた、したがって、ここにできるんだというようなことがまことしやかに流布をされまして、ある意味では、思わぬ不幸に類することが起きそうになったり、または、真実がもし漏れているといたしますと、それを中心にしまして、不公平な事態が将来予想されましたりというようなことが非常に心配をされる段階になりましたので、そのことを、実はむしろ当委員会を通じまして、陰で私もいろいろとお伺いした面もございますが、しかし、正式に大臣御列席のもとに、その種のデマと思われるような、あるいは誤った報道考えられるようなものを一掃したいという考え念願から、これからいろいろとお伺いをしたい、こういうたてまえでございますから、そのことを御理解の上でお答えを淡白に、ひとっさらりとお願いしたいと思うのです。  その前に、大臣就任のごあいさつがいまございましたが、私はきょうここで、建設委員会へ参りまして一番最初に、河野さんは建設大臣でございましたので、政治家としても尊敬いたします河野さんの急逝に対しまして衷心から弔意を表したいと思うわけです。  河野さんにも劣らず、私の知るところでは、非常に実行力もあり、潔白である瀬戸山さんでございますので、なにか河野さんにお伺いしていたときと同じような気持ちでいま二、三お伺いしたいと思うのですが、大臣に先に御意見をお伺いしたいと思いますのは、前大臣のときにも申し上げたのですが、現在の内閣が人間尊重、人つくりというものを主体的に考えておいでになる現在、建設関係のいろいろな工事現場というものを下部にわたって見てみますと、いわゆるタコ部屋ではございませんが、そこにおける労務者の現在働いております生活環境というものは、ちょっと想像を絶した不当な、われわれが許すことのできないような、きわめて不都合な条件下に仕事をいたしております。この点は、私は、小山さんに一度現場を視察なさっていただきたい、一度大臣がおいでになるということだけでも相当程度工事を担当する方々の考え方も違ってくるんじゃないか、ぜひひとつその種の下部における現場の生活実態というものを見ていただきたいということをお願いしたわけですが、いまだにそれをおやりになったという話を聞いていないわけでございます。  第一に、新大臣より簡潔なごあいさつがいまございましたけれども、この点ひとつ、大臣の思い切って現場の視察等をなさるかどうかという御意見もお伺いをしたい。これが一つ。  二つ目に、いまこれから中央道の問題をお伺いしたいと思いますが、中央道に限らず、わが国建設行政全般の中で、たとえば道路一つとらえましても、この道路計画というものが時期を非常にずらしたりいたしまして、いろいろと地域の状況に合わせて計画が立てられてまいりました。ある意味においては、途中で中央道が諏訪回りになる。バイパスが、二十号線というようなものがすでに計画されていた。これは計画をされていました。そこへ中央道が、たとえばですが、入ってまいります。しろうとが見ましても、これが近接をし、あるいは並行が非常に近いところで行なわれますと、ずいぶんむだだなと思う、そういう工事がいまだにそのまま進められるように推進をされているように聞いているわけですが、これは私には、専門的な立場でございませんからよくわかりませんが、大臣就任をされました以上、新たにその種のむだ、無理というものがないかどうかを全国的に、全般的に検討なさることが国家的な見地から言っても必要じゃないだろうかというふうに考えるわけですが、この二点、先に大臣からひとつ所信をお伺いしたいと思います。
  45. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 ただいまの第一点でありますが、建設事業関係の労務者の問題。お話しのとおり、わが国で一番労働対策といいますか、労働政策のおくれているのは、建設事業に関する勤労者の問題だと思っております。事の性質上、いわゆる事業場が転々とするとか、あるいは必ずしも恒常的に働くという状態ではないと、季節的にやるとか、いろいろあるのが大きな原因であろうと思います。私、率直に言って、労働問題を深く検討しているわけじゃございませんから、詳細わかりませんけれども、いまお話しのように、たとえば都内における建設事業の現場等を見ましても、いわゆる飯場なるものが現代の社会の状態から見て必ずしも適切でない、こういう感想を平素から持っております。建設労務者に対する諸制度というものもきわめて不完全である。それの一部もある程度のものができたように思いますけれども、そういう感想を持っております。これは他の恒常的な勤労者と違った原因が多くあると思いますけれども、いまお話しのような点は十分今後とも検討してみたいと思います。できればそういう現場も私は見てみたい、こういう希望を持っておりますことをお答えしておきます。  それから道路の整備等の政策についてお話がありましたが、確かにそういう点が間々あると思います。特に中央道の場合には、一ぺん法律できめましたものをあとで変更している。これは原さんなどもその事情等についてはよく御承知だと思います。これは経済、社会が漸次変化していきますし、それと、地形その他の検討の結果、やはり変更すべき場合もあると思いますけれども、地元関係者の期待を多く裏切るということはそうしばしばあってはならない、私はこう思いますから、今後十分事務当局にもそういう点は注意をいたしたいと思います。ここで申し上げておきたいことは、いまそれに関連しておりますので、いわゆる縦貫自動車道法、その他に高速自動車道法等が数個今日まで制定されている。したがって、日本の幹線的な高速自動車道路網については、この際、日本全国について、従来も検討をしてきておりますが、将来にわたりましてどういうふうな道路網ができるのか、したがって、将来の日本国土建設の姿というものはどういうふうに進められていくものであるかということを、ただ研究のみでなくて公式に決定をいたしたい。言いかえますると、縦貫自動車道その他を含めた一つ道路法、道路網に関する法律といいますか、そういうものを国会に出しまして将来の見通しを国民的に決定をいたすべき段階にきておる、こういうように思って、現在事務当局にその検討作業を進めてもらっておりますから、できれば次の通常国会等においてはそういう案件皆さんの御検討に供したい、こういうように思っておりますことをこの際申し上げておきたいと思います。
  46. 原茂

    ○原(茂)委員 大臣の所信をお伺いして、実行していただくように心から念願するわけですが、労務者の問題は特に季節労務者のほうが中心的に実は問題を包蔵していますし、数も多いわけですから、炭鉱の災害とは質の違う何かの問題が起きるおそれすら私どもは感じておりますので、ぜひいま御希望をお持ちのように視察もやっていただくようにお願いしたいと思います。  そこで中央道そのものについてお伺いするときに、前提として大きな問題三つ——これは局長からお答え願うのかもしれませんが、お伺いしてみたいのです。  一つは、新産都市にすでに指定を受けた府県、特に中央道はそこを通ってまいります。新産都市の関係では、すでに計画作業が始まっておりますし、これと中央道とが関連をする場合、そこでもやはりむだを排除しながら無理のないように新産都市づくりという国家的な大きな中央道そのものが進んで寄与できるという方向で、しかもむだと無理をなくすという関連における検討というものが、当然計画が具体化するとなされなければいけないのではないかというふうに考えるのですが、この点、そのようなおつもりがあるのか、すでに検討でもされているのか、これが一つであります。  もう一つは、これも中央道の関連で、塩尻と諏訪を結ぼうとするための諏塩トンネルを現在つくるとかつくらないとかいろいろと論議がされております。特にこれは運輸省関係において問題になっておりますが、建設省にも当然関連を生じてまいります。この種の問題がすでに中央道との関連で検討され始めているのではないだろうかというふうに思いますが、その点について二つ目。  三つ目には、これは中央道に直接関係しないかもしれませんが、裏日本と直結せしめようというので、たとえば富山県と長野県のどこかを開発すべきだという道路開発の大きな推進運動が始まったようであります。これと中央道との関連で何か考えるということがあるか、これは非常に早過ぎるかもしれませんが、その三つをお伺いしたいと思います。  実は私、時間を非常に切り詰めて質問いたしますので、一ぺんにある程度質問をこれから続けてまいります。いま三つお答えいただきましたらあとは一括して質問を申し上げたいと思います。
  47. 尾之内由紀夫

    ○尾之内説明員 中央道に関連いたしまして新産都市との関係でございますが、これは御承知のように、諏訪・松木地区が新産都市に指定されましたが、中央道を赤石ルートから諏訪ルートに曲げる一つの大きな要因であったのでございます。したがいまして、中央道は、当然諏訪・松木地区の新産都市に対して寄与する路線と考えております。そういう観点から、ただいま路線の調査をいたしております。  それから松木に参りますと、これはかなり離れるわけでございます。ただいま第三番目の御質問にあった問題と関連するわけでございますが、先ほど大臣からお話がございましたように、ただいま全国の高速自動車網も検討いたしております。そういう検討の際にやはりあわせてそれも一つの問題として検討いたしておりますが、まだ、どこにどうするということを申し上げる段階に至っておりません。したがいまして、第三の問題はそういうふうに御了解いただきたいと思います。  それから第二番目の塩尻−諏訪でございますが、鉄道の問題については、実は私は直接詳しくは存じておりませんが、中央道は、ただいま旧しましたように松本・諏訪地区に寄与するように、ただいまのところ、ルートといたしましては、いろいろ地元の風評があるというお話がございましたが、大体私どもといたしましては、茅野から諏訪湖の南を通りまして迂回して南下するというような路線を考えております。もちろんこれは公表などいたしておりません。事務的に進めておりますが、大体そういうルートで考えておりまして、それが一番いいというふうに調査を進めております。いろいろ地元に対して誤解を与えるようなことは極力避けておりますが、どうしても現実に調査員が入りますといろいろ憶測されまして若干そういう御迷惑をおかけしておるかと思いますが、どうしてもそういうルートの問題なり、あるいは途中のインターチェンジの問題なり、すべて同様に調査段階でございますので、できるだけ注意いたしますが、そういうふうに御了解いただきたいと思います。
  48. 原茂

    ○原(茂)委員 特に局長なり建設省が故意に漏らしたりというようなことを私言っているわけではありませんから。——そこで、中央道の具体的ないままでのおさらいみたいなことも含めましてちょっとお答え願いたい。  まず第一にお伺いしたいのは、東京−吹田の全キロ数ですが、これは依然として五百三十キロ前後というふうに見てよろしいのか、それが一つ。  それから小牧−吹田でございますが、これはすでに名神高速道として約二百キロ前後ですか、百八十九キロくらいのうちの大部分か何%か完成をして、名神国道として使用されておると思うのですが、この点完成しておるのか、どの程度が残っておるのか、お伺いしたい。  次には、諏訪回りになりましたから、東京−諏訪−小牧ということになると、いまの計算からいくと三百五十キロか六十キロ前後のキロ程になる。それから富士吉田−小牧の間でございますが、これは二百六十キロくらいになると考えてよろしいのかどうか。  次には、幅員でございますが、当初計画されましたとおりの二十五・四メートル、四車線という幅員で現在変わらずに推進をするものと考えておりますが、それでよろしいかどうか。  それから総予算でございますが、たしか昨年二千七百四十九億というふうにお答えを願ったと思いましたが、この予算が変更されておるか、その見込みがあるかどうか。  それから細部路線の計画の決定でございますが、皆さんの場合、基本計画ということばを使っておりますが、この決定というものが四十二年ごろには終るというふうに昨年御答弁をいただいたように思いますが、現在それ以上に推進をしていると思うのですが、その基本計画の決定される時期。  次に着工の時期についてでございますが、これがまたいろいろとうわさの種になっております。前に第一次五ヵ年計画、ちょうど三十九年から四十三年まで、そのうちの四十二年ごろには着工するということを聞きましたが、そのとおりなのかどうか、それ以上に推進されているように私は思いますし、促進をしていただきたいという気持ちで一ぱいでございます。  次には完成の時期なんですが、第二次の五ヵ年計画、四十四年から四十九年、この間には完成をするだろうというようなことがほぼ想像される答弁をいただいておりますが、現在になってまいりますと、完成の時期をこの時期に見込んでいるということが言えると思いますので、完成の時期について明瞭に見通しをお答えをいただきたい。それから第三次五ヵ年計画、五十年から五十四年ですか、というものがすでにおありになると思うんですが、少なくともこの完成の時期というものは、第三次五ヵ年計画には入らない。はっきりとした見通しがないにしても、第二次五ヵ年計画中には完成をするというようなことを、せめて見通しとして御答弁が願えるかどうかということをお伺いしたい。  その次に、先ほどもちょっと大臣意見を申し上げたわけですが、前の河野さんがまだ大臣のころにお伺いをいたしまして、局長からも御答弁をいただいております二十号のバイパスでございます。当時建設省がお持ちになっておりましたような計画では、残念ながら地元でいろいろと壁にぶつかって、やむなく五十メートルなり百メートル、山の土手に沿って上に上げるということでもしない限り、あの路線の早期着工なり実現というものが非常にむずかしい幾多の壁があるように考えているのですが、そういうような調査、あるいはその後一年たっておりますが、一体中央道がいまお話しのような南回りで諏訪湖を迂回しまして南下するということになったときに、依然として二十号バイパスというものは、さきにお示しになりましたような計画路線どおりに進めて差しつかえないし、それでいくのだ、むだも無理もないのだというような御検討の結果が出ているか、私はもう少し二十号バイパスだけは検討を要するといまだに思っていますし、少しくこれの路線というものは再検討どころか、変更する必要があるのじゃないだろうかという意見を持っておりますが、きょうはその意見を申し上げようとは思いません。いま当局として、私の昨年お願いをしたり提案をいたしましたことに対して検討をされたはずでございますから、その検討の結果を、むだも無理もない、あれでいい、あるいはいろいろな状況、条件下にこういうふうに変更をしようと考えるということを中央道の大体の予定ができると同時に、その後の検討は進んでいるはずでございますから、その検討の結果についてお教えをいただきたい。  それから、いまお話しのございましたように、中央道は湖水の南岸を通るのだというお話でございますが、現在富士吉田から甲府を通り、甲府から諏訪に入り、諏訪から伊那に抜けということになる、その諏訪から伊那というときの路線が南湖畔になるのだというふうに理解がされるわけですけれでも、その場合に一応も二応も検討の材料として、有賀峠を越して伊那に抜けるという、トンネルをつくるかどうか知りませんが、あるいは有賀峠を越して——これもトンネルが一部必要になるかもしれませんが、辰野に抜けるものを検討されたことがあるか。もう検討の価値がないのか。そういう問題が、実は先ほど申しましたいろいろなうわさの種になっております。いやここを抜けるのだ、だれだれが言ったけれども、ここへトンネルをつくるのだ、そして辰野にぶっこ抜いてくるのだぞというようなことで、諸説紛々で、いろいろと惑わされる多くの人々もおるわけです。そういう観点から検討されたことがあるか。検討の結果、現在の予定としては、一番ベターな路線として湖水の南岸を通るのだというようなことになったのかどうかの検討の経過、これをお教えをいただきたい。  次に、これは前から言われていることで、私たちも承知していますが、諏訪回りになりましてからも、富士吉田−小牧間の工事、あるいは調査その他一切の着手をする順序としては、飯田と小牧がまず先だということが言われて、なるほどそうだろうという常識になっていますが、この際なぜ飯田と小牧を先に着手するというふうな御決定になったのか、その理由を多くの人にわかりやすく御説明を願いたい。  それから、調査に実際に着手される時期ですが、富士吉田−諏訪、諏訪−飯田、飯田−小牧、三つにたとえば分けたといたしますと、その調査に着手をされる順序、大体の時期の見当、いつごろの予定だという見当、それから調査が終わりまして着工をするという段階になるのがいつごろで、その順序は、いま言った三つのうちどういう順序になって、そうしてその三つの区間、区切ったときの道路完成の見込みの時期をお教えをいただく。  次に、いま言った、三つに分けました調査工事に実際に入りましてからの予算費用の内訳についてお伺いをしたいわけです。測量は、すでに——いまの御答弁の中にも調査測量といいますか、始まっている個所がるようでございますが、現在実際にどの程度測量が進み、どの程度見込みとして、測量が終わる時期はいつごろに見ているということもついでにお答えをいただきたい。  それから次に、これも一番大きな問題になり、うわさの種になるのですが、インターチェンジについてであります。大体二十キロ間隔でインターチェンジが原則としては考えられる、二十五キロ、三十キロだ、いや四十キロだ、この中央道の諏訪回りになりましてから、いろいろとまことしやかに意見も出ています。そういう原則がおありになるのかどうか。何キロ間隔でインターチェンジをつくるのだ、そうでなくて、土地の状況道路計画上のいろいろな条件、都市とまわりにおける農村等の関連においてインターチェンジというものは、何キロを原則とするという原則なんかないのだ、実際には、完ぺきな調査の後に二十五キロのところもあり、四十キロ間隔もあり、あるいは必要がれば十五キロ間隔もあるのだということになるのかどうか、それが一つと、現在すでにインターチェンジを大体こことここというふうに、建設省の文書にはございませんが、その他の外郭団体みたいなところからの文書には、ある程度それをほのめかす印刷物が流されております。それをごらんになっておられると思いますので、一体建設省としてはインターチェンジをいま申し上げた第一の条件に合わせまして、現在のところではどことどことどこにインターチェンジを設置する予定なんだというようなことが、できる限り明確に、無理かもしれませんが、わかっておりましたら、ずばりとお答えいただくほうがいいんじゃないかというふうに思うわけです。そのことが言えないんでしたら、言えない理由も率直にお伺いをしたいと思います。インターチェンジをつくるときに、この二十五メートルというような大きな道路のインターチェンジが最小限度、場所としては、スペースとしては、どの程度の広さが必要なのか、むずかしい質問かもしれませんが、いままでの経験に照らしでもけっこうでございますから、どのくらい程度の広い地域が最小限度なければインターチェンジは不可能だというようなことがお答え願えるのでしたら、その次にお答えいただきたい。前段のこの場所、この場所にインターチェンジをというお答えがたぶんないかもしれないという予想で、しかもデマを粉砕するためにお伺いしているわけですが、最小限度の広さというものはこの程度必要なんだ、これ以上なければいけないという広さについて、これをひとついままでの経験に照らしてお答えをいただきたい。  特に諏訪地方に限定してお伺いをその次にいたしますが、茅野市という地域内ですと、海抜相当高いところに、あまり高過ぎるような条件ではありませんが、高いところにある程度のインターチェンジの設置が可能な場所があります。これが一たび諏訪市というところに茅野市から入りますと、非常に低いところ、ある程度雨が降りますと水が出る。河川とほとんど同じくらいの高さに平地がございまして、インターチェンジにちょっと向かないのじゃないかと思われるような場所があります。しかしそこが一番有力だという説を流し、相当権威のある人がこう言っているんだというような住民の受け取り方がこれに非常にウエートを置いているようでりますが、こう言っただけでおわかりになると思うのですが、一体、そうした低い、湿地帯とは言いませんが、非常に低い場所と、ある程度の高度を持った場所というようなことが、このインターチェンジをつくるときの条件として考えられるものか、技術的な関連でそういうことが必要になるかどうかということをお伺いしたいわけです。  それから場所は言えないにいたしましても、インターチェンジ全体を諏訪に入りましてから飯田の間に何ヵ所ぐらいは必要だということが、計画や試算ではすでにいろいろとおやりになっているはずでございますが、差しつかえない範囲で、もし最小限度でもその程度のお答えはぜひちょうだいをしたいということを、インターチェンジについてお伺いをいたしたいと思うわけです。  以上が、中央道の、現段階における特に関連する地域の多くの人々に不測の迷惑をかけないようにということを念願しながら、お伺いをしているわけでございますので、はなはだ時間の関係で一括してお伺いして恐縮ですが、答弁漏れのないようにひとつ懇切、しかも簡潔にお答えをいただきたいと思うわけです。  質問をこれで終わるわけですから、お願いいたします。
  49. 尾之内由紀夫

    ○尾之内説明員 ただいまの御質問のうちで、中央道の残りの区間の着工の時期あるいは完成の時期というようなことにつきましては、むしろ大臣からお話し願ったほうが適切かと思います。そのほかの事務的な立場でお答えできるものを私から申し上げます。  第一番目の中央道の延長に変わりはないかという点でございますが、五百三十キロ、特にただいま延長は変わっておりません。このうち完成いたしましたのは名神高速道路、これはこの七月一日に全部完成いたしております。これが百七十四キロでございます。もっとも名神は吹田から先、西宮まで中央道でない部分が若干ございますから、それを合わせますと、全部で百九十キロぐらいになります。残りが東京から富士吉田までの約九十二キロ、これはすでに着工いたしております。したがいまして、残りますものは約二百七十キロぐらいになるわけであります。これが富士吉田から小牧までの諏訪回りの区間でございます。  そこで、この延長につきましては変わらないかという御質問でございますが、変わる要素はまだございます。大きくございますのは、富士吉田から甲府にどういうふうに出るかという点について、実はまだ調査が済んでおりません。ただいま調査中でございますので、その結果によってかなり大きく変わる可能性がございます。  それから他の区間につきましてもまだ調査中でございますから、若干の変更があり得ると思います。そういうことを予想いたしまして変わることはございますが、基本的には数字は変わっておらぬと申し上げたほうがよろしいかと思います。  それから幅員関係でございますが、これは基本的には最初四車線と考えておりますので、これについても変わっておりません。ただ今後名神あるいは東海道、中央道のいま着工いたしております区間の経験によりまして、若干路肩等において十センチ、十五センチ変わるようなことはあり得ますけれども、基本的には変わっておりません。ただし、これもすぐ全線、全幅着工するかどうかということについては、これはまた別の問題でございますので、計画としての基本幅員は変わっておりません。  それから工事費の二千七百四十九億という数字が変わっておるかということでございますが、ただいま申し上げましたように、経過地がまだきまっておらぬ、あるいはインターチェンジ等の関係、それから暫定的にはどういう断面でやるかということも含めまして、この数字はまだ未確定でございます。先般申し上げましたときから、私どもといたしまして特に改まった数字をまだ得ておりませんので、これもまだ基本的には変わっておらぬと御了解いただいてけっこうかと思います。  それから次に、基本計画をいつ決定するか、あるいは着工が四十一、二年ごろになるかどうかということについては、残っております富士吉田から諏訪、飯田、小牧に対しましては、これは最初にお断わりいたしましたように、大臣からおおかたの方針お話しいただいたほうが適切かと思います。  次に二十号バイパスのお話がございましたが、これは茅野バイパスにつきましては、御承知のようにすでに着工いたしております。四十一年には完成の予定でございます。問題は諏訪のバイパスでございますが、諏訪のバイパスにつきましては、諏訪湖を通過するというようなルートもございましたが、この区間につきましては、私どもは、まあ地元も格別それがいい線だというほどには固まっておりませんし、私どもやはり諏訪湖を通らない他のルートを通じて諏訪バイパスを考えるべきであるということで、三十九年に続きまして、ただいま調査中でございます。まあどの程度の個所にバイパスをつくるのが当地区として一番妥当であるかということは、まだ調査中でございまして、関係の地建から報告を受けておりません。したがいまして、ただいま御報告する段階にまだ至っておりません。
  50. 原茂

    ○原(茂)委員 この完成は四十一年ですか
  51. 尾之内由紀夫

    ○尾之内説明員 これは四十年度の調査になっておりますので、まだ着工いたしておりません着工路線がまだきまっておりませんので、したがって着工の問題は今後の問題でございます。  それから、先ほど私がちょっと諏訪の南を回ると申し上げました中央道のルートでございますが、この経過地につきましては杖突峠等も有力な比較線として検討したのでございます。先ほど申し上げましたように、大体茅野から諏訪の南、諏訪湖の湖畔に近いところを通りまして南下するというふうに、ただいまのところ中間的な報告を受けております。したがいまして、もちろん二、三の比較線もやりました上で、ただいまのところではそういうふうな線が妥当ではないかというような中間的な報告を受けておるわけでございます。  それから次に、富士吉田から小牧に至ります間につきまして、富士吉田から小牧の区間につきましては、先ほど申し上げましたように、富士吉田から特に甲府に至る区間について路線がまだきまっておりません。先般も金丸先生からも御質問がございまして、本年調査いたしました上でなるべく早くきめるということを申し上げておりましたが、そういうことも含めまして、したがいまして、他の区間に比べましてルート上の大きな問題があるということでございます。  それから甲府から諏訪、諏訪から飯田に至ります区間につきましては、飯田から小牧に比べまして、御承知のように路線の変更がありましたために調査がおくれております。すでにことしの調査を入れまして六千万円をかけるわけでございますが、やはり地形的にトンネルとかいろいろそういう地質上の問題の調査がございますので、ただいまそういうことを含めまして、現地で路線決定のための調査をいたしておるわけであります。そういうことで、まだその間につきます経過地、それが川のどちら側を通るかというようなことも含めましてまだ未決定の状態でございます。先ほどお答え申し上げましたように、鋭意調査中でございまして、発表はもちろんそういうものができまして、具体的には基本計画をきめる段階においてこれはむしろ公表すべきである、従来、他の縦貫道におきましても大体そういう時期に公表されるということになっております。  それから調査の時期でございますが、これは大きく分けまして、先ほど申しましたが、飯田と小牧の間につきましては他の区間に先立ちまして一歩調査が進んでおります。飯田と諏訪、それから甲府間につきましては、ことしの調査で大体路線についての調査は終ると思います。それから甲府と富士吉田につきましては、大きな意味におきまして、富士吉田から直ちに甲府に持ってくるかあるいは手前から甲府に持ってくるかということについての結論をやはりことしの調査で得たいと思っております。ただ、そういうようなルートの問題でございますので、若干調査の制度が違うかと思います。基本計画を出す前提の調査といたしましては、おおむね今年度の一調査で終わるのではなかろうか、かように思っております。  それから次に、各区間についての事業費、予算の内訳について御質問がございましたが、これはそういうことも含めまして、先ほど申しました二千七百四十九億という数字をまだ持っておる事情でございますので、いまこまかく申し上げる段階でございません。インターチェンジの問題でございますが、インターチェンジももちろん、どこにつくるか、何ヵ所つくるか、そこのつくる個所によりまして、一カ所何億かかるかというようなことも個々に変わってまいります。したがいまして、そういうことも含めまして数字的なことをまだ申し上げる段階にないと思います。  インターチェンジについて種々御質問がございましたが、インターチェンジにつきましては、特に何キロおきにつくるとか、全体が三百キロだからその間には何ヵ所なければならぬ、こういう原則はございません。むしろ要は、自動車が最も利用しやすい、またその建設費に対して、たくさんつくりましても自動車が乗らなければむだになりますので、やはり経済効果的に最小限どのくらい要るかということはおのずからきまってくると思います。そのほかに、御指摘ございましたように、地形上の条件あるいはこういうものをつくるに際しまして開発的な立場で直ちにそこに大きな都市がなくともつくっておくようなことも考える場合もございますし、これといってきまった条件、こういう条件が整ったからつくるんだというようなことはないかと思います。  御参考までに申しますと、名神高速道路では平均して二十三、四キロくらいになっておると思います。十五キロくらいの短いものは都市周辺にございますが、大体二十五キロくらい。全体平均いたしますと、いま申しましたような数字になろうかと思います。  それからインターチェンジの具体的な個所という御質問でございましたが、これはちょっとまだ申し上げられない段階でございます。もちろん事務的に検討いたして私どもは地図の上に落としておりますが、これを申し上げますと、たとえば飯田といい諏訪といいましても、その市からどのくらい離れるか、市にきわめて接近しておるかということは、地元の方には大きな利害関係がございます。そういうこともございますので、ひとつ慎重に私どもは検討させていただきたい。もちろん適当な時期に関係の審議会には御相談しなければならぬ問題でございます。いまの段階では具体的な個所を申し上げるだけの用意がございませんので、お許しいただきたいと思います。  それではどのくらいのスペースを要するかということがございますが、これも名神の例を見ますといろいろございます。最も簡単に各路線について乗り入れ車線とおりる車線、別々につくりつますと、四ヵ所つくります。そうしますと、そこに四ヵ所のゲートができますので、非常にわずかなスペースで済む場合には、ゲートとともに料金徴収人等が必要になります。それを一ヵ所にまとめますと大きな広場ができる、面積がたくさん要るということで、小さいものは数千坪あるいは一万坪くらいから、大きなものになりますと三万坪くらい要る場合がございます。地形によりまして、簡単にできる場合もございますし、また非常に膨大な面積を要する場合がございます。要するに、これは個々に個所ごとに違いますので、ただいま申しました数字はただきわめて大ざっぱな参考でございます。必ずしもそうならぬ場合もありますことを御了承いただきたいと思います。  それから最後に、諏訪地方の特に茅野市、諏訪市付近のインターチェンジの技術的な問題のお話でございましたが、あの辺に要るだろうということは常識的にいわれると思いますが、私は、二十号との関係あるいは新産都市との関係、あるいは技術的にそこにいま申しましたような意味におきましてどういう形式のインターチェンジをつくるかということから、おのずからつくられる場所、つくりやすい場所というものがきまってくると思います。どちらにつくるかとおっしゃっても、ちょっと私もこまかい地図を持っておりませんので、先ほどのインターチェンジをどこにつくるかという問題と含めまして、まだ申し上げる段階にありません。その点もひとつ御了解いただきたいと思うのであります。  以上大体漏れないようなつもりで申し上げましたが……。
  52. 原茂

    ○原(茂)委員 インターチェンジの個所の見当はいつごろつくのですか。
  53. 尾之内由紀夫

    ○尾之内説明員 調査につきましては、大まかな調査は大体本年度の調査でわかるということが言えると思いますが、先ほど申しましたように、これをはっきり確定いたしますのは基本計画をきめるということによってきまるわけであります。したがいまして、基本計画をどういう時期にどういう順序で出すかということがやはり前提になると思います。その問題につきましては、まだ事務当局としてはさまっておりませんので、先ほど申しました大きな問題として、むしろ大臣からお答えいただいたほうが適当かと思います。
  54. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 ただいまの中央道の残りの富士吉田−小牧間の着工時期あるいは完成見通し、こういうお話がございましたが、これは全体的に考え方を申し上げて、その中で申し上げたほうがいいと思います。  結論から申し上げますと、いわゆる国土縦貫自動車道、これは東北青森から東京まで、それからいわゆる中央自動車道、富士吉田までは現在の五ヵ年計画で完成する見込みでいまやっておりますが、富士吉田から小牧間の中央自動車道、それから神戸から下関に至るいわゆる中国自動車道、それから門司から鹿児島に至る九州縦貫自動車道、それからもう一つ、御承知の新潟から名神名古屋付近に至る北陸自動車道、こういう五本を含めまして、これは将来のことでありますから、まだ結論的に政府全体で検討して申し上げるという段階にはまいっておりませんけれども、私は、少なくとも現段階の日本道路情勢、産業状態からいって、今後十年以内に完成すべきである、こういう考え方を持っております。といいますのは、御存じのように、今日までいろいろ道路政策を進めてまいりまして、第三次五ヵ年計画が現在進行中でありますが、旧一級国道は今年度、四十年度でほぼ完成をする。もちろんそのほかに現道の改良、舗装、整備、バイパスの建築も進んでおるところもあるし、また今後検討しておるところもあります。元一級国道は大体四十一年度には現道改良が済む。これは確実にそういう見通しが立っております。第二次改築といわれておるいま申し上げましたバイパス等、いま着手しておるところもありますけれども、これもそう長い期間ではないと思います。そのほか旧二級国道、これは整備が相当おくれております。あるいは府県道——今後の道路の整備はいわゆる旧二級国道に入る段階になっておる、と同時に主要府県道あるいは地方道に入る段階になってきておるわけでありますが、この段階になりますと、問題のいわゆる国土縦貫自動車道と、高速自動車道、これを整備する段階になってくる。そういたしませんと、先ほど申し上げましたように、国全体の将来の構想というものがきまらないと同時に、そこまで整備いたしました道路の効果を十分に発揮することができない。したがって旧二級国道の整備がずっと進むと同時に、あるいは地方道が整備される時期と見合いまして、いわゆる高速自動車道が活動する時期を早めなければならぬ。これはわが国道路政策の基本的な考え方であろうと私は思っております。そういう意味で、少なくとも今後十年以内には、こういういま申し上げましたような高速自動車道は完成するであろう、というよりも完成すべきであるという基本的な考え方を持っております。  ただ、先ほど道路局長も申し上げましたように、これを全部四車線、あるいは場所によっては六車線のところも必要になってくると思いますが、全部四車線というわけにはそう簡単にまいらない。むしろ早くこれを活用することが必要である。したがっておおよその部分、あるいは東北、あるいは山岳地帯を通ります中央自動車道、あるいは中国、九州、相当部分はさしあたり二車線ですみやかに交通ができるようにすべきである。もちろん用地は四車線確保しておく必要がありますが、そういう考え方で、少なくとも十年以内には完成して道路網の全体的な活用ができるようにすべきである。それが、先ほどお話にもありましたように、いわゆる新産都市の制度を生かす大きな原動力だ、もう一つは、これはよけいなことでありますけれども、日本農業の大きな変革を来たす大原動力になる、こういう基本的な考え方で進むべきである。これは当初に申し上げましたように、まだ具体的に財政その他を検討して申し上げておるわけではありません。今後の日本の経済の発展あるいは財政事情等をもちろんにらみ合わせなければなりませんけれども、少なくともそういう点に政策と申しますか、日本の政治を相当集中してやるべきであろう、こういう考え方を持っております。こまかい点については、そういう考え方に基づいて検討を進めていきたい。現在の五ヵ年計画、御承知のように、三十九年度から四十三年度まで四兆一千億になりますが、その間において、こういう高速自動車道を含めて有料道路一兆一千億の計画を持っております。これが全部消化できるかどうかという問題については、今後の財政事情等ももちろんありますけれども、日本の経済がどういうふうに発展するか、これは大いに努力を要するところでありますが、この五ヵ年計画自体が現在の道路の需要に対しては必ずしも十分でないということはどなたも認めておられるところであります。  そこで先ほど申し上げましたように、相当部分を二車線でやりますけれども、いまの五路線が、専門家の建設省検討しておりますのは、二重綿部分を相当やるという考え方に基づきますと、おおよそ一兆二、三千億、そういたしますと、現在の四兆一千億でも、有料道路、これは高速自動車逆ばかりではありませんけれども、一兆一千億の計画を持っておるのですから、少なくとも今後十年以内に一兆二千億あるいは三千億の国の基本的な道路政策ができないということはない、こう私は思っておるわけであります。  そういう考え方に立って今後進めたい。したがって五路線には、これは御承知でありますが、四十年度から着工する。どこの部分からやるということはもう少し検討を要します。ただ、四十年度から着工いたしますと申し上げましたが、四十年度の予算は五路線について二十億そこそこでありますから、これは大事業でありますので、準備その他に相当の経費、手数を要します。したがって、そういう心がまえで準備に着工いたすということを今年度にやりたい。実際のいわゆる土工が始まるのは直ちにというわけにはまいりません。来年度の予算をどうするかという問題にかかってきます。いまの考え方では、現在の四兆一千億の道路計画は改定すべき段階である、こういうことを私は思っておりますが、これはしばらくそのままにしておきまして、その中で一兆一千億の有料道路のワクの中で、いま問題の五路線に割り当てられておるワクが約七百億でありますから、少なくとも一兆二、三千億の問題に七百億で着工いたしますといっても、これは話にならない。そういう意味で、いまの四兆一千億のワクの範囲内では、少なくとも用地買収に全力を注ぐべきである。これは大工事でありますから、工事をしながら用地を買うというちゃちなことでは相すまないと思う。したがって、着工いたしますと申し上げましたが、用地買収にかかるということがいまの考え方でありまして、現計画があるいは四十一年か二年に改定する段階になりますと、話が多少変わってくると思いますが、現在はそういう考え方でおるわけであります。
  55. 原茂

    ○原(茂)委員 どうもありがとうございました。大体いいのですが、大臣局長一つずつまたお伺いしておきたい。  いま大臣の御説明によると、昨年私たちが得た常識からいいまして、中央道ですが、これは当然のことですが、五ヵ年計画そのものを基本的に検討した上でないと、基本計画そのものの決定の時期等もまだはっきりいえない。近くそういうことができるとしても、相当大きな、作業の上で五ヵ年計画そのものの検討をもう一度やってみる、しかる後に中央道の基本計画の決定、その時期というようなものが見通しができるというふうに理解されるのですが、そういうふうに御理解してよろしいかどうか、これが一つ。  それからいまお話しの四車線を二車線にする場所、場合もある。中央道に関してもやはり二車線というものを暫定的には考えるところもある。その場合もあり得るというふうに理解してよろしいかどうか。  それから局長には、さっきお話のあった諏訪湖の、夢の大橋といわております、諏訪湖をぶち抜く橋ですね、これを二十号でやろうということは不可能だというその理由、これをちょっとひとつ……。
  56. 瀬戸山三男

    瀬戸山国務大臣 中央道のお話がありましたが、中央道はかりでなくて、やはり私は——私はかりでなくて、これはどなたも御賛成になると思いますが、こういう高速自動車道は、早く遠距離に開通するということが一番必要なことであるわけであります。そういう意味において、これは金が幾らでもあればけっこうですけれども、なかなかそうじゃありませんから、四車線のものを逐次延ばしていくというよりも、二車線を早く完成することが道路政策上適当である、こういう考え方であります。したがって、いわゆる交通量の問題等を考えまして、二車線でまかなえるところはさしあたり二車線でやる、こういうことで現在も、富士吉田までも部分的には二車線でやっております。こういうことでありますから、その先もやはりそういうものもあり得る、これは、どこをそうするということは今後の検討であります。  それから基本計画お話がありましたが、これは、できるところは今年度中にきめて、したがって着工する、こういうことになりますので、次の五ヵ年計画を改定しなければいかぬということでございません。同時私は、これは先の話でありますから、いま確定しておるわけではありませんが、十年以内といいましても、全部十年以内ということではなしに、できるものは、少なくとも次の五ヵ年計画のいわゆる終点の四十八年ごろまでには開通する区間が必要である、こういうふうに、やはり部分的には緩急の序があってしかるべきだ、こういう考えを持っております。
  57. 尾之内由紀夫

    ○尾之内説明員 諏訪湖横断のルートの問題でありますが、常織的には、諏訪湖を横断して道路をつくることは普通は考えないのであります。たまたま諏訪市の一部で、諏訪湖の中を横断したらという話がございました。これも、もしあの辺の新産業都市の計画として、諏訪湖を新たに開発する、その前後にも新しい都市づくりをするというような関連でもあればまた十分検討に値するかと思いますが、その程度の思いつきの案と私どもは一応聞いたわけであります。その後その要望も格別ございませんし、いま言いましたように、総合計画といいますと、今度は水をどうするかという、関連したむずかしい問題も生じてまいります。したがって、そういう案、意見もありましたが、常識的には諏訪湖を通らないほうの案が道路のバイパスとしては妥当であろうということで進んでおる事情であります。
  58. 森山欽司

    森山委員長 本日はこれにて散会いたします。    午後一時三分散会