運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1965-04-13 第48回国会 衆議院 決算委員会 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年四月十三日(火曜日)    午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 壽原 正一君 理事 福井  勇君    理事 勝澤 芳雄君 理事 田原 春次君       小渕 恵三君    武市 恭信君       橋本龍太郎君    藤本 孝雄君       湊  徹郎君    山村治郎君       栗原 俊夫君    山田 長司君       麻生 良方君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 田中 角榮君  出席政府委員         防衛庁事務官         (防衛施設庁労         務部長)    藤本  幹君         総理府事務官         (科学技術庁長         官官房会計課         長)      木戸 四夫君         大蔵事務官         (大臣官房会計         課長)     新保 實生君         大蔵事務官         (主計局次長) 中尾 博之君         大蔵事務官         (国有財産局         長)      江守堅太郎君  委員外出席者         外務事務官         (経済協力局外         務参事官)   吉野 文六君         自治事務官         (消防庁総務課         長)      斎藤 正夫君         会計検査院事務         官         (第一局長)  保川  遜君         専  門  員 池田 孝道君     ————————————— 四月十三日  委員萬田尚登君、小金義照君、根本龍太郎  君、原健三郎君、福田一君、福永健司君及び吉  田賢一辞任につき、その補欠として藤本孝雄  君、湊徹郎君、橋本龍太郎君、山村治郎君、  小渕恵三君、武市恭信君及び麻生良方君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員小渕恵三君、武市恭信君、橋本龍太郎君、  藤本孝雄君、湊徹郎君、山村治郎君及び麻生  良方君辞任につき、その補欠として福田一君、  福永健司君、根本龍太郎君、一萬田尚登君、小  金義照君、原健三郎君及び吉田賢一君が議長の  指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  昭和三十八年度一般会計予備費使用  総調書(その2)  昭和三十八年度特別会計予備費使用  総調書(その2)  昭和三十八年度特別会計予算総則第  十三条に基づく使用調書  昭和三十八年度特別会計予算総則第  十四条に基づく使用調書(その2)  昭和三十八年度特別会計予算総則第  十五条に基づく使用調書承諾を  求めるの件)  昭和三十九年度一般会計予備費使用  総調書(その1)  昭和三十九年度特別会計予備費使用  総調書(その1)  昭和三十九年度特別会計予算総則第  十五条に基づく使用調書(その1)  昭和三十九年度一般会計国庫債務負  担行為調書承諾を求めるの件)      ————◇—————
  2. 堀川恭平

    堀川委員長 これより会議を開きます。  昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件(承諾を求めるの件)、昭和三十九年度一般会計予備費使用調書(その1)外二件(承諾を求めるの件)並びに昭和三十九年度一般会計国庫債務負担行為調書を一括して議題といたします。  昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件については、去る二月一日説明を聴取いたしておりますので、本日は、昭和三十九年度一般会計予備費使用調書(その1)、昭和三十九年度特別会計予備費使用調書(その1)、昭和三十九年度特別会計予算総則第十五条に基づく使用調書(その1)及び昭和三十九年度一般会計国庫債務負担行為調書について、大蔵大臣から説明を求めます。田中大蔵大臣
  3. 田中角榮

    田中国務大臣 ただいま議題となりました昭和三十九年度一般会計予備費使用調書(その1)外二件の事後承諾を求める件につきましてその概要を御説明申し上げます。  まず、昭和三十九年度一般会計予備費につきましては、その予算額は、三百億円であり、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十九年四月二十八日から同年十二月二十二日までの間において使用を決定いたしました金額は、二百三十六億七千百万円余であります。  その内訳は、災害対策として、農業施設災害復旧事業に必要な経費等の五十八件、その他の経費として、皇太子同妃両殿下のメキシコ国御訪問に必要な経費等の二十九件であります。  次に、昭和三十九年度各特別会計予備費につきましては、その予算総額は、千九百九十五億七千六百万円余であり、このうち、昭和三十九年四月十四日から同年十二月二十八日までの間において使用を決定いたしました金額は七百十八億六千六百万円余であります。  その内訳は、  食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米買い入れに必要な経費、同特別会計輸入食糧管理勘定における輸入食糧買い入れ増加に伴い必要な経費農業共済保険特別会計農業勘定における農業共済組合連合会等交付金の支払いに必要な経費道路整備特別会計における道路事業及び街路事業調整に要必な経費治水特別会計治水勘定における河川事業等調整に必要な経費等十一特別会計の二十四件であります。  次に、昭和三十九年度特別会計予算総則第十五条の規定に基づき、昭和三十九年五月二十六日から同年十一月二十日までの間において経費使用を決定いたしましたものは、造幣局特別会計における補助貨幣製造数量増加に必要な経費八億八千二百万円余、オリンピック記念メダル製造に必要な経費四百万円余、食糧管理特別会計輸入食糧管理勘定における輸入食糧買い入れ増加に伴い必要な経費六十四億円、同特別会計輸入飼料勘定における返還金等調整勘定へ繰り入れに必要な経費二十三億三千四百万円余であります。  以上が昭和三十九年度一般会計予備費使用調書(その1)外二件の事後承諾を求めるの件の概要であります。  伺とぞ、御審議の上すみやかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。  次に、ただいま議題となりました昭和三十九年度一般会計国庫債務負担行為に関する報告につきまして、御説明申し上げます。  昭和三十九年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定に基づき、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる金額は三十億円でありまして、このうち、官庁施設災害復旧につきまして、昭和三十九年十二月四日の閣議の決定を経て、総額三億九千八百三十九万円の範囲内で国が債務を負担する行為をすることといたしました。  以上をもちまして、昭和三十九年度一般会計国庫債務負担行為に関する報告といたします。
  4. 堀川恭平

    堀川委員長 これにて説明聴取を終わります。     —————————————
  5. 堀川恭平

    堀川委員長 これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを許すことにいたします。勝澤委員
  6. 勝澤芳雄

    勝澤委員 公団事業団等政府関係法人関係についてまずお尋ねいたしますが、臨時行政調査会によりますと、公庫とか公団とか事業団その他の特殊法人等が無秩序に乱立されていると指摘されておるわけであります。しかも今度の国会におきましても、なおこの臨時行政調査会が、公庫公団事業団あるいはその他の特殊法人等について改組再編成せよという勧告をされているにもかかわらず、新設をするための法案を出されておるのであります。この点についてまず最初に大臣のお考えを聞きたいと思います。
  7. 田中角榮

    田中国務大臣 公庫公団事業団等はできるだけつくらないで済めばそれにしくはないのであります。しかし戦後の実情をお考えになりますと、この種のものが必要な状態がありましたからこそつくられたわけでございます。でございますので、むやみに乱造いたしておるというのではなく、一つずつ見ていただきますと、時代の要求としてどうしても必要だということであります。でありますので、公庫公団から民間事業に移り得るものはこれを整理していくということでございますが、例を石炭事業団にとりましても、石炭事業が平穏な状態で安定的な状態であれば、このようなものは必要としないわけでありますが、こういうものを必要とするということは、やはり石炭企業という状態がありますので、これに対応して補助金を出すか、また事業団としての業務を行なう必要があるかという問題でございます。あまりこういうものがたくさんできることは好ましいことではないという臨調の答申は、精神的にもよくわかりますが、実情に即して公社公団事業団等で対処しなければならないという考えでございます。
  8. 勝澤芳雄

    勝澤委員 改組、再編成すべきであるということで具体的にここに十八の個所が出ているわけであります。たとえば漁価安定基金あるいは愛知用水公団北海道地下資源あるいは東北開発鉄道建設公団森林開発公団、こういうものがたくさん出ているわけであります。いまの石炭なんかは、これは大臣の答弁でけっこうですけれども、大臣が言われないものは、これは廃止したほうがいいと、こう出ているわけです。そういう方針にあるにもかかわらず、また今度七つもふやすということは、臨時行政調査会というものをわざわざつくって、わざわざ審議をさして答申がありながら、それについて尊重すると言いながら、具体的に何ら尊重されていないということなんです。その点をお尋ねしているわけであります。どうですか。
  9. 田中角榮

    田中国務大臣 一般会計でもってやっておりましたもの特別会計になり、特別会計から公社に戦後移行したわけでございます。道路公団住宅公団等が必要があってつくられたわけでございます。答申にございます鉄道建設公団、これは私が認めたわけでございますが、これは答申にはございますが、これを一体どう合理化するか、こういう問題を検討しなければならないと思います。これは国有鉄道の中でやればいい、別勘定を設けてやれば、それに対する利子補給等国鉄に対して行なうということが一つ考えられるわけでありますが、そうなると、国鉄の持つ公共性公益性というもの国鉄独立採算制という問題との間に問題がございます。でありますので、政策的に国の責任で行なわなければならないものという、俗に、ある時期赤字路線であっても、これが地方開発のため等にはどうしても必要だという政策目的を達成するためには、やはり鉄道建設公団のようにその経理を明確に国民の前に明らかにする公団式ものが必要だ、こういう観点に立って国会で御審議を願い、発足をしたわけでございますので、これをすぐ合理化できるというふうには考えておりません。  それから愛知用水公団、これは御指摘のとおり豊川用水もございまして、豊川をやっておる間は愛知用水公団を存続させよう、また八郎潟等をやる場合にこれを一緒にするのか、また水資源開発公団一緒にするのか、電源開発会社水資源公団というものは一体どうあるのか、こういう問題は検討はされております。検討はされておりますが、いま結論に達して愛知用水公団水資源開発公団に合流すべし、また電源開発会社水資源開発公団は合併すべしという結論は、なかなか出ないわけでございます。答申はよく読んでおりますし、知ってもおりますし、そうあるべきだというところで努力はしているのでございますが、御承知のような目的、使命をやはり持っておりますので、この間の事情は十分御了解いただきたいと思います。しかしできるだけこれを統合するということがより合理的な面につきましては、統合は大いにしてまいりたいと思います。北海道地下資源の問題、石油資源開発の問題につきましては、いろいろ問題はございますが、いますぐにこれを合併するということはなかなかむずかしいので、将来は前向きで整理してまいりたい、こういう考えでございます。
  10. 勝澤芳雄

    勝澤委員 行政管理庁長官一緒に並べておかなければ話がつきませんから、その問題は本筋ではありませんが、そこでこういう公団事業団、あるいは政府関係法人等事業運営について、やはりせっかく別のものをつくったわけでございますから、十分な当事者能力を与えるべきだと思うのです。これは最近、大臣も御承知のように、三公社現業国鉄、専売、電電、こういうものに対して当事者能力を与えよ、こういわれている、それ以上に公団事業団等政府関係法人というもの当事者能力は与えておかなければいけないわけですね。公務員は、御案内のように、国家公務員法で労使の問題は規制されております。それから三公社現業は公労法という関係で規制されております。しかしこの公団事業団等というものは、御案内のように、これは労働法によって規制しているわけであります。しかしなかなか総裁理事長当事者能力がない、当事者能力がなく運営されておるところに企業自主性がないわけでございまして、これが主管大臣なりあるいは大蔵大臣が押えて、一切がっさい何もそういう問題については能力がないということは、私は好ましくないと思うのです。ですから、事業運営についての自主性をもっと根本的に検討すべき時期に来ていると思うのですが、その点いかがですか。
  11. 田中角榮

    田中国務大臣 御発言の御趣旨は私も理解できます。またそうあるべきだと考えております。しかし何ぶんにも公社公団事業団等政府施策不離一体ものでございます。同時に、これらの予算国会で御審議をいただくということでございます。でありますので、国会審議権と、それから当事者能力というもの調和点をどこに見出すかということが大切になるわけでございます。いまILO関係法も出ておりますから、これを契機に、公務員制度調査会も動いておりますし、そういう面で、できるだけ合理的になるように政府もいま検討いたしておるわけでございます。
  12. 勝澤芳雄

    勝澤委員 自主能力というものが制限されるところに、これらの特殊法人人事関係を見て見ますと、実質的には各省の外郭団体あるいは出先機関的な人事が行なわれているわけなんです。私はそれならそれでもけっこうだと思うのです。その省の外郭団体なりあるいは出先機関的人事だ、事務次官がおやめになってそっちへ行って総裁になったり理事長になったりしている、あるいは局長がおやめになって理事になったり監事になったりしている、あるいは監理官で監督しておったのがその会社に入って監事になっている、それはそれでけっこうだと思います。しかし一方そういう事業運営がされていながら、今度は内容を見てみると、相反している問題がある。そこで当事者能力の問題は、またもっと突き詰めて別のときに質問するといたしまして、そういう公社公団事業団等役員職員給与というものは、どういうことを標準にお考えになっておるのですか。大臣でなければ局長でもけっこうです。
  13. 田中角榮

    田中国務大臣 公社公庫公団事業団等は、原則としましてはその基本となす考え方は、民間の達識の人たちも十分ひとつ登用できるように、またこれらの職についていただけるようにという考え方民間給与というもの考え、同時に公社公団が持つ公共性、その特殊な性格というもの考えまして、ざっくばらんに申し上げますと、公務員給与、それから民間給与と比較をしますときに、多少民間寄り、こういう考え方でございます。それから職員につきましては、公務員よりも多少いい、民間に近い、こういうことでございます。ただ役員職員との退職金制度の上でどうも差があり過ぎるのではないかという問題がございます。これは民間にもあるわけでございます。部長のときは月給が十万円であった、取締役になったらこれが二十万円に倍増された、おかしいじゃないか、こういう話はございます。ただ問題がございますのは、民間役員は報酬でありますから、株主総会の議を経て、利益が計上されないときには期末賞与等もらえない、また利益がうんと計上されたときにはよけいもらう、こういうことでありますが、公社公団につきましては、一定の限度を設けて退職金臨時給与というようなものを計上しておるということの差がございます。いずれにしましても、おおよそを申し上げると、民間よりも多少低い、公務員よりも多い、こういう考え方基本になっております。
  14. 勝澤芳雄

    勝澤委員 役員給与は、あなたがおっしゃるとおり、民間に近づいておる。しかし職員給与公務員のほうに下げられておる、こういうのが私は現状のように思うのです。それは、最近道路公団や各種の個所を見てみますと、職員給与実態というものは、みな公務員公務員にということで準じられておって、一律なもの考え方がされておるわけでありますが、役員給与のほうはどうかというと、あなたが言うように民間の大ものを入れなければならぬから、民間給与に近づいているということで、上はいいけれども下はあっぷあっぷしているのが現況だと思うのです。  そこで次に私は役員給与実情についていま役員給与表を見てみますと、たとえば国鉄総裁は月四十万、四十五万人の従業員がおる。日本輸出入銀行総裁も四十万、従業員は三百五十七人。三百五十七人のところの総裁も、四十五万人の総裁一緒だ。ですから、これは何か基準があるのじゃないだろうか。総裁なり理事なりを比べてみますと、四十万の総裁と三十二万、二十六万、十八万ですか、こういう差別があるようですが、この差別は一体どういう基準によって行なわれておるのですか。
  15. 田中角榮

    田中国務大臣 三公社とか銀行とかの総裁理事長は四十万円、それから公庫公団でありましても、規模の小さいものにつきましては三十二万円、事業団等の大きいものは二十八万円、事業団等の小さいものが二十五万円、大体こういうことでございます。この三公社銀行のようなものに匹敵する都市銀行等は一体どのくらいか、大体いま八十万から百万円だと思います。五、六十万円ぐらいに匹敵するものが三十二万円ぐらい、七、八十万円から百万円近いものに匹敵するものが四十万円ぐらいということでございます。これは事業重要性とか規模の大小ということでございます。そういうことであるならば、四十五万を持っておる国鉄輸出入銀行というものが同じなのはおかしいじゃないかということでございますが、これは国の施策の面から考えまして、重要度考えますと、大体同じクラスだ、こういう考え方でございます。
  16. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで私は業務内容だと思うのです。四十五万でも、あるいはたとえば三百五十七人でも、業務内容が自主的に判断ができて、自主的な運営ができるような形にしておればいいと思うのですが、自治省、大蔵省できめたものを、ただ判こを押しているだけの総裁に、三十万、四十万月給を出すというのは、私はけしからぬと思うのです。とにかくこのごろはそういう職務権限しか与えていないのじゃないでしょうか。大体総裁理事長が自主的にもの判断してものをきめるということでなく、それを監督しているその省の言うことを一切がっさい聞かなければ判こを押せないというようなことだったならば、別に民間の大ものでなくてもいいわけですから、おやめになった局長さんでも、それ相当の給与ならば、いまの経理の半分で、もっと従業員のほうには三割増し、五割増しに出して、働く人の月給を増す、判こを押すほうは、まあまあ世間並みということに私はおさまると思うのです。ですから、そこでもう少し業務内容について自主的な判断を持たせるようにしてやらなければ、あまり月給が高過ぎる——高過ぎるのじゃない、ほかに比べて安過ぎるのかもしれませんけれども、やはり私はそういう業務内容についてもう少し検討すべきだと思うのです。  そこで、その点はおきまして理事監事給与の差があるわけです。御案内のように総裁監事、あるいは理事長監事大臣が任命しているわけであります。大臣が任命をして、そしてその中に問題があるならば、直接に大臣に意見を具申をせよということもいわれているわけであります。山陽特殊鋼によって公認会計士の問題が議論されております。やはり監事というものは独立した自主的なものになっておるわけでありますけれども、残念ながら待遇の上においては理事監事においては、監事のほうが理事よりも一段と下っておるという点で、これは行政管理庁から盛んに監事について仕事の中身を明確にして、監事監事としての役目を果たせ、しかしながらなおかつ処遇においても理事と比べて劣らないような待遇にすべきだ、こういう仕事と、それから給与勧告しておるわけでありますが、これについて私はこの際監事というもの大臣がわざわざ任命しておる、そうしてその中における直接監督をする、かわった目で見る、公認会計士に匹敵するわけですから、やはりこれは考えるべきだと思うのですが、いかがですか。
  17. 田中角榮

    田中国務大臣 大体そういう考え方をこちらも持っております。いままでは、四十万円クラスの例をとりますと、総裁理事長が四十万円、副総裁、副理事長が三十万円、理事が二十三万円から十九万円、監事が十七万五千円、これは数字であらわれるとおり、監事給与は少ない。ですから監事給与は多くしなければいけないということであります。  なぜ一体こんなことになったか、こういうことを考えますと、理屈はあります。それは民間におきましては取締役監査役ということになると、監査役のほうが給料が安い、こういうことがいままで歴史がずっとあるわけであります。もう一つは、理事というものは直接職務執行者でございますから、非常に仕事は忙しい。監事は大所高所からものは見るけれども、時間的に考え理事よりもそうむずかしくない。国会に呼び出されるのも、理事は呼び出されるが、監事は呼び出されない、こういういろいろな考え方からいいまして、監事のほうは多少安かった。こういう考え方歴史でありますが、われわれはこの歴史をかえなければならぬ。そういう意味でやはり監事というもの理事いすがあくまで監事に置いて、理事いすがあいたら理事に昇格するんだ、こういうもの考え方では監事制度はないほうがいい。この考え方は実によくわかります。ですから監事というものが閑職であるというようなことではなく、やはり政府理事者があまりに密接にやるといいながら、自主性を侵すというようなことをなくするためにも監事が独自の立場監査を行なう、またより高い立場から勧告を行なうというような制度を確立しなければならぬ。これは制度上の問題であります。だから一ぺんに理事監事をひっくり返してしまうというわけにもいかないわけでありますから、今度は現実問題として理事は二割アップ監事は二割五分アップ、三回、五回やっておるうちに、理想的な姿をつくろう、こういうことで前向きの体制であります。
  18. 山田長司

    山田(長)委員 大臣のいまの御発言はたいへんよい発言だと思うのです。ただ、実質的においてやはりいまの社会では監事理事者との差は、どの人が来てもかなりあると思うのです。この点は見のがせない事実です。それから監事の重要な職責を重んぜられて、いまのようなことにしてもらうように要望します。  そこで、伺っておきたいのは、最近の公団事業団等には単数監事ができたということです。一人しかいない。私はこれは権威を持たすためにおいても、一人の監事という制度は間違いだと思うのです。これはあくまで複数にして、お互いに相談し、自主独立の方法でやっていける体制をつくるべき性質のものだと思う。この点大臣どうお考えになりますか。
  19. 田中角榮

    田中国務大臣 究極的には複数が好ましい。でありますから、いま単数であるもの事業が大きくなるというような過程においては複数にしなければならぬという考え方は私も賛成であります。ただ、あまり頭でっかちでもって発足するとまたいろいろ問題もございますから、初めは、事業が小さいものに対しては、理事者はどうしても要るわけでありますから、監事は一人ということになったと思いますが、これは幾ら小さくても、監事制度を置く以上、単数より複数がいいという理論はよく理解できますから、できるだけそうします。
  20. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで、日銀総裁以下、日銀の役員給与はどうなっておりますか。
  21. 田中角榮

    田中国務大臣 三十九年度の下期の決算で申し上げますと、役員給与総額は二千二百三万六千円ということでございます。個々の金額は日銀できめておりますから、ここで申し上げませんが・・。
  22. 勝澤芳雄

    勝澤委員 個々のやつがほしいのです。
  23. 田中角榮

    田中国務大臣 個々のことはあまり申し上げないことになっておるのです。これはまあひとつどうぞ御了承いただきたいと思います。  期末手当は、三十九年度の下期決算で九百八十五万八千円、こういうことでございます。
  24. 勝澤芳雄

    勝澤委員 個々のやつを聞かなければ価値がないわけですから、私は別の機会に聞くことにいたしましょう、大臣がそうおっしゃるのですから。  そこで、それじゃまあ日銀は別として、開銀なり輸銀なりの総裁給与というものは、大臣、こうなっておるんですよ。開銀、輸銀、それから専売、国鉄、四十万クラス総裁ですね、四十万クラス総裁は、月に四十万の月給をもらっている。これを年に直しますと四百八十万円ですね。それから期末手当が四・二カ月ですから百六十八万円。それから退職手当が月に百分の六十五でありますから、一年に直しますと三百十二万。九百六十万年俸をもらっているということになるわけです。開銀、輸銀、こういうところは年俸九百六十万、月に直して八十万の月給取りだということになっておるわけであります。一番の最高は国際電電で、月給が年四百八十万、期末手当が百五十六万円、退職手当が四百八十万で、千百十六万、月九十三万円になるということです。それから退職金を調べてみますと、大臣をやって退職金を幾らもらえるかよく知りませんけれども、総裁理事長は一期四年やりますと、四年間で千二百四十八万円もらえるわけです。一年に三百十二万円ずつ退職金がつくわけです。国会議員の任期が三年、まあ二年くらいですか、解散になったとたんに退職金が払われるかどうかよく知りませんけれども、それから副理事長が四年やって九百七十六万、一年で二百四十四万の退職金に当たる。それから理事クラスが七百二十万、四年間やって退職金で年百八十万。ですから総裁を二期やりますと約二千五百万退職金がもらえるわけですね。私は、退職金の額がいいとか悪いとか、月に八十万もらっているのが高いとか安いとかいうことじゃない。一体それに匹敵する人事が行なわれているかということを言うわけです。大臣、どうお考えになりますか。
  25. 田中角榮

    田中国務大臣 あなたの言わんとするところもよくわかります。まあ先ほど申し上げたとおり、民間給与よりも少し低い、それから公務員給与よりも高い、こういうところで大体きめておるわけでありますが、数字を申し上げれば、民間との比較ではいろいろありますが、そんなことではなく、官庁の上級公務員が退職をした場合、自動的にそこへいって、そしていろいろなところを回り持ちをして、十年も十二、三年もやっているじゃないか、こういうところが御指摘だと思います。この問題、私も考えてもおりますし、あなたの言うこともよくわかるのですが、まあ制度の上では大体こういうことになっているわけです。ですから将来どうあるべきかという問題については慎重に検討いたしておるわけでございます。国鉄総裁などは、退職料を監査委員としてもらったから、月給は要らないということで、いま辞退をされておる、こういうものもございます。ただ、民間から優秀な人たちも参画してもらうという考え方制度ができておるわけですが、現実的には民間よりも上級公務員からの横すべりというか、いったのが非常に多いという現実に対処して、おかしいじゃないか、こういう議論になるわけでございます。ですから、民間から有能な人たちが一ぱい入ってくるということになれば、現在のものでもなお安いということもある意味では言えるわけであります。ですから、現実に徴しての議論でありますので、将来の問題として民間給与状態とか、公務員状態とか、特にこの本件に対して問題がありますのは、先ほども私ちょっと触れましたが、部長でおる者がひょっと理事になった場合には非常に給料も手当も退職料も多い、部長でおる人とはその間において非常に差がある、こういうところにも問題がございます。よくその問題の存在するところは理解しておりますから、いまの御発言を契機にして慎重に検討さしていただきたいと思います。
  26. 勝澤芳雄

    勝澤委員 私は、職員もこれにつれておるなら何ももう申し上げませんよ。しかし、職員のほうは職員のほうで公務員に準ずるんだと押えておきながら、片方は民間だといって、世間では総裁というものは四十万しかもらっておらないと思うけれども、こうやって退職金を計算してみると月八十万もらっている。月八十万ももらっていて、そうして計算してみたら、とにかく次官をやって副総裁に入って、副理事長に入って、四年やって、そうして今度は総裁になり理事長をやって八年、そうしてやめるときに二千四、五百万の退職金をもらって、また次に今度はほかのところに入って、またそこで一期四年なりあるいは二期なりやって、また——これは大臣、一番当初の、予期どおりの民間の人がこうやっておって、それで民間とのつり合いならいいですよ。しかし、やはり横すべりからいくやつは、これはやはり二段階設けたら私はいいと思うのです。民間からきた人はこの給与です、役人からきた人はこの給与です、仕事が、民間から大ものを持ってきてどうしても民間のいろいろのことでやってもらわなければならぬ仕事なら、私はそれはそれでいいと思うのですけれども、実際の中身を見てみますと、やはり次官でおやめになってそっちの理事長になったからといって、理事長と次官とどちらが——次官の下の局長か課長の監督を経てすべてこの仕事がやられておるわけです。一々みなやられておるわけであります。そういう仕事運営だったら、局長か課長さんでおやめになった人をこっちの理事長にしたほうがずっと国民経済的です。ましてや、こんなにばく大な退職金が払われておるということを聞いたら驚くと思うのです。まあ大臣もお考えになっておるようでありますから、その程度にいたしまして、次に私は、大蔵省は開発銀行総裁に、赤坂の青山高樹町の十二の四の国有地百十五・三二坪を千九百八万三千七百円で随意契約によって払い下げたということでございますが、これは事実ですか。
  27. 田中角榮

    田中国務大臣 これはいままでのことをみんな申し上げましょうか。事実でございますと申し上げたら、また御質問が出ますから、みんな申し上げます。重要な問題でありますから申し上げます。いま御指摘になりましたものは、昭和二十三年の三月二日に、財産税によって物納になって財務局に引き継がれたものでございます。(勝澤委員「ゆっくりやってください、書きますから。」と呼ぶ)またあとから差し上げます。財務局に引き継がれたものであります。それから昭和二十九年当時の貸し付け料の算定基準によりまして算定した貸し付け料は、年額二万七千八十一円でございます。当時の予決令第九十六条の規定によりまして、年額貸し付け料が五万円以下のものは随意契約ができるということになっております。この一般の取り扱いに基づきまして、昭和二十九年四月の二十八日に平田君に貸し付けを行なったわけであります。その後昭和三十八年十月二十八日に同氏に本地を売り払いをいたしました。売り渡した理由について申し上げますと、平田君は昭和二十九年十二月以降本土地に住宅を建築をしておったわけであります。自分が住んでおったわけであります。でありますので、予決令九十九条のうち縁故売り払いというものに基づきまして、同地を同君に売り渡した、こういうことでございます。売り渡しの価格は千九百八万三千七百円という価格でございます。これは不動産研究所、東京土地等の鑑定価格等を勘案して算定いたしました。売り渡しの坪数は百十五・三三坪、以上でございます。
  28. 勝澤芳雄

    勝澤委員 ついでですから、売り払い代金はどういう方法になっておりますか。
  29. 田中角榮

    田中国務大臣 延納を認めておるわけでございます。国有財産特別措置法第十一条に基づいて、一般の取り扱いに準じまして十年間の延納ということでございます。
  30. 勝澤芳雄

    勝澤委員 十年間ですと、千九百八万三千七百円はどういうぐあいに十年間に払うようになっておりますか。
  31. 江守堅太郎

    ○江守政府委員 十年間に毎年どのくらいずつ入ってくるかということは、実は私いま正確に記憶しておりませんが、最初に頭金といたしまして相当の金額を納めていただいて、あと十年間を年賦で納めていただくということで、年々どのくらいでございますか、資料がございませんので、後ほどお答えさせていただきます。
  32. 勝澤芳雄

    勝澤委員 三十九年の九月十一日に五百七十二万五千七百円を二割に相当する頭金で支払って、それ以後十年間は百三十三万五千八百円を払う。金利相当分の四百七十万四千七百十八円で、年六分五厘の十年延納、こういうふうに開いておりますが、そうですか。
  33. 江守堅太郎

    ○江守政府委員 毎年お払いいただく金額がその金額であるということは私確認しておりませんが、頭金をそのように取り、利率を六分五厘でそのように取りますので、お支払いになりました金額であろうと思います。
  34. 勝澤芳雄

    勝澤委員 二十九年四月二十八日ごろ、この総裁の平田さんはどこにおられたのですか。
  35. 江守堅太郎

    ○江守政府委員 国税庁長官をしておられました。
  36. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この貸し付けは、これは物納財産で、さら地であったわけですね。さら地であったのを貸して、それから平田さんがおうちをお建てになった、こういうことですか。
  37. 江守堅太郎

    ○江守政府委員 そうでございます。
  38. 勝澤芳雄

    勝澤委員 ひとついまの経過について、私は資料をお出し願いたいと思うのですが、私は最近あるところへ行きまして、国有財産の払い下げをしてもらいたいという庶民の声を聞きました。どうしたのだと言ったら、五年前から申請しておるんだけれども、係が変わって、さっぱり私のはやってくれない、しかしだれそれさんが頼んだやつはすぐやった、あそこの管財の出身者があの会社に入っているので、あの会社には優先的にやった、われわれのはさっぱりやってくれないということで、話をしてみますと、とにかく五年前に申請したのをいまの時点でやるのだといって、五年前の十倍余の金額で払い下げる、これでなきゃとにかく売らないのだといってがんばっているという話を聞きました。いまの話を聞いて、国税庁長官が国有地をとにかく借りて、そしてさら地にうちを建てて、今日になってこういう、千九百万といいますから、われわれには相当驚くような金額です。先ほど私は総裁以下各個所事業団公団人たち給与を見てみますと、一期つとめて四年やれば退職金と同じようなものだ、たいしたことはない、こう思いますけれども、まことに驚くことが私は行なわれていると思うのです。そこで法律的には違法はないでしょう、法律的には確かに合法的にやられているでしょう。しかし社会的に私は世間から見て、少し常識はずれだなという気がするのです。ひとつぜひ終戦当時から大蔵省の本省の課長以上で家族を含めて、一体どういう国有財産が払い下げになっておるかということをお調べになって、私は委員会に出していただくように特に要望いたしておきます。
  39. 江守堅太郎

    ○江守政府委員 調べまして、御趣旨に沿うような資料を提出いたします。
  40. 山田長司

    山田(長)委員 関連して伺います。実はいまどき、世にも珍しい無籍の土地があるわけです。それで占有している部落の人たちが、この上にはえた雑木は伐採してかってに処理をしておるわけです。これはいろいろ調べてみましたら全く無籍な土地で、二万余坪あるわけです。この場合、これは国有地に属するものと思われますが、これは昔で言うと、青ものという時代もあったようですけれども、とにかく全然無籍な土地があるわけです。国有地といっても、登記法上には全然載っていないし、そのほか記録上にもこれが所有者というものは全然明らかになっていないという土地があるわけですが、この場合国ではこの土地に対してどういうお考えをお持ちですか。
  41. 江守堅太郎

    ○江守政府委員 御質問の問題は青地の問題かと思いますが、青地と申しますのは土地台帳に付属しております公図の上において、いろいろなあるいは二線引きとかあるいは薄い色で塗るとか、ある一定の符牒をつけた土地でございます。その符牒をつけました土地の中には、そういう符牒はついておりますけれどもすでに民有地になっておるものもございます。そういうものはすべて土地台帳の上に民有地として書いてございます。土地台帳の上にそういう民有地として書いてないもの、全然番地のないもの、そういうものは一応国有地というふうに私どもは考えて処理をいたしておる次第でございます。
  42. 山田長司

    山田(長)委員 全然いかなるものにも載っていないものです。この場合、これは国有地であると言ったって、それはいま私が言わなければどこであるかわからないでしょう。それと同じなんで、これは発見されている部落の人たちは、もう有数十年前からこれはだれのものでもないのだけれども、上の樹木だけは伐採しておるのだという土地があるわけです。だけれども、これはだれも持ってないわけです、実際は。しかし一万数千坪の土地が現にある場所があるのです。これは国としてはどういう——いまあなたが言われたようなことでは、これは納得できないと思うのですが、この場合はどうするのか。
  43. 江守堅太郎

    ○江守政府委員 民有地はすべて土地台帳に載っております。したがって土地台帳に載っていないものは、国有地というふうに一応考えておるわけでございます。ただその実情が非常に長い間民間の方が使っておられる、いわば民法の取得時効に相当するような条件をすべて備えておられるというような土地ならば、これはその土地をほしいとおっしゃる方がそういう事実を十分お示しになって、法律的にも間違いないということを御主張なさるならば、そこまでも国有地として私どもは主張することは考えておりません。ただそういう場合でも、はたしてだれが占有しておったのかというような場合について、おそらくいろいろな問題が起こるだろうと思います。したがって、そういう状態があるからもう国有地ではございませんというわけにはいきませんので、そういった事実関係、法律関係を明確にする一つの手続を踏んだあとにおいて、国有地でない取得時効で民間の方が獲得されたものであるという土地であるならば、私どもはその占有されておって取得時効を完成された方のものであるということを認めるにはやぶさかではなく、そのつもりで仕事の処理をいたしております。
  44. 山田長司

    山田(長)委員 占有者がいることは事実です。それは数代昔からみんなで伐採しておるのだと言っておるが、しかし、実際は河川敷の近くであるために、もしそこがだれかのものになることによって竹林にするなり、あるいは雑木をやたらに伐採しないなりしておけば、公安上からいっても近くの都市に利益をもたらすという事態が発生しておるのですから、これはやはり何ものかに個人所有にするなり、保護の方法を講じなければならないと思っておりますので、この点、あえて関連していま伺っておるわけなんですけれども、この場合、占有者の了解さえ得れば個人取得をすることができることになりますか。
  45. 江守堅太郎

    ○江守政府委員 正確に申し上げますと、そういったものの中にも二種類ございまして、農道、里道と申しますような一種の公共的な目的に使われておりますもの、これが道路法で申しますと、道路法の認定外の道路というようなものでございますが、そういうものは公共物でございまして、これは建設省の所管しておりますところの行政財産でございます。そういうものについては、あくまで、私が先ほど申しましたような取得時効は完成しない。それ以外のものについて、取得時効が完成したものがあれば差し上げることができると申しております。ただ、そういった公共物でありましても、実際は公共的な目的に利用されていないというものがありましたならば、それは建設省のほうから私どものほうに引き継ぎを受けまして、そうして、これを御利用なさりたいという方にお売りできるようなことでございましたならばお売りするということでございまして、すべてのものが取得時効で解決できるというものではございません。
  46. 山田長司

    山田(長)委員 もう一点伺っておきます。  一切公共的なものはありません。ただ、周囲がかなり文化的に進んでまいりましたので、そういう無籍ないわばやぶのような地点があることによって、かえって人命に害を及ぼす危険のあるような個所なんです。こういう点は国で払い下げるといっても、登記法上にないのですから、そのまわりは全部番地がありますけれども、そこは無籍ですから、それは実に不可解な事態が何百年も続いているわけです。明治の初年に地番の明確なものができたといわれるが、全然それがない場所があるのです。私は質問を受けて、実はそれは部落の人に払い下げたらいいだろうというけれども、その場合は、保存登記をするにしても、両方の土地にはみな番地があって、その間にはさまっている場合には零番地になるわけですか、こういうことになるわけですけれども、一体そういう地点についての、——いまの見解では公共物と言われていますけれども、公共物でも何でもないのです。むしろ人畜に危害を及ぼすような個所なので、早く何とかもう少し整理しなければならぬ場所なのです。こういう場合にはどう処理しますか。
  47. 江守堅太郎

    ○江守政府委員 そういった無番地で、建設省所管の公共財産であるのが全然無利用の状態にあって、だれのものかわからぬような土地をどうするかということだと思いますが、その土地につきましては、土地台帳の上において、民有地でないものについては一応国有地ということを主張せざるを得ません。でございますが、その利用の状況が、先ほど申しましたように取得時効が完成しておるということでありますならば、しかるべき手続を踏んで、従来からずっと所有しておられます方々が、それをおれのものにしろとおっしゃるならば、そちらのほうに移す手続をとるというような処理をしてまいりたいというふうに考えております。
  48. 山田長司

    山田(長)委員 私の説明がふに落ちないのかと思いますが、土地台帳にも何にも載ってないのですよ。それで、地元の人たちは、おりに触れて樹木の伐採をして、適当に処理はしているけれども、川の近くなので、これはやたらに伐採したり、だれも所有者がないなんということであれば、そのことによる周囲の不安があるから、これは何とか処理はできないかということを聞いておるわけです。あなたのほうでは国有地国有地と言うけれども、いま私がそれがどこにあるか言わないから、わかっていやしないじゃないか。そんな勝手な国有地国有地ということだとおかしい。そういう場所に対する明らかなものがなければならぬと思うのです。
  49. 田中角榮

    田中国務大臣 明確になっておるのです。民有地でないものは国有地でございますと、こういうことでございます。ですから、あなたが部落でもってやるか、それから共同でもってやるかは、国有財産局にその無番地の図面を付して、国有財産の払い下げか、もしくは自分たちがもう使用しておって二十年以上になっておりますから、われわれのものになると思いますからというような確認の書類を出してもらえば、確認できるような書類の添付を要求するか、それから、そうではなく、親の時代はやっておったが、いろいろな別な人が使ったこともございますから、二十年間で時効が完成しておらぬという事実があれば、対価を幾らかもらってその人たちの名義にかえるということはできるわけであります。ですから、民有地にあらざるものは国有地、こういう観念でございますから、書類をお出しになれば解決の道はあると思います。
  50. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それでは、予備費の中で二、三お尋ねいたしておきます。防衛庁の関係ですが、駐留軍労務者の雇用はどういうふうに行なわれているか、それから、賃金、給与はどこで負担されておるか、こういう点についてまず最初にお尋ねしたいと思います。
  51. 藤本幹

    藤本政府委員 お答えいたします。  駐留冠労務者の雇用の関係につきましては、御承知かと思いますが、日米間におきまして基本労務契約というものがございまして、その契約に基づいて労務を提供しております。それから、賃金、給与等の支払いにつきましては、一応日本政府機関におきましてこれを決定し、各都道府県にこれを委任しておりますので、支払い業務は各都道府県でやっておりますが、その経費は全部アメリカ側から償還されることになっております。
  52. 勝澤芳雄

    勝澤委員 船員の労務者がベトナムの戦略物資を運ぶために働いておるというような話もいわれておりますが、船員労務者の業務の実態といいますか、そういう点はおわかりになっておりますか。
  53. 藤本幹

    藤本政府委員 駐留軍に雇用されております船員につきましては、現在二百三十三名ございまして、陸海空それぞれの部隊に所属いたしまして、現在二十六隻でございますが、日本の近海に就航しておるものもございますし、日本の沿岸に就航しておるものもございます。  業務の実態を申しますと、船の種類から申し上げまして、貨物船であるとか、あるいはタンカーであるとか、あるいは引き船、通船あるいは飛行機救難艇、それぞれ種類がございますが、ただいま申しました飛行機救難艇あるいは消火艇、引き船、通船というようなものはいわゆる小型の船舶でございまして、日本の国内の沿岸において就航しております。貨物船につきましては、日本近海に就航しておりまして、主として軍の補給物資の輸送に従事しております。
  54. 勝澤芳雄

    勝澤委員 二百三十三名の船員労務者が、どの船にだれが乗っているということはちゃんと掌握されておるのですか。それから、その船がどういうふうに動いておるという点もおわかりになっているのですか。
  55. 藤本幹

    藤本政府委員 承知いたしております。ただいま申し上げました二百三十三名の船員の配乗の状況でございますが、横浜にございますところのMSTS、これはアメリカの海軍の海上輸送隊でございます。この関係につきまして百四十四名、船の数にいたしまして八隻でございます。それから同じく横浜の陸軍関係で、消火艇あるいは通船、そういう関係におきまして二十二名、六隻に配乗されております。それから佐世保におきましては、給水船あるいは引き船等におきまして四十一名が四隻に配乗されております。それから岩国におきましては、飛行機救難艇が主体でございますが、これにつきまして十四名、七隻、それから呉におきましては、小型の船舶でございますが、これに十二名、一隻でございます。計二百三十三名が二十六隻に配乗されております。
  56. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それでその中の船に乗っておる人たちがベトナムへの輸送船に参加しておるとか、そういう点はどうなんですか。
  57. 藤本幹

    藤本政府委員 ただいまMSTS海上輸送隊の船舶は八隻ございまして、そのうちの三隻がいわゆる近海に就航しております。それが昨年の実績におきまして年に約三回程度サイゴンに行ったことがございます。
  58. 勝澤芳雄

    勝澤委員 いまの点をもう少し詳しく資料として出してください。それによってあとの質問を続けますから。よろしゅうございますね。
  59. 藤本幹

    藤本政府委員 はい。
  60. 勝澤芳雄

    勝澤委員 次に消防庁の関係ですが、消防庁の予備費が、総理府関係が自治省関係となっていますが、これはどういうことなんでしょうか。よくわからないので、その関係をちょっと説明してください。
  61. 斎藤正夫

    ○斎藤説明員 お答えいたします。  昨年の七月の勝島倉庫の火災がありましたときに十九名殉職いたしましたので、当時賞じゅつ金の予算といたしまして一千万計上してございますが、自後いろいろの殉職予想を立てますと、とうていそれでは足りませんので、総理府関係から予備費の流用をお願いしたわけでございます。当時一千万で、現に支出したものと自後支出を予想されるものを含めますと五百二十三万円程度のものが出るであろう、差し引き四百七十七万円の予算の残額がありますが、それではとうてい足りませんので、一人当たり当時百万円ずつ国から出していただきましたので、予備費の流用を総理府からお願いしたわけであります。
  62. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そのことは説明資料に書いてあるのですが、それからがわからないのです。時間もありませんからあとでちょっと説明してください。  次にベトナム援助の関係でありますが、ここに東南アジア文化友好協会を使ってベトナム援助をした、こう言われておりますが、東南アジア文化友好協会というのはどういう団体なのですか。それからこの種のものは、韓国のコレラの先般の予備費を見てみましても赤十字を使っておるようでありますが、これだけがまた特別東南アジア文化友好協会というものを使っておりますが、この関係はどうなんでしょうか。
  63. 吉野文六

    ○吉野説明員 東南アジア文化友好協会は人道主義的な友愛の精神を基調として昭和三十八年に設立されました協会でありまして、日本と東南アジアの諸国民との間の文化交流、東南アジアの文化開発、同時に民生と福祉の向上に寄与することを目的としております。同団体は石井光次郎氏を理事長とし、ほかに理事十名、賛助会員三百名等を擁し、発足以来現在まで、先ほどの目的に従いまして民生、福祉事業をインドネシアのバリ島その他に対して行なっており、また東南アジア留学生の寄宿舎建設計画その他のために募金運動などをしておる等の活動をしております。今回のベトナムの緊急援助につきましては、当初外務省といたしましても、日赤にお願いすることを考えた次第でありますが、日本赤十字社は、ベトナムにおける治安状況、ベトナムが南北に分割されているというような事実等から、日赤傘下の団体の一部が反対する向きもありましたので、先ほど申し上げましたように、東南アジアの人道主義的友愛の活動をしております東南アジア文化友好協会に委託した次第であります。
  64. 勝澤芳雄

    勝澤委員 東南アジア文化友好協会というのは、これほど大きな事業というものは、できたばかりの団体ですから、過去やったことがないのです。ですから何も実績のない団体なんですよ。ここに決算報告書もいただいておりますけれども、そういうところを利用しなければならぬというのが私にはよくわからないのです。韓国の場合におきましては、コレラのときには日赤を代理というか、日赤に委託してやっておるわけですが、このときに——いまあなたは民生の安定とか福祉の向上とか言われたが、それでは何でも団体ならいいのか、こういう話もしたくなるんですが、これにふさわしい団体かどうかという点についてちょっと疑問があるんです。それはなぜかというと、過去における日赤は何もやっていないからです。決算書を見ればあなたもよくおわかりになろうと思います。これがあなたの言うように、こういう膨大な援助をやらせるにふさわしい団体かどうか、過去にそういう実績があったのかなかったのかを考えてみると、ただ名前を借りただけだというように思うのですが、その点いかがですか。
  65. 吉野文六

    ○吉野説明員 東南アジアの文化友好協会は、なるほど設立以来日も浅い協会ではありますが、従来相当実績がありまして、たとえば先ほど申し上げましたように、インドネシアのバリ島に対する災害の救済事業で八十万円の医療品の給与を実行しておりますし、それからインドネシア教会に聖書の供与——これは約八百万円相当の聖書を供与したわけであります。それから戦争混血児の日本留学生優先受け入れの寄宿舎建設運動として、今度約二億円目標の運動を起こしており、また文化交流といたしましては、東南アジア諸国留学生等の交流、親睦会を四回にわたって開催しておるとか、東南アジア諸国留学生の寄宿舎や日常生活の援助、その他諸種の事業を非常に意欲的にやっておる協会でありまして、この点につきましては経験も豊かであると考えておる次第であります。
  66. 勝澤芳雄

    勝澤委員 やった以上は経験豊かなことにしなければならぬでしょうけれども、結論的に簡単に言うならば、日赤ができなかったからこれにやらせたということなんでしょう。そういうはっきりした答弁を予算委員会の分科会でしてないものですから、ごたごたしておるんです。日赤にやらそうとしたけれども日赤ができなかったので、これにやらせたということなんでしょう。
  67. 吉野文六

    ○吉野説明員 そういう事情もわれわれは考慮いたしました。
  68. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この中身についてですが、ラジオを二万台送ったというのはどういう関係があるのですか。これも分科会で問題になって質問されているようでしたけれども・・。
  69. 吉野文六

    ○吉野説明員 御存じのとおりベトナムはまだ文化的にも開けておらず、住民も非常に、村と村との間が離れておるというような関係で、非常に不安定な状況にあるわけであります。そのようなところに、先方の希望もありまして民生安定、人心をなだめるというような意味でラジオを送った次第でございます。
  70. 勝澤芳雄

    勝澤委員 これは予算委員会の分科会で、現地に行ってまいりましたわが党の西村さんが現地の事情を伝えながら詳細に質問したようでありまして、また私のところにも詳細な資料がありますけれども、それは私は反対の立場で質問をいたしておりますので、反対をせんための質問だと言われてもあれですから、この辺で終わっておきますけれども、この経過というものはどうもなかなか政府も苦しいやり方をしたのだなという点は感じるわけであります。  それから次にもう一つ、これは総括的にどこでもけっこうですが、アメリカの原子力潜水艦が入港したために、各省ばらばらでありましたけれども、各省のいろいろ何と言うか、主管によって対策を講じたようでありますが、概略的にどういうことを行なって、そしてこのための予備費総額としてどれだけ使われたか、あるいはその次に、今度また入るときにはどうなるのか、入るたびにどういうふうにこのための予備費が使われるのか、こういう点についてどこか総括的におわかりになれば一番いいと思うのです。
  71. 木戸四夫

    ○木戸政府委員 それでは予備費使用概況を御説明申し上げます。  原子力潜水艦の寄港に伴いまして、放射能の調査をするために、寄港前とそれから寄港後におきまして調査を実施したわけでございます。  事前調査に関しましては、九月二十四日から十月三十日までの間に、佐世保と横須賀と両港におきまして放射能測定及び海水と海産物の採取をそれぞれ二回行ないました。また現地にモニターリング・ポイント等を設置しまして、連続的に測定しました。それから事後調査につきまして、三十九年十一月十二日及び四十年二月二日に二回にわたり、米国原子力潜水艦の佐世保入港に伴いまして放射能監視艇及びモニターリング・ポスト等によりまして、入港直前より出港後にわたりまして調査を実施したわけであります。  それでやり方といたしましては、科学技術庁におきましては一千六百七十万円の予備費を計上しておりますが、この大体の経費内容は、佐世保と横須賀にそれぞれモニターリング・ポイントとモニターリング・ポストをつくる費用と、それから分析化学研究所に化学検査を依頼した経費でございます。それから厚生省におきましては、国立公衆衛生院におきまして機器分析を実施していただいたわけでございます。それから農林省の水産庁におきましては、佐世保につきましては西海区水研におきまして、それから横須賀につきましては東海区水研におきまして、それぞれ海産生物につきまして資料を採取して、放射能の測定を実施していただいたわけでございます。それから運輸省におきましては、海上保安庁におきまして艦艇を二そう買いまして、そこで放射能の測定をいたしていただいたわけでございます。それで、その経費の合計額が四千四百六十五万三千円でございます。
  72. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それで今回はこれで、これからまた佐世保なり、今後入るときにはどういうことになるのですか。もう予備費の支出はなくなるのですか。
  73. 木戸四夫

    ○木戸政府委員 四十年度の予算に計上しております。
  74. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうすると、今度は予備費を使うようなことは各省ないということですか。
  75. 木戸四夫

    ○木戸政府委員 現在のところは、主として四十年度で計上した費用でやるつもりでございます。
  76. 山田長司

    山田(長)委員 大臣のおられる時間が非常に少なくなってまいりましたので、おられる間に一、二点御質問申し上げます。  当委員会で、さきにダイヤモンドのことを大臣に質問いたしましたら、さっそく大臣は、そのこともあったと思うのですが、次期国会開会まで御調査いただくということだったのです。そこで、国有財産の江守局長が、当委員会で四十年の三月末、これは私はいま四十年三月と記憶しているのですが、四十年度の三月なのか、この点がはっきりしておりませんけれども、返還すべきものは一応返還し尽くして、これを処理する段階になる、こういうことを言われましたけれども、もしこれを処理するにいたしますならば、この際、やはり、大臣は構想を発表しなければいけないと思うのです。なぜ、私は構想を発表しなければいかぬかといいますと、私は日銀の地下室に過去四回入りましたが、四回入ってみるたびに、置いてある位置が変わったり、それから品種名等も変わったり、品位が変わってしまったり、一番最初に、いまから十年ぐらい前になりますか、行監委で資料を要求したときには、ダイヤモンドの種類は九十六種類に分けられていたのであります。それが最近になって、十数種類に分けられておる。こういうことから考えてみましても、やはりこの処理をされるということについての構想は当然発表しで、十六万五千カラットの処理というものを明らかにしないと、疑惑を持たれる一つの資料になると思うのですけれども、この点いかなる構想を大臣は持っておられるか。
  77. 田中角榮

    田中国務大臣 決算委員会で山田さんからの御質問がございましたので、私も直ちに、国会開会前に日銀地下室に初めて参りました。初めて参って、十六万五千カラットというもののおおよその説明も聞きましたし、また大きなものも見てまいりました。と同時に、また一袋幾らというような、吹けば飛ぶようなというようなものまでほんとうにあるということがわかりました。わかりましたが、なかなかたいへんなものでございまして、私がいまこれをどう処分しようかということをきめるという段階ではございません。ただおおよその、いままでの返還請求等につきましては、ことしの三月と江守局長お答えしたようでございますが、お答えと、実際却下をしたり、いろいろな手続がまだ少し残っております。少なくともことし一ぱいにはすべてが片づくだろう。そして、あと残ったものは全部国のものになるわけでございます。ですが、これをどういうふうに払い下げるか、国際的な商人からも、いつ払い下げるのかというような問い合わせもあるようでございますが、国内的にも、日本国民のものであるから、日本の業者に払い下げるべきだというような話もございます。払い下げた結果は、これは社会的に最も納得のするものに金を使わなければならぬというこういう問題もございます。私もそのとおり考えておりますから、なかなかむずかしい問題でございまして、戦後二十年たちましたからもうそろそろピリオドを打ちたいというお気持ちもわかりますが、いますぐどうこれを処理するのかという結論は出しておりません。いずれにしましても、識者の十分な納得のいく御検討を願って、最終的には万全の体制で換金をするということになると思います。あなたが先ほど申された中の一点、これが見るたびに違う、こういうことでございますが、これは、見るたびに内容品がおかしくなっておるということを申されたわけでもないと思いますが、この保管ということに対しては非常に注意をいたしておりますので、内容が移動されているというようなことは全然ございませんと思いますので、その件に対しては一言申し上げておきます。
  78. 山田長司

    山田(長)委員 大臣は非常に確信のある言い方をするけれども、あの日銀の地下室で、普通の人が入れないところで、あそこから百万円の金がなくなって、いまだに発見できずにいる。それは大臣がどう弁明してもだめなんですよ、いまだに発見されないのですから。しかも札束がなくなっておるのです。伺とも私には不可解なことです。いまだにこれは不可解な一つです。そこでこれは方針を早く——いま大臣が言われましたように国際的な入札にするのか、国内商社に売り渡すのかわからぬけれども、やはりダイヤモンドのこの前の鑑定者のように商社の人であってはいかぬと思う。私が、こういう構想が大臣に早く打ち立てられなければいけないと言うのは、期日が三月、まだ少し残っておるから、ことし一ぱいかかって決裁すると言われますが、伺にしても構想だけは早く打ち立てて、ダイヤモンドの鑑定者というものはやはり世界的な鑑定者に見てもらう必要があると思う。まずこれが一つ。それから認定が終わったらば、認定後どのくらいの歳月のうちにこれを処分するのだというようなこともやはり大臣もこれからまだ一それはあなたは実力者ですから、まだずっと残るかもしれませんけれども、いつまでも、死ぬまでいる筋合いのものじゃないのです。構想を明らかにしなければならぬと思う。それからもう一つ大臣に知っておいてもらいたいのは、もう八、九年前になりますが、かつて当委員会で決議をして、これは社会保障制度のために使ってもらいたいということで決議文ができたことがある。ところがその決議文を本会議にかけないうちに吉田さんのばかやろう解散にあいまして、とうとう通らなかったのです。いま全国で引き揚げ者が各地で大会を開いて、二十年になっておるが、われわれは何らの恩恵に浴しておらないということで、いま大蔵当局に補償要求をしようという動きがありますが、大臣のさっきの御答弁によりますと、最も意義のある使い方をしたいと言われるが、あなたのおっしゃることは、やはり社会保障制度を意味すると私は思うのです。こういう点で、委員会で、社会保障のために使うべきだという決議をして、それが本会議に通らなかったというけれども、当時の委員はかわっちゃっていま一人もいない。いまだに続いてこれが出てきているのは、このダイヤの処理という問題は重大な問題だからですよ。ですから、これを明らかにするためには、どうしても大臣が明確な構想を打ち出して、鑑定の方法にしましても、あるいは入札の方法にしましても、ひとつ明確な打ち出し方をして、それで社会保障のために使うのだということを、おやめになる前に明らかにすることが、田中蔵相の名声を博するゆえんの一つになると私は思う。これはぜひひとつ社会保障のために使っていただきたいことを、私要望します。大臣の御所見を伺いたいと思います。
  79. 田中角榮

    田中国務大臣 山田さんのこの問題に対するお考え、十分理解できます。ただ私も、ものものでございますから、とにかく慎重にやらなければいかぬ、こういう考え方を前提にいたしておるわけでございます。こういう問題はいつまでも思いが残っておるというのもよくないと思いますから、少なくともことしの秋までには国有財産にはっきり認定されますから、そうすれば、まず評価をするということになると思います。それからこれを換金するという場合の影響ということも十分考えて、第二の段階で処分方法を考え、あと処分した代金をどういうふうに使うか、これは意義あるものに使わなければならぬことは事実でございます。また決算委員会でそういう決議をされたという事情も私は承知いたしておりますが、社会保障に使うといってもどういうものに使うのか、なかなかむずかしい問題であります。とにかく日本人が納めたものであることは事実ですから、現実問題としてあなたのものではないということで却下したりして今日になっておるわけでありますから、とにかく思いが残らないように、私のものもあの中に入っているんだけれどもよく使ってもらった、こういうことにしなければなりませんので、そこがなかなかむずかしいわけであります。私も、短い時間でありましても、いつやめるかわかりませんが、とにかくやめる日まで大いに努力いたして、万全の体制をとりたいと思います。
  80. 山田長司

    山田(長)委員 大臣のお考えは一応わかったのですが、この際私は国有財産局長に伺っておきます。伺っておくと同時に、委員長にあとで取り計らっていただきたいと思うのですが、現段階におけるダイヤの数量、それから品質、この資料を当委員会に御提出願いたいと思います。私は十数年前からの資料を全部持っておりますが、現段階における資料を出してもらいたい。どうぞひとつ・・。
  81. 江守堅太郎

    ○江守政府委員 提出いたします。
  82. 堀川恭平

    堀川委員長 これにて昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件、昭和三十九年度一般会計予備費使用調書(その1)外二件、及び昭和三十九年度一般会計国庫債務負担行為調書に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  83. 堀川恭平

    堀川委員長 これより昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件、昭和三十九年度一般会計予備費使用調書(その1)外二件について討論に入るのが順序でありますが、通告がありませんので、直ちに採決に入ります。  まず、昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その2)、昭和三十八年度特別会計予備費使用調書(その2)、昭和三十八年度特別会計予算総則第十三条に基づく使用調書昭和三十八年度特別会計予算総則第十四条に基づく使用調書(その2)、昭和三十八年度特別会計予算総則第十五条に基づく使用調書、以上五件について採決いたします。  各件をそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  84. 堀川恭平

    堀川委員長 起立総員。よって、各件は承諾を与うべきものと決しました。  次に、昭和三十九年度一般会計予備費使用調書(その1)、昭和三十九年度特別会計予備費使用調書(その1)、昭和三十九年度特別会計予算総則第十五条に基づく使用調書(その1)、以上三件について採決いたします。  各件をそれぞれ承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  85. 堀川恭平

    堀川委員長 起立多数。よって、各件は承諾を与うべきものと決しました。  次に昭和三十九年度一般会計国庫債務負担行為調書について討論に入るのが順序でありますが、通告がありませんので、直ちに採決に入ります。  本件につきましては異議がないと議決すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議なしと認めます。よって、異議がないものと決しました。  なお、ただいま議決いたしました各件についての委員報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  87. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議なしと認めます。よってこれを決定いたします。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  88. 堀川恭平

    堀川委員長 この際参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  国または公社補助金等を交付しているものの会計に関する件中、帝都高速度交通営団関係調査のため、本委員会に参考人として関係者の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  89. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、参考人の出頭日時及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
  91. 勝澤芳雄

    勝澤委員 委員長に要望いたしておきたいのですが、電源開発株式会社の九頭龍の入札にあたって、その審査の中で、当決算委員会に参考人なり証人として呼ばれました倉地さんが、新聞の報道によりますと殺害をされたというような事件が起こっておりまして、いまそれについて捜査中であるようでありますが、これは当委員会で問題になった事件とは関係があるかどうかわかりませんけれども、この殺害の原因は、委員会としては重大な関心を持たなければならぬと思うわけであります。また、われわれ社会党の立場からいえば、これはまだもう少し徹底的に究明するために小委員会をつくってくれという要望もいたしておりますので、事件の経過その他を考えて、委員長にぜひ善処していただきたいということだけ要望しておきます。
  92. 堀川恭平

    堀川委員長 お聞きしておきます。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十二分散会