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田中(彰)
委員 君とそんなこと
議論してもしようがない。総理がおいでになっているから……。
突然総理をお呼びして、時間のないときにむずかしいことを申し上げてもなんですが、実は
決算委員会でやっていますのは、いままでやったことのない
入札方法、そしてここに出ておりますとおり、もうこれは絶対に
鹿島なら
鹿島、間なら間、
前田なら
前田にきめたら、それしか落ちないことになっている。いまのどこを引こうが、間にも落ちない、そして一億三千万ばかりの高いところしか落ちない、
向こうもどこを引こうが
佐藤にしか落ちない。そしてこのくじを五本つくって、さっと五本引いて、四本を今度は見せないなら見せないで焼いちゃって、そして八五%で
鹿島に落ちて、八五%でなくて七〇%でもあるいは九〇%でもこれは
鹿島にしか落ちない、
向こうはあれしか落ちない。これは総理、なかなかむずかしい問題ですから、いま申し上げてもなんですが、そこでこの結果どうなったかと申しますと、一番下の
西松より五億一千二百万高い
鹿島に落ちている。そこで
藤井前
総裁も、
通産省の政務
次官も来てもらった、村上さんだから、そういうことにも体験があるから、また皆さんから聞いても、
西松であろうが、
前田であろうが、
熊谷であろうが、間であろうが、こちらは、大成であろうが、
熊谷であろうが、
前田であろうが、奥村であろうが、この
入札が落ちたところへ、安く落ちても、この
人たちは仕上げる能力とりっぱな
技術を持っているから
指名業者にしたと言っている。そうしたなら、安いところへ落ちるということは、
入札の標準なんです。ところが
電発は特に
通産大臣から――
電発の
入札方法というのはこの規程の第十四条にきまっているのです。その
入札の
ほんとうの本筋の
入札方法をやめて、これでやったわけですね。そしてこういうことをして、片一方は五億一千二百万高いところへ落ちている。片一方は三億三千三百万高いところへ落ちています。これは競争してやったのなら落ちてもいいです。
入札というものは、やはり
指名業者を
技術的に、信用的に、いままでの体験的に、実質的に、いろいろなことを
仕事をさして
調べた
指名業者ですから、安いところへ落ちるのは当然です。
国民もみなそれを希望するわけです。ところが高いところへ落ちている。そしてどこへ入れようと思っても
あとは入らない。だからこの
入札方法はおかしいのじゃないか。五億一千二百万も高い。片一方は三億三千万も高いということはおかしい。
そこで、ここでもう
一つ疑問があるのは、こちらの間と
熊谷とは、四十億からの
仕事で、七百八十万しか違っていません。
熊谷と
前田では六百万しか違っていません。
西松と
前田で千八百万しか違いません。こちらも、とにかく大成建設と
熊谷とは七百万しか違っていません。
前田とは八百五十万しか違っていません。奥村とは五千六百万しか違っていません。これはちょっと違いがありますけれども、
あとはみんな
業者が相当
技術と体験があるから、そう違っておりません。片一方は一億、片一方もとにかくこれだけの大きな違いを出して一億三千六百八十万、その高いところへ落ちているわけです。だからだれもふしぎに思う、おかしいじゃないか、いままでやったことのないことをやっておかしいじゃないかというので、実は
調べておるのです。あなたも長い問政治生活をして御存じでしょうが、ああでもない、こうでもなくて、へ理屈を並べて、何らのあれもない。それから
会計検査院長にも、初め、この
入札方法はどうなんだと言ったところが、いやそれは別に違法じゃないと言う。それから私のほうで
調べたら、やはり本筋の
入札の規定があるにかかわらず、それを用いないで、特別にいままで用いたことがない方法を用いて、どうなんだというので、いろいろ
会計検査院長に言ったところが、
会計検査院長は、ここで、この
入札はよく
調べてみました――あのときはわからなかった、
調べてみたら、これは随意契約のなれ合いの
入札だ、そこで今度は
刑事課長が
局長のかわりにおいでくださったから、あなたはこれに対してどうお思いになりますかとだいぶ聞いたら、
自分はこういう請負師の談合等の
事件を
調べた体験がある。いまここで公人としてはいろいろ問題もあるからなんだが、個人の
意見を申すならば、これは
目途額を、声で知らしたか紙で知らしたか、こう思われる点がある。この
入札は私の体験から
考えても
疑惑のある
入札であるということを言われておるのです。
決算委員会としては何も強制捜査権を持っているわけではないし、そういうことできまれば、
あと電発がいろいろなことをやってくれれば、あやまって、きちっとこんなことがないようにすれば、これでいいんです。ところが、ああでもない、こうでもないと言って、聞くたびに話が違ってきて、いまの
公益事業局長と
大臣の食い違いみたいなものだ。私はどっちを信ずるかというと、あなたも閣議なんかで御存じでしょうが、悪いことをしたりなんかする腕は
大臣はないかもしれぬけれども、正直なことにおいては、私は相当保証できると思う。手腕家でなくても間違いのない男だと思っている。
そこで、そういう点ですから、私のほうはこれを
調べて――しかしきょうあなたがおいでくださったから、今後
通産大臣を通じて――こればかりじゃありません。建設省のことでずいぶん問題が出ています。ここに
刑事局長がおいでになりますが、某人間を
調べたら十四億くらいの金が各建設
業者からいっています。それを引っぱろうとしたところが、これは民間人ですから、上のほうにつながれば汚職として引っぱれるけれども、いや、取ったって上が知らぬと言えば――それは十何億も金を集めるんだから相当なものだ。なかなか腹のできた、人の一人くらい殺しても監獄に行かぬくらいの勢力のあるものだから、上にいかない。だから引っぱれない。そこで国税庁がぽっと税金でやったら、今度は国税庁のぼろを握って、ここでも争って、どっちが勝つか負けるか知らぬが、手が届かぬからほうってありますが、こういう事態が各省に起こっている。これですから、ひとつあなたからも
通産大臣を通じてそういうところの
監督をされることと、また
決算委員会が何を取り上げても、強制捜査権や何か持っているのではないですから、あなたが御心配になるようなところに、反省してくれれば、いかないと私は思う。だから、ひとつこれに対する
監督を強化してもらいたい。あなたにきょう来ていただいたから、私のほうは実はきょうこれで打ち切ろうと思った。ところが
電発内部では、総理
大臣が出たから、もうこれで打ち切るんだ、
鹿島建設、もうこれで
仕事終えたんだ、もう済んだと言っている。きょう
委員長に非常に申しわけないが、
委員長、あなたは人格者でりっぱな方で、私は信じていますけれども、
委員長の息子さんが
鹿島建設に出ておって、
委員長がやはり顧問みたいなことをやっておられる。そこで、これを
調べて打ち切りだとなれば、これはなあなあなんだといって流布されたうわさと同じになるから、私のほうは、幸いにして小
委員会をつくっておりますから、小
委員会でぽつりぽつり
調べますけれども、あなたとの約束、出ていただければもうこれで打ち切っていいんじゃないかという点はちょっと変更いたしましたけれども、そこをひとつあれして、総理からこれに対する御見解を承れば、私はそれでもう質問はいいと思います。