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1965-05-19 第48回国会 衆議院 建設委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年五月十九日(水曜日)    午後一時三十七分開議  出席委員    委員長 森山 欽司君    理事 正示啓次郎君 理事 廣瀬 正雄君    理事 三池  信君 理事 井谷 正吉君    理事 岡本 隆一君 理事 西宮  弘君       逢澤  寛君    天野 光晴君       大野  明君    木部 佳昭君       佐藤 孝行君    砂原  格君       丹羽喬四郎君    堀内 一雄君       山本 幸雄君    渡辺 栄一君       金丸 徳重君    久保田鶴松君       實川 清之君    原   茂君       稲富 稜人君  出席国務大臣         国 務 大 臣 小山 長規君  出席政府委員         総理府技官         (首都圏整備委         員会事務局長) 小西 則良君         建設事務官         (都市局長)  鮎川 幸雄君         建設技官         (道路局長) 尾之内由紀夫君         建設技官         (住宅局長)  尚   明君  委員外出席者         専  門  員 熊本 政晴君     ————————————— 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  首都圏整備法及び首都圏市街地開発区域整備法  の一部を改正する法律案内閣提出第一二二号)  (参議院送付)  請 願   一 下甑、鹿島問県道予算増額に関する請願     (池田清志紹介)(第九七号)   二 九州縦貫高速自動車道建設に関する請願     (池田清志紹介)(第九八号)   三 県道蒲生大口線改良工事促進に関す     る請願池田清志紹介)(第九九号)   四 県道宮之城牧園線改良に関する請願     (池田清志紹介)(第一〇〇号)   五 北薩管内県道改修に関する請願池田     清志紹介)(第一〇一号)   六 東北縦貫自動車道早期建設に関する請     願(天野光晴紹介)(第二一七号)   七 公営住宅使用料割増料徴収基準額引き     上げに関する請願)(原茂紹介)(第二八     〇号)   八 治水新五箇年計画の確立に関する請願外     三件(山下榮二紹介)(第二八一号)   九 発電用水利使用料増額等に関する請願     (田中彰治紹介)(第四一七号)  一〇 大口都市計画街路事業里村線の改良工     事促進に関する請願)(池田清志紹介)     (第四三四号)  一一 発電用水利使用料増額に関する請願     (井出一太郎紹介)(第五〇三号)  一二 同(小川平二紹介)(第五〇四号)  一三 同(唐澤俊樹紹介)(第五〇五号)  一四 同(吉川久衛紹介)(第五〇六号)  一五 同(小坂善太郎紹介)(第五〇七号)  一六 同(下平正一紹介)(第五〇八号)  一七 同(中澤茂一紹介)(第五〇九号)  一八 同(羽田武嗣郎紹介)(第五一〇号)  一九 同(原茂紹介)(第五一一号)  二〇 同(増田甲子七君紹介)(第五一二号)  二一 同(松平忠久紹介)(第五一三号)  二二 適正単価に基づく公共工事発注に関する     請願宇野宗佑紹介)(第六五九号)  二三 同(仮谷忠男紹介)(第六六〇号)  二四 奥州中部北上山地縦貫産業開発道路の     早期差工に関する請願鈴木善幸紹介)     (第六九六号)  二五 適正単価に基づく公共工事発注に関する     請願野田卯一紹介)(第七一七号)  二六 同(松澤雄藏紹介)(第七一八号)  二七 同(瀬戸山三男紹介)(第七四六号)  二八 同(増田甲子七君紹介)(第七四七号)  二九 同(笹山茂太郎君外一名紹介)(第七七七     号)  三〇 同(赤澤正道紹介)(第八四六号)  三一 同(齋藤邦吉紹介)(第八四七号)  三二 同(藤枝泉介紹介)(第八四八号)  三三 同(逢澤寛君紹介)(第八六七号)  三四 同(四宮久吉紹介)(第八六八号)  三五 同(田中伊三次君紹介)(第九二六号)  三六 同(奥野誠亮君外一名紹介)(第九五六号)  三七 同(田中龍夫紹介)(第九五七号)  三八 同(福永健司君外一名紹介)(第九五八号)  三九 同(藤本孝雄君外一名紹介)(第九五九号)  四〇 同(山本幸雄紹介)(第九六〇号)  四一 同(内田常雄君外一名紹介)(第一〇二三     号)  四二 同(木村剛輔君紹介)(第一〇四二号)  四三 重機高能率化助成に関する請願藤枝泉     介君紹介)(第七四八号)  四四 道路建設促進並びに道路建設公債発行に     関する請願栗山礼行紹介)(第九二五     号)  四五 適正単価に基づく公共工事発注に関する     請願丹羽兵助紹介)(第一一〇四号)  四六 同(佐々木秀世紹介)(第一二三二号)  四七 不動産鑑定業に関する特例による営業期     限延長等に関する請願春日一幸紹介)     (第一一三一号)  四八 同(田中伊三次君紹介)(第一一三二号)  四九 同(大倉三郎紹介)(第一一七六号)  五〇 同(久野忠治紹介)(第一一七七号)  五一 同(和爾俊二郎紹介)(第一一七八号)  五二 同(小川半次紹介)(第一二三一号)  五三 同(野田卯一紹介)(第一四〇六号)  五四 三多摩地区内の公営住宅払下げに関する     請願鈴木一紹介)(第一一九四号)  五五 日立足利線国道編入に関する請願(藤     尾正行紹介)(第一二〇七号)  五六 主要地方道日立太子線等の舗装に関する     請願藤尾正行紹介)(第一二〇八号)  五七 関東ローム地域道路整備促進に関する     請願)(福永健司紹介)第一三三五号)  五八 東北自動車道建設促進に関する請願(福     永健司紹介)(第一三三六号)  五九 適正単価に基づく公共工事発注に関する     請願野原正勝紹介)(第一四四二号)  六〇 同(今松治郎君外三名紹介)(第一六八六     号)  六一 同(藏内修治紹介)(第一六八七号)  六二 同(倉成正紹介)(第一七九三号)  六三 不動産鑑定業に関する特例による営業期     限延長等に関する請願原田憲紹介)     (第一四四八号)  六四 同(砂田重民紹介)(第一四九一号)  六五 中村川改修計画反対に関する請願木村     俊夫君紹介)(第一四六三号)  六六 適正単価に基づく公共工事発注に関する     請願(山村新治郎君紹介)(第二一四四号)  六七 同(村上勇紹介)(第二二〇三号)  六八 国道飯田豊橋線池場隧道工事に関する請     願(福井勇紹介)(第二二〇四号)  六九 土地区画整理法の一部改正並びに東京都     北区田端地区区画整理事業に関する請     願(河野密紹介)(第二三一七号)  七〇 三多摩地区内の公営住宅払下げに関する     請願外七件(本島百合子紹介)(第二八     五八号)  七一 自転車専用道路建設に関する請願(倉石     忠雄君紹介)(第二九六五号)  七二 都市地下駐車場建設促進に関する請願     (藤枝泉介紹介)(第三〇二七号)  七三 吉井川下流直轄河川事業促進に関する請     願(星島二郎紹介)(第三〇八八号)  七四 備後工業整備特別地域倉吉地帯を結ぶ     道路国道編入に関する請願星島二郎     君紹介)(第三〇八九号)  七五 発電水利使用料の改定に関する請願(宇     野宗佑紹介)(第三三五九号)  七六 地代家賃統制令撤廃に関する請願(瀬戸     山三男紹介)(第三四四四号)  七七 都市地下駐車場建設促進に関する請願     (澁谷直藏紹介)(第三七九九号)  七八 民間宅地造成事業等に対する融資に関す     る請願外二件(三池信紹介)(第三八九     〇号)  七九 同(大石八治君紹介)(第三九一二号)  八〇 同(辻寛一紹介(第三九四四号)  八一 都市地下駐車場建設促進に関する請願     (池田清志紹介)(第三九四三号)  八二 民間宅地造成事業等に対する融資に関する     請願地崎宇三郎紹介)(第四一九五号)  八三 外ノ目川の災害防除に関する請願笹山     茂太郎紹介)(第四六四一号)  八四 多摩川河川敷市民への解放に関する請     願外五十二件(田川誠一紹介)(第四六     四二号)  八五 鳴門、明石間の本土、四国連絡橋架設に     関する請願三木武夫紹介)(第四六八     二号)  八六 多摩川河川敷市民への解放に関する請     願(加藤進紹介)(第四八八六号)  八七 同(川上貫一紹介)(第四八八七号)  八八 同(林百郎君紹介)(第四八八八号)      ————◇—————
  2. 森山欽司

    森山委員長 これより会議を開きます。  首都圏整備法及び首都圏市街地開発区域整備法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  前会に引き続き質疑を続行いたします。岡本隆一君。
  3. 岡本隆一

    岡本委員 昨日もう少しというところで、大臣に御用が発生いたしまして、その続きを少しお尋ねさしていただきたいと思います。  昨日お尋ねいたしておりましたのは、首都圏であるとか近畿圏であるとか、こういうふうな過密地帯になっておる、いわゆる既成市街地の再開発をどうするかという問題でございました。昨日、この再開発をめぐりまして、とにかく区画整理をやって道路がりっぱなのができ、街路整備されたなれば、自分たちの町がそれだけよくなるのだから、ある程度犠牲住民に払ってもらわなければしかたがないというふうな大臣の御答弁がございました。しかしながらその前に、その犠牲を払うところの住民にはさまざまな立場の者がある。そしてまた、その居住者のほとんどは土地を持たない人たちである。土地を持つ人たちの中には相当利益を受ける人がございます。かりにそれが潜在的な利益であろうとも、利益を受ける人がございますでしょうが、ほとんどの居住者、ことに小住宅に住んでおるところの勤労者におきましては、一応街路整備されれば住環境はそれだけよくなりますが、しかしながら、それに伴うところの地価の高騰、そしてまたそれによるところの減歩清算というふうなことのために、地代家賃相当影響がはね返ってまいりまして、非常に大きな犠牲を払わなければならない。そういうところから、区画整理事業が非常に広範な反対運動というふうなものに発展していく要素があるわけでございます。だから私たちは、やはりそういうふうな小住宅に住んでおるところの居住者立場考えて、それらの人の犠牲を排除するというふうな方針をとっていく以外に、これから後どんどん進めていかなければならない市街地の再開発の進行を容易にすることはできないと思うのです。だから、そういう点について、市街地の再開発区画整理によることは無理である。区画整理事業というものは、さら地であるとか畑であるとかいうふうなあまり住宅のない、居住者の少ない地域について行なわれるべき方法であって、あるいはまたそうでない場合でも、地価の安定しておる、あまり高くない時期に行なわれるべきものであって、今日のように非常に地価が上がり、しかも居住者の多い地域ということになってまいりますと、これは都市改造方式でいくべきである、こういうふうに思うのであります。その点について、再度大臣からのお考えを承ってみたいと思います。
  4. 小山長規

    小山国務大臣 この間から引き続いての岡本先生お話は、私もそのとおりだと考えます。つまり区画整理事業というようなものは、まだ住民がそれほど住んでいない、さら地も相当あるというところには非常に適した方法でありますけれども、密集してしまってさら地などはあまりないというところでこの方式をやるとしますと、非常な無理があります。したがって、密集地帯改造は、やはり都市改造法によってやるべきであって、しかもそれにはいままでの手法をある程度根本的に考え直さなければいかぬのじゃないか。たとえば平家建て住宅を高層化するとか、そのためには相当な国家資金も要りましょうし、住宅資金も要りましょうし、そういった面も考えてやっていかないと無理が起こる。もしそのために法律改正が必要であれば、法律改正もいとうべきではない、そういう考え方で進みたい、こう思っております。
  5. 岡本隆一

    岡本委員 大臣、それだけの御理解がいただければ、もうあまり議論の余地もないと思うのです。私は日ごろ申しておりますのですが、こういうふうな都市開発には、やはり公共用地を生む前に、ことに道路をつくる場合、道路事業単独として考えるところに無理がある。その道路事業住宅政策を併用していく。たとえばうんと都市から離れたところへ公団住宅を持っていったり、あるいはまた公営住宅を、非常にへんぴな山の陰の住みにくい、住環境の悪いところへ建てるよりも、区画整理によって幾らでも空間を利用することができる。だから住宅政策土地を立体的に都会の中に求めていく。たとえばこの地図——遠いところからでごらんになりにくいかもしれぬですが、区画整理をこうしてやっておる地域にまだ相当さら地も残っておるわけです。だから残っておるさら地公団住宅を建てたり、公営住宅を立体化したものを建てて、そこへ収容していくという形をとれば、非常に容易に進んでいくわけだと思う。それをただ、詰め合わせてください、御順にお詰め願います、それによって公共用地を生み出してください、こういう様式一点ばりでありまして、減歩に伴うところの、ことに地価が上がっておりますから、これは地価抑制政策とも関係がございますし、これはきょう議論していても果てしもないことでございますから議論はいたしませんが、その地価を抑制する政策を強くとっていただくと一緒に、住宅政策というものを併用していけばいいのではないか。住宅局長もきょうお越しを願うように委員部に頼んでおいたのですが、住宅局のほうも、そういう点については今後都市局と密接な連絡をとりつつ、公団なんかの宅地を遠いところへ求めずに、大団地をつくることを考えずに、このごろ都市の中に相当団地をつくっておりますが、ああいうようなものをどんどん進めることによって、土地有効利用考え、同時に都市の再開発に寄与していく、こういう並行的な政策をとっていただきたいと思うのですが、大臣の御所見を承っておきます。
  6. 小山長規

    小山国務大臣 実は私もかねがねそのことを考えておったわけです。それで都市改造事業をやる場合には、単に都市局だけの仕事でなしに、住宅局が協力して、場合によっては公営住宅あるいは公団住宅、こういうものをあわせてやっていかないと、なかなかうまくいかない。そこで、そういう方針をとれということを言っているわけです。  なお、先ほど私が、法改正も場合によっては必要だと考えましたのは、非常にびっしり詰まっている場合に、全員の同意をとらなければ移転もできないということでは困る場合も出てまいりましょうから、四分の三とか三分の二程度同意があれば、場合によっては強制できるくらいのことも考えていかないと、いまおっしゃったようなことが実際問題としてできない場合もあろうか、そういうものを含めて、検討させるつもりでおります。
  7. 岡本隆一

    岡本委員 もう一つ、この計画の中に、ある程度、第三者が見てもこれはおかしいと思えるようなことがあるのです。たとえて言いますと、この地域の設定につきまして、地域のきめ方が、のこぎりの刃のように出たり入ったりしている、その除外されている部分が、住宅公団団地であったり、あるいは公営住宅土地であったり、あるいは日本アルミニウムだとか大きな企業工場であるわけです。そういたしますと、その他の地域のものは、減歩しない場合は清算金を出さなければならない。ところが住宅公団であるとか、そういう政府関係のものは、そんなことはごめんこうむりますというふうに、うまく区域から除外してある。それからまた企業が除外してある。そういうふうなものは、ある程度経済的な負担能力を持っておる。それは企業によって、経営のいかんによって、必ずしもそうとは断じられないかもしれませんが、しかしながら零細なサラリーマンが区画整理に伴う犠牲を払うならば、当然企業だってその部分負担しなければいけない。ことに区画整理ができまして道路整備ができましたら、資材の運搬であるとか、多くの人の通勤であるとか、いろんな面で、むしろ住民よりも企業体のほうが区画整理恩恵を受けるのです。その恩恵を受ける企業体のほうがはずれ、そして一般庶民にだけ区画整理犠牲を払わしていこうとするようなところに、地域不満もありますし、また反対運動に対して非常に大きな口実も与えておるわけです。だからそういう点、非常にこの計画がまずかったと思うのです。こういう点は局長のほうがよく御存じだと思いますが、日本アルミニウムであるとか、あるいはその他の工場がはずされております。それから住宅公団がほんとうにのこぎり状に、くさび状にくりぬいて残されておりますが、どうしてこういうふうな、だれの目に見ても不公正だということがわかるような設計をされたのか。何かそこに特別の事情があるのか。大阪市がやったのだから、私のほうは知りませんということなのか、その辺、局長からでもお答え願ったらどうでしょう。
  8. 鮎川幸雄

    鮎川政府委員 昨日も申し上げましたように、この地域計画決定及び事業決定は、昭和三十六年に行なわれておるわけでございますが、この区域決定の基本的な考えとしては、御堂筋線というような街路その他七路線の街路策定、さらにそれに関連といいますか、大阪新駅が建てられる、こういうような点も考慮され、さらにまた大阪の再開発計画という、いろいろな基本的な大阪における全体の都市開発問題等も考慮して、この区画整理が基本的につくられておるわけでございます。ただいまお話がございました、特別にある企業あるいは公団団地を除外しているじゃないかという御指摘でございますが、区域決定については、そういうその地域特殊性並びにこういう区域整理の基本となっておる諸問題を十分考慮されておると私どもは考えておるわけでございまして、必ずしもいま御指摘のような、特にこの区域事業だから除外した、そういうことはないというふうに考えておるわけでございます。
  9. 岡本隆一

    岡本委員 これは現地を私も見てまいりましたし、それから地図を見ましても、どう見てもこの点は、局長そうおっしゃいますけれど、不公平です。だからこのような地域の、この図を見ていただけば、これは住宅公団団地です。その横にこんな密集地帯があるのです。そして区画整理対象になっているのはこの赤線の中ですから、これだけ——ここは淀川です。だからこれだけぽこっとはずされているのです。そしてその住宅公団を除いた他の全部、これは区画整理対象にされているわけです。それから工場にいたしましても、ここに大きな日本アルミニウム、それから日独薬品、それから富士精版というような三つの会社のグループがある。このグループがぽこんとはずされて、それ以外のものはずっとこういうふうに区画整理になっておる。これだけ除外されておる区域が食い込んできておる。だから区画整理地域として指定されるならば、当然こういうふうなものも含めて、もう少しなだらかなものとして、当然これなんかも含まれて、減歩に伴う清算金——これなんか過密住宅がもう小さくなれませんから、小さくなれなければ、これらの人たち精算金を出すよりしかたがない。しかもここに駅がございます。ここが大阪新駅です。ここはその一つ手前の東淀川駅です。だから駅の近くの土地ですから、相当高価です。だから減歩に伴うところの清算金も相当出さなければならぬ。ここだけぽこりと、公団だけが免れておるというふうな点、その地域住民が大きな不満を持つのは当然で、計画策定そのものが、やはり住民の感覚からすれば、これは不公平な、ばかなというように思うのは当然です。だからこういう点、もう一度何か、こういうふうな不満を緩和するようなことを考えていただきたいということが私の意見です。この間、対運動をやっておられる幹部の方と会いましたので、いろいろ意見を交換してみたのですが、率直に、いまあなたが言われたように、こういう区画整理というものは、相当人口が稠密になってきた地域については、無理な方式だ、都市改造としては無理な方式だろう、そういうことはわかっている。だからやはり、これはいわゆる市街地改造法というような方式をとり、幹線道路については買収をし、それから幹線道路でないその他の、地域住民の直接日常の生活に結びついた街路整備については、区画整理で生み出していく。しかしながら幹線道路だけは買収方式でやっていく、そうしてそれでもって清算していけば、だいぶ負担の軽減ができるのではないか、こういうようなこと、そしてまた、区画整理そのものはぜひやってもらわなければいかぬとぼくは思う、というような意見を私が出しておりましたら、それは岡本さんの言うような意見なら、私らはちっとも反対じゃないんだ、区画整理をやってほしいんだ、けれどもこれだけの幹線道路を抜かれ、その幹線道路負担が全部住民ということになると、それはこの幹線道路そのもの御堂筋ですから、だからこの幹線道路をこんなに太いものを抜くということは、これは地域住民だけのためのものではない。むしろこれは大阪市全体のためであり、また大きくいえば、日本経済のためでもある。そしてまた、区画整理事業目的として、はっきりそういうことがうたわれておるわけですね。つまり、今度の区画整理事業というのが、国の利益に重大な関係のある土地区画整理事業というような目的がうたわれておって、国の利益に重大な影響のある区画整理事業として、大阪の新幹線の新駅の前の区画整理事業が、やはり国家目的に沿った区画整理としての区画整理事業として行なわれておる限り、そこにつくられるところの幹線道路については、これは当然国が経費を負担すべきである。だからそういうふうな意味でこの今度の区画整理を理解していけば、いま起こっておる反対運動というものも容易に話し合いがつき、円満にこの事業が進んでいくのではないかと思うのですが、そういうふうな御用意がこれから持っていただけるかどうか、そういうことをお伺いしたいと思います。
  10. 鮎川幸雄

    鮎川政府委員 ただいまお話しの中で、街路事業、特に御堂筋線等街路事業に関する負担が、全部地元のほうの負担になるというような趣旨のお話があったように伺ったわけでございますが、その点につきましては、区画整理事業におきまして、土地の一般的な需要の増大ということは、それによって行なわれるわけでございますが、道路などができました場合、必ずしもその地元利益を与えない、むしろ価値が下がるという場合もあり得るわけです。そこで、それに対しまして、この事業についてもそうでございますが、国が全体として三分の二の負担をしておるわけでございますが、減価補償金という補償金も出しておりまして、そうして、普通であるならば非常に高い減歩率を、そういう減価補償金等を出すことによって、引き下げておるということになっておるわけでございます。
  11. 岡本隆一

    岡本委員 なるほど、六万坪、市のほうですでに買収して土地が用意されておる。だからそれだけ減歩率が下がる、こういうようなことでございます。しかしながら、なおそれが幹線道路に使われる用地の半分程度なんです。だからやはり幹線道路に使われる用地というものは、相当地域住民負担において出すようになっており、この計画によりますと、地域住民犠牲を強要しておるわけです。だからそういう意味において、昨日大臣お話しになったように、その地域がよくなるのだから、その地域の人に少々犠牲を払ってもらう、こういうことでございますが、なるほど地域住民に密着したその他の一般街路については、地域住民もそこまでとは要求していません。私たちはそれは当然やむを得ないとは考えます。しかしながら、幹線道路については当然国でやってもらわなければならぬ。だから、それには御堂筋や庄内−新庄線というのですか、それから歌島−豊里線、十三−吹田線というふうな、相当たくさんの府道の幹線道路があるわけです。これは、その区画整理地域から一歩出れば、公共事業で、買い取り方式買収が行なわれ、この地域人たちだけがそういうふうな区画整理によるところの清算をしなければならぬということになってくると、矛盾も相当はなはだしい。たとえて言えば、この十三−吹田線というのですか、この道路にいたしましても、ここは区画整理によって生み出します。しかし、ここから区画整理地域外ですから、これに入っていくときには、もう買収方式でいくわけで区画整理の適用にならない。この地域と近い一歩離れたところに対して、片方は清算金を出さなければならない、片方は街路はできても清算金を出さない。こういうようなことが出てくるわけです。その点非常な矛盾があるわけです。だからこういうような幹線道路の大きなものについては、一般の道路事業費でまかなっていく。そして、黄色のこういうようなほんとうに地域住民の生活に密着して、有効利用し、同時にまた生活環境がよくなるというふうな地域については、もう負担もやむを得ませんということを地域住民は言っておる。   〔委員長退席、廣瀬委員長代理着席〕 ですから、そういうふうな考え方を織り込んだ解決方法をとっていただきたい。それともう一つ、先ほど大臣からお話がございました、いろいろ移転の問題とかをめぐって、ここへ住宅事業の費用を大きく投資していただく、この二つの点について、政府のほうで踏み切っていただきましたら、この問題の解決はきわめて容易である。したがって、私は、私自身、私のほうの地元の伏見の区画整理問題で日ごろやはり頭を悩ましておるのは同じような問題です。だから、今後既成都市区域におけるところの再開発は、どうしても、こういうふうな都市開発道路事業だけでやろうとしないで、住宅事業と併用してやっていくということ、同時にまた太い幹線道路については、これは街路事業費で買収していく。この二点さえ、国のほうでやり方を従来と変えていただきますならば、これから後にどこの区画整理、こういうふうな都市改造事業でも、きわめて円満に進むようになっていくのではないか。だから、今後新しい近畿圏整備計画ができ、それからまた、こうして首都圏整備計画ができ、近郊整備地域、それについても都市改造をやっていかなければならぬ地域もあるだろう。地域区域の中にも、相当都市改造をやることによって、土地有効利用、さらにはまた、市街地整備が非常に進んでいくであろうと思うのでございますが、そういう点、ひとつ今後政府の方針を一歩進めて、新しい時代にマッチした方式に転換していただくようにお願いしたいと思うのですが、大臣からの御所見を承りたいと思います。
  12. 小山長規

    小山国務大臣 いまの都市改造事業の例でおっしゃる御堂筋ですね。御堂筋部分は国の事業費でとおっしゃるのですが、都市改造事業そのものは、そういう思想でできておるのだと私は理解しておるのです。だから、御堂筋の延長部分にある人家を移転さしたならば、あるいはその土地買収したならば幾らかかる。それを国の負担の基礎にするわけですから、その部分で、たとえばそれに、直接買収すれば直接買収したところを移転をさせれば、十億なら十億かかる、その十億部分で横の街路をつくるわけでしょう。その部分で、その三分の二は国が補助して、ですから、いま岡本さんが言われたような方式を現在とっておるのではないかと私は理解しておるです。つまり直接買収に値する金で、縦横の街路部分を国が補助してやっているんだという、結論はそういうふうになっているんじゃないかと思うのです。しかもその上に、いまの大阪のような場合には、減歩率があまり大きくなると困るから、それで別に市の予算か府の予算か知りませんが、その金で何万坪かの土地を用意した、こういうふうに理解しておりますので、第一の点は、岡本さんの言われた趣旨と同じことをいまやっているんじゃないかと私は理解しています。あるいは間違っておれば、都市局長から言わせますが、そういうふうに私は理解しておる。それから第二の、住宅を併用するという点は、まだ進んでおるわけではありません。これからその計画を進めていくわけでありますが、その点は、おっしゃるように、たとえば移転をするために公営住宅が必要であるとか、あるいは集団住宅が必要であって、その資金をめいめいの人が出せないというような状態があるようですから、この点については、たとえば住宅公団でありますか、あるいはこれはたしか開発銀行で金を出す計画もあるようですが、そういったような、要するに国家の資金を使って、住宅問題もあわせて解決していこう、こういう考えで進んでおるはずであります。しかし、今後の問題については、先ほども申し上げましたように、さら地のない場合が相当多いわけですから、特に東京あたりも池袋だとか、ああいうところを考えてみますと、非常にさら地がない。しかし、よそには移転したくない。どこかこの近辺に住みたい、こういうような人たちの要望に沿うためには、住宅問題とあわせて、つまり立体的な改造というものを加えて考えていかないと、十分な都市改造にならない、こういう考え方で今後も進めていきたいと思っております。
  13. 岡本隆一

    岡本委員 いま大臣の基本的なお考えを承りまして私も非常にけっこうだと思うのです。ただ、いまそういう方針で行なわれておるという大臣お話でございますが、それは、なるほどそういう方針減歩率を少し薄めるために、六万坪市がすでに政府の補助を受けて買収して、土地は用意しておるのです。ところが、実際幹線道路に必要な面積は十一万坪なんです。だから六万坪用意があっても、五万坪不足なんですね。だからその五万坪は——六万坪用意された当時は、新幹線ができる前に、まだ地価の上がらない時分に用意されておるわけです。ところが、最近はそれがばあんと上がってきたために、残り五万坪というものが、こうして行き悩めば悩むほど、事業がおくれればおくれるほど、事業費が高くつくようになってきておるわけですね。そのために大きな負担になってのしかかってきておるということが大きな一つの理由なんです。ですから、こういうようないろいろな地元人たち不満に思っておる点を、もう一度よく検討していただきまして——やはりおくれればおくれるだけ、私は一そう高くつくと思うのです。そうしてまた政府のほうが幾ら権力で強行しようとしても、これだけ多くの住民をとても権力で、まるで豆をつかんで横へ、はちからはちへ移すようなわけには、絶対にそんなことはできるものではありませんよ。やはり地域住民の納得がいかない限り、こんな大事業はできるものではありません。しかしながら、新大阪駅前とすれば、これは大阪の将来の、梅田に相当するような地域になるわけでございますから、だから、そういう意味においては、これはことに国際都市大阪の国際的な入口、空港と、新大阪駅前がほんとうの大阪の表玄関ということになってまいりますと、この地域都市改造をうまくやるかやらないかということは、これは大阪のみならず、日本の将来にとって大きな影響がございます。また、中途はんぱな計画よりも、やはり将来を見込んだ雄大な計画を立てて、合理的な再開発に努力をしていただきたいと思うのです。私はもうこれ以上——大臣のお気持ちよくわかりましたから、私の希望を以上申し上げまして、この事業が円満に進みますように、ひとつお願いをいたしておきたいと思います。  以上で、私の質問を終わります。
  14. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長代理 これにて、本案に対する質疑は終局するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長代理 御異議なしと認めます。よって、本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  16. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長代理 次に、本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、これより直ちに採決いたします。  首都圏整備法及び首都圏市街地開発区域整備法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  17. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長代理 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————
  18. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長代理 この際、ただいま議決いたしました首都圏整備法及び首都圏市街地開発区域整備法の一部を改正する法律案に対して、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表いたしまして、岡本隆一君外二名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者から趣旨の説明を求めます。岡本隆一君。
  19. 岡本隆一

    岡本委員 私は三党を代表いたしまして、首都圏整備法及び首都圏市街地開発区域整備法の一部を改正する法律案に対する附帯決議を提出したいと思います。  案文を朗読いたします。    首都圏整備法及び首都圏市街地開発区域整備法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、近時における人口及び産業の急速なる集中化に伴ない、首都圏内の広域にわたり諸種の対策を講じているにもかかわらず、これが万全を期し得ない実情にかんがみ、次の事項に関し特段の考慮を払うべきである。  一、首都圏地域内において、文化財、緑地及び観光資源等の保全に関する措置を早急に策定すること。  二、首都圏内、特に近郊整備地帯、都市開発区域及びその周辺において、適切なる土地利用計画を樹立すること。  三、首都圏整備委員会において策定された計画案については、その計画が円滑かつ確実に実施されるよう早急に、都市計画法、土地区画整理法及び建築基準法等の適正な運用並びに法改正に努力すること。    右決議する。  次に、その理由でございますが、昨日及び本日の委員会で、いろいろ質疑応答を私が申し上げましたことの中に、十分その理由を言い尽くしておりますので、いま申し上げることの重複を避けたいと存じます。どうぞ皆さん方の御賛同をお願いいたします。(拍手)
  20. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長代理 以上で趣旨の説明は終わりました。  本動議について別に発言の申し出もありませんので、これより採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  21. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長代理 起立総員。よって、本動議は可決され、本案に対して、岡本隆一君外二名提出の動議のとおり、附帯決議を付することに決定いたしました。  この際、小山国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小山国務大臣
  22. 小山長規

    小山国務大臣 いま決議いただきました動議に対しましては、その趣旨を十分尊重しまして善処したいと、こう思います。(拍手)     —————————————
  23. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長代理 おはかりいたします。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  25. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長代理 次に、本日の請願日程全部を一括して議題といたします。  これらの各請願につきましては、文書表等により、委員各位もその内容は御承知のことと存じますが、先刻の理事会におきまして、理事各位と検討いたしました結果、日程第一、第四、第六、第八ないし第四二、第四五、第四六、第五四ないし第六二、六五ないし第六八、第七〇、第七二ないし第七五、第七七ないし第八八、以上の各請願は、いずれもその趣旨は適切妥当と認められますので、衆議院規則第百七十八条の規定によりまして、採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、以上の各請願に関する報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  28. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長代理 なお、本委員会に参加送付されました陳情書は、お手元に配付してありますとおり二十五件であります。御報告申し上げておきます。      ————◇—————
  29. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長代理 次に、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。  今国会が閉会となりました後も、  一、国土計画に関する件  一、地方計画に関する件  一、都市計画に関する件  一、河川に関する件  一、道路に関する件  一、住宅に関する件  一、建築に関する件  一、建設行政の基本施策に関する件 以上の各件につきまして、議長に、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、閉会中審査案件が付託されました際、審査の必要上、現地調査を行なわなければならない場合の、委員派遣承認申請の諸手続に関しましては、すべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 廣瀬正雄

    ○廣瀬委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  本日は、これにて散会いたします。    午後二時十六分散会