○亀田
説明員 米穀の
売り渡し価格ないし消費者価格を改定した際に、米穀の販売
業者の
手元にありました在庫について、価格改定の差額だけの差益が発生いたしますが、この差益の
処置について、前年の六月に本
委員会で
委員長からも適切な
処置が要望されたわけです。
食糧庁といたしましては、その後これをどう扱うべきか検討を続けておりまして、ことしの一月一日で消費者価格を改定した際の差益につきましては、卸
業者と契約を結びまして、差益の一部を国に納付させるということにいたしまして、その結果、額といたしまして一億五百六十八万ばかり、これはすでに納付済みになっております。このように卸
業者と契約という形で納付させることにいたしましたのは、この米穀の販売
業者に発生しました差益をどう処理するか、特に国に納付ないし徴収ということの際には、一応法律で強権的に徴収するということも
考えられないわけではないのでございますが、一般的に統制思想が支配的であり、あるいは
経済統制ということが一般的に行なわれておった時代にはそう問題はないかと思うのでありますが、最近のように、統制
経済という思想も消え、また統制法令もきわめてわずかの例外を残してほとんどなくなっている今日では、法律で強権的に徴収するということにはかなり問題があろうかと
考えたのが、契約による道を選んだ一点でございます。
それで、今度はこの契約の中身でございますが、卸
業者と
話し合いをいたしまして、在庫量については、通常の操作を続けていく上に、一応円滑なる販売を続けていく上に当然なければならないと思われる
程度の在庫量というものについては、一般的にもこれは必要ではなかろうか、こういうことを
考えまして、値上げ等の行なわれない通常の場合における平均的な在庫量、これを一年間で見ますと、大体三日分になっております。それで三日分
程度については一応必要なる在庫量ということで、この点についての差益については免除してはどうか、こう
考えておったわけであります。なお三日分についての免除ということにつきましては、一月一日に消費者価格を改定したのですが、その際に価格が上がったために金利の増というものが加わります。それから一月一日にマージンを上げてほしいという要望がかなり強かったのですが、これを四月一日にずらしたということ、それから四月一日でマージンの改定が行なわれることを予定しておったのですが、これについてマージンを上げますと、その際に今度は逆に差損が生じます。この点をも
考慮しまして、通常の在庫量と思われる三日分、それと三日分を越えたものについての四分の一というものをそれぞれの損失増を
考慮しまして免除することにしまして、結果においては三日分を越える部分の四分の三の数量に相当する差益を国に納めるというような
処置をとったわけであります。その結果、先ほど申し上げましたような国に納付した差益額というものは一億五百六十八万になったわけであります。
なお小売りについても同じような問題がございましたが、一つには国と小売り
業者とは直接契約関係がございませんのと、何せ五万六、七千に及ぶ小売り者を一々相手にするということも技術的にも非常にむずかしい面がありますし、それぞれの価格改定における在庫の確認にも困難な面がありましたので、卸からは差益を納付させ、小売りから納付させないという不均衡の問題が残ったのでございますが、なお今後検討することにして、今回は納付させないことにいたしたのであります。
以上でございます。