○吉田(賢)
委員 いまここで
資金計画の具体的内容を伺うことはちょっと
大臣からは御無理かもわかりませんが、しかし一般的に
資金の点は重要事項として
指摘されて
おりますこともそのと
おりでございますし、またそれは何人が考えましても当然のことでございますので、これはひとり播州織物というのじゃなしに、綿、スフ織物全体といたしましての
通産省のお
立場は
資金問題、これは特別に考えていきませんと、引き合わない、損をする赤字のところへはなかなか商業ベースの
資金というものは流れていきませんし、特に播州地域におきましては担保力が弱いというようなことも伴いますのと、それからさっきから問題になっている山陽特殊鋼なんかの問題も響きまして、市中銀行の融資はいよいよ選別は厳選になってくる、こういうことであります。先般も事務当局に申し上げたのですが、実は
資金問題のためにこの播州地域におきましては一流会社の手形が二十銭、二流以下になると日歩三十銭でないと割れないのです。こんな金が三月末に二億四千万円、一月当時、二月当時の
調査ではざっと五億、同県の県庁の現地
企業診断の結果、そのような
状態があらおれておるのでございます。でありますので、
資金問題につきましてはさらに特段の御配慮のほどをひとつよろしくお願いを申し上げておきたいのであります。これまた、
資金問題にほんとうに力を入れるのでなければ、農業の金が農協から工業へいってしまうがごとく、引き合わない方面は実際はきませんし、またそれなくしては近代化の手づるも得られないことは、これは申すまでもないのでありますから、最重点的にこの点は扱っていっていただくべきであると思うのであります。
それからもう
一つ、ぜひ伺わなくちゃならぬのは、大体どの規模のものをほんとうに
企業体として推進するかということ、これは個々の問題もあり、あるいは団地的な問題もあり、あるいは合併した会社のこともあろうし、協業化と
一体として考えるべきですけれども、その辺につきまして
資金とのからみ合わせで相当これは精密な
調査の上おやりいただきませんと、この基本
計画書に出て
おりますのでは、これはどこかのサンプルがあるだけで現地の
実情に合うのやら合わぬのやらわかりませんので、万事現地の
実情を前提といたしまして、いわゆる適正生産の方式というものも御決定いただく。もちろん現地だけではいきますまい。これは売りものですから、アメリカの
関係もありましょうし、その他製品の種類、品質等の
関係もありましょうが、ともかく私はこの種の問題は現地の一切の資料というものを重視するという
立場でお立ていただきますこと。したがいまして、実施の
計画も出て
おりますけれども、これは現地の状況によって即応の体制で相当自由に変化、改定もし得る、こういうような弾力性を持ってやっていただいたらどうだろうか、こう思います。これは
計画を実施なさる上において私は重要なことだと思います。というのは、
大臣、この間私の兵庫県におきまして、農業のパイロットファームが実はできました。パイロットは設計できましたが、百姓から総スカンを食ってしまった。兵庫県ただ
一つのパイロットファーム、相当ばく大な
資金を投じて
おりますけれども、これはよかろう、これはよかろうと持っていったが、それはここには合いませんというようなことでございました。それは
資金の
関係がある、酪農が五年で返せというようなことをいうのでは、これも合わない。あの方法、この方法もうまくいかぬので、ちょっとお手上げというたら少しきついですけれども、これは前途非常に危ぶんだいま一ケースとして注目して
おります。こんなこともありますので、基本的な実施
計画があっても、ずばずばと当てはめていくのではなしに、地元地域の客観性、主体性というものを十分厳密に御
調査になった上で、弾力的に実施するように持っていくべきだ、こう思いますので、その点につきまして、
政府といたしまして、最高の
方針はぜひともそのようにあってほしいと思いますので、これは
方針の一端として伺っておきたいと思います。