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小山国務大臣 まず第一に、
近畿圏の
整備関係につきまして、保全
区域というのをきめておりながら、そしてその保全
区域については別に
法律をもって定めるということを
規定しておりながら、その
提案がなされなかったことは怠慢であるというお話でございますが、この点おわび申し上げたいと思うのでございます。一つは、この保全
区域とか開発
区域というのをきめましたのが四月のたしか初旬ごろでありましたことと、それからもう一つは、保全
区域はきまりましたものの、さてそれをどういうふうに処遇しようかという基本的な
考え方が、まだ
政府として十分に固まらなかったという点があるわけであります。この点はまことに残念であり、おわび申し上げますが、しかしこの問題は特に院議をもって修正されたことでもありますので、いずれこの問題については真剣に対処する必要があるということで、私どものほうではまだ成案に至っておりませんので、そのつもりでお聞き取り願いたいと思うのでありますが、私の大体の
考え方を申しますと、保全
区域の種類を大体A、B、Cというぐあいに分けたといたします。Aは一番薄いと申しますか、広い
区域、Bがそれよりさらに狭く、Cは特定の文化財とかあるいは特殊な歴史的な風土とか、そういうごく限られたもの、そういうようにかりにA、B、Cと仮定いたしますと、Cの問題はこれはわりあいに、保護の方法あるいは保全の方法は、
区域も狭いことでありますし、これは立法ができるのじゃないかということで、いま寄り寄り
考えておりますのは、ある特定の文化財あるいは歴史的な
関係のある市町村の中で特定のものについては、これを保全するために、いま文化財保証法その他の
法律がありますけれどもこれでは不完全でありますから、これを保全するために特定の手段を講じようじゃないか。それにはまず
審議会を設けまして、これは総理大臣のもとに置きたいと思うわけでございますが、その総理大臣のもとにある
審議会が、特定の文化的あるいは歴史的な
地域を
指定いたしまして、その
地域については行為の制限をする。いろいろな建築の制限とか築造物の制限とか、行為の制限をきつくしまして、そのかわりには、その対価として、固定資産税の減免を
考えたらどうか。そうして、しかし固定資産税の減免は
考えますものの、所有者の都合によっては売却をしたりしなければならぬ場合があるわけでありますから、その売却の
申し出があった場合には、これを買わなければならぬというふうな
考え方でやったらどうだろうというような方向で、いま検討を進めておるわけであります。さらに、その外郭のいわゆるB
区域といいますか、これについては、やはり
審議会の
意見を聞いて、ひとつ一種の規制の
計画をしたらどうだろうということで、これと、いわゆるA、これは大体風致
地域やあるいは公園
地域に入る部分が大部分でありますけれども、これについてはまた、行為の規制は、現在御承知のように、
都市計画法による風致
地域の行為の規制の
関係の
法律があります。助成の
規定はまだ別にないわけであります。この助成について何らかの方法があるかどうか。この点は、
地域も相当広範にわたりますしいたしまするし、またその対象も区々雑多でありますので、十分
調査しませんと、行為の規制は条例でいまやっておりますが、その条例に見合うところの助成措置を、一体どのような措置でやれるのかという点が、まだ十分な成算を得るに至っておりません。そういうような
状況で、むろん公園
地域については、同じ公園
地域の中でも、風致
地域の大部分は公園
地域になっているわけでありますが、公園
地域については、当然公園法その他による助成措置が講ぜられております。ただ、公園でもない、ただ普通の風致
地域という点については、規制だけありまして、助成の措置が講ぜられていないので、この点は一体どう
考えたらいいかという点は、まだ具体的な場所あるいはその他、これは
近畿圏だけでなくて、
全国にわたる問題でありますので、そこで
全国的な一つの
基準を設定できるかどうか。設定するにしましても、相当膨大な費用を要することでありましょうし、そういうことがはたして可能か。議論としてはともかくとして、行政上、
予算上、はたして可能であるかどうかという点まで詰めなければならぬものですから、この点はまだ検討の段階に至っていないわけであります。そういうふうに検討の段階に至ってない部分、一方B、Cについては、いま検討を加え、大体こんな方法でどうだろうかという
考え方を固めつつある段階である、こういう事情であります。