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1965-05-08 第48回国会 衆議院 決算委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年五月八日(土曜日)     午前十時十四分開議  出席委員    委員長代理 理事 福井  勇君    理事 壽原 正一君 理事 田中 彰治君    理事 瀬戸山三男君 理事 勝澤 芳雄君    理事 田原 春次君       佐々木秀世君    竹内 黎一君       塚田  徹君    神近 市子君       堂森 芳夫君    森本  靖君       山田 長司君    本島百合子君  出席政府委員         総理府事務官         (北海道開発庁         総務監理官)  小熊  清君         建 設 技 官         (河川局長)  上田  稔君  委員外出席者         建設事務官         (河川局水政課         長)      粟屋 敏信君         建 設 技 官         (道路局高速道         路課長)    栗田 武英君         会計検査院事務         官         (第三局長)  小原  剛君         日本国有鉄道理         事       仁杉  巌君         参  考  人         (東京都副知         事)      鈴木 俊一君         参  考  人         (東京建設局         長)     竹ヶ原輔之夫君         参  考  人         (神奈川県副知         事)      五神 辰雄君         参  考  人         (神奈川県土木         部長)     秋永 規輔君         参  考  人         (日本道路公団         総裁)     上村健太郎君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     美馬 郁夫君         参  考  人         (株式会社玉川         ゴルフコース取         締役支配人)  高洲 政蔵君         専  門  員 池田 孝道君     ————————————— 四月二十八日  委員森本靖辞任につき、その補欠として赤松  勇君が議長指名委員に選任された。 同日  委員赤松勇辞任につき、その補欠として森本  靖君が議長指名委員に選任された。 同月三十日  委員根本龍太郎辞任につき、その補欠として  田川誠一君が議長指名委員に選任された。 五月七日  委員小金義照君及び吉田賢一辞任につき、そ  の補欠として山手滿男君及び西村榮一君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員西村榮一辞任につき、その補欠として吉  田賢一君が議長指名委員に選任された。 同月八日  委員萬田尚登君、福永健司君、山手滿男君及  び吉田賢一辞任につき、その補欠として塚田  徹君、竹内黎一君、佐々木秀世君及び本島百合  子君が議長指名委員に選任された。 同日  委員佐々木秀世君、竹内黎一君、塚田徹君及び  本島百合子辞任につき、その補欠として山手  滿男君、福永健司君、一萬田尚登君及び吉田賢  一君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国有財産増減及び現況に関する件  (河川敷地に関する問題)      ————◇—————
  2. 福井勇

    福井委員長代理 これより会議を開きます。  堀川委員長本日所用のため出席できませんので、その指名によりまして私が委員長の職務を行ないます。  国有財産増減及び現況に関する件について調査を行ないます。  本日は、本件調査のため、関係当局のほか、参考人として御出席を願っておりますのは、委員各位のお手元に配付してあります名簿のとおりでございます。  参考人各位に申し上げます。発言をなさる場合には、委員長の許可を得て行なっていただきますようにお願いします。  次に、委員各位に申し上げます。参考人よりの意見聴取は、委員質疑により行ないたいと存じますので、そのように御了承願います。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。壽原正一君。
  3. 壽原正一

    壽原委員 道路公団総裁に私は北海道の問題でちょっとお尋ねしたいのですが、昭和三十四年ごろから札樽バイパスという問題が出ておる。そこでその後いろいろな変化によってこれがまた延長されなければならぬということで、小樽苫小牧室蘭までこれを延長しなければいかぬ、こういうように聞いておりますが、現状公団見解北海道に対するバイパスの問題についてどういう見解をお持ちか、それをお聞かせ願いたいと思います。
  4. 上村健太郎

    上村参考人 お答え申し上げます。  北海道には、私ども道路公団道路がまだ一本もございません。わずかにヘリポートを一カ所営業しておるだけであります。道路公団といたしましては、北海道については、北海道開発関係のために必要な道路と最近交通が非常に激増してまいりました札幌小樽、その他都市周辺国道バイパス的な道路というものを中心路線の候補を考え調査をしてまいったのであります。お話のとおりに、昭和三十四年から昨年まで約七百万円以上使いまして調査にあたっておるのでございますが、まだ具体的に路線の決定を見ておらないのであります。建設省北海道開発庁その他道庁と協議いたしまして、道路公団といたしましても北海道道路建設に御協力申し上げたいと思っております。
  5. 壽原正一

    壽原委員 三十四年から約七百万円の金をつぎ込んであなたのほうで調査をしたのは、小樽市内だけですね。そうして市内に対するあなたのほうの結論が出ておるやに私は聞いておりますが、その点いかがですか。
  6. 上村健太郎

    上村参考人 当初調査いたしましたときは、札幌小樽というふうに考えておったのでありますが、その後小樽市域バイパスというものを中心調査いたしまして、区間は小樽の色内町埠頭から同市の朝里付近までの路線調査いたしたのであります。これは国道五号線のバイパスになっておりまして、延長が約六キロ三百メートルばかり、車道幅員を七メートル二をとりまして、将来はこれを倍にすることが必要であると思いますが、一応七メートル二の幅で、事業費約五十億円という計算調査いたしております。
  7. 壽原正一

    壽原委員 小樽市内の場合は、あなたのほうではこれを完成しても採算に合わぬ、こういうふうに聞いておるのですが、その点いかがですか。
  8. 上村健太郎

    上村参考人 調査を始めましたのは昭和三十四年でありますし、その後五、六年たっておりますので、交通量その他近年非常に激増いたしております関係で、あらためて本年度採算調査をいたしたいと思っております。数年前までは採算上ちょっと無理があるのではないかという疑問を持っておったわけであります。
  9. 壽原正一

    壽原委員 採算上は合うとか合わぬとかという問題よりも、私が聞いているのは、小樽市内はあなたのほうでは手がけないという結論が出ておるやに聞いているのだが、その点いかがですか。
  10. 上村健太郎

    上村参考人 小樽市内につきまして、バイパス的な道路をつくるということで調査をいたしてまいったのでありますが、その後北海道開発庁等の御意見もありまして、一般都市計画道路とにらみ合わせて計画をすべきであるというお話を聞いておりますので、小樽バイパスだけを取り上げるということで調査をしてまいったわけであります。札幌小樽間その他の道路関係考慮に入れて調査をしてくれという御要望もありまして、そういう点も加味して調査をいたしておりますが、いまのところは小樽市内バイパスというものを中心考えておるわけでございます。
  11. 壽原正一

    壽原委員 開発庁、私の聞いた範囲内では、小樽調査はすでに終わって、小樽市内朝里までの間、これは採算点が合わぬから今年度からは小樽市内をはずれたバイパスの問題で調査を始める、こういうことに聞いておりますが、あなたのほうではいま総裁お話ししたとおり、小樽市内から札幌あるいは苫小牧あるいは室蘭、そういうようなことで考えておりますか。小樽市内をはずして、そうしてその他の道路の問題を考えておられますか。
  12. 小熊清

    小熊政府委員 北海道バイパスとしては、ただいま道路公団総裁のほうからお話のございましたとおりでありまして、小樽市内バイパス、それから引き続き小樽から札幌、さらに千歳、苫小牧というものを、小樽バイパス、それから小樽札幌バイパス札幌バイパス札幌−千歳というふうに分ければ分けられますけれども、一つの一貫した路線というふうに考え調査をやっておるわけであります。
  13. 壽原正一

    壽原委員 それでは小樽市内の起点というものは、あなたのほうで従来から考えておる第二埠頭というところから、あるいは海岸線を抜けるとか山手線を抜けるという問題は別として、その点は第二埠頭、こう考えていいですか。
  14. 小熊清

    小熊政府委員 仰せのとおりでございます。
  15. 壽原正一

    壽原委員 念を押しておきますが、この前私が聞いたところによると、小樽の市街地は、これは何か街路事業とかということで、あと小樽の市街をはずしたところからやるのだと聞いておったが、この点はどうですか。
  16. 小熊清

    小熊政府委員 都市計画との関係があるわけですが、バイパス路線としては、一応いまお話し海岸線ですか、そこのところを通るというふうに構想しております。
  17. 壽原正一

    壽原委員 そこで、私は、あなた方の従来までの方針あるいは将来の方針に向かっていろいろ考えておる点を聞いているのですが、小樽から山手線を通すというのがあなたのほうの構想であるやに聞いております。それから、小樽経済界全般としては、銭函まではどうしても海岸線を通してほしいという希望を持っておるやに聞いている。そこで、この工事費の問題だが、いずれがどうなるかという問題は、これはいろいろ見積もりせなければならぬだろうし、いろいろ調査もせなければならぬだろうが、あなたのほうでは、山手線というふうに聞いておるのだが、これは調査は双方やるのですか、片一方ですか。
  18. 小熊清

    小熊政府委員 お話山手狩りないしは海津寄りというのは、小樽市内を出はずれて札幌のほうに向かいます。その場合に、国道五号線の山側を通っていくあるいは海岸側を通る、こういうことだろうと思います。開発庁が現在やっております調査は、必ずしも山側を正すということを確定して行なっておるわけではございません。撮影図鑑といったようなものは、山といいますか、国道五号線の両側、海までも含めたところで撮影を行なっております。最終的にどっちにするかということは、いましばらく調査の結果を待ちまして検討していきたいと思っておるわけであります。
  19. 壽原正一

    壽原委員 あなたのほうでいまお答えになったこと、よくわかるのですが、いままで海洋線のほうの調査を進めたということはちっとも聞いておらぬ。またあなたのほうの図面を見ると、山手線に一本だけ通した赤線を引いておる図面だけは私は見ている。役人というものは、とかく自分の主張だけはどうしても通さなければならぬという悪い癖がある。そこで私は注意しておきたいのだが、北海道現状としてあなた方、道路を専門でやってよくわかっておるが、凍上ということが非常に問題になる。北海道は十二月から四月ごろまでは、あの雪でしょう。霊のために凍上が非常に各所に見られて、道路交通というものは破損して、現在札幌小樽間でも何十カ所、何百カ所と補修しなければならぬ。北海道道路工事というものは、いま少し開発庁も、これから行なわんとする道路公団の方もよく考えてもらわなければならぬことは、除雪の問題もある、特に札樽間というものは、山手が非常に雪の深いところです。そのためにふだんならば四十分で行けるところが、ちょっと雪が降ると、吹雪のために雪だまりができて、除雪が間に合わない。こういうことで、ことし私が行って、三時間もかかった例がある。そこへいくと、海岸線というものは、何か知らぬが、経済界の連中の検討したものは、いわゆる柱を立てて、そして高架線にしていくというような構想を持っているやに私は聞いておった。そういうふうにすると、ある程度北海道の雪は粉雪ですから風のために吹き飛んでしまって、ちっとも道路交通に差しつかえない。除雪の問題についても維持費が非常に安い。そういう観点考えて、あなた方が主張しておる山手線というもの一本にたよらないで、そして海岸線も真剣に考えるということに頭を切りかえてもらわなければならぬ。開発庁はそういうことを真剣に考えるということのお答えができますか。
  20. 小熊清

    小熊政府委員 御指摘のように、北海道道路考える場合には、雪の問題、それから凍上の問題が非常に大きな問題になると思います。お話海津側高架で行なうということでありますが、建設費等から考えますと、山側海岸側高架の案と比較いたしますと、まだはっきりした計算はできておりませんが、高架の案のほうが建設費がかさむというふうに一応は考えられる。ただおっしゃいますように、建設されたあと維持除虫なり凍上関係維持費が軽減されるという点を考えますると、御指摘のような全体としての経済効果はどっちがいいかという点は、なお十分検討をしなければならぬ。一がいに山側案を固執するつもりは毛頭ありません。
  21. 壽原正一

    壽原委員 公団総裁、ただいま開発庁お答えになったように、あなたのほうで北海道バイパスをつくるという問題については、あらゆる困難な条件があります。そこで、私はあなたに御注文申し上げておくことは、建設費そのものの問題よりも、将来長い間の維持費という問題が非常に大きな問題になってくるのじゃないかと思う。現に現在札幌小樽間の国道というものは非常に吹きだまりが多い。ちょっとふぶくというともう自動車通行が困難というような状態が何日も続く。そういうような観点から考えてみて、北海道の雪は幸い軽いですから、風が吹くと除雪という問題がちっとも心配なくなってくる。そういう点も考慮の中に入れて、これを真剣にやっていただくということのお考えになっていただきたい。  それで、現在までのあなた方の考えは、小樽市内は二車線道路というふうに考えておるやに聞いておったのですが、これからの交通量、現在の交通量考えたときに、二車線でもってはたしてこれがさばき切れるかどうかということの見解をお述べ願いたい。
  22. 上村健太郎

    上村参考人 積算上非常に金額がよけいかかりまするので、とりあえずは二車線調査をいたしております。しかし、私どもとしましても、二車線ですぐに行き詰まるであろうということは予想しておりまして、どうしても七メートル二の二倍にいたしまして、幅員を四車線にする必要があるということは考え調査をいたしております。
  23. 壽原正一

    壽原委員 そこで、いままでの調査はどこが主体になってやっておりますか。
  24. 上村健太郎

    上村参考人 北海道は何ぶん遠隔の地でございますので、職員東京支社から派遣をいたしまして調査に当たらせておりますが、道庁開発庁等の御意見を伺いまして、採算調査あるいは路線の選定というようなことをやっておるわけでございます。
  25. 壽原正一

    壽原委員 そこで、いままでのあなた方の状態を見ると、北海道に対する道路公団熱意というものはまことに乏しいものであったと私は考える。北海道庁にまかせあるいは開発庁にまかせて調査の委託をしておったようにも聞いておりまするが、これからやらんとする北海道バイパス問題というのは非常に大きな問題なのに、現在までまだ係員というものが一人も派遣になっておらぬ。たまたま先般私が札幌へ行ったときに、あなた方のほうの理事の方が一人来て、これから調査に行くんだということで自動車を連ねていったように私見ておりましたが、たまに一日ぐらい来て人の意見をちょっと聞いたぐらいで、そうしてこれがああだ、こうだとかいうような判断に立ってやるということは、とかく間違いを起こしやすい。そこで責任あるあなた方の理事の方であろうとも、あるいは部長程度の人であろうとも、北海道事務所出張所なりをつくってあるいは支社でもつくって、これを完全に遂行させるまで置かなければならぬというふうなお考えにはなっておりませんか。
  26. 上村健太郎

    上村参考人 道路公団北海道につきまして不熱意であったということは仰せのとおりであります。しかしお話しのとおり、北海道交通事情その他から有料道路をつくれというような御要望が非常にありまするので、調査事務所設置につきましては御意見を拝承いたしましたので、建設省と協議しましてその設置の時期その他についてきめたいと思っております。何ぶんにもお話しのとおり、東京支社の管轄でありまして、職員が出張するについても非常に遠うございますので、調査事務所設置に至らないまでの間でも、調査期間中には職員派遣しておくというような方法によりまして、調査の万全を期したいと思っております。
  27. 壽原正一

    壽原委員 いま総裁出張員でも置きたいというようなことを言うておりましたが、建設省に御相談があれば、出張所あるいは支所というものの設置にはあなた方は積極的に賛成するかどうか、この点を建設省から・・。
  28. 栗田武英

    栗田説明員 調査事務所または支所等組織については、聖業が確実にできるという見込みが立たないとこれを置かないたてまえになっておりまして、したがいまして現在調査中でございますので、そこまでの組織については、いま直ちにということは困難かと思います。従来調査が非常に長引いておりまして結論が出ておりませんので、本年度中にはこの有料道路としての可能性といいますか、本年度中に結論を出したいという考え方で、早く結論を出した上で事務所設置等関係については考えていきたいというふうに思っております。
  29. 壽原正一

    壽原委員 どうも君らの仕事を見ていると、三十四年から今日までは約六年間かかっておるのですよ。六年間かかって、まだ調査が未了とかなんとかいうような寝ぼけたことを言ってはだめですよ。いま少し熱意を持ってやらなければならぬ。地元の要望というものは、現在の小樽港を中心札幌経済を結ぶ重大な土地柄になっておる。それを考えないで、そうして六年も七年もかかって、七百万か八百万の金を使って、できるとかできぬとかというような結論が出ないようでは、あなた方は本気に北海道バイパス問題についてはいままでは考えておらなかったのですね。これから考えるというのですか、どうなんです。
  30. 栗田武英

    栗田説明員 要するに、有料道路としてやれるかどうかという調査は、いままでの調査結果から見ますると非常に困難であるという結果が出ておるわけであります。そこでもう少し広い区域にわたって範囲を広げて採算性というものをとっていけば可能性があるのではなかろうかというのが最近の調査になってきておるわけであります。今年度中に見きわめをつけたいという意味は、有料道路単独での可能性ということだけを追求しておったのでは、おそらく出ないであろう。そこで有料道路としての投資限界と申しますか、有料道路として成り立つ範囲または投資規模というものを考え、それに関連しての公共事業等組み合わせ、そういう総合的な道路政策という面から問題の解決をはかるべきではなかろうか。そういう検討本年度中に出して、一応どういう姿でこの問題の解決をしたらいいかという見きわめを本年度中につけたいというように考えておるわけでございます。
  31. 壽原正一

    壽原委員 それでは、本年度調査費は百三十五万の予算がついておるね。その百三十五万なら百三十五万の予算を使って、今年度中にこれをやるとかやらぬとかいう問題がはっきりするわけだね、その点について・・。
  32. 栗田武英

    栗田説明員 そのとおりでございます。
  33. 壽原正一

    壽原委員 それでは、いままで六年も七年もかかってそうして調査をしたというものの金は、やらぬということになったらこれは全部むだになるわけだね。
  34. 栗田武英

    栗田説明員 そのとおりでございます。
  35. 壽原正一

    壽原委員 あなた方は国民税金を使ってそういうふうな調査をして、何年もかかって、人手をかけて、公団のだれか理事が行ったからといったって、そのまま帰しはせぬ。飛行機を使って、そうして一ばい飲んだりあるいは人の仕事を全然休まして、そうしてあとにぞろぞろ、この間なんか行ったときには自動車十台もそろえて行っている。そういうような状態を見て、事務所がつくれないなんというばかなことがあるのかね。事務所をいままでのうちに建設省はつくらなければならぬはずです。それだけ北海道に対する熱意というものがあなた方はないことが明瞭であり、また国民税金というものはまるきりむだに使われておるということを承知で、こういうばかばかしいことをやらなければならぬということを考えているからには、とてもそれは話にならぬ。いま少しまじめにものを考えなければいかぬ。国民税金をただ納めているのじゃない。三十四年から毎年百万ずつもつけている。そうして何の調査をしたのだか、その調査の結果一体どういう結論が出ているということもまだはっきりせぬということになると、これはもうふまじめきわまるものだ。そういうことでは相ならぬので、今年度ばいで必ずこれはやるやらぬという結論は出ますね。念を押しておきますよ。
  36. 栗田武英

    栗田説明員 本年度ばいにその結論を出すつもりで検討しております。ただし、いまお話の出ましたように、できないという結論が出るかどうかということは、調査結果を見なければわかりませんですが、私どもといたしましては、現在までかけた調査費というものを十分生かす意味で、有料道路単独での事業というものはできないという結論が出る場合には、公共事業との組み合わせにおいてできるかどうか、その辺の検討をさらに続けていきたい。そういう総合的な道路政策という面からこの問題の解決をはかっていきたい。どういう方向に持っていったらいいか、そういう検討が、今年度中に結論を出して、具体的に解決方向に向かっての目安をつけていくというのがねらいでございます。
  37. 壽原正一

    壽原委員 それでは、有料道路だけではペイしないと困るから、別な方法をもってこれを補ってやらなければならぬだろう、そこで、その調査が今年度ばい、大別するというと小樽札幌間、札幌苫小牧間、苫小牧室蘭間、この三つに分けて考えていいですか。
  38. 栗田武英

    栗田説明員 そのとおりでございます。
  39. 壽原正一

    壽原委員 その場合、現在までの調査段階では、札樽間に限って調査をしたと了解していいですか。
  40. 栗田武英

    栗田説明員 そのとおりでございます。
  41. 壽原正一

    壽原委員 総裁、ただいまの課長さんのお答え、聞いておりましたね。そこで、今年度ばいにこの問題を片づけるというお答えがありましたから、私はあなたに念を押して言うておきますが、必ずそういうお約束だけは守ってもらう、これは記録に残っていることですから、また来年度になってできるとかできぬとかという問題がはっきりできぬ場合には、その責任を私はとっていただく、そういうことで了解してよろしゅうございますね。
  42. 上村健太郎

    上村参考人 ただいま建設省からお話のありましたとおりでございまして、私どもといたしましても、本年度中に見きわめをつけるということにいたしております。
  43. 壽原正一

    壽原委員 それでは最後にお聞きしておきますが、この今年度中の調査は、建設省主体になってやるものか、道路公団主体になってやるものか、あるいは北海道庁がやるものか、開発庁がやるものか、この点は、どこが主体になってこれをやりますか、建設省のほうからちょっとお答え願いたい。
  44. 栗田武英

    栗田説明員 調査の具体的な実施は道路公団でございます。その調査結果をもとにいたしまして、どういうふうにそれを計画していくか、いま申し上げましたように、有料道路単独で成り立てば、道路公団調査に基づいて、建設省公団との間の協議で問題が片づくのですが、もし有料道路単独では成り立たないということになりますと、投入すべき公共事業の内容によりまして、それぞれの関係局との話し合いになるわけでございます。そういう調整の窓口といいますか、世話をやくのは、私どものほうでやっていきたいというふうに考えております。
  45. 壽原正一

    壽原委員 それでは、あなたのお答えをいままで聞いておるというと、必ずしもやらぬということじゃない。どんなことをしてでもやろうという意欲があるようにうかがえる。役人だから、そうはっきりものを言うわけにいかぬだろうから、うかがえるが、そういうふうなことで、あらゆる点から総合して、有料道路だけでできない場合には、他の方法をもっても必ず完成させる意欲を持っておる、こういうことの了解でよろしゅうございますか。
  46. 栗田武英

    栗田説明員 そういう意欲のもとに調査を進めるつもりでおります。
  47. 壽原正一

    壽原委員 それでは、うわさに聞いたところによると、今月の十五日とか二十日とかという日に、あなたのほうと建設省開発庁北海道庁、大体四者の話し合いが北海道でなされるやに私は聞いておったのですが、そういう計画開発庁は持っておりますか。
  48. 小熊清

    小熊政府委員 本月十五日というふうにはちょっと私まだ聞いておりませんですが、本月中に、公団の方が現地に行かれます機会に、開発庁等とお打ち合わせをするという話は聞いております。
  49. 壽原正一

    壽原委員 何の打ち合わせに行くか知らぬが、私が要望するのは、札横間を中心にしたバイパス問題について、いまだ一人の調査員も置いておらぬ。こういうことは、あなたのほうの事務次官も言うており、また政務次官も、そういうふうなことでどうも意欲がないように考えられるので、ぜひとも公団にそう言うて、出張所なり何なりつくらしてもらうように話をしてもらいたいなんということをちらっと言うておりましたが、そういうようなことも話題の一つにはなるわけですね。そこで、この四者会談というものは、あなたのほうで大体主体になって行なうものか、道路公団主体になるか、建設省主体になるか、道庁主体になるか、この主体はどこでおやりになりますか。
  50. 小熊清

    小熊政府委員 現在までのところ、御指摘の四者の間の話し合いというのは、そのときどきに行なわれてきたわけですが、必ずしもどこが主体ということも、個々の場合になかったかと思います。私どもとしては、先ほどの公団支所設置の問題、これについてもなるべく早く、少なくとも調査事務所設置していただきたいということで公団には申し入れておるわけでございます。また今後道路の推進のためには、建設省公団道庁と私どものほうが寄り寄りいろいろ協議を重ねていくということは必要でございます。私のほうで、むしろ、何というか、お世話をやくということで推進をいたしたいというふうに考えております。
  51. 壽原正一

    壽原委員 道路公団総裁にも申し上げておきますが、大体こういうものは、北海道開発庁というのが北海道にございまして、それが北海道の開発全般にわたる事業を行なっております。そこで、この主体をあなたのほうに置くというても、北海道にはそういう設備がないということであり、建設省もなかなかそういうようなわけにもいかぬので、北海道庁あるいは開発庁でそういう協議——北海道の現地でもって協議しなければならぬというときには、進んで意欲を持ってこれからその衝に当たってもらいたい、これを私は強く要望しておきます。  それと、北海道に対する、いままで調査した結果どういうふうな状態であるかという図面がたぶんできているはずでしょうから、これを当委員会に提出していただくことを願います。委員長、そのように取り計らってもらいたいと思います。  これで私の質問を終わらしていただきます。
  52. 福井勇

    福井委員長代理 書原委員のいまの要求によります資料は提出できますか。
  53. 上村健太郎

    上村参考人 御提出いたします。
  54. 福井勇

    福井委員長代理 壽原委員、資料は提出することにいたします。  勝澤芳雄君。——ちょっと勝澤委員におはかりしますが、参考人出席名簿をお届けしてありますが、関係のない向きがありましたら帰したいと思いますから・・。
  55. 勝澤芳雄

    勝澤委員 きょうは特に最近、政府で国民の体位を向上する、そういう立場から、国民に広場を与えようということで、河川敷を開放するというようなことがいまいわれておりますので、特に河川敷の現況がどうなっておるのかという点で、先般決算委員会でいろいろ審議をいたしましたところ、その河川敷を国鉄なり道路公団が使用するときには、相当の補償をしないと、国鉄なり道路公団が占用できない、こういう現況にあるということが明確になりました。昨日、東京都、神奈川県あるいは道路公団、玉川、皆さんの協力を得て現地を見せていただきました。その結果によりまして、やはり河川敷のいままでのあり方、それから今後どうすべきか、こういうことにつきまして、参考人の皆さんにおいでを願って忌憚のない意見を聞きたい、こういうことでおいでを願ったわけでありますから、ひとつ、立場立場によって忌憚のない御意見をお聞かせ願いたいと思います。それによって、いま体育振興の委員会でも特別決議をいたしておりますし、われわれ決算委員会としても何らかのやはり結論を出して、この問題について前向きで解決していきたい、こう思うわけでございます。  そこで一番最初に神奈川県なりあるいは東京都にお尋ねいたしますが、河川法による河川管理の状態、特に河川台帳の整備状況ということが、聞いてみますと不十分で、十分な配備がされていないということを聞いているわけでありますが、この問題について東京都それから神奈川県の現況についてまず最初御説明願いたいと思うわけでございます。
  56. 鈴木俊一

    ○鈴木参考人 ただいま河川台帳がどのように整備されておるかというお尋ねでございますが、河川台帳につきましては実は現況は、まことに遺憾な状態でございます。旧河川法に基づきます適用河川につきましては、新河津川、新中川を除きまして一応整備されておりますが、いずれも大正八年ごろから昭和十二年ごろにかけて整備されたものであります。その後河川の改修等によりまして河川の区域が相当変更いたしておりまして、そのための補正が十分行なわれないまま保管されておりまするような状況でございます。したがって私どもといたしましては新河川法の施行とも関連をいたしまして、今後抜本的な河川台帳の補正、整備をしていかなければならない、かように考えておる次第でございます。
  57. 五神辰雄

    ○五神参考人 神奈川県におきましては、御承知のとおり多摩川、相模川、酒匂川その他いわゆる旧河川法で申しますると適用河川、準用河川たくさんございまするが、いまお話しのありましたように河川台帳をつくりますための調査を、特に戦後に至りまして整備をする必要を感じまして調査、測量等いたしてまいっておりまするが、まだ完全な状態になっておるとは遺憾ながら申し得ないのであります。特に最近の河川敷地の問題等を考えますると、さらに努力をいたしましてこの整備をはかってまいりたいと考えておる次第であります。
  58. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それで、この河川敷内にはだいぶ民有地もあるようでありますが、民有地の状況はどういうふうになっておりますか。こまかい問題で、もしわからなければ副知事さんでなくても部長さんでもけっこうですから、わかっておる方々で詳しく御説明願いたいと思います。
  59. 竹ヶ原輔之夫

    竹ヶ参考人 お答え申し上げます。  河川敷内の民有地につきましては、ただいまここに正確な数字は持ち合わせございませんけれども、多摩川におきましてもきのうごらん願いましたとおり部分的に堤外地、河川の中に民有地もございまして、いまもまだ家も建っているところもございます。これは将来には堤防の位置も、きのうも建設省から御説明がありましたとおり内側にして、要すれば原則的には買収をし整理をしていかなければならぬ問題で、かねがね建設省とも協議いたしておる次第でございます。
  60. 五神辰雄

    ○五神参考人 神奈川県の場合、たくさんの河川がございますわけでありますけれども、河川敷内における民有地、これが非常に多うございます。旧河川法でまいりますると、法律ができましてから国有にすべきものであるという基本的な考え方に立ちまして、先ほどのお尋ねの調査の結果を待ちまして、でき得る限りすみやかに買収をして整理をしていくという考えになっておるのであります。したがいまして、神奈川県におきましては毎年若干の予算を計上をいたしまして、その整理をいたしてまいりましたのでありますけれども、全体が何ぶんにもたくさんございまして、全体から見まするとまだまだきわめてわずかな部分に相なっておるわけであります。新河川法になりましてから、さらにただいま東京都でもお話がありましたように、河川の改修、法線の決定等進めまして、民有地の整理等進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
  61. 勝澤芳雄

    勝澤委員 これは東京都、神奈川県か、あるいは建設省かよくわかりませんが、こういう点はどうなっておりますか。旧河川法ですと、河川敷は私権の設定が禁止されておるようであります。したがって、旧河川法の問題の民有地の所有権といいますか、それから新河川法の場合、これはどうなっておるのでしょうか。どちらからでもわかるところでけっこうですから・・。
  62. 粟屋敏信

    ○粟屋説明員 いま先生のお尋ねでございますが、旧法では、先生御指摘のとおりに、第三条の規定がございまして、河川の敷地は私権の目的となり得ずという規定があったわけでございます。ただその前提といたしまして、河川区域の認定という規定が河川法の二条にございまして、これは地方行政庁、すなわち都道府県知事が認定するわけでございます。その都道府県知事の認定いたしました場合におきましては、一切の私権が消滅をするという関係に立っていたわけでございます。ところが現況におきましては、旧法の時代におきましても、地方行政庁の河川区域の認定ということは、実はあまり行なわれておりません。と申しますのは、認定によりまして、一方的に三条との関係で私権が消滅をするという関係になりますものですから、一つの収用的効果を持つわけであります。非常に慎重に行なわれておったわけでございます。で、結局河川区域内の土地で、認定も多少はいたしましたけれども、国有地の部面につきましては、従来内務省以来の取り扱いで、河川敷内の私有地の認定はなさないでも河川法上の河川として取り扱うというふうに河川法が全面的に適用される。いまもごく少数でございますけれども、民有地へ認定をしたものは、私権が消滅して河川法を全面的に適用する。河川敷内のその他の民有地につきましては、河川法上は、河川敷地ということは非常に問題がございましたので、そういう点は、河川付近地といたしまして、河川付近地制限令によって公有規制をしておるという状態であります。新法になりまして、神奈川県からもお話がございましたように、河川敷内の民有地は相当あるものでございますから、それにつきましては、やはり河川敷地としての規制をしていく必要がある。そのためには、私権の存在を認めながら、河川法上必要な規制をしていくほうが、法制上合理的ではないかということになりまして、新法におきましては、河川敷内の敷地につきましては、私権の存在を認めつつ、必要な耕作地の規制とか、掘さくの規制とか、そういうことで、河川管理の徹底を期していくという態勢になっております。
  63. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうしますと、旧河川法によると、河川区域の認定をすれば私権が消滅しておった。しかし河川区域の認定をいままでしていなかったから、私権の消滅をせずに、今度の新法によっては私権が認められてきた、こういうことになるのですか。その点私も専門でないのでよくわからないのですが、どうなんですか。
  64. 粟屋敏信

    ○粟屋説明員 お答えいたします。  河川区域内の土地で、旧法によって認定をした民有地につきましては、私権が消滅をして河川区域として河川法の規制が全面的にある。河川区域内の国有地につきましては、認定をしなくても河川区域として河川法の規定が全面的に働いてくる。民有地につきましては河川法上の河川敷地ではございませんが、河川管理上規制をする必要がございますので、これは河川付近地として規制をしているというわけでございます。同じく河川の敷地内でありながら、そういう所有関係によって河川法上の規制というものが変わってくるというのは問題でございますので、新法におきましては河川敷という実態に着目いたしまして、所有権の有無、あるいは所有権が国有であるか民有であるかを問わず、それを規制をしていくという関係であるわけでございます。ただ新法におきましても、いわゆる占用の許可ということができますのは、あくまでも国有地の河川敷地のみである、こういうことでございます。
  65. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうすると、この旧河川法時代では河川区域の認定をすれば私権が消滅する、その場合の私権についての補償というものは一応予定しておったのですか。それはどういう取り扱いをしてまいりましたか。
  66. 粟屋敏信

    ○粟屋説明員 お答えいたします。  これは河川法の施行規程というのがございまして、勅令でございますけれども、それによりまして、河川区域の認定をいたしました際は、それはもうだれが見ても河川であって、いわゆる流水の主体になっている荒れ地である場合におきましては、補償は必要がないのじゃないかという考えもあったようであります。ただそれが実際利用し得る土地でございますれば、区域認定をいたします際に、従前の所有者に占用の許可をするが、許可をしない場合には相当の補償をするということで規定されておったわけでございます。
  67. 勝澤芳雄

    勝澤委員 その場合の、従前の使用者に占用許可をするというのは、その人の私権を消滅したかわりとして占用の許可をする、こういう意味になるのですか。
  68. 粟屋敏信

    ○粟屋説明員 さようでございます。ただ従前の所有者はそういうふうに私権を消滅するわけでございますが、従前の所有者の保護の問題といたしましては、将来その河川敷地が、堤防ができまして、河川敷地として保存する必要がなくなる場合が考えられます。そういう場合には優先的に無償でその所有者に確保するという規定が旧河川法に規定されている。その両方によりまして旧所有者を保護しているということであります。
  69. 勝澤芳雄

    勝澤委員 その場合の占用許可と、今日一時的な占用許可を与えている占用とは、本質的には違うわけですね。
  70. 粟屋敏信

    ○粟屋説明員 占用の許可の法律的性質においては同じであると思いますけれども、従前の所有者に対しましては、願い出れば優先的に占用許可をするという義務が行政庁にある、そういう意味においては違うと思います。
  71. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それでは次に、河川占用の許可の状態をお尋ねいたしたいのですが、川別に、たとえば多摩川なり荒川なり江戸川という形で川別に見てみますと、大きな会社に貸しておるのがたくさんあるわけでございますが、この河川占用の許可状況というのは神奈川県なりあるいは東京都ではどういうふうになっておりますか。それから、占用許可の基準はどういう取り扱いをいたしておりますか。状況と占用許可の基準、この二つについて両方から御説明願いたいと思います。
  72. 鈴木俊一

    ○鈴木参考人 東京都の場合を申し上げますと、まず多摩川でございますが、多摩川につきましては現在ゴルフ場が一カ所、運動場が三十三カ所、公園が三カ所、自動車練習場が二カ所、飛行場が一カ所、農耕地が三十四件、その他十二件で、合わせまして八十六件、件数がございます。総面積が百八十二万七千余平方メートルでございます。  それから第二が荒川でございます。荒川につきましてはゴルフ場が二、自動車練習場が一、運動場が十六、件数合わせまして十九件でございます。占用の面積が二百五十九万九千平米でございます。  それから江戸川の占用状況でございますが、ゴルフ場が一、運動場が五、農耕地が二、合わせまして八件でございます。占用の面積が百万九千平方メートル余りでございます。全体を合わせまして約四百五十三万平方メートル余りでございます。  これに対しまして、今後の占用につきましての東京都といたしましての方針でございますが、いま申し上げましたのは、占用を許しておりまする現況でございますが、いろいろ河川敷の使用につきましては、従来とも批判のあります問題でございまするので、昨年の九月二十九日に新しく占用につきましての方針を定めまして、大体次に申し上げます四つの原則に従って、今後逐次その方針に向かって調整をしていく、こういうことにいたしております。  第一の方針は、公園緑地または広く都民が利用できる体育施設で、公共団体が設置し管理するもの、これが第一でございます。  第二は児童生徒等が利用する体育施設で、学校教育法に規定する学校が設置し管理するもの、これが第二でございます。  第三は沿線の、すなわち川の沿岸のという意味でございますが、沿線の町会、会社、工場等が一社だけでなく、連合して住民または当該会社、工場等の従業員のために利用する体育施設で、連合町会、連合会社、連合工場等が設置し管理するもの、これが第三でございます。  第四が、以上の各施設はいずれも工作物の設置を伴わないものであること、こういうような方針で今後河川敷の利用につきまして処理をしてまいりたい。もちろんそれぞれ占用を許しました期間なり条件等がございまするので、一挙にこれに切りかえることは困難でございますけれども、逐次この線に持っていきたいというのが、ただいまの私どもの管理の方針でございます。
  73. 五神辰雄

    ○五神参考人 神奈川県の県下の河川敷の占用状況についてお答えを申し上げたいと思います。  多摩川につきましてはゴルフ場が四カ所、練習場を含めまして四カ所、自動車練習場が一カ所、運動場その他が十五カ所、公園緑地、公開の運動場が七カ所、合計いたしまして二十七カ所でございまして、面積は百三十七万四千平方メートルになっております。  多摩川以外の占用を許可いたしております状況は、鶴見川について自動車の練習場が一カ所、公開の運動場が二カ所、合計三カ所、面積で八万六千余平米になっております。  それから相模川でございますが、相模川におきましてはグライダーの滑走練習場が一カ所、耕地が九カ所、砂利プラント二カ所、公開の緑地が一カ所、合計十三カ所、面積にいたしまして四十六万九千余平米に相なっております。  多摩川につきましては昨日ごらんをいただいてあるいはおわかりかと存じますけれども、すでに河川の敷地内におきます利用できるものは、ほとんど全面的に占用許可の対象になって、利用し尽くされておる状況でございます。  他の河川におきましては、ただいま申し上げました程度で、ごく一部でございます。  今後の方針といたしましては、県としてはできるだけ一般公共、大衆の広場として地緑等の利用に向けたいと考えておる次第でございます。  それから多摩川につきましては、特に最近川崎市等の非常な発展に伴いまして、地元川崎市等、でき得る限り大衆に公開してもらいたいという要望が出てまいっております。  方針といたしましては、でき得る限り一般の利用し得る広場にして持ってまいりたいというふうに考えておりますが、もちろんいろいろ法律的な問題等がございまして、そう簡単に私どもの希望どおりにまいるとは考えておりませんけれども、政府におきましても、この方針に沿っていろいろお考えいただいておるようでありますので、今後私どもといたしましても、この方向に向かって努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
  74. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで、占用の状況についてよくわかりましたけれども、いま東京都なり神奈川県と別々に御説明ありましたが、たとえば多摩川を見てみますと、ゴルフ場だけで七カ所もある。大田区役所は占用許可を受けながら、六郷ゴルフ倶楽部に委託しているということで、この七つのゴルフ場というものは相当大きな面積を占めている。そうして次には自動車練習場が四つあり、それから各事業会社、三十四の事業会社に占用許可がされている。いま神奈川県の御説明でも、多摩川は相当利用し尽くされているという話でありました。いま東京都のほうでは、相当具体的に、昨年の九月二十九日の方針というものが示されてまいりました。そこで私は、この占用許可をしてきた理由といいますか、あるいは条件といいますか、どういうものに占用許可をしてきたのか。そしてその占用許可というものがいま広く開放しなければならぬ、あるいは一般大衆に開放しなければならぬという御説明がありました。特に多摩川の場合は、川崎市の市長からもそういう要望が出ておる、こういうことでありますが、占用許可をしてきた条件と、その条件によってこれから占用許可を取り消して開放していく、これについては神奈川県としてはどういうふうにお考えになっておりますか。
  75. 五神辰雄

    ○五神参考人 占用の許可をいたしましたものは、先ほど御説明申し上げましたようにたくさんあるわけでございますけれども、それぞれにつきまして、時期も用途も違っております。ただ主として戦後逐次要望、申請を受けまして、これを許可をいたしてまいっております。おおむね三十年ごろから非常に多くなってまいっております。河川敷の当時の状況は、戦時中における砂利採取の結果、かなり荒れておったのが一般的な状況でございます。中には戦時中の食糧増産等によりまして、耕作の対象になっておった部分もかなりございます。これらの地域を、あるいは運動場にあるいはゴルフ場として占用の許可の申請をいたしてまいったのであります。荒れ果てておりました河川敷を整備いたしまして、当時の状況といたしましては、ゴルフ場あるいは運動場として整備をされるということは、県といたしましては河川の維持管理の面から考えますと、むしろ好ましい状況であると判断をいたしておったようであります。しかしながら先ほども申し上げましたように、最近の状況ではむしろ公園緑地が不足をいたしておりまして、川原を一般大衆の広場として開放すべきものである、そのほうが望ましいというふうに考えてまいっておる次第でございまして、開放をいたします際に、民間の会社でいろいろな形で過去において施設をいたしておるものもございます。これらを格別の公共的なさしあたっての必要性から直ちに取り上げるということになりますと、補償等の問題も出てまいろうかと存じます。そういうふうなことでいろいろ研究はいたしておりますけれども、まだ実施の段階に入っておらない状況でございます。  以上、お答え申し上げます。
  76. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この占用許可が大きな会社だけに与えられたということが、私としてはまだ了解できないのです。それはどういうことなんですか。もう少し広く民間に開放されるべきであったのが、特殊な会社にみな開放されている。きのう現地に行ってみますと、大衆が入れないところがたくさんあるわけであります。いまのお話で、おれは川原の枯れススキという歌もあった時代にあれだけのものにしたのでしょうけれども、そういう意味で私は、やはり占用許可をやってきた基準というものがないままにどうもずるずるとやられてきたのじゃないかなという気が実はしてならないわけです。  そこで今度は、この占用許可を取り消したことがあるのですか。それは従来からずっとやっているのですか。前に取り消した例があったら、どういう場合に取り消したのか、その取り扱いはどういうようにやったのかという点について、例があったら東京神奈川の両方から御説明願いたい。なければけっこうで。
  77. 鈴木俊一

    ○鈴木参考人 東京都には例がございません。
  78. 五神辰雄

    ○五神参考人 神奈川県におきましても、全面的に許可を取り消したという例はございません。
  79. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうしますと、占用許可を与えたことは、それがここ数年ずっと続いてきたのですか。この占用許可の契約書を見てみますと、占用期間は一年ということになっておるわけでありますが、河川管理をする立場からいって、占用期間の一年というものは妥当なものであるのかないのか、こういう点についてはどうお考えですか。
  80. 鈴木俊一

    ○鈴木参考人 占用許可は、いま御指摘のように大体一年というのが通例でございます。これは占用を許可するといいますことは、結局そこにある種の特権的な使用を認めることになるわけでございますから、一年でこれが直ちに撤去されるような、そういう程度を越えた各種の資本の投下が実際行なわれておるわけでございますが、それにもかかわらず一年更新というやり方を従来やってまいりましたのは、これは究極的には建設省の御方針もあろうかと思いますけれども、やはり長期間にわたって占用を認めませんで、一年ごとに問題を再検討する。たとえば占用料等につきましてこれを更改する機会を与える、こういうようなことから、直ちに一年後には必ず使用を取り消す、こういうような含みでございませんで、やはり一年ごとに問題を再検討する機会を留保したい、こういうような含みがあったことであろうと思っております。
  81. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうしますと、いままで取り消したことはないと言われておりますが、占用許可をしたところをかりに使う場合には、どうするということについての予想は、どういうふうにお考えになっておるのですか。これは占用してよろしいという許可を与える、これを国なり県なりがお使いになる、こういうときにはどうするということをお考えになって一年の占用許可をされておるのですか。
  82. 鈴木俊一

    ○鈴木参考人 これは占用許可を認めないで将来廃止する、こういう場合におきましては、たとえば公園をつくる、そのために河川敷を従来占用を認めておったのを廃止する、こういうような場合におきましては、やはり補償を必要とする、こういうような解釈で従来公園の場合につきましては補償をして占用を認めないようにする、こういうような例が若干ございますが、いずれにいたしましても占用の権利を将来に向かって廃止するという場合には、公益上の必要があるということで、監督処分と申しますか、そういう立場からこれを行なうことになるわけでございますが、それに対する補償問題というのがやはりこれに附帯してまいるように考えておる次第でございます。
  83. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうしますと、占用許可を与えるときにはかりに一年の占用許可であっても、その次に占用許可が満期にきて継続しなかった、あるいは占用許可を取り消す場合でもどちらでも補償しなければならないという考えをもって占用許可を与えてきた、こういうことなんですか。神奈川県、東京都同じですか。
  84. 鈴木俊一

    ○鈴木参考人 ただいま公園の場合につきまして、従来河川敷の占用許可をいたしておりましたものを廃止して、これを子供の遊び場というような形の公園にした例がございますが、この場合にはごく低額の補償をいたしております。しかし橋梁、たとえば都内にも鹿浜橋とか江北橋とか橋をつくった場合がございますが、そういう場合におきましては、その下がたとえばゴルフ場に使用を認めておったというような場合においても、都におきましては従来補償をいたしておりません。そういうような扱いにしておるわけでございます。
  85. 五神辰雄

    ○五神参考人 神奈川県におきましても、ただいま鈴木東京都副知事からお答えを申し上げましたとおり、ほぼ同様な考えで取り扱いをいたしております。河川敷におきまして河川の工事でありますとかあるいは橋梁を架設いたしますとか、いわゆる公共事業工事が行なわれることが予想されますような場合におきましては、その関係部分についての占用の許可は引き続き行なわない、こういうことで取り扱いをいたしておりまするが、一般的に特にその場所について用途が変更される必要が具体的に出てまいっておらない状態におきましては、建設省の御方針もございまするが、毎年毎年引き続き継続占用の許可をいたしておる状況でございます。それから河川工事等におきまして、その部分を縮小したり占用の継続を認めない場合におきまして補償をいたしておるかどうかという点でありますけれども東京都の場合と同様に従来はこれに補償をいたしておりませんで、前広に通告をいたし、できる限り実害がないような状態にいたしまして、占用の継続を認めないで工事を実施しておる次第でございます。
  86. 勝澤芳雄

    勝澤委員 東京都にお尋ねいたしますが、子供の遊び場に公園をつくった場合に、少しですけれども補償した、こう言われておりました。もう少し具体的に御説明願いたいと思います。
  87. 鈴木俊一

    ○鈴木参考人 これは従来農耕地に占有を許しておったわけでございますが、その部分につきまして多摩川と荒川でございますが、昭和三十正年に約六万六千八百平方メートルの土地を取り上げまして子供の遊び場にいたしたわけでございます。この補償が千四百三十四万円でございます。一平米当たりにいたしまして二百十五円。それから荒川につきましても三十五万四千平米余りのものを千九百五十九万八千円という補償で、これは平米当たりにいたしますと五十五円でございますが、同様に取り上げまして子供の遊び場にしたということがございます。これは相手はいずれも農民の耕作者でございまして、いわば離作補償といいますか、そういうような形のものでございます。
  88. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうするとこのときの考え方というのは、一平米たしか東京都は三円ですか、占用料は三円ですね、その三円というものを基準にやったのですか。どういう計算でこういう補償金というのは考えられたのですか。補償金を出さなければならない根拠と補償金の計算の方式です。
  89. 鈴木俊一

    ○鈴木参考人 東京都はこの占用料を古川を秘めました場合に取っておりますが、これはいろいろ種類を分けまして、まず河川の区域で一級地から五級地並びに特級地、六つの級地に区分をいたしまして、一級地というのは千代田区とか中央区とか台東区といった最も繁華な地域にございます河川敷の場合というふうに、逐次六つに区別をいたしまして地域を定めております。そしてそれぞれの地域におきまして、また占用の種類がいろいろございます。たとえば地方鉄道を通すあるいは桟橋をつくるあいはガス、電力、水道などのために必要な施設の占用をするあるいはゴルフ場農耕地とそれぞれあるわけでございまして、この両方の占用の種別は一種から八種までございますが、この一種から八種までの占用のしかたとそれから地域区分の六つとをかみ合わせまして、そしてそれぞれに応じて土地の占用料というものを定めております。中で最も高くいたしておりまするのは、ゴルフ場とか自動車練習場というようなものでございまして、これにつきましては、いま御指摘が平米三円ということでございましたが、これは本年の三月三十一日、すなわち前年度までは御指摘のように三円であったのでございますが、四月一日からこれを倍額の平米六円に値上げをいたしました。その他たとえば農耕地用に貸しておりまするものなんというのは、これは据え置きにいたしてございます。そういうふうに占用料をそれぞれ実際の状況に応じまして調整をいたしておるわけでございます。いま御質問の点は、これらの農家の占用を認めましたものにつきましての離作補償でございますが、これはやはりつくっておりましたものでございますとか、河川敷ではございますがその土地柄でございますとか、そういうようなものを勘案をいたしまして、いま申しましたような基準額を話し合いによって定めたわけでございます。
  90. 勝澤芳雄

    勝澤委員 あとでまた事務局を通じまして、きょう御説明があった部分で議事録でわからない部分については資料をお願いいたしますので、御協力をお願いしたいと思います。  そこで補償金を支払わなかった例、橋をつくった場合に補償金を支払わなかった、この例をひとつ御説明願いたいと思います。
  91. 鈴木俊一

    ○鈴木参考人 これはさっきちょっと申し上げましたが環状七号の鹿浜橋、それから江北橋、この二つに例がございます。これはいずれも都が事業主体道路をつくったわけでございますが、その下にゴルフ場があるわけでございますけれども、このゴルフ場に対しましては、話し合いによって占有者との間に解決をいたしまして、特に損失補償はいたしておりません。一切損失補償をいたしていないのでございます。
  92. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それは大体いつごろですか。
  93. 竹ヶ原輔之夫

    竹ヶ参考人 鹿浜橋は二年ばかり前から工事をいたしまして一応完了いたしております。江北橋はただいま工事中でございます。
  94. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで道路公団にお尋ねいたしますが、道路公団は今度玉川ゴルフ場の問題で三千四百万補償金を払っておるわけであります。いま東京都の御説明によりますと、都が橋をかけたときには何ら補償金を払っていないということであったわけであります。東京都と道路公団というものは少し性格が違いますけれども国民税金仕事をするという立場においては何も変わりはないのです。どういうわけで玉川ゴルフ場に補償金を払わなければならなかったのですか、経過をひとつ御説明願いたいと思います。
  95. 美馬郁夫

    ○美馬参考人 お答えいたします。  現在の河川法では、況川占用の場合に監督処分で許可、取り消しをやった場合には補償すべしという明文がはっきり七十五条、七十六条にございます。従前はこの明文はございませんでしたが、大体の河川法の解釈でそういう取り扱いになっております。それで私どもがゴルフ場に関する道路の占川をしたのは昭和三十六年でございます。こういう河川法の解釈を受けまして私どもはそういう場合には河川占用の許合の申請書を河川管理者に提出するわけでございます。これは神奈川県、東京都にわたるわけでございますが、その場合に行政上の取り扱いとして、それでは前の占用者と話し合いをつけてきてください、別なことばで申しますと、同意書をもらってきてくださいという御指導があるわけでございます。これに基づきまして、われわれが同意書をとるためには、どうしても相手方に道路工事で損害を与えますから、その損害を原状に復するために補償しなければならぬという問題が当然出てくるわけでございます。そういうふうにして補償をつけて、同意書を取りそろえて河川管理者に提出して許可をもらう、こういう手続になっておりましたし、また従来の扱いもおおむねさようでございましたから、こういう方針に基づきまして三十六年の河川占用の手続を進めてまいった次第でございます。
  96. 勝澤芳雄

    勝澤委員 国鉄の場合をちょっと説明願いたい。
  97. 仁杉巌

    ○仁杉説明員 お答えいたします。  ただいま道路公団からお話がありましたと同じでございまして、神奈川県のほうに占用許可をお願いいたしました際に同意書の提出を求められましたので、折衝いたしまして補償を払いまして同意書を受けて、それを神奈川県に提出して占用認可をいただいた、こういういきさつでございます。
  98. 勝澤芳雄

    勝澤委員 河川管理者が自分で橋をかけるときには補償金なしでやれるにかかわらず、神奈川はどういうわけで当事者間で話し合いをしてくれということになったのですか。
  99. 五神辰雄

    ○五神参考人 先ほど道路公団のほうから御説明がありましたと同様でありますが、従来の河川法における取り扱いといたしましては、占用を許可され、いわゆる財産権的な投資が行なわれて占有の状態になっておりますものにつきまして、一般的な取り扱いといたしましては、通常生ずべき損害の補償をするということになっておりまして、県が河川管理者として占用の許可をいたしまして、その後新たな事情が起こりまして占用の許可をいたしております部分の一部を他の目的に使いますために占用の変更をいたすというわけであります。県の場合に橋をかけたり、何か公園の場合にはないようでありますけれども、そういう場合には、計画をあらかじめきめまして、実害がないような状態にいたしてまいったのであります。先ほど来お話の出ております公団の場合におきましては、比較的急な状態路線が決定をし、工事が行なわれるということになっておったようであります。そこでゴルフ場の改造工事等を必要とする状況に相なったようでありまして、県といたしましては、先ほどお話がありましたように業者間でお話し合いを願うならば適当なお話し合いができるものと考えまして、承諾書という形でお出しをいただくようにいたしたわけであります。県の場合と公団の場合、時間的な問題、それから占用地における実害の程度の違い等がそういう違いになってきておるのではないかと考えております。
  100. 勝澤芳雄

    勝澤委員 これは私はたいへん問題だと思うのです。県の場合はあらかじめ実害のない方法をとっておった。そうすると道路公団なり国鉄なりが新幹線あるいは京浜道路であれを使うということはあらかじめわかっていなかった。逆に言うとこういうことになるのですが、そんなばかばかしいことが県なり建設省あるいは国鉄にあったらたいへんなことですよ。大体新幹線がどこを通り、道路がどこを通るということはあらかじめ予測されている事態なんです。あらかじめ予測されている事態でありますから、県が実害のないような方法で占用許可をしないということになるならば、道路公団なり国鉄がやる工事についてもその方法をとるのは当然じゃないかと思うのです。それを業者間の話し合いをさせたところに、神奈川県の取り扱いに問題がある。副知事さんわからなければ部長さんでけっこうですから、もう少し詳細に話してください。
  101. 秋永規輔

    ○秋永参考人 いまのお話でございますが、県の場合はいままで東京都が述べられたような実例がないわけでございますので、県が補償をしたという実例は神奈川県にはございません。
  102. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それは業者間にやらしておったからですか。
  103. 秋永規輔

    ○秋永参考人 いやそうではありません。これは県が橋をかける場合の話です。ただしいまの公団の場合あるいは国鉄の場合、これは話し合いで申請書を出してくれということは確かにいままでの慣例ではやっておりますので、その慣例に従ってやってきたわけでございます。
  104. 勝澤芳雄

    勝澤委員 これは建設省、おもしろい取り扱いですよ。東京都で橋をかけるときにはゴルフ場といえども補償をしなかった。しかし神奈川県では道路公団や国鉄が橋をかけるときには業者間で話し合いをしてこなければだめだという指導をしておった。東京都と神奈川県の取り扱いの相違は一体どこに責任があるのですか。河川管理者の指導監督をしていなかった建設省に私は責任があると思うのです。そういう点どうなんでしょう。
  105. 上田稔

    ○上田政府委員 お答え申し上げます。  県の場合あるいは国の場合も同じでございますが、直轄で工事をやります場合、こういう場合には、あらかじめ何年先にはここにこういうふうに着工するということがきまっておりまして、わかっておるわけでございます。したがいまして、そういう占用許可をいたします際に、相手方に十分そのことを話してその内容を聞いて、そのときには中止ができるかどうか、あるいは取り消しをやっていいかどうかということを十分調査をいたしてやるものでございますので、先ほど都または神奈川県からお話がありましたように補償というものが非常に少なくて済んでおるわけでございます。公団の場合には、たしかいまの橋は三十六年度お話があったのではないかと思うのでございますが、きまりましたのが、その一年くらい前に場所その他がきまったというふうに聞いております。そういうことで、ゴルフ場の占用の許可がありましたのが、二十九年でございましたか、三十年でございましたか、そのころにはそういう橋の計画がございませんでしたので、そういうことでいまのような状況になったのではないか、こういうふうに考えます。
  106. 勝澤芳雄

    勝澤委員 十年、二十年先のことはわからないでしょう。しかしことしのことが来年、来年のことが再来年という見通しはあるわけです。ですから、占用許可というものは一年ごとの契約なんでしょう。そういうたてまえでいくならば、一年前にわかればけっこうですよ。あるいは半年前だったら、半年工事をずらせば一年たつわけですから、私はそういうふうに理解するのです。ですから、いまの東京都の取り扱い、神奈川県の取り扱いが相違しているというのは、局長お認めになると思うのです。もしお認めになるならば、その実情についてもう少しあなたのほうで詳しく説明を聞いていただきまして、そして一体どこに相違点があるのか、どこに問題があるのかという点を私は資料で出していただきたいと思います。そういう取り扱いをしたいと思うのですが、もしあなたが東京都と神奈川県が同じだと言うならば、そんな調査をする必要はない、説明を聞く必要はないと言うのなら、それでけっこうですけれども、私がいま説明を聞いておりますと、東京都と神奈川県の取り扱いが違っていると思うのです。だから、違っておるのはどこに違いがあるのかという点を、建設省という立場でそれは問題になるのか、あるいはそのままでいいのかという見解を、よく実情を聞いて御説明を願いたいと思うのです。
  107. 上田稔

    ○上田政府委員 神奈川県の場合といいますか、道路公団の場合または国鉄の場合でございますが、この場合におきまして、実は占用を変更するという場合におきまして、二つの方法があるわけでございます。一つの方法は、いま公団側がおとりになったように、いままで占用をしておりました者と新しく占用をしようとする者と両者がお話し合いになって、そしてそれで話がきまって、片方はそれじゃこれでやめます、片方、次の方が、それではお願いをしますということで占用願いを出してこられる、そういう話し合いの方法が一つ、それからもう一つの方法は、話し合いがつかないということで、公団側が河川管理者のほうへその以前の占用の方を取り消してもらいたい、私どものほうは公共事業であるからというようなことでお話を持ってこられる方法で、この二つの方法があると思うわけでございますが、公団側のおとりになったのは前者の場合であるということに一応なっております。そういうことでございますが、後者の場合でございましたらどうであろうかということが問題になるわけでございますが、結局補償をどっちにしろ払わなければいけないのかどうかということでございまして、その場合におきまして、新しい河川法というのがこの四月一日から施行をされておるのでございますが、その内容におきまして、旧河川法におきましては占用を取り消した場合の七十六条の補償の規定というものはなかったわけでございます。ところが新河川法にはそれが七十六条に載っておるわけでございますが、そのことは、やはり以前にはそういうことが慣習的に行なわれておった、通常行なわれておったことを新しい法律の条項にいたしたものでございまして、その精神というものはやはり以前にも生きておったということでございます。その条項によりますと、この占用の期間内において、公益上やむを得ない必要があるときに河川管理者が占用を取り消した場合におきまして、その処分により損害を受けた者があるときには、その者に対して通常生ずべき損失を補償しなければならないということになっておるわけでございます。そういうことで、期間内であれば通常生ずべき損失というものについては補償をしなければならないということになっておるわけでございます。それで、期間でございますが、その期間は一年ごとに更新をしておるから一年でいいではないかということでございますが、そういうふうには法律としては解釈されないわけでございます。といいますのは、法律におきましては、法理論上、一つの行政処分をいたしました際におきまして、その行政処分が、当然ある投資をされて、その投資がまだ十分に利益をあげてこないうちにそれを期間が切れたものであるというふうにみなすことはできないということでございまして、そういう観点から、たとえば一年間の契約に対して一億の投資があるというような場合においては、その期間というものは一年とは見られない。ある程度その期間を両者とも長く考えておるのだということが法律的の解釈になるわけでございます。そういう意味におきまして、このゴルフ場というのは三十六年度においてはまだ六年くらいしか使っておらないという状態でございますので、期間内であるというふうに考えられまして、七十六条の精神に基づいて——新河川法でございますが、どちらにしろ補償をお払いしなければいけないのではなかろうか、そういうことで公団の場合にはおやりになったのでありまして、東京都の場合には、あらかじめこの橋はここにかかります、したがってこういう計画でやりますから、この計画に支障のないようにということで準備をさせておられるものですから、そこに補償が非常に少ない、こういうことになるわけでございます。場合が少し違うのではないか、こういうふうに考えます。
  108. 勝澤芳雄

    勝澤委員 新河川法、旧河川法の法律的なあなたの見解については私は了解いたします。ですから新河川法ができた、あるいは旧河川法時代でも、補償のものの考え方は同じだというのはそのとおりだと思うのです。ただ、私の言っておるのは、とにかく同じ河川法のもとにおいても、東京都のような場合は、橋をかけるときには補償金なしでゴルフ場を取り上げた。しかし今度は、道路公団なり国鉄がやった場合においては、神奈川県が話し合いをしてきなさいということで指導した。そこに問題があるんですよ。業者間で話し合いをしなさい、業者間で話し合いがつかなければ河川管理者がやる、こういうことじゃないのです。神奈川県の取り扱ったのは、まず河川管理者として占用許可を取り消すことをせずに、とにかく道路公団と国鉄で玉川ゴルフ場と話をつけてきなさい、私らは関係ありませんよ、この神奈川県の態度が私は間違いだというのです。橋ができる、何ができるというのは、それじゃいまから二十年、三十年先を見通して建設省でできるかといえば、それは不可能です。十年、二十年、三十年先を見通してやることは、不可能です。そうすると、いま許可を与えているのは、十年、二十年、三十年先を見通して許可を与えているかといったら、十年、二十年、三十年先を見通して許可を与えておる人は一人もいない。ところがその人が、許可を与えたことによって補償しなければならぬという財産権が生じるのだ、そういう慎重な態度でやってきたかどうかということが一つの問題だ。慎重な態度でやってきたとするならば、こういう補償というのは起こらない。しかしそれが見るとみんな特定の業者です。大企業です。個人的なものはないわけです。そうすると、許可を与えたことによって利権を生じさせているのじゃないか、財産権という利権を与えさしているのじゃないか、それも問題だ。貸さなければいいものを、わざわざ貸したために、それを返してもらうときには金を出さなければならぬというのはたいへんなことだと思う。ですから、そういう意味神奈川県の場合と東京都の場合は扱いが違っている。それを神奈川県が業者間に話し合いをさしたことは問題だ、こういうことなんです。法律的なものはあとで、検査院も呼んでおりますから、よく聞きますが、そういう点で、これはあと東京都あるいは神奈川県の例を資料で出していただくことにいたします。  次に、私は聞きたいのですが、占用期間というものは神奈川県はどういうように考えておるのですか。占用期間というものは形式的なものだ、何も法律的な根拠のないものだ、占用許可をしたことはもう永久に許可しておるものだ、こう思っているのですか、あるいはゴルフ場ば何年とか、自動車練習は何年とかいうふうに考えておるのですか。その点どうお考えになって許可を与えておりますか。
  109. 五神辰雄

    ○五神参考人 常識的に考えます場合に、占用の許可を受けましたものといたしましては、資本を投下し施設をいたします場合には、一般的にそれぞれ耐用年数等を考えておられるものと考えます。したがって、県で許可をいたします場合にも、一応そういうふうな頭で占用の許可をいたしております。したがいまして、ずっと以前におきまして、許可をいたします際に、一年ごとでなく、いま申しましたような相当長期にわたる許可をいたした例もあるようでありますけれども、戦後三十五、六年のころになりまして、これは一般的な慣例に従いまして、神奈川県といたしましては一年ごとの許可をいたすようにいたしたのであります。従来河川敷の中において、近い将来においてそこを河川の改修工事等に使うという予定があるものにつきましては、それまでという占用の期間を付して許可をいたしておりますが、これはもちろんそれだけで終わりでありますけれども、いま申しましたように、その施設の性質上かなり長い期間にわたって使われるような性質のものにつきましては、一年ごとの許可をいたしましても、先ほど東京都のほうからお話がありましたように、一年ごとに契約を更新いたします際に、新たな事情を再検討するということをいたしたしまして、格別の変化がない場合におきましては、継続的に占用の許可をさらに一年という形でいたしてまいる、こういう取り扱いをいたしておるのであります。したがいまして、県といたしましては、いわゆる普通の占用の許可の場合に何カ年、それが終了をいたしましたならばもう終わりである、こういうふうな意味での一年ではないものと考えておるのであります。したがいまして、そこにいろいろな問題が出てまいることは事実でございます。そのように考えて運用をいたしておるわけであります。
  110. 勝澤芳雄

    勝澤委員 副知事さん、簡単でいいですけれども、期間を一年でなくて五年と切ってゴルフ場に貸したら、五年たったときには神奈川県は補償金なしで取り上げることができると思っているのですか。あるいは自動車練習場でも同じです。それはどうお考えになっていますか。いまあなたは、県の計画があるから、期間を切ってやったときにはそれで終わりだと言われておりますが、それはどうお考えになりますか。
  111. 五神辰雄

    ○五神参考人 先ほど来申し上げましたように、その施設の性質が、耐用年数等が終了する適当な期間を付して許可をいたしました場合には、私どもは継続占用の許可をすることは適当でないと考えております。
  112. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そのときの補償金はどうお考えになりますか。
  113. 五神辰雄

    ○五神参考人 その場合には補償金は必要としないものと考えます。
  114. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうしますと、いま神奈川県が多摩川で貸しておる河川敷の問題について、この占用はいつまでだ、この占用はいつまでだ、こういうことをやったら、補償金なしでとにかく神奈川県は県民に開放することができる、こういうことはできますね。たとえばいまやっておる玉川ゴルフ場が、それは一年一年では困る、三年にしてくれ、五年にしてくれ、あるいは自動車練習場や運動場だったらそんなにかかりませんから、ある程度長期で、二年なり三年なり、こういう見通しを持って期間を切ったら、そのあと神奈川県は河川管理者として補償金なしで取り上げることができる、こういうことはお約束できますね。
  115. 上田稔

    ○上田政府委員 私からお答えを申し上げます。実はこの前大臣が決算委員会でお話しになりましたが、そういう趣旨で現在検討をいたしておるわけでございます。
  116. 勝澤芳雄

    勝澤委員 わかりました。そこで、これはあとで会計検査院もちょっと研究しておいてもらいたいと思うのですが、一年ごとの占用で、料金は一平米三円、坪九円ですね。あなたのほうは、最近営林署なんかで土地を観光会社に貸しておる、ゴルフ場に貸しておる、この土地の使用料は安い、市価に直せということをいま勧告していますけれども、これは当然だと思う。ですから、一年ごとの占用だといっても、国民から見たら、これはやはり営林署でゴルフ場に貸している土地と本質的には変わらないのですよ。建設省神奈川県や東京都から見たらそれは違う。違うから安いのだ、いつでもとれるようになっているのだというふうに、国民は錯覚を受けているわけです。国民は、占用許可というのは、一年たてば返さなければならぬものだという錯覚を受けているわけです。しかし、行政上の取り扱いというのは、一年たっても二年たっても三年たっても投下資本についての補償をしなければならぬ、あるいはそこに働いておる従業員の生活を保障しなければならぬ。これは占用許可で、貸し付けと何にも変わりないのですから、そんな坪九円で貸せるような土地は多摩川でも荒川でもないと思う。やはり市価に見合った貸し付け料を出さなければ、これは特定の業者に特定の利権を与えているということになると思うのですが、よく研究しておいてください、あとで聞きますから。  そこで、占用料金の基準ですが、占用料金はどういう基準によってきめられておるのですか。神奈川県はどうされておりますか。
  117. 秋永規輔

    ○秋永参考人 この料金の算定につきましては、一般的にあまり基準がないわけでございますが、大体隣県の様子を見ながらきめているような慣例になっております。
  118. 勝澤芳雄

    勝澤委員 幾らで貸しておりますか。
  119. 秋永規輔

    ○秋永参考人 三円であります。今度四月一日から七円になりました。
  120. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこでこの占用料金も一応隣を見ながらやっているということですが、東京なり神奈川は河川占用料というのは年間どれぐらいの収入になりますか。
  121. 鈴木俊一

    ○鈴木参考人 東京は六千二百万円でございます。
  122. 五神辰雄

    ○五神参考人 神奈川県の場合は約千二百七一万程度でございます。
  123. 秋永規輔

    ○秋永参考人 それは三十八年度でございます。
  124. 勝澤芳雄

    勝澤委員 占用料金をきめる権限といいますか、これはだれにあるのですか。県知事にあるのですか。それはどうなっておりますか。
  125. 上田稔

    ○上田政府委員 新河川法によりますと、この占用料金の基準を建設大臣が定めなければならない、こういうことになっておるのですが、目下検討中でございます。以前の河川法におきましては、これは県知事さんがおきめになっております。これはたしか議会にかけておきめになっているというふうに承知いたしております。
  126. 勝澤芳雄

    勝澤委員 これもいままちまちな取り扱いがされているということでありますし、今度は建設省で料金をきめられるということでありますから、私がこれから申し上げる意見も。ぜひひとつ参考にしていただいて、河川管理の状態からいって、河川管理関係予算というものが少ないわけでありますから、それを収入源として河川管理を十分やっていただきたい。私が計算しても百倍や二百倍ぐらい上げてもこれは不当ではないと思いますから、あとで御考慮願います。  それでは次に、ゴルフのことはわかりませんけれども、高洲さんにちょっとお聞きしたいと思います。  あなたのところで、あそこのゴルフ場を借りているようでありますが、この河川敷を神奈川県から占用の許可を得た経過、そういう点を教えていただきたいと思います。
  127. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 当時私担当しておりませんので、詳しい事情はよく存じません。承るところによりますと、現在ゴルフ場に使っております敷地は、従来付近の住民が農耕をいたしておりました。それが人糞を使ったりなにかし、これが多摩川の水流に流れ込む、なおかつその下に東京都の水道取り入れ口がございまして、非常に水道行政上もよろしくない。あるいは農耕地以外は非常に草ぼうぼうとして風致上どうもよろしくない、こういうような事情でいろいろ各界の方々からの御推奨がございまして、多摩川の占用許可をお願いして、許可を得たような次第であると伺っております。
  128. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで、資本金なり、営業収支の状況は現在どうですか。
  129. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 資本金はただいま千五百株で一億一千二百五十万円でございます。その株主構成は、一般会員が千百五十、東京急行が三百五十でございます。  収支の状況を申し上げます。占用許可をいただきましたのが三十二年でございますが、開業いたしましたのは三十三年九月でございます。それで、三十三年度は一千六十六万の赤字でございます。それから三十四年度は六百七十九万五千円の赤字でございます。それから三十五年度は千八百二十三万九千円の黒字でございますが、従来の赤字を消しまして、次期に三十五万円ばかり赤字を繰り越しております。それから三十六年度は納税後百九万八千円、三十七年度は二十六万六千円、三十八年度は三百九十五万五千円の黒字でございます。ただし営業だけのことを考えますと、従来ずっと赤字でございます。営業外費用、これは主として会員の異動による手数料その他でございます。これによって赤字をカバーしているような事情でございます。
  130. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで最近の利用状況なり利用人員はどうですか。
  131. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 年度別に申し上げます。  三十三年度は一万一千四百三人、一日当たり六十一名。これは途中で開業いたしましたので、営業日数は百八十六日でございます。三十四年度は三万七千六百二十四人、一日平均百九人、三十五年度は五万五百十四名、一日百三十八名でございます。三十六年度は四万二千四百十九名、一日平均百十七名、三十七年度は三万八千六百九名、一日平均百六名、三十八年度は四万二千八百七十七名、一日百十八名、三十九年度は四万二千五十一名、一日百十六名。  以上でございます。
  132. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それで、これは株主といいますか入会金というのですか、それと、それから現在の会員権の取引値段というのですか、そういう点はどうなんです。
  133. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 お答え申し上げます。  現在のいわゆる株価と申しますか、私ども直接そういうあっせんもいたしませんし、取り次ぎもいたしません。当事者間で話し合いをしていただいておりますのは、聞くところによりますと二十万程度あるいはそれ以上の価値がしているように承っております。それから毎年百名あるいはそれ前後の株主の異動がございます。  以上でございます。
  134. 勝澤芳雄

    勝澤委員 入会金は一番最初は幾らでした。
  135. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 一番初めの入会金は株価額面の七万五千円でございます。現在も私どもの取り扱いといたしましては七万五千円となっております。
  136. 勝澤芳雄

    勝澤委員 ゴルフをやったことがない者がゴルフの話を聞いているのですからわかりにくいと思いますが、あそこは年間水をかぶって営業を休止するようなときがありますか。
  137. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 私あそこを担当いたしましたのは三十六年二月からでございます。それ以前、三十三年開業して早々半月もたたないうちに非常な水害をこうむりました。それから三十五年にも非常に水害をこうむりまして、一週間あるいは長いときば約半月以上も営業を停止いたしました。私が参りましてからわりあい冠水が少のうございまして、年に二、三回水をかぶることがございますが、そのあと掃除に一日ないし二日要する程度でございまして、長期間休んだことはございません。
  138. 勝澤芳雄

    勝澤委員 結局支配人がおかわりになったので水をかぶる率が少なくなった。そこであの辺は現在地価といいますか値段は坪どれくらいするものでございましょうか。
  139. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 お答え申し上げます。  あの堤防のすぐ外に私どもの会社の土地がございます。そのまわりは、現在、水道はございませんが、聞くところによりますと、七万円ないし八万円する、こういうように承知いたしております。
  140. 勝澤芳雄

    勝澤委員 いま河川敷のあのゴルフ場をつくるとすると、大体土地は坪どれくらいかかるものですか。
  141. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 お答えします。  御承知のとおり、東京都心から非常に近いところでございますし、現実には相当な坪数を要しますゴルフ場をあの付近につくるということは考えられません。ただ、私どもこれから、もしあそこの占用が取り消しになり、なるべく近いところにゴルフ場をつくると考えますと、十八ホールつくりますのに最小限度二十億あるいはそれ以上の金が要るんじゃないか、こういうように考えます。
  142. 勝澤芳雄

    勝澤委員 あのゴルフ場は、そうすると二十億くらいの価値があるものなんですね。どうなんですか。
  143. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 それは御承知かもわかりませんが、ゴルフ場の全体の長さと申しますかヤードと申しますか、これが常識的に六千五百ヤードないし七千ヤードがいわゆる一級コース、一流コースといわれるものじゃないかと思います。私どものほうは地積の関係でそれが非常に少のうございます。約五千九百ヤード、一番長いコースに比べますと一千ヤード以上の開きがございます。それで直ちに、りっぱなゴルフ場をつくったら二十億かかる、これを玉川に換算して二十億だ、こういうことには考えられない。私のほうは一流コースに比べますと変化もございません。平らな河川敷でありまして、一流コースに比べますとやや興味が薄い。それで一般コースをつくった価値と同じように考えるということは間違いじゃないか、こう考えます。
  144. 勝澤芳雄

    勝澤委員 いまああいう程度のものをつくろうとすると二十億ぐらいまではかかる、それよりもうちょっと安いかもしれぬ、こういうお話なんですね。  そこで、次に、これは聞いても当然だというのでしょうけれども、一応これは聞いておかなければいけませんけれども、今度道路公団なりあるいは国鉄なりが補償いたしましたね。その場合に、この改造工事の改造費なり営業補償金は、あなたのほうでは妥当のものと思っているのでしょうけれども、この補償金について、どうお考えになりますか。
  145. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 工事改造費といたしまして二千八百六十一万円いただきました。これは、やはりそれと同等額かかりまして、当然妥当な額をいただいたと存じております。ただ、営業補償につきましては、私の考えでは、大体三カ月間の工事期間を考えまして、それに対する補償を要求いたしました。実際には相当長期間影響をこうむりました。数字で申し上げますと、十一月から工事を始めまして、工事が終わりましても、芝の定着期間その他ゴルフができるような状態になるのが、これが八月の十五日で終わりまして、八月の十六日から新しい改造後のコースを使用いたしました。その間、人員におきまして、前年に比べまして二八・八%減少いたしました。収入面におきましては三三・八%減少を来たした。私は営業補償料は決して多額ではなかった、こういうように考えます。
  146. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで一年の占用許可ということになっておるわけですね。一年の占用許可ということになっておるけれども、実際は相当期間だということは、いま建設省なりあるいは神奈川県、東京都が認めておるわけでありますが、ゴルフ場をいまあなたのところに占用さしているわけでありますが、いまの占用期間というものを、かりに補償金なしで許可を継続しないということにするならば、どれぐらいの期間考えられたら、あなたのほうは補償金なしでけっこうですと、お返しをするようになるでしょうか。
  147. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 お答え申し上げます。  詳しい計算はここで直ちにできかねるのでございますが、私どもの所有いたしております財産を処分いたしましてなおかつ残った金に、ある程度の補償をいただきまして、株主の七万五千円と出資額だけは補償しなければならぬと考えます。その他あるいは従業員の生活の問題も考える。現在の利益金は、開業いたしましてことしの九月でまる七年になりますが、積算いたしましてわずか五百万程度でございます。それから考えてみますと、相当長期間猶予いただくというように考えております。
  148. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうしますと、きのうもお話がありましたけれども、たとえば従業員の問題、それから株主等の問題をいろいろ考えますと、相当長期になったとしても補償金というものはある程度考えてもらわなければ困る、こういうお考えなのですか、あるいはやはり時期がきたらしかたがないというようにお考えなんですか、そこら辺どうですか。言いにくいことですけれども、お気持ちをよく聞いておきたい。
  149. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 ちょっとお答え——いろいろ相談いたしませんと、私一存では御答弁いたしかねます。
  150. 神近市子

    ○神近委員 関連。いまのゴルフ場のことですけれども、私いろいろ問題を持っていたのですけれども、新河川法が出てきたし、それできょうは質問をやめようと思うのですけれども、きのう、一日あそこで遊ぶためには千五百円とおっしゃったですね。会員は別でありますけれども、一日の収入が千五百円としても一万七千七百円ぐらいになります。一カ月になると、これは千五百円として換算して五十三万、これを収入の基本的なものとすれば、ほかの収入は株券の譲渡で収入があるとおっしゃったのですけれども、あそこで遊ぶ人たちの費用のほかに何か収入の、たとえば食堂とか車とかというふうなものがあるのですか。
  151. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 いまの千五百円は何かお考え違いかと思います。私のほうは、この問題が起きました当時、税金を除きまして一名、ビジタースフィーと申しますが、千三百円、現在は千七百円、そのほかにバッグをかつぎますキャディ、これの費用もいただきます。それから食堂その他の売店、これから多少の利益を得ております。
  152. 神近市子

    ○神近委員 そういうものを合わせて大体月にどのぐらい・・。
  153. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 いわゆる営業収入は大体九百万前後と考えます。
  154. 神近市子

    ○神近委員 いま補償の問題や何かで、これは終戦後河川敷なんというものは——河川なんというものが利潤を産むということはいままで想像されていない。渡しくらいなものでしょう、河川が金をもうけるということは。そういうようなところから出発してきて、終戦後のいろいろの情勢の変化でこういうことになったと思うのですけれども、あなた方は、これは企業として考えられたものであるか、それとも金持ち階級の一つの娯楽的な、なるべく安く遊ぼうじゃないかというような一つの公共的な性質のもので考えられたのか、どっちですか。
  155. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 お答え申し上げます。私どもは一応企業として考えております。  それから特殊な金持ちだけにやらせる、こういう御質問がございましたが、私どもは会員のあいています許す範囲で一般の人間を歓迎いたしております。
  156. 神近市子

    ○神近委員 これが今日できたものとして、国民の遊び場としてこれを考え直さなくちゃならぬというところに、ここの問題が出てきているわけなんです。建設省は、最初企業としてこれをお考えになったのか、あるいはいまわれわれが考えているように国民の健康あるいは体力増進のため、どっちをおもに考えていらっしゃいますか。
  157. 上田稔

    ○上田政府委員 お答え申し上げます。建設省といたしましてはゴルフ場にも二つの種類があるように思っておりますが、たとえば東京都で区が借りられまして、そしてそれをゴルフ場に、つまり運動場の一部分としてゴルフ場におやりになっておる部分もございますのですが、こういうものはやはり国恥体育の向上という面が非常に大きく出ておるんじゃなかろうか。それからいまの玉川ゴルフ場でございますが、これはいま企業というふうにお聞きをいたしましたが、それでございますと、そういう面が相当多く出ておるんじゃなかろうか、こういうふうに思います。しかし私ども最初考えましたときには——最初といいましても最初のときは私もあまり詳しくわかりませんが、ゴルフ場というものが川原に許されておるという状態を聞いておりましたときにおきましては、ゴルフ場というものは非常に中堅階級の人たち、特に金持ちの人は山のゴルフへ行って、先ほど非常に興味しんしんであると言われたのですが、そういうところにおいでになりますが、中堅の方々にとってはそういうところにも行けない。したがって、そういう人たちの体育向上にも非常に役に立っておるんじゃなかろうか、こういうふうに考えておりました。
  158. 神近市子

    ○神近委員 そこのところをやはりよほどはっきりとお考えになっていなければならなかったと思うのです。私は、今度これを国民に返すという場合、国民の娯楽としてもある程度これは許してもいいというふうに考えます。けれども、ただ、いま何年かかれば取り戻せるかということが問題になっているわけですけれども、きのうゴルフ場のお話で百四十五人の従業員がある。それの処理も考えなければならないというようなことでしたけれども、これをゴルフ場として継承すればこの百四十五人の人はそのまま継承できるというふうなことも考えられるし、ただ私有権を非常にはっきりと溜めていられたとすれば、その点が非常に問題になると思うのですけれども、私は、これは考え方によって、たとえば五年なら五年あるいは七年なら七年というものは、いまのごく少数の、一日にあれを利用する人は百五、六十人。そんなものでなくて、もっとたくさんの人があすこでこれを利用することができるようにして、一時は入場料もかなりのものを取る。そしてだんだんと安いものにしていくというふうなことが考えられないでもないと思うのです。新河川法のことは、私うっかりして知らなかったのですけれども道路公団なんかのお金の払い方がここの問題になったのですけれども、旧河川法ではほとんど払わなくてもいいような、三十二条にちゃんと出ていると思うのです。新河川法でお払いになったということで、何かおかしいような感じがした。新河川法というものはこの補償を出すためにできたのじゃないかというふうな感じがするのですけれども、ともかくもそういうようなことを総合的に考えて、ここの問題は、どうしてこれを国民のものにするかということが問題だと思うのです。そういう意味でいろいろな方策が考えられる。大体基本的にほんとうにこれを国民のものにするつもりなのか、それとも補償がたいへん大きな金で何とも予算から出せないというお考えなのか、それはどういうふうに考えて事に当たっておられますか。
  159. 上田稔

    ○上田政府委員 お答え申し上げます。先日建設大臣からお答えを申し上げましたのでございますが、河川敷というものにつきましては、なるべく国民大衆に開放していこうではないか、こういう方向検討していきたい、こういうことでございました。しかし、その補償は払わない方向において考えていきたい。しかし、それには先ほど道路公団の場合にも御説明を申し上げましたように、いますぐにその取り消しをする、取り消しをすることはできますが、その場合には補償をしなければいけないということになりますので、その辺をどれだけの投資がされておってどうであるからどういうふうにすればいいかということを目下検討いたしておるところでございます。それから国民広場にする場合にも、橋の前後というものは非常に一般大衆が来るわけでございますが、離れますと現在においても利用者が少なくて、しかもいまのゴルフ場のような状態維持しようとすると非常に金がかかるというようなこともありますので、その辺もあわせ考えていきたい、こういうふうに考えております。
  160. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それでは高洲さんにもうちょっとお尋ねをいたしますが、いまかりにあなたのやっているようなゴルフ場をつくるといたしますと、そういうゴルフ場をつくった場合、会員となるにはどれくらいの料金になるのですか。いま二十万——あなたのところで十万取られておるが、三十万くらいで売買されているということですが、あれが河川敷でなくて民有地だったらどれくらいのものになりますか。
  161. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 先ほど申し上げましたとおり、ゴルフ場の工嘉賓において大体入会金も算定されるのではないかと考えます。一般常識的には七十万あるいは百万程度の入会金を取ってもなおかつ工事費をまかない切れないのではないかと考えております。
  162. 勝澤芳雄

    勝澤委員 あれが河川敷だから安い、民有地だったら二倍、三倍くらいの料金になる、こういうことですか。
  163. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 お答え申し上げます。私ども河川敷で工事をします場合に、耕作者の離作料のために約三千何百払いました。それ以外には工事費だけでございます。これからゴルフ場をつくるといたしまして、交通便利で、企業として成り立つ範囲内で敷地を求めますと、坪一万円前後かかる。そうしますと、大体十八ホールつくるのに、一ホール一万坪と考えていただけばできるのではないか。それと付帯施設として練習場あるいはクラブ・ハウス、それから今日非常に人的資源が不足しておりますので、従業員の宿舎ということを考えますと、大体二十万、そうすると土地だけで約二十億、そのほかに一ホールつくりますのに、私、事務屋でございましてよくわかりませんが三億ないし四億かかるのではないかと考えます。
  164. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうしますと、あなたのところに会員になれば安いけれども、ほかのところになれば高いといえば、結局あなたのところの会員になること自体が大きな利益を生んでいると思うのですよ。そこでこの間建設大臣にお願いいたしましたら、建設省でここに会員になっている名簿を大臣お出しになったようでありますが、神奈川県の県の関係者もだいぶお入りになっているといううわさを聞いているのですが、どれくらい入っておられますか。おわかりになりますか。
  165. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 お答え申し上げます。現在はほとんどおられないのじゃないか、退職されてほかの会社にお入りになりまして、現在来ておられる方はございますが、現在は、私、はっきりしたことは申し上げかねますが、おられないのじゃないかと考えております。
  166. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それじゃ逆にいうと、だいぶもうけられて断わられたということになるような気がいたしますが、発足当時のことですから、またあとでお聞きすることにいたしまして——発足当時のことはおわかりにならないわけですね。
  167. 高洲政蔵

    ○高洲参考人 私、ほかのゴルフ場におりましたので、よく存じません。
  168. 勝澤芳雄

    勝澤委員 別の機会にお聞きいたします。それでは次に会計検査院に御質問いたしますが、普通財産に対する貸し付けた場合の補償というのは、貸し付け期間中のものは契約解除するときには補償ができるようでありますが、満期の場合はどうするかという点がよくわからないのですが、国有財産法の場合、普通財産の場合の取り扱いはどうなっておりますか。
  169. 小原剛

    ○小原会計検査院説明員 普通財産につきましては、期間満了の際には補償はないと考えております。
  170. 勝澤芳雄

    勝澤委員 期間満了のときには補償がない、それから貸し付け期間中の契約解除には補償の要求が出たら、この場合会計検査院の審査に付す、こうなっているようであります。これはどういうやり方を行なっておりますか。
  171. 小原剛

    ○小原会計検査院説明員 一般論といたしましては、貸し付け期間の定めがございますので、契約の解除の時期によりまして残存の期間の長短によりまして補償額が定められるということになっております。
  172. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そういたしますと、普通財産においては貸し付けができる。だからその場合においては貸し付けした場合には期間中については補償をし、満期の場合は補償をしない。こういうことが明確になっておるわけでありますが、行政財産は貸し付けができない。貸し付けができないから占用許可、使用許可を与えておる。使用期間が満了したときに補償をする。旧河川法では占用期間が満了したときには規定がないわけでありますが、この行政財産の占用の許可の場合に、許可中に補償をする場合、これは逆にいいますと、許可中に取り消すことは必要ないわけですからね。一年ごとの占用許可ということになっておると、この場合は占用が満期になった場合は、いまの法律の上から、あるいはいまの判例の上からどういうふうにお考えになっておるか。建設省としてはいろいろ説明されておりますけれども、会計検査院としてはどうお考えになりますか。
  173. 小原剛

    ○小原会計検査院説明員 お話のございましたように、旧法時代におきましては、新法のような規定がございません。それで河川法にはございませんが、私たちの一応の考えといたしましては、河川法を受けておりまして河川管理者が河川管理のためにつくられる条例がございます。したがって河川法を受けたそういった河川管理者の管理に関する条例によって規律されるのではないかと考えております。
  174. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうするとその条例で補償しないということがきめてあれば補償しなくてもよろしい、こういうことになりますか。その点はどうなりますか。
  175. 小原剛

    ○小原会計検査院説明員 その条例が有効でありますならば、一応筋としてはそういったことになるのではないかと考えます。
  176. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうなりますと、いまあなたはうまいこと条例で逃げてしまったのだけれども、とにかく普通財産と行政財産があって、普通財産は貸し付けてよろしい、一般に公開しましょう、しかし行政財産というものはいつこちらが使うかわからぬから、貸し付けてはいけない、こういうたてまえで占用許可を与えているわけですね。古川許可を与えているものを、今度は国なり公共団体が取り戻すときに、いま補償金を払っている例が、たとえば国鉄、道路公団とあったわけです。これについては、会計検査院としてはどうお考えになりますか。またこれに対して相談があったのですか。
  177. 小原剛

    ○小原会計検査院説明員 別に逃げたわけじゃございませんで、実際をお話ししたのですが、先ほどからいろいろお話がございましたが、私たちといたしましては、一応河川は公共財産でございまして、本来公共の用に供することを目的としている。したがって、これを一時使用させる場合におきましても、先ほどお話がございましたうに、われわれそこに財産権的なものが生ずるというような考えはいかがかと考えております。したがって、もともとが、公共財産でありまして、公共の用に供する、その用途を妨げない範囲において、一時他に使用を許可した場合に、公共の用が生じたならば当然取り戻すことができると考えております。
  178. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで、いま私もあなたと同じ見解を持つのですが、公共財産でありながら、公共の用に供するときに財産権が生じたとして補償をしている現況について、これはやはり検査院としてはもう少し検討をして、指導しなければならぬと思うのでありますが、そういう点はいかかでしょうか。
  179. 小原剛

    ○小原会計検査院説明員 本件の具体的な補償をされましたのは道路公団でありまして、そちらのほうの補償のほうの関係は私たち三局で扱ってはおりませんで、これは五局でございまして、したがいまして本件の具体的な補償の当否ということになりますと、私たちちょっと申し上げかねますが、われわれの立場で考えますと、河川法の場で本件が処理されないで、したがって河川法の場で処理されたならば、今度のようなことと同じことが起こったかどうかということについては疑問を持っております。
  180. 勝澤芳雄

    勝澤委員 だから、どうも局長じゃまずいので、院長を呼ばなければだめだ。  そこで、それじゃ、会計検査院としての考え方は、公共財産だから当然公共の用に供する場合は、これは補償すべきでなくて、財産権が生じているということについては、いかがかと思うという説明がありましたから、それでわかりました。  そこで、今度は新河川法の七十六条に、「通常生ずべき損失を補償しなければならない。」こう書いてある。通常生ずべき損失の補償というのは具体的に検査院としてはどういうふうに御解釈になりますか。
  181. 小原剛

    ○小原会計検査院説明員 新法がまだ施行されたばかりでございまして、私たちとしても今後検討しなければならぬ問題かと思っておりますが、現在のところまだどの範囲までが通常生ずべき損害と見るべきものか、確信のあるお答えはできません。
  182. 勝澤芳雄

    勝澤委員 しかし、検査院がそういうお気持ちですけれども、実際の、行政的には、建設省は、先ほどから説明されておる見解をもって補償を考えておるわけでありますから、これは重大な問題であります。もし、そのまま行なわれたなら重大な国損を生ずるわけでありますから、やはりこれについては解釈をはっきりしていただきたいと思います。次の機会にそれはお聞きしたいと思います。  そこで、最後に、私ちょっと申し上げましたが、占用許可について、いま、会計検査院としての考え方はよくわかりました。会計検査院としては、行政財産だから、公共の目的に使うために占用許可をしておるのだ。だから、財産権が生じないのだから、そういう中で補償というものは考えられない、こういうことはわかりましたが、しかし、占用許可といっても、実際の取り扱いは、許可解除の場合においては損失補償をしなければならぬ、こういうように考えられておるわけですね。そうすると、国有財産の中の普通財産の貸し付けよりも占用許可のほうが得だということになるわけですね。貸し付けされるときは、満期のときには補償金はもらえないけれども、占用許可なら満期のときでも、とにかくもらえるということになると、私は、これは占用許可料金が一平米三円、坪九円なんというのは不当な貸し付けだと思う。ましてや、この会員になることが、先ほどのお話ですと、安く見積もって大体七、八十万でなければなれないやつが、 いまでも三十万でなれる、こういうことになると特定な人のために国の行政財産が使われているということになると思うのです。そうとするならば、これはいまあなたのほうが特に営林署なんかよりも貸し付けが安いと言われる。適正な値段に上げて、そして特定な人だけがやるんだったら、やはり国民の財産ですから、世間並みの金を払ってもらって、税金を納めてもらって、それでなければこれは不公平だと思うのです。公平ではないと思うのです。これへ入る人は利益を縛るけれども、入らない人は不利益だ。入る人は何かというと、私がこの間から言っているように、神奈川県の、許可をした人が入っておるかわかりませんけれども、たとえばこういう人たちが入っておるならば、これはたいへんなことだと思うのです。あの落成式にはなかなかにぎやかな人たちが行ったということで、これは五反田のボーリングセンターみたいに藤山さん、江崎さんがだまされて行ったか、ほんとうに行ったかわかりませんけれども、そういう人もあるんです。役人で結局知らなくて行った人もあるでしょう。ですから、そういうことになっておるとするならば、私は料金の問題についても幸い建設省検討されるというのでありますから、いま、三円が一平米六円になったなんという話を聞きましたけれども、これは世間並みのものにしてもらわなければ納得できないですよ。もし検査院のような解釈になるならば、これは財産権が生じないのだ、公共目的のために使う場合においては補償すべきではないということを明確に私は勧告し、あるいは是正意見として検査院の態度を明確にしてもらいたいと思うのですが、その両方の問題についてはどうですか。
  183. 小原剛

    ○小原会計検査院説明員 補償の問題が生じないと私申し上げた覚えはないのですが、先ほど申し上げましたのは、本来、公共財産でございまして、公共用途に供することが本来の財産でございますから、したがって用途を妨げない範囲において一時承認した場合においても、公共の利益が生じた場合においては自由に取り戻すことができるということを申し上げたわけでございます。  それから料金の場合でございますが、ああいった利用価値を持つ財産に現在はなっておるわけでございます。その場合に、河川敷の使用料をとります場合に、いま問題になりました使用許可を受けたものにいかなる権利あるいは立場が発生するのかということが料金に大きく響くのではないかと考えております。それから本件の具体的な三円ですか、これの当否につきましては、実はわれわれ、河川敷の使用料が公共団体によって決定され、その収入が公共団体の収入になるといったような関係からして十分調査いたしておりません。今後は建設省の直轄の管理になるものも新法によって出てくるわけでございまして、これは十分検討しなければいかぬと思います。いま申しましたように、料金はそういった使用許可を受けたものの立場がどうなるかということ、それから本件、具体的な場合に、使用承認の時点においてあの現場の姿が一体どのようであったかということが基本になると思いますが、そういった当時の姿というものがどのようなものであったか、私実は存じませんので、明確にお答えできかねるのであります。
  184. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この川原の荒れ地の枯ススキみたいなところがああいう緑の芝生になり、それがまた、時の要請によって、指導によってなされてきたということはよくわかります。しかし、今日の時点になって見ますと、やはり事情が変わってきたわけでありますから、事情が変わった方向に問題を解決しなければならぬわけです。したがって、体育振興に関する特別委員会におきましても、河川敷地の利用について要望書が委員会の決議としてなされているのでありますし、決算委員会といたしましても現地まで見せていただき、また、参考人の皆さんからも現状について忌憚のないお話を聞きました。したがいまして、私は、次の機会に建設大臣あるいは会計検査院長も、いま、明確になっていない部分についてお聞きしたいと思いますので、そういう点を次の機会にまた質問いたすことにいたしまして、私の質問はこれでおいておきます。
  185. 福井勇

  186. 本島百合子

    本島委員 参考人の方々、時間が長くなって恐縮でございますが、簡単に問題点だけを御質問いたしますので、御答弁のほうも簡潔に要領よく御答弁願いたいと思います。  実は、多摩川のこのゴルフ場問題というものは、住民にとって非常な驚きであったわけです。と申しますことは、あの地域一帯に、特に城南地区におきましては、子供の遊園地や、あるいは町球場、こういうものがございません。どこを借りても金を払わなければなりませんので、できるだけ、そういう子供のための施設、また野球場等に開放してもらいたい、こういう要望が地元から強く出ておったわけです。ところが、そういう問題のときにはなかなか許可は得られない。そしてたとえば、自動車学校だとかゴルフ場だとかいうような場合には、さっと許可されていった、こういうことで、私ども地元としては非常に憤慨をしておったわけでありますが、過日も、建設省は鉄筋のすばらしい住宅を建てるというように新聞に出ましたときに、地元の人は非常に憤慨にたえないということで、国に対してもその取りやめ方を要望したくらいであります。こういういきさつがある地域でありますだけに、私は東京都と建設省にまずもってお尋ねいたします。東京都の場合、キティー台風が参りましたときに、河川敷内におけるいろいろの問題があったわけです。そのときに、大体河川敷内におけるいろいろの施設は許可しない方針だということを打ち立てたわけです。その以後、私、都会議員のときでしたが、三十年ころからぼつぼつこういう問題が起こったということに御答弁になったわけですが、実は、河川敷内における、たとえば家を建てる、材料置き場に半年でもいいから貸してくれ、こういう申請をしたときにはなかなか許可しない。それでいながら、こういう恒久的な施設になりますとちゃんと許可されてきた。そこで、いま、先ほどから繰り返されておりますところの財産権の問題という、補償の対象になるかならないか、こういう問題が生じてまいったわけです。したがって、こういう点について、全国至るところ、東京にならったような状況に河川は置かれておりますが、建設省は一本、この河川敷内におけるいろいろの施設についてどういう考え方をもって指導されたか。東京都はまた、許可、認可をされるに当たってはどういう考え方に立たれたか。先ほどから言われておるように、児童のため健康な娯楽施設ということで、大体野球場だとか子供の遊び場に限定しますということをかつて言っておったのです。それがこんなにも変貌してまいったその第一の理由は、どういうところにあるのかを御答弁願いたいと思います。
  187. 上田稔

    ○上田政府委員 お答え申し上げます。  まず第一点の材料置き場等に河川敷をなぜ貸さないのかということでございますが、これは材料置き場にいたしますと、それが洪水のときに流失をいたしまして、下流のほうの橋にあたり、あるいはまたそこのところが非常に深掘れを起こしたりいたしますので、そういう点で望ましくない。しかも一時的の河川工事用の置き場でございますと、これはやむを得ないものでございますが、民間のものでございますと、長期におお置きになりますし、そういうことで、のけろと言ってもなかなかのけてもらえないというようなこともありまして、そういう材料置き場には不適当である、河川敷というものは河川の流水の疎通に害のあるものはいけないという考え方で、そういうものに対してはなるべく許可しないという方針をとっております。  それから、河川敷地内に以前農耕地を許しておったではないか、それをなるべく減少するようにしたのはどういうことかということでございますが、農耕地にいたしますと、どうしても河川敷の中を耕される。耕すということは、結局上の土が非常にやわらかくなって、流水が上を流れますと掘れてくる、そういうことが起こりまして、流心といいますか、一番勢いの強いところが変わってくるというようなことになって、堤防をこわすおそれもあるので、それはなるべく堤防に近いようなところはやめさそうじゃないかという方針をとりまして、また護岸に近いところはやめさそうじゃないかということで、そういう方針をとってきたわけでございます。  河川敷をゴルフ場に許可したのは一体どういうことで許可したのだろうかということでございますが、実はその当時私ももっと下におりましたので、大きな方針というものは聞いたのでございますが、ゴルフ場になりますと、ああいうふうに芝を非常に植えられる。川原におきましては、芝というのが背たけといいますか、それも一番伸びませんし、河川の流水の流下に対しても一番いいものであるという点において、そういうゴルフ場はいいんじゃなかろうか、こういうことになったのではないか、こういうふうに聞いております。  それから、今後はそれではどうするか、野球場なんかはどうかということでございますが、野球場なんかもやはり水の勢いというものを考えていかなければなりません。ただし東京都内においてはそういう心配はあまりないようでございますが、全国的に考えますと、そういうことは考えなければいけませんが、たとえば荒川の下流、こういうものについては、できるだけそういうものはつくっていただくようなことに前はなっておったのではないか。したがって、現在許可しておりますうちで、野球場なんかは非常にその数が多いように考えております。  それから、今後はどうするかということでございますが、国民広場にしようじゃないか、東京都内が非常にあき地がなくなってまいりまして、国民体育上どうしてもこれは困るということで、国会のほうでもその委員会をおつくりになって御要望が出ております。建設大臣も先日お答えを申し上げましたが、そういう趣旨に沿ってひとつ検討をしていこうじゃないか。しかしながら、いままでに許可をしたものがございますし、先ほど会計検査院のほうでお答えになったとおり、やめさせることはすぐにもできますが、それに対する補償という問題はやはり残ってくるわけでございます。その補償という問題が非常に大きいと、結局そういう国民体育のために広場をつくろうとしても、非常に金が要るということにも相なりますので、その辺を十分に検討をしていきたい、そうして国民がお使いになる度合いというもの、また場所というもの、そういうものも検討して計画的にやっていきたい、こういうことで目下検討をいたしておるところでございます。
  188. 本島百合子

    本島委員 東京都から御答弁ないようですから、いま建設省が申された程度で了解いたしますが、いま言われたようなことは、東京都の場合受けて立っておったはずなんです。ところが最近それがこわされて、非常に私どもも驚くようなものがちょくちょくできておる、こういう状態になっておるのです。ですから、これは先ほど御質問があったように、東京都は、零細的な企業だとか、あるいはまたいま言ったように、ちょっとかりに材料を置きたいから貸してくれというような場合には貸さない。しかし大資本を投じてやる者にはこれはいいんだ、この理屈が私どもにどうしてもわからないものですから、最近多摩川問題は非常にやかましくなっておるわけなんです。それだけに住民も目ざめてまいったということが言えるわけですが、これは多摩川ばかりではなくて、あらゆる東京都内の河川の問題へかかってくるわけです。そこで一年更新だということをさっきから言っておられましたが、一年更新になっておらないところがかなりあるわけです。こういうのは東京都としてはどういう見込みでお貸しになったのか。そしてたとえば補償の対象になるかならないかという観点に立った場合に、どういうふうに措置をされてきたか。  もう一つ国鉄側にお尋ねいたしますが、今回なされます問題の中に旧多摩川の経路があったわけですが、現在りっぱな町になっておるのです。大体町をはずして河川の上という御計画のように聞いておりますが、しかしもとの河川敷地域とかなんとかいう名前でかなり人家が立て込んできております。こういうところに対する補償ということは一体どうなさるのか。こういう点については東京都はどういうふうに考えておられるか。もちろんはずして河川の上だけ走られるものならばこれは別ですが、たぶんひっかかるということを住民が言っておりますが、そういう場合どういうふうになさるのか、この際明確にお聞きしておきたいと思います。
  189. 鈴木俊一

    ○鈴木参考人 東京都の河川敷の管理の従来のやり力につきましての御批判でございます。また今後どうするかという御批判でございますが、従来、御指摘のように、先ほどまた申し上げましたように、特定の会社、工場等の運動場として許したものが相当ございます。しかしここ数年のところでは、新しくかようなものを認めた例はございません。またゴルフ場にぜひ使いたいということを二、三の事業主体から申し出がございましたこともここ二、三年来ございますけれども、これも一切認めていないのでございます。大体先ほど勝津委員の御質問の際に申し上げたように、都の方針を昨年の九月二十九日に四項目にわたって明確にいたしまして、今回政府がいろいろ仕事をしておられます、また国会でもいろいろ御論議になっております、国民広場的な、都民広場的な運動場、健康増進のために何人でも利用できるものになるべく持っていきたい、こういう考え方は昨年の九月都としてはすでに明確に打ち出したつもりでございますが、その以前におきましても、基本的にはかような考え方で、その方式に反するようなものはこれを許可しない、こういうような実際上の取り扱いをしておったのでございますが、これをさらに庁議で明確に決定いたしまして、都の方針として今後河川敷はかような方針で管理していこうというようなことにいたしたわけでございます。  また一年更新というのを、さような特定の会社、工場等に貸しておりますものにやらないで、さらに長期にわたって認めておるのではないかというような意味の御質問でございましたが、これはいずれも一年更新の方式をとっておると思います。先ほど申し上げましたような橋梁でございますとか、あるいは水道の管を通すための施設でございますとか、そういうようなものにつきましては、五年、十年あるいは二十年というようなものもございますが、一般の占用を許しておりまするものにつきましては、一年更新という原則をとっております。
  190. 仁杉巌

    ○仁杉説明員 先ほどの御質問の趣旨がちょっとよくわかりかねたのですが、内容は、国鉄でございましょうか。
  191. 本島百合子

    本島委員 あそこは国鉄のほうの関係のものができると聞いております。そうしてもう一つは、多摩川から河川敷地域に入る地域のほうで、道路ができるということをいっておるようです。その場合に、何といいますか、現在、その土手の内側の問題ではなくて、旧土手があるのです。昔の土手で、現在役に立っていないのですが、土手がちゃんと残っていて、これをこわすことができないのです。そのために、もう民家が二百軒くらい密集した広い地域もあるのですが、そういう場合に、その地域をはずすのか、そこを通るとするならば補償はどうしてくれるのか、こういうことを地元の者が言っておるのですが、どういう関係になるのか。名目は河川敷地域、こうなっておるのです。そういう名前で銘打ってあるので何もすることができない。たとえば、水道も引くことができない。ガスも、もちろん入れられない。下水も流すことができない。そこで、全部吸い込み式になっているのです。文化という程度から取り残されて、非常に取り締まり上やかましく言われる。それでいながら一つの町ができ上がっているのです。こういう地域を通ろうとしている問題が一つ。それに対して、もしそれにかかる場合の補償というものはどういうふうに考えられるか。  それからもう一つは、建設省東京都、どちらでもよろしゅうございますが、現在りっぱな町ができておるにかかわらず、下水道もつくってやらない。そうしてガス、水道も入れてやらない。将来これはどういうふうになさる気であるのか。これは、どっちかにきめなければ、あそこに住まう人たちは下水もできなければ——吸い込みで、井戸水というものがいまよくないので、疫痢が起こればそれにかかるという危険もあるということで、そういう点で国のほう、あるいは東京都に陳情しておるという地域があるわけなんです。そういう点についてどういうふうにお考えになっておるのか。こういう地域はほうぼうにあるはずです。ですから、目下調査中だということで延ばされていくということは、人の生活の上に問題が起こってくるところでございますから、こういう点、ひとつ建設省なり東京都にしても、早い機会に何とかけりをつけていただかなければいけないじゃないか。両方お尋ねします。
  192. 鈴木俊一

    ○鈴木参考人 たいへん具体的な問題でございまして、いまの河川敷内でございますか。いまの河川の堤外の土手で、そこに住宅ができておる場合の水道、下水道の処理の問題でございますか、その辺・・。
  193. 本島百合子

    本島委員 片の多摩川の土手を越えて現在住宅地域と密着しているところも河川敷地域、こういう銘を打たれて何もできないわけなんです。ですから、そういうふうな状態に今日置かれている場所がちょこちょこあるのです。そういうものに対してどうなさるのか。
  194. 鈴木俊一

    ○鈴木参考人 ちょっとよく調査をいたしました上でございませんと的確なことは申し上げられませんが、もしそれが建築確認をせられました正当な建築でございますならば、もちろんいろいろ水道、下水道の問題もあろうと思いますが、なおこの点は具体的に調査をさしていただきまして、また処理をさしていただきたいと思います。
  195. 上田稔

    ○上田政府委員 お答えを申し上げます。  いまの場所は、具体的には多摩川の二子多摩川の付近ではないかと思うのでありますが、その部分でございますと、実は最初建設省がこの多摩川を改修いたしましたときに、二子多摩川のはじの左岸側のところでございますが、非常に人家が密集いたしておりましたのですが、そこに堤防をつくろうとしたのでございますけれども、どうしてもその立ちのきに応ぜられない。ところが、片方は水相手でございますので、そう多くの立ちのきを強制執行するといってもたいへんでございまして、できないものでございますから、水につかってもいいかどうかということを言いましたところが、とにかく、水につかってものかないのだということでおのきにならないので、とりあえず、旧堤を使って堤防ということにいたしておるわけでございます。したがいまして、その地区については、やはり出水のとき、一番大きい出水のときには水が上がってくるということになっておるわけでございます。建設省としては、それじゃ、それをどうするのかということでございますが、これは、やはりお話し合いをして——川の利用の状態も、以前は川べりに家があったわけでございますが、その川べりの家の方が川を利用しておられる状況というものも以前とは形態が変わってきつつありますので、そういう点で川べりにひとつお話をして堤防を持っていきたい、こういうふうに考えております。
  196. 仁杉巌

    ○仁杉説明員 いま、国鉄といたしましては、まあ先のことはよくわかりませんが、二子多摩川の東京都側で何か新しいことをするという計画は具体的にございません。そういう事態になりましたならば、いま建設省東京都から御答弁がございましたが、よく御協議をいたしまして、正式の認可のある建物に対しましては正当なる補償をするということになると思います。具体的には、あの辺にはいま私のほうでは特別な計画はないはずでございます。
  197. 上村健太郎

    上村参考人 道路公団といたしましては、多摩川を越えますのに東海道の道路があるわけでございますが、ちょっとお話しの点と場所が違うようでございまして、何か東急で道路計画しているし、そのことじゃないかと思いますが、またお話を伺いまして調査いたします。
  198. 本島百合子

    本島委員 実は、いまのはっきりおわかりにならない点ですが、地元のほうでは明確にこういうふうに言われました、こう言っているのです。そこで問題になったのが、いま言った河川敷付近地域という、何というか私たちわからなかったのですが、先ほど建設省で答えられたように、片の土手がある。そうして現在もうそう水もやってこない。土手としての価値もない。町はもう二百世帯以上あそこにおるわけなんです。そこの地域以外にもあるわけなんですから、こういうような問題がずっと問題になっておったのでしょうけれども、今回国鉄のほうが入ってくる、それから道路ができるというようなことから急速に問題化してきたのです。そこで、河川敷内のいろいろの問題とはちょっとはずれたかもしれませんが、やはりもと河川であったことは事実なんです。多摩川は非常にあちこち流れておりますので、昔のところが依然として取り残された形になっておるわけですから、早くこれを調査してきちんとやっていただきたい。これは要望でございます。  最後に、砂利の採掘権をめぐっていろいろのうわさが流れております。これは、全国至るところですが、権利を持っている人はたらい回し式でもって、何といいますか、その権利金で生きておる。そうして、現在業者は変わっておる。そういうような話も聞くし、また、橋げたのところは、原則として掘ることはできなくなっておるはずですけれども、これがやられておるのです。まあ、橋げたのところが、水の関係と砂利をとられるということで非常に深くなって危険地域なんということにもなっておるようですが、こういう砂利採掘については、今度の新法でどういうふうな形で取り扱われていくのか、これは建設省にお尋ねします。
  199. 上田稔

    ○上田政府委員 お答え申し上げます。  新河川法によりますと、一級河川におきましては建設大臣が管理をする、二級河川につきましては県知事さんに国の機関としてそれを管理してもらう、こういうことになるわけでございます。その一級河川のうちで指定区間といいましてある地域を指定しました区域、この区域につきましてはその管理というものを知事に委任をするということになるわけでございますが、そお一部分を——その一部分といいますのは、たとえば大きな水利権というものは一元的に水系一貫して大臣が行なう。しかしいま先生からお話がありました砂利の問題であるとか、あるいはまた高水敷の占用の問題であるとか、そういったような問題は知事さんに扱っていただく、こういことになるわけでございます。それで現在直轄区間といたしまして工事をやっております区間、それにもう少しで告示をいたしますからそれでははっきりいたしますが。告示をいたしております区間につきましては建設大臣が直接にやる。これは結局国において高水敷の占用とか、あるいはま砂利の採取というものを行なうことになるわけでございます。その砂利の採取でございますが、多摩川の場合におきますと、二子玉川よりもずっと上流の万年橋というのでございますか、ずっと上流のところまで砂利の禁止をいたしておりまして許可はいたしておりません。それから荒川につきましても東京都の区域内はたしか禁止区域にいたしております。江戸川につきましては制限をいたしております。そういうことで盗掘以外には荒川、多摩川の大部分、東京都内の分でございますが、それについては採取を許可しておらないというのが実情でございます。  それから橋げたのところが盗掘をされておるというお話でございますが、橋げたの下のところは、どちらかといいますと砂、砂利というものは非常にたまりにくいのでございます。というのは、そういう構造物がありますものですから、構造物の周辺というものはコンクリートその他でできておりますが非常に強くかたい。そのかたいものの周辺の砂というものは深く掘れて流されてしまうというのが通常でございますので、先生がお考えになっておるのはおそらく流水による深掘れではなかろうかというふうに考えられます。
  200. 本島百合子

    本島委員 そうするとこれは規則違反でやみで取っているのかもしれませんが、いま禁止地域だとおっしゃっておる地域でも取られておる事実がございますし、また逆にどろや何か捨てるところがなくて困って河川に捨てておるわけです。そこで河川の管理というものが非常に野放しみたいな感じを与えるわけですが、こういう点について、今後河川の管理ということは十分に考えていただきたい。  それから同時に、先ほど水利権の問題でお話を聞いておりまして感じましたことは、勝澤先生おっしゃったように、これは公共的のものであるから、個人がどのような施設をしようとも許可するほうが間違っておって、許可されておるものが現にあるという場合においても、私どもは、そういうものに立ちのき料だとか補償をかけるということはおそらく矛盾ではないかと思う。それではそういうところで権利を獲律したものが何でも得をしていく。一時河川敷内にそっくりいろいろな建造物とか、または何かの土地に使用するということは、先ほども耕作地でさえも断わったとおっしゃるのですが、その後うんとできておるのです。そういうものたちが権利を主張されてくるということになれば、やはり終戦直後のどさくさのときに占拠した連中が今日ばく大な東京都の補償をもらって移転した、こういうことと少しも変わらないと思う。やはり政治というものは折り目けじめをつけていっていただくことが正しいことだと思う。そういう意味合いから、多摩川ばかりでなくほかの地域にも同じような類似事件があるわけですから、そういうような問題について今後断固早い機会に公共的に使われていくものに切りかえていっていただきたい。そしてなおかつ、いろいろの河川をめぐっていろいろな問題が論議されておるおりからでございますので、そういう点についての管理方法というものも再検討していただきたい。とにかく一朝豪雨でもまいったときにはその付近の者は戦々恐々たるものがある今日でございますので、こういう点を特にお願いして、私参考人の方々に失礼な御質問をしたかと思いますけれども御了解いただきまして、特段の今後の御配慮を願うということで質問を終わらせていただきます。
  201. 福井勇

    福井委員長代理 参考人各位には委員会の調査に御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十六分散会