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1965-05-13 第48回国会 衆議院 決算委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年五月十三日(木曜日)    午前十時四十二分開議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 田中 彰治君 理事 瀬戸山三男君    理事 福井  勇君 理事 勝澤 芳雄君    理事 田原 春次君       田川 誠一君    福永 健司君       山手 滿男君    神近 市子君       堂森 芳夫君    森本  靖君       山田 長司君    吉田 賢一君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 松浦周太郎君  出席政府委員         運輸政務次官  大久保武雄君         運輸事務官         (大臣官房長) 堀  武夫君         運輸事務官         (海運局長)  若狭 得治君         運 輸 技 官         (船舶局長)  芥川 輝孝君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      佐藤 光夫君  委員外出席者         運 輸 技 官         (港湾局技術参         事官)     栗栖 義明君         会計検査院事務         官         (第三局長)  小原  剛君         会計検査院事務         官         (第五局長)  宇ノ沢智雄君         日本国有鉄道監         査委員会委員長 岡野保次郎君         日本国有鉄道監         査委員会委員  磯野  渡君         日本国有鉄道総         裁       石田 礼助君         日本国有鉄道常         務理事     豊原廉次郎君         日本国有鉄道常         務理事     今村 義夫君         日本国有鉄道参         事         (電気局電力課         長)      佐々木治文君         参  考  人         (帝都高速度交         通営団総裁)  牛島 辰弥君         参  考  人         (帝都高速度交         通営団理事)  山田 明吉君         参  考  人         (帝都高速度交         通営団理事)  清水 雄吉君         専  門  員 池田 孝道君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十八年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十八年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十八年度政府関係機関決算書  昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十八年度国有財産無償貸付状況計算書  昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書  (運輸省所管運輸省関係政府関係機関関係)  国または公社補助金等を交付しているものの  会計に関する件(帝都高速度交通営団)      ――――◇―――――
  2. 堀川恭平

    堀川委員長 それでは、これより会議を開きます。  昭和三十八年度決算外三件を一括して議題といたします。  本日は、運輸省所管及び日本国有鉄道決算について審査を行ないます。  まず運輸大臣から概要説明を求めます。松浦運輸大臣
  3. 松浦周太郎

    松浦国務大臣 昭和三十八年度決算概要につきましては、お手元に印刷物をお配りしてございますので、それによって御承知いただきたいと思っております。  何とぞ御審議のほどお願い申し上げる次第でございます。
  4. 堀川恭平

    堀川委員長 委員各位のお手元に配付してあります昭和三十八年度決算説明書は、便宜委員会議録に掲載いたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  次に会計検査院当局から検査概要について説明を求めます。小原会計検査院第三局長
  5. 小原剛

    小原会計検査院説明員 運輸省所管事項につきまして簡単に御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、報告書の八二ページ以下にございますように、いずれも港湾工事に関するものでございまして、直轄施行のもの一件、補助事業にかかるもの四件、計五件でございます。  五二九号は、伊勢湾高潮建設部において請負施工いたしました四日市港防波堤築造工事におきまして、基礎捨て石天端全面を本ならしすることとして、設計施工いたしております。この施工におきましては、一般函塊等を据えつける部分に多少の余裕を見て本ならしを行ない、割り石で被覆する部分のり面と同様経済的な粒ならしを施工することが例でございまして、天端全面を本ならしすることとしております。本件工事工事費は不経済となっておると認めたものでございます。  五三〇から五三二までの三件は、地方公共団体施行いたしました補助工事にかかるものでありまして、工事施行が不良であったり、工事費積算が過大であると認めたものでございます。  五三三号は、三十八年発生災害復旧工事策定額について検査いたしまして当局に注意し、その結果当局において補助対象となる工事費を減額されたものでございます。  以上でございます。
  6. 堀川恭平

    堀川委員長 次に宇ノ沢会計検査院第五局長
  7. 宇ノ沢智雄

    ○宇ノ沢会計検査院説明員 昭和三十八年度日本国有鉄道検査の結果につきましては、検査報告の一四五ページ以下に掲記してございますが、指摘事項工事に関するもの八件、物件に関するもの一件、そのほかに改善事項一件となっております。  工事のうち六〇〇号から六〇二号はいずれも予定価格積算が適切でなかったために、工事費が高価と認められるものでございまして、六〇〇号はPCけたの製作にあたりまして、PC鋼線価格等積算が適切でなかったために工事費が高価となっていると認められるものでございます。  六〇一号は、通信用地下ケーブル敷設にあたりまして、これに使用しますビニールパイプ敷設の歩掛かりの検討が十分でなかったために工事費が高価となっていると認められるものでございます。  六〇二号は、橋梁基礎工事費積算にあたりまして、潜函沈下工費積算に誤計算等があったことになりまして工事費が高価となっていると認められるものでございます。  六〇三号から六〇七号までは、いずれも監督及び検収が適切を欠いたために施工設計と相違していたり、規格に適合しないものが納入されていたりしているものでありまして、六〇三号は新幹線の高架橋部分の両側に施工しましたパイプ型高欄設計より小径のものや、肉厚の薄いもので施工されていたなど、契約に定められた規格に適合しないもので施工されていたものでございますが、本件につきましては、その後当局是正措置を講じております。  それから六〇四号から六〇七号までは、道床バラスト製作積み込み等工事施行するにあたりまして、仕様書で定められた規格に適合しないものをそのまま検収したものでございますが、本件につきましてもその後当局で逐次是正を行なっております。  次に、物件六〇八号は、車両用継電器購入にあたりまして、本件外箱及びブザーを一度組み立てられて製品となっているものを購入しておりますが、これらはそれぞれ別個に購入の上、部内工場で組み立てる方法をとったほうが有利だったと認められるものであります。  次に、改善意見を表示した事項は、発電工事並びに現有の発電設備やその運転方法に関するものでございますが、その全文は経過報告の二一五ページ以下に掲げてございますので、それによって御了承していただきたいと思います。  以上でございます。
  8. 堀川恭平

    堀川委員長 次に政府関係機関当局である日本国有鉄道からの資金計画事業計画等につきましての説明は、便宜委員会議録に掲載いたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  これにて説明聴取を終わります。     ―――――――――――――
  9. 堀川恭平

    堀川委員長 これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許すことにいたします。勝澤委員
  10. 勝澤芳雄

    勝澤委員 大臣がいらっしゃる間に、最初にお尋ねいたしますが、臨時行政調査会公社公団等の改革に関する意見というのを出したわけでありますが、その中で特に国鉄に対して監理委員会の問題についていろいろと述べておるわけでありますが、この臨時行政調査会監理委員会あるいは政府監督限定あるいは公社経営自主権、こういう点についてどういうふうにお考えになり、この臨時行政調査会答申をどういうふうに取り扱おうといたしておるのか、その点についてまず最初お尋ねいたします。
  11. 松浦周太郎

    松浦国務大臣 いまのお問いの問題の中心となるのは、当事者権限をもう少し拡大したらどうかということが中心だと思うのですが、予算の問題並びに運賃問題等に対しましては、直接国民に影響する問題でございますから、手放しで全部国鉄に委譲するということは困難ではないか、一応国会に問うということが必要であると思っております。
  12. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 大臣説明にちょっと補足さしていただきたいと思います。  臨時行政調査会において、監理委員会の設置ということが言われて、答申があったわけでございますが、その内容の基本的な考え方といたしまして、公社自主性を尊重する、したがいまして、いままでの機関と別個に監理委員会というものを設置して、監理委員会が総括的に公社管理監督をする、保安その他の面、特殊な面についてのみ政府機関が直接これにタッチするというのが、臨調の答申に盛られた趣旨でございますが、これにつきましては、いま大臣が申されましたように、問題は、現在の公社、特に日本国有鉄道経営状態におきましては、御承知のように新しい事業計画を立てるためには、これに対して必要な資金の調達というのは相当部分政府資金によらなければならぬ。あるいはまた、この自主的な財源を狩るためには運賃改定のような問題が当然生じてくるわけでございまして、これに対しましては、御承知のように、もちろん公社経営の面からの重大な問題でありますと同時に、これを利用する国民の側にとりましても非常に大きな問題であるわけでございます。したがいまして、現在の状態では、かりに監理委員会を設けましても、これに全部、運賃資金計画等の認証の権限を与えるということが現状では相当むずかしいのではないか。したがいまして、これらの面をどういうふうに考えていくかという問題もあるわけでございまして、われわれといたしましては、現状では、答申に盛られておるような考え方監理委員会運営をしていくということに相当問題がある、したがいまして、やはり国会における運賃審議あるいは予算審議というようなことを前提として事を考えなければいかぬのではないだろうかというふうに考えておる次第でございます。
  13. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうしますと、臨時行政調査会勧告いたしております監理委員会を設置すること、それから政府監督限定、あるいはまた公社運営に対する自主権、こういう問題については、いまのところ主管局としては反対だということだけで、これについての前向きな検討とかというようなものはどういうふうに行なわれておるのですか。
  14. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 公社日本国有鉄道の設立の趣旨からいきまして、これができるだけ自主性が与えられて運営ができるということにつきましては、われわれとしても特に反対はないわけでございます。ただ、勧告に盛られておるような方向で直ちにいくということは非常に困難であると思いますので、われわれとしては、現状においては、勧告にあるようなことをすることについては相当問題があってむずかしいのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
  15. 勝澤芳雄

    勝澤委員 電電公社の経常の中には監理委員会という方式があるわけでございますが、同じ公社の中でも、国鉄経営のやり方と相違があるわけですね。そういう点からいえば、どちらがいいか、私はよくわかりませんけれども、一応臨時行政調査会が長い検討の結果、こういう答申をなされたと思うのです。こういう点で、やはり監理委員会方式についてもう少し検討をされていいじゃないだろうか、私はこう思うのです。  監理委員会の問題は別といたしまして、次に、政府監督経営自主権の問題でありますが、いま当事者能力の問題でいろいろと論議をされております。こういう点を考えてみますと、いまの隘路を打開する一つ方法をここに出されたと思うのです。そういう立場でこれを見ていかないと、私はいろいろな矛盾が出てくるじゃないだろうかと思うのです。そういう点で、この勧告について、勧告をされっぱなしで、あまり十分な審議がなされていないように思うのです。そういう点は私たいへん残念だと思うのですが、大臣、どうでしょうか。
  16. 松浦周太郎

    松浦国務大臣 国鉄運営について重要な基本点でありますからお答え申し上げますが、先ほどのお問いの問題については、私並びに局長の答えた程度でなければまず国会の承認が得られないと思うからでございますが、その他の当事者能力の問題については、国鉄総裁権限をもっと拡大して、当事者能力が発揮できるようにするような前向きの研究は、現在怠りなく、その答申に基づいてやっております。
  17. 勝澤芳雄

    勝澤委員 別の機会にまた、もう少し具体的になってから御質問することといたしまして、次に海運収支の問題でありますが、これは昨年四月一日を期して海運会社集約化が行なわれ、海運再建二法によって、海運会社合理化国際競争力の強化を目標とする六グループの集約会社が発足したのでありますが、この集約会社償却実施額あるいは償却不足額あるいは資本構成、こういうことについて、集約当時と今日までの成果の現況について、まず最初に御説明を願いたいと思います。
  18. 若狭得治

    若狭政府委員 集約後の会社経理状況について御報告申し上げます。  集約当時の減価償却不足でございますけれども、これは昭和三十八年の六月末現在の減価償却不足が――集約に参加いたしておりますもののうちで、整備計画というものを出しておりますものは四十五社ございますけれども、その減価償却不足額が六百六十二億あったわけでございます。これが四十年三月末には二百十億というように減少いたしてまいっておるという実情でございます。ただ、減価償却不足というものと、それから実際の銀行に対する約定返済延滞状況はどういうふうになっているかと申しますと、減価償却不足のほうはたとえば、減資等措置がございますので相当減っておりますけれども、実際の延滞減少はこういうような状況にはまいりませんので、いわゆるわれわれが集約を実施いたしました基準日昭和三十八年の六月末に九百三十四億円の延滞があったわけでございますが、これが昭和四十年年三月末では六百四十七億円、約三百億円の減少になっておるというような状況でございます。
  19. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この集約化に参加しなかった海運会社に対する運輸当局の政策はどういうふうになっているかという点をお尋ねしたいのですが、たとえば最近雑誌で見ますと、三光汽船のようなもの、こういうものはこの集約に入っていないようでありますが、計画そのものも、いろいろ聞いてみますと、相当有利なものではないだろうかと私は思うのですが、こういうものがかりに輸銀による融資を望んだ場合は、どういうふうにお考えになりますか。
  20. 若狭得治

    若狭政府委員 海運集約につきましては、政府といたしまして、いわば強制的に企業の統合を行なうということでございましたので、それを促進するために、たとえば政府利子補給あるいは財政融資というものは集約企業体に集中するという施策をとっているわけでございます。ただ、いま例にあげられました三光汽船の問題でございますけれども、これは財政資金のうちでも輸出入銀行融資を受けたいというものでございます。これが外国船会社であれば当然受けられる問題でございまして、日本人であるがために受けられないということは、われわれとしては考えるべき問題じゃないか。したがいまして開発銀行融資というものにつきましては集約企業体限定するというような方式をとっておりますけれども、輸銀融資については、そういうことを必ずしも言う必要はないわけでございます。ただこの問題につきましては、輸銀法の解釈上の問題点もございますので、大蔵省ともいろいろ相談してまいったわけでございますけれども、現状ではなかなか困難であるというような大蔵省の見解がございましたために、実現しないでおるというのが実情でございます。
  21. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで、今度は海運国際収支赤字原因でありますが、この赤字状況と、これについてなぜ赤字になっているのか、こういう点について御説明願いたいと思います。
  22. 若狭得治

    若狭政府委員 海運収支赤字の問題でございますけれども、端的に申しまして、やはり日本の非常に増加する生産というものに船腹の拡充が追いついていけないというところに問題があったのではないかというようにわれわれ考えております。具体的に申しますと、積み取り比率等につきましても、現在は輸出入とも四七%程度でございます。輸出入とも五〇%に達しておらないというような状況でございます。そういう点にやはり赤字原因があるのじゃないか。ただ、一般に言われております海運収支赤字と申しますのは、いわゆるIMFの計算方式をとっておりまして、輸入運賃についての外船に対する支払い支払いに立てまして、輸出運賃についての邦船の受け取りを受けに立てるわけでございます。したがいまして、日本の国内の生産が増大してまいりまして、輸入物産が急激に増加してまいりますと、その点の外船運賃支払いが非常にふえてくるというのが実情でございます。こういう点に、やはり計算方式にも多少問題があるかと思いますけれども、先ほど申しましたように、絶対的に船腹量不足しておるというところに赤字原因があるということは申し上げることができると思います。
  23. 勝澤芳雄

    勝澤委員 長期契約によるいろいろの輸送状態を見てみますと、船そのもの日本造船所で建造された外国船が大半を占めておる。そうしてまたそれについて輸銀から特別の融資がされておるという点については、いろいろ検討され、また開銀の融資のようなものも出ておるようであります。そこでこの積み取り比率品目別に見てみますと、小麦大豆砂糖というようなものが三十八年度で三・七あるいは一七・五、一八・二、木材は七四・七、カリ塩が六四・二、鉄鉱石五七・四、というふうに、小麦大豆砂糖というものは、品目別に見ますと、積み取り比率は低下しておるようでありますが、この原因はどこにあるのですか。
  24. 若狭得治

    若狭政府委員 大豆砂糖等につきましては、主として定期船でこれをとっておりますので、いろいろな貨物とのコンバインによって積み込んでおりますから、過渡的に非常に下がる場合もあり、上がる場合もあるわけでございますが、小麦につきましては、これはほとんど不定期船で入っておるわけでございます。これにつきましては、やはり船腹不足というところに一番原因があるのじゃないかと思われます。と申しますのは、小麦運賃というものは、過去の例を見ましても、非常に安いわけでございます。したがいまして、他にいい荷物があれば、そちらのほうに日本船が行ってしまうということで、小麦がいつでも置き去りにされるわけでございます。  それからもう一つは、現在の入札方法というようなもの等につきましても、全く自由に、国際的にどこの船会社でもこれを運べるというような状況になっておりますので、したがいまして、外国の非常に安いぼろ船小麦を積むために日本市場に入ってくるということでございます。そういう自由市場の中で日本船不足というような事態がございますので、通貨の状況から見まして、他の荷物のほうへどうしても船が流れてしまうというような状態になるわけでございます。したがいまして、われわれはこれに対して専用船をつくりまして、小麦輸送に張りつけるという措置をとっておるわけでございます。また同時に、自動車の専用船等をつくって、その帰りに小麦を載せるというような措置を講じまして、四十二年度までにはこの積み取り比率を少なくとも三〇%まで上げたいということで現在努力しておるような状況でございます。
  25. 勝澤芳雄

    勝澤委員 また詳細は別の機会にしまして、次に港湾整備特別会計の問題についてお尋ねをいたしますが、港湾整備勘定による港湾事業費、あるいは北海道港湾事業離島港湾事業等港湾事業費についてかなりの不用額が出ておりますが、たとえば港湾事業費不用額が二億八千四百万円になっておるようでありますが、この理由として契約価格予定価格を下回った、こういうふうにいわれておるようでありますが、この不用額を生じた理由について、もうちょっと詳細に御説明を願いたい。
  26. 栗栖義明

    栗栖説明員 ただいま御指摘がございましたように、一部不用額の中に入札残というのがございます。これは金額的に全体の事業規模に比べますと、比率から申しますと比較的小さい金額でございますが、予定価格を立てまして入札しました場合に、それより安く落ちたというものでございます。
  27. 勝澤芳雄

    勝澤委員 次に、港湾法によりますと、港湾管理について、営利を目的としない公法上の法人である港務局によってその管理運営が行なわれるようになっておるようでありますが、現在の港湾管理者港務局あるいは一部事務組合あるいは地方公共団体となっており、港務局はわずかに新居浜一カ所となっておるようでありますが、これは港湾管理のあり方に根本的な改定を必要とするものだ、こういうふうに考えますが、こういう実態というものがどういうわけで存在しておるのですか。
  28. 栗栖義明

    栗栖説明員 御承知のとおり港湾法と申しますのは、港湾管理者というものは、地方自治体中心にして地方自治体にまかしてございまして、ただいま御質問がございましたように、港湾管理者というのは地方自治体自分でもなれる、それ以外に二以上の自治体が共同いたしまして一部事務組合をつくって管理する、それからもう一つ港務局という特別な人格を持ったものでもやれるという形態になってございまして、大部分は県なりあるいは市なりが、自分で単独で管理をするというのが多うございまして、現在港務局という形態がございますのは一港でございます。以前は北九州にございます小倉にあったのでございますが、これは北九州市になりまして、全部連合して一部事務組合に変わりました。現在残っておりますのは新居浜だけでございますが、将来だんだん港が大きくなりまして、二以上の都市がくっついてくるという時期になりますと、事務組合なりあるいは港務局というものもだんだん出てくるのじゃなかろうかというふうに考えております。
  29. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それから会計検査院から指摘をされておる五三二の山口県の下関市、この指摘をみますと、五・三メートルに対して五十三メートルの積算をしたということが出されておるのでありますが、こういうことは会計検査院指摘しないうちにわかるような気がするわけでありますが、こういう現況というのは、どういうわけでこういうことになったのですか。
  30. 栗栖義明

    栗栖説明員 御指摘のとおり下関港で一けた間違った計算指摘されてございます。私のほうでも、あるいは中間検査とか完了認定とかいうことで部内でも内部検査をやっておりますが、たまたま設計を認可する時点ではそういう積算の内訳がなく出てまいりまして、それをあと完了認定の際に精査するという手続をとっておるわけでございますが、私のほうの完了認定の時期がおくれまして検査院指摘を受けたことはまことに申しわけないと思いますが、私のほうの参った時期がずれたということでございます。
  31. 勝澤芳雄

    勝澤委員 これは積算の段階でしたのですか、工事をやったあとですか。
  32. 栗栖義明

    栗栖説明員 これは工事中でございまして、まだ完了して補助金を交付する以前の問題でございまして、私どもは、そういう事実がわかりましたので、国庫補助金は減額して、その分は差し引きまして支給してございます。
  33. 堀川恭平

    堀川委員長 それでは吉田委員
  34. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 大臣に一点だけ伺っておきたいと思います。  それはいわゆる第二空港の候補地の問題であります。この問題は、当委員会におきましても、綾部運輸大臣のときからしばしば論議されたのでございまして、すでに運輸大臣が非常に御熱心にこの問題の解決に努力しておられるとも聞いている。そこで昭和三十八年の十二月に航空審議委員長から綾部運輸大臣にあてて、候補地もその他各般の条件が詳細に記載されたものが答申として出されております。当委員会におきましても、綾部運輸大臣はこの航空審議会の答申を尊重するという御趣旨の答弁がございました。でき得べくんば自分の在任中にでも何か決定を見たい、こういうような御答弁があったのでございます。  そこで最近伝わるところによりますと、茨城県の霞ケ浦の周辺がこの内閣において候補地として決定されるかのような、ことに大臣のお名前まで出ておったような気がしますが、さような方向へ国の空気というものができておるのでしょうか、いなや。とするならば理由はどこにあるか。ことに航空審議会は、私ども審議会のメンバーを全部調べてみたのですが、この種の問題を検討するにはベストメンバーを全部そろえております。そういうものが答申いたしましたものがむげにけられて、いろんな別な条件で霞ケ浦にきまる、こういうことになるならば、これは問題だ。この辺につきましても内閣の御方針を承っておきたいと思います。
  35. 松浦周太郎

    松浦国務大臣 お説のように、航空審議会から答申されましてからすでに一カ年半を経ております。先輩の綾部さんが審議会のとおりに尊重したいと申されております。私もしばしば各委員会でかく申してまいりました。その間の事情は変化のあるたびに各委員会において述べてまいりましたが、お問いでございますから、もう一ぺんここで事情を申し上げたいと思います。  池田内閣の末期に、国家百年の重大な問題である、つまり羽田の七倍もあるものを東京に一時間以内で来れるところにつくる、しかも東京の西のほうにはブルー14、四つの米軍の基地がありますので、西には見込みがないということになれば、したがって東北方面にならざるを得ないわけでございますから、どうしても、いま御指摘の航空審議会の案を踏襲せざるを得ないということでありましたが、しかも東京湾の主張もありますので、関係閣僚懇談会というものが池田総理の発議によりまして行なわれたのであります。そこで会を統理するために河野先輩が座長格になられまして、会を統理するということでありました。それで何回もいろいろな会をやったのでありますが、それは閣僚だけではなくて、七省に関係のある次官会議というもの、次官会議の下において関係技術者あるいは関係の官房長というものの会議もしばしば開いたのであります。  佐藤内閣になりましても同様これを踏襲してまいりました。いまから三カ月ぐらい前に、いつまでもこういうことだけをやっておっても進まぬから、結局富里のほかに湖並びに東京湾の埋め立てのこともひとつ研究してみたらどうだろうという話が起こりまして、それと同時に、米軍の四つの基地というものは、それはそれぞれの用途があるであろうけれども、この狭い国土の中に四つの当地を連ねておくということもどういうものか。これは外務当局を通じて、米軍の基地の利用ということについてひとつ考えてみたならばどうかということの相談をいたしました。それは、当時新聞にその三つの条項は掲げられたのであります。そこでその方法をきめまして以来、次官会議がしばしば開かれまして、次官会議においては三つの委員会に分けて、いわゆる空のことを研究する問題、もう一つは陸及び技術に関係する問題、もう一つは外交の問題というような三つの委員に分けて、大体現在では相当押し詰まっております。もう一回も開けば大体どこにするかということが押し詰まっておりますが、わが運輸省といたしましては、最初から富里というところを第一候補にいたしておりますので、その答申が次官会議の結果、閣僚を中心にして関係閣僚会議がどこにきめるかということによって、われわれが主張してまいりました富里をあるいは変更することもあるであろうと思いますが、いままでは富里を第一候補にあげております。きのうの記事はどこから出たか私はわかりませんけれども、ああいう大きな記事が出まして、きまったように書いてありますが、まだどこにもきまっておりません。それはいま申しました三つに分けた事務的な、技術的なあるいは外交的な方面から答申が次官会議に持ち込まれて、次官会議が関係閣僚懇談会に持ち込んで、関係閣僚懇談会が前の――いま申されました航空審議会の二つの個所いわゆる霞、富里、それとにらみあわせて関係閣僚懇談会はどこに最後の決定をするか、それをきめましたならば、わが運輸省は、関係閣僚懇談会の決定を受けて、法案がきまりましたならば法案の第二条に基づく政令をきめてくれということで政府に要請いたします。そこで閣議がきまりましたならば、初めて個所がまきるのであって、政令も何にもきまらない、法律もまだ参議院で――いま私その法律の審議に行くのでありますが、その審議中に霞にきまってしまったような新聞が出るのは、どこからああいう誤解が出たかわかりませんけれども、私は一向そのことには関知いたしておりませんが、いままでの事情は各委員会で述べてきたことでございますから、以上申し上げたとおりでございます。
  36. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 決算委員会がこの問題を重視する一つ理由は、これは当委員会においても相当明らかになったのでありますが、この第二空港の建設にはおそらくは三千億円ぐらい金が要るだろう、場所にもよりますけれども。膨大な予算が投入をせられる、このような事業でもありまするので、もし場所のきまり方に、技術上の問題も軽視し、あるいはまたこれは運輸省の所管事項としまして、松浦大臣の専権事項ではないかと私ども考えるのであります。そういった重要なものが、いわゆる政治問題として扱われて、次官会議、閣僚懇談会でいろいろとやられば解決しないというようなことでは、国民は相当不安に思います。もし、場所によりまして、数千億円の、そういう新しい飛行場の建設に全国の建設屋さんがいろいろなコネで仕事をとりにいくというようなことができましたなら、一体これはどうなりましょうかということもわれわれは一面心配いたします。ですから、事は、私は政治問題のような、どうもだれに聞いても、ここへも各民間の航空会社の社長さん、副社長さんが来て、あるいは航空審議会のメンバーも見えて、いろいろな御説明があったのでありまするが、いわゆる政治問題じゃなしに、むしろ、これは超音ジェット機が日本に入ってくるという見通しのもとに国際空路をどう開発していくか、そういう面からおもに検討すべきでございまして、各大臣が閣僚懇談会をやらなければきまらないというような、そういう政治性は私は乏しいと思う。そういうような角度から重視いたしております。ことに、霞ケ浦の場合自衛隊の百里飛行場の関係もございますし、簡単に済むまいと思う、次々問題が起こってくるだろうと思っておりますのと、それから富里付近といたしましても、要するにこれは買収費、補償の問題だろうと思います。たとえば東京の湾にいたしましても、すでに木更津のほうなんかも県庁に向かって大きな埋め立ての権利を取ったということも伝えられております、というようなことがありまするので、とかく、事件がてんめんすることになりましたらたいへんだと思いますので、そういう角度から答申を尊重しないならば、しない理由を全国民に明らかにしなければ私はいくまいと思う。数名の閣僚だけがいろいろと御検討になるような、そういう政治問題でないように思いますので、あくまでも技術なりそういう広い意味における社会、経済の見地から合理的に等申されたもの、それを排除するなら排除する理由をすっきり国民説明するということをなさらぬと、運輸大臣といたしまして、みずからの重要権限を放棄することになりはしないか、こう思いますので、この点くぎをさしておきたいというのが私の御質問するゆえんであります。どうぞこの辺の決意は明らかにして、また運輸大臣としての御責任の重要性も、この際明確にしておいていただきたい、こう思います。
  37. 松浦周太郎

    松浦国務大臣 非常に示唆に富み、また私の行政面に対する御注意を感謝します。しかし、事は、そういう権限の問題ではなくて、国全体の大きな問題でございますから、かりにおれの権限だからおれがきめるのだといっても、一番先に問題になるのは、閣議でがんばって反対があっても押し切ってきめるといたしましても、アメリカから三時間で飛んできたものが、いまの道路そのままでは二時間もかからなければ東京に来れないというようなことでは、せっかくのSSTの価値がないということになるのです。だから、建設省の協力も得なければならぬ、あるいは技術については文部省の協力を得なければならぬ、いろいろなやはり七省についても――いま百里の問題の御指摘もありましたが、防衛庁の協力も得なければならぬ、あるいは外務省の協力も得なければならぬものですから、関係閣僚懇談会を開くということは、必ずしも運輸大臣権限を縮小されるものではない。しかし、その中において、私は常に自分権限を侵される、ような発言があった場合には、断固しりぞけております。そうして今後最後的な決定存する時分には、閣議にかけなければいけないのです。そのときに一人の反対があっても閣議は通らないのです。ということも、関係閣僚懇談会をスムーズに平和裏におさめていくということが必要であるということであって、自分権限を縮小して相手というか、七人の中の、まあわがままということばを使っちゃいけませんが、言い分にじゅうりんされるというようなことは断じていたしません。私は国民の代表としてやっているのですから、国民の代表として運輸大臣の使命を全うすることに対しましては全力を傾倒いたしますから、皆さんの御支援をお願いいたします。
  38. 勝澤芳雄

    勝澤委員 大臣、いまの問題に関連して一言老婆心ながら申し上げたいと思います。  いま吉田委員から国際空港の位置についていろいろ質問がありました。国際空港の位置がどこにきまるかというのは、これはやはりたいへん重大な問題なんです。いまのお話の中でも埋め立ての権利をとったとかいうお話がある。あるいは木更津付近がぼつぼつ買い占めをされているという話もある。あるいはまたこれは別の話ですけれども、筑波学閥都市建設で、あの辺はもう買われておるのだという話も出ておる。現に東海道新幹線のときには、御承知のように横浜付近あるいはまた大阪付近でそういう買い占めがあった事実があるわけです。直接それは政治家が買い占めていないかもしれないけれども、しかし、その背後にある多くの人たちが注目をしてそれを利権として活用していることも事実であります。いま吹原産業事件で問題になっておりますが、事件の中身はともかくとして、とにかく吹原さんが首相官邸に自由に出入りをして、官房長官の部屋で取引をしたということは、これは残念ながら週刊誌の中で明確にされているわけであります。ですからそういうことが背景となって、藤山さんのようなりっぱな人から、あるいはまた市村さんとか、いろいろな財界の有力者といわれる人がまあだまされたという事件が起きているわけです。ですからいま国際空港をつくる場所あるいは筑波学園都市をつくる場所というようなものがどこにきめられるだろうということは、金もうけをしようとする人たちにはたいへん魅力ある問題なんです。もしそれが政治と結びついておったならば、私は重大な問題だと思うのです。むしろ国民は、政治と結びついておるのだからなかなか場所がきまらぬだろうと言われる。運輸大臣は清廉潔直な人で、なかなか苦労されている。みな国民は期待をしているわけでありますから、一応参考までに。過去にあったことであります。いま現にそういううわさが出ておりますし、現にまた場所によっては買い占められているところがあるわけでありますから、ですから大臣、その空港がきまって、その場所を買うときに、その補償金なりあるいは買収価格というものについては、ひとつ十分研究してもらいたいと思います。新しく買った人が一年後、二年後に五割増しも、倍も三倍もなるような買収価格でやるようなものについては、これは注意をしながら、運輸省とわれわれ国会が一緒になってやはり不正なものは摘発して、社会の指弾を受けさせなければいかぬ、こう思っておりますから、ぜひ御注意願いたいと思う。
  39. 田原春次

    ○田原委員 ちょっと関連して一つだけ。  先ほどのお話を聞いておって、私勉強しておりませんから、この際明らかにしていただ事たいと思いますが、たとえば横田基地とか立川基地とか、米軍は飛行場を東京付近に四つ持っておるじゃありませんか。だから新設するのじゃなくて、このうちの一つを提供させれば、新たな設備にそうたいしてかけないでもいいし、せいぜい東京都内への道路建設ぐらいで済むのじゃないか。国際関係ということばがあったにもかかわらず、何ゆえにその米軍の東京付近における数個の飛行場のうちの一つを譲ってもらうという交渉をせずに、富里なり霞ケ浦になったのか。その間の数名の閣僚懇談会で出た内容を、明らかにしていただきたいというのは失礼かと思いますが、お尋ねしたいのであります。
  40. 松浦周太郎

    松浦国務大臣 さきの御質問にありました御注意に対しましては、われわれは東海道新幹線の場合に最初の予定の約倍額の価格になりまして、非常に苦しいことになって、国会に非常な御迷惑をかけました。そういう点から考えまして、そういうことを再び繰り返したくないということが、今度公団を設立する一つ理由であります。公団であれば、公団だからなんぼ高く買ってもいい、そういうむだなことではなくて、迅速なる動きと借り入れ金その他一時流用が政府が直接やるよりも簡単にいけるのです。でございますから、暴騰を防いで早く手に入れてしまうということについては、公団のほうが迅速にいけると思うのです。そういうことで、工事施行に対しましても、九頭竜のような悪評の立たないような方法によってやっていきたいという考え方によってやっております。  いまの田原さんのお尋ねでございますが、そういう意味において、ブルー14の西側の飛行場を返してもらうならば、そこの中に民間飛行場をつくるということは困難でございましょうが、軍用飛行場は、どうせ日本の空はアメリカの軍隊と日本の軍隊との共同作戦になるのでございましょうから、その交渉は外務省を通じてやっております。これはこの間の関係閣僚懇談会の決議にも入っておりますから、それは現在やっておるのでございます。
  41. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それでは国鉄に次の質問をいたしますが、最初会計検査院から御説明願いたいと思うのです。この不当事項と掲げてある六〇〇号でありますが、一体この指名競争入札という中で一割以上も工事の見積もり計算の相違というものが起きるだろうかどうだろうか。指名競争入札をして、入札の経過の中でほんとうに公正な入札が行なわれるとするならば、そういうものは防げる、私はそういうふうに思うのです。ですから入札そのものが今日――これは国鉄だけではないのですけれども、業者間の話し合いで行なわれている傾向があるわけであります。そういうためにこういう積算の一割も高かったというものが防げないのじゃないか。こういう点について検査院としての意見を聞きたい。
  42. 宇ノ沢智雄

    ○宇ノ沢会計検査院説明員 確かに、ただいま御意見がございましたように、積算が適正であって公正な競争が行なわれれば、一応理屈の上ではそう一割も差額が出るというようなことはあり得ないと思うのですが、本件六〇〇号は、積算内容の主体をなしますところのPC鋼線の単価の概算にあたりまして、これがこの差額の非常に出た大きい理由でございまするが、その点について調査が十分でなかったというようなことで、そういうところに原因があってこういうような事態になったのじゃないか、こういうふうに考えております。
  43. 勝澤芳雄

    勝澤委員 次の六〇一号を見てみますと、これは二割五分以上の過大な積算であったということになるわけでありますが、これも公開競争契約をやっているわけでありますが、公開競争契約の場合においてはなおさらこれが入札でわかるのじゃないか、こう思うのですが、先ほど六〇〇と比較をいたしまして、六〇〇は一割以上の工事見積もりの計算相違ということで業者にもうけさした。六〇一号も二割五分以上の過大積算でこれをもうけさしておる。しかも、それが指名競争あるいは公開競争入札、こういう中で行なわれているということについて、これはやはり入札制度そのものまでさかのぼって検討しなければならぬ。あるいは特に六〇一号のような場合においては、二百個で足りるやつが千二百個で積算をした。千個分だけでも六十八万円過大となっているということで、回答書を見てみますと、今後十分注意する。一体この程度会計検査院として問題を了解していいのか。私は入札の原則その他よくわかりませんけれども、これは明らかに問題として、積算過大あるいは積算の違いというものについては相当程度返納させるべきだと思うんですが、その積算過大のときにおける入札の経過と、それから入札してしまったものだからそんな二割五分も積算過大をやってもしかたがない、今後十分注意すればいいのだという、この辺についての御見解を賜わりたい。
  44. 宇ノ沢智雄

    ○宇ノ沢会計検査院説明員 本件につきましても、差額が非常に多く出たと申しますのは、これは前段のビニールパイプの敷設の歩掛かりの見方、これは国鉄で新しくこういうことを考えられて、従来鋼管でやっておったのをビニールパイプで新規に三十八年度からやってみようということで、その辺の調査が十分でなかったということでこういう結果になったわけでございまして、そのあとの、二百個で足りるのを千二百綱も積算したという点につきましては、本院といたしましては別に了解しておるわけではございませんので、今後こういうことのないように注意するということでございますが、これに対しまする責任者についての措置といたしましては、国鉄当局でも十分措置をとられておることと存じますので、今後こういうことは起こり得ないと存じます。  それからなお差額は返納をさせるべきじゃないかということでございまするが、これはあくまでも積算の問題でございまして、一応業者との間に公開競争契約が成立しまして、それによって代金を支払っておりまするので、精算の上、実績によってそれまでかからなかった場合には返納するというような契約でもございますればともかく、それについて、それを返せということは理論上検査院としてはいいかねると思います。
  45. 勝澤芳雄

    勝澤委員 私は契約状況はそうだと思うのです。返納させることが不可能な契約だと思うのです。ただ問題は、一側も積算違いがある、あるいは二割五分も計算違いがあるということが入札の段階でわからないかと思うのですよ。ですから、その入札そのものが公正な入札でなくて業者間の話し合いの入札が行なわれている。ですから、業者樹の話し合いで今日の入札が行なわれるとするならば、予算積算について、もっと厳正な予算積算を各省ごとにやらせないとたいへんなことになると思うのです。これは今日の業界の常識からいいまして、業者同士で九頭竜川のようにたたき合いをやったという例は少ないわけでありますから、業者の話し合いで大体入札が行なわれておることは私も実情としてはわかるわけであります。しかし、予算積算違いをやった場合においては、それはそのまま国損になる、業者の利益になるということになるわけでありますから、積算の見積もり違いについての責任追及というものはもう少しきびしく行なっていかないと、これは少し同題になると思う。ただ単なるいまの会計検査院の取り扱いだけでは、一体それでいいだろうかという問題になる。公正な入札が行なわれてたたき合いになった、あるいはそういうものをこまかい積算までした中で入札が行なわれておるならばわかると思いますが、一札入札でやっておって、そうして業者間の話し合いが行なわれておるということになれば、予算はただ単なる形式だけの同順であるということになってしまうと思う。ですから、適正な予算を出すための努力ということと、その予算積算過大というものについては、もっと厳重な監視といいますか、そういうものをつくらないとこれは問題だと思うのです。ましてや今日のように、業者のほうは別として各官庁のほうは人が足りないわけでありますから、人が足りないからいいかげんな積算をするわけじゃございませんけれども、なかなか規定や注しに従って積算を十分に見る時間と人がないわけでありますから、そういう中でやられている。また積算過大だと責任を追及される人もたいへん辛い立場だと思うのです。ですから、その問題の隘路を解決しないでおいて、いつまでも会計検査院がただ単なるこういう指摘のしかただけでいいだろうかどうだろうか。これは、あとであなたのほうが指摘いたしております帝都高速度公団、地下鉄の問題でも出てくると思うのです。それは、問題は人の問題になってくる、あるいは機構の問題になってくるわけでありますから、その機構の問題、人の問題をほったらかしておいて、いつまでも会計検査院がこうだこうだと指摘しているだけでなく、検査院の任務はもうちょっと新しい時代に沿った方法があるのじゃないだろうかと思うのです。ですから、その点の積算の違いあるいは責任の追及のしかたというものはもう少し考えるべきじゃないだろうか。入札が理論的に考えて公正に行なわれるならば別ですけれども、現状に合った入札制度の中で、現状に合った適正な予算で、とにかくこういう大きな見積もり違いですね。一割とか二割五分というと大きな見積もり違いですが、九百九十万でやればいい仕事を実際には三百三十万も積算過大になっておるということであります。ですから、こういう点については、もう少し検査院としては、あなたのところで全般的にいまの入札に適合した検査のしかた、あるいはそれについて指摘された現局の処理のしかたにもう少しはっきりした結論を出すことによって、こういうことが二度と起こらない、ただ単なる十分注意するというようなことでないような方式を研究すべきじゃないかと思うのですがいかがですか。
  46. 宇ノ沢智雄

    ○宇ノ沢会計検査院説明員 ただいまの御趣旨十分今後検討して会計検査の実効をあげたい、かように考えております。
  47. 勝澤芳雄

    勝澤委員 じゃ国鉄のほうにお尋ねしますが、六〇〇号は一割ですけれども、六〇一号は約二割五分の積算過大があるわけでありますが、積算過大をした原因はどこにあるのか、それは公開競争契約のもとで発見できないのかという点を御説明願いたいと思います。
  48. 豊原廉次郎

    ○豊原説明員 ただいま御指摘をいただきましたような結果が出ましたことはまことに申しわけないのでございます。先ほど検査院のほうからもちょっとお触れになりましたように、この歩掛かりの問題は、従来鋼管でやっておったのをビニールパイプを使った。その間に積算が不注意と申しますか錯覚があったわけであります。一般的に申し上げまして、最近こういう土木工事等の技術なり、また使用いたします材料が進歩、変化いたしてまいっておるわけでございまして、本件の場合は、その進歩に追随する事務的な準備が非常に不足しておったということと、先ほど御指摘もございましたように、工事量が非常にふえておりまして、係員が非常に繁忙であるというようなことからこういう錯誤を犯したわけでございます。   〔委員長退席、福井委員長代理着席〕 国鉄におきましては、今後第三次の長期計画に入りますためにますます工事量も増してまいりますし、技術の進歩も今後ますます急速度で発展いたす、こういう事態に備えまして、今後は工事積算がもっと容易になりますように、工事設計そのものを標準化いたすと同時に、中央で、技術の進歩に応じ、新しい材料の使用に応ずる積算の基礎を刻々に研究いたしまして、これを地方で実際に工事積算の仕事をいたす者に教えてやる、こういう体制を整えまして、今後こういう間違いが起きないようにということで、今年度に入りましてそういう専門家を集めまして、積算なり設計合理化ということを検査院の御指導等も得ながら進めておる次第でございます。
  49. 勝澤芳雄

    勝澤委員 研究はされているようでありますが、私は、いまの競争入札あるいは公開入札、こういう入札方式をやりながら、現実には予算が二割五分も見積もり違いをやっておっても、入札の中で発見できないというところに問題があると思うのです。言うならば、業者は話し合いでやるわけでありますから、なるべく高く落とそうとするわけであります。ですから入札経過を見ればみんなこれがわかるわけであります。ですから世間的には競争でございます、公開でありますといっても、私は、実際には見積もり合わせの入札のほうがこれはいいのじゃないだろうかという気がしてしかたがないわけです。ほんとうに業者が公正な競争を行なって、公正な入札を行なうならば、そんな違いはないわけでありますから、かりに五社が入札していれば、五社ともが自由な立場で計算してくると、二割五分も違ってくるような計算は理論的に出てこないわけであります。これが確実に出ておるわけでありますから、それを紡ぐにはどうしたらいいかということを考えてみると、いまの公開入札、競争入札は必ずしも正しい入札じゃない。むしろ適正な仕事をやらせるには、業者が話し合いをしているならば、やはり発注するほうも、そのきまった業者と見積もり合わせをきっちりやって、一つ一つを積み重ねて仕事をやらしたほうが安くいい仕事ができるのではないかという気が実はするわけであります。その下請、下請の下請の関係もあります。そういう点は検査院のほうでもこれから研究してもらうことにいたしまして、私たちも九頭竜川のあのダム入札経過を見てみましても、電源開発なんかでいままでたたき合いをやった競争入札というのは一件だけである。あとはみんな建設業者が話し合いできまったという経過が入札経過として出ておるわけでありますから、国鉄もまあ似たようなものだと思うのです。それはいまどこの官庁でも大体似たようなことが行なわれているのです。世間から見ればそれがいかにも正しい入札だ、そして国損を与えないような入札になっているけれども、裏から見ればそれは全然別個のものだということになっておりますから、やはり実情に見合って、業者も、発注するほうも、いい仕事を正確に正しくやることができるかという研究をぜひ国鉄としても新しい角度から研究するときに、そういう点もお考をいただきたいと思うのです。  次に移りますが、今度は改善意見として日常電力の施設の管理について意見が出されております。会計検査院といたしましては、この改善意見を見てみると、一つ新しい前進をした。それはなぜならば、会計検査院は、いままでただ単なる改善意見というものを出しておったけれども、改善意見即これがある程度予算的な問題についても予算の経済的効果というか、こういうところまで少し指摘をしておるような気が私はするわけであります。そこでこの会計検査院から指摘されたものについて国鉄当局はどう受け取っておるのか。そうしてこれを見ますと、予算の点から今後合理化を行なっていきたいというふうに言われておるわけでありますが、こういう点について、抽象的ではなくして具体的に指摘をしておるのでありますから、これから具体的にこの改善意見に対処してどうするのかという点について御説明願いたいと思うのです。
  50. 佐々木治文

    ○佐々木説明員 御質問の御指摘の点に対しましてお答え申し上げます。  信濃川の第四期工事を中断しております理由は、非常に技術的な問題もあるわけでございますが、国鉄の自営電源は、東京近郊の通勤の輸送力増強というものに伴っての電源増強ということを考えてやっておるわけでございまして、その対策の一環として信濃川の第四期工事を完成させる計画でございます。昭和四十年度におきましても、本工事の再開にあたって必要な隧道工事その他の測量を継続するという考えでおるわけでございます。信濃川の第四期をなぜ中断しておるかということは、ちょうど国鉄の第二次長期計画ということにあたりまして、予算的に線路増設その他ということが第一番に問題になりまして、そういう予算的な関係からやむを得ず中断をしておるという状態であるわけでございまして、今後第三次長期計画の一環といたしましてできるだけ早く本工事を完成させたいというふうに考えております。
  51. 勝澤芳雄

    勝澤委員 会計検査院のほうにお尋ねいしますが、この改善意見に基づいて経済効果というものを会計検査院としてはどういう試算をしておりますか。
  52. 宇ノ沢智雄

    ○宇ノ沢会計検査院説明員 こまかい試算につきましては、私のほうといたしましては、ちょっと計算がいたしかねますので、国鉄本社の電気局のほうで試算をしていただきました資料がございますので、詳細につきましては、国鉄当局のほうから御説明願ったほうがいいのじゃないかと思いますが、一応私のほうでいただいております資料によって御説明申し上げます。  三十九年六月、本社の電気局の試算するところによりますと、第四期工事の残工事の総工事費は七十億円、この年間の発電経費は五億四千一百万円となっております。これをかりに本院の希望しておりますようなことで四十二年度までに完成するということで経済比較を行ないますと、国鉄当局としましては、四十二年度末で電力量としては十九億四千五百万キロワットアワー、これだけの需要電力を予想しておるわけでございますが、これだけの電力をこの工事をやらないで現有のままで四十二年度にまかなうということになりますと、その経費は五十九億一千一百万円になるわけでございます。これの単価は三円四銭です。ところが私のほうで申し上げておりますようなもので先ほど申し上げました四十二年度末の総需用電力量を四期工事を促進することによってまかなっていく、補充していくということにしますと、この経費が五十五億二千六百万円、発電単価は二円八十四銭ということで、差し引き年脚約三億八千五百万円は第四期工事を完成させた場合には年間経費が節約できるのではないかというようなことになっております。
  53. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうしますと、国鉄のほうはいまのあなたのほうの試算なりあるいは検査院の試算に基づいて具体的にいつまでに完成するという計画を持っておりますか。
  54. 佐々木治文

    ○佐々木説明員 先ほども申し上げましたように、予算が五十億今後必要といたします。それで検査院の御説明のございましたように、アワーといたしまして約一億キロワットアワーの発電が年間ございまして、大体四億近くの利益があるという考え方がございます。なるべくこの第三次長期計画の一環の中において早く完成いたしたいということで、今年度も隧道の拡幅の調室ということを始めております。
  55. 勝澤芳雄

    勝澤委員 もうかることですから、結局資金需要さえできればおやりになったほうがいいわけです。もうかることを故意におくらしているということになると、一体電力会社がじゃまをしているのかあるいは予算的にどうなのだ、そういう意味でこれは私は予算措置を要求したというたてまえからいって、新しい検査院指摘のしかただと思うのです。こうやれば国鉄はこれだけ利益があがるのじゃないか、これを原価計算してみればこうなる、だからこれくらいいいのだ、こういう計算をしておるわけでありまして、国鉄合理化の線に沿ったという勧告であるわけでありますから、そういう意味でほかの問題とのかね合いを見ながら意見に従った具体的な措置を望みたいと思います。  次に、職員の管理の問題であります。この問題につきましては、監査委員会から監査報告書が出されておるようであります。業務量に見合う適正な要員を確保する必要がある。要員の増加の傾向を見ていますと、ここ数年要員の増加というものはあまり行なわれていないわけであります。作業量がふえながら要員というものは増加していないということと、もう一つの問題は、適正な職員を確保し、これを育成することだと、こう行われております。まさに適正な職員が確保されているかどうかという点について少し問題があると思うのです。それは何となれば、今日民間の採用を見てみますと、相当早い時期にいい待遇で採用を決定している。しかし国鉄現状を見てみますと、就職がきまって、大部分行き場所がきまったあとで今度採用試験をやっている。月給が悪いし、待遇が悪い、採用になってもほんとうにすぐ本採用になるのか、臨時を何年やるかわからないという現況ですから、なかなかいい人材が集まらない現状になっているわけであります。これは何とか早急に解決しなければいかぬと思うのですけれども、この要員の確保の問題と、それから適正な職員の確保と育成、こういう問題についてどうお考えになっていますか。
  56. 豊原廉次郎

    ○豊原説明員 国鉄の要員につきましては、ただいま仰せのように、私ども主として採用いたしますのは、高等学校卒業者がその大宗をなしておるわけでございまして、高等学校の卒業者はおおむね四十一年度をピークにいたしまして、卒業者の絶対数が減ってくる、またほかの産業におきましても需要が多いということから、ますます採用が困難になるものと私どもも考えておるわけでございまして、そういう事態に対処いたしますために、もちろん賃金ということが非常に大きく影響はいたしますけれども、その他の厚生施設または職場に入りましてからの職場の環境、安全というようなことも非常に大きな要員確保の、要素になると考えますので、それらの点にいまから十分配慮いたしますと同時に、現在におきましても、先ほどおっしゃいましたように、従来国鉄はわりあいに採用試験がおそかったりしたこともございますが、最近におきましては、できる限り要員の見通しをつけまして、早期に試験をいたしまして、将来採用する予定者と申しますか候補者を選定いたしまして、予算の成立に見合いまして、逐次採用をいたしたいということをやっておるわけでございます。まだ旧来からの制度その他によりまして、十分とは申せませんけれども、ただいま御指摘いただきましたような点に十分注意いたしまして、要員を確保いたしたいと思っております。
  57. 勝澤芳雄

    勝澤委員 総裁、昨年の暮れに私国鉄の職場に行ってみますと、国鉄の職場の臨時人夫はものすごく安いのですね、四百五十円か五百円くらいで、安いわけです。それから郵便局へ行ってアルバイトを見てみますと六百円、七百円、千円秀出しておるところもある。そして仕事の内容はどうかというと、片一方は直接汽車と関係があるし、片一方は机の前にすわっておる、あるいはほかの仕事もありますけれども、こういう例を見てみますと、同じ政府機関という立場で相当隔たりがあると思うのです。そしてなおかついまも話が出ておりますように、業務がどんどんふえておっても、なかなか人がふえていない、入れるについても優秀な人は国鉄を敬遠している、これでは私は将来の国鉄というものはたいへんなことになると思うのです。ですから、やはり横のほうもあるいは上のほうもみんな見ながら、もう少し積極的な体制をしいていかないといけないと思うのです。そういう点について、総裁は特に国鉄の再建のためには努力をされてまいっておりますし、また第三次計画でも先頭に立っておやりになっておられると思うのですが、まだ臨時の問題その他の問題についていろいろ問題がある。しかし、どうも総裁やあるいは本社の幹部の皆さんにはそういう現場の事情というものがわかっていながら、それを解決する方策について勢意が足りないんじゃないか、こういうふうに思うのですが、そういう点、いかがでしょうか。
  58. 石田礼助

    ○石田説明員 まず給与の問題でありまするが、これはいつか私が国会でも予算委員会のときに申し上げたのですが、三公社のうちでとにかく国鉄の給与が一番いかぬ。とにかく二千六百八十円くらいの格差がある。これはぜひとも是正してもらわなければいかぬ。とにかく他の各局等に比べてみますと、その労苦に比べると問題にならぬ。しかるに国鉄の職員の給与は低いということはいかにも不合理だということで仲裁裁定に移行して、その結果だいぶ是正してもらいました。そして、それが全部解決したわけじゃありませんが、その残りがまだあるわけで、これも私は近く是正されるようになるんじゃないかと思う。  それから下のほうの問題につきましては、われわれも気がつかないところがあると思いますが、これはよく研究いたしまして、勝澤さんがいま御指摘になったような点につきまして是正すべき点があれば是正したいと思います。  人間の養成でありまするが、まず第一に高級職員の問題。これは民間の企業が非常に拡大されるとともに大学の卒業生のわれわれに対する希望者というものが非常に少なくなってきた。そこで、これはいままでのようなやり方でやっておったんじゃだめだ。国鉄の仕事というものは将来ますますふえるにかかわらず、こういう有能な高級職員というものが手に入らなくなったらたいへんなことだ。やはり事業は人だということで高級職員につき、ましては、職員養成所の中に大学課程というものを設けまして、相当の給与を出して希望者を募集するということで、まず一年に百五十人のわれわれの希望君に対して約四千人くらいいま希望者がある。それを二カ年で大学の課程を終了させるということだったのですが、それが実際与える時間から考えると、大学でレクチュアに相当するものでありますが、大学の四年を二年でやるということはいかにも無理だと思います。聞くことは聞くだろうが考える時間がないじゃないか、こういうことで四十一年から採用する者につきましては、これは三年の課程でやるということに是正をいたしました。  それから、さっき豊原常務から話がありました高等学校の卒業生の問題でありまするが、どうも世間が高等学校の卒業生を非常に求人しておるときに国鉄がこれではなかなかうまくいかぬ。これは将来ひとつ下がって中学の卒業生を採用して、われわれみずからが高等学校の過程を教育しようじゃないか。それにはまず第一に場所を考えなければならぬ。東京とか大阪とかいうような求人の多いところでわれわれが競争をしたってうまくいくものではない。九州とか北海道とか東北とかわりあいに求人の少ないところでやろう、それについては毎会の問題であるとかいうものについて根本的に考えなければならぬというようなことで、われわれとしては何と言ったってやはりりっぱな人間を手に入れて初めて国鉄の仕事がうまくいくのだ、こういうことをよく頭に置きまして、相当の予算をもってりっぱな人間を確保する、仕立てるということにしたほうが将来においてはうまくいくのではないかというふうに考えております。しかし、この問題については、現在までやったことで十分であるかどうかということも、これまた反省しながらやりたいということに考えております。
  59. 勝澤芳雄

    勝澤委員 総裁も職員会議の問題について特に下のほうの問題についてお考えになっておるようでありますが、ぜひそういう状態について把握されて御検討いただきたいと思います。  次に、監査委員会のほうへお尋ねしたいと思うのですが、財務及び会計の監査について意見が出されておるわけでありますが、減債基金制度の設定あるいは退職給与引き当て制度の設定あるいは減価償却制度の問題、災害引き当て金、こう指摘をされておるのでありますが、この指摘についてのお考え方と、これらの制度による基金というものは具体的に項目ごとにどれくらいの金額になるのかという点についてお尋ねいたします。
  60. 岡野保次郎

    ○岡野説明員 お答え申し上げます。三十八年度の監査報告書の中に、ただいま御質問のありましたような減債基金の問題、これはいままで設けてございませんのでこれを設けるようにしたほうがいいのではないか、こういうような注意を喚起しておるわけであります。  第二といたしましては、退職手当基金の積み立て、この数字についてはいまここで暗記してはおりませんが、たしか二百二十三億円くらいかかっておるかと思いますが、これも予算といたしましてはやっていないので、やはり原価に入れ縛るような体制にするためにこの基金をやるべきが至当ではないか。  それから償却の問題、これは若干ただいまやりつつありますが、それではやはり若干足りない点がある、もう少し増加をする、それでコストの適正を期する、こういうようなことにすればいいじゃないか。  それから災害引き当て金の実施について、これは予備金等から出しておりまして、普通の、たいした大きなアマウントでない場合には、これでまかなっておるわけでございます。予備費でまかない切らぬ、こういうふうな場合を想像して、やはり取りくずしのできるように、しからば、といって非常に大きなアマウントをこれに保留しておくということはいまの困難なる国鉄の財政状態からいうと無理であるというような点があるかもしらぬが、幾ばくの災害引き当て金の引き当てをしております。これも予算の適正を期する、こういうような意味からやるべきではないか。要するに国鉄は財務会計制度の改善によりまして原価を適正なものにする必要がある。いま非常に不適当ということではございません。やはり適正なものにする。そして適正原価に基づく適正通貨によって自己資金を確保し、これを第三次長期計画の原資の一部に充てていく必要があるのじゃないか、こういうふうに考えまして、この点はかなり強く指摘したつもりでおります。その結果・・。
  61. 勝澤芳雄

    勝澤委員 結果は国鉄のほうから聞くからいいです。
  62. 岡野保次郎

    ○岡野説明員 その回答がございまして、目下その線に沿って極力検討中である、こういうような回答を受けておりますので、私としてもその検討の結果を非常に待っておる、こういうような状態でございます。
  63. 勝澤芳雄

    勝澤委員 いま監査委員長から説明ありましたが、監査委員長のこの監査報告に基づいて国鉄はどういうふうに取り扱っているかということと、それから四つの制度をつくった場合の金額は今日計算をしたら大体どれくらいの金額になるのかという点について御説明願いたい。
  64. 石田礼助

    ○石田説明員 監査委員長の言われることは、私はしごくごもっともなことだと思う。ところが、国鉄のいまの直面しておる問題の解決、ことに通勤輸送の問題、輸送力の増強の問題、輸送の安全という問題、このほうにいかに金があっても足らぬというような状態にあるのでありますから、監査委員長の言われることはしごくごもっともではあるが、しかし、急を要するという点からいくと、これはわれわれは考えなければいかぬ。それからひとつできるだけそういうふうに進めたいが、まずもって目の前の火を消すということがわれわれの急務じゃないかということで、実はせっかくのわれわれに対する御忠告でありましたが、まだ具体的にその線に沿うことができないようになっておるということが現状であります。
  65. 勝澤芳雄

    勝澤委員 運輸省側に聞きたいのですが、これの制度というものは電電公社にも関連性がある問題です。たとえば退職給与引き当て制度、電電公社あるいはその他の公社国鉄と関連してこういうのと比較をして、この監査報告書の問題というのはどういうふうに監督官庁として運輸省はお考えになっておりますか。
  66. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 いま指摘がありましたのは、会計経理の方法でございますが、従来の一般企業におきましては、退職手当の引き当てあるいは減価償却というようなことは、御承知のように通常行なわれておるところでございますが、監査委員会から特に指摘がありましたのは、減価償却方法について、たとえば取りかえ資産についての半額まで償却できる、いわゆる半額法の採用あるいは取得時期による是正というような相当技術的な内容を含んでおります。このものにつきましては、一般企業においてもとられておりますし、御承知のように国鉄でも相当検討が進んでおるわけでございます。ただ減債基金、災害引き当てにつきましては、他の公社、公団においてもこういうようなものがございませんし、むしろ国鉄企業の特殊性に基づくもの――企業の特殊性といいますか、国鉄経理の特殊性に基づく部分が相当多いわけでございまして、これからはなお将来十分に現状に応じて検討していただく必要があるのではないかとわれわれ考えておる次第でございます。
  67. 勝澤芳雄

    勝澤委員 電電公社など、よその公社は、こういうものはどういうように行なわれておるのですか。国鉄との関連でおわかりになりますか。
  68. 豊原廉次郎

    ○豊原説明員 よその公社につきましてもそれぞれ研究はいたしておりますけれども、ただいま監督局長から答弁のありましたような状態でございます。私ども国鉄といたしましては、監査報告書指摘がございましたように、ただいま学識経験者に集まっていただきました委員会を設けまして、こういうものを原価の中にまず取り入れるべきかどうかというところから議論もございますが、取り入れる場合に、減債基金なり退職引き当て金なりの基準をどうするか、減価償却につきましては、おおむね基準がございまして、たとえば本年度の予算における減価償却費の八百三十億というような金額は、あるべき減価償却費というものから比べれば少ないのではないかということで、国鉄会計の基本を律します会計規定の改正をやっておるところでございますが、その他につきましては、先ほど申し上げた会計学者が主となっておりますけれども、そういう専門家の御意見をよく承りまして、基準を早急にまとめたい、こういうことでいま委員会をやっておるところでございます。
  69. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それから国鉄が帝都高速度営団なりその他のいろいろな――いろいろなというより、そういうところへ投資を始めておりますね。国鉄の資本金の額が八十何億ですか、それからそういう地下鉄営団などの投資、国鉄の資本金と他のものについての投資、資本投資ですね、こういう点を考えてみて、一体国鉄の資本というのは適正であるのかないのか。これは不適正であることははっきりしておるわけでありますけれども、他の投資との関係、こういう点、一体資本に比べて投資というものをどの程度にお考えになっておるか。あるいは資本というものはいまのままでいいのか。こういう点についてどうお考えになりますか。
  70. 石田礼助

    ○石田説明員 御承知のとおり、貸借対照表に示された国鉄の資本金というものは八十九億円であります。これに対して帝都高速に対する出資というものは九十五億。資本以上の投資をやっておる。けれども八十九億の資本金なんというのは、これはある意味では全くノンセンスです。要するに、国鉄の現在の資産というものは、貸借対照表によれば償却を引いて二兆以上になっておりますから、それに対して資本金が八十九億、しかも実際に政府が出資したものは昭和二十五年における四十億なんです。これは、この表だけを見て外部に対する出資はどうこうというようなことに勝澤さんがひとつ考えられないように、全くこれはノミナルなものであるというふうにお考えくださるようにお願いしたいと思っております。
  71. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこでやはり総裁にお願いしておきますけれども、あまり、運賃問題をお考えになるのもけっこうでありますけれども、やはり資本をふやす、投資をさせるということに重点を置かれて、ひとつ交渉されるようにしてもらいたいと思います。  それから次に、今度は最近の新幹線の営業収支状態についてお尋ねいたします。
  72. 豊原廉次郎

    ○豊原説明員 ただいま御質問の新幹線の営業状況でございますが、実はことしに入りましてからの数字をいまちょっとここに持っておらないわけでありまして、十月から開業をいたしまして最初の三カ月回の数字では少し古過ぎて恐縮でございますが、収入におきまして九十三億という収入がございましたが、一方この間だけの経費というものの計算が非常にむずかしゅうございますが、これは従来の予定したものといまの三カ月間の収入状況というものだけを比べますと、実は当初われわれが考えましたのはもう少し長距離客が多いというふうに考えたわけでございますが、実は営業を開始いたしてみますとやや旅客の、私どもの申しますいわゆる足が短うございまして、乗車の人員としては予定より多くなっておりますが、収入につきましては見込よりやや下回っておる。今年に入りましてからは、もちろん季節的な波動もございますが、お客様は非常に多いわけでございまして、依然としてやや足が短い感はございますが、予定の収入にほぼ近いものが入っておるわけでございます。ただ、当初はただいまの東京-大阪間超特急四時間、特急五時間というのをさらに早めまして、超特急三時間、特急四時聞運転というものを本年度の初めから始めたい、こういうことを昨年営業開始前には考えておったわけでございますが、諸般の事情から、ただいまのところその実施を半年おくらした計画になっておりますので、四十年度の旅客収入の予算の基礎となった数字から見ますと、そのおくれだけ収入が上がらない、こういうことになっておるわけでございます。
  73. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この間名神高速道路の計画とそれから実績を道路公団から説明を受けたわけであります。そのときに、名神高速道路の場合では、当初の計画は、日本国民経済に役立たせる、こういう立場から相当貨物輸送がトラック輸送に転嫁をされて名神高速に移るだろう、こういう計画をされておったわけであります。しかし実績を見てみますと、トラックの利用率は当初の計画の三分の一くらい、むしろ乗用車が多いという現象が起きているわけであります。ですから、私は当初の計画よりも実績は相当変わってくるということについては、これはまあそのときの見方ですからしかたがないと思うのです。オリンピック道路の予算が倍になった、国鉄の新幹線も当初予想よりも倍になったという点も、それはそれぞれ事情があると思う。ですから、いま私はぜひお願いしておきたいことは、ひとつ大胆率直に、東海道新幹線の当初の計画がこうだ、それが最近の営業成績はこうなんだ、そして一体どこに問題があるのかという点について、これは豊原常務、ぜひ資料としてお出し願いたい。  もう一つの問題は、たとえば大野さんがつくった伴睦駅といわれている羽島の駅ですね。もう少し乗降が多いだろうとだれも予想したわけであります。当時の十河さんもそう予想されたと思う、政治駅ではないというのだから。しかし、現実にできてみたらやっかいな駅であって、何ら地元の利益にならないという結論が出ておるように私は思うのです。なぜならば、東京へ来るのだったら、羽島駅から来るよりも、そのまま名古屋へ出て、名古屋から乗ったほうが、「ひかり」があるから「こだま」より早い。西へ行くのにも、京都、大阪に「ひかり」がとまるということで、結局ごとごと各駅停車なら羽島から乗るけれども、東京、大阪へ直通するのだったらそれは羽島から乗らぬという現象が実は出てきたわけですね。ですから、最初の計画よりも相当狂ってきていることは事実だと思う。ですから、そういう点についてこの際、新幹線営業後どういう欠陥が出てきたのかという点については、きょうは時間もないし、皆さんの答弁を聞いておると、長くて時間ばかりかかってしようがないものですから、ひとつ資料として出してもらいたいと思う。
  74. 石田礼助

    ○石田説明員 豊原君から資料を出すにしても、これは全く予想にすぎませんから、私はあえて予言者をもって任ずるものではないが、私の予想をひとつ申し上げたいと思う。  要するに現在の東海道新幹線というものは路盤の関係、そのほかいろいろな小さな故障があったために、ほんとうに能力を発揮しておらぬ。ことに路盤の点につきましては、まだこれは、大雨でも降った場合を考えると、相当慎重にいかなければいかぬということ。それからさらに走っておる列車の数が少ない。これは十月になると非常にふえてくるというようなことを考えますと、私は東海道新幹線の、とにかく収支に関しては決して悲観する必要はない。ますますよくなるんじゃないか。さらに考えねばならぬのは、東海道新幹線というものは将来東京-大阪間だけに終わるものではないんだ。これはずっと西のほうへ行くものだ。そこにおいて初めて東海道新幹線というものの真価が出てくるものだ、こういうふうに考えておるわけなんで、東海道新幹線というものに対して私は実は非常に楽観しておる。勝澤さんもどうぞあまり御心配にならぬようにお願いしたいと思う。
  75. 勝澤芳雄

    勝澤委員 総裁と私と意見が一致しているようでありますから、あとで資料が出てさましたらまた質問することにして、その次に、総裁も発言をしたいようでありますから、ビュッフェの問題をひとつ意見を賜りたいと思うのですが、いま新幹線「こだま」「ひかり」に食堂車がついているわけですね。そこで、最近汽車が早くなるとなかなか収支がたいへんだというような意見が出ているわけであります。私はこれはいろいろむずかしい意見かと思います。いや、あれはあのまま捲いたほうがいいんだ、いや、廃止してもっとお客を乗せたほうがいい、いろいろ意見があります。私もよくわかりません。一つの例を申し上げると、電話をかけるとラーメンを配達してくれます。そのうちへ食べに行っても、配達してもらっても五十円だという営業をやっているのがありますね。うちで食べても五十円、電話かけて持ってきてもらっても五十円、一体配達の人件費はどうなっているんだろう、これはサービスだということになっておるようであります。それから電話をかけるときに電話番号がわからなければ、一々帳面をひっくり返しておるよりも、電話番号をただで向こうが番号を教えてくれますから、結局電話をかけたほうがいいということで、これもただで電話番号を聞く。片一方は帳面ひっくり返して目次を引く手数よりも聞いちゃったほうがいいわ、これで最近電電公社では、電話番号を聞くことについて、私も現場へ行ってみたのですが、たくさんな人を使っておる。だからこれは料金をとるようにしたらどうだというような話も出ておるわけであります。サービスの限度というものは一体どこまでサービスするのがいいだろうかということです。したがって、いま食単車へ入ってみますと、ビールにいたしましてもあるいはウィスキーにいたしましても、安いほどけっこうです。カレーライスも安いほどけっこうだと思いますけれども、やはり国鉄がお客輸送を犠牲にしてサービスの限度というものは一体どの程度までだろうかという点について、これは無理に総裁答弁しなくてもいいのですけれども、研究していただきたいと思うのです。これはいろいろあるのです。長い時間だから一回コーヒーを飲みに行きたい、コーヒーを飲みに行くのも、町の五十円とあそこで出す五十円と、五十円でいいだろうかどうだろうかという点、私は高くしろというのがどうも言いにくいものですから、こういう聞き方をしておるのですが、なかなかむずかしいものだと思うのです。ですからそういう点について、やはり業者に押しつけてしまいますと、どこかでまたその分を国鉄がめんどうを見なければならぬのでありますが、その部分だけでサービスをしておることがあっても、片方で搾取という言方がいいか悪いかわかりませんけれども、もうけておれば、こっちを利用しておるのは得だけれども、こっちを利用しておるのは損じゃないかということになってくると思うのです。やはり公平なサービスをしてもらうためには、新幹線が今度は速度が早くなるわけでありますから、それを契機にこの問題については少し検討をしてみるべきときにいま来ておるのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
  76. 石田礼助

    ○石田説明員 あんまりこまかいことになると、私は実は答弁に苦しむのですが、要するに新幹線に関しましては、切符の販売から始まりまして、いろいろの問題がある。いまのビュッフェの問題のごときも決して現存の状態でもって満足しておるわけではない。これはひとつ今後も十分の御注意をいただきたい。それでわれわれが実際にいままで知った点につきましては、私は当局者に対してへたな将棋の長考えはやめて、とにかくできるだけ変えるものは変えたらいいじゃないか、悪かったらまた直せばいいということで着々やっておりますので、切符の販売のごときに対しては最近だいぶ改善されたと思いますが、ビュッフェの問題につきましても、お話の点をよく当局者に申しまして、改善する余地があるところはできるだけ早く改善をしたい、こういうふうに考えております。
  77. 福井勇

    ○福井委員長代理 吉田賢一君。
  78. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ちょっと総裁に伺います。  財務及び会計管理につきましてさっき岡野監査委員長のいろいろ勧告なさった点について、全面的に御賛成いたします。  そこで伺うのですが、あなたはだれも知っておるごとくに第一流の経験と見識を持っておられる経済人、もっと砕けていえば商売人ですね。そこであなたのその商売人的感覚からいたしまして、この国鉄財政の健全化のためにいわゆる適正運賃、もっと端的にいうならば値上げでしょうね、でこぼこ是正か知りませんが、値上げだろうと思うのですが、次にだんだんとこの報告の文字に出てくるのは、相当な価格、つまり原価を償うに足るところの運賃水準の設定ということで一貫しておりますね。そこでこれは運賃値上げという一つの基本的方針をもって健全化をはかろうというのが、要するにあなたの根本的な考え方であろうと思うが、高度の経済人、商売人としてのあなたは、さらにもっと広い視野に立って、あらゆる角度から健全化する手はないだろうか。これはここの委員会ではありませんけれども、十年も前にいろいろな意見が出たことを私はなお記憶いたしております。やはり国鉄のいまの運営の実態から見ると、民間企業に比して必ずしも企業性は満足する状態でないというようなこともいわれておる。そうしますと、結局これは企業に重点を置くというのと公共性を相当考えなければならぬというその宙ぶらりんなものが、なおてんめんしておるというところからくるのじゃないか。問題は一体どこなんだろうということを私ども考えたことがあるのであります。  そこで総裁にずばっとその点を付いたいのでありますが、やはり基本的に運賃値上げというような線で財政健全化をはかるということが基本方針となるのであろうか、そこをひとつはっきりしておいていただきたい、こういうふうに思います。これは世界一の大きな公共企業体であろうと思いますので、その運賃を動かす影響のきわめて大きいことも考慮いたしますので、あえてあなたのしっかりした御所信を伺っておきたいと思います。
  79. 石田礼助

    ○石田説明員 お答えいいたします。  御承知のとおり、国鉄は公共企業体であります。公共企業体とは何ぞやといえば、この公共性の大きな国鉄というものを企業精神を持って経併していく、要するに能率的に経営していく、つまり投資効果というものをできるだけ発揮させるように経常していくということだろうと思う。しかし根本は公共事業である。ここにおいてつまり私が始終ほかの委員会でも言うのですが、公共負担というものがあるわけであります。これは三十二年度から三十八年度までで四千億以上になっておる。三十八年度だけでも八百億になっておる。三十九年度においても九百億になっておる。四十年度においては、私は千億くらいになるだろうと思う。これはつまり公共性を発揮したゆえんだ。しかしこの公共性を発揮する点についても、私は限度があると思う。国鉄というものは時分のするだけの仕事をして、そうして輸送機関としての十分な任務を尽くす、そういうことをやって、そうして余裕があるなら、すべからくできるだけ多く公共事業に金を出したらよろしい。しかし今日における国鉄状態というものは実に驚くべき状態だ。御承知のとおり、終戦後国鉄というものはもう斜陽産業であるとか、あるいはこれからはもう自動車の時代であるとかいうようなことでもって、政府にしても、議会にしても一向国鉄に対する投資というものに対して奮発してくれなかったということが、今日の通勤地獄あるいは輸送不足の問題、過密ダイヤの問題、こういうことになってきた。こういうことは国鉄がその任務を尽くす上からいけばまずもって是正しなければならぬ。是正する上において、一方に公共負担というものに対して一年に八百億も九百億も千億も出すのは、私はもってのほかのことだと思う。いまの運賃の問題でありまするが、御承知のとおり、いままでの投資の不足だというものが原因になって今の東京、大阪における交通地獄というものがある。過密ダイヤというものがある。これを是正しょうということが今度の第三次計画の根本なんであります。ところが、東京、大阪その他の通勤問題を解決するだけでも五千百億の資金を投じなければならぬ。これは、つまり設備投資に金がかかるが収益の点においてはとても引き合ったものじゃない。こういうものを借金においてやっていくということはとても国鉄としてはできぬ。へたをすると借金のために破産してしまう。そこにおいて、それじゃこれをどうするかというと自己資金でやるのが本当であります。ということともう一つは、大体日本本国有鉄道なんというのは、名前は国有鉄道であるが政府はどのくらい出資をしているか。たった四十億しか出してないじゃないですか。民有鉄道と名前を変えたらいいんです。ということで第三次計画のときには政府はよろしく四千億くらいの金は出資したらいいのじゃないか。そして全くわがもの顔をして安い運賃国鉄に押しつけてきたということが今日の状態です。たとえば旅客運賃ですが、昭和十一年を一にすると、旅客運賃は百六十一倍です。きょうは電電公社の総裁はおらぬが、電電公社なんというのは昭和二十八年に二百三十三倍になっている。それで彼らは今日ゆうゆうとしてやっている。国鉄はただ百六十一倍なんです。そういうやすい運貨は国会に責任があると思う。なぜならば運賃の決定というのは国会がやるわけですから。世界にこんな安い運賃はありやせぬ。とても国鉄は引き合わぬですよ。そういうことで、ひとつ運賃の値上げは――運賃の値上げというよりもむしろ安過ぎるから是正をするということです。是正をして自己資金をつくって、これによって通勤通学というような、借金ではとても引き合わないものをやらなければならぬということなんで、運賃の値上げということになると非常に響きがひどいですが、どうかひとつ植上げということでなく、是正ということにしていただきたい。ただし、公共負担というものに対してはぜひとも政府なり国会なりで考てもらわなければならぬ。国鉄がするだけのことをして余裕があるなら喜んで公共負担もやりますが、いまのような状態においては公共負担というのはまっぴらごめんこうむりたいと思う。ということで、来たるべき秋には運賃の引き上げ、ともに公共負担の是正ということをひとつ御審議をお願いしますので、いまからあらかじめお願いを申し上げておきます。     ―――――――――――――
  80. 福井勇

    ○福井委員長代理 次に国または公社補助金等を交付しているものの会計に関する件について調査行います。  本日は、本件調査のため、関係当局のほか帝都高速度交通群団より総裁牛島辰弥君、理事山田明吉君、理事情水雄吉君、以上三名を参考人として御出席を願っております。  参考人各位に申し上げます。発言をなされる場合には委員長の許可を得て行なっていただきますようお願いいたします。  次に委員各位に申し上げます。参考人よりの意見聴取は委員の質疑により行ないたいと存じますので、そのように御了承願います。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので順次これを許します。勝澤君。
  81. 勝澤芳雄

    勝澤委員 時間がありませんのでなるべく簡単に御質問いたしますから、ひとつ要点を御答弁願いたいと存じます。  まず最初に交通営団の収支決算についてでありますが、三十八年度上期あるいは下期、三十九年度の上期、おのおの決算井を見てみますと純利益はゼロということになっております。これは減価償却並びに退職給与引き当て額を法定の範囲内で償却引き当てを行なっていない。これはかりに法定の範囲内で一〇〇%それぞれ償却を行ない損益計算をした場合においては、三十八年度上期は八億八千二百万、下期は四億六千七百万、三十九年度上期は十三億四千百万円の赤字経営になるというふうな計算が出るわけでありまして、これは、かつて決算委員会で三十五年度の決算審議の際においても触れたわけであります。これは現在の都市交通の対策上、営団のみでこの問題を解決するということは不可能であるわけでありますが、こういう決算のしかたについてのお考え方についても前回御説明を承りました。そこで、この毎期毎期の決算書は純利益ゼロということになっておるけれども、実際にこれを法律に当てはめて計算をしたところの決算額を明確にしておかないと、その期その期の収支状態が明確にならぬのじゃないだろうかと思うのです。極端な言い方をすると、今日現存それじゃ営団の収支決算はどうなるのか、あるいは今期は前期に比べて営業成績はどうなのかという点についても実は正確な検討ができないように思うのです。そういう点で、営団として、こういう決算が今後も続いていくのでしょうけれども、減価償却をどのように見るのか、あるいは退職給与をどのように見るか、見かたにもあると思うのですけれども、ある程度基準を設けて、それによって各期各期で決算をして、そうしてそれを見直しながら営団全体の決算を――別決算ということになるのですか、何かよくわかりませんけれども、そういう見方をしなければならぬと思いますが、そういう点どうお考えになっておりますか。
  82. 牛島辰弥

    ○牛島参考人 お答え申し上げます。  ただいまの御質問は私どももすでに考えておる問題でございまして、御質問のように、昭和三十八年度につきまして減価償却を定率法によりまして限度範囲額まで実施し、また退職給与引き当て金につきましても許さるべき範囲内において全額を計上いたしますれば、ただいまおっしゃられたように収支赤字ということになるわけでございます。この点につきまして私どもの考え方を簡単に申し上げますと、まず第一に御理解を得たいと思いまするのは、現在私どもが地下鉄を建設いたしておりまする資金調達のことでございます。この資金調達につきましては、毎年、出資者であるところの国有鉄道と東京都から五億ずつ、合計十億の出資を受けております。そのほかの資金約九〇%は外部資金に仰いでおるわけでございまして、そのうちの半分が政府資金に仰いでおるわけでございます。あとの半分は民間資金にこれを調達いたしておるようなわけでございます。三十九年度までに、民間資金といたしましては約五百八十七億程度のものを調達いたして建設をやり、現在すでに営業を開始いたしておりますが、戦後建設を開始いたしまして以来、五十二キロ余のものを建設いたしたわけでございます。ただ、この民間の資金を調達いたしまするにつきましては、公募によるところの交通債券を発行いたしております。また、一般の市中銀行、信託銀行、あるいは生命保険等から協調融資を仰いだり、一般銀行から借り入れ金を仰いでおるようなわけでございます。この公募交通債券につきましては、一般の事業債と同じようにやっておりまして、政府の保証債ではございません。また、借り入れ金につきましても、一般の金融ベースによりまして借り入れておるのでありまして、無担保でこれを借りておるというような状態でございます。したがいまして、私どもが収支を見ます場合におきましては、また営団の建設ということを常に念願において収支をやっていかなければならないかと思うのであります。こういう事情にございますので、民間からの資金を調達いたしますにつきまして、全然金融ベースでやっておるという点からいたしまして、金融機関融資実情からいたしまして、毎期の損益の計算というものにおきましては、減価償却前の利益を減価償却に全額充当いたしまして、当期の決算をゼロということにして決算をしておるようなわけでございます。やはり正面切って営団の損益が赤であるということを言わずして、消却前の利益を全額減価償却に充当いたしまして収支をゼロとしておるわけでございます。しからば、赤字決算ではないかということになるわけでございますが、御承知のように減価償却を行ないまする場合におきまして、定率法もあり、定額法もございます。現在私どもといたしましては、定率法によってこれを計算いたしておるわけでございます。定率法によることによりまして、税法上の点におきましても有利な点が考えられるからでありまするが、ただ、この定率法によって減価償却を行なっておりまするが、営団の同定資産の構成の上からいたしますと、何と申しましても、一番トンネルが多いわけでございまして、資産の約六六%近いものがトンネルでございます。したがいまして、これを定率法によって全額償却するという必要はまずないのではないか。したがいまして、車両であるとか機械というものにつきましては、定率法において全額これを行ないますが、こういうトンネル部分等につきましては、必ずしも経営上全額を償却しなくてもいいんじゃないか、こういうふうに考えておりまして、ただ、私どもの減価償却に対しましては、もしも定額法によってこれを計算いたしますれば、最低限一〇〇%は償却をするという線は守りたいと考えておるようなわけでございます。実際問題といたしまして、三十九年の上期までは定率法では償却不足であります。三十八年、三十九年におきまして、六〇%、七〇%の定率法による償却でございますが、これをもしも定額法によってやりますれば一四〇%、一三〇%程度の償却はできておるのでございます。したがいまして、営団の損益が赤字であるかどうかという点になりますれば、いろいろの考え方もあると思いますので、私どもは現在損益ゼロの計算をいたしておりまするが、決してこれは赤字ではない、こういうふうに考えております。ただ、今後におきまして建設が進むにつれまして、ただいま申しましたような建設の資金調達の関係から、建設に対するところの支払い利息がふえてまいりますので、こういう点からいたしまして、次第に減価償却そのものが定額法でもできなくなるおそれが四十年度以降において出てくるかと思っておる次第であります。
  83. 勝澤芳雄

    勝澤委員 運輸省にお尋ねしたいのですが、さっき国鉄の財務会計の問題でちょっと質問したのでありまするが、減価償却なり退職引き当て金なりという制度が国鉄はないのであります。設けたらどうだという意見が出ているわけでありますが、いま、地下鉄の場合を考えてみますと、そういう減価償却なり退職引き当て金の問題で、荒利益を落として利益ゼロという決算がいま行なわれているわけでありますが、それはそれとして、仮定として、損益計算書ということで公団からもらって見たわけでありますけれども、実際の営業収益の努力目標といいますか、あるいは経営全体というものが、減価償却というものをしたりしなかったりという形でわかるのでしょうか。私はやはり、将来利子がかさむという点を展望してみて、経営努力といいますか、あるいは運賃問題も含むのでしょうけれども、そういうものを見通した計画というものをあなたのほうでやられておるものがあると思うのですが、そういう点について、この決算のやり方ですね、こういうものについてどうお考えになるのか。
  84. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 営団の経営の展望に対する御質疑でございますが、その前に、決算に対する法令上の規定では、御承知のように会計規則がございますが、有形固定資産に対する償却法は、定額法、定率法いずれでもよろしい、無形固定資産は定額法によるという規定があるわけでございます。営団もそれによって償却をいたしているわけでございまして、定率法によって償却をしておるという御説明があったわけでございます。これの実際の経営状態を見るのは、やはり会計規則によってわれわれ見ておるわけでございますが、その際にはもちろん健全経営という見地から法令上認められた一〇〇%の償却等をすることが望ましいというふうにわれわれとしては考えております。そういう見地からいたしますれば、先ほど御説明ありましたように、営団のいままでの経営につきましては、在来線とあわせて経営しておるという点から、ほぼ収支は見合っておったという決算の姿でございますが、将来につきましては、先ほど総裁からもちょっとお話がございましたように、われわれとしてはさらに急速に建設を速めていただかなければならぬ。そうしますと、それに対して資本利子のようなものの負担が急速に出てくることは事実でございまして、そういう点からいたしますと、償却の問題は非常に技術的な方法はございますが、われわれとしては、営団の将来につきましては、相当助成その他の措置考えていく必要があるというふうに考えておる次第でございます。
  85. 勝澤芳雄

    勝澤委員 また別のときにもう少し私突っ込んで貸借対照表、損益関係について質問することにいたしまして、次の問題は、運輸省の地下高速鉄道建設費の補助金の関係でありますけれども、この補助金々、見てみますと補助金の要求額について、三十七年度は二十七、三十八年度は二十八、そして三十九年度は二十六、七、こういうことであって、現在の都市交通の緩和には、やはりもっと積極的な地下鉄道についての予算的な補助というものを行なうべきだと思うのですが、これらについてのお考えをお聞きいたします。
  86. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 政府委員 御指摘のように営団の建設の補助金に対しては、われわれとしての考え方は、いま申し上げましたように、問題は将来の資本利子負担にあるということで、一応われわれのほうでモデル計算をいたして費用の内訳を計算いたしますと、支払い利子が約五〇%になっております。したがって、支払い利子に対する助成を考えたいということを政府部内では話しておるわけでございます。ただ現実に成立しました補助予算は、御承知のように、建設費に対する一定比率、しかもそれは財政しの制約がありますので、そう切望するとおりにはいかないということで、御指摘のように、実際の需要額に対する比率を出してみると、比率は下回っておるわけでございますが、これらにつきましては、われわれとしては何らかの方法で地下鉄の資本利子負担を軽減するような方向で将来検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  87. 勝澤芳雄

    勝澤委員 その次に、営団法の三十九条で、「政府ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ予算ノ範囲内ニ於テ帝都高速度交通営団補助金ヲ交付スルコトヲ得」、こうなっておるようでありますが、この条項に該当する補助金とは一体どういうものでしょうか。それから十六年に営団法が制定されて、今日までこの条項によって補助を行なった実績はどうかということについて御説明を願いたいと思います。
  88. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 営団法三十九条によって補助が行なわれた実績はございません。前に御説明申し上げました補助金は、いわゆる予算補助でございます。
  89. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうすると、営団の経営についてもう少しやはり積極的なあらゆる援助を行なわなければますます経営状態について問題が起きてくると思うのです。ひとつぜひ運輸省としても十分な監督の上で財政的な措置を講ずべきだと思う。  そこで次に、この建設工事について会計検査院から改善意見が出されておるわけであります。その概況はよくおわかりになっていると思いますけれども、その大部分積算の問題であります。これは、先ほど積算の問題について申し上げましたけれども、やはり結論的に言えることは、建設が進んでおるが、それに見合った組織、人員の配置が十分になされていないというところにあると思うのです。結局そのためにたくさんな国損あるいは計算違い、事務の非能率というものがあるわけでありますから、これはやはり積極的にこういう重要部門については、重要な人員配置をするということをしなければならぬと思う。どこのところでもそうですけれども、行政改革でも、一度できてしまうとそこを減らして、こっちをふやすということはなかなかできませんから、新しい人員の増加がない限り業務量のアンバランスが出てくると思うわけであります。これはやはりこの際、特に検査院からも指摘されたわけでありますから、この建設工事部門についての安全確保、工事の適正化ということに重点を置いて、その是正を行なうべきであると思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
  90. 清水雄吉

    ○清水参考人 いま御指摘の点につきましては、まことにごもっともな御意見でございます。営団といたしましても、この積算要員の確保ということにつきまして非常に苦心をしているのでございますけれども、何ぶんにも積算要員は、まことに技術的に熟練した者でないと、これは当たれないわけであります。かてて加えて地下鉄建設工事の急速なる膨張に伴いまして、要員の確保が伴わないというのでございます。営団といたしましても十分この点注意いたしまして、組織の整備、人員の確保ということに留意いたしまして、着々整備はできつつあるような状態でございますので 再びこういうあやまちを起こさないように今後十分注意していきたいと思うのでございます。
  91. 勝澤芳雄

    勝澤委員 私もこれは具体的にひとつ配置については、検討してもらいたいと思うのです。特に先ほどからも積算の問題が出ておりますけれども、何といいましても、いま全体的にどの役所でもそうですかもこういう部門がなかなか許可されていないわけであります。結局工事が減れば人を持っておっても次の段階で困るというので、コンサルタントとかそういう形で発注しておるようでありますから、その限度はどこが限度だかわかりませんが、十分検討していただきたいと思います。  それから最後にいま一つお尋ねしたいのですけれども、地下鉄九号線の団子坂、千駄木駅新設ということで、この駅をつくってもらいたいという請願書が出されているわけであります。いろいろ場所等をお聞きしておきたいし、それからこの請願の趣旨を見てみますと、やはり地下鉄としてもせっかく駅をつくるわけでありますから、営業収益が上がるようなところで、また今日路面交通が麻痺しているわけでありまして、一番の早い交通機関といえば地下鉄が一番だということが言われているわけでありますから、こういう点についてはぜひやはりこの地元の人たちの意見というものを十分聞いて 検討すべきではないだろうか こう思うのですがいかがですか。
  92. 清水雄吉

    ○清水参考人 ただいま九号線の団子坂付近に新たに駅を設置したらどうかというような地元の非常な御熱心な御要望があるやに私も何っておりますので、営団といたしましても、ただいまのところは駅を置く計画はなかったのでございますけれども、今後改めまして慎重に調査検討いたしたい、こう思うのであります。
  93. 勝澤芳雄

    勝澤委員 私は最近聞いた話ですけれども、荻窪線に東高円寺ですか、駅が地元の人たちの要望を聞かれて新設されたという話を聞いて、営団もなかなかいいことをやるのだなと実は思ったわけであります。今度のこの話を聞いてみますと、この駅と駅との距離の問題もあろうと思うのですけれども、やはり今日の東京都の交通事情からいって、必要なところに必要な駅をつくる、ましてやこの辺は学校が密接しているようであります。実は、駅をどこにつくるかというのは、これもまたたいへんな利権ですか問題だと思うのです。ですから駅をどこへつくるかという点についても問題があろうかと思うのですけれども、やはりあなたのほうも適宜いろいろな検討をされて、交通量なりあるいは住民の状態あるいはそこにある役所なり宜公衙、学校等お考えになっていると思うのですけれども、地元としてはたいへんなことで、国会議員があっちにもこっちにも、地元の人たちはみな熱心にやられているわけでありまして、結局、簡単に言うと、地下鉄に金をもうけてもらいたい、ここに駅をつくれば、何万人か乗降がふえるではないか、それだけもうかるのではないかということでありますから、でき上がってしまってだめだということでなくて、やはりこういう地元の要望に沿うことができるように、ある程度事前に設計なりそういう点についても十分検討されて、意見が入るように、特に私は要望いたしておきます。
  94. 福井勇

    ○福井委員長代理 参考人各位には、委員会の調査に御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。      ――――◇―――――
  95. 福井勇

    ○福井委員長代理 次に、会期もなお多少残っておりますが、理事会で御協議いただきましたとおり、この際、閉会中審査申し出に関する件についておはかりいたします。  すなわち、決算の適正を期するため、  一、昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算    昭和三十八年度特別会計歳入歳出決算    昭和三十八年度国税収納金整理資金受払計算書    昭和三十八年度政府関係機関決算書  二、昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算書  三、昭和三十八年度国有財産無償貸付状況計算書  四、昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書  五、歳入歳出の実況に関する件  六、国有財産の増減及び現況に関する件  七、政府関係機関の経理に関する件  八、公団等国が資本金の二分の一以上に出資している法人の会計に関する件  九、国または公社が直接または間接に補助金、奨励金、助成金等を交付しまたは貸付金、損失補償等の財政援助を与えているものの会計に関する件 以上九件について、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  96. 福井勇

    ○福井委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。  なお、ただいま決定いたしました閉会中審査申し出の各作が本委員会に付託になり、調査のため、現地に委員を派遣する必要を生じました際には、議院運営委員会決定の基準の範囲内におきまして、委員長において適宜取り計らうことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 福井勇

    ○福井委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十五分散会      ――――◇―――――